JP3755647B2 - 撥インク処理方法、インクジェットヘッドのノズルプレート、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ - Google Patents
撥インク処理方法、インクジェットヘッドのノズルプレート、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥インク処理方法、インクジェットヘッドのノズルプレート、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタに関するものであり、特にフッ素樹脂重合膜またはシリコーン樹脂重合膜を形成して撥インク処理を行う撥インク処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5(1)にインクジェット式プリンタのインクジェットヘッド1の断面図を示す。インクジェット式プリンタのヘッド1には、インク2を噴射するため、多数の微細なノズル3が微小間隔を隔てて形成されている。
【0003】
インクジェット式プリンタでは、図5(2)に示すように、ヘッド1のノズルプレート4の表面4aに、インク5が付着することがある。そして、その後に噴射されたインク6が付着インク5に接触すると、付着インク5の表面張力や粘性等の影響を受けて、インク6の噴射軌道が曲げられてしまい、所定の位置にインクを塗布することができなくなるという問題がある。従って、ノズルプレート4の表面4aに、インク5の付着を防止するための処理をしておく必要がある。
【0004】
そこで本願出願人は、PFC(パーフルオロカーボン)ガスとCF4(四フッ化炭素)ガスとの混合ガスをプラズマ化して、図6(1)に示すようにノズルプレート4の表面にフッ素樹脂重合膜8を形成することにより、撥インク処理を行う方法を開発し特許出願している。この方法は、従来のフッ素樹脂とニッケルとの共析メッキによる撥インク処理方法に比べて、高い撥インク性を発揮しうるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット式プリンタでは、待機中にノズル内でインクが固化するため、動作を開始する前に外側からノズル内のインクを吸引する作業を行っている。その際、図6(1)に示すように、吸引されたインクがノズルプレートの表面に残留する場合があり、このインク5を取り除く作業が必要となる。そこで、ワイピングを行っている。ワイピングは、ゴム製のワイパ9を用いて、ノズルプレート4の表面をぬぐうようにして行っている。インクジェット式プリンタの寿命までには、2000回程度のワイピングが行われる。
【0006】
ところが、上述したフッ素樹脂重合膜8による撥インク処理では、2000回のワイピングにより、図6(2)の8a部のように重合膜が剥がれてしまう。そして親インク性を有するステンレス製のノズルプレートが露出し、当該部分にインクが付着する。その結果、その後に噴射されたインクの軌道が曲げられてしまい、所定の位置にインクを塗布することができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に着目し、耐久性に優れた撥インク膜を形成しうる撥インク処理方法の提供を目的とする。この他にも本発明は、撥インク性、インク移動性または耐有機溶剤性に優れた撥インク膜を形成しうる撥インク処理方法の提供を目的とする。また、製造コストを低減しうる撥インク処理方法の提供を目的とする。また本発明は、上記の各特性を有するインクジェットヘッドのノズルプレート、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る撥インク処理方法は、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するフッ素樹脂重合膜を形成した後、不活性ガス中または真空中において加熱処理してフッ素樹脂重合膜を硬化させる構成とした。加熱処理により、フッ素樹脂重合膜に含まれる液体原料が蒸発するので、フッ素樹脂重合膜を硬化させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0009】
また前記加熱処理は、不活性ガス中または真空中において行う。これにより、フッ素樹脂重合膜の酸化を防止することができ、またフッ素樹脂重合膜への水酸基や水素原子の結合を防止することができる。従って、撥インク性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0010】
また前記加熱処理は、150℃以上230℃以下の温度で行う構成とした。これにより、フッ素樹脂重合膜を分解させることなく、確実に液体原料を蒸発させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0011】
また前記フッ素樹脂重合膜の形成は、PFCガスと四フッ化炭素ガスとの混合ガスをプラズマ化することにより行う構成とした。これにより、PFCガスがノズルプレート上でプラズマ重合してフッ素樹脂重合膜が形成される。また、四フッ化炭素のプラズマ化により生成されたフッ素ラジカルが、重合時に発生する未結合手と結合するので、水酸基や水素原子が未結合手と結合する割合が少なくなる。従って、撥インク性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0012】
なお前記PFCガスは、直鎖構造を有するものである構成とするのが好ましい。また前記PFCガスは、飽和構造を有するものである構成とするのが好ましい。これにより、重合時における未結合手の発生が減少し、水酸基や水素原子と結合する割合が少なくなる。従って、撥インク性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0013】
なお前記PFCガスは、炭素を少なくとも6個以上有するものである構成とするのが好ましい。この場合には、重合により形成されるフッ素樹脂の分子量を大きくすることができる。従って、撥インク性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0014】
また前記PFCガスは、炭素を少なくとも8個以上有するものである構成とするのが好ましい。このPFCガスは、常温常圧下で液体または気体として存在し、真空中ではほとんど加熱することなく容易に気体となる。従って、取り扱いが容易となり、製造コストを低減することができる。
【0015】
一方で本発明は、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するシリコーン樹脂重合膜を形成した後、不活性ガス中または真空中において加熱処理してシリコーン樹脂重合膜を硬化させる構成とした。加熱処理により、シリコーン樹脂重合膜に含まれる液体原料が蒸発するので、シリコーン樹脂重合膜を硬化させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0016】
また前記加熱処理は、不活性ガス中または真空中において行う。これにより、シリコーン樹脂重合膜の酸化を防止することができ、またシリコーン樹脂重合膜への水酸基や水素原子の結合を防止することができる。従って、撥インク性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0017】
また前記加熱処理は、300℃以上400℃以下の温度で行う構成とした。これにより、シリコーン樹脂重合膜を分解させることなく、確実に液体原料を蒸発させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0018】
また前記シリコーン樹脂重合膜は、シリコーン油をプラズマ重合して形成する構成とした。シリコーン油をプラズマ重合して形成されるシリコーン樹脂の分子構造の骨格は、無機材料のシロキサン結合であるため、耐有機溶剤性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0019】
なお前記シリコーン油は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルシロキサンである構成とするのが好ましい。ポリジメチルシロキサンはメチル基を、ポリジフェニルシロキサンはベンゼン環をそれぞれ有しているため、有機材料と同等の接触角を有する、撥インク性に優れた撥インク膜を形成することができる。また、インク移動性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0020】
また前記シリコーン樹脂重合膜は、ヘキサメチルジシロキサンまたはヘキサフェニルジシロキサンをプラズマ重合して形成する構成としてもよい。これにより、耐有機溶剤性におよびインク移動性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0021】
また前記シリコーン樹脂重合膜は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルシロキサンからなる構成とした。これにより、耐有機溶剤性におよびインク移動性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0022】
一方、本発明に係るインクジェットヘッドのノズルプレートは、請求項1ないし15のいずれかに記載の撥インク処理方法を使用して形成した構成とした。これにより、上記の各特性を有するインクジェットヘッドのノズルプレートを提供することができる。
【0023】
一方、本発明に係るインクジェットヘッドは、請求項16に記載のインクジェットヘッドのノズルプレートを使用して製造した構成とした。これにより、上記の各特性を有するインクジェットヘッドを提供することができる。
【0024】
一方、本発明に係るインクジェットプリンタは、請求項17に記載のインクジェットヘッドを備えた構成とした。これにより、上記の各特性を有するインクジェットプリンタを提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る撥インク処理方法、インクジェットヘッドのノズルプレート、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタの好ましい実施の形態を、添付図面にしたがって詳細に説明する。なお以下に記載するのは本発明の実施形態の一態様にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
最初に、第1実施形態について説明する。第1実施形態に係るインクジェットヘッドのノズルプレートは、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するフッ素樹脂重合膜を形成した後、酸素および水分を除いた不活性な雰囲気下で加熱(アニール)処理して、フッ素樹脂重合膜を硬化させたものである。
【0027】
図1に第1実施形態に係るインクジェットヘッドの側面断面図を示す。インクジェットヘッド10の基板80はシリコン材料等で構成し、その内部および表面にインク通路82を形成する。さらに基板80の表面に、ステンレス材料やシリコン材料等で構成したノズルプレート28を接着する。そして基板80のインク通路82に連続して、ノズルプレート28を貫通する複数のノズル70を形成する。ノズルプレート28の厚さは80μm程度とし、ノズル70の先端部分の直径は数十μm程度とする。なお、基板80とノズルプレート28とを熱膨張率の同じ材料で構成すれば、インク通路82とノズル70とのずれを防止することができる。
【0028】
また、インク通路82の壁面の一部を振動板(不図示)で形成するとともに、その外側に励振電極(不図示)を設ける。そして励振電極に電圧を印加すると、静電気力により振動板が静電吸引されて振動する。この振動板の振動により、インク通路82に内圧変動が発生し、ノズル70からインクが噴射される。このインクジェットヘッドを用いて、図7に示すインクジェットプリンタを形成する。
【0029】
ノズルプレート28の表面32には、撥インク膜68としてフッ化樹脂重合膜を形成する。フッ化樹脂重合膜は、PFCが直鎖状に重合したものであり、重合度が大きくなり分子量が大きくなるほど高い撥インク性を示す。また、フッ素原子の含有率が高いほど撥インク性が高くなり、水素原子、酸素原子および水酸基等の含有率が高くなると撥インク性は低くなる。
【0030】
次に、撥インク処理装置について説明する。撥インク処理装置は、成膜処理装置およびアニール処理装置により構成されるので、まず成膜処理装置について説明する。
図2に成膜処理装置の説明図を示す。成膜処理装置20として、まず真空チャンバ22を形成し、真空ポンプ24に接続する。真空チャンバ22の下面には、ノズルプレート28を載置する処理ステージ26を設置する。なお処理ステージ26は温度調節可能に形成する。また真空チャンバ22の上面には、絶縁体54を介して高周波電極50を設置する。高周波電極50の直径は例えば150mm程度とし、処理ステージとの距離は例えば160mm程度とする。高周波電極50は、例えば出力100W程度の高周波電源52に接続する。一方、真空チャンバ22の壁面は接地する。
【0031】
さらに、真空チャンバ22内に原料ガスを供給する、原料ガス供給手段33を設ける。まず、液体原料34を収納する容器36を設ける。容器36の下部にはヒータ37を設置し、液体原料34のガス化を可能とする。また容器36は、原料ガス供給配管38により真空チャンバ22と接続する。そして容器36内の原料ガスは、真空チャンバ22の負圧により吸引され、原料ガス供給配管38を通って真空チャンバ22内に供給される。
【0032】
またアルゴンガス供給源46を設け、アルゴンガス供給配管40により真空チャンバ22と接続し、真空チャンバ22内にアルゴンガスを供給可能とする。なおフッ化樹脂重合膜を形成する場合には、上記に加えてCF4(四フッ化炭素)ガス供給源44を設け、CF4ガス供給配管42により真空チャンバ22と接続し、真空チャンバ22内にCF4ガスを供給可能とする。
【0033】
なお、各供給配管38,40,42には流量制御弁(Mass Flow制御弁)49を設け、真空チャンバ22内に流入する各ガスの流量を調整可能とする。さらに原料ガス供給配管の流量制御弁49には、結露防止用ヒータ48を接続する。
また、真空チャンバ22には排気ポンプ(不図示)を接続し、使用後のガスを排気処理装置(不図示)に供給して排気可能とする。
【0034】
次に、アニール処理装置について説明する。図3にアニール処理装置の説明図を示す。アニール処理装置120として、まずチャンバ122を形成する。チャンバ122の下面には、ノズルプレート28を載置する処理ステージ126を設置する。なお処理ステージ126は温度調節可能に形成する。また置換ガス供給源147を設け、置換ガス供給配管143によりチャンバ122に接続し、チャンバ122内に置換ガスを供給可能とする。なお、置換ガス供給配管143には流量制御弁149を設け、チャンバ122内に流入する置換ガスの流量を調整可能とする。
【0035】
なお置換ガスの供給は、空気中に含まれる酸素により重合膜が酸化されたり、空気中に含まれる水分により重合膜に水酸基が結合したりすることによる、重合膜の撥インク性の低下を防止するために行う。すなわち、チャンバ内から酸素および水分を除去して、不活性な状態となればよい。そこで置換ガスを供給する代わりに、チャンバ122内を真空引きしてもよい。この場合には置換ガス供給手段150の代わりに、チャンバ22に真空ポンプを接続する。
【0036】
次に、第1実施形態に係る撥インク処理方法について説明する。第1実施形態に係る撥インク処理方法は、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するフッ素樹脂重合膜を形成した後、酸素および水分を除いた不活性な雰囲気下で加熱(アニール)処理して、フッ素樹脂重合膜を硬化させるものである。
【0037】
まず成膜処理方法について説明する。成膜処理は、図2に示す成膜処理装置を使用して行う。まず、ノズルプレート28の表面32を上にした状態で、真空チャンバ22内の処理ステージ26上に配置する。なおノズルプレート28の温度は、温度調整可能に形成した処理ステージ26により25℃程度に保持する。これにより、撥インク膜68の重合が促進されるようにしている。また真空チャンバ22内を、133Pa(1Torr)程度の圧力に保持する。真空チャンバ22内を真空とするので、大気中に含まれる水分子等により重合反応が遮断されることがなく、分子量の大きいフッ素樹脂重合膜を形成することができる。
【0038】
第1実施形態においては、液体原料34としてC8F18を使用する。C8F18は炭素を8つ以上有しているため、常温で液体若しくは気体として存在し、ヒータ37で50℃程度に加熱することによりガス化する。上述したように真空チャンバ22に接続した容器36は負圧となるため、液体原料34を容易にガス化することができる。さらに、結露防止用ヒータ48により80℃程度の温度に加熱して、C8F18ガスを真空チャンバ22内に供給する。一方、CF4ガスおよびアルゴンガスも真空チャンバ22内に供給する。
【0039】
次に、高周波電極50により真空チャンバ22内に高周波電圧を印加する。これにより、真空チャンバ22内に導入されたCF4ガスおよびアルゴンガスがプラズマ化され、フッ素ラジカルやアルゴンラジカルなどのプラズマ粒子が発生する。このプラズマ粒子が、C8F18分子における結合の弱い部分を切断して重合反応させる。またフッ素ラジカルは、フッ素樹脂の未結合手に結合することにより、フッ素樹脂のフッ素含有率を向上するとともに、水酸基や水素原子の含有率を低減する。さらに、フッ素樹脂の酸化反応を防止する作用も有する。これにより、形成したフッ素樹脂の撥インク性を高めることができる。なお、アルゴンガスは分子量が小さいので、高周波電極から放出された電子と容易に衝突することがなく、放電を広げて維持することができる。
【0040】
次に、アニール処理方法について説明する。アニール処理は、図3に示すアニール処理装置を使用して行う。まず、ノズルプレート28の表面32を上にした状態で、チャンバ122内の処理ステージ126上に配置する。次に置換ガスを供給し、チャンバ122内の空気を置換する。置換ガスとして、安価な窒素ガスを使用する。なお置換ガスの供給は、上述したようにチャンバ内から酸素および水分を除去するために行うので、窒素ガスの代わりに不活性ガスやPFCガスを使用することもできる。また置換ガスを供給する代わりに、チャンバ122内を真空引きしてもよい。
【0041】
次に、温度調整可能に形成した処理ステージ26の温度を、150℃以上230℃以下まで上昇させる。なお、常温から上記温度まで上昇させるための時間は短いほどよく、例えば5分程度で上昇させる。また、上記温度に達した後は自然冷却する。上述した成膜処理工程において低温で成膜したフッ素樹脂重合膜には、一部に液体原料が残留しているものと考えられる。そこで上記のように温度を上昇させアニール処理することにより、液体原料を蒸発させてフッ素樹脂重合膜を硬化させることができるのである。
【0042】
なお下限温度を150℃とするのは、それ以下の温度では液体原料が蒸発しないからである。また上限温度を230℃とするのは、それ以上の温度ではフッ素樹脂重合膜が分解してしまうからである。なお上記は大気圧下での温度条件であり、真空状態では下限温度および上限温度ともに低くなると考えられる。
【0043】
以上に述べた実施形態に係る撥インク処理方法を使用して、硬度を向上させたフッ素樹脂重合膜をノズルプレートの表面に形成し、そのノズルプレートに対してワイピング試験を行った。ワイピングに使用したワイパは、耐インク性に優れたポリプロピレンゴムにより、厚さ1mm程度および幅10mm程度に形成したものである。ワイピングの回数は、プリンタの寿命に相当する2000回とした。その結果、ノズルプレートの表面に形成したフッ素樹脂重合膜は、剥がれることなく成膜当初の状態を維持しうることが確認された。
【0044】
この点、従来のフッ素樹脂重合膜による撥インク処理では、2000回のワイピングにより、フッ素樹脂重合膜の一部が剥がれてしまうという問題があった。そして当該部分にインクが付着し、その後に噴射されたインクの軌道が曲げられてしまうという問題があった。その結果、所定の位置にインクを塗布することができなくなるという問題があった。
【0045】
しかし実施形態に係る撥インク処理方法では、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するフッ素樹脂重合膜を形成した後、加熱処理してフッ素樹脂重合膜を硬化させる構成とした。加熱処理により、フッ素樹脂重合膜に含まれる液体原料が蒸発するので、フッ素樹脂重合膜を硬化させることができる。従って、耐久性に優れたフッ素樹脂重合膜を形成することができる。このフッ素樹脂重合膜はワイピングによって剥がれることがないので、ノズルプレートの表面にインクが付着することがなくなる。従って、所定の位置にインクを塗布することが可能となる。
【0046】
また加熱処理は、不活性な雰囲気下で行う構成とした。これにより、フッ素樹脂重合膜の酸化を防止することができ、またフッ素樹脂重合膜への水酸基や水素原子の結合を防止することができる。従って、撥インク性に優れたフッ素樹脂重合膜を形成することができる。
【0047】
また加熱処理は、150℃以上230℃以下の温度で行う構成とした。これにより、フッ素樹脂重合膜を分解させることなく、確実に液体原料を蒸発させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0048】
またフッ素樹脂重合膜の形成は、PFCガスと四フッ化炭素ガスとの混合ガスをプラズマ化することにより行う構成とした。これにより、PFCガスがノズルプレート上でプラズマ重合してフッ素樹脂重合膜が形成される。また、四フッ化炭素のプラズマ化により生成されたフッ素ラジカルが、重合時に発生する未結合手と結合するので、水酸基や水素原子が未結合手と結合する割合が少なくなる。従って、撥インク性に優れたフッ素樹脂重合膜を形成することができる。
【0049】
なおPFCガスは、直鎖構造を有するものである構成とするのが好ましい。またPFCガスは、飽和構造を有するものである構成とするのが好ましい。これにより、重合時における未結合手の発生が減少し、水酸基や水素原子と結合する割合が少なくなる。従って、撥インク性に優れたフッ素樹脂重合膜を形成することができる。
【0050】
なおPFCガスは、炭素を少なくとも6個以上有するものである構成とするのが好ましい。この場合には、重合により形成されるフッ素樹脂の分子量を大きくすることができる。従って、撥インク性に優れたフッ素樹脂重合膜を形成することができる。
【0051】
またPFCガスは、炭素を少なくとも8個以上有するものである構成とするのが好ましい。このPFCガスは、常温常圧下で液体または気体として存在し、真空中ではほとんど加熱することなく容易に気体となる。従って、取り扱いが容易となり、製造コストを低減することができる。
【0052】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る撥インク処理方法は、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するシリコーン樹脂重合膜を形成した後、酸素および水分を除いた不活性な雰囲気下で加熱(アニール)処理してシリコーン樹脂重合膜を硬化させるものである。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、その説明を省略する。
【0053】
近時インクジェットヘッドは、民生用プリンタのみならず、液晶表示装置用カラーフィルタの製造など工業応用が検討されている。そして、民生用プリンタの場合には水性インクを使用するが、工業応用の場合には有機溶剤を含むインクを使用する場合が多くなる。ところが上述したフッ素樹脂重合膜は、インクを吸収し膨潤して弱くなり、数回のワイピングにより簡単に剥がれてしまう。これにより、親インク性を有するステンレス製のノズルプレートが露出し、当該部分にインクが付着する。その結果、その後に噴射されたインクの軌道が曲げられてしまい、所定の位置にインクを塗布することができなくなるという問題がある。そこで、シリコーン樹脂重合膜による撥インク処理が検討されている。
【0054】
シリコーン樹脂重合膜として、図4(2)の化学式で表されるポリジメチルシロキサンの薄膜、または図4(4)の化学式で表されるポリジフェニルシロキサンの薄膜を形成する。シリコーン樹脂重合膜の分子構造の骨格は無機材料のシロキサン結合であり、良好な耐有機溶剤性を確保することができる。また、ノズルプレートとの密着性も確保することができる。さらに、ポリジメチルシロキサンではメチル基を、ポリジフェニルシロキサンではベンゼン環をそれぞれ有しているため、有機材料と同等の接触角を得ることができる。なお、メチル基またはベンゼン環をフッ素で置換すれば、極めて大きな接触角を得ることができる。加えて、インクジェットヘッドに本来必要な撥インク性とは、インクの流れ易さを示すインク移動性であり、シリコーン樹脂重合膜では、良好なインク移動性を確保することができる。
【0055】
シリコーン樹脂は、そのモノマーか、または重合度の小さいシリコーン油を液体原料として、後述する方法により重合し成膜する。ポリジメチルシロキサンの薄膜は、図4(1)の化学式で表されるヘキサメチルジシロキサンか、または重合度の小さいポリジメチルシロキサンを液体原料として、重合し成膜する。なお、ポリジメチルシロキサンは重合度n=4までのものが常温で液体であり、それ以上のものが固体となる。一方、ポリジフェニルシロキサンの薄膜も同様に、図4(3)の化学式で表されるヘキサフェニルジシロキサンか、または重合度の小さいポリジフェニルシロキサンを液体原料として、重合し成膜する。なお、ポリジフェニルシロキサンは重合度n=2〜3までのものが常温で液体であり、それ以上のものが固体となる。
【0056】
次に、具体的な撥インク処理方法について説明する。なお、以下にはポリジメチルシロキサンの重合膜を形成する場合を例にして説明するが、ポリジフェニルシロキサンの重合膜を形成する場合も同様である。
【0057】
まず成膜処理方法について説明する。成膜処理は、図2に示す成膜処理装置を使用して行う。まず、ノズルプレート28の表面32を上にした状態で、真空チャンバ22内の処理ステージ26上に配置する。なお、温度調整可能に形成した処理ステージ26により、ノズルプレート28を低温に保持し、シリコーン樹脂重合膜の重合を促進させるのが好ましい。次に真空ポンプ24により、真空チャンバ22内を例えば0.001Torr程度まで真空引きする。このように真空チャンバ22内を真空引きするので、大気中に含まれる水分子等により重合反応が遮断されることがなく、分子量の大きなシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。
【0058】
第2実施形態においては、液体原料34としてヘキサメチルジシロキサンまたは重合度の小さいポリジメチルシロキサンを使用する。これらは常温で液体として存在し、ヒータ37で100℃程度に加熱することによりガス化する。上述したように真空チャンバ22に接続した容器36は負圧となるため、液体原料34を比較的低温でガス化させることができる。さらに、結露防止用ヒータ48により150℃程度の温度に加熱して、原料ガスを真空チャンバ22内に供給する。一方、アルゴンガスも真空チャンバ22内に供給する。原料ガスとアルゴンガスとの合計流量は例えば100ccm程度とし、各ガス供給後の真空チャンバ22内の圧力を例えば0.2Torr程度に保持する。
【0059】
次に、高周波電極50により真空チャンバ22内に高周波電圧を印加する。これにより、真空チャンバ22内に導入されたアルゴンガスがプラズマ化され、アルゴンラジカルなどのプラズマ粒子が発生する。このプラズマ粒子が、ヘキサメチルジシロキサンまたは重合度の小さいポリジメチルシロキサンのメチル基を切断して重合反応させる。なお、アルゴンガスは分子量が小さいので、高周波電極から放出された電子と容易に衝突することがなく、放電を広げて維持することができる。このような高周波電圧の印加を15分間程度行い、500オングストローム程度の厚さのシリコーン樹脂重合膜を形成する。
【0060】
次に、アニール処理方法について説明する。アニール処理は、図3に示すアニール処理装置を使用して行う。まず、ノズルプレート28の表面32を上にした状態で、チャンバ122内の処理ステージ126上に配置する。次に置換ガスを供給し、チャンバ122内の空気を置換する。置換ガスとして、安価な窒素ガスを使用するが、不活性ガスやPFCガスを使用することもできる。また置換ガスを供給する代わりに、チャンバ122内を真空引きしてもよい。
【0061】
次に、温度調整可能に形成した処理ステージ26の温度を、300〜400℃程度に上昇させる。なお、常温から上記温度まで上昇させるための時間は短いほどよく、例えば5分程度で上昇させる。また、上記温度に達した後は自然冷却する。上述した成膜処理工程において低温で成膜したシリコーン樹脂重合膜には、一部に液体原料が残留しているものと考えられる。そこで上記のように温度を上昇させアニール処理することにより、液体原料を蒸発させてシリコーン樹脂重合膜を硬化させることができるのである。
【0062】
なお、アニール処理の温度は300℃以上400℃以下とする。下限温度を300℃とするのは、それ以下の温度では液体原料が蒸発しないからである。また上限温度を400℃とするのは、それ以上の温度ではシリコーン樹脂重合膜が分解してしまうからである。なお上記は大気圧下での温度条件であり、真空状態では下限温度および上限温度ともに低くなると考えられる。
【0063】
第2実施形態に係る撥インク処理方法では、インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するシリコーン樹脂重合膜を形成した後、加熱処理してシリコーン樹脂重合膜を硬化させる構成とした。加熱処理により、シリコーン樹脂重合膜に含まれる液体原料が蒸発するので、シリコーン樹脂重合膜を硬化させることができる。従って、耐久性に優れたシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。このシリコーン樹脂重合膜はワイピングによって剥がれることがないので、ノズルプレートの表面にインクが付着することがなくなる。従って、所定の位置にインクを塗布することが可能となる。
【0064】
また加熱処理は、不活性な雰囲気下で行う構成とした。これにより、シリコーン樹脂重合膜の酸化を防止することができ、またシリコーン樹脂重合膜への水酸基や水素原子の結合を防止することができる。従って、撥インク性に優れたシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。
【0065】
また加熱処理は、300℃以上400℃以下の温度で行う構成とした。これにより、シリコーン樹脂重合膜を分解させることなく、確実に液体原料を蒸発させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【0066】
またシリコーン樹脂重合膜は、シリコーン油をプラズマ重合して形成する構成とした。シリコーン油をプラズマ重合して形成されるシリコーン樹脂の分子構造の骨格は、無機材料のシロキサン結合であるため、耐有機溶剤性に優れた撥インク膜を形成することができる。また、被処理部材との密着性も確保することができる。
【0067】
なおシリコーン油は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルシロキサンである構成とするのが好ましい。ポリジメチルシロキサンはメチル基を、ポリジフェニルシロキサンはベンゼン環をそれぞれ有しているため、有機材料と同等の接触角を有する、撥インク性に優れたシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。また、インク移動性に優れたシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。
【0068】
またシリコーン樹脂重合膜は、ヘキサメチルジシロキサンまたはヘキサフェニルジシロキサンをプラズマ重合して形成する構成としてもよい。これにより、耐有機溶剤性におよびインク移動性に優れたシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。
【0069】
またシリコーン樹脂重合膜は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルシロキサンからなる構成とした。これにより、耐有機溶剤性におよびインク移動性に優れたシリコーン樹脂重合膜を形成することができる。
【0070】
図7に本発明を用いたインクジェットプリンタの一例を示す。本発明の撥インク処理を行ったノズルプレートを備えたものは、耐久性に優れており、耐有機溶剤性に優れた撥インク膜が形成されたものは工業用途にも応用される。
【0071】
【発明の効果】
インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するフッ素樹脂重合膜を形成した後、加熱処理してフッ素樹脂重合膜を硬化させる構成としたので、フッ素樹脂重合膜に含まれる液体原料を蒸発させ、フッ素樹脂重合膜を硬化させることができる。従って、耐久性に優れた撥インク膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドの側面断面図である。
【図2】成膜処理装置の説明図である。
【図3】アニール処理装置の説明図である。
【図4】(1)はヘキサメチルジシロキサンの化学式であり、(2)はポリジメチルシロキサンの化学式であり、(3)はヘキサフェニルジシロキサンの化学式であり、(4)はポリジフェニルシロキサンの化学式である。
【図5】インク噴射状態の説明図であり、(1)は正常なインク噴射状態であり、(2)はインクの噴射軌道が曲げられた状態である。
【図6】ワイピングの説明図であり、(1)はワイピング状態の側面断面図であり、(2)はワイピング後のノズルプレートの底面図である。
【図7】インクジェットプリンタの斜視断面図である。
【符号の説明】
1………インクジェットヘッド、2………インク、3………ノズル、
4………ノズルプレート、4a………表面、5………付着インク、
6………インク、8………シリコーン樹脂重合膜、9………ワイパ、
10………インクジェットヘッド、20………成膜処理装置、
22………真空チャンバ、24………真空ポンプ、26………処理ステージ、
28………ノズルプレート、32………表面、33………原料ガス供給手段、
34………液体原料、36………容器、38………原料ガス供給配管、
40………アルゴンガス供給配管、42………CF4ガス供給配管、
44………CF4ガス供給源、46………アルゴンガス供給源、
48………結露防止用ヒータ、49………流量制御弁、50………高周波電極、
52………高周波電源、54………絶縁体、68………撥インク膜、
70………ノズル、80………基板、82………インク通路、
120………アニール処理装置、122………チャンバ、
126………処理ステージ、143………置換ガス供給配管、
147………置換ガス供給源、149………流量制御弁、
150………置換ガス供給手段
Claims (16)
- インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するフッ素樹脂重合膜を形成した後、不活性ガス中または真空中において加熱処理して前記フッ素樹脂重合膜を硬化させることを特徴とする撥インク処理方法。
- 前記加熱処理は、150℃以上230℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の撥インク処理方法。
- 前記フッ素樹脂重合膜の形成は、PFCガスと四フッ化炭素ガスとの混合ガスをプラズマ化して行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撥インク処理方法。
- 前記PFCガスは、直鎖構造を有するものであることを特徴とする請求項3に記載の撥インク処理方法。
- 前記PFCガスは、飽和構造を有するものであることを特徴とする請求項3に記載の撥インク処理方法。
- 前記PFCガスは、炭素を少なくとも6個以上有するものであることを特徴とする請求項3に記載の撥インク処理方法。
- 前記PFCガスは、炭素を少なくとも8個以上有するものであることを特徴とする請求項3に記載の撥インク処理方法。
- インクジェットヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性を有するシリコーン樹脂重合膜を形成した後、不活性ガス中または真空中において加熱処理して前記シリコーン樹脂重合膜を硬化させることを特徴とする撥インク処理方法。
- 前記加熱処理は、300℃以上400℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項8に記載の撥インク処理方法。
- 前記シリコーン樹脂重合膜は、シリコーン油をプラズマ重合して形成することを特徴とする請求項8または9に記載の撥インク処理方法。
- 前記シリコーン油は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルシロキサンであることを特徴とする請求項10に記載の撥インク処理方法。
- 前記シリコーン樹脂重合膜は、ヘキサメチルジシロキサンまたはヘキサフェニルジシロキサンをプラズマ重合して形成することを特徴とする請求項8または9に記載の撥インク処理方法。
- 前記シリコーン樹脂重合膜は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジフェニルシロキサンからなることを特徴とする請求項8または9に記載の撥インク処理方法。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の撥インク処理方法を使用して形成したことを特徴とするインクジェットヘッドのノズルプレート。
- 請求項14に記載のインクジェットヘッドのノズルプレートを使用して製造したことを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項15に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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