JP2008238405A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッド表面に厚膜でかつ均一な撥インク膜を形成するインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】インクジェットヘッドのノズル面の表面処理を行う工程と、柔軟性部材上に撥インク材料を塗布する工程と、前記柔軟性部材から前記インクジェットヘッドのノズル面へ撥インク膜を熱転写する工程と、プラズマ照射により前記インクジェットヘッドのノズル面上の不要な前記撥インク膜を除去する工程と、前記柔軟性部材を前記インクジェットヘッドのノズル面から剥離する工程と、前記撥インク膜をベークする工程と、を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットヘッドの製造方法に関し、具体的にはインクジェットヘッドのノズル面が、撥インク性を有するインクジェットヘッドの製造方法に関する。
従来の製造方法では、撥インク材料をインクジェットヘッド上にスピンコートや真空蒸着などの手法により製膜した後、ノズル内部に浸入した撥インク材料を紫外線、電子線、超音波、エッチング液などによって除去していた。しかし、これらの方法では内部へ浸入した撥インク材料を完全に除去することが難しく、また、パイレックス(登録商標)などからなるインクジェットヘッドにおいては、除去工程においてインクジェットヘッドが破損してしまうなどの問題があった。
そこで、ノズル孔内部への撥インク材料の浸入をはじめから制御し、インクジェットヘッドに損傷を与えずに撥インク膜を製造する方法として、ノズル裏面から空気を噴出しながら撥インク性材料の塗布を行う製造方法が提案されている。上記製造方法では、撥インク膜の形成が空気が噴出するノズル周辺から始まるために、ノズル周辺のみが厚膜でノズル周囲外では薄い膜しか形成されない特徴がある。
一方、塗布形成された撥インク膜は、インクジェットヘッド表面の定期的なワイプクリーニングによって摩耗するため、撥インク膜の寿命は膜厚と膜厚均一性により決定される。また、上記ノズル裏面から空気を噴出する製造方法において撥インク膜を厚膜にした場合は、撥インク膜のバラツキが大きくなり、インクの着弾位置精度が低下するという問題が発生する。厚膜化とインクの着弾位置精度はトレードオフの関係になっている。
また、ノズル面に撥インク性を形成する方法として、多孔質剤を用いて撥インク材料をノズル面に転写する方法(特許文献1)、さらに、粘着シートを用いて撥インク材料をノズル面に転写する方法(特許文献2)が開示されている。
特開平6−143587号公報 特開2005−74834号公報
本発明は、インクジェットヘッド表面に厚膜でかつ均一な撥インク膜を形成するインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
本発明の実施形態によれば、インクジェットヘッドのノズル面の表面処理を行う工程と、柔軟性部材上に撥インク材料を塗布する工程と、前記柔軟性部材から前記インクジェットヘッドのノズル面へ撥インク膜を熱転写する工程と、プラズマ照射により前記インクジェットヘッドのノズル面上の不要な前記撥インク膜を除去する工程と、前記柔軟性部材を前記インクジェットヘッドのノズル面から剥離する工程と、前記撥インク膜をベークする工程と、を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
本発明によれば、インクジェットヘッド表面に厚膜でかつ均一な撥インク膜を形成するインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を表すフローチャートである。
すなわち、本実施形態の製造方法は、インクジェットヘッドのノズル面に表面処理を施して、その密着性を向上させる工程(ステップS102)、柔軟性部材上への撥インク材料の塗布工程(ステップS104)、柔軟性部材からインクジェットヘッドのノズル面へ撥インク膜を熱転写する工程(ステップS106)、プラズマ照射によりノズル面上の不要な撥インク膜を除去する工程(ステップS108)、柔軟性部材をインクジェットヘッドから剥離する工程(ステップS110)、および撥インク膜をポストベークする工程(ステップS112)を備える。
本実施の形態において、インクジェットヘッドのノズル面とは、即ち、インクジェットのインク材料等を外方の吐出する側の面のことを示す(以降この記載を省略する。)。
図2は、本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法が適用される液滴吐出ヘッドの模式断面図である。
液滴吐出ヘッド1の駆動方式として圧電型を用いた例を示す。インクジェットヘッド100の上に設けられた可撓性膜3と、可撓性膜3の上に設けられた圧電素子4とが、液室9内の液体に圧力を加える加圧手段となる。
液室9は複数設けられ、それぞれの液室9に連通する流路10が、それぞれ存在する。液室9の下端は、テーパ部を介してノズル孔101に連通している。
インクジェットヘッド100の材質は、吐出させる液体に対し耐食性を有する樹脂、金属、半導体材料などから選択することができ、具体的にはステンレスやニッケル合金あるいはパイレックス(登録商標)ガラスなどを用いることができる。
液滴吐出ヘッド1の主な部分の寸法を例示すれば、インクジェットヘッド100の厚みを1mm〜数mm程度、流路10の断面形状を高さ最大数mm程度×幅数100μm程度、円柱状の開孔であるノズル孔101の直径を20μm〜50μm程度、液室9の直径を250μm〜600μm程度、可撓性膜3の厚さを10μm程度、圧電素子の厚さを30μm程度とすることができる。
図3は、本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を表す工程断面図である。
図3(a)は、インクジェットヘッド100のノズル孔101近傍の要部断面図である。まず、インクジェットヘッド100のノズル面と撥インク材料の密着性を高めるため、インクジェットヘッド100のノズル面の表面処理を行う。
ここでは、インクジェットヘッド100のノズル面とは、例えば、インクジェット孔101を介して、インク材等を吐出する側の面のことを示す(以降省略する。)。
インクジェットヘッド100を、硫酸と過酸化水素水を体積比1:1で混合した溶液に10分間浸漬し洗浄を行う。図3(b)は、インクジェットヘッドノズル面上に、表面処理剤としてアミノ末端を有するシラン剤、例えば、信越シリコーン社製、LS−3150、を被覆し、シラン薄膜102を形成した状態を示す(ステップS102)。以下に、発明者らが検討した表面処理の方法と結果について述べる。
図4は、検討したシラン処理方法をまとめて示した表である。
一つめは、液相反応による処理方法で、シラン剤を含むエタノール溶液にインクジェットヘッド100のノズル面を浸漬し窒素気流中で乾燥させることによりシラン薄膜102を形成する。二つめは、気相反応による処理方法で、150℃のシラン剤原液の蒸気にインクジェットヘッド100を10分間浸漬することによりシラン薄膜102を形成する。三つ目は、多孔質部材を使用した転写で、シラン剤を含む溶液に多孔質部材を浸漬し、多孔質部材上の余分なシラン剤を含む溶液を窒素気流中で乾燥し、最後に、インクジェットヘッド100のノズル孔101を有する表面上に接触分離してシラン剤を転写する。四つめは、熱気化させたシラン剤をインクジェットヘッド100のノズル面に積層し、熱処理を行う。五つ目は、減圧気化させたシラン剤をノズル面に積層し、熱処理を行う。
図5は、一つめから三つ目までの表面処理したノズル孔101の外観形状写真である。
外観形状は、処理方法に大きく依存する。図5(a)に示すように、液相反応法では、シラン剤の乾燥過程でシラン剤がノズル孔101付近に凝縮するため不均一性が生じている。また、図5(b)に示すように、気相反応法によるシラン剤処理では、気相のシラン分子が表面に凝縮し、ノズル穴を塞いでいる。これに対し、図5(c)に示すように、多孔質部材を使用した転写法では、不均一性が生じない。これは、転写されるシラン剤は、多孔質部材の最表面上に存在するシラン剤と多孔質部材に浸透したシラン剤であり、インクジェットヘッド100に接触する前に乾燥過程を経ているため、ノズル孔101周辺でのシラン剤の凝集が抑制されるからであると考えられる。
一方、熱気化または減圧気化させたシラン剤をノズル面に積層する方法では、積層の制御が容易とは言えないが、ノズル面を暖め蒸発分子の凝縮を抑制することにより、シラン剤のムラは発生せず、良好な膜厚均一性を有する撥インク膜を得ることができる。
従って、シラン剤処理方法としては、シラン薄膜102の膜厚や形状の不均一性が発生しない多孔質部材を使用した転写法が望ましい。ここで使用する多孔質部材として、扱いやすさの観点からブロック形状の材料が使用できるが、把持するなどの扱いが容易であれば薄い材料でもよい。また、多孔質材料としては、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン、東レDow−Corning社製、Sylgard 184)を用いることができる。
なお、シラン剤は密着性を高めるために被覆するので、厚さは必要ではなく、理想的には単分子層でも十分である。
シラン剤処理が施されたインクジェットヘッド100のノズル面に、撥インク材料104aの形成を行う(ステップS104)。まず、図3(c)に示すように、柔軟性を有する部材103上に撥インク材料104aを塗布する。
ここで、部材103はインクジェットヘッド100への密着性のため、追従性があり、変形容易な熱硬化性樹脂または紫外線硬化樹脂であればよい。また、撥インク材料104aは少なくとも部材103表面を被覆していればよく、部材103中に含まれていてもいなくてもよい。部材103としては、シリコーンゴムなどの柔軟性材料を用いることができ、一例としてPDMSをあげることができる。
撥インク膜104を平坦とするため、PDMSを用いて平坦な表面を持つ部材103を作製する。Si−vinyl基を含むベースポリマーとSi−H基を含む橋かけ剤の2液を混合し、図示しない第一のシリコン基板上で熱硬化させ剥離することにより、平坦な剥離面を持つPDMSを作製することができる。なお、重合化においては、ベースポリマーと橋かけ剤との混合比を10:1とした。
部材103が平坦な面を有するようにしたことにより、部材103上に塗布される撥インク材料104aの膜厚均一性を向上させることができる。 また、部材103が平坦であることにより、撥インク材料104aが塗布された部材103をインクジェットヘッド100に載せる際の密着性がよくなる。そのため、後述するように、インクジェットヘッド100上に載置した部材103を、擦り合わせて固定したり、機械的に固定する必要が無く、低損傷で撥インク膜104の転写が可能となる。
撥インク材料104aとして、例えばサイトップ(CTL−816A、旭硝子社製)を用いることができる。サイトップは、フッ素ポリマーで、撥水撥油性を有しており、ポリマー末端にカルボキシル基がついているため、部材103に対する密着性が優れる。さらに、特定のパーフルオロ溶媒(例えば、CT−SOLV 180、旭硝子社製)に可溶であるため、ポリマー濃度を希釈液により自由に調整できる。従って、流動体として塗布することが可能であり、膜厚制御が容易である。
部材103へのサイトップの塗布をスピンコートにより行う。サイトップとパーフルオロ溶媒を重量比で1:2の割合で混合し、回転数1000rpmで塗布する。上記混合比とすることによりサイトップの粘度を高め、厚膜化することができる。溶媒乾燥後の膜厚は485nmであった。
次に、撥インク材料のサイトップ104aを塗布した部材103をインクジェットヘッド100に貼り合わせ、さらにサイトップを熱転写して、撥インク膜104として形成する(ステップS106)。
まず、図3(d)に示すように、サイトップを塗布した部材103とインクジェットヘッド100の上下を逆にし、インクジェットヘッド100を下にしてその上に部材103を載せ貼り合わせる。この貼り合わせにおいては、部材103が平坦性に優れるため、部材103には荷重を加えずにインクジェットヘッド100に密着させることができ、機械的に固定する必要はない。なお、サイトップは粘度の高い流動体であるため、ただちにノズル孔101内に浸入することはない。
次に、時間の経過に伴い、撥インク膜材料のサイトップが重力でノズル101内に浸入するのを避けるため、図3(e)に示すように、上下を逆にして上側からインクジェットヘッド100、撥インク材料104a、部材103の順に配置して、第二のシリコン基板105上に置く。
この配置で撥インク材料104aをインクジェットヘッド100に転写するための熱処理を行う。アミノ末端基を有するシラン剤102と撥インク材料104aのカルボキシル基との化学反応を促進して密着性を向上させることにより熱転写を行う。第二のシリコン基板105上で、部材103、撥インク膜104、インクジェットヘッド100の順の配置となる。
図6は、熱転写温度と転写不良の関係をまとめた表である。
転写温度を120℃、150℃、185℃、熱転写時間を1h、2h、3hの3種類とした。150℃と185℃では1hで撥インク膜104がインクジェットヘッド100に転写されたが、撥インク材料のサイトップ104aがノズル孔101内に浸入した。また、180℃では、部材103のPDMSがインクジェットヘッド100から剥がれる転写不良が発生した。一方、120℃では完全な転写には2h以上の処理時間を要した。
PDMSの剥がれは、PDMSの熱膨張により発生すると考えられる。また、サイトップのノズル内部への浸入は、熱可塑性樹脂であるサイトップが高温で流動化するためと考えられる。サイトップのガラス転移点の108℃に近い120℃で浸入がなかったのは、流動化が抑制されたためと考えられる。従って、撥インク材料の流動化によるノズル内への浸入を抑制し、撥インク膜104をインクジェットヘッド100に転写するには、120℃で、2h以上という低温長時間の熱処理が有効であった。
次に、ノズル100上の不要の撥インク膜106の選択的除去を行い(ステップS108)、不要な撥インク膜除去後に、PDMSをインクジェットヘッド100より剥離する(ステップS110)。
図3(f)に示すように、酸素プラズマ照射により不要な撥インク膜を除去する。酸素プラズマをインクジェットヘッド裏面から照射する。PDMSの熱硬化が不十分であると、PDMSがプラズマにより変質し、インクジェットヘッド100から剥離する場合があり、この場合にはノズル101の周辺にPDMSの残渣が残留する。
図7は、PDMS剥離後に撥インク膜104の孔周辺に残るPDMSの残渣の模式図である。
撥インク膜104の孔周辺にPDMS残渣1031が付着し、PDMS側には凹み1032が発生する。PDMS残渣1031は、ノズル101の孔周辺の平坦性の低下と撥インク性の低下を引き起こす。そこで、PDMSの硬化温度と残渣の関係を調べた結果を述べる。
図8は、PDMSの硬化温度と残渣の関係を示す写真である。
PDMSの熱硬化後に、PDMSを撥インク膜104から剥離して、撥インク膜104の孔周辺を観察した。60℃の熱硬化では、プラズマ処理による残渣が撥インク膜104の孔周辺に残っているのが確認される。150℃の熱硬化では、残渣は減少しているがまだ観察される。185℃の熱硬化では、重合による硬化が進んだことにより残渣は生じなくなる。
残渣の発生を抑制して撥インク性を確保するには、熱硬化温度は185℃以上が望ましい。しかし、撥インク膜の転写温度の制約で120℃以上に温度をあげることはできない。
図3(g)に示すように、不要な撥インク膜106の除去が終了した後、PDMSは剥離される(ステップS110)。ここで、インクジェットヘッド100のノズル面は、シラン剤処理により高い密着性を有しており、撥インク膜との密着性も高いため、PDMSの剥離を機械的に容易に行うことができる。
サイトップとインクジェットヘッド100との密着力は、サイトップの硬化温度を上げれば向上するが、サイトップの流動による制限で高温処理ができない。そこで、密着力をさらに向上させるためポストベーキングを行う(ステップS112)。このポストベーキングによりサイトップの硬化が進み、撥インク膜104のインクジェットヘッドに対する密着性も向上する。スクラッチテスターによる膜の剥離強度は、ポストベーク前の1.6倍に向上した。そのため、インクジェットヘッドとして使用する時のワイプ性が向上する。
図9は、本発明の実施の形態に係るプラズマ照射による不要な撥インク膜除去の工程と柔軟性部材の剥離の工程を逆にした場合の問題を説明するための工程断面図である。
プラズマ照射によりPDMSが変質して、撥インク膜104上に残渣が残るのを避けるため、インクジェットヘッド100からPDMSを剥離してから不要な撥インク膜106の酸素プラズマ照射による除去を行ってもよい。
プラズマ照射においては、図9に示すように、第二のシリコン基板105上に直接撥インク膜104を介して、インクジェットヘッド100が配置されることとなる。撥インク膜104は厚膜化したとはいえ、シリコンとパイレックス(登録商標)ガラスなどからなる硬い材料同士の接触による微小な隙間を埋めることは不可能である。そのため、撥インク膜104の孔が第二のシリコン基板105と接触する角部107がサイドエッチされる問題が発生する。撥インク膜104がサイドエッチされると、撥インク膜104の接触角が減少し、撥水性が低下する。
ポストベークを行うことにより、接触角は回復する傾向にあるので、PDMSを剥離してからプラズマ照射により不要な撥インク膜106を除去することが可能となる。この場合には、ポストベークによりサイドエッチされて減少した接触角が増加し、撥水性が回復する。
本発明の実施の形態では、部材103をシリコン基板上で作製し剥離しているため、平坦性の良い部材103上に膜厚均一性の良い撥インク膜104が得られており、その膜厚均一性によりインクの着弾位置精度向上を期待できる。特に、第一の実施の形態では、部材103を硬化させてから撥インク膜104からの剥離を行っている。そのため、流動体である撥インク材料104aを厚く塗布し、その厚さを保ったまま厚膜としての撥インク膜104を得ることができる。厚膜であることはワイプ性の観点からも望ましい。
図10は、ノズル孔周辺のサイトップ膜厚のバラツキの測定結果を示す表である。膜厚バラツキ評価の結果、本発明の実施の形態で作製したサイトップ膜のノズル周辺の膜厚のバラツキは3σで55nmである。ノズル裏面から空気を噴出しながら撥インク材料の塗布を行う従来例の1/10以下であり、平坦性が著しく向上した。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述した具体例に限られることではない。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、部材103を熱硬化させる場合について述べたが、部材103として紫外線硬化樹脂を用い、紫外線または紫外線と熱の併用により硬化させてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法が適用される液滴吐出ヘッドの模式断面図である。 本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を表す工程断面図である。 検討したシラン処理方法をまとめて示した表である。 表面処理したノズル孔の外観形状写真である。 熱転写温度と転写不良の関係をまとめた表である。 PDMS剥離後に撥インク膜の孔周辺に残るPDMSの残渣の模式図である。 PDMSの硬化温度と残渣の関係を示す写真である。 本発明の実施の形態に係るプラズマ照射による不要な撥インク膜除去の工程と柔軟性部材の剥離の工程を逆にした場合の問題を説明するための工程断面図である。 ノズル孔周辺のサイトップ膜厚のバラツキの測定結果を示す表である。
符号の説明
100:インクジェットヘッド 101:ノズル孔 102:シラン薄膜
103:部材 104a:撥インク材料 104:撥インク膜
105:第二のシリコン基板 106:不要の撥インク膜 107:角部
110:シラン剤蒸気 111:ヒーター 112:真空容器

Claims (6)

  1. インクジェットヘッドのノズル面の表面処理を行う工程と、
    柔軟性部材上に撥インク材料を塗布する工程と、
    前記柔軟性部材から前記インクジェットヘッドのノズル面へ撥インク膜を熱転写する工程と、
    プラズマ照射により前記インクジェットヘッドのノズル面上の不要な前記撥インク膜を除去する工程と、
    前記柔軟性部材を前記インクジェットヘッドのノズル面から剥離する工程と、
    前記撥インク膜をベークする工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記プラズマ照射により前記インクジェットヘッドのノズル面上の不要な前記撥インク膜を除去する工程を、前記柔軟性部材を前記インクジェットヘッドのノズル面から剥離する工程より前に行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. シラン剤を含有する多孔質部材を、前記インクジェットヘッドのノズル面に接触分離させ、前記シラン剤を前記インクジェットヘッドのノズル面に転写する工程と、
    前記シラン剤を転写した前記インクジェットヘッドを熱処理する工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 加熱または減圧により気化させたシラン剤を、前記インクジェットヘッドのノズル面に積層する工程と、
    前記シラン剤を積層した前記インクジェットヘッドを熱処理する工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記柔軟性部材を平坦なシリコン基板上で塗布硬化により作製する工程と、
    前記平坦なシリコン基板表面を鋳型として剥離した前記柔軟性部材の平坦面上に前記撥インク材料を塗布する工程と、
    をさらに備え、
    前記柔軟性部材は、熱硬化性樹脂または紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記柔軟性部材の硬化の際の熱硬化条件あるいは紫外線照射強度を制御することにより、前記柔軟性部材の高重合化を促進することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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