JP5914227B2 - インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5914227B2
JP5914227B2 JP2012161249A JP2012161249A JP5914227B2 JP 5914227 B2 JP5914227 B2 JP 5914227B2 JP 2012161249 A JP2012161249 A JP 2012161249A JP 2012161249 A JP2012161249 A JP 2012161249A JP 5914227 B2 JP5914227 B2 JP 5914227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
nozzle plate
ink
compound
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012161249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014019094A (ja
Inventor
直史 江▲崎▼
直史 江▲崎▼
祥史 渡辺
祥史 渡辺
鉄男 細谷
鉄男 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2012161249A priority Critical patent/JP5914227B2/ja
Priority to EP13819771.0A priority patent/EP2875954B1/en
Priority to PCT/JP2013/063677 priority patent/WO2014013783A1/ja
Priority to US14/414,587 priority patent/US9643417B2/en
Publication of JP2014019094A publication Critical patent/JP2014019094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5914227B2 publication Critical patent/JP5914227B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/162Manufacturing of the nozzle plates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/1433Structure of nozzle plates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1606Coating the nozzle area or the ink chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1621Manufacturing processes
    • B41J2/164Manufacturing processes thin film formation
    • B41J2/1645Manufacturing processes thin film formation thin film formation by spincoating

Description

本発明は、インクジェットプリンタ用ノズルプレートに関し、詳細には、インク吐出面上に特定の硬化触媒を用いて硬化膜を形成する方法、及び該方法により、汚れ難く、且つ、クリーニングでのワイピングに対する耐久性に優れた硬化膜を備えるノズルプレートに関する。
インクジェットプリンタは、ノズルプレートからインク滴を吐出させて記録媒体上に画像を形成する。通常、ノズルプレートにはインク等が付着しないよう、フッ素樹脂等からなる撥インク性の硬化膜が施されているが、ごみ、異物等の付着を完全に防ぐことはできない。そのため、通常定期的にクリーニングが施される。クリーニング方法として最も一般的に採用されているのは、ブレードでノズルプレートをワイピングする方法である。
しかし、ワインピングを行うと、硬化膜が磨耗して撥インク性が低下し、インク吐出に不具合が生じる。斯かる問題を解決する方法として、ブレードをノズルプレートに接触させない非接触モードを採用する方法が提案されている(特許文献1)。
一方、ノズルプレートの硬化膜の耐久性を上げる方法も提案されている。例えば、フッ素原子とケイ素原子を含む撥液性粒子からなる硬化膜(特許文献2)、ケイ素を含有する下地膜と、該下地膜上に形成されたフッ素含有シランカップリング剤からなる硬化膜(特許文献3)等が提案されている。また、優れた撥インク性と耐ワイピング性を示すシリコーン系の硬化膜も知られている(特許文献4)。
特開2007−190818号公報 特開2006−82362号公報 特開2006−289838号公報 WO2011/077996号
しかし、画像濃度等の点でインクを改良するに際し、従来のものより、ノズルプレートにより付着し易い材料の使用が避けられない場合があり、ノズルプレートについても、さらなる撥インク性の改良が求められている。そこで、本発明の目的は、ノズルプレートに付着し易いインクの使用に対しても撥インク性や、ワイピングに対する耐久性(以下「耐ワイピング性」という)に優れたノズルプレートを提供する事である。
即ち、本発明は、インクジェットプリンタ用ノズルプレートのインクの吐出面側にシリコーン系硬化膜を形成する方法であって、
(1)ビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、縮合系シリコーン組成物を用意する工程、
(2)該縮合系シリコーン組成物を、ノズルプレートのインクの吐出面上に施与し、塗膜を形成する工程、
(3)該塗膜を加熱硬化する工程、
を含む方法である。
また、本発明は、インクジェットプリンタ用ノズルプレートであって、該ノズルプレートのインクの吐出面上にシリコーン系硬化膜を備え、該硬化膜がビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、ノズルプレートである。
縮合系シリコーン組成物を硬化するための化合物としては、有機チタン化合物、カルボン酸錫塩、アミン類、アルカリ金属塩等、多くのものが使用されている。驚くことに、これらのうち、ビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることによって、撥インク性及び耐ワイピング特性の点でより優れた硬化膜が得られることが見出された。該硬化膜を備える本発明のノズルプレートは、画像濃度が高いが、比較的ノズルプレートに付着し易いインクに対しても、優れた撥インク性と耐ワイピング性を有する。
ノズルプレートの一例の正面図である。 実施例で行った引き上げ試験の方法を示す概略図である。
本発明の方法において、先ず、(1)ビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、縮合系シリコーン組成物を用意する。ビスマス化合物としては、ビスマス系触媒として使用されている任意のものを使用することができる。例えば、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の無機ビスマス化合物、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、オクチル酸ビスマス、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒が挙げられる。これらのうち、有機酸ビスマス塩が好ましい。
環状アミジン化合物としては、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等のジアザビシクロ構造を有する化合物、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、メチルイミダゾリン、ジメチルイミダゾリン等のイミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体が挙げられるが、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンが好ましく使用される。
上記化合物を、下記縮合系シリコーン組成物の固形分100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0、より好ましくは0.1〜3.0、さらに好ましくは0.2〜1.0質量部で配合して、コーティング用の縮合系シリコーン組成物として供する。
縮合系シリコーン組成物(以下、単に「シリコーン組成物」という場合がある)の樹脂分は、(A)オルガノポリシロキサンレジン、(B)(メタ)アクリル系共重合体、(C)直鎖状ポリシロキサンジオールを含むものであることが好ましい。
(A)オルガノポリシロキサンレジンは、下記式(I):

2 m Si(OR14-m (I)

(R1 、R2 は1価の炭化水素基を示し、mは0〜2の整数である)
で表されるアルコキシオルガノシラン化合物を加水分解縮合して得られる架橋構造を有するポリシロキサンであり、シリカを含んでもよい。
2 としては、たとえば、炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化水素基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも、合成の容易さ、入手の容易さ、硬度低下の抑制等の点から、炭素数1〜4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。また、R1 としては、たとえば、炭素数1〜4のアルキル基であるものが用いられ、メチル基が好ましい。
m=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。また、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示できる。
式(I)において、m=0のアルコキシオルガノシラン化合物(A)、m=1のアルコキシオルガノシラン化合物(A)、m=2のアルコキシオルガノシラン化合物(A)を適宜混合して、適当な溶剤中で、水等の硬化剤の存在下で、加水分解縮合させる。アルコキシオルガノシラン化合物(A)に代えて、又は加えて、コロイド状シリカを用いてもよい。(A)〜(A)の使用割合は、(A)100質量部に対して、(A)が20〜200質量部、好ましくは40〜160質量部、より好ましくは60〜120質量部であり、(A)が0〜60質量部、好ましくは0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部である。但し、(A)としてコロイド状シリカを用いる場合は、その分散媒も含む質量である。
加水分解重縮合反応の際に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンオキシムなども使用することができる。硬化剤としては、水を用いることができる。
得られる(A)オルガノポリシロキサンレジンは、スチレン換算の重量平均分子量が800〜3000であることが好ましく、さらに好ましくは900〜2000である。
(B)(メタ)アクリル系共重合体は、硬化膜の靭性を改善する効果を有する。(B)(メタ)アクリル系共重合体は、少なくとも、下記第1、第2、及び第3の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体であり、エポキシ基、並びに、アルコキシシリル基及び/又はハロゲン化シリル基を備える。
(B)(メタ)アクリル系共重合体は、下記式(II):

CH2 =CR3 (COOR4 ) (II)

(ここで、R3は水素もしくはメチル基である)
で表されるモノマーのR4 が炭素数1〜9の置換または非置換の1価の基である第一のモノマーと、R4 がエポキシ基を含む基である第二のモノマーと、R4 がアルコキシシリル基および/またはハロゲン化シリル基を含む基である第三のモノマーを、アゾビスイソブチロニトリル等の触媒の存在下で重合させて作ることができる。
第一のモノマーのR4としては、メチル基、エチル基、プロピル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基、3-フェニルプロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリール基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基などのハロゲン化炭化水素基;2-ヒドロキシエチル基などのヒドロキシ炭化水素基が挙げられ、これらのうちメチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基が好ましい。
第二のモノマーのR4としては、エポキシ基、グリシジル基が挙げられ、グリシジル基が好ましい。
第三のモノマーのR4としては、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメチルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシリルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、クロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシリルプロピル基等が挙げられ、なかでもトリメトキシ基が好ましい。
上記第一のモノマー:第二のモノマー:第三のモノマーの割合(質量比)は、5〜7:3〜4:0.5〜2であることが好ましい。また、(B)(メタ)アクリル系共重合体の分子量は、スチレン換算の重量平均分子量で800〜50,000であることが好ましく、より好ましくは800〜2,000である。
(C)直鎖状ポリシロキサンジオールは、下記式(III)で表される。

OH(R5 SiO)H (III)

ここで、R5は炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。nは3〜100、好ましくは3〜50、より好ましくは3〜30、最も好ましくは10〜20の整数である。(C)直鎖状ポリシロキサンジオールが、硬化膜表面の撥水性及び撥油性の向上に寄与するものと考えられる。
(A)オルガノポリシロキサンレジン、(B)(メタ)アクリル系共重合体、(C)直鎖状ポリシロキサンジオールの配合割合は、(A)オルガノポリシロキサンレジン100質量部に対して、(B)(メタ)アクリル系共重合体が1〜100質量部、好ましくは5〜30質量部であり、(C)直鎖状ポリシロキサンジオールが1〜100質量部、好ましくは5〜30質量部である。
工程(2)のシリコーン組成物の施与に先立ち、ノズルプレートの表面を定法に従いコロナ処理等して硬化膜の接着強度を高めることが好ましい。該シリコーン組成物の施与方法には限定はなく、ディッピング、バーコーターを用いる方法、スピンコート法を用いることができるが、塗膜の均一性の点で、スピンコート法が最も好ましい。塗膜は、耐ワイピング性を備えるのに十分な厚みがあればよく、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmである。工程(3)では、施与されたシリコーン組成物の塗膜を100〜150℃で硬化して硬化膜とする。
ノズルプレートの構造には特に制限は無く、図1に示すように、所定ピッチで配列された複数のノズル10が配列されたものであってよい。ノズルプレート1の材質は限定されないが、樹脂であることが好ましく、その中でも例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルであり、より好ましくはポリイミドである。ノズル孔は、レーザーで穿孔される。穿孔は、ノズルプレートに本発明の方法により硬化膜を施した後に行うことが好ましい。
ノズルプレートをワイピングするためのブレードは、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ化ビニリデンゴム等のゴムからなり、これらにフッ素コーティングを施したものであってもよい。好ましくは、フッ化ビニリデン等のフッ素ゴムが使用される。
印刷に用いるインクは、顔料、有機溶剤、顔料分散剤を含む任意の油性インクであってよい。顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
顔料の平均粒径は、分散性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、動的光散乱法により測定することができる。インク中の顔料の含有量は、通常0.01〜20重量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から5〜15重量%であることが好ましい。
顔料分散剤としては種々の物を使用することができ、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
高分子系分散剤としては、例えば、以下の商品名で販売されているものが挙げられる:ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、11200(ポリアミド系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、22000、24000、及び28000(いずれも日本ルーブリゾール社製);エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、及び4055(変性ポリウレタン)(いずれもEfka CHEMICALS社製);デモールP、EP、ポイズ520、521、530、
及びホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)(いずれも花王(株)製);ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)(いずれも楠本化成社製);ディスコール202、206、OA−202、及びOA−600(多鎖型高分子非イオン系)(いずれも第一工業製薬(株)製);ANTARON V216(ビニルピロリドン−ヘキサデセンコポリマー)(アイエスピー・ジャパン(株)製)。なかでも、ポリアミド系及びビニルピロリドン−ヘキサデセンコポリマーがより好ましい。
また、他の顔料分散剤として、ビニルピロリドン(VP)と炭素数10〜40のアルケンとの共重合体(以下、これを「アルキル化ポリビニルピロリドン(アルキル化PVP)」ともいう。) を用いることができる。例えば、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、エイコセン、ドコセン、及びトリアコンテン等から選ばれるアルケンとVPとの共重合体が挙げられる。なかでも、炭素数12〜24のアルケンとの共重合体であることが、分散安定性の観点から好ましく、VP−ヘキサデセン共重合体、VP−エイコセン共重合体、VP−トリアコンテン共重合体などを用いることが好ましい。共重合体には、複数のアルケンが含まれていてもよい。
市販品としては、VP−ヘキサデセン共重合体として、ISP社製Antaron V−216及びGanex V−216、Induchem社製Unimer U−15
1が挙げられ、VP−エイコセン共重合体としては、ISP社製Antaron V−220及びGanex V−220、Induchem社製Unimer U−15が挙げられる。
また、顔料分散剤として、特定の非水溶性樹脂と特定の水溶性樹脂を組み合わせたものを好ましく使用することができる。前記特定の非水溶性樹脂は、少なくとも炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)と、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有するモノマー(b)との共重合体であるアクリル系分散剤樹脂である。炭素数8〜18のアルキル基が後述する非水系溶剤の炭化水素系非極性溶剤と相溶性が高く、これによって非水系溶剤に溶解した状態となり、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含むことによりインクの粘度を下げることができ、低温適性をより向上させることができる。また、粘度上昇が抑制されることで、インクが記録媒体に着弾する際のインクの静電的な凝集、定着にも寄与し、結果的に印刷濃度を向上させ、裏抜けの抑制を実現することができる。
アルキル基の炭素数が19以上になると低温でアクリル系分散剤樹脂が固化しやすくなり低温適性が悪くなる。一方で、炭素数が7以下の場合には、炭化水素系非極性溶剤との相溶性が下がって、顔料を安定的に分散することができないので貯蔵安定性が悪くなり、インクの粘度も高くなってしまう。また、低温環境ではインク粘度がさらに高くなってしまうこととなり低温適性が悪くなる。より望ましくは、炭素数12〜18のアルキル基で構成されることが好ましい。
炭素数8〜18のアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、これらは複数種が含まれていてもよい。
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基としては、たとえばアセトアセチル基、プロピオンアセチル基等が好ましく、β−ケト酸エステル基としては、たとえばアセトアセトキシ基、プロピオンアセトキシ基等が好ましい。
アクリル系分散剤樹脂の分子量(質量平均分子量)は、特に限定されないが、インクジェット用インクとして用いる場合には、インクの吐出性の観点から5000〜50000程度であることが好ましく、10000〜30000程度であることがより好ましい。
アクリル系分散剤樹脂のガラス転移温度(Tg)は、常温以下であることが好ましく、さらには0℃以下であることがより好ましい。これにより、インクが記録媒体上で定着する際に、常温で成膜を促進させることができる。
アルキル(メタ)アクリレート(a)としては、例えば、パルミチル/ステアリルメタクリレート(C16/C18)、セチルアクリレート(C16)、ドデシルメタクリレート(C12)、ドデシルアクリレート(C12)、2−エチルヘキシルメタクリレート(C8)、2−エチルヘキシルアクリレート(C8)を好ましく挙げることができる。これらは、単独でも適宜混合しても用いることができる。
モノマー(b)としては、たとえば、エステル鎖にβ−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含む(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。より詳細には、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
アルキル(メタ)アクリレート(a)とモノマー(b)は、アルキル(メタ)アクリレート(a)が30質量%〜95質量%、より好ましくは40〜95質量%、最も好ましくは50〜90質量%であり、モノマー(b)は3〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の割合で混合して用いる。
上記の各モノマーは、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。この場合、重合後のアクリル系ポリマーの分子量を上記の好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日油(株)製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
アクリル系分散剤樹脂の顔料に対する含有量は、貯蔵安定性を確保する観点から顔料に対する質量比で0.1から1.0であることが好ましい。アクリル系分散剤樹脂の顔料に対する含有量が、顔料に対する質量比で0.1未満と少なすぎる場合も、1.0超と多すぎる場合も、貯蔵安定性が確保されにくくなる。
アクリル系分散剤樹脂の水溶性樹脂に対する含有量は、質量比で0.1〜20であることが好ましく、0.4〜10であることがより好ましい。アクリル系ポリマーの含有量が、水溶性樹脂に対する質量比で0.1未満と少ない場合も、20超と多い場合も、貯蔵安定性が確保されにくくなる。
顔料の質量に対する樹脂の質量(アクリル系分散剤樹脂および水溶性樹脂の総量)は、顔料の質量を1として、顔料分散性の効果を確保する観点から0.2以上であることが好ましく、インク粘度の向上と経時変化による吐出不良を回避する観点から1.5以下であることが好ましい。
水溶性樹脂の含有量は、顔料に対する質量比で0.01〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.3であることがより好ましい。
インク総量に対して、水溶性樹脂は、0.1〜5質量%程度含まれていることが好ましく、0.5〜2質量%であることが一層好ましい。
前記特定の水溶性樹脂としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン等の塩基性高分子電解質またはそれらの誘導体を挙げることができ、特に、質量平均分子量が200〜2000のポリエチレンイミン、または、質量平均分子量200〜2000のポリエチレンイミンとアクリル酸エステルまたはビニル化合物のいずれかと付加反応した変性ポリエチレンイミンを好適に使用することができる。変性ポリエチレンイミンは、ポリエチレンイミンの全アミン価を1モル当量とした場合に、アクリル酸エステルまたはビニル化合物との比率が0.3モル当量以上1モル当量未満のもの(以下、単に変性ポリエチレンイミンともいう)が好ましい。ここで、アミン価は、JIS K−7237−1995(エポキシ樹脂のアミン硬化剤の全アミン価試験方法)の(2)指示薬滴定方法によりアミン価(KOHmg/g)を求め、KOHの分子量56.11mg/mmolと換算して算出したものである。ポリエチレンイミンの質量平均分子量が200未満であると普通紙に対する高濃度化の効果が低く、2000以上になると保存環境下にもよるが保存安定性が悪くなる。ポリエチレンイミンの質量平均分子量は、高濃度化の効果が大きく、かつ、流動点が−5℃以下であって低温時の保存安定性が良好であることから、300〜1800であることがより好ましい。
ポリエチレンイミンは、市販のものを用いることが可能であり、たとえば、日本触媒(株)製SP−006、SP−012、SP−018、SP−200;BASF社製Lupasol FG、Lupasol G20 Waterfree、Lupasol PR8515等を好ましく挙げることができる。
さらに、アクリル系分散剤樹脂の炭素数8〜18のアルキル基によって、非水系溶剤の炭化水素系非極性溶剤との親和性が向上し溶剤に対する溶解性は確保されるが、非水系溶剤と顔料との親和性が高すぎると、非水系溶剤が記録媒体に浸透する際に顔料も記録媒体内部に引き込まれやすい傾向がある。しかし、アクリル系分散剤樹脂と水溶性樹脂とを組み合わせることによって、アクリル系分散剤樹脂量を抑えても顔料分散安定性が確保されるので、アクリル系分散剤樹脂の量を減らすことが可能となり、顔料の浸透は抑制される。その結果として、裏抜けを抑制することができ、高い印刷濃度を実現することができる。
分散剤の含有量は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であればよく、通常、インク全重量に対し、1〜10重量%程度である。
有機溶剤としては、非極性有機溶剤、極性有機溶剤、又はこれらの混合物を使用することができる。20〜60重量%の非極性溶剤と80〜40重量%の極性溶剤とから構成することが好ましく、25〜55重量%の非極性溶剤と75〜45重量%の極性溶剤とから構成することがより好ましく、30〜50重量%の非極性溶剤と70〜50重量%の極性溶剤とから構成することが特に好ましい。
非極性有機溶剤の例としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系の溶剤が挙げられる。例えば、以下の商品名で販売されているものが挙げられる。テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、及びAF−7(いずれもJX日鉱日石エネルギー(株)製);Isopar(アイソパー)G、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxolD40、ExxolD80、ExxolD100、ExxolD130、及びExxolD140(いずれもExxon社製)。芳香族炭化水素溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー(株)製の日石クリーンソルG(アルキルベンゼン)、Exxon社製のソルベッソ200等が挙げられる。これらのうち、ナフテン系溶剤、AF−4、AF−5、AF−6、及びAF−7(商品名)が好ましい。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤を用いることができる。たとえば、炭素数8〜20の高級脂肪酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステルであるエステル系溶剤、炭素数8〜24の高級アルコール、および炭素数8〜20の高級脂肪酸からなる群から選ばれた1種以上を好ましく使用できる。エステル系溶剤としては、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソブチル、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル;アルコール系溶剤としてはイソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール;高級脂肪酸系溶剤としてはイソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸;エーテル系溶剤としてはジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。なかでも、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びこれらの混合物が好ましい。
好ましくは、該有機溶剤は、50%留出点が100℃以上であり、200℃以上であることがより好ましい。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、質量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。
上記各成分に加えて、インク組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、慣用の添加剤を配合することができる。該添加剤としては、界面活性剤、例えばアニオン性、カチオン性、両性、もしくはノニオン性の界面活性剤、及び、酸化防止剤、例えばジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、及びノルジヒドログアヤレチック酸等、が挙げられる。
インクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜50mPa・sであることが好ましく、5〜20mPa・sであることがより好ましく、8〜15mPa・sであることがより一層好ましい。インク粘度がこの範囲であれば、インクジェットの吐出ヘッドを加熱する等して、インクジェット吐出が可能である。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。
[実施例]
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<(A)オルガノポリシロキサンレジンの調製>
メチルトリメトキシシラン100部、酸性コロイダルシリカIPA分散液(固形分30%)90部、IPA100部、水37.7部を混合し、60℃で3時間加熱することによって、オルガノポリシロキサンレジン23%アルコール溶液を調製した。
<(B)(メタ)アクリル系共重合体の調製>
n−ブチルメタクリレート4.98部、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート2.48部、グリシジルメタクリレート0.71部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.748部をトルエン9.26部に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.025部をトルエン3部に溶解したものを滴下して重合を行い、固形分40%で、スチレン換算の重量平均分子量が1,000の(メタ)アクリル系共重合体の液を得た。
<シリコーン組成物用の化合物>
シリコーン組成物に配合する化合物として、下記のものを用いた。
BiCAT8108(ビスマス化合物、Shepherd Chemical Campany)
DBU(ジアザビシクロウンデセン、和光純薬工業製)
DBN(ジアザビシクロノネン、和光純薬工業製)
オルガチックスTC−750(チタン化合物、マツモトファインケミカル製)
オルガチックスZC−150(ジルコニア化合物、マツモトファインケミカル製)
BiCAT Z(亜鉛化合物、Shepherd Chemical Campany)
蟻酸カリウム(和光純薬工業製)
ジブチル錫ジラウレート(和光純薬工業製)
<シリコーン組成物の調製>
各成分を表3に示す割合(質量部)で混合して、各シリコーン組成物とした。
<実施例1〜5、比較例1〜6>
穿孔されておらず、且つ、表面処理が何も施されていないポリイミド製(商品名「カプトン」、東レデュポン(株)製)のノズルプレートに、表3に示す組成のシリコーン組成物を、スピンコーターを使用して、膜厚が1μmになるように塗布し、150℃で12時間硬化させて硬化膜を作成した。
得られたノゾルプレートを評価するために、標準的なインク1と、インク1より高い画像濃度を与えるが、ノズルプレートに比較的付着しやすいインク2とを用いた。
<インク1>
RISO XインクFブラック(理想科学工業製)
<インク2>
以下の方法で調製した。
(アクリル系分散剤樹脂溶液)
300mlの四つ口フラスコに、AF−7(ナフテン系溶剤;JX日鉱日石エネルギー(株)製)75gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら表1に示す組成(質量%)の各単量体混合物にAF−7 16.7g、パーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日油(株)製)2gの混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間後および2時間後に、パーブチルOを各々0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行い、AF−7 10.6gで希釈して、不揮発分50%の無色透明のアクリル系分散剤樹脂溶液Xを得た。得られた分散樹脂の質量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、20000〜23000であった。
Figure 0005914227
(インク2の調製)
得られた樹脂溶液X 4gと、ポリエチレンイミン(日本触媒(株)SP−012)1.5g、顔料(カーボンブラック、三菱化学(株)製MA100)10g、AF−7 17.25g、ラウリン酸ヘキシル17.25gを混合し、ジルコニアビーズ(直径0.5mm)を入れて、ロッキングミル((株)セイワ技研製)により120分間分散した。分散後ジルコニアビーズを除去し、AF−7 25g、エキセパールHL25gを加えて希釈してから、3μmおよび0.8μmのメンブランフィルターで順に濾過してゴミおよび粗大粒子を取り除いて、表2に示す組成(質量%)のインク2を得た。
得られたインク2について、顔料の分散平均粒子径とインクの粘度を測定した。顔料の分散平均粒子径は、(株)堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布装置LB−500により測定した。インクの粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける粘度であり、ハーケ社製応力制御式レオメータRS75(コーン角度1°、直径60mm)で測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005914227
<撥インク性評価>
図2に示すように、インクを30ml容器3に入れ、実施例及び比較例のノズルプレート1の片端をピンセット4でつまみ、もう一方の片端2cmをインクに浸漬させた。その後、ノズルプレート1を素早く引き上げ、該プレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間(秒)を10回測定し、その平均値を撥インク時間(秒)とし、該時間が4秒未満をA、4秒以上8秒未満をB、8秒以上をCと評価した。結果を表3に示す。
<ワイピング性評価>
ノズルプレートの硬化膜上に上記組成のインクを滴下し、フッ素ゴム(バイトンMV454 53° デュポンダウエラストマー(株)製)製ブレードで、200往復/分擦り、1000往復ごとにノズルプレート表面を目視観察し、該表面がインクにより濡れるまでの回数を数えた。尚、フッ素ゴムとノズルプレートとの接触力量は、約6×10−2Nとした。結果を表3に示す。インクにより表面が濡れる事は、硬化膜の損傷を意味し、このワイピングの回数が多い程、耐ワイピング性が高いことを示す。該回数が4000回以上をA、2000回以上4000回未満をB、2000回未満をC、1000回未満をDと評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005914227
表3に示すとおり、所定の触媒を用いた実施例1〜5で得られたノズルプレートは、撥インク性及びワイピング特性に優れた。これに対して、チタン系(比較例2、3)、亜鉛系(比較例4)、アルカリ金属系(比較例5)を用いたものは、いずれも実施例より劣った。錫系(比較例6)のものは、インク1を用いた場合には、実施例と同等の撥インク性及びワイピング特性を示したが、インク2については、実施例より若干劣った。
このとおり、本願発明の方法によれば、撥インク性と耐ワイピング性に優れた硬化膜をノズルプレート上に形成することができる。
なお、実施例では油性インクを用いたが、シリコーンは撥水性であることから、本発明のノズルプレートは、水性インクに対しても優れた撥インク性と耐ワイピング性を示すと考えられる。
1 ノズルプレート
2 油性インク
3 容器
4 ピンセット
10 ノズル孔

Claims (7)

  1. インクジェットプリンタ用ノズルプレートのインクの吐出面側にシリコーン系硬化膜を形成する方法であって、
    (1)ビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、縮合系シリコーン組成物を用意する工程、
    (2)該縮合系シリコーン組成物を、ノズルプレートのインクの吐出面上に施与し、塗膜を形成する工程、
    (3)該塗膜を加熱硬化する工程、
    を含む方法。
  2. 該環状アミジン化合物が、ジアザビシクロウンデセン及びジアザビシクロノネンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載の方法。
  3. ビスマス化合物が、有機酸ビスマス塩である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 該縮合系シリコーン組成物中の樹脂分が、下記成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法:
    (A)オルガノポリシロキサンレジン 100質量部
    (B)エポキシ基、並びに、アルコキシシリル基及び/又はハロゲン化シリル基を備える(メタ)アクリル系共重合体 1〜100質量部
    (C)直鎖状ポリシロキサンジオール 1〜100質量部
  5. ビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の触媒が、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して、0.1〜3質量部で含まれる、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. インクジェットプリンタ用ノズルプレートであって、該ノズルプレートのインクの吐出面上にシリコーン系硬化膜を備え、該硬化膜がビスマス化合物及び環状アミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、ノズルプレート。
  7. 該環状アミジン化合物が、ジアザビシクロウンデセン及びジアザビシクロノネンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項6記載のノズルプレート。
JP2012161249A 2012-07-20 2012-07-20 インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法 Active JP5914227B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012161249A JP5914227B2 (ja) 2012-07-20 2012-07-20 インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法
EP13819771.0A EP2875954B1 (en) 2012-07-20 2013-05-16 METHOD FOR FORMING SILICONE-BASED CURED FILM Of INK DISCHARGE SURFACE OF NOZZLE PLATE FOR INK-JET PRINTER, AND NOZZLE PLATE
PCT/JP2013/063677 WO2014013783A1 (ja) 2012-07-20 2013-05-16 インクジェットプリンタ用ノズルプレートのインクの吐出面側にシリコーン系硬化膜を形成する方法及びノズルプレート
US14/414,587 US9643417B2 (en) 2012-07-20 2013-05-16 Method for forming silicone-based cured film on ink discharge surface of nozzle plate for inkjet printer, and nozzle plate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012161249A JP5914227B2 (ja) 2012-07-20 2012-07-20 インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014019094A JP2014019094A (ja) 2014-02-03
JP5914227B2 true JP5914227B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=49948619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012161249A Active JP5914227B2 (ja) 2012-07-20 2012-07-20 インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9643417B2 (ja)
EP (1) EP2875954B1 (ja)
JP (1) JP5914227B2 (ja)
WO (1) WO2014013783A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3974481A1 (en) 2020-09-29 2022-03-30 Jotun A/S Fouling release coating composition

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161373A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Toto Ltd 接水部材及びその製造方法並びに鉛溶出防止接水部材用コーティング組成物
JP2003119387A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Shin Etsu Chem Co Ltd 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
US7758158B2 (en) 2003-07-22 2010-07-20 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet head and its manufacture method
US20050112286A1 (en) * 2003-11-25 2005-05-26 Nguyen Phui Q. Process for multilayer coating of substrates
JP2006082362A (ja) 2004-09-15 2006-03-30 Seiko Epson Corp ノズルプレート、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置
JP2006281774A (ja) * 2005-03-11 2006-10-19 Fuji Photo Film Co Ltd 液吐出装置及び打滴制御方法
JP2006289838A (ja) 2005-04-12 2006-10-26 Seiko Epson Corp 撥液性部材、ノズルプレート及びそれを用いた液体噴射ヘッドならびに液体噴射装置
JP4724805B2 (ja) 2006-01-19 2011-07-13 オリンパス株式会社 インクジェット記録装置
JP5170500B2 (ja) 2006-02-23 2013-03-27 株式会社リコー インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッド、インクジェット記録用インクおよびこれを用いたインクジェット記録装置、記録方法
JP5194563B2 (ja) * 2007-05-28 2013-05-08 信越化学工業株式会社 耐擦傷性コーティング組成物、及び被覆物品
US8544987B2 (en) * 2010-08-20 2013-10-01 Xerox Corporation Thermally stable oleophobic low adhesion coating for inkjet printhead front face
WO2011077996A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 理想科学工業株式会社 インクジェット記録装置用ノズルプレート及びそれを含む記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
US9643417B2 (en) 2017-05-09
EP2875954A4 (en) 2016-08-10
JP2014019094A (ja) 2014-02-03
EP2875954B1 (en) 2017-09-13
WO2014013783A1 (ja) 2014-01-23
US20150174904A1 (en) 2015-06-25
EP2875954A1 (en) 2015-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7918928B2 (en) Pigment ink, ink jet recording method, ink cartridge, recording unit and ink jet recording apparatus
US8013051B2 (en) Liquid composition, image forming method, cartridge, recording unit and ink jet recording apparatus
CN104789047B (zh) 着色树脂颗粒分散体以及喷墨用墨
JP5588638B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2014019770A (ja) 着色樹脂粒子分散体及びインク
JP5524536B2 (ja) 非水系顔料インク
JP5792439B2 (ja) インクジェット用非水系インク組成物
JP6235290B2 (ja) 非水系顔料インク
JP5914227B2 (ja) インクジェットプリンタ用ノズルプレートおよびその製造方法
JP5330814B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
WO2016122648A1 (en) Ink composition including a modified polymer or copolymer additive
CN109715742A (zh) 喷墨墨水
JP6871119B2 (ja) 油性インクジェットインク
JP2014015491A (ja) 非水系顔料インク
JP5792606B2 (ja) インクジェット用非水系染料インク
JP2012046680A (ja) インクジェット用非水系インク組成物
JP5391283B2 (ja) インクジェット記録装置用ノズルプレート及びそれを含む記録装置
JP5740151B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2008214612A (ja) 液体組成物、画像形成方法、カートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP6133769B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2012153781A (ja) 油性インク及びインクジェット印刷法
JP5898490B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2015124382A (ja) 非水系インク
JP2018131509A (ja) 油性インクジェットインク
JP2019147852A (ja) 油性インクジェットインク及び顔料分散剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5914227

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250