JP6235290B2 - 非水系顔料インク - Google Patents

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Description

本発明は、非水系顔料インクに関し、特にインクジェット記録方式への使用に適した非水系顔料インクに関する。
インクジェット記録システムは、流動性の高い液体インクを微細なノズルから噴射し、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行なう印刷システムである。このシステムは、比較的安価な装置で、高解像度、高品位の画像を、高速かつ低騒音で印刷可能という特徴を有し、最近急速に普及している。
インクジェット記録システムに用いられるインクの色材としては、顔料を利用したものと染料を利用したものに大別される。このうち、高画質印刷に必要な耐光性、耐候性および耐水性に優れていることから、顔料を色材とするインクが増加する傾向にある。
溶剤からみると、インクは水系タイプインクと非水系タイプインクとに大別される。揮発性溶剤を主体とする溶剤系インクや不揮発性溶剤を主体とするオイル系インクのように、インク用溶媒として水を使用しない非水系インクは、機上安定性(間欠吐出性、長時間放置後の吐出回復性など)が良い、印刷用紙のカールがない、インクの浸透乾燥時間が短い、などの特徴を有し注目されている。
インクジェット記録システムに用いられるプリントヘッドのノズルプレート面はフッ素加工等の撥インク処理されることが多いが、非水系インクは、ノズルプレート面に対して比較的濡れ性が高いため、ノズルプレート面がインクで濡れやすい傾向がある。ノズルプレート面にインクが付着すると、付着したインクがインク滴の吐出を妨げるという問題がある。さらに、付着したインクが用紙に垂れて画像を汚すという問題もある。
一方、プリントヘッドのノズルは、孔径が小さく、目詰まりが発生することがあるため、通常はクリーニング機構が搭載されている。このようなクリーニング機構によるクリーニングは、インクを少量吐出させ、吸引機で吸い取り、さらにノズル周辺の付着物をワイパーブレードで掻き取ることで行われる。しかし、ワイパーブレードによってノズルプレート面が磨耗すると、ノズルプレート面の撥インク性が低下するという問題がある。
特許文献1では、溶剤としてエステル系溶剤を含有する油性インクジェットインクに長鎖ポリアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1質量%以上含有させることにより、ノズルプレート面をインクに対して濡れにくくするという提案をしている。しかし、特許文献1では、クリーニングによる撥インク性の低下に対しては検討されていない。
一方、特許文献2では、ノズルプレート面の撥インク性、特にクリーニング機構によるノズルプレート面の撥インク性の低下を防止するため、フタロシアニン誘導体などの顔料誘導体を添加した非水系顔料インクが提案されている。
特開2008−274232号公報 特開2011−42699号公報
しかしながら、特許文献2に記載された非水系顔料インクにおいては、例えば、顔料誘導体としてフタロシアニン誘導体を使用した場合、印刷した後、青色の滲みや裏抜けが発生するという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、プリントヘッドのノズルプレート面に対する撥インク性の維持と、顔料誘導体の滲みや裏抜けの防止との両立を図ることができる非水系顔料インクを提供することにある。
前記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)顔料と、非水系溶剤と、顔料誘導体と、アミノ基を有する水溶性樹脂とを少なくとも含むことを特徴とする非水系顔料インク。
(2)前記顔料誘導体と前記アミノ基を有する水溶性樹脂との質量比が、1:0.15〜1:15であることを特徴とする前記(1)に記載の非水系顔料インク。
本発明によれば、プリントヘッドのノズルプレート面に対する撥インク性の維持と、顔料誘導体の滲みや裏抜けの防止との両立を図ることができる非水系顔料インクを提供することができる。
<非水系顔料インク>
本発明の非水系顔料インクは、顔料と、非水系溶剤と、顔料誘導体と、アミノ基を有する水溶性樹脂とを少なくとも含むことを特徴としている。
本発明の非水系顔料インクにおいては、ノズルプレート面の撥インク性、特にクリーニング機構によるノズルプレート面の撥インク性の低下を防止するため、顔料誘導体を添加し、かつ印刷後の顔料誘導体による滲みや裏抜けを防止するため、アミノ基を有する水溶性樹脂を添加したものである。すなわち、プリントヘッドのノズルプレート面に対する撥インク性の維持と、顔料誘導体の滲みや裏抜けの防止との両立を図ったものである。
以下に本発明の非水系顔料インクの各成分について詳述する。
[顔料]
本発明の非水系顔料インクは何色であってもよく、したがって顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
顔料の平均粒径は、分散性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、(株)堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500により測定された体積基準の値である。
インク中の顔料の含有量は、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から3〜15質量%であることが好ましい。
[顔料誘導体]
本発明の非水系顔料インクは、顔料誘導体を含有する。ここで、顔料誘導体は、顔料の骨格に置換基を導入した化合物である。インク中では、顔料誘導体の顔料の骨格がインク中の顔料表面に吸着し、顔料誘導体の置換基部分がインク中の溶媒に配向することで、インク中で顔料を分散させる作用を有する。
また、顔料誘導体は、ノズルプレート面の撥インク性を良好に維持する作用を有する。ノズルプレート面は、顔料粒子が直接接触すると擦れて撥インク性が低下することがある。そこで、あくまで推論であるが、顔料誘導体が添加されることで、顔料粒子が顔料誘導体によって被覆され、ノズルプレート面に比較的軟質な顔料誘導体を介して接触するため、ノズルプレート面の擦れを抑制し、撥インク性の低下を防止することができると考えられる。
顔料誘導体としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の顔料の骨格に、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボニル基、スルホニル基等の官能基を付加したもの、及びその塩等を好ましく使用することができる。これらは単独で、または組み合わせて使用することができる。
また、顔料誘導体としてはアミノ基と結合し得る置換基を有するものを用いると、顔料誘導体の置換基と、後述するアミノ基を有する水溶性樹脂のアミノ基とが結合することで、後述するように、顔料誘導体が非水系溶剤とともに溶出するのが阻止され、滲みや裏抜けが抑えられるものと推察されることから好ましい。上記のような置換基としては、アミノ基と酸塩基反応するもの(カルボキシル基、スルホン酸基など)や、アミノ基と極性基相互作用が働くもの(カルボニル基、スルホニル基など)などが挙げられる。
顔料誘導体の市販品としては、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン系誘導体)」、「ソルスパース12000(フタロシアニン系誘導体)」、ビッグケミー・ジャパン社製「BYK−SYNERGIST2100(フタロシアニン系誘導体)」、BASF社製「エフカ6745(フタロシアニン系誘導体)」、「エフカ6750(アゾ系誘導体)」等を好ましく使用することができる。これらは単独で、または組み合わせて使用することができる。
顔料誘導体は、インク中の顔料と同じ、または類似した色を呈することが好ましい。例えば、黒インクやシアンインクに添加する場合は、顔料誘導体としてフタロシアニン顔料誘導体を好ましく使用することができる。
顔料誘導体の総量は、質量比で、顔料1に対し0.010〜0.150であることが好ましく、さらに0.015〜0.100であることがより好ましく、0.020〜0.080であることが一層好ましい。インク中の配合量としては、顔料誘導体は総量で、0.1〜1.1質量%であることが好ましく、0.25〜0.60質量%であることがより好ましい。
顔料誘導体の含有量が多くなると、インクの顔料分散性が低下する傾向があり、機上安定性が低下することがある。一方、顔料誘導体の含有量が少なくなると、ノズルプレート面の撥インク性を十分に維持することが難しくなる。これより、顔料誘導体の含有量は上記した範囲とすることが好ましい。
[アミノ基を有する水溶性樹脂]
上記の通り、非水系顔料インクに顔料誘導体を添加することで、撥インク性を良好に維持することができるが、印刷後において顔料誘導体による滲みや裏抜けが発生することがある。例えば、顔料誘導体としてフタロシアニン誘導体を使用した場合、印刷した後、フタロシアニン誘導体に起因する青色の滲みや裏抜けが発生することがある。これは、フタロシアニン誘導体が非水系溶剤と一緒に溶け出したことで、滲みや裏抜けを発生させたものと推察される。そこで、本発明においては、アミノ基を有する水溶性樹脂を添加し、顔料誘導体による滲みや裏抜けの防止を図ったものである。すなわち、顔料誘導体の置換基と、アミノ基を有する水溶性樹脂のアミノ基とが結合することで、顔料誘導体が非水系溶剤とともに溶出するのが阻止され、滲みや裏抜けが抑えられるものと推察される。例えば、顔料誘導体としてフタロシアニン誘導体を使用した場合、フタロシアニン誘導体の酸性基と、アミノ基を有する水溶性樹脂とが結合することで、顔料誘導体が非水系溶剤に溶出するようなことはなくなり、滲みや裏抜けを防止することができる。
アミノ基を有する水溶性樹脂は、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン等の塩基性高分子電解質またはそれらの誘導体を挙げることができ、特に、重量平均分子量が200〜2000のポリエチレンイミン、または、重量平均分子量200〜2000のポリエチレンイミンとアクリル酸エステルまたはビニル化合物のいずれかと付加反応した変性ポリエチレンイミンを好適に使用することができる。変性ポリエチレンイミンは、ポリエチレンイミンの全アミン価を1モル当量とした場合に、アクリル酸エステルまたはビニル化合物との比率が0.3モル当量以上1モル当量未満のもの(以下、単に変性ポリエチレンイミンともいう)が好ましい。ここで、アミン価は、JIS K−7237−1995(エポキシ樹脂のアミン硬化剤の全アミン価試験方法)の(2)指示薬滴定方法によりアミン価(KOHmg/g)を求め、KOHの分子量56.11mg/mmolと換算して算出したものである。
ポリエチレンイミンの重量平均分子量が200未満であると顔料誘導体滲みの抑制効果が低く、2000以上になるとノズルプレート撥インク性が悪くなる。ポリエチレンイミンの重量平均分子量は、顔料誘導体滲み抑制の効果が大きく、かつ、ノズルプレート撥インク性が良い300〜1800であることがより好ましい。
ポリエチレンイミンは、市販のものを用いることが可能であり、たとえば、(株)日本触媒製エポミンSP−006、エポミンSP−012、エポミンSP−018、エポミンSP−200;BASF社製Lupasol FG、Lupasol G20 Waterfree、Lupasol PR8515等を好ましく挙げることができる。
ポリエチレンイミンは、そのアミノ基の一部を、アクリル酸エステルやビニル化合物やモノイソシアネートなどで変性した、変性ポリエチレンイミンを用いることができる。変性の程度としては、ポリエチレンイミンのアミン価を1モル等量とした場合に、変性に用いる物質の反応基0.8モル等量以下であることが望ましい。0.8モル等量を超えて変性してしまうと、ポリエチレンイミンの顔料誘導体抑制効果が低下してしまう。
変性ポリエチレンイミンを使用するとノズルプレート撥インク性が改善するメカニズムについては以下のように推測される。すなわち、ポリエチレンイミンを使用したインク中に存在するイミノ基、アミノ基(-NH、-NH)は、インクジェットヘッドのノズルプレートに固着しやすい傾向にある。ポリエチレンイミンのイミノ基、アミノ基に対してアクリル酸エステル、ビニル化合物をマイケル付加させた変性ポリエチレンイミンを使用することによって、撥インク性が高くなりノズルプレートに対する濡れ性が改善される。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、等を好ましく挙げることができる。
ビニル化合物としては、アクリロニトリル、塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル、酢酸ビニル等を好ましく挙げることができる。
変性ポリエチレンイミンは、ポリエチレンイミンのイミノ基、アミノ基に対してアクリル酸エステル、ビニル化合物をマイケル付加させることにより得ることができる。詳細には、50〜60℃に加熱したジエタノールアミン中に、攪拌しながら、ポリエチレンイミンとアクリル酸エステルまたはビニル化合物を滴下した後、50〜60℃で、1〜3時間維持することによって製造することができる。
本発明において、顔料誘導体の滲みや裏抜けを防止する効果を発揮する観点から、アミノ基を有する水溶性樹脂の含有量は、質量比で、顔料誘導体1に対し0.15〜15であることが好ましく、0.5〜5.0であることがより好ましい。
[顔料分散剤]
本発明の非水系顔料インクにおいては、顔料の分散を良好にするために、顔料分散剤を添加することが好ましい。本発明で使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
顔料分散剤としては、特に、ポリエステル側鎖を有する含窒素グラフト共重合体(以下、これを「グラフトPN」とも称する。)が好適に用いることができる。より具体的には、上記顔料分散剤のうち、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤が好ましく使用される。ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤とは、ポリエチレンイミンのような主鎖に多数の窒素原子を備え、該窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、該側鎖がポリエステル鎖であるものをいい、例えば、特開平5−177123号公報に開示されているような、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖一分子当り3〜80個のポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖がアミド架橋によって側鎖として結合している構造の分散剤が挙げられる。なお、かかる櫛形構造のポリアミド系分散剤としては、上記日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)が該当する。
顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に上記非水系溶剤中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
上記顔料分散剤のほかに、アミンと反応できる官能基を有するアクリル樹脂を用いることができる。その一例として、以下にアクリル樹脂Aの合成方法を示すが、以下の例に限定されるものではない。
(アクリル樹脂Aの合成)
四つ口フラスコに、AFソルベント6号(ナフテン系溶剤;JX日鉱日石エネルギー(株)製)を仕込み、窒素ガスを通気しながら撹拌し、110℃まで昇温する。次いで、温度を110℃に保ちながら、表1に示す組成の各単量体混合物とAFソルベント6号、パーブチルO(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日油(株)製)の混合物を3時間かけて滴下する。その後、110℃に保ちながら1時間後、2時間後に、パーブチルOを添加する。さらに110℃で1時間熟成を行い、AFソルベント6号で希釈して、不揮発分50%の無色透明の樹脂溶液が得られる。
以上のようにして得られるアクリル樹脂Aにおいて、アミンと反応できる官能基は、GMAのグリシジル基、AAEMのβ−ジケトン基である。
Figure 0006235290
[非水系溶剤]
本発明の非水系顔料インクは、非水系溶剤を含有する。非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用することもできる。非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系の溶剤が挙げられる。例えば、以下の商品名で販売されているものが挙げられる。テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、アイソゾール300、アイソゾール400、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、及びAFソルベント7号(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD80、エクソールD100、エクソールD130、及びエクソールD140(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製)。芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製)、ソルベッソ200(東燃ゼネラル石油株式会社製)等が挙げられる。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。例えば、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の、1分子中の炭素数が14以上のエステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の、1分子中の炭素数が8以上の高級アルコール系溶剤;イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の、1分子中の炭素数が9以上の高級脂肪酸系溶剤、等が挙げられる。
撥インク性を向上させるには、顔料誘導体を含む非水系顔料インクの溶剤として、炭素数8〜24の高級アルコールを含むことが好ましい。当該高級アルコールの炭素数は、10〜22がより好ましく、12〜20が一層好ましい。
ただし、高級アルコールは顔料誘導体との親和性が高いため、溶剤が印刷用紙に浸透する際に顔料誘導体を引き込みやすく、顔料誘導体滲みを助長しやすい。本発明では、アミノ基を有する水溶性樹脂を併用することで、高級アルコール溶剤を使用してもそのような弊害が生じることなく撥インク性を向上することができる。
炭素数8〜24の高級アルコールの含有量としては、吐出適性の観点から、インク全量に対し、20質量%以下であることが好ましく、さらに15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが一層好ましい。
以上の各成分に加え、インクには、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該分野において通常用いられている各種添加剤を含ませることができる。
具体的には、消泡剤、表面張力低下剤等として、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤をインクに含有させることができる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸等の公知のものが使用でき、これらを単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の非水系顔料インクは、ボールミル、ビーズミル等の任意の分散手段を用いて配合成分を混合することによって調製できるが、たとえば、顔料と、顔料誘導体と、アミノ基を有する水溶性樹脂と、非水系溶剤とを含む顔料分散体をまず調製し、さらに非水系溶剤およびその他の任意の成分を加えて製造することができる。顔料分散体を調製する際の非水系溶剤(あるいは希釈溶剤)は、インクに含まれる非水系溶剤と同じであることが好ましく、さらには分散剤を溶液重合により合成する場合には、その重合溶媒と同じであることが好ましい。
本発明の非水系顔料インクは、インクジェット記録装置用として好ましく使用できる。インクジェット用インクとして用いる場合のインクの粘度は、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが最も適している。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
本発明の非水系顔料インクは、インクジェット記録システム用として好ましく使用できる。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本発明の非水系顔料インクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにする。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜7]
<インクの調製>
各実施例・比較例において、表2に示す成分、割合でプレミックスして調合液を調製した。得られた調合液をダイノーミル((株)シンマルエンタープライゼス社製)で分散した。得られた混合物を3.0μmのメンブランフィルターで濾過して、各実施例・比較例の非水系顔料インクを得た。なお、表2中の各成分の配合量は質量%で示す。また、表2において、「PEI」は、ポリエチレンイミンを示す。
表2において、使用した配合成分は次のとおりである。
カーボンブラック1:エボニックデグサジャパン(株)製、Special Black 350
カーボンブラック2:旭カーボン(株)製、SUNBLACK X25
グラフトPN:日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース11200、脂肪族系溶剤中固形分50質量%(表2には仕込量(ソルスパース11200全量(固形分+溶剤))で示した。)
アクリル樹脂:既述のアクリル樹脂A、固形分50%
シナジスト1: 日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース12000
シナジスト2:日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース5000
シナジスト3:ビックケミージャパン(株)製、BYK−SYNERGIST2100
PEI:(株)日本触媒製、エポミン SP−003(固形分100%、Mw300)
オレイン酸メチル:花王(株)製、エキセパールM−OL
オレイルアルコール:高級アルコール工業(株)製、オレイルアルコールVP
[評価方法]
上記のようにして得られた各実施例・比較例の非水系顔料インクに対して以下の評価を行った。
1.ノズルプレート撥インク性
インクジェットプリンタ「オルフィスHC5500」(理想科学工業(株)製)に、各実施例・比較例の非水系顔料インクを投入した。次いで、クリーニングメンテナンス動作を3000回行い、ノズルプレート面の撥インク性を以下の評価基準に従い評価した。
(評価基準)
◎:3000回行っても撥インク性を維持した。
○:3000回行っても大部分が撥インク性を維持した。
×:3000回行ったところ半分以上撥インク性を失った部分があった。
2.顔料誘導体の滲み(表面:印刷面の滲み)
上記1と同様に、各実施例・比較例の非水系顔料インクを投入したインクジェットプリンタ「オルフィスHC5500」を用い、300dpi、30plで普通紙に印刷し、印字物を一日放置した時の印刷面における顔料誘導体の滲みの有無を目視観察し、以下の評価基準に従い評価した。
◎:滲みなし
○:若干の滲みあり
×:滲みがはっきり確認できる
3.顔料誘導体の滲み(裏面:裏抜け)
上記2と同様にして得た印刷物を一日放置した時の裏面における顔料誘導体の滲みを目視観察し、以下の評価基準に従い評価した。
◎:滲みなし
○:若干の滲みあり
×:滲みがはっきり確認できる
Figure 0006235290
表2より、実施例1〜7の非水系顔料インクは、ノズルプレート面に対する撥インク性の維持と、顔料誘導体の滲みの防止との両立を図ることができたことが分かる。特に、顔料誘導体に対するアミノ基を有する水溶性樹脂の比率が好ましい範囲(0.15〜15)である実施例1〜5(=1)及び実施例7(=15)の場合、その範囲外の実施例6(=0.067)と比較して顔料誘導体の滲みや裏抜けを防止する効果が優れていた。
これに対して、PEIを添加しなかった点のみにおいてそれぞれ実施例1〜4と異なる比較例1〜3、5は、撥インク性の維持を図ることはできたが顔料誘導体の滲みが見られた。また、顔料誘導体を添加しなかった点のみにおいてそれぞれ実施例1〜3、4、5と異なる比較例4、6、7は、撥インク性の維持を図ることができなかった。
以上の比較より、ノズルプレート面に対する撥インク性の維持と、顔料誘導体の滲みの防止との両立を図るには、顔料誘導体とアミノ基を有する水溶性樹脂との併用が必要であることが分かる。

Claims (2)

  1. 顔料と、非水系溶剤と、顔料誘導体と、アミノ基を有する水溶性樹脂とを少なくとも含み、
    前記アミノ基を有する水溶性樹脂が、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
    非水系顔料インク。
  2. 前記顔料誘導体と前記アミノ基を有する水溶性樹脂との質量比が、1:0.15〜1:15であることを特徴とする請求項1に記載の非水系顔料インク。
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