JP5779072B2 - 非水系顔料インク及び非水系顔料インク用顔料分散剤 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系顔料インク及び非水系顔料インク用顔料分散剤に関する。
インクジェット記録システムに用いられるインクの色材としては、顔料を利用したものと染料を利用したものに大別されるが、高画質印刷に必要な耐光性、耐候性および耐水性に優れていることから、顔料を色材とするインクが増加する傾向にある。
溶剤からみると、インクは大きく、水系タイプインクと非水系タイプインクに分けられる。揮発性溶剤を主体とする溶剤系インクや不揮発性溶剤を主体とするオイル系インクのように、インク用溶媒として水を使用しない非水系インクは、水系インクに比べ乾燥性が良く、印刷適性にも優れている。
非水系タイプインクでは、一般に、溶剤に溶解する顔料分散剤を用いるところ、この顔料分散剤が溶剤と顔料との親和性を高めるため、溶剤が紙などの記録媒体に浸透する際に顔料も記録媒体内部に引き込まれやすい傾向がある。その結果、印刷濃度が低くなり、裏抜けが発生しやすいことがある。
顔料分散剤として、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアクリル系ポリマーである非水系樹脂分散微粒子が提案されている(特許文献1)。インクジェット用インクには低粘度のインクが適するが、特許文献1のウレタン基を有するポリマーをインクに配合すると、粘度が高くなる傾向がある。そこで、ウレタン基を導入しなくても顔料分散性が得られる観点から、さらなる改良が求められる。
特開2010−1452号公報
本発明の目的としては、画像濃度が高く、裏抜けが低減され、貯蔵安定性が良好である非水系顔料インク及び非水系顔料インク用顔料分散剤を提供することである。
本発明の一側面によれば、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体、顔料、及び非水系溶剤を含む、非水系顔料インクを提供する。
本発明の他の側面によれば、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む、非水系顔料インク用顔料分散剤を提供する。
本発明によれば、画像濃度が高く、裏抜けが低減され、貯蔵安定性が良好である非水系顔料インク及び非水系顔料インク用顔料分散剤を提供することができる。
本発明の一実施形態による非水系顔料インク(以下、単に「インク」という場合がある)は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体、顔料、及び非水系溶剤を含むことを特徴とする。ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。これによって、画像濃度が高く、裏抜けが低減され、貯蔵安定性が良好である非水系顔料インクを提供することができる。
本実施形態のインクは、アルキル(メタ)アクリレート共重合体がピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位を含むことで、ピリジル基が顔料への吸着基として作用し、アルキル(メタ)アクリレート共重合体と顔料との吸着性が向上し、インク中で顔料が安定して分散することが可能である。
また、アルキル(メタ)アクリレート共重合体がピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位を含むことで、インクの流動性を高めることができ、インク粘度を低減することが可能である。
本実施形態によるインクは、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む。
上記アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位を含むことより、非水系溶剤との親和性に優れる。アルキル基の炭素数は、より好ましくは12〜25である。炭素数12以上のアルキル基としては、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコサニル基、ヘンイコサニル基、ドコサニル基、イソドデシル基、及びイソオクタデシル基等が挙げられ、これらは分岐を有していてよい。また、これらの複数種が含まれていてもよい。
上記アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位を有することより、顔料との吸着作用に優れると考えられ、インク中で顔料を安定して分散させて、画像濃度を高くし裏抜けを低減し、良好な貯蔵安定性を得ることができる。
ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位としては、(メタ)アクリレート単位の任意の部位にピリジル基が結合していればよい。ここで、ピリジル基の結合部位は、2位、3位及び4位のいずれであってもよい。
ピリジル基は、(メタ)アクリレート単位にアミノ基の一部として結合していることが好ましい。これによって、酸−塩基相互作用によって顔料との吸着性をより向上することができる。具体的には、下記一般式(1)で示される1級もしくは2級アミノピリジン化合物を用いてピリジル基を導入することができる。
Figure 0005779072
一般式(1)において、R1及びR2のうち少なくとも一方は、互いに独立して、−Pyまたは−R3−Pyを示す。−Pyは2位、3位または4位のピリジル基を示す。R3は、任意の2価の基を示し、置換または非置換の直鎖または分岐の鎖状または環状の炭化水素基であってよい。R1及びR2のうち一方のみがピリジル基を有する場合、残りの他方は、任意の1価の基を示し、置換または非置換の直鎖または分岐の鎖状または環状の炭化水素基であってよく、例えば、水素、ベンジル基、メチル基、シクロへキシル基、イソプロピル基等を好ましく用いることができる。
上記アルキル(メタ)アクリレート共重合体の分子量(GPCで測定される質量平均分子量)は、特に限定されないが、インクジェット用インクとして用いる場合には、インクの吐出性の観点から10000〜100000程度であることが好ましく、10000〜80000程度であることがより好ましい。さらに、12000〜18000であることがより好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレート共重合体のガラス転移温度(Tg)は、常温(25℃)以下であることが好ましく、さらには0℃以下であることがより好ましい。これにより、インクが記録媒体上で定着する際に、常温で成膜を促進させることができる。
適切な量のピリジル基を導入する観点から、アミノピリジン化合物を、アミノピリジン化合物のピリジル基が、上記モノマー(B)のアミノ基と反応しうる官能基に対し、0.25〜1.00モル当量となるように反応させることが好ましく、0.25〜0.75モル当量で反応させることがより好ましい。アミノピリジン化合物のピリジル基が1モル当量より少ない場合は、モノマー(B)において未反応の官能基が残ることになるが、残った官能基は顔料の吸着基として作用すると考えられる。
また、顔料1gに対して、アルキル(メタ)アクリレート共重合体中のピリジル基の配合量としては、0.1mmol〜0.6mmolであることが好ましく、0.15mmol〜0.45mmolであることがより好ましい。
インク組成物中におけるアルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量は、顔料分散性を確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。一方、アルキル(メタ)アクリレート共重合体の含有量が高すぎると、インクの粘度が高くなるばかりでなく、高温環境下での保存安定性が悪くなる恐れがあるため、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。より一層好ましくは、2〜15質量%である。
本実施形態によるアルキル(メタ)アクリレート共重合体は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)(以下、「モノマー(A)」ともいう。)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)(以下、「モノマー(B)」ともいう。)とを含むモノマー混合物の共重合体(以下、この共重合体を「幹ポリマー」ともいう。)において、アミノ基と反応しうる官能基とアミノピリジン化合物との反応によりピリジル基が導入されたものを用いることができる。
炭素数12以上の、好ましくは炭素数12〜25のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)としては、たとえば、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等を例示できる。これらは、複数種が含まれていてもよい。
反応性(メタ)アクリレート(B)におけるアミノ基と反応しうる官能基としては、グリシジル基、ビニル基、および(メタ)アクリロイル基を好ましく例示できる。グリシジル基を有するモノマー(B)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ビニル基を有するモノマー(B)としては、ビニル(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(B)としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの反応性(メタ)アクリレート(B)は、複数種が含まれていてもよい。
モノマー混合物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記のモノマー(A)、(B)以外の、これらと共重合しうるモノマー(C)を含むことができる。
このモノマー(C)としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系ポリマー;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン等が挙げられる。また、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
上記モノマー混合物において、アルキル(メタ)アクリレート(A)は30質量%以上含まれていることが好ましく、40〜95質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることが一層好ましい。
反応性(メタ)アクリレート(B)は、1〜30質量%含まれていることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましい。
モノマー(A)および(B)以外のモノマー(C)は、60質量%以下の量で含まれることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
モノマー(C)として、β−ジケトン基(−C(=O)−C−C(=O)―)またはβ−ケト酸エステル基(−C(=O)−C−C(=O)OR、Rは炭化水素基)を有するモノマー(C1)を用いることがより好ましい。このモノマー(C1)を含むことにより、インクの粘度を下げることができる。したがって、インクの溶剤を選択する際に、溶剤自身の粘度値に基づく制約が少なくなり、非水系溶剤の選択の幅を拡げることができる。また、必要に応じて定着用樹脂または添加剤などを配合する際の、配合成分によるインク粘度増加の許容範囲が広がり、インク処方の自由度を広げることも可能となる。
モノマー(C1)のβ−ジケトン基としては、たとえば好ましい例としてアセトアセチル基、プロピオンアセチル基等が挙げられ、β−ケト酸エステル基としては、たとえば好ましい例としてアセトアセトキシ基、プロピオンアセトキシ基等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
モノマー(C1)としては、たとえば、エステル鎖にβ−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含む(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。より詳細には、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
モノマー(C1)が含まれる場合の配合量は、配合することにより得られる効果とイン
クの貯蔵安定性を考慮し、モノマー混合物中に3〜30質量%であることが好ましく、5
〜20質量%であることがより好ましい。
上記の各モノマーは、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。
この場合、重合後の共重合体の分子量を上述した好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂株式会社製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。
溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
次に、得られた共重合体(幹ポリマー)において、アミノ基と反応しうる官能基とアミノピリジン化合物との反応により、ピリジル基を導入する。
具体的には、下記一般式(1)で示される1級もしくは2級のアミノピリジン化合物を用いてピリジル基を導入することができる。
Figure 0005779072
一般式(1)において、R1及びR2のうち少なくとも一方は、互いに独立して、−Pyまたは−R3−Pyを示す。−Pyは2位、3位または4位のピリジル基を示す。R3は、任意の2価の基を示し、置換または非置換の直鎖または分岐の鎖状または環状の炭化水素基であってよい。R1及びR2のうち一方のみがピリジル基を有する場合、残りの他方は、任意の1価の基を示し、置換または非置換の直鎖または分岐の鎖状または環状の炭化水素基であってよく、例えば、水素、ベンジル基、メチル基、シクロへキシル基、イソプロピル基等を好ましく用いることができる。
アミノピリジン化合物としては、例えば、2−メチルアミノピリジン、2−ベンジルアミノピリジン、2−アミノピリジン、4−アミノピリジン等を挙げることができる。反応性の観点から、2級アミノピリジン化合物が好ましい。これらのアミノピリジン化合物は、複数種を組み合わせて用いることもできる。また、これらのアミノピリジン化合物とアミノアルコールなどのアミン化合物とを複数種組み合わせて用いても良い。
アミノピリジン化合物は、原料の入手のしやすさ等から、ピリジン基の2位にアミノ基が結合したものが好ましく、例えば、2−メチルアミノピリジン、2−ベンジルアミノピリジンを好ましく用いることができる。
このアミノピリジン化合物は、アミノピリジン化合物のピリジル基が、上記モノマー(B)のアミノ基と反応しうる官能基に対し、適切な量のピリジル基を導入する観点から、0.25〜1モル当量で反応させることが好ましく、0.25〜0.75モル当量で反応させることがより好ましい。アミノピリジン化合物のピリジル基が1モル当量より少ない場合は、モノマー(B)において未反応の官能基が残ることになるが、残った官能基は顔料の吸着基として作用すると考えられる。
この反応は、上記した共重合体溶液にアミノピリジン化合物を添加して、不活性ガスを通気して攪拌しながら、加熱することによって行うことができる。
本実施形態によるインクに含まれる顔料は何色であってもよく、黒色インク用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;銅、鉄、酸化チタン等の金属類または金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料を挙げることができる。これらは単独で、または任意に混合して使用することができる。
カラーインク用顔料としては、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ジスアゾオレンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、キナクリドンレッド、ジオキサンバイオレット、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ブリリアントファーストスカーレット、ナフトールレッド23、ビラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピグメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、べんがら、ファフトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、ファストイエローAAA、ファストイエロー10G、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエローAAOT、ジスアゾイエローAAOA、ジスアゾイエローHR、イソインドリンイエロー、ファストイエローG、ジスアゾイエローAAA、フタロシアニンブルー、ピクトリアピュアブルー、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、ファストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピーコックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、アルカリブルーGトナー、ブリリアントグリーンレーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、酸化鉄粉、さびこ、亜鉛華、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉、昼光蛍光顔料、パール顔料等を例示できる、これらは単独で、または任意混合して用いることができる。
顔料の平均粒径は、吐出安定性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500により測定された値である。
インク中の顔料の含有量は、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から3〜15質量%であることが好ましい。
本実施形態によるインクは、上記したアルキル(メタ)アクリル共重合体とともに、顔料分散剤をさらに含んでもよい。顔料分散剤としては、特に限定されず、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであればよい。たとえば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤の使用が好ましい。これらは単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態によるインクにおいて、非水系溶剤とは、非極性有機溶剤および極性有機溶剤であって、50%留出点が150℃以上の溶剤をいう。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、質量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。
たとえば、非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、JX日鉱日石エネルギー(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、Isopar H、Isopar L、Isopar M、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D130、Exxsol D140」等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を好ましく挙げることができる。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤を用いることができる。たとえば、炭素数8〜20の高級脂肪酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステルであるエステル系溶剤、炭素数8〜24の高級アルコール、および炭素数8〜20の高級脂肪酸からなる群から選ばれた1種以上を好ましく使用できる。
極性有機溶剤としてより具体的には、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどのエステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシテトラデカノールなどのアルコール系溶剤;ノナン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
これらの非水系溶剤は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態のインクには、上記した非水系溶剤として高級アルコールを含むことが好ましい。これによって、ノズルプレート面の撥インク性をより改善することができる。高級アルコールは後述する顔料誘導体との親和性が高いため、インク中で顔料誘導体が析出することを抑制し、撥インク性を良好に維持すると考えられる。この作用は低温でより効果的である。
高級アルコールの炭素数としては、8〜24が好ましく、さらに10〜22がより好ましく、12〜20が一層好ましい。このような高級アルコールとしては、上記したアルコール系溶剤のうち炭素数が8〜24であるものを使用することができる。特に、イソミリスチルアルコール(炭素数14)、イソセチルアルコール(炭素数16)、イソステアリルアルコール(炭素数18)等を好ましく使用することができる。
炭素数8〜24の高級アルコールの含有量としては、吐出適性の観点から、インク全量に対し、20質量%以下であることが好ましく、さらに15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが一層好ましい。
本実施形態によるインクは、顔料誘導体をさらに含むことができる。ここで、顔料誘導体は、顔料の骨格に置換基を導入した化合物である。インク中では、顔料誘導体の顔料の骨格がインク中の顔料表面に吸着し、顔料誘導体の置換基部分がインク中の溶媒に配向することで、インク中で顔料を分散させる作用を有する。
上記したピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位を含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体は、顔料誘導体と組み合わせて使用することで、顔料誘導体本来の特性に加え、ノズルプレート撥インク性を向上させることができる。
従来の顔料分散剤と顔料誘導体を組み合わせると、ノズルプレート撥インク性が向上する一方で、その他の特性が低下することがある。例えば、ポリエステル側鎖を有する含窒素グラフト共重合体(グラフトPN)の顔料分散剤では、ノズルプレート撥インク性を向上させるために顔料誘導体を併用すると、印刷画像に滲みが発生することがあり、画像性が低下することがあり、特に裏抜けが発生しやすくなることがある。また、ビニルピロリドン(PVP)とアルケンとの共重合体(アルキル化PVP)の顔料分散剤では、ノズルプレート撥インク性を向上させるために顔料誘導体を併用すると、貯蔵安定性がさらに低下することがある。
しかし、上記したピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位を含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体では、ノズルプレート撥インク性を向上させるために顔料誘導体を併用しても、その他の特性を低下させることなく、ノズルプレート撥インク性を向上させることができる。
顔料誘導体としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の顔料の骨格に、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基等の官能基を付加したもの、及びその塩等を好ましく使用することができる。これらは単独で、または組み合わせて使用することができる。
顔料誘導体の市販品としては、日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)」、ビッグケミー・ジャパン社製「BYK−SYNERGIST2100(フタロシアニン誘導体)」等を好ましく使用することができる。これらは単独で、または組み合わせて使用することができる。
顔料誘導体は、インク中の顔料と同じ、または類似した色を呈することが好ましい。例えば、黒インクやシアンインクに添加する場合は、顔料誘導体としてフタロシアニン顔料誘導体を好ましく使用することができる。
顔料誘導体の総量は、質量比で、顔料1に対し0.015〜0.150であることが好ましく、さらに0.020〜0.100であることがより好ましく、0.030〜0.080であることが一層好ましい。インク中の配合量としては、顔料誘導体は総量で、0.1〜1.1質量%であることが好ましく、0.25〜0.60質量%であることがより好ましい。
顔料誘導体の含有量が多くなると、インクの顔料分散性が低下する傾向があり、機上安定性が低下することがある。一方、顔料誘導体の含有量が少なくなると、ノズルプレート面の撥インク性を十分に維持することが難しくなる。これより、顔料誘導体の含有量は上記した範囲とすることが好ましい。
本実施形態によるインクには、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を含むことができる。たとえば、上記アルキル(メタ)アクリレート共重合体以外の樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを適宜添加することもできる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
本実施形態によるインクは、任意の製造方法によって得ることができ、例えば、ビーズミル等の分散機に、アルキル(メタ)アクリレート共重合体、顔料、非水系溶剤、及び任意の成分を一括又は分割して加えて攪拌・混合し、所望により、メンブレンフィルター等によりろ過することによって得られる。
インクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、最も好ましい。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
本実施形態によるインクを用いた印刷方法は、特に限定されないが、インクジェット記録装置を用いて行われることが好ましい。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本発明に係るインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
本実施形態による顔料分散剤としては、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体を含むことを特徴とする。この顔料分散剤は、非水系顔料インクに配合することで、画像濃度が高く、裏抜けが低減した印刷物を得ることができ、また、良好な貯蔵安定性を得ることができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、「質量%」を単に「%」と記す。なお、特に説明がない限り、実施例を通して共通する成分は同じものを用いた。
<アルキル(メタ)アクリレート共重合体の調製>
「工程1」
300mlの四つ口フラスコに、75gのAF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油株式会社製)を仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら表1に示す組成の単量体混合物に16.7gのAF−4、2gのパーブチルO(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂株式会社製)の混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、0.2gのパーブチルOを添加した。
得られた幹ポリマーmの質量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、12400であった。
Figure 0005779072
表1で使用した成分は、次のとおりである。
VMA:ベヘニルメタクリレート:分子量339、アルキル基の炭素数22、日本油脂株式会社製
GMA:グリシジルメタクリレート:分子量142、和光純薬工業株式会社製
AAEM:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート:分子量214、日本合成化学工業株式会社製
「工程2」
さらに110℃で1時間熟成を行った後、17.4gのAF−4で希釈して、不揮発分50%の幹ポリマー混合液mを得た。
「工程3」
表2に樹脂混合液処方を示す。工程2に続いて、幹ポリマー混合液mに2−ベンジルアミノピリジン9.7gを添加し、110℃で1時間熟成を行った後、AF−4で希釈して、不揮発分50%の樹脂混合液aを得た。同様にして、表2に示す樹脂混合液処方によって、不揮発分50%の樹脂混合液b〜eを得た。
Figure 0005779072
表2で使用した成分は、次のとおりである。
2−ベンジルアミノピリジン:分子量184.24、和光純薬工業株式会社製
2−メチルアミノピリジン:分子量108.14、東京化成工業株式会社製
ジエタノールアミン:分子量105.1、和光純薬工業株式会社製
<インクの調製>
表3は実施例のインク処方を示し、表4は比較例のインク処方を示す。表3及び表4に示す各配合で成分をプレミックスして調合液を作製し、得られた調合液35gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)100gを入れ、ロッキングミル(株式会社セイワ技研製RM05S型)を用いて周波数65Hzで2時間運転し、非水系顔料インクを調製した。
Figure 0005779072
Figure 0005779072
表3及び表4で使用した成分は、次のとおりである。
カーボンブラック:MA7、三菱化学株式会社製
樹脂混合液a:ピリジル基含有アルキル(メタ)アクリレート共重合体の樹脂混合液
樹脂混合液b:ピリジル基含有アルキル(メタ)アクリレート共重合体の樹脂混合液
樹脂混合液c:ピリジル基含有アルキル(メタ)アクリレート共重合体の樹脂混合液
樹脂混合液d:ピリジル基含有アルキル(メタ)アクリレート共重合体の樹脂混合液
樹脂混合液e:アミン変性アルキル(メタ)アクリレート共重合体
v−216:アルキル化PVP、ISPジャパン株式会社製Antaron V−216(PVP−ヘキサデセン共重合体、共重合比2:8、重量平均分子量14×10
S28000:グラフトPN、ソルスパース28000、日本ルーブリゾール株式会社製、脂肪族系溶剤中固形分50質量%
パルミチン酸イソオクチル:IOP、日光ケミカルズ株式会社製
イソミリスチルアルコール:高級アルコール系溶剤、日産化学工業株式会社製FOC140N、炭素数14
S5000:フタロシアニン顔料誘導体、ソルスパース5000、日本ルーブリゾール株式会社製
<評価>
上記した各インクを用いて、画像濃度、裏抜け、貯蔵安定性、ノズルプレート撥インク性及び印刷物細字再現性について評価を行った。結果を表3及び表4に併せて示す。
(画像濃度及び裏抜け)
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「ORPHIS−X9050」(理想科学工業株式会社製)に装填し、普通紙(理想用紙薄口、理想科学工業株式会社製)に300×300dpiで黒ベタ画像を印刷することにより、印刷物を得た。印刷物の黒ベタ画像領域の表OD値及び裏OD値を光学濃度計(RD920、マクベス社製)で測定し、画像濃度及び裏抜けを以下の基準で評価した。裏抜けは、裏面OD値が低いほど良い評価となる。なお、「ORPHIS−X9050」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
「画像濃度」
AA:表OD値が1.15以上
A:表OD値が1.05以上1.15未満
B:表OD値が0.95以上1.05未満
C:表OD値が0.95未満
「裏抜け」
A:裏OD値が0.26未満
B:裏OD値が0.26以上0.30未満
C:裏OD値が0.30以上
(貯蔵安定性(70℃、1週間))
上記した各インクについて初期粘度を測定した後に、各インクをそれぞれ密閉容器に入れて、70℃の環境下で1週間放置し、その後インクの粘度を測定し、粘度変化率((放置後の粘度)/(初期粘度)×100(%))を求め、以下の基準で評価した。インクの粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける粘度であり、ハーケ社製応力制御式レオメータRS75(コーン角度1°、直径60mm)で測定した。なお、上記した各インクの初期粘度は、全て、インクジェットインクとしての適正範囲であった。
A:粘度変化率が±2%未満
B:粘度変化率が±2%以上±5%以下
C:粘度変化率が±5%超過
(ノズルプレート撥インク性)
上記した各インクを「ORPHIS−X9050」に装填し、ヘッドメンテナンスの「ノーマルクリーニング」によりヘッドクリーニングを5000回実施し、ノズルプレートのうちワイピングブレードが接した部分の撥インク性を目視で観察し、以下の基準で評価した。「ノーマルクリーニング」では、インク経路を加圧してヘッドノズルからインクを排出した後、ゴム製のワイピングブレードでノズル面のインクを掻き取る動作を実施する。
AA:ワイピングブレードが接した全ての部分の撥インク性が保たれていて、ヘッドクリーニング後、即座にインクが完全にはじかれた。
A:ワイピングブレードが接した全ての部分の撥インク性が保たれていて、ヘッドクリーニング後、20秒以内インクが完全にはじかれた。
B:ワイピングブレードが接した一部分の撥インク性が低下していた。
C:ワイピングブレードが接した全ての部分の撥インク性が低下していた。
(印刷物細字再現性)
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「ORPHIS−X9050」に装填し、普通紙に6ptのサイズの文字を印刷し、印刷物を得た。印刷してから1日後に、印刷物の文字形成状態を目視により観察し、細字がつぶれないものをA、細字がつぶれるものをBとして評価した。
表3及び表4に示す通り、各実施例のインクは、画像濃度、裏抜け、貯蔵安定性及び細字再現性が良好であった。実施例1及び2は、ピリジル基の含有量が多く、画像濃度がより良好であった。実施例5〜8のインクは、顔料誘導体を含み、ノズルプレート撥インク性がより良好であった。
比較例1は、アミン変性アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含み、画像濃度、裏抜け及び細字再現性の効果を十分に得ることができなかった。比較例2は、V−216を含み、貯蔵安定性の効果を十分に得ることができなかった。比較例3は、S28000を含み、画像濃度、裏抜け、細字再現性及び貯蔵安定性の効果を十分に得ることができなかった。比較例4は、S28000に顔料誘導体を組み合わせたものであり、ノズルプレート撥インク性は向上したが、裏抜けが低下した。
<ウレタン変性アルキル(メタ)アクリレート共重合体との対比>
上記した工程1及び工程2と同様にして、幹ポリマー混合液mを得た。
次に、500mLの四つ口フラスコに、パルミチン酸イソオクチル81g、幹ポリマー混合液m(AF−4溶剤中固形分50%)200g、プロピレングリコール4.0g、ジエタノールアミン2.8gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。110℃に1時間保ち、幹ポリマーmのグリシジル基とジエタノールアミンとの反応を完結させた。その後、ジブチル錫ジラウレートを0.2g添加し、タケネート600(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン株式会社製)10.2gとIOP91.8gとの混合物を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、固形分30%の樹脂混合液fを得た。
得られたウレタン変性アルキル(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、22,000であった。
Figure 0005779072
表6は上記した実施例1のインクと樹脂混合液fを含む比較例5のインクとの処方を示す。比較例5のインクは、樹脂混合液aの代わりに樹脂混合液fを用いた他は、実施例1と同様にして調整した。
Figure 0005779072
表6に示す通り、実施例1のインクは、ウレタン変性アルキル(メタ)アクリレート共重合体を用いた比較例5に対して、粘度が低く、インクジェット用インクに適することがわかった。

Claims (7)

  1. 炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体、
    顔料、及び非水系溶剤を含む、非水系顔料インク。
  2. 前記アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体において、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノピリジン化合物との反応によりピリジル基が導入されたものである、請求項1に記載の非水系顔料インク。
  3. 前記アミノピリジン化合物が、2−ベンジルアミノピリジンまたは2−メチルアミノピリジンである、請求項2に記載の非水系顔料インク。
  4. 前記アミノピリジン化合物を、前記アミノピリジン化合物のピリジル基が、前記アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)のアミノ基と反応しうる官能基に対し、0.25モル当量〜1.00モル当量となるように反応させる、請求項2または3に記載の非水系顔料インク。
  5. 顔料誘導体をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の非水系顔料インク。
  6. インクジェット記録方法に用いられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の非水系顔料インク。
  7. 炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ピリジル基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアルキル(メタ)アクリレート共重合体を含む、非水系顔料インク用顔料分散剤。
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