JP5593024B2 - 非水系顔料インク - Google Patents
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Description
そこで、顔料分散能を有する非水系樹脂分散微粒子(NAD=Non Aqua Dispersion)を分散剤として用いる非水系顔料インクが提案されている。
そこで本発明は、印刷物の裏抜けを抑制して印刷濃度を高め、かつ、貯蔵安定性にも優れた非水系顔料インクを提供することを目的とする。
前記非水系樹脂分散微粒子が、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアクリル系ポリマーであって、
前記アクリル系ポリマーは、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体において、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものであり、かつ、
前記アクリル系ポリマーにおける前記共重合体部と導入された前記ウレタン基部との質量比率は、60:40〜99:1である、非水系顔料インクが提供される。
前記アクリル系ポリマーが、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体において、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものであり、かつ、
前記アクリル系ポリマーにおける前記共重合体部と導入された前記ウレタン基部との質量比率は、60:40〜99:1である、非水系顔料インク用顔料分散剤が提供される。
このNAD微粒子は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアクリル系ポリマー(ウレタン変性アクリルポリマー)であり、インクに用いられる非水系溶剤に溶解せずに、インク中で微粒子を形成する。ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。
炭素数12以上のアルキル基としては、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコサニル基、ヘンイコサニル基、ドコサニル基、イソドデシル基、イソオクタデシル基等が挙げられ、これらの複数種が含まれていてもよい。
アクリル系ポリマーの主鎖(幹)に対し、ウレタン基は、上記長鎖アルキル基と共に側鎖(枝)を構成するものである。このウレタン基を含む枝は、ウレタン結合が繰り返されたポリウレタンとなって、枝ポリマーを形成していてもよい。
アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、常温以下であることが好ましく、さらには0℃以下であることがより好ましい。これにより、インクが記録媒体上で定着する際に、常温で成膜を促進させることができる。
NAD微粒子の粒径についても、特に限定されないが、インクジェット用インクとして用いる場合には、ノズル径に対して充分に小さいものである必要があり、一般に0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
グリシジル基を有するモノマー(B)としては、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられ、ビニル基を有するモノマー(B)としては、ビニル(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(B)としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの反応性(メタ)アクリレート(B)は、複数種が含まれていてもよい。
このモノマー(C)としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系ポリマー;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン等が挙げられる。また、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
反応性(メタ)アクリレート(B)は、1〜30質量%含まれていることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましい。
モノマー(A)および(B)以外のモノマー(C)は、60質量%以下の量で含まれることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
さらには、このモノマー(C1)を含むことにより、前記幹ポリマー中にイオン性基を有する官能基を導入することも可能となる。一般に、極性の低い非水系溶剤中にイオン性基を導入した場合、インクの粘度上昇を引き起こすことになるが、モノマー(C1)の存在によりこの粘度上昇を抑制することができる。このことは、インクが記録媒体に着弾する際のインクの静電的な凝集、定着にも寄与し、結果的に印刷濃度の向上、裏抜けの抑制を実現することができる。
モノマー(C1)としては、たとえば、エステル鎖にβ−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含む(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。より詳細には、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
この場合、重合後のアクリル系ポリマーの分子量を上述した好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
R1N=C=O + R−OH→ROCONHR1
ここでR−は、幹ポリマーの官能基に結合したアミノアルコール部を示す。
上記により、顔料吸着能を持たない幹ポリマーに対して、顔料吸着基として作用するウレタン基が導入される。
多価イソシアネート化合物は、ヒドロキシ基との反応でウレタン基を導入する際に未反応原料などが残らないようにするために、仕込んだ原料に含まれるヒドロキシ基に対してほぼ当量(0.98〜1.02モル当量)で反応させることが好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、複数種を使用することもできる。
多価アルコールは、NAD粒子サイズを制御するためにも重要であり、多価アルコールが多く含まれるとNAD粒子が大きくなる。一方、極端に粒子サイズが大きくなってしまうとインクの吐出安定性、顔料分散性が損なわれるため、アミノアルコールに対して多価アルコールは0〜20モル当量で反応させることが好ましく、1〜10モル当量で反応させることがより好ましい。
ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどの、1分子中の炭素数が14以上のエステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの、1分子中の炭素数が12以上であるアルコール系溶剤;
イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;
ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
これらの非水系溶剤は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
たとえば、上記NAD微粒子以外の樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
インク中におけるのNAD微粒子の含有量は、顔料分散性を確保する観点から0.1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。一方、NAD微粒子の含有量が高すぎると、インクの粘度が高くなるばかりでなく、高温環境下での保存安定性が悪くなる恐れがあるため、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。さらには、インク中におけるのNAD微粒子の含有量は、3〜8質量%であることが一層好ましい。
アクリル系ポリマーは、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体において、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものであることが好ましく、その共重合体部と導入されたウレタン基部との質量比率は、60:40〜99:1であることが好ましい。
この分散剤は、非水系顔料インクに配合するとNAD微粒子を形成し、上述のような顔料分散効果を発揮する。その結果、印刷物の印刷濃度を高めることができ、かつ、貯蔵安定性にも優れた非水系顔料インクを提供する。
本発明に係るインクは、低温環境下でも良好に使用することができ、かつインクジェット記録システムに使用した場合には吐出安定性にも優れている。
得られる印刷物は、インク中の顔料が印刷用紙の内部に入り込みにくく、用紙表面に留まりやすくなるため、印刷濃度の高いものとなる。
<実施例1>
(1)共重合体(幹ポリマーa〜f)の合成
300mlの四つ口フラスコに、AF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)75gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら表1に示す組成の各単量体混合物にAF−4 16.7g、パーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)2gの混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチル Oを各0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行い、AF−4 10.6gで希釈して、不揮発分50%の無色透明の幹ポリマーa〜f溶液を得た。
得られた各幹ポリマーの質量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、20000〜23000であった。
モノマー(A):VMA(アルキル基の炭素数22):ベヘニルメタクリレート(日本油脂(株)製)
モノマー(A):LMA(アルキル基の炭素数12):ドデシルメタクリレート
モノマー(C):EHMA(アルキル基の炭素数8):2−エチルヘキシルメタクリレート
モノマー(B):GMA:グリシジルメタクリレート
モノマー(C1):AAEM:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(日本合成化学工業(株)製)
得に断り書きのない試薬は、全て和光純薬工業(株)製である(以下の記載においても同様)。
500mLの四つ口フラスコに、パルミチン酸イソオクチル(IOP、日光ケミカルズ(株)製)81g、上記(1)で得られた幹ポリマーa溶液(AF−4溶剤中固形分50%)200g、プロピレングリコール 4.0g、ジエタノールアミン 2.8gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。110℃に1時間保ち、幹ポリマーaのグリシジル基とジエタノールアミンとの反応を完結させた。その後、ジブチル錫ジラウレートを0.2g添加し、タケネート 600(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン(株)製)10.2gとIOP 99 91.8gとの混合物を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、固形分(NAD微粒子)30%の非水系分散液D1を得た。
同様にして、表2に示す組成で非水系分散液D2〜D9を製造した。表2に示す幹ポリマーの量は固形分量である。
得られた各アクリル系ポリマー(枝ポリマーを含む)の質量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、22000〜26000であった。
500mLの四つ口フラスコに、IOP 100g、および上記(1)で得られた幹ポリマーa溶液(AF−4溶剤中固形分50%)200gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。110℃に保ちながら、ここに、アクリル酸 7.6g、メタクリル酸メチル 5.0g、アクリル酸ブチル 5.0g、およびパーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)0.5gの混合物を、15分間かけて滴下した。その後、110℃に保ち4時間反応させ、冷却してIOP 74.4gで希釈して、固形分30%の非水系分散液D10を得た。
D1:固形分30%、AF−4 25.7%、IOP 44.3%
D2:固形分30%、AF−4 22.5%、IOP 47.5%
D3:固形分30%、AF−4 25.7%、IOP 44.3%
D4:固形分30%、AF−4 26.2%、IOP 43.8%
D5:固形分30%、AF−4 19.9%、IOP 50.1%
D6:固形分30%、AF−4 18.4%、IOP 51.6%
D7:固形分30%、AF−4 21.8%、IOP 54.8%
D8:固形分30%、AF−4 25.7%、IOP 44.3%
D9:固形分30%、AF−4 25.5%、IOP 44.5%
<実施例1>
得られた分散液D1 12.5gと顔料(カーボンブラック、三井化学(株)製MA11)5.0g、AF−4 7.9g、IOP 7.9gを混合し、ジルコニアビーズ(直径0.5mm)を入れて、ロッキングミル((株)セイワ技研製)により120分間分散した。分散後ジルコニアビーズを除去し、3.0μmおよび0.8μmのメンブランフィルターで順に濾過してゴミおよび粗大粒子を取り除き、AF−4 8.4g、IOP 8.4gを加えて希釈して、NAD微粒子で顔料分散したインク(顔料分10%)を得た。
表3に示す配合で、上記実施例1と同様にして各実施例および比較例のインクを得た。
比較例2と3では、非水系分散液に代わり、それぞれ幹ポリマーa溶液(固形分50%)とソルスパース28000(日本ルーブリゾール(株)製、固形分100%)を使用した。
各インクを密閉容器に入れて、70℃の環境下で4週間放置し、その後インクの粘度変化および粒度変化を測定し、その測定結果を以下のように評価した。
粘度/粒度変化率:
[(4週間後の粘度/粒度値×100)/(粘度/粒度の初期値)]−100(%)
粘度および粒度変化率がどちらも5%未満のものをA、粘度および粒度のどちらか一方でも変化率が5%以上10%未満のものをB、粘度および粒度のどちらか一方でも変化率が10%以上のものをCとした。
主走査方向約51mm(ノズル600本分)×副走査方向260mmのベタ画像を、100枚連続して印刷した。インクの不吐出による非印字部分は白いスジとなって観察されるが、この白スジが100枚の印刷物(延べでノズル6万本に相当)中に何本発生するかによって、吐出安定性を以下のように評価した。
不吐出なし:A、5本未満:B、5本以上:C
上記と同様にして得られたベタ画像の表面と裏面のOD値を、光学濃度計(RD920、マクベス社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。表面のOD値が高ければ画像濃度が高く、裏面のOD値が低ければ裏抜けが少ないために、それぞれ好ましい。
印刷濃度(表OD)
A:1.10以上、B:1.05〜1.09、C:1.04以下
印刷濃度(裏OD)
A:0.25以下、B:0.26〜0.30、C:0.31以上
上記と同じプリンターと普通紙を用い、まず、シアンインク(理想科学工業(株)製、HCインク S-4367 シアン<C>)を用いてベタ画像を印刷したのち、その上に重ねて各実施例および比較例の黒インクを用いてベタ画像を印刷した。得られたカーボンインクコンポジット画像(Cコンポジット画像)の表面と裏面のOD値を上記同様に測定し、以下の基準で評価した。
印刷濃度(表OD)
A:1.22以上、B:1.15〜1.21、C:1.08〜1.14、
D:1.07以下
印刷濃度(裏OD)
A:0.30以下、B:0.31〜0.34、C:0.35〜0.39、
D:0.40以上
以上の評価結果を、表3に併せて示す。
一方、比較例1は、幹ポリマーの側鎖アルキル鎖長が炭素数8しかなく短いため、溶剤に対する分散安定性が悪く、吐出安定性や貯蔵安定性も低下した。
比較例2は、幹ポリマーに対して枝ポリマー(ウレタン基部)を結合させていない樹脂で分散を行ったものであるが、顔料分散性が悪く、吐出安定性および貯蔵安定性も低く、印刷物の高濃度化を図ることができなかった。
比較例3は、市販の顔料分散剤を用いた従来の顔料インクであるが、この場合には、保存安定性は確保されたものの、顔料が溶剤および顔料分散剤と共に紙に浸透してしまうため、印刷物の高濃度化を図ることができなかった。
比較例4は、アクリル側鎖(枝)を有するNAD微粒子を使用した例であるが、実施例のウレタン側鎖を有するNAD微粒子ほどの優れた性能は得られなかった。
Claims (7)
- 顔料と、非水系溶剤と、顔料分散能を有する非水系樹脂分散微粒子とを含み、
前記非水系樹脂分散微粒子が、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアクリル系ポリマーであって、
前記アクリル系ポリマーは、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、グリシジル基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体において、前記グリシジル基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものであり、かつ、
前記アクリル系ポリマーにおける前記共重合体部と導入された前記ウレタン基部との質量比率は、60:40〜99:1である、非水系顔料インク。 - 前記グリシジル基に対し、0.05〜1モル当量の前記アミノアルコールを反応させる、請求項1記載の非水系顔料インク。
- 前記モノマー混合物において、反応性(メタ)アクリレート(B)が1〜30質量%含まれている、請求項1または2記載の非水系顔料インク。
- 前記多価イソシアネート化合物と多価アルコールとの反応もさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の非水系顔料インク。
- 前記モノマー混合物がさらに、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有するモノマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の非水系顔料インク。
- 前記モノマー混合物において、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有するモノマーが3〜30質量%含まれている、請求項5記載の非水系顔料インク。
- 非水系顔料インクに用いられる、顔料分散能を有する非水系樹脂分散微粒子であって、
炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位と、ウレタン基を有する(メタ)アクリレート単位とを含むアクリル系ポリマーからなり、
前記アクリル系ポリマーは、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、グリシジル基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体において、前記グリシジル基とアミノアルコールと多価イソシアネート化合物との反応により前記ウレタン基が導入されたものであり、かつ、
前記アクリル系ポリマーにおける前記共重合体部と導入された前記ウレタン基部との質量比率は、60:40〜99:1である、非水系樹脂分散微粒子。
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