JP6068162B2 - 非水系顔料インク及び顔料複合体の製造方法 - Google Patents

非水系顔料インク及び顔料複合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水系顔料インク及び顔料複合体の製造方法に関する。
インクジェット記録システムは、流動性の高い液体インクを微細なノズルから噴射し、用紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷システムである。このシステムは、比較的安価な装置で、高解像度、高品位の画像を、高速かつ低騒音で印刷可能という特徴を有し、最近急速に普及している。
このインクジェット記録システムに用いられるインクの着色剤としては、顔料を利用したものと染料を利用したものに大別される。このうち、高画質印刷に必要な耐光性、耐候性および耐水性に優れていることから、顔料を着色剤とするインクが増加する傾向にある。
溶剤からみると、インクは大きく、水系タイプインクと非水系タイプインクに分けられる。水系タイプインクは、水系溶剤と水がインクの媒体であるので、ここに顔料を微細に分散させ且つその安定性を確保することは困難であることがある。
このような観点から、特許文献1では、顔料をカプセル化して水系媒体に分散させることを可能とした水系顔料インクが提案されている。しかし、水系であるが故に、耐水性が悪いという問題は否めない。
これに対し、揮発性溶剤を主体とする溶剤系インクや不揮発性溶剤を主体とするオイル系インクのように、インク用溶媒として水を使用しない非水系インクが注目されている。非水性インクは水系インクに比べると乾燥性が良く、用紙のカールが少ないため印刷適性にも優れている。
この非水系インクは、非水系溶剤、顔料、顔料分散剤等から構成される。水系インクに比べ、非水系インクでは着色剤と溶剤の親和性が高いために、インクが用紙に付着した際、着色剤が用紙の表面にとどまることなく、溶剤とともに用紙内部に浸透してしまい、印刷物の印刷面(表面)におけるインク濃度が低下し、非印刷面(裏面)に裏抜けするという問題がある。
このような観点から、特許文献2では、画像濃度の向上のため、顔料と分散剤とアミン化合物との顔料複合体を含むインクが提案されている。しかし、特許文献2では、顔料を被覆する樹脂成分の分子量が比較的小さく、記録媒体に対するインクの定着性、特に平滑な用紙に対する耐擦過性が十分に得られないことがある。
特開平9−151342号公報 特開2008−231364号公報
本発明の目的としては、インクの記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクの粘度が低い、非水系顔料インク及び顔料複合体の製造方法を提供することである。
本発明の一側面によれば、顔料と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含む分散剤と、多価イソシアネート化合物との顔料複合体、及び非水系溶剤を含む、非水系顔料インクが提供される。
本発明の他の側面によれば、顔料に分散剤を吸着させる工程と、前記分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋する工程とを含み、前記分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体であって、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネートとの反応性を有する官能基が導入されたものである、顔料複合体の製造方法が提供される。
本発明のさらに他の側面としては、顔料に分散剤を吸着させる工程と、前記分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋する工程とを含み、前記分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)を含むモノマー混合物のブロックAと、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー混合物のブロックBとを含むブロック共重合体であって、前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネートとの反応性を有する官能基が導入されたものである、顔料複合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、インクの記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクの粘度が低い、非水系顔料インク及び顔料複合体の製造方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
本発明の一実施形態による非水系顔料インク(以下、単に「インク」という場合がある)は、顔料と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含む分散剤と、多価イソシアネート化合物との顔料複合体、及び非水系溶剤を含むことを特徴とする。これによって、インクの記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクの粘度が低い非水系顔料インクを提供することができる。
ここで、非水系顔料インクでは、高分子量の樹脂を添加することで、顔料の記録媒体への定着性を高めることができる。例えば、質量平均分子量が5万から数十万の樹脂をインクに添加すると、顔料の記録媒体への定着性を向上することができる。しかし、インクが高粘度になり、特にインクジェット用インクでは、ノズルの目詰まりが生じやすくなるといった問題が生じることがある。
一方で、インクの低粘度化には、顔料分散剤として質量平均分子量が1万から3万程度の樹脂を用いることが適している。特に、インクジェット用インクでは、インクジェット噴射の適正粘度に調整するために、低粘度のインクが望まれる。しかし、質量平均分子量が1万から3万程度の樹脂を顔料分散剤として用いる場合、質量平均分子量が小さいため、顔料の記録媒体への定着性が十分に得られないことがある。これは、特に記録媒体が平滑性の高い用紙の場合に問題になる。
本発明では、非水系顔料インクの着色剤として、顔料と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含む分散剤と、多価イソシアネート化合物との顔料複合体を用いている。この顔料複合体は、顔料表面に分散剤を吸着させ、顔料表面で分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋させて得られる。これによって、分散剤の質量平均分子量が比較的小さい場合でも、顔料の記録媒体への定着性を向上させることができる。特に、光沢紙等の平滑な記録媒体への定着性を向上することができる。また、低粘度のインクジェット用インクに適している。
特に、顔料表面に分散剤を吸着させ、顔料表面で分散剤を多価イソシアネート化合物で架橋させることで、顔料の周辺で樹脂を高分子化することができる。顔料周辺に高分子の樹脂が存在することで、顔料が記録媒体表面に定着しやすくなり、顔料の定着性をより向上させることができる。また、高分子の樹脂が顔料周辺に留まり、インク全体に広がらないため、インク全体の高粘度化を抑制することができ、低粘度のインクを提供することができる。
このように、本発明によれば、顔料の記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクを低粘度化することができる。また、本発明によるインクは、顔料分散性が良好であり、貯蔵安定性が良好である。
本実施形態によるインクは、顔料と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含む分散剤と、多価イソシアネート化合物との顔料複合体を含む。この顔料複合体では、多価イソシアネート化合物が分散剤同士を架橋した状態であり、より詳細には、顔料に分散剤が吸着して、多価イソシアネート化合物が顔料表面で分散剤同士を架橋した状態であることが好ましい。なお、顔料複合体は、顔料と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含む分散剤と、多価イソシアネート化合物とを主成分として含むものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれてもよい。
分散剤及び多価イソシアネート化合物には、それぞれ反応サイトが複数個以上存在し、両者の結合が各分子の2箇所以上で生じることが好ましい。これによって、分散剤及び多価イソシアネートから構成される樹脂が、顔料表面を少なくとも部分的に被覆すると考えられる。このように、本実施形態による顔料複合体は、この樹脂がシェル成分となって、顔料表面を少なくとも部分的に被覆して、カプセル化顔料の形態、またはこれに近い形態であることが好ましい。
顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料;ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
インク中の顔料の含有量は、通常0.01〜20質量%であり、画像濃度とインク粘度の観点から1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
分散剤としては、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含む分散剤であればよく、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ジケトン基等の多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含むアクリルポリマーを用いることができる。さらに、顔料間でポリマーが橋架けして凝集体を形成することを防止するため、多価イソシアネート化合物と反応性を有する官能基は顔料に対する吸着性を有することが好ましい。
分散剤の好ましい一例としては、炭素数12以上のアルキル基を有する単位と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位とを含む共重合体である分散剤を用いることができる。
好ましくは、共重合体の全単位に対し炭素数12以上のアルキル基を有する単位は30モル%〜80モル%であり、より好ましくは40モル%〜60モル%である。炭素数12以上のアルキル基としては、例えば、ドデシル基、ヘキサデカン基、オクタデシル基、ドコシル基、イソドデシル基、イソオクタデシル基等を挙げることができ、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
また、好ましくは、共重合体の全単位に対し多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は20モル%〜70モル%であり、より好ましくは30モル%〜50モル%である。多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ジケトン基等を挙げることができ、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
共重合体には、それぞれの単位が有する炭素数12以上のアルキル基及び多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基以外のその他の基が含まれてもよい。その他の基としては、炭素数12未満のアルキル基、ベンジル基等を挙げることができる。
さらに分散剤の好ましい一例としては、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)(以下、「モノマー(A)」ともいう。)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)(以下、「モノマー(B)」ともいう。)とを含むモノマー混合物の共重合体(以下、この共重合体を単に「アクリルポリマー」ともいう。)において、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基が導入されたものである。ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。
この分散剤はアクリルポリマーに導入したアミノアルコールの部分が顔料吸着基となり、さらにアミノアルコール中のヒドロキシル基が多価イソシアネート化合物と反応するため、上述した通りポリマーの橋架けによる顔料凝集体の形成を抑えることができる。
炭素数12以上の、好ましくは炭素数12〜25の長鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)としては、たとえば、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等を例示できる。これらは、複数種が含まれていてもよい。
反応性(メタ)アクリレート(B)におけるアミノ基と反応しうる官能基としては、グリシジル基、ビニル基、および(メタ)アクリロイル基等を好ましく例示できる。グリシジル基を有するモノマー(B)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ビニル基を有するモノマー(B)としては、ビニル(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(B)としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの反応性(メタ)アクリレート(B)は、複数種が含まれていてもよい。
モノマー混合物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記のモノマー(A)、(B)以外の、これらと共重合しうるモノマー(C)を含むことができる。
このモノマー(C)としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系ポリマー;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン等が挙げられる。また、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
モノマー(C)として、β−ジケトン基(−C(=O)−C−C(=O)―)またはβ−ケト酸エステル基(−C(=O)−C−C(=O)OR、Rは炭化水素基)を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。このモノマーを含むことにより、インクの粘度を下げることができる。したがって、インクの溶剤を選択する際に、溶剤自身の粘度値に基づく制約が少なくなり、非水系溶剤の選択の幅を拡げることができる。また、必要に応じて定着用樹脂または添加剤などを配合する際の、配合成分によるインク粘度増加の許容範囲が広がり、インク処方の自由度を広げることも可能となる。さらに、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基は、多価イソシアネート化合物との反応性を有し、顔料表面の樹脂の架橋密度の向上に寄与する。
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
上記モノマー混合物において、アルキル(メタ)アクリレート(A)は30質量%以上含まれていることが好ましく、40〜95質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることが一層好ましい。
反応性(メタ)アクリレート(B)は、1〜30質量%含まれていることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましい。
モノマー(A)および(B)以外のモノマー(C)は、60質量%以下の量で含まれることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
分散剤の合成では、まず上記のモノマー(A)及び(B)と任意にモノマー(C)とを重合させてアクリルポリマーを得て、次いでこのアクリルポリマーにジエタノールアミンを反応させてアミン変性アクリルポリマーを得ることで、分散剤を合成することができる。
上記のモノマー(A)及び(B)と任意にモノマー(C)とは、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。必要に応じて加熱して重合反応を行うことで、重合反応を促進することができる。加熱温度としては、例えば40〜130℃内で、好ましくは80〜130℃内で適宜調整することができる。
この場合、重合後のアクリルポリマーの分子量を後述する好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂株式会社製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。
溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系等)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。また、モノマーの溶解性の観点から、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ペンタン、ピリジン、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンゼン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、1,4‐ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、テトラヒドロフラン、等の有機溶剤を添加してもよい。これらの有機溶剤は、重合後に除去することができる。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
次に、得られた共重合体(アクリルポリマー)において、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を導入することで、アミン変性アクリルポリマーを合成して、分散剤を得ることができる。アミノアルコールのアミノ基が、モノマー(B)における、アミノ基と反応しうる官能基と反応して結合する。反応を促進させるために、任意に70〜120℃の範囲で加熱して反応を行ってもよい。
アミノアルコールとしては、モノメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等を例示できる。なかでも、2個のヒドロキシ基を提供して反応点の数を増やせることから、一般式(HOR)NH(Rは2価の炭化水素基)で示されるジアルカノールアミン(2級アルカノールアミン)であることが好ましい。これらのアミノアルコールは、複数種を組み合わせて用いることもできる。
このアミノアルコールは、多価イソシアネート化合物との反応点を十分に作るため、また、顔料分散を十分に行うために、上記モノマー(B)のアミノ基と反応しうる官能基に対し、0.05〜1モル当量で反応させることが好ましく、0.5〜1モル当量で反応させることがより好ましい。アミノアルコールが1モル当量より少ない場合は、モノマー(B)において未反応の官能基が残ることになるが、残った官能基は顔料の吸着基として作用すると考えられる。
多価イソシアネート化合物としては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートのいずれであってもよい。例えば、1,6−ジイソシアネートへキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4,6―トリイルトリイソシアナート、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン等のトリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等のポリイソシアネート等を挙げることができる。
また、多価イソシアネート化合物としては、3以上のイソシアネート基を有するものとして、例えば、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物、アダクト構造を含む多価イソシアネート化合物、ビュレット構造を含む多価イソシアネート化合物、ウレトジオン構造を含む多価イソシアネート化合物等を使用することができる。これらの多価イソシアネート化合物は、多価イソシアネート化合物全体に対し、イソシアネート基を含む単位の割合(NCO)が5〜50質量%であることが好ましい。
イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナートイソシアヌレート等を挙げることができる。また、アダクト構造を含む多価イソシアネート化合物としては、アダクト構造を含むヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。特に、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物が好ましく、中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレートが好ましい。
上記した多価イソシアネート化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価イソシアネート化合物は、分散剤に存在する、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基と反応させる際に、未反応原料などが残らないようにするために、仕込んだ原料に含まれる多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基に対してほぼ当量(0.98〜1.02モル当量)で反応させることが好ましい。
さらに、多価イソシアネート化合物は、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基に対して0.60当量以上で反応させることがより好ましい。ただし、3つ以上のイソシアネート基を持つ化合物、特にイソシアヌレート環を含む化合物は、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基に対して0.30当量以上で反応させることで、インクの定着性を向上させることができる。
顔料複合体の製造方法としては、例えば、まず顔料と分散剤とを混合して顔料分散体を調整することで、顔料に分散剤を吸着させ、次いで、この顔料分散体と多価イソシアネート化合物とを反応させることで、顔料表面に吸着した分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋して、顔料複合体を得ることができる。
顔料複合体を製造する工程で、溶剤として後述するインク用の非水系溶剤を用いて、また、後述するインク用の任意成分を適宜添加することで、インク自体をそのまま得ることができる。所望により、得られたインクをメンブレンフィルター等によりろ過してもよい。
具体的には、まず、上記した顔料と、アミン変性アクリルポリマーで構成される分散剤とを溶剤に添加して顔料分散を行い、顔料分散体を得る。顔料分散としては、例えば、ビーズミル等の任意の分散機に、顔料及び分散剤と溶剤とを添加して攪拌、混合することで行うことができる。
次に、上記した顔料分散体と多価イソシアネート化合物とを溶剤に添加して反応を行い、顔料複合体を得る。例えば、顔料分散体と溶剤の混合物に、多価イソシアネート化合物と溶剤の混合物を滴下して、反応を行うことができる。このとき、反応を促進するために、70〜120℃の範囲で加温してもよい。また、反応系にジブチル錫ジラウレート等の触媒を添加してもよい。
上記した反応では、顔料表面に吸着したアミン変性アクリルポリマー中のアミノアルコール由来のヒドロキシル基に、多価イソシアネート化合物のイソシアン酸エステル基(R1N=C=O)が次のように付加反応し、ウレタン結合(カルバミン酸エステル:R1NHCOOR)が得られる。
R1N=C=O+R−OH→ROCONHR1
ここでR−は、アクリルポリマーの官能基に結合したアミノアルコール部を示す。
上記の反応が連続して起こり、顔料表面上でアミン変性アクリルポリマー同士が多価イソシアネート化合物によって橋架け構造となり、樹脂が顔料表面を覆った状態となる。
このようにして、顔料分散剤として機能するアミン変性アクリルポリマー中のモノマー(B)に結合したアミノアルコールを反応点として、多価イソシアネート化合物によりウレタン結合を形成し、顔料表面上で分散剤同士を橋架けすることで、顔料が樹脂に覆われた顔料複合体を形成することができる。
上記の反応において、さらに多価イソシアネート化合物とともに多価アルコールを加え、多価アルコールと多価イソシアネート化合物とを反応させることも好ましい。多価アルコールの添加により、ウレタン結合の形成が繰り返されて、橋架け構造の形成が促進され、顔料の周りにより強固な樹脂層を得ることができる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、複数種を使用することもできる。
多価アルコールは、顔料表面の樹脂量を制御するためにも重要であり、多価アルコールが多く含まれると顔料表面の樹脂量が多くなるが、これが多すぎると顔料間で橋架けが起こることがあり、インクがゲル化してしまう原因となるため好ましくない。一方、多価アルコールが少ないと、顔料表面の樹脂量の増加の効果が十分に得られず、多価アルコールの添加による定着性の作用が十分に現れないことがある。そのため、アミノアルコールに対して多価アルコールは0.1〜10モル当量で反応させることが好ましく、0.1〜2.0モル当量で反応させることがより好ましく、一層好ましくは0.25〜1.0である。
分散剤を構成するアミン変性アクリルポリマーの分子量(質量平均分子量)は、特に限定されないが、インクジェット用インクとして用いる場合には、インクの吐出性の観点から10000〜100000程度であることが好ましく、10000〜80000程度であることがより好ましい。さらに本実施形態の分散剤では、分子量が20000〜50000程度で、優れた定着性を得ることができる。
このアミン変性アクリルポリマーの分子量は、上記したモノマー混合物の共重合体であるアクリルモノマーの分子量とほぼ等しくなるため、アクリルモノマーの重合工程において分子量を調整することで、所望の範囲の分子量のアミン変性アクリルポリマーを得ることができる。
分散剤において、多価イソシアネート化合物との反応点としては、分散剤を構成するアミン変性アクリルポリマーのうち、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基の総量(個)として表される。多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基としては、モノマー(B)のアミノ基と反応しうる官能基との反応で導入されるアミノアルコールによって導入されるOH基や、モノマー(C)に含まれるβ−ジケトン基及びβ−ケト酸エステル基等がある。
分散剤の多価イソシアネート化合物との反応点としては、過剰になると、多価イソシアネート化合物の導入量が多くなってインク粘度が上昇し、また、分散安定性が低下することがあり、少なすぎると、多価イソシアネート化合物の導入量が少なくなって定着性の作用を十分に得ることができないことがある。これらの作用は、分散剤の分子量にも影響される。分散剤のうち反応点を含むモノマー(B)及びモノマー(C)と反応点を含まないモノマー(A)のモル比率は、20:80〜70:30であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましい。
顔料複合体において、顔料に対する分散剤及び多価イソシアネート化合物を含むポリマー成分の総量の配合は、顔料分散性の観点から、質量比で、顔料1に対して0.05〜2.0であることが好ましく、0.4〜1.5であることがより好ましい。
顔料複合体において、分散剤及び多価イソシアネート化合物を含むポリマー成分の総量に対し、多価イソシアネート化合物の割合としては、10〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることがより好ましい。
顔料複合体において、顔料1に対する多価イソシアネート化合物は、質量比で、0.05〜1.0であることが好ましく、0.1〜0.6であることがより好ましい。
顔料複合体に多価イソシアネート化合物を配合することで、顔料表面で分散剤が橋架け構造を形成するため、優れた定着性を得ることができる。一方で、多価イソシアネート化合物が過剰に配合されると、顔料表面以外での橋架けが起こり、さらに顔料同士の橋架けが起こることがあり、これによってインク粘度が上昇することがあるため、多価イソシアネート化合物の配合量は上記した範囲内で調整することが好ましい。
顔料複合体の平均粒径は、300nm以下程度であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが一層好ましい。一方、印刷物の裏抜けを抑制するため、この平均粒径は50nm以上程度であることが好ましい。ここで、顔料複合体の平均粒径は、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置「LB−500」により測定することができる。
本実施形態によるインクは、上記した顔料複合体とともに、本発明の効果を損なわない限り、その他の顔料分散剤をさらに含んでもよい。顔料分散剤としては、特に限定されず、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであればよい。たとえば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤の使用が好ましい。これらは単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
本実施例に係るインクは、非水系溶剤を含む。ここで、非水系溶剤とは、非極性有機溶剤および極性有機溶剤であって、50%留出点が100℃以上の溶剤をいう。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、質量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。
たとえば、非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、JX日鉱日石エネルギー(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)E、Isopar G、Isopar H、Isopar L、Isopar M、Exxsol DSP 100/140、Exxsol D30、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D130、Exxsol D140」等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を好ましく挙げることができる。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤を用いることができる。たとえば、炭素数8〜20の高級脂肪酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステルであるエステル系溶剤、炭素数8〜24の高級アルコール、および炭素数8〜20の高級脂肪酸からなる群から選ばれた1種以上を好ましく使用できる。
極性有機溶剤としてより具体的には、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどのエステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシテトラデカノールなどのアルコール系溶剤;ノナン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
以上の各成分に加え、インクには、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該分野において通常用いられている各種添加剤を含ませることができる。
本実施形態によるインクには、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を含むことができる。たとえば、上記分散剤以外の樹脂、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
インクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、さらに好ましくは13mPa・s以下であり、一層好ましくは9mPa・s以下である。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
本実施形態によるインクを用いた印刷方法は、特に限定されないが、インクジェット記録装置を用いて行われることが好ましい。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
<顔料複合体>
本実施形態による顔料複合体の製造方法としては、顔料に分散剤を吸着させる工程と、分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋する工程とを含み、この分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体であって、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネートとの反応性を有する官能基が導入されたものである。これによって、インクの記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクの粘度を低くすることができる顔料複合体を提供することができる。
ここで、分散剤は上記したアミン変性アクリルポリマーに対応し、アルキル(メタ)アクリレート(A)及び反応性(メタ)アクリレート(B)はそれぞれ上記したモノマー(A)及びモノマー(B)に対応する。
(第2の実施形態)
本発明の一実施形態による非水系顔料インクは、好ましい分散剤の一例として、炭素数12以上のアルキル基を有する単位を含む第1ブロックと、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位を含む第2ブロックとを有するブロック共重合体であって、第1ブロックの全単位に対し、炭素数12以上のアルキル基を有する単位は50モル%以上であり、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は10モル%未満であり、第2ブロックの全単位に対し、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は10モル%以上である分散剤(以下、「ブロックポリマー型分散剤」と称することがある。)を用いることができる。
このブロックポリマー型分散剤は、上記した顔料及び多価イソシアネート化合物とともに顔料複合体を作製することができ、また、上記したインクに含まれる非水系溶剤等の成分とともに非水系顔料インクを作製することができる。ブロックポリマー型分散剤を用いた顔料複合体(以下、ブロック顔料複合体と称することがある。)及び非水系顔料インクは、特に説明が無い限り、上記したものと共通する成分を同様の割合で含むことができ、また、その物性も共通する。
このブロックポリマー型分散剤は、上記したモノマー成分を一括してラジカル重合して合成された分散剤(以下、ランダムポリマー型分散剤と称することがある。)と同様に、インクの記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクの粘度が低い非水系顔料インクを提供することができる。ブロックポリマー型分散剤を用いることで、非水系溶剤、特に非極性溶剤に対してさらに良好な分散安定性を得ることができる。また、インク粘度をより低下させることができる。
ブロック顔料複合体において、このブロックポリマー型分散剤は、多価イソシアネート化合物が顔料表面の分散剤同士を橋架けした状態で存在する。
そして、多価イソシアネート化合物及びブロックポリマー型分散剤には、それぞれ反応サイトが複数個以上存在するので、両者の結合が各分子の2箇所以上で生じることにより、少なくとも部分的には、この架橋された架橋ポリマーが、ブロックポリマー型分散剤に吸着された顔料を被覆していると考えられる。
すなわち、少なくとも部分的には、この架橋ポリマーがシェル成分となって、カプセル化顔料の形態、あるいはそれに類似の形態を形成していると推測でき、これが本実施形態における顔料複合体の好ましい形態である。
上記したランダムポリマー型分散剤では、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基が重合体中にランダムに点在している。
これに対し、ブロックポリマー型分散剤では、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基が第2ブロック部分に密集することで、第1ブロック部分は炭素数12以上のアルキル基の作用によって溶剤方向により配向しやすくなる。これによって、溶剤との溶解性を高めることができる。特に、非極性溶剤等の極性の低い溶剤に対して効果的であり、より良好な顔料分散性及び貯蔵安定性を得ることができる。
第1ブロックと第2ブロックとのモル比としては、20:80〜90:10であることが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30である。
ブロックポリマー型分散剤は、第1ブロックと第2ブロックとがそれぞれ1個ずつ結合したブロック共重合体であってもよく、また、第1ブロックと第2ブロックとが複数個で交互に結合したブロック重合体であってもよい。
第1ブロックの全単位に対し炭素数12以上のアルキル基を有する単位は50モル%以上であればよく、より好ましくは55モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上である。
第1ブロックの全単位に対し多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は10モル%未満であればよく、好ましくは5モル%以下であり、より好ましくは1モル%以下であり、実質的に含まれないことがより好ましい。これによって、第1ブロックの溶剤親和性を高めることができる。
第2ブロックの全単位に対し多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位Bは10モル%以上であればよく、より好ましくは20モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。一方、第2ブロックの全単位に対し多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は好ましくは95モル%以下であり、さらに好ましくは70モル%以下である。
第2ブロックの全単位に対し炭素数12以上のアルキル基を有する単位は10〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは20〜80モル%であり、さらに好ましくは30〜70モル%である。第2ブロックには炭素数12以上のアルキル基を有する単位が含まれなくてもよい。
第1及び第2ブロックには、それぞれの単位が有する炭素数12以上のアルキル基及び多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基以外のその他の基が含まれてもよい。その他の基としては、炭素数12未満のアルキル基、ベンジル基等を挙げることができる。
ブロックポリマー型分散剤としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ジケトン基等の多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を含むブロックアクリルポリマーを用いることができる。さらに、顔料間でポリマーが橋架けして凝集体を形成することを防止するため、多価イソシアネートと反応性を有する官能基は顔料に対する吸着性を有することが好ましい。
ブロックポリマー型分散剤の好ましい一例としては、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)(以下、「モノマー(A)」ともいう。)を含むモノマー混合物aのブロックAと、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)(以下、「モノマー(B)」ともいう。)を含むモノマー混合物bのブロックBとのブロック共重合体(以下、このブロック共重合体を単に「ブロックアクリルポリマー」ともいう。)であって、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基が導入されたものである。
このブロックポリマー型分散剤は、アクリルポリマーに導入したアミノアルコールの部分が顔料吸着基となり、さらにアミノアルコール中のヒドロキシル基が多価イソシアネート化合物と反応するため、上述した通りポリマーの橋架けによる顔料凝集体の形成を抑えることができる。
ランダムポリマー型分散剤の場合、例えば、モノマー(A)及びモノマー(B)を含むモノマー混合物の共重合体では、モノマー(B)がランダムに点在して重合されるため、モノマー(B)の官能基との反応を利用して導入される多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基がランダムに点在する。
これに対し、ブロックポリマー型分散剤では、モノマー(B)をブロックB部分に密集させてブロック共重合体を作製しているため、モノマー(B)中の官能基との反応を利用して導入される多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基をブロック共重合体のブロックB部分に密集させることができる。
上記したように、この官能基は、顔料への吸着性が比較的高いため、この官能基が部分的に密集することで、ブロックポリマー型分散剤は、ランダムポリマー型分散剤と比べて、顔料への吸着性を高めることができ、多価イソシアネート化合物による架橋を顔料表面に近い部分に集中して発生させることができる。これによって、ブロックポリマー型分散剤では、ランダムポリマー型分散剤を用いた場合と比べて、架橋ポリマーが顔料を被覆する強度を高めることができる。このようなブロック顔料複合体は、記録媒体への定着性をより高めることができる。
また、ブロックポリマー型分散剤では、架橋ポリマーが顔料を被覆する強度が高まることで、ランダムポリマー型分散剤を用いた場合と比べて、顔料表面付近に樹脂成分を集めることができ、インク粘度が上昇することを防止することができる。
また、ブロックポリマー型分散剤では、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基がブロックB部分に密集することで、ブロックBが顔料側に配向し、ブロックAが溶剤側に配向し、ランダムポリマー型分散剤を用いた場合と比べて、他の顔料を近づけることを防止し、顔料同士が橋架けして凝集することを防止することができる。これによって、より分散性を高めることができる。
ブロックAとブロックBとのモル比としては、20:80〜90:10であることが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30である。
ブロックポリマー型分散剤の一例としては、モノマー(A)に基づく単位を主とするブロックAと、モノマー(B)に基づく単位を主とするブロックBとが、A−Bのように結合したA−Bブロック共重合体である。
また、ブロックポリマー型分散体としては、分散剤と溶剤間の溶解性や、顔料への吸着性の観点から、モノマー(A)に基づく単位を主とするブロックAと、モノマー(B)に基づく単位とともにモノマー(A)に基づく単位をともに有するブロックABとがA−ABのように結合したA−ABブロック共重合体であってもよく、モノマー(A)に基づく単位を主とするブロックAと、モノマー(B)に基づく単位を主とするブロックBとがA−B−Aのように結合したA−B−Aブロック共重合体であってもよい。ブロックの連結数はこれに限定されない。
非水系溶剤、特に非極性溶剤への溶解性の観点からもA−ABブロック共重合体またはA−B−Aブロック共重合体であることが好ましい。
炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)としては、上記したものを用いることができ、好ましくは炭素数12〜25である。
反応性(メタ)アクリレート(B)におけるアミノ基と反応しうる官能基としては、上記したものを用いることができる。また、反応性(メタ)アクリレート(B)としては、上記したものを用いることができる。
モノマー混合物a及びbは、それぞれ、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記のモノマー(A)、(B)以外の、これらと共重合しうるモノマー(C)を含むことができる。
このモノマー(C)としては、上記したものを用いることができる。また、モノマー(C)として、上記と同様に、β−ジケトン基(−C(=O)−C−C(=O)―)またはβ−ケト酸エステル基(−C(=O)−C−C(=O)OR、Rは炭化水素基)を有する(メタ)アクリレートを用いることができる。β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基は、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基として作用するため、モノマー混合物bにより好ましく添加することができ、モノマー混合物aに添加される量は制限されることが好ましい。
モノマー(C)として、用いる溶媒との親和性や分子量調節の観点から、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレートを好ましく用いることができる。
上記モノマー混合物aにおいて、アルキル(メタ)アクリレート(A)は30質量%以上含まれていることが好ましく、40〜95質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることが一層好ましい。
モノマー混合物aにおいて、反応性(メタ)アクリレート(B)は、含まれないことが好ましく、例えば10質量%未満であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
モノマー混合物aにおいて、モノマー(A)および(B)以外のモノマー(C)は、60質量%以下の量で含まれることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。また、モノマー(C)のうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ジケトン基等の多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有するものについては、好ましくは10質量%未満であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
上記モノマー混合物bにおいて、反応性(メタ)アクリレート(B)は10質量%以上含まれていることが好ましく、15〜50質量%含まれていることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
また、モノマー混合物bには、用いる溶媒との親和性や分子量調節の観点から、モノマー(A)が含まれることが好ましい。モノマー混合物bにおいて、モノマー(A)は5〜80質量%含まれることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
モノマー混合物bにおいて、モノマー(A)および(B)以外のモノマー(C)としては、炭素数12未満のアルキル(メタ)アクリレートを好ましく含むことができ、この場合、60質量%以下の量で含まれることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
ブロックポリマー型分散剤の合成方法の一例としては、まず、第1段階で、モノマー(A)を含むモノマー混合物a及びモノマー(B)を含むモノマー混合物bのうち一方を重合して一方のブロックを得て、第2段階で、この第1のブロックの存在下で、他方のモノマー混合物を重合して、一方のブロックの端部に他方のブロックがつながって重合したブロックアクリルポリマーを得て、次いで、このブロックアクリルポリマーにジエタノールアミンを反応させてアミン変性ブロックアクリルポリマーを得ることで、ブロックポリマー型分散剤を合成することができる。
以下、第1段階としてモノマー(A)を含むモノマー混合物aを重合してブロックAを重合した後に、第2段階としてモノマー(B)を含むモノマー混合物bを添加してブロックAの末端部からブロックBを重合し、ブロックアクリルポリマーを合成する方法について説明する。なお、モノマーの種類により異なるが、ブロックBを先に重合してから、ブロックAを重合することも可能である。
まず、第1段階において、モノマー混合物aは、モノマー(A)とともに、本発明の効果を損なわない範囲で、モノマー(A)及びモノマー(B)以外の任意のモノマー(C)を含んでもよい。モノマー(C)としては、上記したものを用いることができる。好ましくは、モノマー(C)のうち炭素数12未満のアルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。
これらのモノマー混合物aは、公知のラジカル重合により重合することができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。必要に応じて加熱して重合反応を行うことで、重合反応を促進することができる。加熱温度としては、例えば40〜130℃内で、好ましくは80〜130℃内で適宜調整することができる。
重合反応に際し、上記したランダムポリマー型分散剤と同様に、連鎖移動剤、重合開始剤、重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加してもよい。
溶液重合に用いる重合溶媒には、特に限定しないが、一般的な有機溶剤や高沸点溶剤を用いることができる。高沸点溶剤の一例として、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。また、モノマーの溶解性の観点から、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ペンタン、ピリジン、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンゼン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、1,4‐ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、テトラヒドロフラン、等の有機溶剤を添加してもよい。これらの有機溶剤は、重合後に除去することができる。
次に、第2段階において、モノマー混合物bは、モノマー(B)とともに、モノマー(A)を含んでもよく、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、モノマー(C)を含んでもよい。モノマー(C)は上記した通りである。好ましくは、モノマー(C)のうち炭素数12未満のアルキル(メタ)アクリレート、β−ジケトン基及び/またはβ−ケト酸エステル基を用いることができる。
上記合成したブロックAの存在下で、モノマー混合物bを重合することで、ブロックAの末端部にモノマーBが結合して、ブロック共重合体を得ることができる。重合条件及び添加物等は上記したブロックAの重合と共通する。
本実施形態では、精密重合の一種であるリビング重合方法によってブロックポリマー型分散剤を重合することが好ましい。上記した例では、合成したブロックAとともに、モノマー(B)を含むモノマー混合物bをリビング重合することにより、ブロックポリマーを作製することができる。なお、ブロックBを先に重合してから、モノマー(A)を含むモノマー混合物aをリビング重合してもよい。
ブロックポリマー型分散剤を得るため、本実施形態では、リビング重合方法のうちリビングラジカル重合を利用することが好ましい。リビングラジカル重合には、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシドラジカルを用いるリビングラジカル重合(NMP)、可逆的付加開裂型連鎖移動重合(RAFT重合)などが知られており、いずれの方法も使用可能であるがRAFT重合によって重合を行うことがより好ましい。
RAFT重合は、重合開始剤と可逆的付加開裂型連鎖移動剤(以下、RAFT剤と呼ぶ。)を用いることを特徴とし、ラジカル重合にリビング性を与えることのできる方法である。RAFT剤としては、ジチオエステルやジチオカルバメート、トリチオカルボナート、キサンタート等のチオカルボニルチオ化合物を用いることができる。市販品としては、例えば、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタノン酸(アルドリッチ社製「722995」)、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート(アルドリッチ社製「723037」)等を好ましく用いることができる。
次に、得られた共重合体(ブロックアクリルポリマー)において、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を導入することで、アミン変性ブロックアクリルポリマーを合成して、分散剤を得ることができる。詳細については、上記したランダムポリマー型分散剤と同様である。
このアミン変性ブロックアクリルポリマーを用いて、顔料及び多価イソシアネート化合物とともに、顔料複合体を作製する方法についても、上記したランダムポリマー型分散剤と同様である。
ブロックポリマー型分散剤を構成するアミン変性ブロックアクリルポリマーの分子量(質量平均分子量)は、特に限定されないが、インクジェット用インクとして用いる場合には、インクの吐出性の観点から10000〜100000程度であることが好ましく、10000〜80000程度であることがより好ましい。さらに本実施形態の分散剤では、分子量が20000〜50000程度で、優れた定着性を得ることができる。
このアミン変性ブロックアクリルポリマーの分子量は、ブロックアクリルモノマーの分子量とほぼ等しくなるため、ブロックアクリルモノマーの重合工程において分子量を調整することで、所望の範囲の分子量のアミン変性アクリルポリマーを得ることができる。
アミン変性ブロックアクリルポリマーのうち、モノマー(A)を含むモノマー混合物aから重合されたブロックA部分の質量平均分子量は、5000〜40000程度であることが好ましく、8000〜30000程度であることがより好ましい。これによって、ブロックA部分の溶剤親和性をより適した範囲にすることができる。
このブロックA部分の分子量は、モノマー混合物aを重合する段階で調整することができる。
ブロック顔料複合体において、顔料に対する分散剤及び多価イソシアネート化合物を含むポリマー成分の総量の配合は、顔料分散性の観点から、質量比で、顔料1に対して0.05〜2.0であることが好ましく、0.4〜1.5であることがより好ましい。
ブロック顔料複合体において、ブロックポリマー型分散剤及び多価イソシアネート化合物を含むポリマー成分の総量に対し、多価イソシアネート化合物の割合としては、10〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることがより好ましい。
ブロック顔料複合体において、顔料1に対する多価イソシアネート化合物は、質量比で、0.05〜1.0であることが好ましく、0.1〜0.6であることがより好ましい。
ブロック顔料複合体の平均粒径は、300nm以下程度であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが一層好ましい。一方、印刷物の裏抜けを抑制するため、この平均粒径は50nm以上程度であることが好ましい。ここで、顔料複合体の平均粒径は、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置「LB−500」により測定することができる。
また、ブロックポリマー型分散剤から構成されるブロック顔料複合体は、インク中で、非水系溶剤、特に非極性溶剤に対してより良好な分散安定性を得ることができる。これは、ブロック化することで、炭素数12以上のアルキル基を有するブロックAが溶剤側に配向して、非極性溶剤に対しても分散性を高めることができるからである。
また、ブロックポリマー型分散剤と非極性溶剤とを組み合わせて用いることで、分散安定性を良好にしながら、記録媒体とインクの定着性を高めることができる。
ブロック顔料複合体とともに使用される場合、非水系溶剤の蒸留範囲としては、150℃以上であることが好ましく、より好ましくは170℃以上である。これによって、定着性を高めることができる。また、良好なインク機上安定性を得ることができる。例えば、インクを吐出する際に、インク中の溶剤の蒸発を防止して、ノズル目詰まりを防止することができる。また、非水系溶剤の蒸留範囲としては、270℃以下であることが好ましく、より好ましくは250℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。これによって、インク印刷後に、印刷物に塗布されたインク中の溶剤の蒸発を促進して、裏抜けを防止することができる。
上記蒸留範囲の溶剤としては、インクに含まれる溶剤全体に対し、60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。インクの溶剤全体を非極性溶剤で構成することが一層好ましい。
ブロック顔料複合体とともに使用される場合、非水系溶剤の沸点としては、上記した蒸留範囲と同様の理由で、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは、120℃以上である。これによって、良好なインク機上安定性を得ることができる。また、非水系溶剤の沸点としては、300℃以下であることが好ましく、より好ましくは250℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。
このような非水系溶剤としては、上記した非水系溶剤のなかから、炭化水素系溶剤を好ましく挙げることができ、より好ましくは脂肪族、脂環式炭化水素系溶剤であり、さらに好ましくはn−パラフィン系用材、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤である。市販品としては、上記した0号ソルベントL、同M、同H、アイソゾール300、同400、AF−4、IPソルベント1620、同2028、IPクリーンLX、IsoparG、同H、L、同M等を挙げることができる。
<ブロック顔料複合体>
本実施形態による顔料複合体の製造方法としては、顔料に分散剤を吸着させる工程と、前記分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋する工程とを含み、分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)を含むモノマー混合物のブロックと、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー混合物のブロックとを含むブロック共重合体であって、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネートとの反応性を有する官能基が導入されたものであることを特徴とする。
これによって、インクの記録媒体への定着性を向上させるとともに、インクの粘度を低くすることができる顔料複合体を提供することができる。また、非水系溶剤、特に極性の低い溶剤に対してもより良好な貯蔵安定性を得ることができる
ここで、分散剤は上記したアミン変性ブロックアクリルポリマーに対応し、アルキル(メタ)アクリレート(A)及び反応性(メタ)アクリレート(B)はそれぞれ上記したモノマー(A)及びモノマー(B)に対応する。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に説明がない限り、実施例を通して共通する成分は同じものを用いた。
<実施例1>
(工程(1):アクリルポリマー(a)の作製)
表1に分散剤調整用のアクリルポリマーの配合及び物性を示す。
500mlの四つ口フラスコにAF4(石油系炭化水素溶剤、JX日鉱日石エネルギー株式会社製)100gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら下記組成の各単量体混合物に25gのAF4及び0.67gのパーブチルO(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、日本油脂株式会社製)の混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチルOを0.5g添加した。
「単量体」
モノマー(A):ベヘニルメタクリレート 70.00g
モノマー(B):グリシジルメタクリレート 15.00g
モノマー(C):2−アセトアセトキシエチルメタクリレート 15.00g
上記単量体の詳細は、次の通りである。
ベヘニルメタクリレート(VMA):分子量339、アルキル基の炭素数22、日本油脂株式会社製
グリシジルメタクリレート(GMA):分子量142、和光純薬工業株式会社製
2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM):分子量214、日本合成化学工業株式会社製
さらに110℃で1時間熟成を行った後、残りのAF4(27.00g)で希釈して、不揮発分40質量%のアクリルポリマーaを得た。
得られたアクリルポリマーaの質量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算、以下同じ)は、40000であった。
モノマーB及びC:モノマーAのモル比率は、配合した量からモノマーB及びCの合計量とモノマーAの量のモル比から求めた。表1に合わせて示す。
(工程(2):アミン変性アクリルポリマー(A−a)の作製)
表2に分散剤を構成するアミン変性アクリルポリマーの配合及び物性を示す。
100mlの四つ口フラスコに、50.00gのアクリルポリマーaと2.19gのジエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)を添加し、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃で2時間熟成を行った後、3.30gのAF4で希釈して、不揮発分40質量%のアミン変性アクリルポリマーA−aを得た。
得られたアミン変性アクリルポリマーA−aの質量平均分子量は、40000であった。
また、モノマーBに対するジエタノールアミンのモル比率は、配合した量からポリマーBに対するジエタノールアミンのモル比率から求め、結果を表2に示す。
(工程(3):顔料分散体の調整)
表3にインク処方及び評価結果を示す。
表3に示す成分のうち、顔料分散体の成分として顔料のMA11(カーボンブラック、三菱化学株式会社製)、分散剤のアミン変性アクリルポリマー及び溶剤のパルミチン酸イソオクチル(ニッコールIOP、エステル系溶剤、日光ケミカルズ株式会社社製)を表3に示す割合でプレミックスして調合液を作製し、得られた調合液35gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)100gを入れ、ロッキングミル(株式会社セイワ技研製、RM05S型)を用いて周波数65Hzで2時間運転した。この操作を複数回繰り返し、顔料分散体を調整した。
(工程(4):インクの調整)
表3に示す割合にしたがって、四つ口フラスコに上記した顔料分散体とAF4の一部(47.41質量%のうちの40質量%)を仕込み、110℃まで昇温した。その後、触媒のジブチル錫ジラウレート(和光純薬工業株式会社製)を添加し、プロピレングリコール(分子量76.1、和光純薬工業株式会社製)と1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(タケネート600、分子量192、三井化学ポリウレタン株式会社製)と残りのAF4(残りの7.41質量%)との混合物を30分かけて滴下した。滴下後、3時間反応させた。触媒のジブチル錫ジラウレートは、表3に示す成分の100質量%に対し0.03質量%で配合した。
<実施例2〜16>
上記した実施例1と同様にして、表1に示す処方で各アクリルポリマーを作製し、表2に示す処方でアミン変性アクリルポリマーを作製し、表3から表5に示す処方で各インクを作製した。
実施例4では、多価イソシアネート化合物として1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(分子量188.18、和光純薬工業株式会社製)を用いた。実施例11〜15では、多価イソシアネート化合物としてデュラネートTSA−100(ヘキサメチレンジイソシアネート(三量体のイソシアヌレート構造)、NCO:20.6質量%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いた。実施例16では、デュラネートAE700−100(ヘキサメチレンジイソシアネート(アダクト構造)、NCO:12質量%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いた。
<比較例1及び2>
比較例1及び2のインク処方及び評価結果を表6に示す。
比較例1では、アクリルポリマーgを顔料に吸着させ、顔料表面に吸着したアクリルポリマーgにジアミンを反応させ橋渡し構造を形成した。
まず、上記工程(1)と同様にしてアクリルポリマーgを得た。アクリルポリマーgでは、モノマー混合物としてモノマーA及びBに加えジメチルアミノエチルメタクリレート(分子量143.18、和光純薬工業株式会社製)を用いた。
表6に示す成分のうち、顔料分散体の成分として顔料、アクリルポリマーg及び溶剤を表6に示す割合でプレミックスして調合液を作製し、得られた調合液35gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)100gを入れ、ロッキングミルを用いて周波数65Hzで2時間運転した。この操作を複数回繰り返し、顔料分散体を調整した。
得られた顔料分散体とジアミン(デュオミンT、化合物名:N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、ライオンアクゾ株式会社製)をビーカーに入れ、80℃で3時間攪拌し、比較例1のインクを得た。
比較例2のインクは、上記した比較例1において、トリアミン(トリアミン Y12D、アルキル組成C12が98%であるアミン価335〜365のアルキルトリアミン、ライオンアクゾ株式会社製)を表6に示す割合で使用した他は、比較例1と同様にして得た。
<比較例3〜6>
比較例3〜6のウレタン変性アクリルポリマーの処方及び状態を表7に示し、比較例3のインク処方及び評価結果を表8に示す。
比較例3では、まずウレタン変性アクリルポリマーU−aを合成し、これを分散剤としてインクに処方した。ウレタン変性アクリルポリマーU−aの合成では、上記した工程(1)と同様にしてアクリルポリマーdを得て、次いで、15gのアクリルポリマーdに0.16gのジエタノールアミンを加えて110℃まで昇温し、1時間熟成後、0.11gのプロピレングリコールと0.01gのジブチル錫ジラウレートとを添加し、0.57gの1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンと1.26gのAF4との混合物を30分かけて滴下した。滴下後、3時間反応させ、ウレタン変性アクリルポリマーU−aを得た。ウレタン変性アクリルポリマーU−aでは、幹ポリマーとしてアクリルポリマーdに、枝ポリマーとしてジエタノールアミン、プロピレングリコール及び多価イソシアネート化合物がウレタン結合を形成して結合している。
次に、表7に示す割合で、顔料、ウレタン変性アクリルポリマーU−a及び溶剤をプレミックスして調合液を作製し、得られた調合液35gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)100gを入れ、ロッキングミルを用いて周波数65Hzで2時間運転した。この操作を複数回繰り返し、比較例3のインクを得た。
比較例4〜6のウレタン変性アクリルポリマーの合成では、表7に示す割合で成分を配合した他は比較例3と同様にして、ウレタン変性アクリルポリマーU−b、U−c及びU−dを得た。
得られた比較例4〜6のウレタン変性アクリルポリマーU−b、U−c及びU−dは、ポリマー自体がゲル化した。そのため、これらのポリマーを用いてインクを作製することができなかった。
<比較例7及び8>
比較例7及び8のインク処方を表9に示す。
比較例7では、アミン変性アクリルポリマーA−aを分散剤としてインクに処方した。
比較例7のインク調整では、表9に示す割合で、顔料、アミン変性アクリルポリマーA−a及び溶剤をプレミックスして調合液を作製し、得られた調合液35gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)100gを入れ、ロッキングミルを用いて周波数65Hzで2時間運転した。この操作を複数回繰り返し、インクを得た。
比較例8のインクは、アミン変性ポリアクリルポリマーA−bを用いた他は、上記した比較例7と同様にして調整した。
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<評価>
上記した各インクを用いて、インク粘度、貯蔵安定性、定着性、画像濃度及び裏抜けについて評価を行った。結果を各表に合わせて示す。
(インク粘度)
インク粘度は、インク中の顔料濃度が10質量%での粘度である。インク粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける粘度であり、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製レオメータAR−G2(コーン角度2°、直径40mm)で測定し、次の基準で評価した。
AA:インク粘度が9mPa・s以下
A:インク粘度が9超過13mPa・s以下
B:インク粘度が13超過15mPa・s未満
C:インク粘度が15mPa・s以上
(貯蔵安定性)
上記した各インクについて初期粘度を測定した後に、各インクをそれぞれ密閉容器に入れて、70℃の環境下で1週間放置し、その後インクの粘度を測定し、粘度変化率((放置後の粘度)/(初期粘度)×100(%))を求め、以下の基準で評価した。インク粘度は、上記インク粘度の評価と同様に測定した。
A:粘度変化率が±2%以内
B:粘度変化率が2%超過5%未満
C:粘度変化率が5%以上
(印刷物の定着性)
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「ORPHIS−X9050」(理想科学工業株式会社製、以下同じ)に装填し、光沢紙(キヤノン写真用紙、光沢プロ[プラチナグレード]、PT−101、キヤノン株式会社製)に300×300dpiで黒ベタ画像を印刷することにより、印刷物を得た。得られた印刷物の印刷部分を指でこすり、指でこする前後の印刷部分の変化を目視で観察して、印刷物の定着性を次の基準で評価した。なお、「ORPHIS−X9050」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
AA:同じ部分を10回こすっても印刷部分に変化がなかったもの
A:同じ部分をこすった場合に9回までで印刷部分に変化がなかったもの
B:同じ部分をこすった場合に9回までで印刷部分が薄くなったもの
C:同じ部分をこすった場合に9回までで印刷部分がはがれたもの
(画像濃度・裏抜け)
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「ORPHIS−X9050」に装填し、普通紙(理想用紙薄口、理想科学工業株式会社製)に黒ベタ画像を印刷して、印刷物を得た。印刷物の黒ベタ画像部分の表面及び裏面のOD値を光学濃度計(RD920、マクベス社製)で測定し、画像濃度及び裏抜けを以下の基準で評価した。裏抜けは、裏面OD値が低いほど良い評価となる。
「画像濃度」
AA:表面OD値が1.15以上
A:表面OD値が1.05以上1.15未満
B:表面OD値が0.95以上1.05未満
C:0.95未満
「裏抜け」
A:裏面OD値が0.26未満
B:裏面OD値が0.26以上0.30未満
C:裏面OD値が0.30以上
表3及び表4に示す通り、各実施例のインクは、インク粘度、貯蔵安定性、定着性、画像濃度及び裏抜けが良好であった。
実施例1及び2では、分散剤の分子量が比較的高いが、定着性とともにインク粘度及び貯蔵安定性も良好であった。
実施例4〜6では、同じ分散剤を用いている実施例3に比べ、インクがより低粘度で良好であった。これは、顔料に対する多価イソシアネート化合物の配合量が少ないためと考えられる。
実施例7及び8は、分散剤の分子量が比較的小さいが、定着性が良好であった。さらに、実施例8では、顔料に対する多価イソシアネート化合物の配合量が少なく、インク粘度がより良好であった。
実施例9及び10では、分散剤としてモノマーCを含まないアミン変性アクリルポリマーA−h及びA−iを用いている。実施例9の方が顔料に対する多価イソシアネート化合物の配合量が多く、定着性が向上した。
実施例11〜16は多価イソシアネート化合物としてイソシアヌレート環またはアダクト構造を含むヘキサメチレンジイソシアナートを使用したインクで、実施例1〜10に比べ、定着性がより向上した。実施例11〜15はイソシアヌレート環を含むヘキサメチレンジイソシアナートが使用され、実施例16のアダクト構造のイソシアナートを使用したものより、インク粘度と貯蔵安定性が良好であった。
比較例1及び2では、顔料に吸着したアクリルポリマーgに、ジアミンまたはトリアミンが架橋したものであり、定着性が低下した。
比較例3では、ウレタン変性アクリルポリマーU−aを用いてインクを調整したが、定着性が低下した。ポリマーU−aの質量平均分子量は25000であるが、ポリマーU−aが顔料複合体の形態となっていないため、顔料を記録媒体に定着する作用が弱まり、定着性が低下した。また、ポリマーU−aがインク全体に分散しているため、定着性が低下するとともにインク粘度も上昇した。比較例4〜6では、ポリマー中の多価イソシアネート化合物の割合が高く、ポリマー同士で橋架けが起きるため、ポリマーU−b〜U−dの合成段階でゲル化してインクを作製することができなかった。
比較例7及び8では、分散剤としてアミン変性アクリルポリマーを用いており、定着性、画像濃度及び裏抜けが低下した。これに対し、実施例1〜4では、同じアミン変性アクリルポリマーを顔料に吸着させて多価イソシアネート化合物で架橋した顔料複合体を用いており、定着性、画像濃度及び裏抜けが良好であった。
次に、アミン変性ブロックアクリルポリマーを分散剤に用いる実施例について説明する。
<実施例17>
(工程(1−1):第1段階、アクリルポリマー(PA)の作製)
表10に、分散剤調整用のアクリルポリマーの配合及び物性を示す。
表10に示す第1段階の配合にしたがって、ナスフラスコに、ドデシルメタクリレート、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート(SIGMA ALDRICH社製)、AIBN(和光純薬工業株式会社製)、酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製)加えた。十分脱気を行ったあと、不活性ガス(アルゴン)で置換し、60℃で24時間かけて加熱及び撹拌した。得られたポリマーPA1の溶液の固形分(不揮発分)は40質量%であった。反応後のポリマーPA1の質量平均分子量は15000であった。
(工程(1−2):第2段階、ブロックアクリルポリマー(PA−(A)B)の作製)
表10に、分散剤調整用のブロックアクリルポリマーの配合及び物性を併せて示す。
ポリマーPA1の反応後、表10に示す第2段階の配合にしたがって、ポリマーPA1に、ドデシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、AIBN、酢酸エチルを加えた。同様に脱気及び不活性ガス置換を行い、60℃で24時間かけて加熱及び撹拌した。得られたポリマーPA1−B1の溶液の固形分(不揮発分)は40質量%であった。反応後のポリマーポリマーPA1−B1の質量平均分子量は35000であった。なお、表中のポリマーPA1の配合量は溶液全体の値で示す。
表10において、ブロックアクリルポリマー中のモノマーAの割合は、配合した全モノマー量に対するモノマーAのモル比率から求めた。ブロックアクリルポリマー中のモノマーBの割合は、配合した全モノマー量に対するモノマーBのモル比率から求めた。
ブロックA:ブロックBのモル比率は、第1段階で用いたモノマーの全モルと第2段階で用いたモノマーの全モル量との比率から求めた。
ブロックAに対するモノマーAの割合は、第1段階で用いたモノマーの全モル数に対するモノマーAのモル数の割合である。ブロックBに対するモノマーBの割合は、第2段階で用いたモノマーの全モル数に対するモノマーBのモル数の割合である。
表10に示すモノマー構成において、A−ABはモノマーAを含むブロックとモノマーA及びモノマーBを含むブロックとの共重合体を表し、A−BはモノマーAを含むブロックとモノマーBを含むブロックとの共重合体を表す。
(工程(2):アミン変性ブロックアクリルポリマー(AmPA−(A)B)の作製)
表11に、分散剤を構成するアミン変性ブロックアクリルポリマーの配合及び物性を示す。
ブロックアクリルポリマーPA1−B1の反応後、ポリマー溶液から酢酸エチルを除去した。次いで、表11に示す配合にしたがって、ナスフラスコに、酢酸エチルを除去した固形分100%のブロックアクリルポリマーPA1−B1、ジエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)を加え、AF4で希釈した。その後、110℃で3時間加熱撹拌して、固形分(不揮発分)40%のアミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA1−B1を得た。
得られたアミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA1−B1の質量平均分子量は、ブロックアクリルポリマーPA1−B1と同様である。
表11において、モノマーBに対するジエタノールアミンのモル比率は、配合した量からポリマーBに対するジエタノールアミンのモル比率から求めた。
(工程(3):顔料分散体の調整)
表14に、実施例及び比較例のインク処方及び評価結果を示す。
表14に示す成分のうち、顔料分散体の成分として、顔料のMA11(カーボンブラック、三菱化学株式会社製)、分散剤のアミン変性ブロックアクリルポリマー、及び溶剤のAF4を表14に示す割合でプレミックスして調合液を作製した。得られた調合液をビーズミルで充分に分散して、顔料分散体を調整した。
(工程(4):インクの調整)
表14に示す割合にしたがって、四つ口フラスコに上記した顔料分散体とAF4の一部(40質量%)を仕込み、110℃まで昇温した。その後、触媒のジブチル錫ジラウレートを添加し、多価イソシアネート化合物デュラネートTSA−100(ヘキサメチレンジイソシアネート(三量体のイソシアヌレート構造)、NCO:20.6質量%、旭化成ケミカルズ株式会社製)と残りのAF4との混合物を30分かけて滴下した。滴下後、3時間反応させた。触媒のジブチル錫ジラウレートは、表14に示す成分の100質量%に対し0.01質量%で配合した。
<実施例18〜20>
実施例18〜20のインクは、表14に示す配合にしたがって、上記した実施例1と同様にして調整した。なお、実施例20では、多価イソシアネート化合物としてデュラネートAE700−100(ヘキサメチレンジイソシアネート(アダクト構造)、NCO:12質量%、旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いた。
実施例18〜20で用いたアミン変性ブロックアクリルポリマーは、表10に示す配合に従って、ブロックアクリルポリマーを作製し、続いて表11に示す配合に従って、アミン変性ブロックアクリルポリマーを作製した。
ブロックアクリルポリマーPA2−B1及びPA2−B2は溶剤にAF4を用いており、アミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA2−B1及びAmPA2−B2の合成では、ブロックアクリルポリマーPA2−B1及びPA2−B2の溶剤を除去しないで固形分40質量%の溶液の状態で用いた。
その他は、上記した実施例1と同様にした。
<比較例9>
比較例9のインクでは、分散剤として、ランダムアクリルポリマーPAB2を用いて、多価イソシアネート化合物の代わりにジアミン(デュオミンT、化合物名:N−牛脂アルキルー1,3−ジアミノプロパン、ライオンアクゾ株式会社製)を用いた。その他は、表14に示す配合にしたがって、上記した実施例17と同様にして調整した。
ランダムアクリルポリマーPAB2は、ナスフラスコに、表12に示す各成分をすべて加え、十分脱気した後、不活性ガス(アルゴン)置換を行い、65℃で24時間かけて加熱及び撹拌を行った。得られたランダムポリマーPAB2の固形分(不揮発分)は40質量%であった。
<比較例10>
比較例10のインクでは、分散剤として、アミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA2−B1を用い、多価イソシアネート化合物を用いなかった。その他は、表14に示す配合にしたがって、上記した実施例17と同様にして調整した。
<実施例21〜24>
実施例21〜24のインク処方及び評価結果を表15に示す。
実施例21では、分散剤としてアミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA1−B1を用い、溶剤としてAF4を用いた。
実施例22では、分散剤としてアミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA1−B1を用い、溶剤としてAF4及びパルミチン酸イソオクチル(IOP)を用いた。
実施例23では、分散剤としてアミン変性ランダムアクリルポリマーAmPAB1を用い、溶剤としてAF4を用いた。
実施例24では、分散剤としてアミン変性ランダムアクリルポリマーAmPAB1を用い、溶剤としてAF4及びパルミチン酸イソオクチル(IOP)を用いた。
その他は、表15に示す配合にしたがって、上記実施例1と同様にして調整した。
実施例22及び24で用いたアミン変性ランダムアクリルポリマーAmPAB1は、まず、表12に示す配合に従って、その他は上記実施例1と同様にして、ランダムアクリルポリマーPAB1を合成し、次いで、表13に示す配合に従って、その他は上記実施例1と同様にして、アミン変性ランダムアクリルポリマーAmPAB1を合成した。
ランダムアクリルポリマーPAB1は溶剤に酢酸エチルを用いており、アミン変性ランダムアクリルポリマーAmPAB1の合成では、ランダムアクリルポリマーPAB1の溶剤を除去した後、AF4で希釈し、固形分40質量%の溶液の状態で用いた。
表14及び表15において、分散剤の質量平均分子量は、分散剤として用いたポリマーの質量平均分子量である。分散剤がアミン変性(ブロック)アクリルポリマーの場合、(ブロック)アクリルポリマーの質量平均分子量と同様である。
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<評価>
上記した各インクを用いて、インク粘度、貯蔵安定性、定着性、画像濃度及び裏抜けについて評価を行った。評価方法及び評価基準は、上記した通りである。結果を各表に合わせて示す。
表14に示す通り、実施例17〜20のインクは、インク粘度、貯蔵安定性、定着性、画像濃度及び裏抜けが良好な結果であった。
比較例9では、ランダムアクリルポリマーPAB2をジアミンで架橋した分散剤を用いており、インク粘度及び定着性が十分に得られなかった。
比較例10では、実施例9と同じアミン変性ブロックアクリルポリマーAmPA2−B2を用いているが、イソシアネート化合物で架橋しておらず、定着性が十分に得られなかった。
表15に示す通り、実施例21から24のインクは、非極性溶剤からなる溶剤、及び非極性溶剤と高級脂肪酸エステルとの混合物の溶剤のいずれでも、良好な結果を得ることができた。
実施例21及び22では、ブロックポリマーを分散剤として用いており、よりインク粘度、貯蔵安定性、定着性に優れた。

Claims (10)

  1. 顔料と、分散剤と、多価イソシアネート化合物との顔料複合体、及び非水系溶剤を含み、
    前記分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有する単位と、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位とを含み、前記多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基は、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により導入された基であり、
    共重合体全体の全単位に対し、炭素数12以上のアルキル基を有する単位は30モル%〜80モル%であり、多価イソシアネートとの反応性を有する官能基を有する単位は20モル%〜70モル%である共重合体であり、
    前記多価イソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物、及びアダクト構造を含む多価イソシアネート化合物から選択される1種以上である
    非水系顔料インク。
  2. 顔料と、分散剤と、多価イソシアネート化合物との顔料複合体、及び非水系溶剤を含み、
    前記分散剤は、
    炭素数12以上のアルキル基を有する単位を含む第1ブロックと、
    多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位を含む第2ブロックとを有し、前記多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基は、アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により導入された基であるブロック共重合体であって、
    第1ブロックの全単位に対し、炭素数12以上のアルキル基を有する単位は50モル%以上であり、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は10モル%未満であり、
    第2ブロックの全単位に対し、多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基を有する単位は10モル%以上であり、
    前記第1ブロックと前記第2ブロックとのモル比は、20:80〜90:10であり、
    前記多価イソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物、及びアダクト構造を含む多価イソシアネート化合物から選択される1種以上である、非水系顔料インク。
  3. 前記分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体であって、
    前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基が導入されたものである、請求項1に記載の非水系顔料インク。
  4. 前記分散剤は、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)を含むモノマー混合物のブロックと、アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー混合物のブロックとのブロック共重合体であって、
    前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネート化合物との反応性を有する官能基が導入されたものである、請求項に記載の非水系顔料インク。
  5. 前記モノマー混合物は、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレート(C)をさらに含む、請求項またはに記載の非水系顔料インク。
  6. 前記反応性(メタ)アクリレート(B)は、グリシジル基を有する、請求項からのいずれか1項に記載の非水系顔料インク。
  7. 前記多価イソシアネート化合物は、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物である、請求項1からのいずれか1項に記載の非水系顔料インク。
  8. 前記顔料複合体は、多価アルコール化合物をさらに含む、請求項1からいずれか1項に記載の非水系顔料インク。
  9. 顔料に分散剤を吸着させる工程と、前記分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋する工程とを含み、
    前記分散剤は、
    炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)と、
    アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー混合物の共重合体であって、
    前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネートとの反応性を有する官能基が導入されたものであり、
    共重合体全体の全単位に対し、炭素数12以上のアルキル基を有する単位は30モル%〜80モル%であり、多価イソシアネートとの反応性を有する官能基を有する単位は20モル%〜70モル%である共重合体であり、
    前記多価イソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物、及びアダクト構造を含む多価イソシアネート化合物から選択される1種以上である
    顔料複合体の製造方法。
  10. 顔料に分散剤を吸着させる工程と、前記分散剤同士を多価イソシアネート化合物で架橋する工程とを含み、
    前記分散剤は、
    炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)を含むモノマー混合物のブロックAと、
    アミノ基と反応しうる官能基を有する反応性(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー混合物のブロックBとを含むブロック共重合体であって、
    前記アミノ基と反応しうる官能基とアミノアルコールとの反応により多価イソシアネートとの反応性を有する官能基が導入されたものであり、
    前記ブロックAと前記ブロックBとのモル比は、20:80〜90:10であり、
    前記多価イソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート環を含む多価イソシアネート化合物、及びアダクト構造を含む多価イソシアネート化合物から選択される1種以上である
    顔料複合体の製造方法。
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