JP2019147852A - 油性インクジェットインク及び顔料分散剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】アミン臭を低減し得る油性インクジェットインクを提供する。【解決手段】顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤とを含む油性インクジェットインクであって、前記顔料分散剤が、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、油性インクジェットインク。【選択図】なし
Description
本発明の実施形態は、油性インクジェットインク及び顔料分散剤に関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
油性顔料インクジェットインクでは、色材として顔料を用いた場合、顔料をインク中に安定的に分散させるために、顔料分散剤を用いる場合がある。
特許文献1は、省電力化、サテライト抑制、及び印刷濃度向上を維持しつつ、アミン臭を低減し得る非水系インク及びその製造方法、並びに顔料分散剤を提供することを課題とし、顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤とを少なくとも含む非水系インクであって、顔料分散剤が、β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)と、アミノ基を有する水溶性樹脂(B)とを構成成分として少なくとも含む共重合体からなる非水系インクを開示している。
特許文献1は、省電力化、サテライト抑制、及び印刷濃度向上を維持しつつ、アミン臭を低減し得る非水系インク及びその製造方法、並びに顔料分散剤を提供することを課題とし、顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤とを少なくとも含む非水系インクであって、顔料分散剤が、β−ジカルボニル基を有するモノマー(A)と、アミノ基を有する水溶性樹脂(B)とを構成成分として少なくとも含む共重合体からなる非水系インクを開示している。
非水系インクにおいて、ポリエチレンイミンなどのアミノ基を含む非油溶性樹脂を用いた場合、不快なアミン臭を発する場合がある。特許文献1は、アミン臭の低減を課題とするものであるが、アミノ基を含む非油溶性樹脂を用いた場合のアミン臭の低減には、さらなる改善の余地がある。
本発明の一目的は、アミン臭を低減し得る油性インクジェットインク及び顔料分散剤を提供することである。
本発明の一目的は、アミン臭を低減し得る油性インクジェットインク及び顔料分散剤を提供することである。
本発明の一実施形態によれば、顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤とを含む油性インクジェットインクであって、前記顔料分散剤が、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、 油性インクジェットインクが提供される。
本発明の一実施形態によれば、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、顔料分散剤が提供される。
本発明の一実施形態によれば、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、顔料分散剤が提供される。
本発明の実施形態により、アミン臭を低減し得る油性インクジェットインク及び顔料分散剤を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳しく説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されることはなく、様々な修正や変更を加えてもよいことは言うまでもない。
本発明の実施形態の油性インクジェットインクは、顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤とを含む油性インクジェットインクであって、顔料分散剤が、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、油性インクジェットインクである。
この油性インクジェットインクによれば、アミン臭を低減し得る。
また、この油性インクジェットインクによれば、印刷濃度を向上するとともに、裏抜けを低減することができる。
この油性インクジェットインクによれば、アミン臭を低減し得る。
また、この油性インクジェットインクによれば、印刷濃度を向上するとともに、裏抜けを低減することができる。
以下、油性インクジェットインクを、単に「インク」と称することがある。「アミノ基を有する非油溶性樹脂A」を単に「非油溶性樹脂A」と称することがある。「β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂B」を単に「油溶性樹脂B」と称することがある。「(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物C」を単に「化合物C」と称することがある。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料の平均粒子径は、吐出安定性と保存安定性の観点から、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは、200nm以下であり、さらに好ましくは、150nm以下である
顔料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用することもできる。本実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
低粘度化の観点からは、非水系溶剤は、非極性有機溶剤を含むことが好ましい。非極性有機溶剤の含有量は、インクの低粘度化の観点から、非水系溶剤全質量に対して20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。
低粘度化の観点からは、非水系溶剤は、非極性有機溶剤を含むことが好ましい。非極性有機溶剤の含有量は、インクの低粘度化の観点から、非水系溶剤全質量に対して20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。
非極性有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−60、モレスコホワイトP−70、モレスコホワイトP−80、モレスコホワイトP−100、モレスコホワイトP−120、モレスコホワイトP−150、モレスコホワイトP−200、モレスコホワイトP−260、モレスコホワイトP−350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−60、モレスコホワイトP−70、モレスコホワイトP−80、モレスコホワイトP−100、モレスコホワイトP−120、モレスコホワイトP−150、モレスコホワイトP−200、モレスコホワイトP−260、モレスコホワイトP−350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;
ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;
ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
インクは、顔料分散剤として、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体を含むことができる。
この顔料分散剤は、非油溶性樹脂Aとβ−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと化合物Cとを構成成分として含む共重合体であり、これらそれぞれの構成成分に由来する部分構造(非油溶性樹脂Aに由来する部分構造、油溶性樹脂Bに由来する部分構造、及び、化合物Cに由来する部分構造)を含む。この顔料分散剤は、その他の構成成分に由来する部分構造をさらに含んでもよい。非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cは、それぞれ独立に、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
この顔料分散剤は、非油溶性樹脂Aとβ−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと化合物Cとを構成成分として含む共重合体であり、これらそれぞれの構成成分に由来する部分構造(非油溶性樹脂Aに由来する部分構造、油溶性樹脂Bに由来する部分構造、及び、化合物Cに由来する部分構造)を含む。この顔料分散剤は、その他の構成成分に由来する部分構造をさらに含んでもよい。非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cは、それぞれ独立に、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
インク中にアミノ基を有する非油溶性樹脂Aが未反応で存在すると、未反応のアミノ基がアミン臭の原因となり得ると考えられる。しかし、非油溶性樹脂Aと油溶性樹脂Bと化合物Cとを構成成分として含む共重合体とすることで、アミン臭の抑制を図ることができる。この理由として、この共重合体(顔料分散剤)において、油溶性樹脂Bのβ−ジカルボニル基、並びに、化合物Cの(メタ)アクリロイル基又はビニル基が、非油溶性樹脂Aのアミノ基と反応していると考えられ、このため、非油溶性樹脂Aのアミノ基の未反応の状態での残存が抑えられ、アミン臭の低減につながると考えられる。
アミノ基を有する非油溶性樹脂Aは、インクの非水系溶剤に相溶性が低く、インクの非水系溶剤中で液滴状に分散することが好ましい。
非油溶性樹脂Aは、アミノ基として1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、またはこれらの組合せを有することができる。非油溶性樹脂Aは、1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有することが好ましい。
非油溶性樹脂Aの数平均分子量は、500以上であることが好ましく、600以上がより好ましい。また、非油溶性樹脂Aの数平均分子量は、15000以下が好ましい。
非油溶性樹脂Aは、アミノ基として1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、またはこれらの組合せを有することができる。非油溶性樹脂Aは、1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有することが好ましい。
非油溶性樹脂Aの数平均分子量は、500以上であることが好ましく、600以上がより好ましい。また、非油溶性樹脂Aの数平均分子量は、15000以下が好ましい。
アミノ基を有する非油溶性樹脂Aは、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン等の塩基性高分子電解質またはそれらの誘導体を挙げることができ、特に、数平均分子量が200〜2000のポリエチレンイミンを好適に使用することができる。
ポリエチレンイミンの数平均分子量が200以上の場合、普通紙に対する高濃度化の効果が得られやすく、2000以下の場合、良好なノズルプレートの撥インク性が得られやすい。ポリエチレンイミンの数平均分子量は、高濃度化の効果、及び、ノズルプレート撥インク性の観点から、300〜1800であることがより好ましい。
非油溶性樹脂A及びポリエチレンイミンの数平均分子量は、沸点上昇法により求めた値である。
非油溶性樹脂A及びポリエチレンイミンの数平均分子量は、沸点上昇法により求めた値である。
ポリエチレンイミンは、市販のものを用いることが可能であり、たとえば、株式会社日本触媒製エポミンSP−006、エポミンSP−012、エポミンSP−018、エポミンSP−200;BASF社製Lupasol FG、Lupasol G20 Waterfree、Lupasol PR8515等を好ましく挙げることができる。
β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bについて説明する。
油溶性樹脂は、油性インクに含まれる溶剤に溶解する樹脂であり、具体的には、1気圧20℃において樹脂と油性インクに含まれる非水系溶剤とを同容量で混合した場合に、二相に分かれることなく均一に溶解するものを意味する。
油溶性樹脂Bとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
油溶性樹脂は、油性インクに含まれる溶剤に溶解する樹脂であり、具体的には、1気圧20℃において樹脂と油性インクに含まれる非水系溶剤とを同容量で混合した場合に、二相に分かれることなく均一に溶解するものを意味する。
油溶性樹脂Bとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
β−ジカルボニル基としては、β−ジケトン基、β−ケト酸エステル基等が挙げられる。β−ジケトン基としては、例えば、アセトアセチル基、プロピオンアセチル基等が挙げられ、β−ケト酸エステル基としては、例えばアセトアセトキシ基、プロピオンアセトキシ基等が挙げられる。β−ジカルボニル基は、油溶性樹脂Bに1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれてもよい。
非油溶性樹脂Aと油溶性樹脂Bと化合物Cとを構成成分として含む共重合体である顔料分散剤において、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aとβ−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bとは、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bのカルボニル基と、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aのアミノ基とが反応することで結合を形成していると考えられる。
このβ−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bを用いた顔料分散剤は顔料への吸着性が高く、これによって顔料分散性が向上してインクの粘度が低くなり、低温適性を向上させることができる。さらに、低粘度で低温適性に優れるため、記録媒体に着弾する際のインクの静電的な凝集、定着にも寄与し、結果的に印刷濃度を向上させ、裏抜けの抑制を実現することができる。また、非油溶性樹脂Aは本来、非極性有機溶剤になじみがたいが、油溶性樹脂Bと反応させることにより非極性有機溶剤になじみやすくなり、顔料との濡れ性(分散性)を向上させやすい。
非油溶性樹脂Aと油溶性樹脂Bと化合物Cとを構成成分として含む共重合体である顔料分散剤において、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aとβ−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bとは、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bのカルボニル基と、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aのアミノ基とが反応することで結合を形成していると考えられる。
このβ−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bを用いた顔料分散剤は顔料への吸着性が高く、これによって顔料分散性が向上してインクの粘度が低くなり、低温適性を向上させることができる。さらに、低粘度で低温適性に優れるため、記録媒体に着弾する際のインクの静電的な凝集、定着にも寄与し、結果的に印刷濃度を向上させ、裏抜けの抑制を実現することができる。また、非油溶性樹脂Aは本来、非極性有機溶剤になじみがたいが、油溶性樹脂Bと反応させることにより非極性有機溶剤になじみやすくなり、顔料との濡れ性(分散性)を向上させやすい。
油溶性樹脂Bは、炭素数8以上のアルキル基を有することが好ましい。炭素数8以上のアルキル基を含むことで、非水系溶剤の炭化水素系非極性溶剤と相溶性が高くなり、これによって非水系溶剤に溶解した状態としやすく、その一方で、β−ジカルボニル基によりインクの粘度を下げることができ、低温適性をより向上させることができる。また、粘度上昇が抑制されることで、インクが記録媒体に着弾する際のインクの静電的な凝集、定着にも寄与し、結果的に印刷濃度を向上させ、裏抜けの抑制を実現することができる。
このアルキル基の炭素数は、22以下が好ましく、18以下がより好ましい。とくに、このアルキル基の炭素数が18以下であるとき、低温で油溶性樹脂Bが固化しにくく、より良好な低温適性が得られやすい。アルキル基の炭素数は12〜18であることがより好ましい。
炭素数8以上のアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基等が挙げられる。炭素数8以上のアルキル基は、油溶性樹脂Bに1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
このアルキル基の炭素数は、22以下が好ましく、18以下がより好ましい。とくに、このアルキル基の炭素数が18以下であるとき、低温で油溶性樹脂Bが固化しにくく、より良好な低温適性が得られやすい。アルキル基の炭素数は12〜18であることがより好ましい。
炭素数8以上のアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基等が挙げられる。炭素数8以上のアルキル基は、油溶性樹脂Bに1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
油溶性樹脂Bは、グリシジル基を有することが好ましい。グリシジル基は、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aのアミノ基と反応性を有し、また、顔料表面に存在するカルボキシル基とも反応性を有するため、油溶性樹脂Bがグリシジル基を有するとき顔料分散性をさらに向上させられる傾向がある。
油溶性樹脂Bにおいて、β−ジカルボニル基は、例えば、β−ジカルボニル基を有するモノマーb1を構成成分として含むことで、油溶性樹脂Bに導入することができる。油溶性樹脂Bは、例えば、β−ジカルボニル基を有するモノマーb1を1種のみ構成成分とするものであってよく、例えば、β−ジカルボニル基を有するモノマーb1を含む2種以上のモノマーを構成成分として含む共重合体であってよい。「β−ジカルボニル基を有するモノマーb1」を単に「モノマーb1」と称する場合もある。
β−ジカルボニル基を有するモノマーb1としては、β−ジケトン基又はβ−ケト酸エステル基、β−ケトアミド類、シアノアセテート類を含むモノマーが挙げられる。モノマーb1としては、例えば、エステル鎖にβ−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を含む(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。より詳細には、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。モノマーb1は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。「(メタ)アクリレート」は、「メタクリレート」及び「アクリレート」を包含する。(メタ)アクリルアミドは「メタクリルアミド」及び「アクリルアミド」を包含する。
β−ジカルボニル基を有するモノマーb1の量は、例えば、油溶性樹脂Bを構成する構成成分の全量に対して100質量%であってよい。油溶性樹脂Bが、モノマーb1以外のモノマーを含む2種以上のモノマーを構成成分として含む共重合体の場合には、モノマーb1の量は、油溶性樹脂Bを構成する構成成分の全量に対して1〜70質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。
油溶性樹脂Bが炭素数8以上のアルキル基を有する場合、炭素数8以上のアルキル基は、例えば、炭素数8以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートb2を構成成分として含むことで油溶性樹脂Bに導入することができる。「炭素数8以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートb2」を「アルキル(メタ)アクリレートb2」又は「モノマーb2」と称する場合もある。
アルキル(メタ)アクリレートb2としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートb2は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
油溶性樹脂Bが、アルキル(メタ)アクリレートb2を構成成分として含む場合、油溶性樹脂Bを構成する構成成分の全量に対するアルキル(メタ)アクリレートb2の量は、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
油溶性樹脂Bがグリシジル基を有する場合、グリシジル基は、例えば、グリシジル基を有するモノマーb3を構成成分として含むことで油溶性樹脂Bに導入することができる。以下、グリシジル基を有するモノマーb3を「モノマーb3」と称する場合もある。モノマーb3としては、例えば、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、より具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
油溶性樹脂Bが、グリシジル基を有するモノマーb3を構成成分として含む場合、油溶性樹脂Bを構成する構成成分の全量に対するグリシジル基を有するモノマーb3の量は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
油溶性樹脂Bの重量平均分子量は、特に限定されないが、インクジェットインクに用いる場合には、インクの吐出性の観点から5000〜50000程度であることが好ましく、10000〜30000程度であることがより好ましい。油溶性樹脂Bの重量平均分子量は、ゲルパーミエーション(GPC法)で、ポリスチレン換算による値である。
油溶性樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、常温以下であることが好ましく、さらには0℃以下であることがより好ましい。これにより、インクが記録媒体上で定着する際に、常温で成膜を促進させることができる。
油溶性樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、常温以下であることが好ましく、さらには0℃以下であることがより好ましい。これにより、インクが記録媒体上で定着する際に、常温で成膜を促進させることができる。
油溶性樹脂Bの上記の各成分は、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。この場合、重合後の油溶性樹脂Bの分子量を上記の好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日油株式会社製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系炭化水素溶剤や脂肪酸エステル系溶剤などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶剤(前述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cは、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するものであればとくに限定されない。(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を包含する。化合物Cは、例えば、(メタ)アクリロイル基を2以上有するものであってもよく、例えば、ビニル基を2以上有するものであってよく、例えば、(メタ)アクリロイル基とビニル基とを合計で2以上有するものであってもよい。
(メタ)アクリロイル基は、酸素原子とともに(メタ)アクリロイルオキシ基を形成していることが好ましい。(メタ)アクリロイルオキシ基は、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基を包含する。化合物Cが1以上の(メタ)アクリロイル基を有するとき、例えば、1以上の(メタ)アクリロイル基の少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基が(メタ)アクリロイルオキシ基を形成していることが好ましい。化合物Cは、(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有することがより好ましい。
(メタ)アクリロイル基は、酸素原子とともに(メタ)アクリロイルオキシ基を形成していることが好ましい。(メタ)アクリロイルオキシ基は、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基を包含する。化合物Cが1以上の(メタ)アクリロイル基を有するとき、例えば、1以上の(メタ)アクリロイル基の少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基が(メタ)アクリロイルオキシ基を形成していることが好ましい。化合物Cは、(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有することがより好ましい。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物は、非油溶性樹脂Aと油溶性樹脂Bと化合物Cとを構成成分として含む共重合体において、非油溶性樹脂Aのアミノ基にマイケル付加すると考えられる。これにより、非油溶性樹脂Aのアミノ基の未反応の状態での残存が抑えられ、インクのアミン臭が低減されると考えられる。また、非油溶性樹脂A及び油溶性樹脂Bとともに化合物Cを用いるとき、画像濃度を向上させ、裏抜けを低減させることができる。
化合物Cの(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基の数は、2以上が好ましい。化合物Cの(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基の数は、官能基が未反応で残った場合に酸化を受けやすくなりインクとしての安定性が損なわれる場合があることから、6以下が好ましく、3以下がより好ましい。
化合物Cの(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基の数は、2以上が好ましい。化合物Cの(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基の数は、官能基が未反応で残った場合に酸化を受けやすくなりインクとしての安定性が損なわれる場合があることから、6以下が好ましく、3以下がより好ましい。
化合物Cとしては、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物において、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基は、例えば、ケイ素原子に直接結合してもよく、連結基を介してケイ素原子に結合してもよい。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物において、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基は、例えば、ケイ素原子に直接結合してもよく、連結基を介してケイ素原子に結合してもよい。
化合物Cとしては、裏抜け低減の観点から、ポリジメチルシロキサン化合物が好ましい。例えば、化合物Cがポリジメチルシロキサン化合物を含むことが好ましく、このような形態として、例えば、化合物Cの少なくとも1つがポリジメチルシロキサン化合物であってもよく、化合物Cがすべてポリジメチルシロキサン化合物であってもよい。
ポリジメチルシロキサン化合物のなかでも、裏抜け低減及びインク粘度の観点から、オリゴマー領域の分子量(数百〜数千)のものがより好ましい。化合物Cとして、分子量がオリゴマー領域にあるものを用いるとき、高い裏抜け抑制効果を得やすく、インク粘度を低く維持しやすい。化合物Cの数平均分子量としては800〜5000が好ましく、1000〜3000がより好ましい。化合物Cの数平均分子量はゲルパーミエーション(GPC法)で、ポリスチレン換算による値である。
ポリジメチルシロキサン化合物のなかでも、裏抜け低減及びインク粘度の観点から、オリゴマー領域の分子量(数百〜数千)のものがより好ましい。化合物Cとして、分子量がオリゴマー領域にあるものを用いるとき、高い裏抜け抑制効果を得やすく、インク粘度を低く維持しやすい。化合物Cの数平均分子量としては800〜5000が好ましく、1000〜3000がより好ましい。化合物Cの数平均分子量はゲルパーミエーション(GPC法)で、ポリスチレン換算による値である。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物としては、ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレート、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレート、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレート、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物の市販品の例としては、以下のものが挙げられる。
ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−UV3505((メタ)アクリロイル基2個)、BYK−UV3575((メタ)アクリロイル基2個)、BYK−UV3576((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−UV3500((メタ)アクリロイル基2個)、BYK−UV3530((メタ)アクリロイル基2個)、エボニックデグサジャパン株式会社製のTEGO Rad 2100((メタ)アクリロイル基5個)、TEGO Rad 2200((メタ)アクリロイル基2個)、TEGO Rad 2650((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−UV3570((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ビニル末端ポリジメチルシロキサンの市販品の例としては、Gelest Inc.製DMS−V03(ビニル基3個)、DMS−V05(ビニル基2個)、DMS−V21(ビニル基2個)、MTV−112(ビニル基3個)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物の市販品としては、さらに、例えば、ポリエーテル(メタ)アクリレートの市販品としては、新中村工業株式会社製UA−160TM((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−UV3505((メタ)アクリロイル基2個)、BYK−UV3575((メタ)アクリロイル基2個)、BYK−UV3576((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−UV3500((メタ)アクリロイル基2個)、BYK−UV3530((メタ)アクリロイル基2個)、エボニックデグサジャパン株式会社製のTEGO Rad 2100((メタ)アクリロイル基5個)、TEGO Rad 2200((メタ)アクリロイル基2個)、TEGO Rad 2650((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレートの市販品の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−UV3570((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
ビニル末端ポリジメチルシロキサンの市販品の例としては、Gelest Inc.製DMS−V03(ビニル基3個)、DMS−V05(ビニル基2個)、DMS−V21(ビニル基2個)、MTV−112(ビニル基3個)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物の市販品としては、さらに、例えば、ポリエーテル(メタ)アクリレートの市販品としては、新中村工業株式会社製UA−160TM((メタ)アクリロイル基2個)等が挙げられる。
非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する油溶性樹脂Bの量は、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する油溶性樹脂Bの量は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する化合物Cの量は、裏抜け低減の観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する化合物Cの量は、80質量%以下が好ましく、70質量%以上がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。ノズルプレートに対するインクの濡れ性(撥インク性)の改善の観点から、化合物Cが(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物を含み、非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する化合物Cの量が、1質量%〜80質量%(より好ましくは2質量%〜70質量%、さらに好ましくは5質量%〜60質量%、さらに好ましくは10質量%〜50質量%)であることがより好ましい。
非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する化合物Cの量は、裏抜け低減の観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する化合物Cの量は、80質量%以下が好ましく、70質量%以上がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。ノズルプレートに対するインクの濡れ性(撥インク性)の改善の観点から、化合物Cが(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有するポリジメチルシロキサン化合物を含み、非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する化合物Cの量が、1質量%〜80質量%(より好ましくは2質量%〜70質量%、さらに好ましくは5質量%〜60質量%、さらに好ましくは10質量%〜50質量%)であることがより好ましい。
非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する、油溶性樹脂Bおよび化合物Cの合計量は、20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。油溶性樹脂A、非油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量に対する油溶性樹脂B及び化合物Cの合計量は、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B及び化合物Cの質量比率A:B:Cは、1:0.50〜10.0:0.01〜5.0であることが好ましく、1:1.0〜5.0:0.10〜3.0であることがさらに好ましい。
また、非油溶性樹脂A、β−ジカルボニル基を有するモノマーb1及び化合物Cの質量比率A:b1:Cは、1:0.15〜3.0:0.01〜5.0であることが好ましく、1:0.3〜1.5:0.10〜3.0であることがさらに好ましい。
また、非油溶性樹脂A、β−ジカルボニル基を有するモノマーb1及び化合物Cの質量比率A:b1:Cは、1:0.15〜3.0:0.01〜5.0であることが好ましく、1:0.3〜1.5:0.10〜3.0であることがさらに好ましい。
顔料分散剤のインク全量に対する含有量は、顔料の分散性を確保する観点から0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。一方、顔料分散剤の含有量は、インクの粘度及び高温環境下での貯蔵安定性の観点から、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。インク全量に対する顔料分散剤の含有量は、例えば、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、2〜8質量%であることがさらに好ましい。
顔料分散剤の顔料に対する含有量は、貯蔵安定性を確保する観点から顔料に対する質量比で0.1から1.0であることが好ましい。
インクには、上記各成分に加えて、慣用の添加剤が含まれていてよい。
添加剤の例としては、界面活性剤、酸化防止剤、等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばアニオン性、カチオン性、両性、もしくはノニオン性の界面活性剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、及びノルジヒドログアヤレチック酸等、が挙げられる。
添加剤の例としては、界面活性剤、酸化防止剤、等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばアニオン性、カチオン性、両性、もしくはノニオン性の界面活性剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、及びノルジヒドログアヤレチック酸等、が挙げられる。
インクの粘度は、インクジェット記録システム用の場合、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s程度であることが、一層好ましい。
インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
本発明の一実施形態の顔料分散剤は、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、顔料分散剤である。本実施形態の顔料分散剤は、上記の油性インクジェットインクの顔料分散剤に相当する。従って、各成分及びその量の説明、好ましい例の説明等は上記の油性インクジェットインクの顔料分散剤の説明が適用されるため、詳細な説明は省略する。
油性インクジェットインクにおいて、本実施形態の顔料分散剤を用いることで、アミン臭を低減し得る。また、印刷濃度を向上するとともに、裏抜けを低減することができる。
油性インクジェットインクにおいて、本実施形態の顔料分散剤を用いることで、アミン臭を低減し得る。また、印刷濃度を向上するとともに、裏抜けを低減することができる。
本発明の一実施形態のインクの製造方法は、顔料と、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cと、非水系溶剤とを混合することを含む。各成分及びその量の説明、好ましい例の説明等は上記の油性インクジェットインクの説明が適用される。上記実施形態の油性インクジェットインクは、この製造方法によって製造することができる。
本実施形態の製造方法では、各成分を一括又は分割して混合及び撹拌してもよい。また、例えば、顔料、非油溶性樹脂A、油溶性樹脂B、化合物C、及び非水系溶剤に加えて他の成分を混合してもよい。本実施形態の製造方法では、例えば、顔料と、非油溶性樹脂Aと、油溶性樹脂Bと、化合物Cと、非水系溶剤と、必要に応じてその他の材料とを混合し、ボールミル、ビーズミル等の任意の分散手段を用いて顔料を分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製することができる。なお、非油溶性樹脂Aとしてポリエチレンイミンを用いる場合、ポリエチレンイミンは汎用の非水系溶剤には、微溶もしくは難溶であることが多い。そのため、ビーズミルのようなシェアをかけることのできる装置を用い、シェアのかかった状態で混合させることが望ましい。使用する非水系溶剤に非油溶性樹脂Aが可溶である場合は、このようなシェアは不要であるが、撹拌下で混合させることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」である。
<インクの作製>
(1)樹脂溶液aの作製
四つ口フラスコに、イソノナン酸イソトリデシル(高級アルコール工業株式会社製)87.5質量部を仕込み、窒素ガスを通気し撹拌しながら、110℃まで昇温した。次に、下記表1に記載した組成のモノマー混合物100.0質量部にイソノナン酸イソトリデシルを16.7質量部、パーブチルO(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、日油株式会社製)を4質量部混合したものを、3時間かけて滴下した。110℃で1時間撹拌した後、パーブチルOを0.2質量部添加し、さらに1時間撹拌し、固形分50質量%の、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂を含有する樹脂溶液aを得た。
得られた樹脂溶液aの樹脂の重量平均分子量は12200であった。重量平均分子量は、ゲルパーミエーション(GPC法)で、ポリスチレン換算による値である。
(1)樹脂溶液aの作製
四つ口フラスコに、イソノナン酸イソトリデシル(高級アルコール工業株式会社製)87.5質量部を仕込み、窒素ガスを通気し撹拌しながら、110℃まで昇温した。次に、下記表1に記載した組成のモノマー混合物100.0質量部にイソノナン酸イソトリデシルを16.7質量部、パーブチルO(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、日油株式会社製)を4質量部混合したものを、3時間かけて滴下した。110℃で1時間撹拌した後、パーブチルOを0.2質量部添加し、さらに1時間撹拌し、固形分50質量%の、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂を含有する樹脂溶液aを得た。
得られた樹脂溶液aの樹脂の重量平均分子量は12200であった。重量平均分子量は、ゲルパーミエーション(GPC法)で、ポリスチレン換算による値である。
表1に記載される材料は以下の通りである。
ベヘニルメタクリレート:日油株式会社製
ドデシルメタクリレート:花王株式会社製
アセトアセトキシエチルメタクリレート:日本合成化学工業株式会社製
グリシジルメタクリレート:日油株式会社製
ベヘニルメタクリレート:日油株式会社製
ドデシルメタクリレート:花王株式会社製
アセトアセトキシエチルメタクリレート:日本合成化学工業株式会社製
グリシジルメタクリレート:日油株式会社製
(2)油性インクの作製
表2に示す各組成の混合物(粘度調整用溶剤を除く)を、ジルコニアビーズ(直径0.5mm)を充填率85%にて充填したダイノーミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で分散し、分散後、希釈用溶剤を加えて希釈することで、各実施例及び比較例のインクを作製した。表2中の各成分の配合量は「質量%」で示す。
表2に示す各組成の混合物(粘度調整用溶剤を除く)を、ジルコニアビーズ(直径0.5mm)を充填率85%にて充填したダイノーミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で分散し、分散後、希釈用溶剤を加えて希釈することで、各実施例及び比較例のインクを作製した。表2中の各成分の配合量は「質量%」で示す。
表2に記載される材料は以下の通りである。
MA77:三菱ケミカル株式会社製
樹脂溶液a:上記で製造
エポミンSP−012:株式会社日本触媒製
エクソールD130:エクソンモービル社製
イソノナン酸イソトリデシル:高級アルコール工業株式会社製
エクソールD130:エクソンモービル社製
TEGO Rad 2100:エボニックデグサジャパン株式会社製
TEGO Rad 2200:エボニックデグサジャパン株式会社製
BYK−UV 3500:ビックケミー・ジャパン株式会社製
DMS−V03:Gelest Inc.製
UA−160TM:新中村化学工業株式会社製
アクリル酸ブチル:和光純薬工業株式会社製
MA77:三菱ケミカル株式会社製
樹脂溶液a:上記で製造
エポミンSP−012:株式会社日本触媒製
エクソールD130:エクソンモービル社製
イソノナン酸イソトリデシル:高級アルコール工業株式会社製
エクソールD130:エクソンモービル社製
TEGO Rad 2100:エボニックデグサジャパン株式会社製
TEGO Rad 2200:エボニックデグサジャパン株式会社製
BYK−UV 3500:ビックケミー・ジャパン株式会社製
DMS−V03:Gelest Inc.製
UA−160TM:新中村化学工業株式会社製
アクリル酸ブチル:和光純薬工業株式会社製
<評価>
(1)インク臭気
密閉できる容量100mlの容器に各インクを50g入れて密閉し23℃の環境に一晩放置した後、容器のふたを開けて容器の中の臭いを嗅ぎ、以下の基準で評価した。
A:アミン臭がしない
B:アミン臭がする
密閉できる容量100mlの容器に各インクを50g入れて密閉し23℃の環境に一晩放置した後、容器のふたを開けて容器の中の臭いを嗅ぎ、以下の基準で評価した。
A:アミン臭がしない
B:アミン臭がする
(2)画像濃度、裏抜け
インクジェットプリンター「オルフィスEX9050」を用いて、普通紙(理想用紙マルチ、理想科学工業株式会社製)にベタ画像を印刷し、一日経過後のベタ画像の表面及び裏面のOD値を分光測色計「eXactアドバンス」(X-rite社製)で測定した。画像濃度は表面のOD値を下記評価基準で評価した。また、裏抜けは裏面のOD値を下記評価基準で評価した。
(画像濃度:評価基準)
A:表面のOD値が1.18以上
B:表面のOD値が1.12以上1.18未満
C:表面のOD値が1.12未満
(裏抜け:評価基準)
A:裏面のOD値が0.08未満
B:裏面のOD値が0.08以上0.15未満
C:裏面のOD値が0.15以上
インクジェットプリンター「オルフィスEX9050」を用いて、普通紙(理想用紙マルチ、理想科学工業株式会社製)にベタ画像を印刷し、一日経過後のベタ画像の表面及び裏面のOD値を分光測色計「eXactアドバンス」(X-rite社製)で測定した。画像濃度は表面のOD値を下記評価基準で評価した。また、裏抜けは裏面のOD値を下記評価基準で評価した。
(画像濃度:評価基準)
A:表面のOD値が1.18以上
B:表面のOD値が1.12以上1.18未満
C:表面のOD値が1.12未満
(裏抜け:評価基準)
A:裏面のOD値が0.08未満
B:裏面のOD値が0.08以上0.15未満
C:裏面のOD値が0.15以上
(3)ノズルプレートに対する濡れ性
上記の通り製造したインクをガラス容器に入れ、インクジェットプリンター(商品名「オルフィスEX9050」、理想科学工業株式会社製)に使用されるノズルプレートの片端をピンセットでつまみ、もう1方の片端をインクに浸漬させた。その後、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間を10回測定し、その平均値を算出し、撥インク時間とし、下記基準で評価した。
(評価基準)
A:撥インク時間1秒未満
B:撥インク時間1秒以上3秒未満
C:撥インク時間3秒以上
上記の通り製造したインクをガラス容器に入れ、インクジェットプリンター(商品名「オルフィスEX9050」、理想科学工業株式会社製)に使用されるノズルプレートの片端をピンセットでつまみ、もう1方の片端をインクに浸漬させた。その後、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間を10回測定し、その平均値を算出し、撥インク時間とし、下記基準で評価した。
(評価基準)
A:撥インク時間1秒未満
B:撥インク時間1秒以上3秒未満
C:撥インク時間3秒以上
表2からわかるように、実施例1〜7のインクはアミン臭がなかった。これに対して、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cを用いていない比較例1のインク、及び、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cではなく(メタ)アクリロイル基1個を有する化合物を用いた比較例2のインクでは、アミン臭がみとめられた。また、実施例1〜6のインクは、画像濃度及び画像裏抜けにおいても、比較例1及び2のインクのよりも優れていた。
Claims (4)
- 顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤とを含む油性インクジェットインクであって、
前記顔料分散剤が、アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、
油性インクジェットインク。 - 前記化合物Cは、ポリジメチルシロキサン化合物を含む、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
- 前記化合物Cの量が、前記非油溶性樹脂A、前記油溶性樹脂B及び前記化合物Cの合計量に対し、1質量%〜80質量%である、請求項1又は2に記載の油性インクジェットインク。
- アミノ基を有する非油溶性樹脂Aと、β−ジカルボニル基を有する油溶性樹脂Bと、(メタ)アクリロイル基及びビニル基からなる群から選択される官能基を2以上有する化合物Cとを構成成分として含む共重合体である、顔料分散剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018031631A JP2019147852A (ja) | 2018-02-26 | 2018-02-26 | 油性インクジェットインク及び顔料分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018031631A JP2019147852A (ja) | 2018-02-26 | 2018-02-26 | 油性インクジェットインク及び顔料分散剤 |
Publications (1)
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---|---|
JP2019147852A true JP2019147852A (ja) | 2019-09-05 |
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ID=67850182
Family Applications (1)
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JP2018031631A Pending JP2019147852A (ja) | 2018-02-26 | 2018-02-26 | 油性インクジェットインク及び顔料分散剤 |
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-
2018
- 2018-02-26 JP JP2018031631A patent/JP2019147852A/ja active Pending
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