JP7017481B2 - 油性インクジェットインク - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、ローラ転写汚れを低減することが可能な油性インクジェットインクを提供することを目的とする。
以下、油性インクジェットインクを、「インク」又は「油性インク」という場合がある。
ウレタンウレア樹脂を含む着色樹脂粒子、及びイオン性分散剤を含む本実施形態のインクにより、ローラ転写汚れを低減することが可能である。また、このインクによれば、印刷物の画像の耐擦過性を向上させる傾向も得られる。
アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、画像濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましい。
染料としては、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち水溶性の染料および還元等により水溶性になった水溶性染料を好ましく用いることができる。また、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、ニトロ系等の分散染料も好ましく用いることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、画像濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、5~10質量%であることが一層好ましい。
酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。
酸性基を有する場合、ウレタンウレア樹脂は、例えばインク作製時にシェアをかけた際の凝集を抑制しやすくする働きをもつと考えられる。
ウレタンウレア樹脂の重量平均分子量は、GPC法で標準ポリスチレン換算で求めた値である。以下で述べる樹脂等における重量平均分子量についても同様である。
ウレタンウレア樹脂の量は、適宜調整できる。ウレタンウレア樹脂の量は、例えば、裏抜け低減、耐擦過性、ローラ転写汚れ、貯蔵安定性の観点から、インク全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。一方、ウレタンウレア樹脂の量は、インク粘度の観点から、インク全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。ウレタンウレア樹脂の量は、例えば、インク全量に対して、0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましく、1~15質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましい。
ウレタンウレア樹脂の量は、例えば、裏抜け低減、耐擦過性、ローラ転写汚れ、貯蔵安定性の観点から、着色樹脂粒子固形分全量に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。一方、ウレタンウレア樹脂の量は、インク粘度の観点から、着色樹脂粒子全量に対して、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%%以下がさらに好ましい。ウレタンウレア樹脂の量は、例えば、着色樹脂粒子全量に対して、1~70質量%が好ましく、5~70質量%がより好ましく、10~60質量%がより好ましく、20~50質量%がさらに好ましい。
着色樹脂粒子がウレタンウレア樹脂以外の樹脂を含む場合、着色樹脂粒子に含まれる樹脂の合計量のインク全量に対する量、及び、着色樹脂粒子に含まれる樹脂の合計量の着色樹脂粒子全量に対する量がそれぞれ上記のウレタン樹脂の量の範囲として示した範囲内であってよい。
以下、着色樹脂粒子に含まれてよい(メタ)アクリル樹脂について説明する。
酸性基としては、カルボキシ基(-COOH)、スルホ基等が挙げられるが、カルボキシ基がより好ましい。酸性基は、(メタ)アクリル樹脂に1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
単位cは、(メタ)アクリル樹脂において、主鎖の炭素原子に酸性基が直接結合したものでもよく、(メタ)アクリル樹脂の主鎖の炭素原子に連結基を介して酸性基が結合したものでもよい。
単位cがカルボキシ基を有する場合、単位cのカルボキシ基は、(メタ)アクリル樹脂において、主鎖の炭素原子に直接結合したものであってよい。この場合、単位cの例としては、アクリル酸及び/またはメタクリル酸に由来する単位が挙げられる。
または、単位cのカルボキシ基は、(メタ)アクリル樹脂において、主鎖の炭素鎖に、連結基を介して結合してよい。このような単位cの例としては、例えば、主鎖の炭素鎖に、-COORcで表される基が結合した単位であって、Rcが-Rc1-COOHで表される基であり、Rc1が任意の2価以上の基である、末端にカルボキシ基を有する単位が挙げられる。単位cは、末端に酸性基を2個以上有してもよく、例えば、末端にカルボキシ基を2個以上有してもよい。
単位cとしては、例えば、後述するモノマーcに由来する単位を用いることができる。
単位cは、(メタ)アクリル樹脂中に、1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
芳香環を含む基としては、例えば、ベンジル基、フェニル基等を挙げることができ、好ましくはベンジル基である。
芳香環を含む基は、(メタ)アクリル樹脂中に1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
単位aの例としては、例えば、主鎖の炭素原子に、-COORaで表される官能基が結合している単位が挙げられる。Raは、芳香環を含む基である。
また、Raは、-Ra1-Ra2として表される基であって、Ra1が任意の2価以上の連結基であって、Ra2で表される末端に芳香環を有するものであってよい。単位aは、末端の芳香環を2個以上有してもよい。
単位aとしては、例えば、後述するモノマーaに由来する単位を用いることができる。
単位aは、(メタ)アクリル樹脂中に1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
β-ジカルボニル基の好ましい例としてアセトアセチル基、プロピオンアセチル基等のβ-ジケトン基、アセトアセトキシ基、プロピオンアセトキシ基等のβ-ケト酸エステル基が挙げられる。これらは(メタ)アクリル樹脂に1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
単位bの例としては、例えば、主鎖の炭素原子にカルボニル基が結合し、そのカルボニル基の炭素原子に直接または連結基を介してβ-ジカルボニル基が結合している単位が挙げられる。
単位bとしては、β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリレートに由来する単位、β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミドに由来する単位等が好ましい。β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に間接的に結合したβ-ジケトン基またはβ-ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい例として挙げられる。β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に間接的に結合したβ-ジケトン基またはβ-ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。単位bとしては、例えば、後述するモノマーbに由来する単位を用いることができる。
単位bは、(メタ)アクリル樹脂中に1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレート又はそれらの組合せを意味する。(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミド、メタクリルアミド又はそれらの組合せを意味する。以下、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドについて同じである。
炭素数1~8のアルキル基としては、炭素数1~4のアルキル基がより好ましい。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、2-エチルヘキシル基等を用いることができる。炭素数1~8のアルキル基は、(メタ)アクリル樹脂に1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
単位dの例としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂の主鎖の炭素原子に、-COORdで表される基が結合した単位であって、Rdが炭素数1~8(より好ましくは炭素数1~4)のアルキル基である単位が挙げられる。
単位dとしては、例えば、後述するモノマーdに由来する単位を用いることができる。
単位dは、(メタ)アクリル樹脂中に、1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
単位eは、例えば、アクリル単位又はメタクリル単位であってよい。
単位eの例としては、例えば、主鎖の炭素原子に、-COORaで表される官能基が結合している単位であって、Raは、ヒドロキシ基を有する基である単位が挙げられる。この場合、-COORaで表される官能基において、酸素原子に、炭素数1~8のアルキル基が結合し、このアルキル基の水素原子の1個以上がヒドロキシ基に置換されていることが好ましい。好ましい例として、Raは、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等を挙げることができる。
単位eとしては、例えば、後述するモノマーeに由来する単位を用いることができる。
単位eは、(メタ)アクリル樹脂中に、1種のみ含まれてもよく、複数種が含まれていてもよい。
(メタ)アクリル樹脂において、単位bは、重合体全体に対し、5~50質量%であることが好ましく、より好ましくは8~40質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。
(メタ)アクリル樹脂において、単位cは、重合体全体に対し、5~90質量%であることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂において、単位dは、重合体全体に対し、5~90質量%であることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂において、単位eは、重合体全体に対し、5~90質量%であることが好ましい。
ここで、重合体全体は、(メタ)アクリル樹脂を構成する全単位を基準とする。
反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。
重合反応に際し、反応速度を調整するために、重合開始剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に適宜添加することができる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート等の過酸化物等の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。
また、反応系に連鎖移動剤を併用することで、得られる(メタ)アクリル樹脂の分子量を調整することができる。連鎖移動剤としては、たとえば、n-ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン等のチオール類等を好ましく用いることができる。
溶液重合に用いる重合溶媒(反応溶媒)は、特に限定されないが、重合によって得られる樹脂を分散ないし溶解可能であるものが好ましい。
また、(メタ)アクリル樹脂の酸価は15~100mgKOH/gであることが好ましく、20~80mgKOH/gであることがより好ましい。
ここで、酸価は、不揮発分1g中の全酸性成分を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。
着色樹脂粒子が(メタ)アクリル樹脂を含む場合、(メタ)アクリル樹脂の量は、適宜調整できる。着色樹脂粒子の(メタ)アクリル樹脂の量は、インク全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。一方、着色樹脂粒子の(メタ)アクリル樹脂の量は、インク全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。着色樹脂粒子の(メタ)アクリル樹脂の量は、インク全量に対して、例えば、0.1~20質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましい。
また、着色樹脂粒子が(メタ)アクリル樹脂を含む場合、着色樹脂粒子中のウレタンウレア樹脂と(メタ)アクリル樹脂の合計量は、インク全量に対して、0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましく、1~15質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましい。
着色樹脂粒子が(メタ)アクリル樹脂を含む場合、(メタ)アクリル樹脂の量は、着色樹脂粒子固形分全量に対して、0.5~40質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましい。
エステル型水溶性非イオン性分散剤は、例えば、グリセリン、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造をもち、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびしょ糖脂肪酸エステルなどがある。
エーテル型水溶性非イオン性分散剤は、例えば、高級アルコール、アルキルフェノール、アリールフェノール、アリールアルキルフェノールなど水酸基をもつ原料に、主として酸化エチレンを付加させてつくることができ、例えば、ポリグリコールエーテル(例えば、アリールポリグリコールエーテル、アルキルポリグリコールエーテル)が挙げられる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールアルキルフェニルエーテルなどがある。
エステル・エーテル型水溶性非イオン性分散剤は、例えば、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコールと脂肪酸とからなるエステルに酸化エチレンを付加したものである。分子中にエステル結合とエーテル結合の両方を有している。例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエーテルエステルが挙げられる。
また、水溶性非イオン性分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸重合体、ポリシロキサン共重合体等を用いることもできる。
これらの水溶性非イオン性分散剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、水溶性非イオン性分散剤を用いるとき、着色樹脂粒子に含まれる樹脂が酸性基を有する場合、顔料凝集を防ぎやすく、貯蔵安定性がさらに良好なインクを作製することができる傾向がある。
顔料分散剤の量は、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1~5で配合することができ、好ましくは0.1~1である。また、顔料分散剤は、インク全量に対し、例えば、0.01~10質量%で配合することができ、好ましくは0.01~5質量%である。
水溶性非イオン性分散剤が含まれるとき、水溶性非イオン性分散剤は、顔料分散剤全量に対して、50~100質量%が好ましく、70~100質量%がより好ましい。
塩基性分散剤は、塩基性基を有する分散剤である。塩基性基としては、アミノ基、アミド基、イミノ基、ピロリドン基、モルホリノ基、ニトリル基等が挙げられる。例えば、アミノ基の例としては、非置換アミノ基、及び、モノ又はジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基等)等の置換アミノ基が挙げられ、例えば、アルキル基等の置換基が、さらに水酸基、アリール基等の置換基等で置換されていてもよい。アミド基の例としても同様に非置換アミド基、及びモノ又はジアルキルアミド基(例えば、ジメチルアミド基等)等の置換アミド基が挙げられ、例えば、アルキル基等の置換基が、さらに水酸基、アリール基等の置換基等で置換されていてもよい。塩基性分散剤は、塩基性基を1種のみ、または2種以上含んでよい。
酸性分散剤は酸性基を有し塩基性基を有さない分散剤である。酸性基としては、カルボキシ基(-COOH)、スルホ基等が挙げられる。酸性分散剤は、酸性基を1種のみ、または2種以上含んでよい。
塩基性分散剤は、酸性基をさらに有してもよく、有していなくてもよい。
塩基性基を有し、ポリエステル部を含む側鎖を複数有する塩基性分散剤(塩基性櫛形分散剤)の側鎖のポリエステル部としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸、または、ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸との混合物から誘導される構造、カルボニル-C3~C6-アルキレンオキシ基を単位とする重合体等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸との混合物から誘導される構造の例として、12-ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物から誘導されるカルボニル-C17-アルキレンオキシ基等が挙げられる。カルボニル-C3~C6-アルキレンオキシ基として、例えば、カルボニル-C5-アルキレンオキシ基等が挙げられ、例えば、カルボニル-C5-アルキレンオキシ基を単位とする重合体は、ε-カプロラクトンの開環重合によって得ることができる。
ポリエステル部の重合度はとくに限定されず、例えば、2~80程度であってよい。
塩基性櫛形分散剤が、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を含むとき、塩基性櫛形分散剤は、塩基性基を1個以上有すればよいが、2個以上有することが好ましい。また、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基の種類は、とくに限定されず、例えば、上述の塩基性基を用いることができるが、なかでもアミノ基、モルホリノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。
塩基性櫛形分散剤の例として、例えば、ポリアミン骨格を含む主鎖を有し、かつ、ポリエステル部を含む側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「塩基性櫛形分散剤a」という場合がある。)、及び、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を有し、ポリエステル部を含む側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「塩基性櫛形分散剤b」という場合がある。)等が挙げられる。
塩基性櫛形分散剤aにおいて、主鎖のポリアミン骨格としては、例えば、ポリアルキレンイミン骨格が挙げられる。ポリアルキレンイミン骨格のポリアルキレンイミンの例としては、例えばエチレンイミン、プロピレンイミン、ブチレンイミン、ジメチルエチレンイミン、ペンチレンイミン、ヘキシレンイミン、ヘプチレンイミン、オクチレンイミン等の炭素数2~8のアルキレンイミン、より好ましくは炭素数2~4のアルキレンイミンの1種または2種以上を常法により重合して得られるポリマー、ならびにそれらを種々の化合物と反応させて化学的に変性させたポリマー等が挙げられる。
塩基性櫛形分散剤aの例として、主鎖が、ポリアルキレンイミン等のポリアミン骨格を含み、グラフト鎖がポリエステル鎖を含むグラフトポリマーが挙げられる。主鎖である、ポリアミン骨格を含むポリマーの重量平均分子量はとくに限定されないが、60万以下であることが好ましい。
塩基性櫛形分散剤aの製造方法は特に限定されない。ポリアルキレンイミン骨格等のポリアミン骨格を含む主鎖とポリエステル部を含む側鎖とを含む塩基性櫛形分散剤は、例えば、ポリアルキレンイミン等のポリアミンと遊離のカルボキシ基を有するポリエステルとの反応を含む方法により得ることができる。
塩基性櫛形分散剤aは、ポリアミン骨格を有するが、これ以外の塩基性基をさらに有してもよく、例えば、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性を有してもよい。
塩基性基櫛形分散剤bは、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を1個以上有すればよいが、2個以上有することが好ましい。また、塩基性基の種類は、とくに限定されず、例えば、上述の塩基性基を用いることができるが、なかでもアミノ基、モルホリノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。塩基性櫛形分散剤bは、塩基性基を1種のみ又は2種以上が含んでよい。
塩基性櫛形分散剤bの例としては、例えば、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を有する単位(以下、「単位Xa」という場合がある。)とポリエステル部を含む側鎖を有する単位(以下、「単位Xb」という場合がある。)とを含む共重合体が挙げられる。
単位Xaは、例えば、アクリル単位又はメタクリル単位であってよい。
単位Xaの例としては、例えば、主鎖の炭素鎖にカルボニル基が結合し、このカルボニル基に、直接又は連結基を介して塩基性基が結合している単位が挙げられる。このような単位として、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基と塩基性基とを含むモノマーに由来する単位等が挙げられる。塩基性基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に直接または連結基を介して結合していることが好ましい。
アクリロイル基又はメタクリロイル基と塩基性基とを含むモノマーとしては、例えば、塩基性基を有する(メタ)アクリレート、塩基性基を有する(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。アクリロイル基又はメタクリロイル基と塩基性基とを含むモノマーの具体例として、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマーにおいて、エポキシ基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に直接または連結基を介して結合していることが好ましい。アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマーの例として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーに付加するアミン化合物としては、ヒドロキシ基を有するアミン化合物(例えばアルカノールアミン等)が好ましい。ヒドロキシ基を有するアミン化合物としては、例えば、ベンジルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられ、ジエタノールアミンが特に好ましい。
アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマーにアミン化合物を付加したモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートのジエタノールアミン付加物、グリシジル(メタ)アクリレートのベンジルエタノールアミン付加物等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーにアミン化合物を付加したモノマーに由来する単位は、例えば、エポキシ基を有するモノマーに由来する単位にアミン化合物を付加することで得ることもでき、そのようにして得られた単位であってもよい。
単位Xbの例として、例えば、主鎖の炭素鎖にカルボニル基が結合し、このカルボニル基に、直接又は連結基を介してポリエステル部が結合している単位が挙げられる。このような単位として、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とポリエステル部とを含むモノマーに由来する単位が挙げられる。ポリエステル部は、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に直接または連結基を介して結合していることが好ましい。
アクリロイル基又はメタクリロイル基とポリエステル部とを含むモノマーは、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマーと、ヒドロキシカルボン酸縮合物等とを反応させることで得ることができる。アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマーとしては、例えば、上述のアクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマーの例として挙げたものを用いることができる。ヒドロキシカルボン酸縮合物としては、例えば、12ヒドロキシステアリン酸6縮合物等を用いることができる。反応には、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド等の触媒、及び/又は、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩等の重合禁止剤等を用いてもよい。
炭素数1~8のアルキル基を有する単位(単位Xc)は、例えば、アクリル単位又はメタクリル単位であってよい。
単位Xcの例としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂の主鎖の炭素原子に、-COORdで表される基が結合した単位であって、Rdが炭素数1~8(より好ましくは炭素数1~4)のアルキル基である単位が挙げられる。
単位Xcとしては、例えば、後述するモノマーXcに由来する単位を用いることができる。
単位Xbは、重合体全体に対し、例えば10~95質量%が好ましく、20~90質量%がより好ましく、40~85質量%がさらに好ましい。
単位Xcが含まれるとき、単位Xcは、重合体全体に対し、例えば1~90質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましく、5~30質量%がさらに好ましい。
ここで、重合体全体は、塩基性櫛形分散剤bを構成する全単位を基準とする。
塩基性基を有するモノマー(モノマーXa)の例として、例えば、上述の、アクリロイル基又はメタクリロイル基と塩基性基とを含むモノマーが挙げられる。ポリエステル部を含む側鎖を有するモノマー(モノマーXb)の例として、例えば、上述の、アクリロイル基又はメタクリロイル基とポリエステル部とを含むモノマーが挙げられる。
モノマー混合物は、例えば、塩基性基を有するモノマー(モノマーXa)に加えて、または、それに代えて、上述のエポキシ基を有するモノマー(例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマー)を含んでもよく、モノマー混合物の重合後に、エポキシ基を有するモノマーに由来する構造に、アミン化合物を反応させて塩基性基を有する単位(単位Xa)を得てもよい。
モノマー混合物は、他のモノマーを含んでよく、他のモノマーとして、たとえば、炭素数1~8のアルキル基を有するモノマー(以下、「モノマーXc」という場合がある)が挙げられる。炭素数1~8のアルキル基を有するモノマー(モノマーXc)としては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基と炭素数1~8のアルキル基とを有するモノマーが好ましい。モノマーXcとしては、例えば、炭素数1~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。モノマーXcの具体例として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
モノマー混合物中の各モノマーの配合量は、例えば、上記の各単位の好ましい割合となるように、調整することができる。モノマー混合物は、公知のラジカル共重合により、重合させることができる。重合方法としては、例えば、上記の着色樹脂粒子に含まれてもよい(メタ)アクリル樹脂の合成方法として説明した方法等を用いることができる。
塩基性(メタ)アクリル系分散剤は、塩基性基を含み、β-ジカルボニル基及び/又はアルキル基をさらに有することがより好ましい。塩基性分散剤は、例えば、インクの低粘度化の観点から、塩基性基、β-ジカルボニル基、及びアルキル基を有する塩基性(メタ)アクリル系分散剤を含むことが好ましい。このような塩基性(メタ)アクリル系分散剤として、例えば、塩基性基を有する単位(以下、「単位Ya」という場合がある)、β-ジカルボニル基を有する単位(以下、「単位Yb」という場合がある)、及びアルキル基を有する単位(以下、「単位Yc」という場合がある)を含む塩基性(メタ)アクリル系分散剤が挙げられる。
塩基性(メタ)アクリル系分散剤としては、例えば、塩基性基を有するモノマー(以下、「モノマーYa」という場合がある)、β-ジカルボニル基を有するモノマー(以下、「モノマーYb」という場合がある)、及びアルキル基を有するモノマー(以下、「モノマーYc」という場合がある)を含むモノマー混合物の共重合体、または、そのような共重合体を用いて得られた共重合体が挙げられる。
また、遊離分散剤量が低減することにより、遊離の分散剤が記録媒体の極性基と相互作用することにより生じる着色樹脂粒子と記録媒体の極性基との相互作用の低下が抑制され、着色樹脂粒子が記録媒体表面に残りやすくなり、これにより画像濃度向上、及び裏抜け低減の向上にも寄与する傾向があると考えられる。
単位Ycの例としては、例えば、塩基性(メタ)アクリル系分散剤の主鎖の炭素原子に、-COOReで表される基が結合した単位であって、Reが、アルキル基(好ましくは炭素数8~22、より好ましくは炭素数12~22のアルキル基)である単位が挙げられる。
単位Ycとしては、例えば、後述するモノマーYcに由来する単位を用いることができる。
塩基性(メタ)アクリル系分散剤は、単位Ycを、1種のみ又は2種以上含んでよい。
単位Ybの例としては、例えば、主鎖の炭素原子にカルボニル基が結合し、そのカルボニル基の炭素原子に直接または連結基を介してβ-ジカルボニル基が結合している単位が挙げられる。
単位Ybとしては、β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリレートに由来する単位、β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミドに由来する単位等が好ましい。β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に間接的に結合したβ-ジケトン基またはβ-ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい例として挙げられる。β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基のカルボニル(CO)の炭素原子に間接的に結合したβ-ジケトン基またはβ-ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリルアミドが好ましい例として挙げられる。単位Ybとしては、例えば、後述するモノマーYbに由来する単位を用いることができる。
塩基性(メタ)アクリル系分散剤は、単位Ybを1種のみ又は2種以上含んでよい。
アルキル基を有する単位(単位Yc)は、重合体全体に対し40~90質量%であることが好ましく、50~90質量%がより好ましく、60~80質量%以上がさらに好ましい。
β-ジカルボニル基を有する単位(単位Yb)は、重合体全体に対し、5~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。
ここで、重合体全体は、塩基性(メタ)アクリル系分散剤を構成する全単位を基準とする。
モノマーYaの例として、例えば、上述の、モノマーXaの例として挙げたモノマー等が挙げられる。
モノマーYcは、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とアルキル基とを有するモノマーが好ましい。モノマーYcの例として、例えば、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、炭素数8~22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数12~22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。モノマーYcの具体例として、例えば、ベヘニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)クリレート等が挙げられる。
モノマーYbは、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とβ-ジカルボニル基とを有するモノマーが好ましい。モノマーYbとしては、β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリレート、β-ジカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミド等が好ましい例として挙げられる。モノマーYbの具体例として、例えば、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
モノマー混合物は、その他のモノマーを含んでよい。
モノマー混合物は、例えば、塩基性基を有するモノマー(モノマーYa)に加えて、または、それに代えて、上述のエポキシ基を有するモノマー(例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とエポキシ基とを有するモノマー)を含んでもよく、モノマー混合物の重合後に、エポキシ基を有するモノマーに由来する構造に、上述のエポキシ基を有するモノマーに付加することができるアミン化合物として説明したアミン化合物を反応させて塩基性基を有する単位(単位Ya)を得てもよい。
モノマー混合物中の各モノマーの配合量は、例えば、上記の各単位の好ましい割合となるように、調整することができる。モノマー混合物は、公知のラジカル共重合により、重合させることができる。重合方法としては、例えば、上記の着色樹脂粒子に含まれてもよい(メタ)アクリル樹脂の合成方法として説明した方法等を用いることができる。
酸性分散剤の市販品の例としては、例えば、日本ルーブリゾール株式会社製ソルスパース21000等が挙げられる。
例えば、画像濃度及び貯蔵安定性の観点から、塩基性櫛形分散剤と塩基性(メタ)アクリル系分散剤を併用することも好ましい。
イオン性分散剤の量は、適宜調整できる。イオン性分散剤の量は、インク全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。一方、イオン性分散剤の量は、インク全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。イオン性分散剤の量は、インク全量に対して、例えば、0.1~10質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、2~5質量%がさらに好ましい。
塩基性分散剤が含まれるとき、塩基性分散剤は、イオン性分散剤全量に対して、50~100質量%であることが好ましく、70~100質量%であることがより好ましい。塩基性分散剤の量は、インク全量に対して、例えば、0.1~10質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、2~5質量%がさらに好ましい。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN-10、カクタスノルマルパラフィンN-11、カクタスノルマルパラフィンN-12、カクタスノルマルパラフィンN-13、カクタスノルマルパラフィンN-14、カクタスノルマルパラフィンN-15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN-16、テクリーンN-20、テクリーンN-22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP-40、モレスコホワイトP-60、モレスコホワイトP-70、モレスコホワイトP-80、モレスコホワイトP-100、モレスコホワイトP-120、モレスコホワイトP-150、モレスコホワイトP-200、モレスコホワイトP-260、モレスコホワイトP-350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2-オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16~30の脂肪酸エステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12~20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14~20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
沸点又は蒸留初留点の高い溶剤を用いるとき、インクジェットヘットのノズルでのインクの乾燥を防止しやすい傾向があるが、溶剤による透き通しによる印刷物の裏抜けが生じたり、インク粘度の上昇を招くことがある。ノズルでのインクの乾燥性、印刷物の裏抜け、インク粘度のバランスを勘案し、溶剤を選定すること、又は、複数の溶剤を併用して用いることが好ましい。
着色樹脂粒子の平均粒子径は、動的散乱方式による体積基準の平均粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB-500」等を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子を含む油性インクジェットインクの製造方法は、一般に、化学的手法を用いた方法、物理化学的手法を用いた方法に大別される。例えば、化学的手法としては、界面重縮合法、界面反応法(in situ重合法)、液中硬化皮膜法(オリフィス法)などが挙げられる。物理化学的手法としては、液中乾燥法(水中乾燥法、油中乾燥法)、コアセルベーション法、融解分散冷却法などが挙げられる。
上述の油性インクジェットインクの製造には、液中乾燥法を好ましく用いることができ、油中水(W/O)型エマルションの油中乾燥法を特に好ましく用いることができる。
この方法では、イオン性分散剤は、親油性乳化剤として作用しうると考えられる。
油中水型エマルションの油中乾燥法を用いたこの方法は、揮発性の有機溶剤を使用する必要がなく、安全性に優れている。
また、油中水型エマルションの油中乾燥法を用いたこの方法により、粘度が低いインクを製造することが可能である。これは、この方法により、平均粒子径が小さく、かつ、粒子径分布が狭い着色樹脂粒子を含むインクを製造することが可能であるためと考えられる。
水としては、水道水、イオン交換水、脱イオン水等を使用することができる。
水分散性ウレタン樹脂の量は、分散相全量に対して、0.1~40質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましい。水分散性ウレタンウレア樹脂の量は、油中水型エマルション全量に対して、0.1~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
水の量は、分散相全量に対して、40~90質量%が好ましく、50~80質量%がより好ましい。水の量は、油中水型エマルション全量に対して、1~50質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましく、10~40質量%がさらに好ましい。
非水系溶剤の量は、連続相全量に対して、70~99質量%が好ましく、80~99質量%がより好ましい。非水系溶剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、30~80質量%が好ましく、40~70質量%がより好ましい。
連続相と分散相は、あらかじめ別々に調製することが好ましい。次いで、連続相に分散相を添加し、乳化処理することが好ましい。乳化処理は、例えば、連続相に分散相を添加しながら、超音波ホモジナイザー等を用いて行ってもよく、また、例えば、連続相に分散相を添加後に行ってもよい。
工程1において、油中水型エマルションは、水を除去する前の状態の質量比として、油中水型エマルション全体に対して、分散相20~50質量%及び連続相80~50質量%であることが好ましい。
水を除去する方法としては、例えば、減圧及び/又は加熱、又は、液体に気体を吹き込みバブリングすることで、蒸発を促進する方法、及びそれらを組み合わせて用いることができる。減圧及び/または加熱の条件としては、水が除去されるが、連続相の非水系溶剤は残るような条件を採用することができる。減圧には、例えばエバポレーターを用いることができる。加熱温度としては、30℃以上が好ましく、40~100℃がより好ましく、60℃~90℃がさらに好ましい。
工程2では、分散相の水は除去前の量に対して80質量%以上除去されることが好ましく、90質量%以上除去されることが好ましく、95質量%以上除去されることがさらに好ましく、99質量%以上除去されることがさらに好ましい。
以下の実施例及び比較例を通して、特に説明のない限り、共通する成分は同一のものである。特に説明のない限り、「%」は「質量%」を示す。
実施例及び比較例のインクの材料を下記に示す。
フタロシアニンブルー:リオノールBGFJ(東洋インキ株式会社製)(粉体)
自己分散顔料:ボンジェットブラックCW-1(オリヱント化学工業株式会社製)(自己分散カーボンブラック、水分散体、固形分20%)
酸性ウレタンウレア2:スーパーフレックス740(第一工業製薬株式会社製)(酸性基を有するウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分40%
酸性ウレタンウレア3:WS4022(三井化学株式会社製)(酸性基を有するウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分30%)
酸性ウレタンウレア4:スーパーフレックス150H(第一工業製薬株式会社製)(酸性基を有するウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分38%)
酸性ウレタンウレア5:TW1262(ダイセル・オルネクス株式会社製)(酸性基を有するウレタンウレアとアクリルのハイブリット樹脂の水分散体、有効成分35%)
塩基性ウレタンウレア1:スーパーフレックス620(第一工業製薬株式会社製)(塩基性基を有するウレタンウレア樹脂の水分散体、有効成分30%)
非イオン性ウレタンウレア1:スーパーフレックス500M(第一工業製薬株式会社製)(ウレタンウレア樹脂の水分散体、非イオンタイプ、有効成分45%)
ウレタン樹脂c2:下記記載の方法で合成(ウレタン樹脂の溶液、有効成分50%、溶媒はメチルエチルケトン)
塩基性分散剤2:ソルスパース16000(日本ルーブリゾール株式会社製)(有効成分100%)
塩基性櫛形分散剤1: HYPERMER KD11(CRODA製)(塩基性櫛形分散剤aの溶液、有効成分40%、溶媒は高沸点パラフィン油)
塩基性櫛形分散剤2:ソルスパース13940(塩基性櫛形分散剤aの溶液、日本ルーブリゾール株式会社製)(有効成分40%、溶媒は石油系溶剤)
塩基性櫛形分散剤3:下記記載の方法で合成(塩基性櫛形分散剤bの溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
塩基性櫛形分散剤4:下記記載の方法で合成(塩基性櫛形分散剤bの溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
塩基性櫛形分散剤5:下記記載の方法で合成(塩基性櫛形分散剤bの溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
塩基性櫛形分散剤6:下記記載の方法で合成(塩基性櫛形分散剤bの溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
塩基性櫛形分散剤7:下記記載の方法で合成(塩基性櫛形分散剤bの溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
(メタ)アクリル系分散剤2:下記記載の方法で合成(塩基性(メタ)アクリル系分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
(メタ)アクリル系分散剤3:下記記載の方法で合成(塩基性(メタ)アクリル系分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
(メタ)アクリル系分散剤4:下記記載の方法で合成(塩基性(メタ)アクリル系分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
(メタ)アクリル系分散剤5:下記記載の方法で合成((メタ)アクリル系分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
(メタ)アクリル系分散剤6:下記記載の方法で合成(塩基性(メタ)アクリル系分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒はエステル系溶剤)
酸性分散剤1:ソルスパース21000(日本ルーブリゾール株式会社製)(有効成分100%)
脂肪酸エステル系溶剤1:ミリスチン酸イソプロピル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
石油系炭化水素溶剤1:エクソールD110(エクソンモービル社製)
石油系炭化水素溶剤2:エクソールD130(エクソンモービル社製)
表1に示す割合で各モノマー(ベンジルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メチルメタクリレート、及びメタクリル酸)を混合し、モノマー混合物を得た。
四つ口フラスコに、メチルエチルケトンとエタノールの混合溶媒を仕込み、窒素ガスを通気し撹拌しながら、60℃まで昇温した。60℃に液温が安定してからV65を添加し、続いて、上記で得られたモノマー混合物を、この混合溶媒中に3時間かけて滴下した。モノマー混合物の滴下が終了してから、2時間後、4時間後にV70を分割して添加した。
その後2時間60℃に液温を保った後、冷却して固形分35%の(メタ)アクリル樹脂1の溶液を得た。得られた樹脂の酸価をJIS K 2501に従って測定した。結果を表1に示す。
上記で得られた固形分35%の樹脂溶液54.86質量部、メチルエチルケトン26.05部、エタノール26.05部、水酸化ナトリウム水溶液(10%)8質量部及び精製水72.8質量部を混合し、マグネティックスターラーで撹拌した状態で、氷冷下、超音波ホモジナイザー「Ultorasonic prosessor VC-750」(ソニック社製)を10分間照射して分散した。分散後、エバポレーターで減圧しながら、分散体の低沸点溶剤(エタノール及びメチルエチルケトン)の脱溶剤を行い、(メタ)アクリル樹脂の水分散体(有効成分20%)を得た。
ベンジルメタクリレート:富士フイルム和光純薬株式会社製
アセトアセトキシエチルメタクリレート:日本合成化学工業株式会社製
メタクリル酸ヒドロキシエチル:ユニケミカル株式会社製
メチルメタクリレート:富士フイルム和光純薬株式会社製
メタクリル酸:富士フイルム和光純薬株式会社製
メチルエチルケトン:富士フイルム和光純薬株式会社製
エタノール:富士フイルム和光純薬株式会社製
V-65:アゾビス,2-4-ジメチルイソバレロニトリル(重合開始剤)、富士フイルム和光純薬株式会社製
V-70:2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)、富士フイルム和光純薬株式会社製
表2に、ジオールa及びbの処方を示す。表2に示す割合でジエタノールアミンを仕込み、110℃まで昇温した。これに、表に示すモノマーをそれぞれの配合量で滴下し、マイケル付加反応を完結させ、ジオールを得た。
重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)を表中に示す。
ジエタノールアミン:株式会社日本触媒製
ジエチルアクリルアミド:KJケミカルズ株式会社製
メトキシポリエチレングリコール(PEG9)アクリレート:日油株式会社製
ヘキサメチレンジイソシアネート:富士フイルム和光純薬株式会社製
プロピレングリコール:富士フイルム和光純薬株式会社製
ジブチル錫ラウレート:東京ファインケミカル株式会社製
表4に示す化合物を表4に示す割合で混合し、120℃で14時間撹拌することで、塩基性櫛形分散剤3~7の、ポリエステル部を含む側鎖を有する単位となるモノマー(化合物1)を得た。
PHF-33:12ヒドロキシステアリン酸6縮合物、伊藤製油株式会社製
ブレンマーG:グリシジルメタクリレート、日油株式会社製
テトラブチルアンモニウムブロミド:富士フイルム和光純薬株式会社製
Q1301:N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(重合禁止剤)、富士フイルム和光純薬株式会社製
RAFT723037:2-シアノ-2-プロピルドデシルトリチオカルボナート、富士フイルム和光純薬株式会社製
ジメチルアミノエチルメタクリレート:共栄社化学株式会社製
グリシジルメタクリレート:共栄社化学株式会社製
アクリロイルモルホリン:KJケミカルズ株式会社製
ジメチルアクリルアミド:KJケミカルズ株式会社製
アゾビスイソブチロニトリル:富士フイルム和光純薬株式会社製
表6に (メタ)アクリル系分散剤1~5のモノマー組成を示す。表6に示すモノマーを表6に示す割合で混合し、モノマー混合物を調製した。それとは別に脂肪酸エステル系溶剤1を仕込み、窒素ガスを通気し撹拌しながら、110℃まで昇温した。次いで、温度を100℃に保ちながらパーブチルO(t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート:日油株式会社製を添加し、モノマー混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間後及び2時間後にパーブチルOを添加した。さらに110℃で1時間液温を保った。さらに、(メタ)アクリル系分散剤3の合成ではベンジルエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)を、(メタ)アクリル系分散剤4の合成では ジエタノールアミン(富士フイルム和光純薬株式会社製)を、グリシジルメタクリレートに対して1当量加えて、110℃で3時間撹拌した。(メタ)アクリル系分散剤1~5それぞれの固形分40%の溶液を得た。なお、(メタ)アクリル系分散剤1~5のそれぞれの合成において、固形分40%になるように脂肪酸エステル系溶剤1の量を調整した。
ベヘニルメタクリレート:日油株式会社製
ラウリルメタクリレート:花王株式会社製
ジメチルアミノエチルメタクリレート:富士フイルム和光純薬株式会社製
実施例1~29及び比較例4のインクを下記のように製造した。
表7~12に示す配合量で、非水系溶剤及び分散剤を混合し連続相を調整した。次に、表7~12に示す配合量で、色材、顔料分散剤及び水を混合し、ビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、ダイノーミル Multi LAB)にて分散し、得られた分散液組成物に、表7~12に示す樹脂エマルションを表7~12に示す配合量で添加した後、マグネティックスターラーで撹拌した。なお、表7~12に記載されるように、実施例1~28では、塩基性分散剤を使用し、実施例29では、酸性分散剤を使用し、比較例4では、塩基性分散剤又は酸性分散剤ではなく (メタ)アクリル系分散剤5を使用した。
連続相をマグネティックスターラーで攪拌した状態で、この連続相に、上記のように予め混合しておいた分散相を滴下しながら、氷冷下、超音波ホモジナイザー「Ultrasonic processor VC―750」(ソニックス社製)を10分間照射し、油中水(W/O)型エマルションを得た。
得られたエマルションを、エバポレーターで減圧しながら、分散相中の水と樹脂エマルションに含まれていた揮発分を除去して、着色樹脂粒子分散体を得た。揮発分の除去率は、ほぼ100質量%であった。この着色粒子分散体をそのままインクとして用いた。
実施例1~29及び比較例4のインクの揮発分除去(脱溶媒)後の組成を表13~18に示す。
表12のインク処方にしたがって、各成分を混合し、ビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、ダイノーミル Multi LAB)により、分散した。分散後、エバポレーターを用いて、分散体の低沸点溶剤(メチルエチルケトン)の脱溶剤を行った。このようにして、ウレタン樹脂によって顔料をカプセル化し、カプセル化顔料を含むインクを得た。比較例1で用いたウレタン樹脂c1の樹脂は、比較例1の非水系溶剤に溶解したが、比較例2及び3で用いたウレタン樹脂c2の樹脂は、比較例2及び3の非水系溶剤に溶解しなかった。
比較例1~3のインクの脱溶媒後の組成を表18に示す。
以下の評価方法に従って評価を行った。結果を表13~18に示す。
インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)を用いて、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)にベタ画像を100枚印刷して、100枚の印刷物を得た。得られた100枚目の印刷物を目視で観察し、以下の基準で評価した。
AA:画像周辺の汚染がほとんど見られない。
A:画像周辺の汚染がわずかに見られる。
B:画像周辺の汚染が見られる。
C:画像周辺の汚染が顕著である。
インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)を用いて、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)にベタ画像を印刷した。印刷から24時間経過後に、分光濃度・測色計(eXact、X-rite社製)を用いて、印刷物表面のOD値(表OD値)、及び印刷物裏面のOD値(裏OD値)を測定した。表OD値から画像濃度を以下の基準で評価した。裏OD値から画像裏抜けを以下の基準で評価した。
(画像濃度 評価基準)
AAA:表OD値が1.25以上
AA:表OD値が1.20以上1.25未満
A:表OD値が1.10以上1.20未満
B:表OD値が1.00以上1.10未満
C:表OD値が1.00未満
(画像裏抜け 評価基準)
AAA:裏OD値が0.20未満
AA:裏OD値が0.20以上0.25未満
A:裏OD値が0.25以上0.35未満
B:裏OD値が0.35以上0.45未満
C:裏OD値が0.45以上
上記画像濃度及び画像裏抜けの評価方法と同様にして印刷物を作製した。印刷から24時間後に、印刷物表面のベタ画像部を、クロックメーター(アトラスエレクトリック デバイス社製CM-1)を用い白綿布で5秒間に5回擦って、画像周辺の汚染を以下の基準で評価した。
(評価基準)
AA:画像周辺の汚染がほとんど見られない。
A:画像周辺の汚染がわずかに見られる。
B:画像周辺の汚染が見られる。
C:画像周辺の汚染が顕著である。
まず、インク作製直後のインクの粘度を測定した。
次に、インクを密閉容器に入れて、70℃で4週間放置した。その後、インクをサンプリングし、インク粘度を測定した。
インク粘度は23℃における粘度であり、レオメーターAR-G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、コーン角度2°、直径40mmで測定した。
作製直後のインク粘度及び4週間放置前後のインク粘度から、次式により粘度変化率を求め、以下の基準で貯蔵安定性を評価した。
粘度変化率(%)=[(4週間放置後のインク粘度×100)/(作製直後の粘度)]-100(%)
(評価基準)
AAA:粘度変化率が±1.5%未満
AA:粘度変化率が±1.5%以上±3%未満
A:粘度変化率が±3%以上±6%未満
B:粘度変化率が±6%以上±10%未満
C:粘度変化率が±10%以上
インクの粘度を下記の基準で評価した。インクの粘度は、23℃における粘度であり、レオメーターAR-G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、コーン角度2°、直径40mmで測定した。
(評価基準)
AAA:インク粘度が11.5mPa・s未満
AA:インク粘度が11.5mPa・s以上12mPa・s未満
A:インク粘度が12mPa・s以上13mPa・s未満
B:インク粘度が13mPa・s以上15mPa・s未満
C:インク粘度が15mPa・s以上
また、各実施例のインクでは、耐擦過性の評価においても、比較例のインクのいずれに対しても、優れた結果が示された。
Claims (8)
- 着色樹脂粒子、イオン性分散剤、及び、非水系溶剤を含み、
前記着色樹脂粒子は、色材、及び、ウレタンウレア樹脂を含む、
油性インクジェットインク。 - 前記ウレタンウレア樹脂は、酸性基を有するウレタンウレア樹脂を含む、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
- 前記イオン性分散剤は、塩基性分散剤を含む、請求項1又は2に記載の油性インクジェットインク。
- 前記塩基性分散剤は、塩基性基を有し、ポリエステル部を含む側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤を含む、請求項3に記載の油性インクジェットインク。
- 前記塩基性分散剤は、ポリアミン骨格を含む主鎖を有するポリマーである塩基性分散剤を含む、請求項4に記載の油性インクジェットインク。
- 前記塩基性分散剤は、塩基性基、β-ジカルボニル基、及びアルキル基を有する塩基性(メタ)アクリル樹脂である塩基性分散剤を含む、請求項3~5のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
- 前記着色樹脂粒子は、水溶性非イオン性分散剤をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
- 前記着色樹脂粒子は、酸性基を有する(メタ)アクリル樹脂をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
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