JP2018009104A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018009104A
JP2018009104A JP2016139354A JP2016139354A JP2018009104A JP 2018009104 A JP2018009104 A JP 2018009104A JP 2016139354 A JP2016139354 A JP 2016139354A JP 2016139354 A JP2016139354 A JP 2016139354A JP 2018009104 A JP2018009104 A JP 2018009104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
printing ink
polyurethane resin
printing
diisocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016139354A
Other languages
English (en)
Inventor
徹 大宅
Toru Oya
徹 大宅
徹哉 夏本
Tetsuya Natsumoto
徹哉 夏本
嘉孝 戸根
Yoshitaka Tone
嘉孝 戸根
宏幸 林
Hiroyuki Hayashi
宏幸 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2016139354A priority Critical patent/JP2018009104A/ja
Publication of JP2018009104A publication Critical patent/JP2018009104A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】印刷インキ組成物中の塩素を低減し、芳香族系及びケトン系の溶剤をも含まない印刷インキ組成物であって、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性及び耐ブロッキング性を有する印刷インキ組成物の提供。
【解決手段】ステロール化合物とポリウレタン樹脂とを含有する印刷インキ組成物であり、好ましくは、ポリウレタン樹脂100重量部に対して、ステロール化合物を3〜20重量部含有する印刷インキ組成物。ポリウレタン樹脂のアミン価が1.5〜13.0mgKOH/gである印刷インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は印刷インキ組成物に関し、更に詳細には塩素を排除・低減し、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対し優れた接着性を有する印刷インキ組成物に関する。
食品や日用品などの軟包装材料には、一般に印刷インキを印刷した印刷物にラミネート工程を施したプラスチックフィルム積層体が使用されており、印刷インキに使用するバインダー樹脂としては、樹脂設計における材料選定の自由度の高さや、印刷適性および弾性率制御の観点からポリウレタン樹脂が広く用いられている。
従来、ポリウレタン樹脂はポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等に対して良好な接着性を示すものの、ポリエチレンフィルムもしくはポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対しての接着性は十分とは言えなかった。このためポリオレフィンフィルムへの接着性を補う目的で、塩素化ポリオレフィン樹脂を併用する方法が好適に用いられていた(例えば特許文献1)。
しかし近年、環境問題への配慮から、焼却廃棄時に有害物質であるダイオキシンの発生の恐れがある塩素を低減した印刷インキが望まれており、例えば特許文献2〜5では、非塩素系のポリオレフィン樹脂の利用やポリウレタン樹脂骨格の工夫により、ポリオレフィンフィルムへの接着性を向上させた印刷インキが開示されている。しかしながら、これらのインキはトルエン等の芳香族系溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤の使用が必要であった。
一方で、作業工程の効率化が進み、インキを印刷してから印刷物をラミネートするまでの時間が以前より短縮化されており、印刷直後からの高い接着性がより求められていた。
特開平10−251594号公報 特開2006−306979号公報 特開2004−002607号公報 特開2009−242646号公報 特開2000−26782号公報
本発明は、印刷インキ組成物中の塩素を低減し、芳香族系およびケトン系の溶剤をも含まない印刷インキ組成物であって、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性および耐ブロッキング性を有する印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ステロール化合物とポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする印刷インキ組成物に関する。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して、前記ステロール化合物を3〜20重量部含有することを特徴とする前記印刷インキ組成物。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂のアミン価が1.5〜13.0mgKOH/gであることを特徴とする前記印刷インキ組成物。
また、本発明は、プラスチックフィルムである第一の基材と、前記印刷インキ組成物から形成された印刷層とを具備する印刷物に関する。
また、本発明は、前記印刷物と、接着剤層と、第二の基材とを具備するラミネート積層体に関する。
本発明によって、印刷インキ組成物中に塩素を含まず、芳香族系およびケトン系の溶剤をも含まない印刷インキ組成物であって、各種プラスチックフィルム、特にはポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性を有する印刷インキ組成物の提供が可能となった。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に特定されない。
本発明の印刷インキ組成物は、ステロール化合物と、ポリウレタン樹脂とを含有する。一つの水酸基を有するステロール化合物とポリウレタン樹脂とを併用することで、ポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から良好な接着性が得られる。
本発明において、ステロール化合物とポリウレタン樹脂との比率は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して、ステロール化合物が3〜20重量部であることが好ましく、5〜15重量部であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂100重量部に対して、ステロール化合物が3重量%以上であると、ポリオレフィンフィルムに対して印刷直後から十分な接着性が得られる。20重量部以下であると、塗膜外観が良好である。なお、上記数値範囲は固形分の値である。
本発明に使用する、ステロール化合物としては、シクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核を有する化合物、前記核の脂肪環に二重結合を有する化合物、およびこれらに置換基を有する化合物であり、その分子内に水酸基を一つ有するものであれば特に限定されないが、
例えば、コレステロール、カンペエステロール、β−シトステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、コプロスタノール、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロール等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合物としては、カンペエステロール、β−シトステロール、スティグマステロール、ブラシカステロールの混合物であるフィトステロール等が挙げられる。好ましくは、コレステロール、フィトステロールである。
ステロール化合物は塩素を含有しないため、塩素化ポリオレフィン樹脂を使用する場合に比べ、印刷インキ中の塩素濃度を大幅に低減することができる。
前記ステロール化合物の分子量は、250〜800であることが好ましく、300〜500であることがより好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂としては、以下の例に限定されないが、好ましくは、ポリオールとジイソシアネート化合物とを反応させてなる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなるポリウレタン樹脂である。これ以下、ポリオールとジイソシアネート化合物との反応をプレポリマー反応、ウレタンプレポリマーと有機ジアミンとの反応を鎖延長反応と呼ぶ。
本発明において、プレポリマー反応でのジイソシアネート化合物のイソシアナト基と、ポリオールの水酸基とのモル比[NCO]/[OH]は、接着性と耐ブロッキング性の観点から好ましくは1.5〜2.5である。[NCO]/[OH]が1.5以上であると、良好な耐ブロッキング性が得られる。[NCO]/[OH]が2.5以下であるとポリオレフィンフィルムへの直後の接着性が十分に得られる。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、基材への密着性を確保するために末端および/または主鎖中にアミノ基を有することが好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂のアミン価は、好ましくは1.5〜13.0mgKOH/gであり、さらに好ましくは3.0〜8.0mgKOH/gである。アミン価が1.5以上であると、ポリオレフィンフィルムへの直後の接着性が十分に得られる。アミン価が13.0mgKOH/gであると、良好な耐ブロッキング性が得られる。
本発明におけるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は10、000〜100、000であることが好ましい。さらに好ましくは15、000〜65、000である。重量平均分子量が15、000以上であると良好な耐ブロッキング性が得られる。重量平均分子量が100、000以下であるとインキ流動性や溶解性が良好である。
ポリオールとしては各種公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができ、それぞれ1種または2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物を脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類、環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール類の他、ひまし油脂肪酸重合物などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、これらの共重合ポリエーテルジオール等を挙げることができる。
なかでもポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールを併用することが好ましく、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの比率としては、好ましくはポリエステルポリオール:ポリエーテルポリオールが8:2〜3:7である。ポリエステルポリオールの比率が3:7以上であると顔料分散性が良好である。ポリエステルポリオールの比率が8:2以下であると樹脂の溶解性が良好である。
ジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアナト基に転化したダイマージイソシアネート等が代表例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なかでもイソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの使用が好ましい。
有機ジアミンとしては、以下の例には限定されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミンなどの他、
N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン等の分子内に水酸基を有するアミン類、
メチルイミノビスプロピルアミン、ラウリルイミノビスプロピルアミン等の分子内に3級アミノ基を有するアミン類も用いることができる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明におけるポリウレタン樹脂の合成法は、まずプレポリマー反応としてポリオールとジイソシアネート化合物を、無溶剤下もしくは必要に応じイソシアナト基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であれば触媒を用いて10〜110℃の温度で反応させ、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、鎖延長反応としてウレタンプレポリマーと有機ジアミンとを10〜80℃で反応させる。プレポリマー反応および鎖延長反応の終点は、滴定によるイソシア価およびアミン価測定等により判断される。
本発明のポリウレタン樹脂に使用される溶剤としては、以下の例に限定されないが、エステル系溶剤やアルコール系溶剤等を用いることができる。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール等の炭素原子数1〜7の脂肪族アルコール類の他、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類等が挙げられる。これらの溶剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
鎖延長反応には、反応停止剤を使用してもよい。反応停止剤としては、以下の例には限定されないが、例えばジ−n−ブチルアミンなどのジアルキルアミン類などの他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、等の水酸基を有するアミン類も用いることができる。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
本発明における印刷インキ組成物には、着色剤として無機系着色剤および有機系着色剤を使用できる。白色着色剤には、無機系着色剤である酸化チタンを使用するが、顔料表面が塩基性であるものがより好ましい。無機系着色剤として白色着色剤以外には、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。一方、有機系着色剤としては、一般のインキ、塗料および記録剤などに使用されている有機顔料や染料を挙げることができる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などが挙げられる。
着色剤は、印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明における印刷インキ組成物は、樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を本発明のポリウレタン樹脂組成物と、必要に応じて他の添加剤等とを、有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に本発明のポリウレタン樹脂組成物、有機溶剤、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、本発明におけるポリウレタン樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜2重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
本発明の印刷インキ組成物に使用される溶剤は、以下の例に限定されないが、エステル系溶剤やアルコール系溶剤等を用いることができる。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール等の炭素原子数1〜7の脂肪族アルコール類の他、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類等が挙げられる。これらの溶剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。さらにその他の有機溶剤として、例えばメチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤も含んでもよい。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキの粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
本発明における印刷インキ組成物は、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。好ましくは、グラビア印刷である。グラビア印刷では、印刷に適した粘度および濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
本発明の印刷インキ組成物を用いて、プラスチックフィルムである第一の基材と、印刷インキ組成物から形成された印刷層とを具備する印刷物を得ることができる。第一の基材としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートもしくはポリ乳酸等のポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂もしくはABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン等が挙げられる。これらは、紙もしくはアルミニウムシート、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状であってもよい。また、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどコート処理が施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
第一の基材に、上記の印刷方式を用いてインキ組成物を塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで、印刷物を得ることができる。
本発明の印刷インキ組成物を印刷した印刷物を用いて、ラミネート積層体を得ることができる。ラミネート加工法としては、1)得られた印刷物の印刷面に、必要に応じてアンカーコート剤を塗布後、溶融樹脂を積層する押し出しラミネート法、2)接着剤を塗布後、必要に応じて乾燥させ第二の基材を積層するドライラミネート法等が挙げられる。溶融樹脂としては低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用でき、接着剤としてはイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタネート系等が挙げられる。第二の基材としては、第一の基材と同じものが例示できるが、プラスチックフィルムに限定されない。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
なお、実施例中の「樹脂固形分濃度」、「アミン価」、および「重量平均分子量」の測定方法は次の通りである。
樹脂固形分濃度:JISK5601−1−2に準拠し、加熱温度150℃、加熱時間20分で測定した時の加熱残分を樹脂固形分濃度(%)とした。
アミン価:ポリウレタンウレア樹脂溶液約3gをフラスコに計り取り、メタノール50mlを加え溶解し、0.1mol/lの塩酸標準溶液を用い電位差滴定法によって滴定し、得られた中和点から下記式により算出した。
アミン価=a×f×5.61/(s×w)
a:0.1mol/l塩酸溶液の使用量(ml)
f:0.1mol/l塩酸溶液の力価
s:ポリウレタンウレア樹脂溶液(g)
w:樹脂固形分濃度(%)
重量平均分子量:前処理としてポリウレタンウレア樹脂の両末端のアミノ基をすべてα,α−ジメチル−3−イソプロペニルベンジルイソシアナートと反応させた後、カラムとしてTSKgelSuperHM−M、SuperHM−L(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HPC−8020)で展開溶媒にTHFを用いた時のポリスチレン換算分子量を用いた。
(合成例1)<ポリウレタン樹脂(PU−01)の調整>
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、PPA2000(ポリ(1,2−プロピレンアジペート)ジオール、数平均分子量2000、水酸基価56.1mgKOH/g)160.41部、PPG2000(ポリ(1,2−プロピレングリコール)、数平均分子量2000、水酸基価56.1mgKOH/g)68.75部、イソホロンジイソシアネート50.93部、2−エチルヘキサン酸スズ(II)0.03部、酢酸エチル82.5部を仕込み、窒素気流下に90℃で3時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶液を得た。次いでイソホロンジアミン18.53部、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン1.07部、ジ−n−ブチルアミン0.3部、酢酸エチル327.50部、イソプロピルアルコール289.97部からなる混合溶液に、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶液を室温で1時間かけて添加した。得られたポリウレタン樹脂(PU−01)の溶液は、樹脂固形分濃度30重量%であり、ポリウレタン樹脂(PU−01)のアミン価は6.0mgKOH/g、重量平均分子量40,000であった。
(合成例2)<ポリウレタン樹脂(PU−02)の調整>
PPA2000を、NPG2000(ポリ(ネオペンチルアジペート)ジオール、数平均分子量2000、水酸基価56.1mgKOH/g)に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行った。得られたポリウレタン樹脂(PU02)の溶液は、樹脂固形分濃度30重量%であり、ポリウレタン樹脂(PU−02)のアミン価は6.0mgKOH/g、重量平均分子量40,000であった。
(製造例1)<インキ組成物(D01)の調整>
酸化チタン(TITONER45M堺化学製)30.0部、ポリウレタン樹脂(PU−01)の溶液10.0部、酢酸エチル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比70/30)10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂(PU−01)の溶液40.0部、酢酸エチル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比70/30)10.0部を攪拌混合し、インキ組成物(D01)を得た。
(製造例2)<インキ組成物(D02)の調整>
ポリウレタン樹脂(PU−01)の溶液を、すべてポリウレタン樹脂(PU−02)の溶液に変更した以外は製造例1と同様の操作を行いインキ組成物(D02)を得た。
(実施例1)
製造例1で得られたインキ組成物(D01)100重量部に、フィトステロール0.45部(固形分換算で、ポリウレタン樹脂に対してステロール化合物の比率が3%)を、重量比で酢酸エチル/イソプロピルアルコール=70/30の希釈溶剤を40.0部混合し、評価用の印刷インキ(W01)を得た。
(実施例2〜9)(比較例1〜2)
実施例1と同様の操作で、インキ組成物、ステロール化合物、希釈溶剤を表1の配合比率で配合し、印刷インキ(W02〜11)を得た。
表1に記載のステロール化合物を下記に示す。
S−1:フィトステロール(分子量:399〜414)
S−2:コレステロール(分子量:387)
<印刷物の作成>
印刷インキを、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機によるコロナ処理OPPフィルム(太閤FORフタムラ#20)に印刷して40〜50℃で乾燥し印刷物を得た。
<印刷物の評価>
得られた印刷物について次のような評価を行った。結果を表1に示す。
(1)接着性
印刷直後の印刷物および印刷1日後の印刷物にセロハンテープ(ニチバン製、幅12mm)を貼り付け親指で5回強く擦った後、セロハンテープを徐々に引き離し、途中から急激に引き離してインキ皮膜の剥離の程度を観察し、以下の基準で判定した。○△以上が実用レベルである。
○:全く剥がれない。
○△:印刷皮膜の残りが80面積%以上。
△:印刷皮膜の残りが50面積%以上〜80面積%未満。
×:印刷皮膜の残りが50面積%未満。
(2)耐ブロッキング性
印刷物を4cm×4cmにサンプリングし、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの非処理面とを重ね合わせて、温度40℃相対湿度80%の雰囲気下で10kgfの荷重をかけ、24時間後それを剥がし、表面状態を以下の基準で判定した。○△以上が実用レベルである。
○:印刷物からインキの転移が全く認められなかった。
○△:印刷物からインキの転移が10面積%未満で認められた。
△:印刷物からインキの転移が10面積%以上、50面積%未満の面積で認められた。×:印刷物からインキの転移が50面積%以上の面積で認められた。
(3)塗膜外観
印刷物を目視で観察し、以下の基準で判定した。△以上が実用レベルである。
○:塗膜白化なし。
△:塗膜の端部が僅かに白化。
×:塗膜の全面が白化。
Figure 2018009104

Claims (5)

  1. ステロール化合物とポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする印刷インキ組成物。
  2. ポリウレタン樹脂100重量部に対して、前記ステロール化合物を3〜20重量部含有することを特徴とする請求項1記載の印刷インキ組成物。
  3. ポリウレタン樹脂のアミン価が1.5〜13.0mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2記載の印刷インキ組成物。
  4. プラスチックフィルムである第一の基材と、請求項1〜3記載の印刷インキ組成物から形成された印刷層とを具備する印刷物。
  5. 請求項4記載の印刷物と、接着剤層と、第二の基材とを具備するラミネート積層体。

















JP2016139354A 2016-07-14 2016-07-14 印刷インキ組成物 Pending JP2018009104A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016139354A JP2018009104A (ja) 2016-07-14 2016-07-14 印刷インキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016139354A JP2018009104A (ja) 2016-07-14 2016-07-14 印刷インキ組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018009104A true JP2018009104A (ja) 2018-01-18

Family

ID=60993685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016139354A Pending JP2018009104A (ja) 2016-07-14 2016-07-14 印刷インキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018009104A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020002302A (ja) * 2018-06-29 2020-01-09 理想科学工業株式会社 油性インクジェットインク

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020002302A (ja) * 2018-06-29 2020-01-09 理想科学工業株式会社 油性インクジェットインク
JP7017481B2 (ja) 2018-06-29 2022-02-08 理想科学工業株式会社 油性インクジェットインク

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020196855A (ja) 脱離能を有する有機溶剤系印刷インキ、印刷物および積層体
JP6406047B2 (ja) グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物
JP6406046B2 (ja) グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物
WO2015068412A1 (ja) 印刷インキ用バインダー、軟包装用ラミネートインキ組成物及び印刷物
JP6108254B1 (ja) ラミネート用グラビアインキ
JP6485092B2 (ja) グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物
JP2016150944A (ja) グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物
JP5130553B1 (ja) 印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂組成物
JP7168027B2 (ja) 印刷インキ用バインダーの溶液、及び包装ラミネート用印刷インキ組成物
JPWO2012008339A1 (ja) 印刷インキ
JP5848854B2 (ja) 印刷インキ及び印刷物
JP5728749B1 (ja) 印刷インキ
JP5789921B2 (ja) 印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂および印刷インキ
JP7039952B2 (ja) ラミネート用グラビアインキおよびその印刷物と積層体
JP6969349B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP6511849B2 (ja) グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物
JP2010168461A (ja) 印刷インキ用バインダー
JP6150133B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP6194817B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP2019001932A (ja) リキッドインキ組成物
JP2010270216A (ja) 印刷インキ用バインダー
JP2018009104A (ja) 印刷インキ組成物
JP2020147720A (ja) グラビアまたはフレキソインキ、およびその利用
JP2003221539A (ja) 印刷インキ用バインダー
JP2021143264A (ja) グラビアまたはフレキソインキとその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200804