JP5809399B2 - インクジェットインク用樹脂及び該樹脂を含むインクジェットインク - Google Patents

インクジェットインク用樹脂及び該樹脂を含むインクジェットインク Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットインク用の樹脂に関し、詳細には、ポリ(メタ)アクリレート構造と所定のウレタン構造とを含み、画像濃度、貯蔵安定性及びノズルプレートへの付着し難さの点で、インク性能を顕著に向上することができる樹脂に関する。
インクジェット印刷用のインク、特に顔料を含む非水系インク、の顔料固着性等を向上するために、該インクの溶剤中に樹脂を分散させた状態で配合することが行われている。該樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルをコアとし、ポリ(メタ)アクリル酸C4−10アルキルエステルをシェルとして有する樹脂粒子(特許文献1)、ポリ(メタ)アクリル酸C12−25アルキルエステルと、グリシジル基等の所定の基を有するアクリルモノマーとの共重合体樹脂粒子で、顔料分散能も備えるもの(特許文献2)が知られている。
本願出願人は、ポリ(メタ)アクリル酸C12−25アルキルエステルに、所定量のウレタン結合部を導入することによって、顔料分散能等の点でさらに改良された共重合体樹脂を提案した(特許文献3)。
特開2005−171032号公報 特開2007−197500号公報 特開2010−1452号公報
本発明は、上記共重合体樹脂を発展させ、画像濃度を高め、ノズルプレートへの付着性を低減することに加え、幅広い溶剤と共に使用することができ、インク設計の幅を広げることができる樹脂及び該樹脂を含むインクを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、インクジェットインク用の樹脂であって、重量平均分子量が5,000〜50,000であり、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖と、下記式(2)で表される繰り返し単位を含む側鎖又は架橋部を含むことを特徴とするインクジェットインク用の樹脂である。
Figure 0005809399
Figure 0005809399
(ここで、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、Rは炭素数3〜25の窒素含有基、炭素数3〜25の窒素及び酸素含有基、及び炭素数8〜30の酸素含有基から選ばれる基、Rは炭素数6〜16の、脂肪族基、芳香族基、もしくは脂環式基、Rは炭素数12〜25のアルキル基、Rは水素原子もしくはメチル基である。)
上記本発明の樹脂は、式(2)で表される極性部分を含むことによって、高い画像濃度及びノズルプレートへの非付着性に加えて、種々の溶剤系での貯蔵安定性に優れるインクを構成することができる。
本発明の樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を含むアルキル(メタ)アクリレート主鎖と、下記式(2)で表される繰り返し単位を含むウレタン構造の側鎖又は架橋部(以下「ウレタン結合部」という)とを有する、ウレタン変性アルキル(メタ)アクリレート樹脂である。
Figure 0005809399
式(1)において、Rは炭素数12〜25、好ましくは12〜18のアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基である。Rとしては、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ベヘニル基が挙げられ、分岐を有していてもよい。また、これらの複数種が含まれていてもよい。
Figure 0005809399
式(2)において、Rは炭素数1〜8、好ましくは1〜4、のアルキレン基、例えばエチレン基である。Rは炭素数3〜25の窒素含有基、炭素数3〜25の窒素及び酸素含有基、及び炭素数8〜30の酸素含有基から選ばれる基であり、その詳細は後述する。Rは炭素数6〜16の、アルキレン基等の脂肪族基、置換もしくは非置換アリーレン基等の芳香族基、もしくは置換若しくは非置換のシクロアルキレン基等の脂環式基が挙げられる。好ましくは、炭素数6〜11の、アルキレン基、フェニレン基、トリレン基、アルキルシクロアルキレン基、例えば1,3−ジメチルシクロヘキシレン基である。
上記繰り返し単位に加えて、該樹脂には下記式(3)で表される構造が含まれる。同式において、(メタ)アクリレート残基は上記式(1)の繰り返し単位と結合されており、イソシアネート残基は、上記ウレタン結合部(2)の多価アルコール残基と結合されている。
Figure 0005809399
上式において、R、R及びRは上記のとおりであり、k及びmは、k=0且つm=2又はk=m=1である。
式(2)のRは窒素及び/又は酸素含有基に拠る極性を有する基であり、窒素もしくは窒素と酸素の双方を含む場合には、炭素数が3〜25、好ましくは3〜18であり、酸素を含む場合には炭素数が8〜30、好ましくは8〜28である。窒素含有基の例としては、ニトリル基、ニトロ基、アゾ基、又はピリジル基をその一部として含む、ニトリルアルキル基等の脂肪族基、脂環式基、芳香族基、及びヘテロ環基が挙げられる。酸素含有基としては、カルボニル基、オキシカルボニル基(エステル基)、アルデヒド基、又はカルボキシル基をその一部として含む、アルキルカルボニル基等の脂肪族基、脂環式基、芳香族基、及びヘテロ環基が挙げられる。窒素と酸素の双方を含む基としてはモルホリル基又はピロリドニル基をその一部として含む、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、ヘテロ環基が挙げられる。より詳細には、下記式(4)〜(9)で表される基が挙げられる。好ましくは、Rは、カルボニル基、カルボキシル基、ニトリル基、モルホリル基及びピリジル基から選ばれる少なくとも1の基を含む基である。
Figure 0005809399
(Rは、炭素数7〜20、好ましくは11〜18、より好ましくは14〜17の脂肪族基である。)
Figure 0005809399
(Rは、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基である。)
Figure 0005809399
(Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子である)。
Figure 0005809399
Figure 0005809399
Figure 0005809399
上記本発明の樹脂は、第一段目において、上記アルキルを有する(メタ)アクリル系単量体を定法に従いラジカル重合により調製した後、ウレタン結合部を調製することによって作ることができる。該単量体としては、ドデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルクリレート等が挙げられる。
第一段目の反応において、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合させるコモノマーの一つとして、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系単量体を用い、グリシジル基を導入する。該グリシジル基を有する該(メタ)アクリル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートのグリシジルエーテル、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙げられ、これらのうち、グリシジルメタアクリレートが好ましい。
該グリシジル基を有する(メタ)アクリル系単量体は、単量体総量の1〜30質量%で含まれていることが好ましく、より好ましくは3〜25質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。
さらに、コモノマーとして、β−ジケトン基(−C(=O)−C−C(=O)―)またはβ−ケト酸エステル基(−C(=O)−C−C(=O)OR、Rは炭化水素基)を有する(メタ)アクリル系単量体を用いると、より粘度が低いインクを調製することが可能となる。これにより、インクの溶剤を選択する際に、溶剤自身の粘度値に基づく制約が少なくなり、溶剤の選択の幅を拡げることができる。また、必要に応じて定着用樹脂または添加剤などを配合する際の、配合成分によるインク粘度増加の許容範囲が広がり、インク処方の自由度を広げることも可能となる。さらに、β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基が顔料の凝集を抑制し、裏抜けを抑制すると同時に印刷濃度の向上を実現できる。
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリレートとしては、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサジオン(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併用することができる。
β−ジケトン基またはβ−ケト酸エステル基を有する(メタ)アクリル系単量体の配合量は、単量体総量の3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
その他、コモノマーとしては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系ポリマー;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン等が挙げられる。また、アルキル鎖長の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
第一段目のラジカル重合は、上記各単量体を有機溶剤中に溶解して行う。好ましくは、得られる樹脂を添加すべきインク中に含まれる溶剤のうちの1つで行う。また、分子量を調整するために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂(株)製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。その他にも、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることができる。溶液重合に用いる重合溶媒には、たとえば石油系溶剤(アロマフリー(AF)系)などを使用できる。この重合溶媒は、そのままインクの非水系溶剤として使用できる溶媒(後述)のなかから1種以上を選択することが好ましい。重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
第二段目では、第一段目で得られた、グリシジル基を有するアルキル(メタ)アクリレート共重合体と、該グリジシル基と反応性の基及びアルコール性水酸基を有する化合物を反応させて、式(3)に示す、ポリアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネート残基とを結合する連結部分を形成する。本発明では、該化合物としてジアルカノールアミン、例えばジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、又はこれらの混合物を使用し、なかでも、ジエタノールアミンが好ましい。但し、アミノアルコール、炭素数が2〜10のモノオールアミン、例えばモノメチルエタノールアミン、炭素数が4〜20のジオールアミン、例えばジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンを使用することも可能である。該化合物は、グリシジル基1モルに対して、該グリジシル基と反応性の基が0.05〜1モルとなる量で反応させることが好ましく、0.1〜1モルで反応させることがより好ましい。
第二段目の反応は、不活性ガスを通気して攪拌しながら、第一段目で得られる共重合体溶液にアミノアルコールを添加して、加熱することによって行うことができる。
第三段目では、多価アルコールと多価イソシアネートを加えて、ウレタン結合部を構成する。多価アルコールは、第二段目で添加しておいてもよい。該多価アルコールはアミンに比べて反応性が低いのでグリシジル基とはほとんど反応しないと考えられるが、多少、反応したとしても問題は無い。本発明では、該多価アルコールとして、ジアルカノールアミン誘導体を用いる。該誘導体としては、脂肪酸ジエタノールアミド、例えばオレイン酸ジエタノールアミド、及び上記Rに関して例示した基が窒素原子に結合されているジエタノールアミン誘導体を使用することができる。例えば、Rが上記式(5)であるものに相当するジエタノールアミン誘導体は下記式で表すことができる。
Figure 0005809399
(Rは、炭素数6〜22、好ましくは6〜18のアルキル基である。)
上記誘導体は、ジエタノールアミンと、電子吸引性の基が結合された不飽和結合を有する化合物、例えば、アルキルアクリレート、とのマイケル付加により調製することができる。該不飽和結合を有する化合物として種々の物を用いることによって、ウレタン結合部の特性を種々、修飾することができ、インク設計の自由度を広げることができる。
電子吸引性の基が結合された不飽和結合を有する化合物としては、アクリレート、好ましくは炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルアクリレート、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート;アクリロイルモルホリン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、及びアクリロニトリルが挙げられる。
マイケル付加は、50〜60℃に加熱したジエタノールアミン中に、攪拌しながら、上記不飽和化合物を滴下した後、100〜140℃で、1〜3時間維持することによって行うことができる。
ジアルカノールアミン誘導体は、第二段目で使用した、グリジシル基と反応性の基及びアルコール性水酸基を有する化合物の、該反応性の基1モルに対して、0.1〜5モル、好ましくは0.1〜3モル、より好ましくは0.1〜1モルで反応させる。
上記ジアルカノールアミン誘導体に加えて、他の多価アルコールを併用してもよい。該多価アルコールとしては、炭素数2〜20のアルキレン基又はオキシアルキレン基を有する多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、炭素数6〜16の、アルキレン基等の脂肪族基、シクロアルキレン基等の脂環式基、又はアリレーン基等の芳香族基を有するジイソシアネート、例えば、1,6−ジイソシアナートへキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
多価イソシアネート化合物は、未反応アルコール性水酸基が残らないようにするために、アルコール性水酸基総量に対してほぼ当量(0.98〜1.02モル当量)になる量で反応させることが好ましい。
第三段目の反応は、第二段目で得られる共重合体溶液に、ジアルカノールアミン誘導体、錫触媒等の触媒、多価イソシアネート化合物を順次添加し、定法に従い加熱して行うことができる。
ウレタン結合部は溶剤に溶解し難いので、通常、樹脂は溶剤に分散された状態で得られる。該分散液を、そのままインクに配合することができ、それによって、顔料の分散性を向上し、インクの特性、例えば、ノズルプレートへの付着性を減じ、ノズルプレートのワイピング耐久性を向上することができる。該樹脂は、中極性から高極性の種々の溶剤中での貯蔵安定性にも優れ、インク設計の自由度を高める。
ウレタン結合部は、アルキル(メタ)アクリレート共重合体中に、1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%で、より好ましくは5〜20質量%で含まれる。該ウレタン結合部の重量は、反応に使用したアミノアルコール、ジアルカノールアミン誘導体とイソシアネート化合物の合計質量%である。
本発明の樹脂は、GPCで測定されるスチレン換算の重量平均分子量が5000〜50,000、好ましくは10,000〜40,000である。該分子量が前記下限値未満のものを使用すると、インクの貯蔵安定性が悪くなる傾向があり、前記上限値を超えるものを使用すると、インクの粘度が高く、インクジェット吐出安定性が悪くなる傾向がある。また、動的光散乱法で測定される、溶剤、例えばパルミチン酸イソオクチル中の平均粒径(D50)が50〜300nm、好ましくは70〜200nm、である。
インク中における本発明の樹脂の含有量は、顔料分散性を確保する観点から固形分として0.1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。一方、該共重合体の含有量が高すぎると、インクの粘度が高くなるばかりでなく、高温環境下での保存安定性が悪くなる恐れがあるため、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。最も好ましくは、固形分として3〜10質量%である。
本発明は、本発明の樹脂を含むインクにも関する。インクの各成分は特に限定されないが、顔料と好ましくは、有機溶剤を主として含む油性インクである。
顔料は任意のものであってよい。好ましくは、本発明の効果がより顕著である点で、黒色インク用の顔料が使用される。斯かる顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;銅、鉄、酸化チタン等の金属類または金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料を挙げることができる。これらは単独で、任意に混合して使用することができる。より高い印刷濃度を得られる点で、JIS K6221に従い測定されるジブチルフタレート(DBP)給油量が80cm/100g〜140cm/100g、且つJIS K6217に従い測定される窒素吸着比表面積が100m/g〜200m/gのカーボンブラック顔料が好ましい。
顔料の平均粒径は、吐出安定性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500(堀場製作所製)等により測定することができる。
インク中の顔料の含有量は、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
有機溶剤は、安全性の観点から、50%留出点が150℃以上のものが好ましく使用される。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、重量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。より好ましくは、50%留出点が160℃以上、最も好ましくは230℃以上のものを用いる。
該有機溶剤の例には、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤と、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶媒が包含される。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxsolD40、ExxsolD80、ExxsolD100、ExxsolD130、ExxsolD140」等を挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどが挙げられる。エーテル系溶剤としては、上記アルコール系溶剤のアルキルエーテル、例えば、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤の2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、脂肪族炭化水素溶剤と、エステル系溶剤及び/又はアルコール系溶剤の組み合わせが使用される。
好ましくは、該インクは、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、脂肪酸及び/又はアルキル燐酸エステルとアミン化合物の組合わせ、及びシナジストからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオン性物質を含む。
第四級アンモニウム塩におけるカチオンとしては、炭素数1〜24の炭化水素基を4つ有するアンモニウム、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。また、アニオンとしては水酸イオン、炭酸イオン、カルボン酸イオン、Cl、Br等のハロゲンイオン、硫酸水素イオン(HSO )、リン酸イオンなどが挙げられる。
好ましくは下記式(11)で示される第四級アンモニウム塩が使用される。
Figure 0005809399
上式中、R11、R12、R13及びR14のうちの2もしくは3個はメチル基で、その他は炭素数12〜24のアルキル基もしくはアリール基である、又は、R11、R12、R13及びR14の全てが炭素数3〜5のアルキル基である。アリール基の例としては、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。Xは酢酸イオン、ハロゲンイオン、又は硫酸水素イオンである。
上式で示される第四級アンモニウム塩の例としては、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムアセテート(アルキル基は炭素数14、16及び18のものから選ばれた少なくとも1種)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、及びベンジルトリブチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
好ましくは、上式中、R11、R12、R13及びR14のうちの2個がメチル基で、その他は炭素数12〜24のアルキル基又はアリール基であるもの、例えば、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、及び、R11、R12、R13及びR14の全てが炭素数3〜5のアルキル基であるもの、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、から選ばれる少なくとも1種が使用される。
第四級ホスホニウム塩は、一般式[R17 P](ここでR17はアルキル基又はアリール基であり、Xは上述のとおりである)で表されるものが好ましく使用される。該第四級ホスホニウム塩の例としては、炭素数1〜6のアルキル基を有するテトラアルキルホスホニウムハライド、例えばテトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド;炭素数6〜10のアリール基を有するテトラフェニルホスホニウムクロライド等のテトラアリールホスホニウムハライドが挙げられ、これらのうちテトラブチルホスホニウムブロマイドがより好ましい。
脂肪酸及び/又はアルキル燐酸エステル(以下、まとめて「酸」という場合がある)とアミン化合物の組合わせは、本発明のインク内で、アンモニウム塩、又はアンモニウム塩と類似の形態を形成していると考えら、上記第四級アンモニウム塩等と同様の効果が奏される。
脂肪酸としては炭素数9以上、好ましくは12〜30、より好ましくは14〜22、のものが使用される。該脂肪酸の例としては、デカン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
アルキルリン酸エステルとしては、たとえば、下記式(12)で示されるモノアルキルアシッドホスフェート又は下記式(13)で示されるジアルキルホスフェートが挙げられる。
Figure 0005809399
Figure 0005809399
上式において、R15及びR16は、炭素数6〜22、好ましくは8〜14、のアルキル基を示す。
本発明では、油溶性アルキルリン酸エステルが好ましく使用される。斯かるルリン酸エステルの例としては、イソデシルアシッドホスフェート、2‐エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェートなどが挙げられる。
アミン化合物としては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミンが挙げられ、好ましくは脂肪族アミン、より好ましくはジアルキルアミン、トリアルキルアミンが使用される。最も好ましくは、該アルキル基の炭素数が1〜26、より好ましくは6〜18である。
該ジアルキルアミン、及びトリアルキルアミンの例としては、ジオクチルアミン、ジラウリルメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミンなどが挙げられる。
脂肪酸及び/又はアルキル燐酸エステルとアミン化合物は、モル当量比率[(脂肪酸及び/又はアルキル燐酸エステル)/アミン化合物]が0.1〜10.0、好ましくは0.3〜3、最も好ましくは0.8〜1.2で配合する。モル当量比率がこの範囲を外れると、本発明の効果が十分発揮されない場合がある。
シナジストは、顔料骨格中に、極性基を導入した誘導体である。顔料骨格としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ピランスロン顔料、チオインジゴ顔料、及びキノフタロン顔料等の骨格が挙げられる。極性基としては、アルキルアミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、及びフタルイミド基等が挙げられる。これらのうち、フタロシアニン顔料、特に銅フタロシアニンブルーの骨格に、スルホン酸基、アミノ基等を導入したものが好ましく、例えば銅フタロシアニンスルホネート(ソルスパース5000、ソルスパース12000、ソルスパース22000;いずれもルブリゾール社製)が挙げられる。
上記イオン性物質は、インク総重量の0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%、配合される。脂肪酸及び/又はアルキル燐酸エステルとアミン化合物の組み合わせとして加える場合には、それらの合計が0.01〜10質量%、好ましくは、0.1〜3質量%、特に好ましくは0.3〜1.0質量%で、配合される。イオン性物質の量が上記下限値未満では、十分な効果が得られず、上記上限値を超えると、印刷濃度が低下するおそれがある。
上記各成分に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を配合することができる。たとえば、上記本発明の樹脂以外の樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを適宜添加することもできる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
本発明のインクは、ビーズミル等の分散機に、顔料、有機溶剤、樹脂分散液、好ましくはシナジスト、さらに所望により他の成分、を一括又は分割して加えて攪拌・混合し、所望により、メンブレンフィルター等によりろ過することによって得られる。
インクの粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、最も好ましい。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
本発明のインクを適用するインクジェット記録装置は、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本発明に係るインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
<ジエタノールアミン誘導体の調製>
表1、第9行に示す量(g)のジエタノールアミンを50〜60℃に加熱し、攪拌しながら、表1、第1列に示す各不飽和化合物を滴下した後、120℃に加熱し該温度で2時間維持し、ジエタノールアミン誘導体化合物(以下「化合物」という)1〜7を調製した。
Figure 0005809399
<アルキルメタクリレート共重合体の調製>
300mlの四つ口フラスコに、AF−7(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)75gを入れ、窒素ガスを通気し、攪拌しながら110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながら、該四つ口フラスコに、表2に示す単量体混合物を入れ、そこへ16.7gのAF−7と4gのパーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)との混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチル Oを各0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行い、12.7gのAF−7で希釈して、固形分40%の無色透明の共重合体溶液を得た。
Figure 0005809399
<ウレタン変性アルキルメタクリレート共重合体の調製>
上記のようにして得られた共重合体と、各化合物とを、表3に示す処方(数値の単位は「g」)で反応させて、ウレタン結合部を有するアルキルメタクリレート共重合体樹脂(樹脂1〜9)の分散液を調製した。表3において、化合物8は、オレイン酸ジエタノールアミド(日油社製)である。
500mlの四つ口フラスコに、上記共重合体溶液100g(固形分40g)と、表3、第11行に示す量のジエタノールアミン、各化合物(比較用樹脂10についてはプロピレングリコール0.11g)を仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温し、同温度で1時間保った。得られた反応物に、ジブチル錫ジラウレートを0.2g添加し、表3に示す量のタケネート 600(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン(株)製)と、パルミチン酸イソオクチル3.88g(樹脂9の場合には3.32g)を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、表3に示す量のAF−7(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)を加え、固形分40%のウレタン変性アルキルメタクリレート共重合体樹脂分散液を得た。得られた樹脂のウレタン結合部は、共重合体の約7質量%であった。また、GPCで測定された該ポリマーaのポリスチレン換算の重量平均分子量は15000〜25000、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500(堀場製作所製)により測定した分散液中の樹脂の平均粒径(D50)は70〜170nmであった。
Figure 0005809399
[インク実施例1〜8、比較例1〜6]
表4および表5に示す処方(質量%)に従い、各成分をガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)80gを入れ、ロッキングミル(セイワ技研製 RM05S型)を用いて周波数60Hzで2時間運転し、インクを調製した。表4及び5において、括弧内は固形分換算質量%である。また、同表における、カーボンブラック及びシナジスト、溶剤の詳細は以下のとおりである。
MA−100:カーボンブラック(三菱化学社製)
ソルスパース5000:顔料誘導体(ルブリゾール社製)
IOP:パルミチン酸イソオクチル
AF−4:ナフテン系溶剤(新日本石油社製)
FOC140:イソミリスチルアルコール(日産化学社製)
ジエチレングリコール(和光純薬工業社製)
ブチセノール40:テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(協和発酵社製)
得られたインクについて、以下の方法により評価を行った。
(1)ノズルプレートへの非付着性の評価
インクジェットプリンター「5500」(商品名:理想科学工業(株)製)を用いて、ヘッドメンテナンスのノーマルクリーニングにより、ヘッドクリーニングを所定の回数実施し、ワイピングブレードが接した部分におけるインクの付着し難さを目視により、下記基準で評価した。

4 :ワイピングブレードが接した全ての部分において、ヘッドクリーニング後、即座にインクが完全にはじかれた。
3:ワイピングブレードが接した全ての部分において、ヘッドクリーニング後、20秒以内インクが完全にはじかれた。
2:ワイピングブレードが接した一部分で、インクの残留が認められた。
1:ワイピングブレードが接した大半の部分で、インクの残留が認められた。
(2)印刷物の濃度
各インクを、インクジェットプリンター「HC5500」(商品名:理想科学工業(株)製)に装填し、普通紙(理想用紙薄口(商品名:理想科学工業(株)製)に黒ベタを印字して、印刷物を得た。得られたベタ画像の表面のOD値を、光学濃度計(RD920、マクベス社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。評価がB以上であることが好ましい。
印刷濃度(表OD)評価基準
A:1.10以上、B:1.05〜1.09、C:1.04以下
(3)インクの貯蔵(保存)安定性(70℃)
各インクを密閉容器に入れて、70℃の環境下で4週間放置した後、インクの粘度変化を下記式から求め、

粘度変化率(%)=[(4週間後の粘度×100)/粘度の初期値]−100

粘度変化率が5%未満のものをA、粘度変化率が5%以上10%未満のものをB、粘度変化率が10%以上のものをCとした。
Figure 0005809399
Figure 0005809399
本発明の樹脂を含むインクは、ウレタン結合部が本発明のものではない樹脂を含むインク(比較例1〜3)に比べて、ノズルプレート非付着性の点で顕著に優れていた。また、本発明の樹脂を含むインクは、多価アルコールがプロピレングリコールであるもの(比較例4、5、6)に比べて、溶剤の種類に依存することなく、優れた貯蔵安定性を示した。
本発明の樹脂は、印刷濃度、貯蔵安定性、及びノズルプレートへの非付着等に優れるインクジェットインクを構成することができる。また、種々の溶剤との親和性に優れるので、インク設計の自由度が広い。

Claims (6)

  1. インクジェットインク用の樹脂であって、重量平均分子量が5,000〜50,000であり、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖と、下記式(2)で表される繰り返し単位を含む側鎖又は架橋部を含み、
    さらに下記式(A)で表わされる単位を含み、
    前記式(A)の(メタ)アクリレート残基は前記式(1)の繰り返し単位と結合し、
    前記式(A)のイソシアネート残基は前記式(2)で表わされる繰り返し単位の多価アルコール残基と結合している、
    ことを特徴とするインクジェットインク用の樹脂。
    Figure 0005809399

    Figure 0005809399

    Figure 0005809399
    (ここで、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、Rは炭素数3〜25の窒素含有基、炭素数3〜25の窒素及び酸素含有基、及び炭素数8〜30の酸素含有基から選ばれる基、Rは炭素数6〜16の、脂肪族基、芳香族基、もしくは脂環式基、Rは炭素数12〜25のアルキル基、Rは水素原子もしくはメチル基であり、k=0かつm=2またはk=m=1であり、R からR はそれぞれ独立的に選択される。)
  2. がカルボニル基、カルボキシル基、ニトリル基、モルホリル基及びピリジル基から選ばれる少なくとも1つの基を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェットインク用の樹脂。
  3. が下記式(3)〜(7)のいずれかで表される基であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットインク用の樹脂。
    Figure 0005809399

    Figure 0005809399

    (Rは、炭素数6〜22のアルキル基である)
    Figure 0005809399

    Figure 0005809399

    Figure 0005809399
  4. 上記式(2)で表される繰り返し単位を含む側鎖又は架橋部が、前記樹脂の全質量に対し、1〜40質量%で含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェットインク用の樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット用の樹脂を固形分0.1〜20質量%で含むインクジェットインク。
  6. シナジストをさらに含む、請求項5記載のインクジェットインク。
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