JP4521304B2 - 印刷品質及び信頼性が改善された顔料系インクジェットインク - Google Patents

印刷品質及び信頼性が改善された顔料系インクジェットインク Download PDF

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Description

本発明は、概して、インクジェットインク組成物に関する。より詳細には、本発明は、長期保存後でも改善された印刷品質及び信頼性を示す顔料系インクジェットインクに関する。
インクジェット印刷が、種々の媒体表面、特に紙の上に画像を記録するための主要な方法となったのには幾つかの理由がある。それらの幾つかの理由には、プリンタ騒音の低さ、高速記録できること、及び多色記録できることが含まれる。加えて、ユーザーが、これらの利点を比較的低コストで実現できることも含まれる。大きく改善されてきたインクジェット印刷分野ではあるが、改善されるにつれて、例えば、より高速、より高分解能、フルカラー画像形成、より高い安定性を求める声が、当分野の使用者の間で高まっている。新規のインクジェットインク及び印刷機器を開発する場合、印刷表面、即ち基材に関連して当該インクを評価する際に考慮すべき慣習的な特性が幾つかある。そのような特性としては、表面上の画像のエッジ尖鋭度や光学濃度、光沢性、ブラック−カラー間のブリード抑制、基材上でのインクの乾燥時間、基材への付着性、インク滴配置に偏りがないこと、全ドットが存在すること、乾燥後のインクの水及びその他の溶媒に対する耐性、長期保存安定性、並びにペン材料の劣化又はノズル詰りを起こさない長期信頼性が挙げられる。材料の劣化又はノズル詰まりを起こさない長期信頼性は、比較的小さいインク液滴容積を射出する印刷機器が出現するにつれてますます重要になってきた。上に列挙した特性は、達成することが望ましいものであるが、上述の特性の全てを満足させることに関しては幾つかの難点がある。多くの場合、上記特性のうちの1つを満足させようとして1つのインク成分を含有させると、別の特性が満足されなくなることがある。従って、インクジェットプリンタ用として市販されているほとんどのインクは、上に挙げた諸要件の全てを満足させることにおいて少なくともまずまずの結果を得ようとした妥協を象徴するものである。
インクジェット印刷システムにおいて達成することが望ましい1つの特性は、インクジェットインクの周波数応答であり、これは、多くの場合、インクのスループットに比例する。液滴サイズが小さくなればなるほど、より高周波数での印刷に対する要求が高まってきた。この点に関しては、許容できる印刷品質を維持しつつ、高い印刷速度を達成することは、インクジェット印刷産業において永久の課題である。
その他の点に関しては、ブラックインクの印刷品質、特に光学濃度及びブリード抑制性の改善は、インクジェット技術の進展において考慮すべき問題となっている。さらに、信頼性のある印刷システムにおいて、許容できる光学濃度やブリード抑制性を達成することも考慮すべき問題である。例えば、一態様では、家庭用印刷市場における多くのユーザーは、多くの場合、プリンタをめったに使用せず、あるいは、その使用を長期間中断するであろう。このように、休暇や学生の夏休みに伴うような長期休止の後においても、信頼性のある印刷を要求するユーザーがいる。従って、そのような市場では、容器中、印刷カートリッジ中、並びにプリンタに装填された際に、長期保存安定性を有するインク調合物が有用であろう。
従って、高周波数にて正確に印刷することができ、且つ良好な印刷品質及び保存安定性を示すインク調合物を開発すべく、研究が継続して行われている。
改善された周波数応答並びに十分な印刷品質及び保存安定性を示す顔料系インク組成物を開発することが有益であろうと考えられる。
本発明の一態様においては、基材上に画像を印刷するシステムが提供される。当該システムは、インクジェットインクと、該インクが充填された印刷ヘッドとから構成することができる。当該インクジェットインクは、液体ビヒクルと、0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーを含むことができる。より詳細な態様では、液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含むことができ、且つスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、約400Mw〜15,000Mwとし得る。
別の実施形態では、インクジェット画像を高速印刷する方法が提供される。当該方法は、インクジェットインクを12kHz〜25kHzの射出周波数にて媒体基材上にインクジェットするステップを含むことができる。当該インクジェットインクは、液体ビヒクルと、0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーとを含むことができる。この実施形態では、当該液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含むことができ、且つスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、約400Mw〜15,000Mwとし得る。
別の実施形態では、インクジェットインク組成物は、液体ビヒクルと、0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーとを含むことができる。より詳細な態様では、当該液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含むことができ、且つスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、約400Mw〜15,000Mwとし得る。
本発明によれば、高周波数にて正確に印刷することができ、且つ良好な印刷品質及び保存安定性を示すインク組成物を提供することができる。本発明のその他の特徴並びに利点は、例示目的で本発明の特徴を説明するところの以下の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明の詳細な実施形態を開示、説明する前に、本発明が、本明細書に開示する特定のプロセス並びに材料に限定されないことを理解されたい。何故ならば、それらは多少変更し得るからである。また、本明細書において用いる用語は、特定の実施形態を専ら記述するだけの目的で用いており、本発明の範囲を限定する意はないことを理解されたい。何故ならば、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ定義されるためである。
本発明を説明し且つ範囲請求する際、以下の用語を用いることとする。
別途明確に指示しない限り、単数形は、複数形の意を包含する。従って、例えば、「顔料」と言った場合、1つ又は複数の当該材料を意味する。
本明細書で用いるとき、「液体ビヒクル」とは、顔料等の着色剤を基材へと運ぶのに用い得る液体組成物を包含するものと定義される。液体ビヒクルは、当分野で周知であり、広範なインクビヒクルを本発明の実施形態に従って使用することができる。当該インクビヒクルは、限定はしないが、界面活性剤、共溶媒、緩衝剤、殺生物剤、粘度修正剤、金属イオン封止剤、安定化剤、及び水をはじめとする、様々な各種薬剤から成る混合物から構成することができる。要求はされないが、液体ビヒクルは、ポリマー、UV硬化性材料、可塑剤、塩などの他の固形物も保持することができる。
本明細書で用いるとき、「顔料」は、典型的に、それと共に用いられる液体ビヒクルに実質上不溶性である着色剤粒子を意味する。
「酸官能化顔料」又はその誘導体は、顔料表面に酸性分散剤を化学結合させるなどして、酸性分散剤によって官能化させた顔料を意味する。分散剤を結合させることで顔料の外表面末端が電荷を帯び、これによって液体ビヒクル中での顔料粒子の凝集を減じるところの反発性が生じる。前述の顔料表面に結合させ得る典型的な酸として、パラ−アミノ安息香酸、イソフタル酸、三酸、及びそれらの異性体、並びにそれらの組合せが挙げられる。酸官能基の結合後、これらの顔料は、それらの塩の形態で存在する。存在し得る対イオンの例として、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びリチウムが挙げられる。
「周波数応答」とは、インクジェットインクの射出速度(例えば、単位時間当りに射出されるドット数)に関する、インクジェットインクとインクジェット機器の性能を指す。一般に、ノズル射出周波数が高くなるほど、インク液滴の射出方向の誤りや他の望ましくない特性などが生じ、印刷性能は低くなってしまう傾向がある。現水準では、射出周波数が約12kHzより高い場合に、高速印刷周波数であると考えられる。
本明細書で用いるとき、「三酸」は、3つ以上の酸性基を含む有機基を意味する。より詳細には、当該有機基は、アルキル、フェニル、又はナフチルとし得、そして酸基は、スルホン酸、スルフィン酸、ホスホン酸、又はカルボン酸とし得る。例として、−COOH、−SOH、−PO、−SONH、−SONHCOR、及びそれらの塩があげられる。例えば、−COONa、−COO、−COONR 、−SO Na、−HPO Na、−SO NR 、及びPONaを用いることができ、ここで、Rは、例えば、アルキル又はフェニル基である。Rは、例えばC〜C20のアルキル基である。特に好ましいイオン化置換基として、−COOH及び−SOH、並びにそれらのアンモニウム、リチウム、ナトリウム、及び/又はカリウム塩が挙げられる。
本明細書においては、濃度、量、及びその他の数値データを範囲形式で提示する場合がある。そのような範囲形式は、単に便利且つ簡便なために用いるものであり、範囲の限界値として明記する数値を含むだけでなく、あたかも各数値及び副範囲が明記されているように、その範囲内に包含される個別の数値又は副範囲を全て包含するものと柔軟に解釈すべきことを理解されたい。例えば、約1wt%−約20wt%という重量範囲は、1wt%、約20wt%という明記された濃度限界値を含むだけではなくて、2wt%、3wt%、4wt%のような個別の濃度及び5wt%−15wt%、10wt%−20wt%、等のような副範囲を含むものと解釈すべきである。
本明細書で用いるとき、「ブリード」とは、インクが、それと隣接して印刷されたインク中に流入し混じり合う現象を意味する。「フェザリング(Feathering)」とは、インクが、媒体基材の未印刷領域中へ不必要に拡散する現象を意味する。ブリードやフェザリングは、典型的に、基材上に印刷されたインクが十分乾燥する前に起こるものである。ブリードの程度は、幾つかの因子の中でも、インクの乾燥速度、着色剤の凝集、インクの化学的性質などの様々な因子に左右されるであろう。
「エッジ尖鋭度」は、印刷画像境界に沿った、画像領域の明確さを意味する。
数値又は範囲に言及する際の用語「約」は、測定実施時に起こり得る実験誤差から生ずる値も包含する意がある。
本発明によれば、基材上に画像を印刷するシステムは、インクジェットインクと、当該インクジェットインクが充填された印刷ヘッドとを具備し得る。当該インクジェットインクは、液体ビヒクルと、0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸のコポリマーとを含むことができる。より詳細な態様では、液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含むことができ、且つスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、約400Mw〜15,000Mwとし得る。
別の実施形態では、インクジェット画像を高速印刷する方法は、インクジェットインクを12kHz〜25kHzの射出周波数にて媒体基材上にインクジェットするステップを包含し得る。当該インクジェットインクは、液体ビヒクルと、0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーとを含むことができる。この実施形態では、当該液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含むことができ、且つスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、約400Mw〜15,000Mwとし得る。
他の実施形態では、インクジェットインク組成物は、液体ビヒクルと、0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーとを含むことができる。より詳細な態様では、当該液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含むことができ、且つスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、約400Mw〜15,000Mwとし得る。
本発明のインクジェットインク組成物は、典型的に、水、共溶媒、界面活性剤、緩衝剤、殺生物剤、金属イオン封鎖剤、粘度修正剤、湿潤剤、バインダー、及び/又はその他の既知の添加剤から構成することができる水性調合物、即ち液体ビヒクルを用いて調製される。顔料固形物及びその他の高分子固形物のような、固形物を含有させ得る。本発明の一態様においては、液体ビヒクルは、インクジェットインク組成物の約70wt%〜約99wt%を構成することができる。
顔料系インクジェットインクの周波数応答は、プリンタシステムのスループット能力に比例し得る。インクジェット印刷システムでは、機能的周波数帯を低めの範囲に維持しつつ、高い周波数上限を有するインク及び機器システムを提供することが望まれる場合がある。従来技術では、ペンシステムの周波数範囲、特に周波数上限を高めるための典型的且つ既知の解法は、所与のインクの要件に適合するよう噴射機器を設計することであった。しかしながら、本出願人は、ある種の成分を組合せて用いることで、所与のインクジェット機器及びインクジェットインクの組合せに適合するよう周波数応答の範囲を拡大できるとともに、長期の休止期間にわたって安定であるインクを実現できることを見出した。加えて、これらの組合せは、高い印刷品質、例えば、高い光学濃度、低減されたブリード、低減された射出方向の誤り等を呈するインクをもたらすことができる。さらに、本明細書に開示する組合せを用いることで、これらの比較的高い周波数レベルにおける比較的良好な性能だけではなく、機能的周波数帯を拡大することもできる。例えば、特定のインクジェットインクを噴射するのに使用し得る周波数上限を高めることで、インクの周波数応答の有効範囲を高めることができる。従って、一実施形態では、印刷ヘッドは、本発明のインクジェットインクを12kHz〜25kHzの射出周波数にて、又は実施形態によっては、15kHz〜25kHzや18kHz〜25kHzの射出周波数においてでさえ、噴射するよう構成することができる。高周波数範囲において噴射可能であるとはいえ、現在市販されている多くのインクにおいてより一般的であるところの、3kHz〜12kHzにおいても、上記インクを噴射させることができる。このように、上記インクジェットインクの周波数応答範囲は、実に広く、例えば、3kHz〜25kHzとし得る。これらの射出周波数は、任意の機能的液滴容積において達成し得るが、印刷速度と画像品質とのバランスをとるために約10pL〜20pLの液滴容積が望まれる場合がある。
上述のように、本発明の実施形態に従って上記インクジェットインク中に存在させ得る成分としては、酸官能化顔料固形物、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、有機共溶媒(単数又は複数)、及び水が挙げられる。任意に、塩、界面活性剤、殺生物剤、緩衝剤、粘度修正剤、金属イオン封止剤、安定化剤、ポリマー、UV硬化性材料、可塑剤等をはじめとする、その他の成分も含有させ得る。
酸官能化顔料
酸官能化顔料には、インクジェット分野で使用される任意の色のものを用いることができる。任意の色のものを用いることができるが、本発明の特定の原理を好都合に説明するため、以下の例示的態様においてはカーボンブラック顔料に関して説明する。詳細には、本実施形態では、カーボン顔料は、酸性分散剤を用いて官能化させ得る。当該酸性分散剤は、典型的に、前駆体形態で調製され、次いで、その前駆体を顔料に結合させて顔料表面を化学修飾する。一実施形態では、例えば、パラ−アミノ安息香酸、イソフタル酸、三酸、及びそれらの異性体などの、種々の酸性前駆体材料を使用して、当該分散剤をカーボンブラックに結合させることができる。当業者に周知のように、その他の酸性前駆体をカーボンブラックに結合させることもできる。
カーボン顔料は、許容できる光学濃度及び印刷特性をもたらす市販のほとんどのカーボン顔料を用いることができる。本発明の使用に適するカーボン顔料として、限定はしないが、カーボンブラック、黒鉛、ガラス質炭素、木炭、及びそれらの組合せが挙げられる。本発明の一態様では、カーボン顔料は、カーボンブラック顔料である。そのようなカーボンブラック顔料は、チャネル法、コンタクト法、ファーネス法、アセチレン法、又はサーマル法などの、既知の様々な方法で製造することができ、カボット社、コロンビアケミカルズ社、デグッサ社、及びE.I.デュポン社などの発売元から市販されている。適切なカーボンブラック顔料として、限定はしないが、MONARCH 1400、MONARCH 1300、MONARCH 1100、MONARCH 1000、MONARCH 900、MONARCH 880、MONARCH 800、MONARCH 700、CAB−O−JET 200、及びCAB−O−JET 300などのカボット社の顔料;RAVEN 7000、RAVEN 5750、RAVEN 5250、RAVEN 5000、及びRAVEN 3500などのコロンビアケミカルズ社の顔料;Color Black FW200、RAVEN FW2、RAVEN FW2V、RAVEN FW1、RAVEN FW18、RAVEN S160、RAVEN FW S170、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4、PRINTEX U、PRINTEX 140U、PRINTEX V、及びPRINTEX 140Vなどのデグッサ社の顔料;及びデュポン社から入手できるTIPURE R−101がある。
典型的に、本発明のカーボンブラックの径は、約5nm〜約10μmとし得、一態様では10nm〜約500nmとし得る。但し、当該顔料が分散状態で維持され得且つ十分な色特性をもたらすことができる場合には、この範囲外の径も用いることができる。本発明の1つの詳細な態様では、官能化カーボン顔料は、インクジェットインク組成物の約0.1wt%〜約6wt%にて含まれる。
ブラック顔料に関して、先にある程度詳細に説明したが、その他の色の顔料も使うことができる。例えば、使用し得るその他の顔料として、CAB−O−JET250C、CAB−O−JET260M、及びCAB−O−JET270Yなどの、カボット社から市販の顔料が挙げられる。
スチレン−無水マレイン酸コポリマー
上述のように、本発明のインクジェットインク中には、顔料固形物以外に、スチレン−無水マレイン酸コポリマー(SMA)を含有させ得る。スチレン−無水マレイン酸コポリマーに言及するとき、無水物と塩の両方の形態が含まれる。スチレン−無水マレイン酸コポリマーは、一般に、以下の式1aによって表すことができる。
Figure 0004521304
式中、xは1〜4とし得、且つnは2〜27とし得る。xに関していえば、式1aに示す構造は、特定の位置的順序が存在することを意図したものではなく、単に、xが1のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸のモル比が1:1であること、xが2のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸のモル比が2:1であること、xが3のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸のモル比が3:1であること、及びxが4のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸のモル比が4:1であることを意味するにすぎない。典型的に、スチレン単位と無水マレイン酸単位は、多少ランダムに配置させることができる。式1から明らかなように、スチレン−無水マレイン酸樹脂は、スチレンと無水マレイン酸からなる一群の低分子量コポリマーである。種々の樹脂は、様々な化学構造を有することができ、且つ高い酸当量、許容し得る熱安定性、及び高いガラス転移温度(Tg)をはじめとする、種々の性質を呈し得る。
液体ビヒクルにおける溶解度を調節するために、スチレン−無水マレイン酸ポリマーを部分的に又は全体的に加水分解し得る。加水分解は、水溶性を高める傾向がある。加水分解によって生じる好ましい構造を式1bに示す。
Figure 0004521304
式中、xは1〜4とし得、nは2〜27とし得、Qは任意の官能性陽イオンとし得る。例示的な陽イオンとして、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、又はそれらの混合物が挙げられる。
1つの詳細な実施形態においては、以下の式2に示すような、スチレン−無水マレイン酸のアンモニウム塩を使用し得る。
Figure 0004521304
式2から分かるように、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸のモル比は1:1であり、且つ12の繰り返し単位(特定の位置的順序を持たない)がある。加えて、式2は、無水物の状態ではなく、アンモニウム塩の状態で当該成分を示している。望ましい他のインクジェット特性を賦与すべく、アンモニウムイオンの代わりに他の種々の陽イオンを用いて置換することができる。例えば、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、リチウム(Li)等を用いることができる。
本発明の実施形態によれば、式1による成分を用いることで、望ましいインクジェットインクを提供することができる。一実施形態では、スチレン−無水マレイン酸は、限定はしないが、インクジェットインク組成物中に0.001wt%〜6wt%の量にて存在し得る。加えて、スチレン対無水マレイン酸のモル比に応じて、並びに式1記載の繰り返し単位数に応じて、使用し得るスチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量は、400Mw〜15,000Mwとし得る。
スチレン−無水マレイン酸コポリマーの第2の有用な形態は、スチレン−無水マレイン酸コポリマーの部分モノエステルである。この形態は、一般的に、以下の式3に従って表すことができる。
Figure 0004521304
式中、xは1〜4とし得、yは0〜1の分数とし得、zは0〜1の分数とし得、Rは、アルキル、アリール、アルコキシル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アルコキシルとし得、nは2〜27とし得る。当該ポリマーの各々のn単位内のサブユニットは異なっていてよい。例えば、xが1のとき、各々のユニットは、当該ポリマーのn単位全てにわたって平均モル比が1:y:z(y及びzは、0〜1の分数)となるように、1のスチレンサブユニット、0〜1の無水マレイン酸サブユニット、及び0〜1のモノエステル無水マレイン酸サブユニットを含むことができる。x、y及びzに関していえば、式3に示す構造は、任意の特定の位置的順序が存在することを意図するものではなく、単に、xが1のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対部分モノエステルのモル比が1:y:zであることを示すにすぎない。xが2のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対部分モノエステルのモル比は2:y:zであり、xが3のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対部分モノエステルのモル比は3:y:zであり、xが4のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対部分モノエステルのモル比は4:y:zである(y及びzは0〜1の分数である)。典型的に、スチレン単位と無水マレイン酸単位、モノエステル単位は多少ランダムに配置させることができる。式3から明らかなように、部分エステルスチレン−無水マレイン酸の樹脂は、スチレンと部分的にモノエステル化された無水マレイン酸からなる一群の低分子量コポリマーである。種々の樹脂は種々の化学構造を有し得、且つ高い酸当量、ポリマー界面活性剤特性、広範な調合成分との優れた和合性、及び高い溶媒中溶解性をはじめとする、様々な特性を呈し得る。その塩形態に関しては、スチレン−無水マレイン酸の部分モノエステルの塩は、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩とし得る。上述の実施形態では、無水マレイン酸サブユニットはそれぞれ、(式2に例示したように)2つの対イオンを含むことができ、モノエステルサブユニットはそれぞれ、カルボキシ基位置に1つの対イオンを含むことができる。
スチレン−無水マレイン酸コポリマーの第3の有用な形態はポリマーであり、それはスチレン−無水マレイン酸と2つのアルコールとの部分エステルである。この形態は、一般的に、以下の式4に従って表すことができる。
Figure 0004521304
式中、wは1〜4とし得、xは0〜1の分数とし得、yは0〜1の分数とし得、zは0〜1の分数とし得、R及びRは、個々独立して、アルキル、アリール、アルコキシル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アルコキシルとし得、nは2〜27とし得る。当該ポリマーの各々のn単位内のサブユニットは異なっていてよい。例えば、wが1のとき、n単位の各々は、当該ポリマーのn単位全てにわたる平均モル比が1:x:y:zとなるように、1のスチレンサブユニット、0〜1の無水マレイン酸サブユニット、0〜1のRモノエステル無水マレイン酸サブユニット及び0〜1のRモノエステル無水マレイン酸サブユニットを含む。w、x、y及びzに関していえば、式4に示す構造は、特定の位置的順序が存在することを意図したものではなく、単に、wが1のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸サブユニットのモル比が1:x:y:zであることを示すにすぎない。xが2のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸サブユニットのモル比は2:x:y:zであり、xが3のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸サブユニットのモル比は3:x:y:zであり、xが4のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸対Rモノエステル無水マレイン酸サブユニットのモル比は4:x:y:zである。典型的に、スチレンサブユニット、無水マレイン酸サブユニット、Rモノエステルサブユニット及びRモノエステル無水マレイン酸サブユニットは、多少ランダムに配置させることができる。
式4から明らかなように、当該スチレン−無水マレイン酸の部分エステル樹脂は、スチレンと、部分的にモノエステル化される無水マレイン酸と、2つのアルコールとからなる一群の低分子量コポリマーである。種々の樹脂は種々の化学構造を有し得、且つ高い酸当量、ポリマー界面活性剤特性、広範な調合成分との優れた和合性、高い溶媒への溶解性、高い熱安定性、及び高いガラス転移温度(Tg)をはじめとする、様々な性質を呈し得る。その塩形態に関しては、スチレン−無水マレイン酸の部分モノエステルの塩は、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩とし得る。上述の実施形態では、無水マレイン酸サブユニットはそれぞれ、(式2に例示したように)2つの対イオンを含むことができ、モノエステルサブユニットの各々は、カルボキシ基位置において1つの対イオンを含むことができる。
スチレン−無水マレイン酸コポリマーの第4の有用な形態は、スチレン−無水マレイン酸とアミン(amic acid)とのコポリマーである。この形態は、一般的に、以下の式5に従って表すことができる。
Figure 0004521304
式中、xは1〜4とし得、Rは、例えば、アルキル、アリール、アルコキシル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アルコキシルとし得、nは2〜27とし得る。xに関していえば、式5に示す構造は、特定の位置的順序が存在することを意図したものではなく、単に、xが1のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸アミド酸のモル比は1:1であり、xが2のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸アミド酸のモル比は2:1であり、xが3のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸アミド酸のモル比は3:1であり、xが4のとき、当該樹脂のスチレン対無水マレイン酸アミド酸のモル比は4:1であることを示すものにすぎない。典型的に、スチレンサブユニットと、無水マレイン酸とアミンとのサブユニットは多少ランダムに配置させることができる。種々の樹脂は様々な化学構造を有し得、且つ熱安定性及び界面活性剤特性をはじめとする、様々な性質を呈し得る。塩に関しては、当該成分は、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩の形態とし得る。
上記例の種類のスチレン−無水マレイン酸コポリマーについて詳細に記載しているが、本発明の実施形態に従って機能し得る他のものも用いることができる。インクジェットインクにスチレン−無水マレイン酸を含有させる幾つかの目的は、良好なブラック−カラー間のブリード抑制性をもたらし、高い光学濃度(OD)をもたらし、且つ分散物中での顔料の安定化を促進して、インクジェット印刷ヘッドの信頼性を高めることである。
液体ビヒクル成分
前述のように、液体ビヒクルは、顔料固形物及びスチレン−無水マレイン酸、並びに本発明のインクジェットインク組成物中に存在させ得る他の固形物を基材へと運ぶために用いることができる。より詳細には、液体ビヒクルは、水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを、その他の任意の液体成分と共に含有することができる。全有機共溶媒成分に関しては、本発明に使用される共溶媒として、限定はしないが、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリ(グリコール)エーテル、ラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、長鎖アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、グリコールブチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、カルボン酸、エステル、有機硫化物、有機スルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル誘導体、アミノアルコール、及びケトンが挙げられる。例えば、共溶媒には、炭素数30以下の第一脂肪族アルコール、炭素数30以下の第一芳香族アルコール、炭素数30以下の第二脂肪族アルコール、炭素数30以下の第二芳香族アルコール、炭素数30以下の1,2−ジオール、炭素数30以下の1,3−ジオール、炭素数30以下の1,5−ジオール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテルの高次の同族体、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテルの高次の同族体、ラクタム、置換ホルムアミド、未置換ホルムアミド、置換アセトアミド、及び未置換アセトアミドが含まれる。本発明の実施に際して好ましく用いられる共溶媒の具体的な例として、限定はしないが、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、Liponicエチレングリコール 1、Liponicエチレングリコール 7、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、3−メトキシブタノール、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンがある。共溶媒を添加することで、インクジェットインク中の水の蒸発速度を低下させたり、詰まりを最小限に抑えたり、あるいは粘度、pH、表面張力、光学濃度、及び印刷品質などのインクのその他の諸性質を変更することができる。
アンモニウム塩及びその他の塩などの、他の添加物もまた、一実施形態において0.1wt%〜4wt%程度、含有させることができる。そのような塩の例には、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸リチウムが含まれる。使用する場合は、アンモニウム塩の存在によって、印刷画像のエッジ尖鋭度が改善され且つブリードが低減され得る。アンモニウム塩は、ある状態の印刷媒体上で許容できる耐水性を達成するために好ましく使用することができる。
本発明のインクジェットインク組成物においては、種々の緩衝剤を任意に用いることもできる。代表的な緩衝剤として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;クエン酸;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びジメチルエタノールアミンなどのアミン;その他の塩基性又は酸性成分のような、pH制御溶液が挙げられる。使用する場合、緩衝剤は、典型的に、インクジェットインク組成物の約10wt%未満にて含有される。
本発明の別の態様では、有害微生物の成長を阻害するために種々の殺生物剤を用いることができる。適切な殺生物剤の幾つかの非限定的な例としては、安息香酸塩、ソルビン酸塩、NUOSEPT(ヌデックス社、ヒュルスアメリカ社の1部門)、UCARCIDE(ユニオンカーバイド社)、VANCIDE(RT ヴァンダービルト社)、及びPROXEL(アイシーアイ アメリカ社)のような市販品、及びその他の既知の殺生物剤がある。典型的には、前述の殺生物剤は、インクジェットインク組成の約5wt%未満、多くの場合、約0.05wt%〜約2wt%にて含有される。
本発明の他の態様では、着色剤を基材に固定する働きのあるバインダーを含むことができる。これらのバインダーは、前述のスチレン−無水マレイン酸に加えて添加することができる。本発明における使用に適するバインダーは、典型的に、約100〜約50、000g/モルの分子量を有する。非限定的な例として、ポリエステル、ポリエステル−メラニン、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリル酸−アルキルアクリレートコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、スチレン−マレイン酸−アルキルアクリレートコポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸−アルキルアクリレートコポリマー、スチレン−マレイン酸半エステルコポリマー、ビニルナフタレン−アクリル酸コポリマー、ビニルナフタレン−マレイン酸コポリマー、及びそれらの塩が挙げられる。当該バインダーが微粒子分散物の形態である場合は、液体ビヒクルの一部であると考えずに、液体ビヒクルに保持されていると考える。
本発明の一態様では、インクジェットインク組成物は、実質的に、界面活性剤を含まない。しかしながら、界面活性剤を使用することもでき、使用し得る界面活性剤には、アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(PEO)ブロックコポリマー、アセチレン系PEO、PEOエステル、PEOアミン、PEOアミド、及びジメチコンコポリオールなどの一般的な水溶性界面活性剤が含まれる。使用する場合は、界面活性剤は、インクジェットインク組成物の0.001wt%〜10wt%にて存在させ得、一実施形態では、0.001wt%〜0.1wt%存在させ得る。
以下の実施例において、現在最もよく知られている本発明の実施形態を説明する。しかし、以下は、本発明の原理の応用について単に例示又は説明するものに過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替の組成物、方法、並びにシステムを案出できる。添付の特許請求の範囲は、前述の修正並びに変更を網羅するものとする。これまで特定のものに関して本発明を説明してきたが、以下の実施例は、本発明の最も実用的であり且つ好ましい実施形態と現在考えられるものに関してさらに詳述するものである。
本発明による顔料系ブラックインクジェットインクを表1に示した範囲内の成分を使用して調製した。約8のpHを有するブラックインクを形成すべく、当該成分を混合した。
Figure 0004521304
表1に記載の組成範囲に起因して必要となる場合は、水酸化アンモニウム又は硝酸を用いてpHを約8に調節することができる。例えば、異なる2種の酸官能化顔料を、1:3〜3:1の重量比にて混合することができる。本実施例では、第1の顔料をパラアミノ安息香酸で官能化し、第2の顔料をイソフタル酸で官能化した。
同一のペン/プリンタ/媒体システムを用いて、表1記載の調合物の種々のものに関し、周波数応答並びに射出方向の誤りについて試験した。用いたペンはHP C6656Aであり、用紙はHewlett−Packard Plain Paperであり、使用プリンタはHP Photosmart 7000シリーズであった。試験用の種々のインクを調製後、1ページ印刷診断を実行して印刷特性の差異を判定した。用いた診断は、射出周波数範囲(スループット)にわたって、ノズル性能を強調し得ると共に、印刷品質を決定できるよう選択した。詳細には、調製したインクの各々を、3.0kHz〜19.8kHzの範囲にわたって射出した。周波数応答の診断は、一連の射出ドットを直線状に印刷するよう設計した。所望の直線性からの偏差は、隣接するドット列の重なりを観察することで明白に確認できた。この重なりは、通常、バンディング又はストリッピングと呼ばれる明暗線に帰着する。表1記載の組成範囲に従って調製したインクは、典型的に、許容し得る性能を示した。加えて、表1に従って調製したインクを用いることで、許容し得るブリードと改善されたエッジ尖鋭度、並びにその他の印刷品質の諸特性を達成することが可能である。
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の修正、変更、省略、並びに置換をなし得ることは明らかであろう。それ故、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

Claims (13)

  1. a)総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒を含む液体ビヒクルであって、1,5−ペンタンジオール、エトキシル化グリセロール、2−ピロリジノン、及び2−メチル−1,3−プロパンジオールの全ての有機溶媒を含む液体ビヒクルと、
    b)0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、
    c)0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーと、
    を含み、前記スチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量が約400Mw〜15,000Mwである、インクジェットインク組成物。
  2. 前記酸官能化顔料固形物の平均径が、5nm〜10μmである、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  3. 0.001wt%〜0.3wt%の界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  4. 0.05wt%〜4wt%のアンモニウム塩をさらに含む、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  5. 前記アンモニウム塩が、安息香酸アンモニウムである、請求項4に記載のインクジェットインク組成物。
  6. 前記酸官能化顔料を形成するのに使用される酸の前駆体が、パラ−アミノ安息香酸、イソフタル酸、三酸、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  7. 12kHz〜25kHzの射出周波数にて確実に噴射できる、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  8. 10pL〜20pLの液滴容積にて確実に噴射できる、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  9. TRIS緩衝剤をさらに含む、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
  10. a)請求項1〜9の何れか1項に記載のインクジェットインクと、
    b)前記インクジェットインクが充填された印刷ヘッドと、
    を具備する、基材上に画像を印刷するシステム。
  11. インクジェット画像を高速印刷する方法であって、インクジェットインクを12kHz〜25kHzの射出周波数にて媒体基材上にインクジェットするステップを包含し、前記インクジェットインク組成物が、
    a)水と、総含量5wt%〜35wt%の有機溶媒とを含んでいる液体ビヒクルであって、1,5−ペンタンジオール、エトキシル化グリセロール、2−ピロリジノン、及び2−メチル−1,3−プロパンジオールの全ての有機溶媒を含む液体ビヒクルと、
    b)0.1wt%〜6wt%の酸官能化顔料固形物と、
    c)0.001wt%〜6wt%のスチレン−無水マレイン酸コポリマーと、
    を含み、前記スチレン−無水マレイン酸コポリマーの重量平均分子量が400Mw〜15,000Mwである、方法。
  12. 前記射出周波数が、15kHz〜25kHzであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. インクジェットするステップが、約10pL〜20pLのドロップ容積においてであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
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