JP2004035697A - インクならびにインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質の画像を形成することができるインク、ならびにそのインクを用いたインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する、顔料と定着剤とからなる固形成分を含むインクであって、上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整する。
【選択図】 なし
【解決手段】表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する、顔料と定着剤とからなる固形成分を含むインクであって、上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクに関し、特にインクジェット記録方式により画像を形成する際に使用されるインク、ならびにそのインクを使用するインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクは、紙等の記録材に付着することにより画像を形成する。このようなインクは、例えばインクジェット方式の画像形成装置に用いることができる。上記インクジェット方式の画像形成装置は、簡単な機器構成で、しかも、要求がありしだいインクを記録材上に吐出して印刷することができるなど種々の利点を有しているため、近年、急速に普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このインクジェット記録方式では、記録紙上で形成されるインクドットの大きさが小さいと、形成される画像においれバンディングや白筋等が生じ、品質の悪い画像が形成されてしまう。
【0004】
つまり、適切なインクドット径を設計しないと、トータルバランスのよい画像を形成することができないという問題がある。顔料を使用した場合は、インクの物性により、同一液滴でもドット径が大きく影響を受けるため、このインクドットの大きさをコントロールするためには、記録紙上に付着するインクの液滴量及びインク自体の性質が重要となってくる。
【0005】
一方、顔料を用いたインクの物性とト゛ット径が明らかにされておらず常に高画質の印字品位を確保できなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高品質の画像を形成することができるインク、ならびにそのインクを用いたインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクは、上記課題を解決するために、表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する。また、顔料インクを使用する場合、顔料と定着剤とからなる固形成分により同一液適量でも記録材上で形成されるインクドットが、大きく変化する。
【0008】
そのため、本発明のインクは、上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されていることを特徴としている。
【0009】
本発明にかかるインクは、そのインク中の固形成分の濃度mにより、形成されるドット径Dを変えられる。つまり、
D3=(−850m+13000)×V
または
L≦D
とする事により、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0010】
つまり、上記インクを用いれば、液滴量を一定にし、濃度mを調整することにより、所望の大きさのドット径を形成することができる。したがって、上記インクを用いれば、所望の画像を高品質に形成することができる。
【0011】
上記インクは、上記の構成に加えて、25℃における粘度が、5×10−3Pa・s以上、20×10−3Pa・s以下であることが好ましい。この構成によれば、上記インクが一般に使用されるインクの約3×10−3Pa・sより高粘度であるため、インクが記録剤に付着したときのインクの滲みを少なくすることができ、良好な画像を得ることができる。さらに、上記インクは、粘度が20×10−3Pa・sを超えると凝集しやすくなり、取り扱いが困難となるため、20×10−3Pa・s以下にすることが好ましい。
【0012】
また、上記定着剤は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記定着剤はインク中で溶剤に溶けた状態となり、凝集しにくくなり、取り扱いが容易となる。
【0013】
本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、上記の課題を解決するために、ノズルからインクを吐出し、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成方法であって、上記インクを用いたとき、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することを特徴としている。
【0014】
上記の方法によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0015】
さらに、L×√2≦Dとなるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することが好ましい。これにより、画像におけるピクセルの対角線の長さよりドット径Dが大きくすることができる。したがって、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等をより一層抑制することができる。したがって、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0016】
また、本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、上記の方法に加えて、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出することが好ましい。
【0017】
上記の方法によれば、より粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができる。したがって、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0018】
本発明のインクジェット方式の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、インクを吐出するノズルを備える印字ヘッドを有する、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置であって、上記インクを用いる場合に、上記印字ヘッドは、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、上記ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)が調整されていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0020】
また、上記印字ヘッドは、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出する圧電素子を備えることが好ましい。これにより、より粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができる。したがって、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態にかかるインクは、液滴となって記録材に付着することにより画像を形成するものである。上記インクは、顔料と定着剤とからなる固形成分、および水性媒体を含む。上記インクにおいて、上記固形成分は水性媒体に均一に分散している。
【0022】
また、本実施の形態にかかるインクは、表面にコート層を有している記録材に付着することにより画像を形成する、顔料と定着剤とからなる固形成分を含むインクであって、上記インクの量がV(pl)のとき、
上記記録材に付着したインクのドット径D(μm)が、
D3=(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されているものである。
【0023】
上記の関係は、インクジェットプリンターから吐出される固形成分が濃度mのインクの液滴量Vと、そのインクが記録材に付着したときに形成されるドット径Dとの関係を調べることにより導き出した。
【0024】
上記インクには、表1に示す固形成分を含む試料1〜12のインクを用いた。つまり、上記インクとして、上記組成の固形成分、ポリエチレングリコール、有機溶剤、界面活性剤、および純水を攪拌混合したものを使用した。また、上記記録材には、シャープ社製スーパーフォト光沢紙を使用した。また上記インクにおける固形成分の濃度mは、表1に示す通りである。
【0025】
【表1】
【0026】
表1における、ポリエステルには東洋紡MD1400を用い、アクリルにはジョンソンポリマー製 joncryl 70を用いて、液滴量Vにおけるドット径Dを調べた。上記試料1〜12のインクについて、それぞれ、3pl、9pl、15pl、21plの液滴量Vにおけるドット径Dを表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
この表2より、インクの液滴量Vと、ドット径Dとの関係を示す図1のグラフが得られた。
【0029】
図1に示すように、得られたグラフは、
D3=k×V(傾きをkとする)
で表されるD3とVとに関する一次関数となっていた。各試料1〜12における一次関数の傾きkは、順に、12415、11483、10327、10327、9712.5、8337.2、11483、10821、7934.6、6003.2、8337.2、6400.3であった。また、これら傾きkと、濃度mとは、
k=−850m×13000
の関係を満たすことが導き出された。
【0030】
つまり、上記インクは、液滴量Vを一定とした場合、濃度mを調整することにより、ドット径Dを調整することができる。また、言い換えれば、濃度mを一定にした場合、液滴量Vを調整することによりドット径Dを調整することができる。したがって、上記インクを用いれば、所望の画像を高品質に形成することが容易となる。
【0031】
さらに、上記の式は、他の光沢紙、例えば、コニカ社製photolikeQP(薄手および厚手)、ピクトリコ社製ハイグロス・フォトペーパー(HGP−A5)、Canon社製プレミアムフォトペーパー、Epson社製PM写真用紙においても同様に導き出された。
【0032】
また、上記インクは、表1に示すように7×10−3Pa・sとしている。しかしながら、25℃における粘度の下限値が5×10−3Pa・s以上が好ましく、7×10−3Pa・s以上がより好ましく、10×10−3Pa・s以上がさらにより好ましい。これは、上記インクが一般に使用されるインクの約3×10−3Pa・sより高粘度であるため、インクが記録剤に付着したときのインクの滲みを少なくすることができ、良好な画像を得ることができるためである。さらに、上記インクは、粘度の上限値が、20×10−3Pa・s以下であることが好ましい。これは、インクが20×10−3Pa・sを超えると凝集しやすくなり、取り扱いが困難となるためである。例えば、インクをインクジェット方式等によりノズルから吐出する場合には、ノズル中で詰まりやすく、使用することが困難である。ここで、10−3Pa・sは、1cpsを表す。
【0033】
また、上記インクにおける固形成分の濃度mの下限値は、0.75%が好ましく、1.25%がより好ましく、1.5%がより一層好ましい。さらに、上限値は、8%が好ましく、7.58%がより好ましく、5.5%がより一層好ましい。
【0034】
また、固形成分における定着剤の量は、顔料の1/3〜2倍にすることが望ましい。
【0035】
また、上記インクにおける定着剤は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記定着剤はインク中で溶剤に溶けた状態となり、凝集しにくくなる。したがって、上記インクをインクジェット方式等によりノズルから吐出して画像を形成する場合等には、インクはノズル中で詰まりにくくなっており、取り扱いが容易となる。
【0036】
上記顔料には、特に限定されるわけではないが、水性顔料が好ましく使用される。この水性顔料としては、特に限定されるわけではないが、以下の顔料を使用することができる。
【0037】
黒色系顔料としては、インクジェットプリンター用インク組成物に従来から使用されているカーボンブラックを使用することができる。具体的には、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラックおよびチャンネルブラック等が挙げられる。
【0038】
青色系顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、56、60および63等が挙げられる。
【0039】
赤色系顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、17、22、23、31、38、48、48:2(Ba)、48:2(Ca)、48:3(Sr)、48:4(Mn)、49:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、63:2、66、168、170、172、177、178、17および219等が挙げられる。
【0040】
黄色系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42、53、55、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、1201、128、138および153等が挙げられる。
【0041】
前記の顔料以外にも、たとえば、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)などの黒色有機顔料、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38、C.I.ピグメントバイオレット1、2、19、32、C.I.ピグメントグリーン1、4、36、およびC.I.ピグメントブラウン3、5、25、26などを使用することもできる。
【0042】
また、本発明における顔料としては、特に限定されるものではないが、分散剤が不要のタイプの顔料(自己分散型顔料)を好適に使用することができる。インク中で分散しにくい顔料の場合、分散剤を添加することにより顔料を分散させればよい。上記分散剤が不要のタイプの顔料は、たとえば、分散性付与基(表面活性基)を付与するための酸化処理あるいはその他の表面処理を施した顔料である。上記の処理を施した顔料の表面は、カルボキシル基やスルホン酸基等の分散性付与基がリッチになっているため、分散剤を使用しなくともインク中で分散し得る。
【0043】
上記自己分散型顔料は、たとえば、以下のようにして調整することができる。まず、顔料を溶剤に添加し、これをハイスピードミキサーなどで高速せん断分散するか、またはビーズミルやジェットミルなどで衝撃分散することによりスラリー状の顔料分散液を得る。得られた顔料分散液をゆっくり攪拌しながら、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸などの処理剤を添加し、該顔料分散液を60℃〜200℃に加熱処理する。これにより、前記顔料の表面に前記分散性付与基を導入する。そして、該顔料分散液から溶剤を除去した後、水洗、限外ろ過、逆浸透、遠心分離、ろ過などを繰り返して、前記処理剤を取り除くことにより自己分散型顔料を得ることができる。また、真空プラズマなどの物理的処理や上記以外の化学的処理によっても、分散性付与基となる官能基または該官能基を含む分子を顔料の表面に付与することができ、自己分散型顔料を調整することができる。
【0044】
上記定着剤には、特に限定されるものではないが、水溶性樹脂が好適に用いられる。この水溶性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0045】
上記水性媒体とは、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物である。上記水溶性有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキルグリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、へキシレングリコール、などのアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンおよび1,3−ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
【0046】
これらの水溶性有機溶剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびエチルカルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性有機溶剤が好ましい。水性媒体において、これらの水溶性有機溶剤を配合することにより、インクの印字ヘッドからの吐出性能を向上させることができる。
【0047】
また、上記インクには、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、防腐剤および乾燥防止剤等の添加物を添加してもよい。
【0048】
上記界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0049】
アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリルおよびアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルアリールエーテルリン酸塩等が挙げられる。
【0050】
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩およびイミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0051】
両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシンおよびイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0052】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシドおよびポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0053】
上記消泡剤としては、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0054】
上記防腐剤としては、安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オンおよび3,4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。本実施の形態において上記防腐剤は、防カビ剤、防錆剤を含む概念とする。
【0055】
上記乾燥防止剤としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素またはそれらの誘導体等が挙げられる。
【0056】
本実施の形態において使用される記録材としては、特に限定されるものではなく、いわゆる普通紙、コート紙、光沢紙等を使用することができる。しかしながら、エッジ部の滲みを少なくするためには、コート紙または光沢紙が好ましい。コート紙または光沢紙としては、たとえば、紙、RCペーパー、PETフィルム等の基材の上にインク吸収層をコーティングしたものが挙げられる。このコーティング層としては、種々の材料が開発されており、いかなるものを使用しても構わない。
【0057】
上記光沢紙は、非吸収性支持体(白色フィルムや写真印画紙などベースとなる物)上に、多孔質のインク受容体(インクを吸収/定着させる層。超微粒子シリカ、PVA、カチオン性ポリマーなどで構成される)等からなるコート層を設けて高インク吸収性、高乾燥性、高発色性、高耐水性を可能とした記録材である。この光沢紙は、インクジェット方式において好適に用いられ、以下
1)高画質化:高い発色(透明な皮膜)、シャープな色調、高平滑・高光沢の質感、好ましい白さ
2)高耐久性:インクに対する高耐光性・酸化性ガス耐性、低い滲み、耐水性
3)高速化:高インク吸収速度、高乾燥性(多孔質皮膜)
の好ましい性質を有する。
【0058】
本実施の形態にかかるインクは、上記光沢紙等の表面にコート層を有する記録材に印字することにより、滲みが抑制され、高品質の画像を形成することができる。
【0059】
上記インクは、インクジェット方式の画像形成装置(インクジェット画像形成装置)において好適に使用されるものである。
【0060】
ここで、本実施の形態における上記インクを使用するインクジェットプリンター(インクジェット方式の画像形成装置)について、図2に基づいて説明する。図2に示すように、インクジェットプリンター1は、給紙部2、インクカートリッジ5を装着したキャリッジ4を備えている。上記キャリッジ4には、ノズルを有する印字ヘッドが備えられている。上記インクカートリッジ5には、上記インクが充填されている。
【0061】
画像を形成する際、上記インクジェットプリンター1では、給紙部2から用紙(記録材)3と所定の方向に搬送される。上記キャリッジ4は用紙搬送方向と直交する方向に往復する。また、上記キャリッジ4の印字ヘッドにおけるノズルからは、上記インクカートリッジ5から供給されるインクが上記用紙3に対して吐出される。この吐出されたインク(液滴)が上記用紙3に付着することにより画像が形成される。
【0062】
また、上記インクジェットプリンター1においては、ノズルから吐出されるインクの量(インクの液滴量)が調整されるようになっている。このインクの量は、例えば、吐出されるインクにおける固形成分の濃度、形成される画像の解像度等の条件に応じて調整されればよい。上記インクジェット画像形成装置1では、上記条件に応じて電子信号等が発生され、この電気信号によりノズルから吐出されるインクの量が調整される。
【0063】
上記印字ヘッドにおいてノズルからインクを吐出する方式としては、特に限定されるものではないが、たとえば熱エネルギーによりインクに吐出力を与える方式(吐出方式)、機械的にインクに吐出力を与える方式(吐出方式)などが挙げられる。しかしながら、樹脂等の固形成分を含むインク(顔料インク)の場合には、コゲーションを防止するため、機械的な吐出方式のヘッドが好ましい。この機械的な吐出方式の印字ヘッドとしては、圧電素子を用いた印字ヘッドが挙げられる。
【0064】
たとえば5×10−3Pa・s以上の高粘度のインクを用いる場合には、せん断応力歪を吐出力の発生に使用した圧電素子を用いる印字ヘッドが特に好ましい。この圧電素子を用いた印字ヘッドを用いることにより、高粘度のインクを用いる場合においても、安定した液滴量でインクを吐出することができる。したがって、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0065】
上記インクジェットプリンターは、記録材上で形成される画像の最小ピクセルにインクの液滴を吐出し、ドットを形成することにより画像を形成する。本実施の形態においては、記録材上に形成されるドット径Dは、最小ピクセルの1辺の長さL(μm)に対して、
L≦D
の関係が成り立つように上記インクが吐出される。この関係は、
L3≦(−850m+13000)×V
を言い換えることができる。上記インクジェットプリンターでは、インクの吐出量(インクの液滴量)Vを調整することにより、形成されるドット径を調整し、これにより、L≦Dの関係を実現している。上記関係が成り立つことにより、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0066】
例えば、600dpiで画像形成を行った場合、1ピクセルにおける1辺の長さLは、約42μmとなる。このとき、インクの液滴量Vを、L3≦(−850m+13000)×Vが成り立つように、インクにおける固形成分の濃度mに応じて調整すればよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明のインクは、上記のように、表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する。また、顔料インクを使用する場合、顔料と定着剤とからなる固形成分により同一液適量でも記録材上で形成されるインクドットが、大きく変化する。
【0068】
そのため、本発明のインクは、上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されている構成である。
【0069】
本発明にかかるインクは、そのインク中の固形成分の濃度mにより、形成されるドット径Dを変えられる。つまり、
D3=(−850m+13000)×V
または
L≦D
とする事により、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0070】
上記のように、本発明にかかるインクは、そのインク中の固形成分の濃度mにより、形成されるドット径Dが決定される。つまり、上記インクを用いれば、液滴量を一定にし、濃度mを調整することにより、所望の大きさのドット径を形成することができる。したがって、上記インクを用いれば、所望の画像を高品質に形成することができるという効果を奏する。
【0071】
上記インクは、上記の構成に加えて、25℃における粘度が、5×10−3Pa・s以上、20×10−3Pa・s以下であることが好ましい。この構成によれば、上記インクが一般に使用されるインクの約3×10−3Pa・sより高粘度であるため、インクが記録剤に付着したときのインクの滲みを少なくすることができ、良好な画像を得ることができる。さらに、上記インクは、粘度が20×10−3Pa・sを超えると凝集しやすくなり、取り扱いが困難となるため、20×10−3Pa・s以下にすることが好ましい。
【0072】
また、上記定着剤は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記定着剤はインク中で溶剤に溶けた状態となり、凝集しにくくなり、取り扱いが容易となる。
【0073】
本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、以上のように、ノズルからインクを吐出し、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成方法であって、上記インクを用いたとき、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整する方法である。
【0074】
上記の方法によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができ、より高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0075】
さらに、L×√2≦Dとなるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することが好ましい。これにより、画像におけるピクセルの対角線の長さよりドット径Dが大きくすることができ、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等をより一層抑制することができる。したがって、より一層高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0076】
また、本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、上記の方法に加えて、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出することが好ましい。
【0077】
上記の方法によれば、より粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができ、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0078】
本発明のインクジェット方式の画像形成装置は、以上のように、インクを吐出するノズルを備える印字ヘッドを有する、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置であって、上記インクを用いる場合に、上記印字ヘッドは、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、上記ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)が調整されている構成である。
【0079】
上記の構成によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0080】
また、上記印字ヘッドは、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出する圧電素子を備えることが好ましい。これにより、粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができ、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるインクの液滴量とドット径との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施形態にかかるインクジェットプリンターの斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンター(インクジェット方式の画像形成装置)
2 給紙部
3 用紙(記録材)
4 キャリッジ
5 インクカートリッジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクに関し、特にインクジェット記録方式により画像を形成する際に使用されるインク、ならびにそのインクを使用するインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクは、紙等の記録材に付着することにより画像を形成する。このようなインクは、例えばインクジェット方式の画像形成装置に用いることができる。上記インクジェット方式の画像形成装置は、簡単な機器構成で、しかも、要求がありしだいインクを記録材上に吐出して印刷することができるなど種々の利点を有しているため、近年、急速に普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このインクジェット記録方式では、記録紙上で形成されるインクドットの大きさが小さいと、形成される画像においれバンディングや白筋等が生じ、品質の悪い画像が形成されてしまう。
【0004】
つまり、適切なインクドット径を設計しないと、トータルバランスのよい画像を形成することができないという問題がある。顔料を使用した場合は、インクの物性により、同一液滴でもドット径が大きく影響を受けるため、このインクドットの大きさをコントロールするためには、記録紙上に付着するインクの液滴量及びインク自体の性質が重要となってくる。
【0005】
一方、顔料を用いたインクの物性とト゛ット径が明らかにされておらず常に高画質の印字品位を確保できなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高品質の画像を形成することができるインク、ならびにそのインクを用いたインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクは、上記課題を解決するために、表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する。また、顔料インクを使用する場合、顔料と定着剤とからなる固形成分により同一液適量でも記録材上で形成されるインクドットが、大きく変化する。
【0008】
そのため、本発明のインクは、上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されていることを特徴としている。
【0009】
本発明にかかるインクは、そのインク中の固形成分の濃度mにより、形成されるドット径Dを変えられる。つまり、
D3=(−850m+13000)×V
または
L≦D
とする事により、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0010】
つまり、上記インクを用いれば、液滴量を一定にし、濃度mを調整することにより、所望の大きさのドット径を形成することができる。したがって、上記インクを用いれば、所望の画像を高品質に形成することができる。
【0011】
上記インクは、上記の構成に加えて、25℃における粘度が、5×10−3Pa・s以上、20×10−3Pa・s以下であることが好ましい。この構成によれば、上記インクが一般に使用されるインクの約3×10−3Pa・sより高粘度であるため、インクが記録剤に付着したときのインクの滲みを少なくすることができ、良好な画像を得ることができる。さらに、上記インクは、粘度が20×10−3Pa・sを超えると凝集しやすくなり、取り扱いが困難となるため、20×10−3Pa・s以下にすることが好ましい。
【0012】
また、上記定着剤は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記定着剤はインク中で溶剤に溶けた状態となり、凝集しにくくなり、取り扱いが容易となる。
【0013】
本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、上記の課題を解決するために、ノズルからインクを吐出し、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成方法であって、上記インクを用いたとき、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することを特徴としている。
【0014】
上記の方法によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0015】
さらに、L×√2≦Dとなるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することが好ましい。これにより、画像におけるピクセルの対角線の長さよりドット径Dが大きくすることができる。したがって、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等をより一層抑制することができる。したがって、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0016】
また、本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、上記の方法に加えて、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出することが好ましい。
【0017】
上記の方法によれば、より粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができる。したがって、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0018】
本発明のインクジェット方式の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、インクを吐出するノズルを備える印字ヘッドを有する、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置であって、上記インクを用いる場合に、上記印字ヘッドは、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、上記ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)が調整されていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0020】
また、上記印字ヘッドは、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出する圧電素子を備えることが好ましい。これにより、より粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができる。したがって、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態にかかるインクは、液滴となって記録材に付着することにより画像を形成するものである。上記インクは、顔料と定着剤とからなる固形成分、および水性媒体を含む。上記インクにおいて、上記固形成分は水性媒体に均一に分散している。
【0022】
また、本実施の形態にかかるインクは、表面にコート層を有している記録材に付着することにより画像を形成する、顔料と定着剤とからなる固形成分を含むインクであって、上記インクの量がV(pl)のとき、
上記記録材に付着したインクのドット径D(μm)が、
D3=(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されているものである。
【0023】
上記の関係は、インクジェットプリンターから吐出される固形成分が濃度mのインクの液滴量Vと、そのインクが記録材に付着したときに形成されるドット径Dとの関係を調べることにより導き出した。
【0024】
上記インクには、表1に示す固形成分を含む試料1〜12のインクを用いた。つまり、上記インクとして、上記組成の固形成分、ポリエチレングリコール、有機溶剤、界面活性剤、および純水を攪拌混合したものを使用した。また、上記記録材には、シャープ社製スーパーフォト光沢紙を使用した。また上記インクにおける固形成分の濃度mは、表1に示す通りである。
【0025】
【表1】
【0026】
表1における、ポリエステルには東洋紡MD1400を用い、アクリルにはジョンソンポリマー製 joncryl 70を用いて、液滴量Vにおけるドット径Dを調べた。上記試料1〜12のインクについて、それぞれ、3pl、9pl、15pl、21plの液滴量Vにおけるドット径Dを表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
この表2より、インクの液滴量Vと、ドット径Dとの関係を示す図1のグラフが得られた。
【0029】
図1に示すように、得られたグラフは、
D3=k×V(傾きをkとする)
で表されるD3とVとに関する一次関数となっていた。各試料1〜12における一次関数の傾きkは、順に、12415、11483、10327、10327、9712.5、8337.2、11483、10821、7934.6、6003.2、8337.2、6400.3であった。また、これら傾きkと、濃度mとは、
k=−850m×13000
の関係を満たすことが導き出された。
【0030】
つまり、上記インクは、液滴量Vを一定とした場合、濃度mを調整することにより、ドット径Dを調整することができる。また、言い換えれば、濃度mを一定にした場合、液滴量Vを調整することによりドット径Dを調整することができる。したがって、上記インクを用いれば、所望の画像を高品質に形成することが容易となる。
【0031】
さらに、上記の式は、他の光沢紙、例えば、コニカ社製photolikeQP(薄手および厚手)、ピクトリコ社製ハイグロス・フォトペーパー(HGP−A5)、Canon社製プレミアムフォトペーパー、Epson社製PM写真用紙においても同様に導き出された。
【0032】
また、上記インクは、表1に示すように7×10−3Pa・sとしている。しかしながら、25℃における粘度の下限値が5×10−3Pa・s以上が好ましく、7×10−3Pa・s以上がより好ましく、10×10−3Pa・s以上がさらにより好ましい。これは、上記インクが一般に使用されるインクの約3×10−3Pa・sより高粘度であるため、インクが記録剤に付着したときのインクの滲みを少なくすることができ、良好な画像を得ることができるためである。さらに、上記インクは、粘度の上限値が、20×10−3Pa・s以下であることが好ましい。これは、インクが20×10−3Pa・sを超えると凝集しやすくなり、取り扱いが困難となるためである。例えば、インクをインクジェット方式等によりノズルから吐出する場合には、ノズル中で詰まりやすく、使用することが困難である。ここで、10−3Pa・sは、1cpsを表す。
【0033】
また、上記インクにおける固形成分の濃度mの下限値は、0.75%が好ましく、1.25%がより好ましく、1.5%がより一層好ましい。さらに、上限値は、8%が好ましく、7.58%がより好ましく、5.5%がより一層好ましい。
【0034】
また、固形成分における定着剤の量は、顔料の1/3〜2倍にすることが望ましい。
【0035】
また、上記インクにおける定着剤は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記定着剤はインク中で溶剤に溶けた状態となり、凝集しにくくなる。したがって、上記インクをインクジェット方式等によりノズルから吐出して画像を形成する場合等には、インクはノズル中で詰まりにくくなっており、取り扱いが容易となる。
【0036】
上記顔料には、特に限定されるわけではないが、水性顔料が好ましく使用される。この水性顔料としては、特に限定されるわけではないが、以下の顔料を使用することができる。
【0037】
黒色系顔料としては、インクジェットプリンター用インク組成物に従来から使用されているカーボンブラックを使用することができる。具体的には、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラックおよびチャンネルブラック等が挙げられる。
【0038】
青色系顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、56、60および63等が挙げられる。
【0039】
赤色系顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、17、22、23、31、38、48、48:2(Ba)、48:2(Ca)、48:3(Sr)、48:4(Mn)、49:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、63:2、66、168、170、172、177、178、17および219等が挙げられる。
【0040】
黄色系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42、53、55、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、1201、128、138および153等が挙げられる。
【0041】
前記の顔料以外にも、たとえば、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)などの黒色有機顔料、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38、C.I.ピグメントバイオレット1、2、19、32、C.I.ピグメントグリーン1、4、36、およびC.I.ピグメントブラウン3、5、25、26などを使用することもできる。
【0042】
また、本発明における顔料としては、特に限定されるものではないが、分散剤が不要のタイプの顔料(自己分散型顔料)を好適に使用することができる。インク中で分散しにくい顔料の場合、分散剤を添加することにより顔料を分散させればよい。上記分散剤が不要のタイプの顔料は、たとえば、分散性付与基(表面活性基)を付与するための酸化処理あるいはその他の表面処理を施した顔料である。上記の処理を施した顔料の表面は、カルボキシル基やスルホン酸基等の分散性付与基がリッチになっているため、分散剤を使用しなくともインク中で分散し得る。
【0043】
上記自己分散型顔料は、たとえば、以下のようにして調整することができる。まず、顔料を溶剤に添加し、これをハイスピードミキサーなどで高速せん断分散するか、またはビーズミルやジェットミルなどで衝撃分散することによりスラリー状の顔料分散液を得る。得られた顔料分散液をゆっくり攪拌しながら、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸などの処理剤を添加し、該顔料分散液を60℃〜200℃に加熱処理する。これにより、前記顔料の表面に前記分散性付与基を導入する。そして、該顔料分散液から溶剤を除去した後、水洗、限外ろ過、逆浸透、遠心分離、ろ過などを繰り返して、前記処理剤を取り除くことにより自己分散型顔料を得ることができる。また、真空プラズマなどの物理的処理や上記以外の化学的処理によっても、分散性付与基となる官能基または該官能基を含む分子を顔料の表面に付与することができ、自己分散型顔料を調整することができる。
【0044】
上記定着剤には、特に限定されるものではないが、水溶性樹脂が好適に用いられる。この水溶性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0045】
上記水性媒体とは、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物である。上記水溶性有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキルグリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、へキシレングリコール、などのアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンおよび1,3−ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
【0046】
これらの水溶性有機溶剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびエチルカルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性有機溶剤が好ましい。水性媒体において、これらの水溶性有機溶剤を配合することにより、インクの印字ヘッドからの吐出性能を向上させることができる。
【0047】
また、上記インクには、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、防腐剤および乾燥防止剤等の添加物を添加してもよい。
【0048】
上記界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0049】
アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリルおよびアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルアリールエーテルリン酸塩等が挙げられる。
【0050】
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩およびイミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0051】
両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシンおよびイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0052】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシドおよびポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0053】
上記消泡剤としては、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0054】
上記防腐剤としては、安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オンおよび3,4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。本実施の形態において上記防腐剤は、防カビ剤、防錆剤を含む概念とする。
【0055】
上記乾燥防止剤としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素またはそれらの誘導体等が挙げられる。
【0056】
本実施の形態において使用される記録材としては、特に限定されるものではなく、いわゆる普通紙、コート紙、光沢紙等を使用することができる。しかしながら、エッジ部の滲みを少なくするためには、コート紙または光沢紙が好ましい。コート紙または光沢紙としては、たとえば、紙、RCペーパー、PETフィルム等の基材の上にインク吸収層をコーティングしたものが挙げられる。このコーティング層としては、種々の材料が開発されており、いかなるものを使用しても構わない。
【0057】
上記光沢紙は、非吸収性支持体(白色フィルムや写真印画紙などベースとなる物)上に、多孔質のインク受容体(インクを吸収/定着させる層。超微粒子シリカ、PVA、カチオン性ポリマーなどで構成される)等からなるコート層を設けて高インク吸収性、高乾燥性、高発色性、高耐水性を可能とした記録材である。この光沢紙は、インクジェット方式において好適に用いられ、以下
1)高画質化:高い発色(透明な皮膜)、シャープな色調、高平滑・高光沢の質感、好ましい白さ
2)高耐久性:インクに対する高耐光性・酸化性ガス耐性、低い滲み、耐水性
3)高速化:高インク吸収速度、高乾燥性(多孔質皮膜)
の好ましい性質を有する。
【0058】
本実施の形態にかかるインクは、上記光沢紙等の表面にコート層を有する記録材に印字することにより、滲みが抑制され、高品質の画像を形成することができる。
【0059】
上記インクは、インクジェット方式の画像形成装置(インクジェット画像形成装置)において好適に使用されるものである。
【0060】
ここで、本実施の形態における上記インクを使用するインクジェットプリンター(インクジェット方式の画像形成装置)について、図2に基づいて説明する。図2に示すように、インクジェットプリンター1は、給紙部2、インクカートリッジ5を装着したキャリッジ4を備えている。上記キャリッジ4には、ノズルを有する印字ヘッドが備えられている。上記インクカートリッジ5には、上記インクが充填されている。
【0061】
画像を形成する際、上記インクジェットプリンター1では、給紙部2から用紙(記録材)3と所定の方向に搬送される。上記キャリッジ4は用紙搬送方向と直交する方向に往復する。また、上記キャリッジ4の印字ヘッドにおけるノズルからは、上記インクカートリッジ5から供給されるインクが上記用紙3に対して吐出される。この吐出されたインク(液滴)が上記用紙3に付着することにより画像が形成される。
【0062】
また、上記インクジェットプリンター1においては、ノズルから吐出されるインクの量(インクの液滴量)が調整されるようになっている。このインクの量は、例えば、吐出されるインクにおける固形成分の濃度、形成される画像の解像度等の条件に応じて調整されればよい。上記インクジェット画像形成装置1では、上記条件に応じて電子信号等が発生され、この電気信号によりノズルから吐出されるインクの量が調整される。
【0063】
上記印字ヘッドにおいてノズルからインクを吐出する方式としては、特に限定されるものではないが、たとえば熱エネルギーによりインクに吐出力を与える方式(吐出方式)、機械的にインクに吐出力を与える方式(吐出方式)などが挙げられる。しかしながら、樹脂等の固形成分を含むインク(顔料インク)の場合には、コゲーションを防止するため、機械的な吐出方式のヘッドが好ましい。この機械的な吐出方式の印字ヘッドとしては、圧電素子を用いた印字ヘッドが挙げられる。
【0064】
たとえば5×10−3Pa・s以上の高粘度のインクを用いる場合には、せん断応力歪を吐出力の発生に使用した圧電素子を用いる印字ヘッドが特に好ましい。この圧電素子を用いた印字ヘッドを用いることにより、高粘度のインクを用いる場合においても、安定した液滴量でインクを吐出することができる。したがって、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができる。
【0065】
上記インクジェットプリンターは、記録材上で形成される画像の最小ピクセルにインクの液滴を吐出し、ドットを形成することにより画像を形成する。本実施の形態においては、記録材上に形成されるドット径Dは、最小ピクセルの1辺の長さL(μm)に対して、
L≦D
の関係が成り立つように上記インクが吐出される。この関係は、
L3≦(−850m+13000)×V
を言い換えることができる。上記インクジェットプリンターでは、インクの吐出量(インクの液滴量)Vを調整することにより、形成されるドット径を調整し、これにより、L≦Dの関係を実現している。上記関係が成り立つことにより、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0066】
例えば、600dpiで画像形成を行った場合、1ピクセルにおける1辺の長さLは、約42μmとなる。このとき、インクの液滴量Vを、L3≦(−850m+13000)×Vが成り立つように、インクにおける固形成分の濃度mに応じて調整すればよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明のインクは、上記のように、表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する。また、顔料インクを使用する場合、顔料と定着剤とからなる固形成分により同一液適量でも記録材上で形成されるインクドットが、大きく変化する。
【0068】
そのため、本発明のインクは、上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されている構成である。
【0069】
本発明にかかるインクは、そのインク中の固形成分の濃度mにより、形成されるドット径Dを変えられる。つまり、
D3=(−850m+13000)×V
または
L≦D
とする事により、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができる。
【0070】
上記のように、本発明にかかるインクは、そのインク中の固形成分の濃度mにより、形成されるドット径Dが決定される。つまり、上記インクを用いれば、液滴量を一定にし、濃度mを調整することにより、所望の大きさのドット径を形成することができる。したがって、上記インクを用いれば、所望の画像を高品質に形成することができるという効果を奏する。
【0071】
上記インクは、上記の構成に加えて、25℃における粘度が、5×10−3Pa・s以上、20×10−3Pa・s以下であることが好ましい。この構成によれば、上記インクが一般に使用されるインクの約3×10−3Pa・sより高粘度であるため、インクが記録剤に付着したときのインクの滲みを少なくすることができ、良好な画像を得ることができる。さらに、上記インクは、粘度が20×10−3Pa・sを超えると凝集しやすくなり、取り扱いが困難となるため、20×10−3Pa・s以下にすることが好ましい。
【0072】
また、上記定着剤は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。これにより、上記定着剤はインク中で溶剤に溶けた状態となり、凝集しにくくなり、取り扱いが容易となる。
【0073】
本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、以上のように、ノズルからインクを吐出し、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成方法であって、上記インクを用いたとき、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整する方法である。
【0074】
上記の方法によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができ、より高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0075】
さらに、L×√2≦Dとなるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することが好ましい。これにより、画像におけるピクセルの対角線の長さよりドット径Dが大きくすることができ、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等をより一層抑制することができる。したがって、より一層高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0076】
また、本発明のインクジェット方式の画像形成方法は、上記の方法に加えて、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出することが好ましい。
【0077】
上記の方法によれば、より粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができ、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0078】
本発明のインクジェット方式の画像形成装置は、以上のように、インクを吐出するノズルを備える印字ヘッドを有する、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置であって、上記インクを用いる場合に、上記印字ヘッドは、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、上記ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)が調整されている構成である。
【0079】
上記の構成によれば、ドット径が1ピクセルにおける1辺の長さより大きくなるので、隣接するピクセルにおいて形成されたインクのドットが重なり、バンディング、ベタ部の白筋等を抑制することができる。したがって、より高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【0080】
また、上記印字ヘッドは、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出する圧電素子を備えることが好ましい。これにより、粘度の高いインクであっても、安定した液滴量でインクを吐出することができ、ノズルから吐出するインクの液滴量をより正確に調整することができる。これにより、より一層高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるインクの液滴量とドット径との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施形態にかかるインクジェットプリンターの斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンター(インクジェット方式の画像形成装置)
2 給紙部
3 用紙(記録材)
4 キャリッジ
5 インクカートリッジ
Claims (8)
- 表面にコート層を有している記録材にインクジェット方式により付着されて画像を形成する、顔料と定着剤とからなる固形成分を含むインクであって、
上記インクの量がV(pl)のとき、画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)が、
L3≦(−850m+13000)×V
の関係を満たすように上記インクにおける上記固形成分の濃度m(重量%)が調整されていることを特徴とするインク。 - 25℃における粘度が、5×10−3Pa・s以上、20×10−3Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク。
- 上記定着剤は、水溶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインク。
- ノズルからインクを吐出し、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成方法であって、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクを用いて、
上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することを特徴とするインクジェット方式の画像形成方法。 - さらに、L×√2≦Dとなるように、ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)を調整することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット方式の画像形成方法。
- せん断歪を吐出力として上記インクを吐出することを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット方式の画像形成方法。
- インクを吐出するノズルを備える印字ヘッドを有する、上記インクを記録材に付着させることにより画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置であって、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクを用いる場合に、
上記印字ヘッドは、上記記録材に形成される画像の最小ピクセルにおける1辺の長さL(μm)に対して、上記記録材に付着した上記インクのドット径D(μm)が、
L≦D
となるように、上記ノズルから吐出される上記インクの液滴量V(pl)が調整されていることを特徴とするインクジェット方式の画像形成装置。 - 上記印字ヘッドは、せん断歪を吐出力として上記インクを吐出する圧電素子を備えることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット画像形成装置。
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JP2002193878A JP2004035697A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | インクならびにインクジェット方式の画像形成方法および画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005272839A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-10-06 | Hewlett-Packard Development Co Lp | 印刷品質及び信頼性が改善された顔料系インクジェットインク |
-
2002
- 2002-07-02 JP JP2002193878A patent/JP2004035697A/ja not_active Withdrawn
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JP2005272839A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-10-06 | Hewlett-Packard Development Co Lp | 印刷品質及び信頼性が改善された顔料系インクジェットインク |
US7678844B2 (en) | 2004-03-22 | 2010-03-16 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Pigmented ink-jet inks with improved print quality and reliability |
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