JP2006008897A - 水性インク及びインクセット - Google Patents

水性インク及びインクセット Download PDF

Info

Publication number
JP2006008897A
JP2006008897A JP2004189907A JP2004189907A JP2006008897A JP 2006008897 A JP2006008897 A JP 2006008897A JP 2004189907 A JP2004189907 A JP 2004189907A JP 2004189907 A JP2004189907 A JP 2004189907A JP 2006008897 A JP2006008897 A JP 2006008897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
water
carbon black
based ink
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004189907A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
Mikio Sanada
幹雄 真田
Tomonari Watanabe
智成 渡邉
Yui Tokuda
愉衣 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004189907A priority Critical patent/JP2006008897A/ja
Publication of JP2006008897A publication Critical patent/JP2006008897A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 自己分散型カーボンブラックを色材として含む水性インクをインクジェット記録に用いた場合、記録媒体(例えば紙等)の種類によっては必ずしも十分な印字品位や印字濃度が得られず、また、印字物の耐擦過性・耐ラインマーカー性が乏しい。
【解決手段】 少なくとも色材としてカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を含有する水性インクであって、該水性インクの塩化ナトリウムに対する凝析値が0.04〜0.4mol/lであることを特徴とする水性インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は水性インク及びそれを用いたインクセットに関する。
従来、筆記具(万年筆、サインペン、水性ボールペン等)用の黒色インク及びインクジェット用の黒色インクとして、印字物の濃度が高く、また堅牢性等に優れた黒色着色剤であるカーボンブラックを用いたインクが提案されている。
特に近年はオフィスにおいて一般的に使用されているコピー用紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙及び連続伝票用紙等の普通紙に対しても良好な記録が行えるように、インクの組成及び物性等の多様な面から詳細な研究開発がなされている。例えば、カーボンブラックと分散剤とを含む水性顔料インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、カーボンブラックを分散剤とともに含むインクをインクジェット用のインクとして用いた場合、吐出が不安定であることや、十分な印字濃度を得られないという技術課題を挙げ、そのような課題を解決し得るインクとして、分散剤を用いない自己分散型カーボンブラックを用いた水性顔料インクを提案している(例えば、特許文献2参照)。
また、自己分散型カーボンブラックを黒色顔料として用いたインクの画像堅牢性を向上させる手段として、自己分散型カーボンブラックと水溶性樹脂を含むインクに水溶性樹脂を添加することにより耐水性を向上させる提案がある(例えば、特許文献3参照)。
一方、上記したような黒色インクを他の色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン及びブルーから選ばれる少なくとも1つ)のインクと共に用いてカラー画像の印字を行った場合、記録媒体上で黒色画像部とカラー画像部との境界において色が滲んだり、インクが不均一に混合されたりして、画像の品位が低下する現象(以降「ブリード」と称する)が認められることがあった。ブリードについてはいわゆる界面活性剤の添加によってインクの記録媒体中への浸透性を向上させる提案や(例えば、特許文献4参照)、インクの溶剤として揮発性溶剤を主体として用いる提案がある(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記した技術では、記録媒体(例えば紙等)の種類によっては必ずしも十分な印字品位や印字濃度が得られないこと、耐ラインマーカー性・耐擦過性が乏しいこと、また、インクジェット記録用インクに求められる十分な保存安定性が得られない場合があることがわかった。
特開昭64−6074号公報 特開平8−3498号公報 特開平10−7968号公報 特開昭55−65269号公報 特開昭55−66976号公報
本発明者らはこのような従来技術に鑑みて、自己分散型のカーボンブラックを色材として含む水性インクに関して、耐擦過性・耐ラインマーカー性に優れ、且つ単独若しくは他のカラーインクと共に用いたときに、記録媒体の種類が変化しても画像品位の変化の少なく、十分な保存安定性を有する水性インクを開発することが必要であることを見出した。
本発明の第一の目的は、様々な記録媒体において高い画像濃度と良好な印字品位を与えることができ、且つ耐擦過性・耐ラインマーカー性に優れた水性インクを提供することにある。
本発明の他の目的は、様々な記録媒体において高い画像濃度と良好な印字品位を与えることができ、且つ耐擦過性・耐ラインマーカー性に優れ、さらには他の色(例えばマゼンタ、シアン、イエロー、レッド、グリーン及びブルーから選ばれる少なくとも1つ)の水性インクと共に用いてカラー画像の印字を行った場合にブリードを有効に抑えることのできるインクセットを提供することにある。
更に他の本発明の目的は、十分な保存安定性を有し、様々な記録媒体において高い画像濃度と良好な印字品位を与えることができ、且つ耐擦過性・耐ラインマーカー性に優れ、さらには他の色(例えばマゼンタ、シアン、イエロー、レッド、グリーン及びブルーから選ばれる少なくとも1つ)の水性インクと共に用いてカラー画像の印字を行った場合にブリードを有効に抑えることのできるインクセットを提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる水性インクは、少なくとも色材としてカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を含有する水性インクであって、該水性インクの塩化ナトリウムに対する凝析値が0.04〜0.4mol/lであることを特徴とする。
本発明の水性インクによれば、様々な記録媒体において高い画像濃度と良好な印字品位を与えることができ、且つ耐擦過性・耐ラインマーカー性に優れた水性インクを提供でき、さらには他の色(例えばマゼンタ、シアン、イエロー、レッド、グリーン及びブルーから選ばれる少なくとも1つ)のインクと共に用いてカラー画像の印字を行った場合にブリードを有効に抑えることのできるインクセットを提供することができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明にかかる水性インクは、少なくとも色材としてカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を含有する水性インクであって、インクの塩化ナトリウムに対する凝析値が0.04〜0.4mol/lであることを特徴とする。この実施態様によれば、様々な記録媒体において高い画像濃度と良好な印字品位を与えることができると同時に、耐擦過性、耐ラインマーカー性に優れた画像が形成される。このような効果が得られる理由は定かではないが、以下のように考えている。
記録紙上に印字されたインク滴からは経時的に水分が蒸発し、さらには紙表面のサイズ剤や填料由来電解質がインク−紙界面に溶出する。水分蒸発するとインク滴内の塩濃度は高くなり、凝析値の小さいインクはより低い蒸発率で凝集する。また、紙表面のサイズ剤や填料由来電解質のインク中への溶出により、インク−紙界面付近での電解質濃度は高くなり、凝析値の小さいインクはより早く凝集する。従って、凝析値の小さいインクは紙の浸透性の影響を受けづらく、画像濃度が高く、印字品位が良好である。同時に、凝集したインク成分内には少なくとも一部のアクリル系ポリマーも含有されており、凝集体の結着力を強化する。この結着力により耐擦過性・耐ラインマーカー性が発現する。
[凝析値]
本発明における凝析値とは、臨界塩析濃度のことを意味する。本発明においては、凝析反応にNaCl水溶液を用いている。具体的な凝析値の測定方法としては、任意のモル濃度に調整されたNaCl水溶液(Amol/l)5ccを内径2cm、高さ4.6cmのバイアルに注入する。ついで被試験インクを1cc前記バイアルに注入する。この後バイアルの蓋を閉めて20回程度激しく振り一晩程度放置する。放置後のバイアル中の液体が比較的透明な相と黒色の凝集層に分離している場合、そのNaCl水溶液濃度で凝析したと定義する。このときの凝析値は下式により算出される。
凝析値=A×5/6(mol/l)
なお、凝析値を求める為にはより細かくNaCl水溶液濃度を設定することが望ましく、本発明においては下記12種類の濃度の異なるNaCl水溶液を準備した。
A=0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.75、1(mol/l)
色材として自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を少なくとも含有する水性インクにおいて、インクの凝析値の大小が何に起因するのかを詳細に検討した結果、自己分散型カーボンブラックへのアクリル系ポリマーの吸着度合いに大きく影響されていることがわかった。図1に、2種類の自己分散型カーボンブラックα・βに、アクリル系ポリマーを夫々添加した時の表面張力の測定値と、自己分散型カーボンブラックを含まない時の表面張力(アクリル系ポリマーのみを添加した時の表面張力)の測定値の計3種のプロットを示す。なお、自己分散型カーボンブラックの濃度は全て1質量%になるように調整されている。図1より、自己分散型カーボンブラックαにアクリル系ポリマーを添加した時の表面張力のプロットは、カーボンブラック無しのプロットに対し大きく右側にシフトしており、自己分散型カーボンブラックα表面にアクリル系ポリマーが多量に吸着していることを示している。一方、自己分散型カーボンブラックβのプロットは、カーボンブラックなしのプロットに比較的近く、アクリル系ポリマーの吸着量が極めて少ないことを示している。
下記表1に少なくとも色材としてカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を適宜組み合わせて含有する水性インクの凝析値とOD(Optical Density)を示した。例(1)のインクの凝析値は0.083mol/lと極めて小さいが、例(2)のインクの凝析値は0.833mol/lと極めて高い。一方、例(3)のインクの凝析値は0.167mol/lと小さく、例(4)のインクの凝析値も0.250mol/lと小さい。以上の結果から自己分散型カーボンブラックにアクリル系ポリマーが多量に吸着すると、凝析値が格段に高くなることを理解できる。
一方、アクリル系ポリマーを含まないインクである例(1)のインクのODは1.51、例(3)のインクのODは1.45であるのに対し、アクリル系ポリマーを含むインクである例(2)のインクのODは1.16、例(4)のインクのODは1.42であった。つまり、インクの凝析値の大小にODが依存していることが良くわかる。同時に印字品位に関しても、例(2)のインクは悪く、他の例は良好なことも確認できたので、インクの凝析値の大小に印字品位の良し悪しが依存していることが良くわかる。
インクの塩化ナトリウムに対する凝析値は、0.04〜0.4mol/lである。0.4mol/lを上回ると、OD・印字品位の低下が見られ、0.04mol/lを下回ると、インクの保存安定性が悪くなる。
Figure 2006008897
本発明の第二の実施態様にかかる水性インクは、少なくとも色材としてカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を含有する水性インクであって、インクの塩化ナトリウムに対する凝析値が0.04〜0.4mol/lであることと、該凝析値より0.1mol/l以上高い領域で凝析値測定をした際の固液分離率(=凝集層高さ÷全インク高さ)が60%未満であることを特徴とする。
この実施態様によれば、様々な記録媒体において高い画像濃度と良好な印字品位を与えることができ、耐擦過性・耐ラインマーカー性に優れた画像が形成されると同時に、他色とのブリードを有効に抑制した画像が形成される。このような効果が得られる理由は定かではないが、以下のように考えている。
記録紙上に印字されたインク滴からは経時的に水分が蒸発し、さらには紙表面のサイズ剤や填料由来電解質がインク−紙界面に溶出する。水分蒸発するとインク滴内の塩濃度は高くなり、凝析値の小さいインクはより低い蒸発率で凝集する。また、紙表面のサイズ剤や填料由来電解質のインク中への溶出により、インク−紙界面付近での電解質濃度は高くなり、凝析値の小さいインクはより早く凝集する。これら凝集のトリガー(水分蒸発・紙からの電解質の溶出)に対しどれだけ強く(密に)凝集しているかを示すパラメーターとして、凝析値より0.1mol/l以上高い領域で凝析値測定をした際の固液分離率(=凝集層高さ÷全インク高さ)に我々は注目した。この固液分離率が小さいとインクはより強く(密に)凝集する。凝集が強い(密である)と、隣接するように形成された他色により該凝集体が再分散されにくく、ブリードを有効に抑えることができる。
[固液分離率]
本発明における固液分離率とは、凝析値より0.1mol/l以上高い領域で凝析値測定をした際の凝集層高さ(x)を全インク高さ(y)で割った値のことである。具体的な例として、あるインクで試験した結果を、図2を用いて説明する。図2はインクをいれたバイアルを側面から模式的に描いたものであり、このインクの場合、凝析値は0.333mol/lである。この凝析値より0.1mol/l以上高い領域として、0.625mol/lでの凝析値試験の結果を参考にする。ここで、xをyで割った値が、本発明で述べるところの固液分離率に該当する。
インクの固液分離率とブリード性能がどのように関係するかを調べるため、以下の実験を行った。インクの凝析値が0.04〜0.4mol/lの範囲内で、固液分離率が37%、41%、44%、66%、67.5%であるインク(自己分散型カーボンブラック:4質量%/アクリル系ポリマー:1質量%/水溶性有機溶剤:15質量%)をキヤノン製BJ S700のBk位置に挿入して黒とカラーが隣接する画像を印字した。その印字物をスキャナ(商品名:N1240U;キヤノン製)で読み込み、黒の画像形成領域を抽出し、次いで黒の画像形成領域を二値化した。また、レファレンス(Bkのみで印字を行い、前記と同様の方法により二値化を行ったもの)で、前記黒とカラーが隣接する画像のデータを比較し、その増加率をブリードの定量値とした。前記固液分離率とブリードの定量値をプロットし線形近似すると相関係数0.89となり、相関性があることがわかった。用いる自己分散型カーボンブラックの種類により固液分離率が異なる原因は不明であるが、固液分離率とブリード性能が良く相関することは証明できた。固液分離率の好ましい範囲としては、60%未満が好ましい。60%を超えると、ブリードが生じ易くなるために、好ましくない。
本発明の第三、第四の実施態様にかかる水性インクは、第一若しくは第二の実施態様において、色材である自己分散型カーボンブラックを、カルボキシル基が芳香環を介してカーボンブラック表面に結合されたものとすることを特徴とする。
本発明の水性インクにおいて、アクリル系ポリマーは、図1の表面張力グラフに示すように、自己分散型顔料との吸着は少なく、多くが遊離ポリマーとして存在している。アクリル酸を有する遊離ポリマーは系内に添加された電解質として作用するので、アクリル系ポリマーの配合量が多くなれば、自己分散型顔料を塩析してしまうことは一般的に予想可能であるが、アクリル系ポリマーの添加量が同じ水性インクにおいても、カルボキシル基が芳香環を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラックを用いる場合と、カルボキシル基がカーボンブラック表面に直接結合された自己分散型カーボンブラックを用いる場合において、前者は保存安定性には問題ないが、後者は増粘するなど保存安定性に劣る場合があった。この理由は定かではないが、カルボキシル基が芳香環を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラックは、カーボンブラック表面からイオン性基までの距離が長く、カルボキシル基がカーボンブラック表面に直接結合された自己分散型カーボンブラックと比べ、電気二重層が圧縮された場合でも芳香環を介した構造が立体障害となり、自己分散型カーボンブラックの凝集を防止しているのではないかと考えられる。
本発明の第五の実施態様にかかる水性インクは、シアン用、マゼンタ用、イエロー用、レッド用、グリーン用及びブルー用の色材から選ばれる少なくとも1つ以上の色材を含む水性インクと、第一、第二、第三、第四の実施態様で説明した水性インクとを組み合わせたものである。
本発明の他の実施態様として、該水性インクが水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、アクリル系ポリマー以外の水溶性樹脂、から選ばれる一つ以上を更に含むことも可能である。
本発明にかかる水性インクは水、色材、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤を少なくとも含む。以下、各成分について説明する。
<色材>
本発明にかかる水性インクに用いられる色材である自己分散型カーボンブラックは、通常知られているオゾン処理、プラズマ処理、液相酸化処理や、酸性基を有する芳香族アミンからジアゾニウム塩を発生させ、カーボンブラックに前記ジアゾニウム塩を反応させる方法により製造されるが、本発明の要件を満足するものであれば、これらの製造方法に限定されるわけではない。しかし、特に好ましい製造方法としては、酸性基を有する芳香族アミンからジアゾニウム塩を発生させ、カーボンブラックに前記ジアゾニウム塩を反応させる方法であり、本方法によりカルボキシル基が芳香環を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラックを得ることができる。
製造に用いるベースカーボンとしては、特に限定されず、下記に挙げるようなものが使用可能である。例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックを何れも使用することができる。具体的には、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000ULTRA、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上、コロンビア製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、モナク2000、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上、キャボット製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(Special Black)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上、デグッサ製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)等の市販品を使用することができる。また、本発明のために別途新たに調製されたカーボンブラックを使用することもできる。しかし、本発明は、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックを何れも使用することができる。
本発明における自己分散型カーボンブラックはカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介して結合していることが必須であるが、前記他の原子団としては、炭素原子数1〜12のアルキレン基、置換若しくは未置換のフェニレン基または置換若しくは未置換のナフチレン基等が好ましい。特には、置換若しくは未置換のフェニレン基が好ましい。
また、本発明における自己分散型カーボンブラックは上記製造方法により、その表面に少なくともカルボキシル基を有することが必須である。一方、他の官能基、例えばケトン基が意図的若しくは製法による付随的産物として存在していても、本発明の要件を満足するものであれば、問題なく用いることができる。カルボキシル基密度については、特に限定はされないが、イオン性基密度が500μmol/g以上となっていることが好ましい。イオン性基密度が500μmol/g未満であるとカーボンブラック表面の親水化が不十分なため分散安定性が得られない場合がある。
上記イオン性基を水中で解離させるためのカウンターイオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属イオンで官能基を中和することが好ましく、Na、K、Liイオンが特に好ましい。
<アクリル系ポリマー>
本発明にかかる水性インクに用いられるアクリル系ポリマーは特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、炭素原子数1〜4のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEG鎖長1〜50)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどからなる群より選択される少なくとも1つの親水性モノマーと、下記式(1)または式(2)で示される少なくとも1つの疎水性モノマーを重合することによって得られたものなどが挙げられる。
式(1) CH=CR1−R2
式(2) CH=CR1−COOR3
(式中R1はHかメチル基を示し、R2はフェニル基かナフチル基を示し、R3は炭素原子数1〜20の直鎖、分岐、若しくは脂環式のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基かポリジアルキルシロキサン基を示す)
アクリル系ポリマーを重合する方法としては、ラジカル開始剤による溶液重合、懸濁重合、乳化重合や、リビングアニオン重合、リビングラジカル重合などが挙げられるが、これらに限定されない。また、重合形態もランダム、グラフト、ブロックなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ここに示した以外のモノマーを用いても当然良いし、これらの疎水性モノマーがアクリル系ポリマー中に複数以上重合されていても構わない。
親水性モノマーとして酸モノマーのみを用いる場合の好ましい酸価は50以上300未満である。酸価が50を下回ると共重合する疎水基にもよるが、溶解安定性や吐出安定性に悪影響が出る場合があり、300を上回ると共重合する疎水基にもよるが、耐ラインマーカー性が発現しづらくなる。一方、アクリル系ポリマーの好ましい重量平均分子量は1000〜40000である。重量平均分子量が40000を上回るとインク粘度が高くなり、1000を下回ると耐擦過性・耐ラインマーカー性が期待できない。アクリル系ポリマーのインク中の添加量は、0.1〜5質量%が好ましい。
<水性媒体>
本発明にかかる水性インクに用いられる水性媒体の例としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、インクの乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。本実施態様に係わるインク中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク全重量に対して3〜50質量%が好ましい。またインクに含有される水の含有量はインク全重量に対して50〜95質量%が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングルコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記の水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。また、水としては、脱イオン水を使用することが望ましい。
<その他の添加剤>
本発明にかかるインクは、所望の物性値を有するインクとするために、上記した成分の他に必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、アクリル系ポリマー以外の水溶性樹脂等を添加することができる。
界面活性剤としてはアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤から選ばれる一つを用いることが可能である。そしてインク中の安定化剤の含有量は、例えばインク全重量を基準として0.005〜0.4質量%、好ましくは0.02〜0.2質量%とした場合、インクの保存安定性をより向上させることができると共に、インクの吐出特性等に影響を与えることが殆どない。
アニオン界面活性剤としては、例えば高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca等)、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えばフッ素系、シリコン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪族エステル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
pH調整剤、防腐剤としては、一般的に使われるものが使用可能である。
アクリル系ポリマー以外の水溶性樹脂としては、本発明にかかるインクの凝析値若しくは固液分離率を満足する範疇のなかで、耐擦過性・耐ラインマーカー性の更なる向上のために、アクリル系ポリマー以外の水溶性樹脂を添加することも可能である。具体的には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等が挙げられるが当然これらに限定されない。
<カラーインク>
インクセットに用いることのできるカラーインクの色材としては公知の染料や顔料を用いることができる。染料としては例えば酸性染料、直接染料等を用いることができる。例えばアニオン性染料としては既存のものでも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有するものであれば、大抵のものを用いることができる、またこれらのうちの何れかを混合して用いることも可能である。アニオン性染料の具体例を以下に挙げる。
(イエロー用色材)
C.I.ダイレクトイエロー8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110等
C.I.アシッドイエロー1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99等
C.I.リアクティブイエロー2、3、17、25、37、42等
C.I.フードイエロー3等
(レッド用色材)
C.I.ダイレクトレッド2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229等
C.I.アシッドレッド6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289等
C.I.リアクティブレッド7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59等
C.I.フードレッド87、92、94等
(ブルー用色材)
C.I.ダイレクトブルー1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226等
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161等
C.I.リアクティブブルー4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100等
(ブラック用色材)
C.I.アシッドブラック2、4、8、51、52、110、115、156等
C.I.フードブラック1、2等
ここで、各カラーインク中の色材の含有量は、例えばインクジェット記録に用いる場合には該インクが優れたインクジェット吐出特性を備え、また所望の色調や濃度を有するように適宜選択すればよいが、目安としては例えばインク全重量に対して3〜50質量%が好ましい。またインクに含有される水の量はインク全重量に対して50〜95質量%が好ましい。
上記したようなカラーインク用の色材を含むインク溶媒または分散媒としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。そして水溶性有機溶剤としては前記第1の実施態様にて記載したのと同様のものが挙げられる。また該カラーインクをインクジェット法(例えばバブルジェット(登録商標)法等)で記録媒体に付着せしめる場合には、前述したように優れたインクジェット吐出特性を有する様にインクが所望の粘度、表面張力を有する様に調製することが好ましい。具体的には、例えば、その粘度が1〜15mPa・s、表面張力が25mN/m以上、更には、粘度が1〜5mPa・s、表面張力が25〜50mN/mとすることが好ましい。
<カラーインクの浸透性>
上記したようなカラーインクに関して、Ka値を例えば5以上のインクとすることは記録媒体上に高品質なカラー画像を形成することができ、好ましい。即ちこのようなKa値を有するインクは記録媒体への浸透性が高いため、例えばイエロー、マゼンタ及びシアンから選ばれる少なくとも2つの色の画像を隣接して記録するような場合でも隣接する画像間で色の滲み(ブリード)を抑えることができ、またこれらのインクを重ね打ちして2次色の画像を形成する場合でも各々のインクの浸透性が高いため、隣接する画像間でブリードを有効に抑えることができる。カラーインクのKa値をこのような値に調製する方法としては、例えば界面活性剤の添加、グリコールエーテル等浸透性溶剤の添加など従来公知の方法が適用でき、もちろん添加量は適宜選択すればよい。
<記録方法、記録ユニット、カートリッジ及び記録装置>
次に、本発明に好適なインクジェット記録装置の一例について以下に説明する。まず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッドの構成の一例を図3及び図4に示す。図3は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図4は図3のA−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコンまたはプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、HfB、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク滴24となり、記録媒体25に向かって飛翔する。
図5には、図3に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図3に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
図6に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図6において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、図示した例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は記録媒体を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録の進行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングのときの位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
図7は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図8に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図8において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用いることが好ましい。また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図6に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、文中に「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<自己分散型カーボンブラック1>
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノフタル酸1.5gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラック1を調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラック1に水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、顔料分散液1を調製した。
上記で調製した自己分散型カーボンブラック1のイオン性基密度を測定したところ、650μmol/gであった。イオン性基密度の測定方法は、上記で調製した顔料分散液1中のナトリウムイオン濃度をイオンメーター(東亜DKK製)を用いて測定し、その値から自己分散型カーボンブラック1のイオン性基密度を換算した。
<自己分散型カーボンブラック2>
5.5gの水に2.5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノフタル酸0.7gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム0.9gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック10gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラック2を調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラック2に水を加えて顔料濃度が10質量%になるように分散させ、顔料分散液2を調製した。
上記で調製した自己分散型カーボンブラック2のイオン性基密度を顔料分散液1と同様の方法で測定したところ、308μmol/gであった。
<自己分散型カーボンブラック3>
市販の酸性カーボンブラック「MA−77」(pH3、三菱化学製)を用いて通常の次亜塩素酸ソーダを用いた液相酸化処理を行った。反応時間、反応温度を適宜調整することによって反応を行い、得られたスラリーをろ過して、顔料粒子を充分に水洗した。この顔料ウェットケーキを水に再分散して、電導度が0.2μsになるまで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液(pH=8〜10)を顔料濃度が10質量%となるように濃縮した。以上の方法により、自己分散型カーボンブラック3が水中に分散された状態の顔料分散液3を得た。
上記で調製した自己分散型カーボンブラック3のイオン性基密度を顔料分散液1と同様の方法で測定したところ、600μmol/gであった。
<樹脂分散型カーボンブラック4>
BET比表面積が230m/g、DBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック7gと、スチレンアクリル酸(酸価140、重量平均分子量8000)3g、グリセリン6g、水84gをよく混合した後、直径0.2nmのジルコニアビーズを用いたサンドミルで分散処理を行った。次に、ろ過を行って粗大粒子を除去し、水で希釈して、顔料濃度6質量%の顔料分散液を調製した。
<インクA>
・自己分散型カーボンブラック1 40質量%
・グリセリン 15質量%
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(酸価:153、重量平均分子量6500、KOH中和物) 1.15質量%
・イオン交換水 43.85質量%
上記成分をよく混合撹拌し、1.2ミクロンのメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクAを調製した。
<インクB>
・自己分散型カーボンブラック2 40質量%
・グリセリン 15質量%
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(酸価:153、重量平均分子量6500、KOH中和物) 1.15質量%
・イオン交換水 43.85質量%
上記成分をよく混合撹拌し、1.2ミクロンのメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクBを調製した。
<インクC>
・樹脂分散型カーボンブラック4 66質量%
・グリセリン 15質量%
・アセチレノールEH(商品名;川研ファインケミカル製) 0.3質量%
・イオン交換水 18.7質量%
上記成分をよく混合撹拌し、1.2ミクロンのメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクCを調製した。
<インクD>
・自己分散型カーボンブラック1 40質量%
・グリセリン 15質量%
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(酸価:153、重量平均分子量6500、KOH中和物) 1.15質量%
・アセチレノールEH(商品名;川研ファインケミカル製) 0.1質量%
・イオン交換水 43.75質量%
上記成分をよく混合撹拌し、1.2ミクロンのメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクDを調製した。
<インクE>
・自己分散型カーボンブラック3 40質量%
・グリセリン 15質量%
・エチルアクリレート/アクリル酸共重合体
(酸価:115、重量平均分子量6300、KOH中和物) 1.11質量%
・イオン交換水 43.89質量%
上記成分をよく混合撹拌し、1.2ミクロンのメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクEを調製した。
<インクF>
・自己分散型カーボンブラック3 40質量%
・グリセリン 15質量%
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(酸価:153、重量平均分子量6500、KOH中和物) 1.15質量%
・アセチレノールEH(商品名;川研ファインケミカル製) 0.15質量%
・イオン交換水 43.7質量%
上記成分をよく混合撹拌し、1.2ミクロンのメンブレンフィルターで加圧ろ過してインクFを調製した。
(実施例1)
キヤノン製バブルジェット(登録商標)プリンターBJ S700のBk位置にインクAを装着し、Canon−PB紙(キヤノン製)に1インチ×0.5インチの黒ベタ画像と文字を印字した。その後黒ベタ画像に関してはODを測定し、文字に関しては目視にて印字品位を評価した。画像濃度の測定は、反射濃度計(商品名:マクベスRD−918;マクベス製)を用いて行った。
次に、同印字物のベタ部の上に新しいCanon−PB紙と錘を置き、2つの紙面間を擦り合わせた。その後、先ほど置いた紙と錘を取り除き、ベタ画像の削れ具合や、白地部への転写を目視にて評価した(耐擦過性)。また、前記印字物の文字部をECOWRITER PROPUS2(三菱鉛筆製)で1回マーキングし、字汚れなどを目視にて評価した(耐ラインマーカー性)。
(比較例1)
インクBに変えた以外は、実施例1と同様にOD、印字品位、耐擦過性、耐ラインマーカー性を評価した。
(比較例2)
インクCに変えた以外は、実施例1と同様にOD、印字品位、耐擦過性、耐ラインマーカー性を評価した。
(実施例2)
キヤノン製バブルジェット(登録商標)プリンターBJ S700のBk位置にインクDを装着し、シュタインバイスクラシックホワイト紙に1inch×0.5inchの黒ベタ画像、黒文字、背景がイエローである黒文字と背景がレッドである黒文字を印字した。その後黒ベタ画像に関してはODを測定し、文字に関しては目視にて印字品位を評価し、背景がイエローである黒文字と背景がレッドである黒文字に関してはブリードを評価した。
次に、Canon−PB紙(キヤノン製)に1インチ×0.5インチの黒ベタ画像と文字を印字した。同印字物のベタ部の上に新しいCanon−PB紙と錘を置き、2つの紙面間を擦り合わせた。その後、先ほど置いた紙と錘を取り除き、ベタ画像の削れ具合や、白地部への転写を目視にて評価した(耐擦過性)。また、前記印字物の文字部をECOWRITER PROPUS2(三菱鉛筆製)で1回マーキングし、字汚れなどを目視にて評価した(耐ラインマーカー性)。
さらに、インクを70℃で1ヶ月間保存し、粘度を測定した(保存安定性)。
(実施例3)
インクEに変えた以外は、実施例2と同様にOD、印字品位、ブリード、耐擦過性、耐ラインマーカー性、保存安定性を評価した。
(実施例4)
インクFに変えた以外は、実施例2と同様にOD、印字品位、ブリード、耐擦過性、耐ラインマーカー性を評価した。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3についての評価結果を表2に示す。
Figure 2006008897
(*1)10%程度増粘していた。
(*2)背景がレッドである黒文字でブリードが気になる。
アクリル系ポリマーを含有するインクにおける、ポリマー濃度とインクの表面張力の関係を示すグラフである。 本発明にかかる固液分離率の測定方法を模式的に描いた図である。 インクジェット記録装置ヘッドの縦断面図である。 インクジェット記録装置ヘッドの縦横面図である。 図3に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。 インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 インクカートリッジの縦断面図である。 記録ユニットの一例を示す斜視図である。
符号の説明
13 ヘッド
14 インクノズル
15 発熱素子基板
16 保護層
17−1、17−2 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス(微細孔)
23 メニスカス
24 インク滴
25 記録媒体
26 マルチノズル
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 紙給部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 大気連通口

Claims (10)

  1. 少なくとも色材としてカルボキシル基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラック表面に結合された自己分散型カーボンブラック、アクリル系ポリマー、水溶性有機溶剤、水を含有する水性インクであって、該水性インクの塩化ナトリウムに対する凝析値が0.04〜0.4mol/lであることを特徴とする水性インク。
  2. 前記塩化ナトリウムに対する凝析値より0.1mol/l以上高い領域で凝析値測定をした際の固液分離率(=凝集層高さ÷全インク高さ)が60%未満である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記自己分散型カーボンブラックが、カルボキシル基が芳香環を介してカーボンブラック表面に結合されたものである請求項1または2に記載の水性インク。
  4. 前記自己分散型カーボンブラックが水性インク中に1〜10質量%含まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性インク。
  5. 前記アクリル系ポリマーが水性インク中に0.1〜5質量%含まれる請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性インク。
  6. 前記水性インクが水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、アクリル系ポリマー以外の水溶性樹脂、から選ばれる一つ以上を更に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性インク。
  7. 前記水性インクの表面張力が35mN/m以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性インク。
  8. インクジェット用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性インク。
  9. シアン用、マゼンタ用、イエロー用、レッド用、グリーン用及びブルー用の色材から選ばれる少なくとも1つ以上のカラーインク用色材を含む水性インクと請求項8に記載の水性インクとを組み合わせたことを特徴とするインクセット。
  10. 前記カラーインク用色材が酸性染料、直接染料、有機顔料から選ばれるものである請求項9に記載のインクセット。
JP2004189907A 2004-06-28 2004-06-28 水性インク及びインクセット Withdrawn JP2006008897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189907A JP2006008897A (ja) 2004-06-28 2004-06-28 水性インク及びインクセット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189907A JP2006008897A (ja) 2004-06-28 2004-06-28 水性インク及びインクセット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006008897A true JP2006008897A (ja) 2006-01-12

Family

ID=35776493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004189907A Withdrawn JP2006008897A (ja) 2004-06-28 2004-06-28 水性インク及びインクセット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006008897A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110079699A (ko) * 2008-10-02 2011-07-07 후지필름 이미징 컬러런츠 리미티드 방법, 분산물 및 용도
US8616698B2 (en) 2008-09-10 2013-12-31 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method for evaluating pigment ink for ink-jet recording and method for producing pigment ink for ink-jet recording

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8616698B2 (en) 2008-09-10 2013-12-31 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method for evaluating pigment ink for ink-jet recording and method for producing pigment ink for ink-jet recording
KR20110079699A (ko) * 2008-10-02 2011-07-07 후지필름 이미징 컬러런츠 리미티드 방법, 분산물 및 용도
JP2012504675A (ja) * 2008-10-02 2012-02-23 フジフィルム・イメイジング・カラランツ・リミテッド 方法、分散物および使用
US9040620B2 (en) 2008-10-02 2015-05-26 Fujifilm Imaging Colorant Limited Process, dispersions and use
JP2015147931A (ja) * 2008-10-02 2015-08-20 フジフィルム・イメイジング・カラランツ・リミテッド 方法、分散物および使用
US9267044B2 (en) 2008-10-02 2016-02-23 Fujifilm Imaging Colorants Limited Process, dispersions and use
KR101689733B1 (ko) * 2008-10-02 2016-12-26 후지필름 이미징 컬러런츠 리미티드 방법, 분산물 및 용도

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3397365B2 (ja) インク、インクの製造方法、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP4551622B2 (ja) 水性インク
JP3874336B2 (ja) 記録液、これを用いたインクジェット記録方法及び記録用機器
WO2006022456A1 (ja) 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及び画像形成方法
JP2007162006A (ja) 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP4273104B2 (ja) 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録方法及び画像形成方法
JP4612793B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2011514390A (ja) 耐食性の改善されたインクジェットインク
EP1085060B1 (en) Aqueous ink for ink-jet recording, ink set, ink cartridge, recording unit, use of the ink in an image-recording apparatus, color-image-recording apparatus, ink-jet recording process and bleeding reducing method
JP2006265379A (ja) 水性インク組成物
JP3437211B2 (ja) 水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP4100976B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置
JP2006008898A (ja) 水性インク、インクセット及びインクジェット記録装置
JP5561887B2 (ja) 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及び画像形成方法
JP2011515504A (ja) ニッケルまたはニッケル合金を含むインクジェットプリントヘッドに用いる改善された耐食性を有するインクジェットインク
JP4894084B2 (ja) インクジェット記録用水性インク組成物
JPH06116522A (ja) 記録液及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP2006008897A (ja) 水性インク及びインクセット
JP5441830B2 (ja) 水性インク
JPH05155006A (ja) カラー画像形成方法
JP4976644B2 (ja) インクジェット用水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及び画像形成方法
JP2004115549A (ja) インクセット、画像形成方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置
JP4065493B2 (ja) 水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP4224960B2 (ja) インクジェット記録用インクセット
JP2009108192A (ja) 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904