JP5561887B2 - 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置及び画像形成方法 - Google Patents
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(1)インク中に分散状態で存在している顔料を、記録媒体表面で強制的に凝集させる場合には、インク滴の体積に比較して、記録媒体表面を色材で被覆することのできる面積(いわゆる、エリアファクター)が十分でない場合がある。従って、同じ画像濃度を得るために必要となるインクの付与量が多くなるという課題。
(2)インクの浸透性を高める場合には、当該インクは記録媒体の表面ばかりでなく、記録媒体の厚み方向へも浸透してしまい、記録媒体の表面近傍に高濃度で色材を分布させることができず、高画像濃度を達成できないという課題。
又、本発明の一実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法において、前記水性インクとして上記構成の水性インクを用いることを特徴とする。
又、本発明の一実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記水性インクとして上記構成の水性インクを用いることを特徴とする。
インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドを備えた記録ユニットにおいて、前記水性インクとして上記構成の水性インクを用いることを特徴とする。
又、本発明の一実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置において、前記水性インクとして上記構成の水性インクを用いることを特徴とする。
ここで、本発明における画像形成のメカニズムについて例を挙げて説明する。本発明にかかる水性インクが、記録媒体、特に普通紙上に印字された場合には、以下に述べるような理由によって、非常に優れた印字濃度及び印字品位をもたらすことが可能になると考えられる。
上記したような想定メカニズムの下で、本発明に用いる良溶媒及び貧溶媒は、顔料の分散状態を良好に維持できるか否かによって決定される。従って、本発明にかかる水性インクの調製にあたって、良溶媒と貧溶媒とを選択する場合には、使用する顔料の分散状態の安定度を観察し、その結果から求めることが好ましい。そして本発明者らは、本発明の効果をもたらす良溶媒と貧溶媒との判定の基準を、本発明の効果との関連の下で種々検討した結果、下記のような判定方法が有効であることを見出した。
・貧溶媒:粒径(A)が粒径(B)よりも大きい場合、当該判定対象の水溶性有機溶剤を貧溶媒として定義した。
・良溶媒:粒径(A)と粒径(B)と同じか、或いは粒径(A)が粒径(B)よりも減少した場合、当該判定対象の水溶性有機溶剤を良溶媒として定義した。
次に、顔料と貧溶媒とが、該貧溶媒が該顔料に対して完全に若しくは実質的に溶媒和せず、且つ前記顔料粒子表面に直接若しくは他の原子団を介して結合している少なくとも1つのイオン性基が前記貧溶媒中において完全に若しくは実質的にイオン解離していないという現象に関して説明する。
本発明においては、水性インクに含まれる、複数の水溶性有機溶剤の各々のKa値において、最大のKa値を示す水溶性有機溶剤が貧溶媒あることが必須である。
上記でも述べたように、顔料が記録媒体の表面に多く存在する場合、印字後に十分な時間が経過した後であっても、印字面を強く擦ると汚れが生じたり、印字後の画像上に水性マーカーで筆記を行うと印字汚れが生じたりすることがある。つまり、顔料インクには、耐擦過性や耐マーカー性が乏しいという課題がある。
本発明で用いる顔料は、当該顔料に対する貧溶媒と、完全に若しくは実質的に溶媒和しないことを特徴とする。更に、前記顔料は水溶性ポリマーとも相互作用しない、つまり水溶性ポリマーが実質的に顔料表面に吸着しないことを特徴とする。水溶性ポリマーが顔料表面に吸着すると、顔料表面のイオン性基が水溶性ポリマーで覆われる。これにより、貧溶媒により顔料の凝集が促進されるという本発明の効果が得られにくくなり、画像性能に大きな影響を与えると考えられる。従って、本発明における水溶性ポリマーは、インクにおいて、顔料に吸着せず、フリーポリマーとして存在するものが好ましい。
本発明の水性インクは、(i)顔料を含む水性インクを記録媒体に付与する工程と、(ii)該水性インクと接触することによって該水性インク中の色材の分散状態を不安定化させる反応液を記録媒体に付与する工程とを有する画像形成方法(2液システム)に用いられる水性インクとする場合、従来の2液システムで画像形成を行う場合と比較して、少ないインク液滴量で十分に大きなエリアファクターを有し、且つ、印字濃度の高い画像を得ることが可能となる。上記のような効果が得られる理由は、以下のように考えられる。
本発明にかかる水性インクは、インク成分中の水溶性有機溶剤を、使用する顔料との関連において、上記で説明した構成とすることを必須とするが、それ以外は、従来の水性インクと同様の構成とすればよい。下記に、本発明の水性インクを構成する水性媒体、色材、水溶性ポリマー及びその他の成分について説明する。
本発明にかかる水性インクを構成する水性媒体について説明する。前記水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である。本発明においては、先に述べた方法で、水溶性有機溶剤を、当該顔料に対する良溶媒と貧溶媒とに判別する。そして、かかる判定結果を踏まえて、水性インクにおいて少なくとも良溶媒と貧溶媒とが混在し、且つ、各水溶性有機溶剤の含有量が本発明で規定する範囲内となるように、水溶性有機溶剤を選択して適宜に配合し、インクを調製することが必要となる。
本発明にかかる水性インクを構成する色材について説明する。本発明の水性インクを構成する色材は、顔料表面に少なくとも1つのイオン性基が直接若しくは他の原子団を介して結合している顔料が使用される。この条件を満たす限りであれば、特に限定されず、ジアゾカップリング法を用いてイオン性基を有する化合物を顔料粒子表面に結合させた顔料、次亜塩素酸ソーダや水中オゾン処理等による表面酸化処理でイオン性基を顔料粒子表面に導入した顔料、イオン性基を有する分散剤、界面活性剤、樹脂分散剤等が吸着された顔料等が使用可能である。これらの顔料は単独では勿論のこと、2種類以上を混合して用いることも可能である。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185等
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71等
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50等
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等
C.I.ピグメントグリーン7、36等
C.I.ピグメントブラウン23、25、26等
本発明においては、顔料の含有量が、インク全質量に対し0.1質量%〜15質量%であることが好ましく、特には、1質量%〜10質量%であることが好ましい。
本発明にかかる水性インクに添加することができる水溶性ポリマーについて説明する。本発明においては、先に述べた方法で、水溶性ポリマーを、当該顔料に対して完全に若しくは実質的に吸着していないかどうかを判別する。そして、かかる判定結果を踏まえて、顔料と完全に若しくは実施的に吸着しない水溶性ポリマーを選択して適宜に配合し、インクを調製することが必要となる。
イオン性モノマーは、アニオン性モノマーが好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸等が挙げられる。これらは、単独或いは数種類を適宜組み合わせて使用することができる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
ノニオン性ポリマーは、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルエーテル誘導体、セルロース、メチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の多糖類、アルギン酸多価アルコールエステル、水溶性尿素樹脂、デキストリン誘導体、カゼイン、ポリビニルエーテル化合物、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、又は両者のコポリマーを含むポリアルキレンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独或いは数種類を適宜組み合わせて使用することができる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
疎水性モノマーは、具体的には、例えば、スチレン、ビニルナフタレン、メチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、メタクリロニトリル、2−トリメチルシロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、p−トリルメタクリレート、ソルビルメタクリレート、メチルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、アクリロニトリル、2−トリメチルシロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、p−トリルアクリレート及びソルビルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独或いは数種類を適宜組み合わせて使用することができる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる水溶性ポリマーは、イオン性モノマーからなるホモポリマー、ノニオン性モノマーからなるホモポリマー、イオン性モノマーと疎水性モノマーからなるコポリマー、ノニオン性モノマーと疎水性モノマーからなるコポリマー等、又はこれらを組み合わせて用いることができる。又は、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、その他グラフトコポリマーに代表される分岐ポリマー、又はこれらの塩等を用いることができる。尚、前記塩の具体例は、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属塩の他に、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられ、これらを単独或いは数種類を適宜組み合わせて使用できる。
本発明にかかる水性インクは、保湿性維持のために上記した成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の保湿性化合物をインク成分として用いてもよい。尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン等の保湿性化合物のインクにおける含有量は、一般には、インク全質量に対して0.1質量%〜20.0質量%、更には3.0質量%〜10.0質量%の範囲が好ましい。
本発明にかかる画像形成方法は、ブラックインクと少なくとも1色のカラーインクとを用いて普通紙に記録を行うインクジェット記録方法であって、ブラックインクに、上記で説明した構成を有する水性インクを用い、且つ、該ブラックインクによって形成される画像と、カラーインクによって形成される画像とが隣接してなる画像を形成する際に、ブラックインクを付与する走査を行って画像を形成した後、該画像が形成された領域にカラーインクを付与する走査を行うことを特徴とする。
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、98、100、110等
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、230等
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226等
C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99等
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、94、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289等
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161等
カラーインクの色材は、上記の水溶性染料以外に、下記の1〜3のものを挙げることができる。これらの色材は、記録媒体に付与された場合に、優れた耐水性を発揮するものが多いので、好ましい。
2.油溶性染料
3.顔料
油溶性染料は、カラーインデックスに記載されているものであれば特に限定はない。又、カラーインデックスに記載のない新規の染料であっても、特に制限はない。具体的には、下記のものが挙げられる。これらの染料は、インク中に1質量%〜10質量%、更には、1質量%〜5質量%の範囲で用いることが好ましい。
C.I.ソルベントイエロー:1、49、62、74、79、82、83、89、90、120、121、151、153、154等
C.I.ソルベントレッド:25、31、86、92、97、118、132、160、186、187、219等
C.I.ソルベントブルー:33、38、42、45、53、65、67、70、104、114、115、135等
カラーインクの色材として顔料を用いる場合、顔料の含有量は、インク全質量に対して1質量%〜20質量%、更には2質量%〜12質量%の範囲が好ましい。本発明において使用することのできる顔料は、下記のものが挙げられる。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。又、本発明のために新たに製造された顔料も勿論使用することが可能である。
C.I.ピグメントイエロー:1、2、3、13、16、74、83、128等
C.I.ピグメントレッド:5、7、l2、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、ll2、l22等
C.I.ピグメントブルー:1、2、3、l5:3、l6、22等
C.I.バットブルー:4、6等が挙げられる。
上記で説明したような構成成分からなる、本発明で使用するブラック及びカラーインクは、インクジェット記録ヘッドから良好に吐出できる特性を有することが好ましい。インクジェット記録ヘッドからの吐出性という観点からは、インクの特性が、例えば、その粘度が1〜15mPa・s、表面張力が25mN/m以上、更には、粘度が1〜5mPa・s、表面張力が25〜50mN/mとすることが好ましい。又、ブラックインクとカラーインクとを併用する場合には、ブラックインクの表面張力よりもカラーインクの表面張力が低いことが更に好ましい。具体的には、ブラックインクの表面張力が35〜50mN/m、カラーインクの表面張力が25〜35mN/mであることが好ましい。
本発明で用いることができる反応液は、インク中の色材の分散状態を不安定化させる機能を有する反応性成分を含有する。前記反応性成分は、水性媒体中で色材がイオン性基の作用によって分散又は溶解されているインクと、前記反応液が記録媒体上で接触した際に、該色材の分散安定性を低下させ、色材を凝集させる。尚、本発明における、インク中の色材の分散状態が不安定化されることとは、記録媒体上でインクと反応液が混合した際に、凝集やゲル化といった状態が引き起こされることを指す。
多価金属イオンは、具体的には、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Sr2+及びBa2+等の二価の金属イオンや、Al3+、Fe3+、Cr3+及びY3+等の三価の金属イオンが挙げられる。前記の多価金属イオンを反応液中に含有させる方法には、反応液中に多価金属の塩を添加する方法が挙げられる。前記塩とは、上記に挙げた多価金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンで構成される金属塩のことであるが、水に可溶であることを要する。塩を形成するための好ましい陰イオンは、例えば、Cl−、NO3 −、I−、Br−、ClO3 −、SO4 2−、CO3 2−、CH3COO−及びHCOO−等が挙げられる。勿論、本発明はこれに限定されるものではない。本発明においては、水性インクと反応液の反応性や着色性、更には、反応液の取り扱いの容易さ等の点から、多価金属イオンは、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Al3+及びY3+が好ましく、更には、Ca2+が特に好ましい。又、陰イオンは、溶解性等の点から、NO3 −が特に好ましい。
反応液を記録媒体に付与する方法には、ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法等の塗布方法が挙げられる。又、インクと同様にインクジェット記録方法を用い、インクが付着する画像形成領域及び画像形成領域の近傍のみに反応液を選択的に付着せしめる付与方法も可能である。本発明者らが、反応液の記録媒体への付与方法を検討した結果、ローラーコーティング法が最も優れているという見解に至った。これは、反応液の付与量が少ない場合においても、記録媒体表層部近傍における反応性成分の分布状態が他の手段よりも均一であり、更に、インク付与後のベタ部のムラ、更には裏抜け性等の画質が優れているためである。
反応液の記録媒体への浸透性は、ブリストウ法によって求められるKa値で、1.3mL・m−2・msec−1/2以上6.0mL・m−2・msec−1/2以下であることが好ましく、更には、3.0mL・m−2・msec−1/2より大きく6.0mL・m−2・msec−1/2以下であることが好ましい。又、反応液の塗布量は、0.5g/m2以上5g/m2以下であることが好ましく、更には、2.0g/m2より大きく3.0g/m2以下であることが好ましい。
以下、本発明にかかる画像形成方法について具体例を挙げて説明する。本発明にかかる画像形成方法は、ブラックインクと少なくとも1色の水性カラーインクとを用いて普通紙等の記録媒体にインクジェット記録方式で記録を行う画像形成方法であるが、ブラックインクとして先に述べた本発明の水性インクを用い、該ブラックインクによって形成される画像と、前記したようなカラーインクにより形成される画像とが隣接してなる画像を形成する際に、ブラックインクを付与する走査を行って画像を形成した後、該画像が形成された領域にカラーインクを付与する走査を行うことを特徴とする。以下に具体的な手法について説明する。
次に、本発明に好適なインクジェット記録装置の一例について以下に説明する。まず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図1及び図2に示す。図1は、インク流路に沿った記録ヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。記録ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。
(顔料分散液Aの調製)
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態でp−アミノ安息香酸1.55gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックAを調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラックAに水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子表面に−C6H4−COONa基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックA(顔料A)が水中に分散された状態の顔料分散液Aを得た。
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノフタル酸1.5gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックBを調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラックBに水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子表面に−C6H3−(COONa)2基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックB(顔料B)が水中に分散された状態の顔料分散液Bを得た。
5.5gの水に2.5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態でp−アミノ安息香酸0.8gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム0.9gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック9gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックCを調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラックCに水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子表面に−C6H4−COONa基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックC(顔料C)が水中に分散された状態の顔料分散液Cを得た。
5.5gの水に2.5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノフタル酸0.7gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム0.9gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック10gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックDを調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラックDに水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子表面に−C6H3−(COONa)2基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックD(顔料D)が水中に分散された状態の顔料分散液Dを得た。
上記顔料分散液中の顔料に対して、良溶媒又は貧溶媒として作用する水溶性有機溶剤を選択するために以下の実験を行った。まず、上記顔料分散液A〜Dの固形分濃度10質量%水溶液を調製し、これと各水溶性有機溶剤を用いて、以下の配合比にて良溶媒・貧溶媒の判定用分散液A、判定用水分散液Bを調製した。
[判定用分散液A]
・各顔料分散液の固形分濃度10質量%水溶液 50部
・表1に記載の各水溶性有機溶剤 50部
[判定用水分散液B]
・各顔料分散液の固形分濃度10質量%水溶液 50部
・純水 50部
(判定方法)
次に、上記のようにして調製した良溶媒・貧溶媒の判定用分散液A10gを、透明なガラス製フタつきサンプルビンに入れ、蓋をした後、充分撹拌し、これを60℃のオーブン内に48時間静置した。その後、60℃オーブンから取り出した分散液を測定用サンプルとして、当該分散液中の顔料の平均粒径を、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR−1000;大塚電子製)を用いて測定した。60℃、48時間保存後の判定用分散液A中の顔料の平均粒径(希釈せずに測定した顔料の平均粒径)とした。一方、判定用水分散液Bは加温保存を行わずに、上記と同様に、当該分散液中の顔料の平均粒径を、濃厚系粒径アナライザーを用いて測定した。そして、判定用分散液A及び判定用水分散液B中の顔料の平均粒径が、判定用分散液Aの方が判定用水分散液Bより大きくなる水溶性有機溶剤を貧溶媒と判定し、判定用分散液Aの平均粒径が、判定用水分散液Bと同等又はそれ以下になる水溶性有機溶剤を良溶媒と判定した。
まず、各水溶性有機溶剤のKa値測定を行うにあたり、下記に示す組成を有する染料濃度0.5質量%の染料水溶液を調製した。かかる染料水溶液を使用するのは、無色透明の試料を着色することにより可視化して、Ka値の測定を容易にするためである。
・水溶性染料C.I.ダイレクトブルー199 0.5部
・純水 99.5部
次いで、この0.5質量%染料水溶液と、測定対象の各水溶性有機溶剤により、下記に示す組成を有する着色された水溶性有機溶剤の20%水溶液をそれぞれ調製した。
・上記0.5質量%染料水溶液 80部
・表1に記載の水溶性有機溶剤 20部
上記で調製した各水溶性有機溶剤の20質量%水溶液を測定用の試料として、動的浸透性試験装置(商品名:動的浸透性試験装置S;東洋精機製作所製)を用い、ブリストウ法により各水溶性有機溶剤の20質量%水溶液のKa値をそれぞれ求めた。
上記のようにして測定した、インクに使用しうる水溶性有機溶剤について、顔料分散液A〜Dに対して良溶媒であるか貧溶媒であるかを判定した結果と、各水溶性有機溶剤の20質量%水溶液におけるKa値の測定結果を表1に示した。尚、表中の、○、×はそれぞれ良溶媒、貧溶媒を表す。
本発明にかかる水性インクを構成する顔料と水溶性有機溶剤との組み合わせ、つまり、水溶性有機溶剤が、顔料に対して完全に若しくは実質的に溶媒和せず、且つ、顔料粒子表面のイオン性基が、水溶性有機溶剤に対して完全に若しくは実質的にイオン解離しない組み合わせ、即ち、実質的に顔料が水溶性有機溶剤に対して分散しないと判断できる組み合わせを判定するにあたり、以下の実験を行った。
本発明にかかる水性インクに水溶性ポリマーを添加する場合の、顔料と水溶性ポリマーとの組み合わせ、つまり、水溶性ポリマーが、顔料表面に対して完全に若しくは実質的に吸着しないと判断できる組み合わせを判定するにあたり、以下の実験を行った。尚、顔料に対して水溶性ポリマーがどの程度吸着しているのかを判断するために用いた水溶性ポリマーは、一例であり、本発明は下記水溶性ポリマーに限られるものではない。
(実施例1〜9)
下記表6に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過を行い、実施例1〜9のインクを調製した。
下記表7に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過を行い、比較例1〜5及び参考例1のインクを調製した。
上記で述べた判定方法を用いて、組成が未知であるインク(溶剤検証用インク)が本発明の対象物であるか否かを識別することが可能である。組成が未知であるインクの検証方法について下記に説明する。
上記で得られた、実施例1〜9、比較例1〜5及び参考例1の各インクを用いて、下記1〜5の評価を行った。評価結果を表10に示す。
実施例1〜9、比較例1〜5及び参考例1の各インクを用いて、インク1ドット当たりの吐出量を30ng±10%以内に設定し、2cm×2cmのベタ部を含む文字を印字した印字物を作製した。印字物を1日保存した後のベタ部の印字濃度を測定した。印字濃度の測定には、反射濃度計(商品名:マクベスRD−918;マクベス製)を用いた。印字濃度(通常インク量)の評価基準は下記の通りである。
・用紙の種類:普通紙
・印刷品質:標準
・色調整:自動
又、記録媒体は、下記のコピー用紙(1)〜(5)を用いた。
(1)PPC用紙PB Paper(キヤノン製)
(2)PPC用紙SC250(キヤノン製)
(3)PPC用紙4024(ゼロックス製)
(4)PPC用紙プローバーボンド(フォックスリバー製)
(5)キヤノン用PPC用紙(ノイジドラ製)
・評価基準
A:5紙の印字濃度の平均が1.4以上であり、最低の印字濃度の紙における印字濃度が1.25以上である
B:5紙の印字濃度の平均が1.4以上であり、最低の印字濃度の紙における印字濃度が1.25未満である
C:5紙の印字濃度の平均が1.4未満である
2.印字濃度(少インク量)
インク1ドット当たりの吐出量を24ng±10%以内に設定した以外は上記と同様にして印字物を作製し、印字濃度を測定して、上記同様の基準で評価を行った。
実施例1〜9、比較例1〜5及び参考例1の各インクをそれぞれショット瓶に入れて密栓し、60℃のオーブンで2週間保存した後にインクの状態を観察した。保存安定性の評価基準は下記の通りである。
A:顔料がインク中で均一に、安定して分散している
C:インクがゲル状に変化している、又はインクの上部が透明になっている、若しくはインクが明らかに増粘している
4.ブリード
ブリードの評価を行うに当たり、カラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を調製した。下記に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過を行い、各カラーインクを調製した。
C.I.ダイレクトブルー199 3.5部
グリセリン 7.5部
ジエチレングリコール 7.5部
アセチレノールE−100 1.0部
純水 80.5部
(マゼンタインク)
C.I.アシッドレッド289 2.5部
グリセリン 7.5部
ジエチレングリコール 7.5部
アセチレノールE−100 1.0部
純水 81.5部
(イエローインク)
C.I.ダイレクトイエロー86 2.5部
グリセリン 7.5部
ジエチレングリコール 7.5部
アセチレノールE−100 1.0部
純水 81.5部
実施例1〜9、比較例1〜5及び参考例1の各ブラックインク、及び上記で得られたカラーインクを用いて、ブラックとカラー各色(イエロー、マゼンタ、シアン)のベタ部、及びカラー各色の2次色(レッド、グリーン、ブルー)のベタ部を隣接して印字した印字物を作製した。得られた印字物のブラックとカラー各色の境界部におけるブリードの程度を目視により観察した。ブリードの評価基準は下記の通りである。尚、印字物の作製には、インクジェット記録装置BJS700(キヤノン製)、及び、PB Paper(キヤノン製)を用いた。
AA:ブリードを視認できない
A:ブリードは殆ど目立たない
B:ブリードはしているが、実質上問題のないレベルである
C:色の境界線がはっきりしないほどブリードしている
5.耐擦過性
実施例5〜9及び参考例1の各インクを用いて、1inch×0.5inchのブラックのベタ画像及び文字を印字した印字物を作製した。得られた印字物のベタ部の上に、シルボン紙及び面圧40g/cm2の分銅を置き、普通紙とシルボン紙を擦り合わせた。その後、シルボン紙及び分銅を取り除き、ベタ画像の汚れ具合や白地部への転写を目視により観察した。耐擦過性の評価基準は下記の通りである。尚、印字物の作製には、インクジェット記録装置BJS700(キヤノン製)、及び、スーパーホワイトペーパー(商品名:SW−101;キヤノン製)を用いた。
AA:白地部の汚れ、黒ベタ部の削れがない
A:白地部の汚れ、黒ベタ部の削れが若干見られる
B:白地部の汚れ、黒ベタ部の削れが若干見られる
C:白地部の汚れ及び黒ベタ部の削れが見られる
上記で得られた、実施例1及び2、比較例1〜4の各インクを用いて、下記1及び2の評価を行った。評価結果を表11に示す。
下記に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過を行い、反応液を調製した。
硝酸マグネシウム(6水和物) 15.0質量%
トリメチロールプロパン 25.0質量%
アセチレノールEH 1.0質量%
(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物;川研ファインケミカル製)
純水 59.0質量%
[評価]
1.印字濃度
実施例1及び2、比較例1〜4の各インク、及び上記で得られた反応液を用いて、2cm×2cmのベタ部を含む文字を印字した印字物を作製した。印字物を1日保存した後のベタ部の印字濃度を測定した。印字濃度の測定には、反射濃度計(商品名:マクベスRD−918;マクベス製)を用いた。印字濃度の評価基準は下記の通りである。
・用紙の種類:普通紙
・印刷品質:標準
・色調整:自動
記録媒体は、下記のコピー用紙(1)〜(7)を用いた。
(1)PB Paper(キヤノン製)
(2)SC250(キヤノン製)
(3)PPC用紙4200(ゼロックス製)
(4)PPC用紙4024(ゼロックス製)
(5)スーパーホワイトペーパーSW−101(キヤノン製)
(6)フォックスリバー製、PPC用紙プローバーボンド(フォックスリバー製)
(7)PPC用紙ハンマーミルジェット(インターナショナルペーパー製)
・評価基準
AA:5紙の印字濃度の平均が1.45以上である、又は、最低の印字濃度の紙における印字濃度が1.3以上である
A:5紙の印字濃度の平均が1.4以上1.45未満であり、最低の印字濃度の紙における印字濃度が1.25以上1.3未満である
B:5紙の印字濃度の平均が1.4以上1.45未満であり、最低の印字濃度の紙における印字濃度が1.25未満である
C:5紙の印字濃度の平均が1.4未満である
2.ブリード
実施例1及び2、比較例1〜4の各ブラックインク、上記と同様のカラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)、及び上記で得られた反応液を用いて、印字物を作製した。反応液を2.4g/m2で塗布した記録媒体に、ブラックとカラー各色(イエロー、マゼンタ、シアン)のベタ部、及びカラー各色の2次色(レッド、グリーン、ブルー)のベタ部を隣接して印字した。得られた印字物のブラックとカラー各色の境界部におけるブリードの程度を目視により観察した。ブリードの評価基準は下記の通りである。
AA:ブリードを視認できない
A:ブリードは殆ど目立たない
B:ブリードはしているが、実質上問題のないレベルである
C:色の境界線がはっきりしないほどブリードしている
14 インクノズル
15 発熱素子基板
16 保護層
17−1、17−2 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス(微細孔)
23 メニスカス
24 インク滴
25 記録媒体
26 マルチノズル
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 紙給部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 大気連通口
80 インク流路
81 オリフィスプレート
82 振動板
83 圧電素子
84 基板
85 吐出口
1300 記録媒体
1301 インク滴
1302 ドット外周
1303 ドット中心部
1304 顔料
1305 ドット
1306 水溶性有機溶剤及び水
1307 貧溶媒
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
3 排紙ローラー
4 拍車
5 排紙トレイ
6 塗布ローラー
7 主搬送ローラー
8 ピンチローラー
9 ガイド軸
10 給紙ローラー
11 プラテン
12 中間ローラー
13 供給ローラー
14 フロート
15 反応液
16 給紙カセット
17 給紙トレイ
18 スプリング
19 記録媒体(記録紙)
20 注入口
21 残量表示窓
22 補充タンク
23 注入機具
27 ペーパーガイド
Claims (19)
- 少なくとも、水、複数の水溶性有機溶剤及び色材を含有するインクジェット用の水性インクにおいて、
前記色材が、顔料粒子表面に少なくとも1つのイオン性基が他の原子団を介して結合している顔料であり、且つ、構造式C16H33−O−(CH2CH2O)20−Hで示される界面活性剤と水からなり、前記界面活性剤の濃度が2mmol/kgである液体の表面張力をA(mN/m)とし、前記構造式で示される界面活性剤、前記顔料及び水からなり、前記界面活性剤の濃度が2mmol/kgで、前記顔料の濃度が5質量%である液体の表面張力をB(mN/m)としたときに、前記顔料はB−A≦10の関係を満たすものであり、
前記複数の水溶性有機溶剤が、前記顔料に対する良溶媒と、前記顔料に対する貧溶媒を含有し、
前記貧溶媒が前記顔料に対して溶媒和せず、且つ、前記イオン性基が前記貧溶媒中においてイオン解離せず、
且つ、ブリストウ法によって求められる、前記複数の水溶性有機溶剤の各々のKa値のうち最大のKa値を示す水溶性有機溶剤が前記貧溶媒であり、
前記水性インク中における、良溶媒の含有量の合計(質量%)をX、貧溶媒の含有量の合計(質量%)をYとしたときに、X:Yの比率が、X:Y=10:5以上10:30以下であることを特徴とする水性インク。 - 前記貧溶媒中において、前記顔料が電気泳動しないものである請求項1に記載の水性インク。
- 前記イオン性基が、−COOM1、−SO3M1及び−PO3H(M1)2(式中のM1は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムの何れかを表わす)からなる群から選ばれるものである請求項1又は2に記載の水性インク。
- 前記他の原子団が、炭素原子数1〜12のアルキレン基、置換若しくは未置換のフェニレン基、及び置換若しくは未置換のナフチレン基からなる群から選ばれるものである請求項1〜3の何れか1項に記載の水性インク。
- 前記水性インクが更に水溶性ポリマーを含有し、前記水溶性ポリマーが前記顔料に対して吸着しない請求項1〜4の何れか1項に記載の水性インク。
- 前記水溶性ポリマーの親水性基がイオン性である請求項5に記載の水性インク。
- 前記水溶性ポリマーの親水性基がノニオン性である請求項5に記載の水性インク。
- 前記水性インクが、前記水溶性ポリマーとして、複数の水溶性ポリマーを含有する請求項5〜7の何れか1項に記載の水性インク。
- 前記水溶性ポリマーが、分子内にイオン性親水性基を有するモノマーとノニオン性親水性基を有するモノマーとを共重合した水溶性ポリマーである請求項5〜8の何れか1項に記載の水性インク。
- 前記水性インクが、顔料を含有する水性インクを記録媒体に付与する工程と、前記水性インクと接触することによって前記水性インク中の顔料を凝集させる反応液を記録媒体に付与する工程とを有する画像形成方法に用いられるものである請求項1〜9の何れか1項に記載の水性インク。
- 顔料を含有する水性インクを記録媒体に付与する工程と、前記水性インクと接触することによって前記水性インク中の顔料を凝集させる反応液を記録媒体に付与する工程とを有する画像形成方法に用いる水性インクと反応液とのセットにおいて、前記水性インクが、請求項1〜10の何れかに記載の水性インクであることを特徴とする水性インクと反応液とのセット。
- (i)顔料を含有する水性インクを記録媒体に付与する工程、及び(ii)前記水性インクと接触することによって前記水性インク中の顔料を凝集させる反応液を記録媒体に付与する工程、を有する画像記録方法において、
前記水性インクが請求項1〜10の何れか1項に記載の水性インクであり、
且つ、前記工程(ii)において、反応液が記録媒体に対して定着が終了した後に、前記工程(i)を行うことを特徴とする画像形成方法。 - インクをインクジェット法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1〜10の何れか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項1〜10の何れか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、請求項1〜10の何れか1項に記載の水性インクであることを特徴とする記録ユニット。
- インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項1〜11の何れか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
- ブラックインクと少なくとも1色のカラーインクとを用いて記録媒体にインクジェット記録方式で記録を行う画像形成方法において、ブラックインクに請求項1〜10の何れか1項に記載の水性インクを用い、且つ、前記ブラックインクによって形成される画像と、カラーインクによって形成される画像とが隣接してなる画像を形成する際に、ブラックインクを付与する走査を行って画像を形成した後、前記画像が形成された領域にカラーインクを付与する走査を行うことを特徴とする画像形成方法。
- ブラックインクを付与する走査を行った後、少なくとも1走査以上の時間差をおいた後にカラーインクを付与する走査を行う請求項17に記載の画像形成方法。
- ブラックインクを吐出させるための吐出口列と、カラーインクを吐出させるための吐出口列が副走査方向にずれて配置されている記録ヘッドを用いてインクの付与を行う請求項17又は18に記載の画像形成方法。
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