JP2010150347A - インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【課題】 ノズルプレートに対するはじき性に優れるだけでなく、ノズルプレートを劣化させにくい性質を有して、インク吐出を安定化させ、かつ画像汚れを防止するとともに、低温における保存安定性にも優れたインクジェットインクを提供する。
【解決手段】顔料、顔料分散剤および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクジェットインクであって、前記油性インクジェットインクは、溶剤としてインク全量に対して35重量%以上のエステル系溶剤と10〜20重量%の高級アルコール系溶剤を少なくとも含有し、さらに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1重量%以上含有するとともに、顔料誘導体を含有してなることを特徴とする油性インクジェットインク。顔料誘導体は、顔料分子にスルホン酸基などの極性基を導入したものであることが好ましい。顔料誘導体は、インク全量に対して0.1〜1重量%配合することが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】顔料、顔料分散剤および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクジェットインクであって、前記油性インクジェットインクは、溶剤としてインク全量に対して35重量%以上のエステル系溶剤と10〜20重量%の高級アルコール系溶剤を少なくとも含有し、さらに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1重量%以上含有するとともに、顔料誘導体を含有してなることを特徴とする油性インクジェットインク。顔料誘導体は、顔料分子にスルホン酸基などの極性基を導入したものであることが好ましい。顔料誘導体は、インク全量に対して0.1〜1重量%配合することが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット記録システムにおける使用に適した油性インクであって、より詳しくは、ノズルプレートに対するはじき性に優れるだけでなく、ノズルプレートを劣化させにくい性質を有するとともに、低温での保存安定性にも優れたインクジェットインクに関する。
特開2003−261808号公報には、油性インクジェットインクにおいて、それを構成する溶剤の60%重量以上を極性有機溶剤とし、さらに、この極性有機溶剤の10重量%以上をエステル系溶剤とすることにより、保存安定性を向上できることが開示されている。
また、特開2005−350563号公報には、それを構成する溶剤として不飽和脂肪酸エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを所定量含有させることにより、インクジェットヘッドのインクノズル内に充填された状態で長期間放置した後でも、インクジェット印刷に際してインクノズルの目詰まりが発生しにくいようにできることが開示されている。
また、特開2005−350563号公報には、それを構成する溶剤として不飽和脂肪酸エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを所定量含有させることにより、インクジェットヘッドのインクノズル内に充填された状態で長期間放置した後でも、インクジェット印刷に際してインクノズルの目詰まりが発生しにくいようにできることが開示されている。
しかしながら、かかるエステル系溶剤を含有するインクは、インクジェットインクヘッドのノズルプレートに対する濡れ性が良く、ノズルプレートに付着したインクが用紙に垂れて画像を汚したり、プレートに付着したインクがインク滴の吐出を妨げるという問題点を備えていた。
インクのノズルプレートに対する濡れ性を改良するためにインクに添加剤を添加することも考えられるが、一般に、濡れ性を低下させることは顔料の分散安定性即ちインクの保存安定性を低下させる危険性があり、両者は相反する課題と考えられていた。
インクのノズルプレートに対する濡れ性を改良するためにインクに添加剤を添加することも考えられるが、一般に、濡れ性を低下させることは顔料の分散安定性即ちインクの保存安定性を低下させる危険性があり、両者は相反する課題と考えられていた。
そこで、特開2008−274232号公報は、溶剤としてエステル系溶剤を含有する油性インクジェットインクに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1重量%以上含有させることにより、インクのノズルプレートに対するはじき性を向上させることを提案しているが、低温での保存安定性に劣ることがあり、また、上記はじき性の更なる向上と、ノズルプレートを劣化させにくい性質を備えることも求められていた。
本発明の目的は、ノズルプレート表面とインクを濡れ難くする性質とノズルプレートを劣化させにくい性質を兼ね備えることにより、インク吐出を長期間安定化させ、かつ画像汚れを防止するとともに、低温における保存安定性にも優れたインクジェットインクを提供することにある。
本発明者等は、上記目的の下に鋭意研究した結果、溶剤としてエステル系溶剤を含有した油性インクジェットインクに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩を所定量含有させるとともに、前記溶剤として所定量の高級アルコール系溶剤を所定量配合し、さらに、顔料誘導体を添加することにより、ノズルプレート表面に対するインクのはじき性を向上させるとともにノズルプレートの劣化を従来よりも長期にわたり抑制することができ、かつ、インクの低温における保存安定性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、顔料、顔料分散剤および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクジェットインクであって、前記油性インクジェットインクは、溶剤としてインク全量に対して35重量%以上のエステル系溶剤と10〜20重量%の高級アルコール系溶剤を少なくとも含有し、さらに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1重量%以上含有するとともに、顔料誘導体を含有してなることを特徴とする油性インクジェットインクが提供される。
本発明によれば、溶剤としてエステル系溶剤を含有した油性インクジェットインクに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩を所定量含有させるとともに、所定量の高級アルコール系溶剤と顔料誘導体を含有させたので、インクのノズルプレートに対するはじき性を改善できるだけでなく、ノズルプレートの劣化を従来よりも長期にわたり抑制でき、しかも、インク中の顔料の低温における分散安定性を向上させ、インクの低温における保存安定性を向上させることができ、したがって、環境温度の変化にかかわらずインク吐出を安定化させ、かつ画像汚れを防止することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のインクジェットインクは、溶剤、顔料、顔料分散剤、顔料誘導体、および長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩から少なくとも構成され、必要に応じて、さらに樹脂等の他の添加剤を含有することができる。
本発明のインクジェットインクは、溶剤、顔料、顔料分散剤、顔料誘導体、および長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩から少なくとも構成され、必要に応じて、さらに樹脂等の他の添加剤を含有することができる。
本発明で使用する溶剤は、エステル系溶剤と高級アルコール系溶剤から少なくとも構成される。本発明で使用する溶剤は、上記溶剤に加えて、上記溶剤以外の他の極性溶剤及び/又は非極性溶剤を含有してもよい。ここで、エステル系溶剤及び高級アルコール系溶剤は極性有機溶剤である。
エステル系溶剤としては、例えば、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルドデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。これらのエステル系溶剤は、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、エステル系溶剤として、α値6°〜8°のエステル系溶剤を用いることが好ましく、必要に応じてα値6°〜8°以外のエステル系溶剤を追加的に使用してもよい。α値6°〜8°のエステル系溶剤は、適度の極性を備えているため、これをインクジェットインク中で使用することにより、溶剤の経時的な粘度上昇や低温環境での凝固を防止して機上安定性を確保しつつ、トナー樹脂の溶解を抑制できると考えられる。
α値6°〜8°のエステル系溶剤としては、パルミチン酸イソオクチル(α値7.28°)、パルミチン酸ヘキシル(α値7.77°)、イソパルミチン酸イソオクチル(α値7.43°)、ステアリン酸ブチル(α値7.77°)、ステアリン酸ヘキシル(α値7.13°)、ステアリン酸イソオクチル(α値6.71°)、オレイン酸ヘキシル(α値7.36°)およびピバリン酸2−オクチルドデシル(α値7.28°)などの高級脂肪酸エステルが挙げられる。本明細書において、「高級」とは、1分子中の炭素数が9以上、好ましくは12以上のものをいう。α値6°〜8°のエステル系溶剤として好ましい高級脂肪酸エステルとしては、一分子中の炭素数が22以上32以下の化合物が挙げられる。好ましくは、上記エステル系溶剤はα値7°〜8°を備え、より好ましくは、パルミチン酸イソオクチル、イソパルミチン酸イソオクチルおよびピバリン酸2−オクチルドデシルからなる群より選ばれた少なくとも1種から構成される。
なお、α値とは、tanα=(無機性値/有機性値)で与えられるαの値である。ここで、「有機性値」及び「無機性値」は、藤田穆により提案された「有機概念図」において用いられている概念に基づくものであり、有機化合物をその炭素領域の共有結合連鎖に起因する「有機性」と置換基(官能基)に存在する静電性の影響による「無機性」との2因子に分けてそれぞれを数値化したものであり、個々の化合物の構造等から求められる値である。したがって、α値は、化合物の「有機性」と「無機性」のバランスを定量的に示すものである。なお、「有機概念図」に関連する事項は、藤田穆著「系統的有機定性分析(混合物編)」風間書房(1974)等に詳述されている。
α値6°〜8°以外のエステル系溶剤としては、例えば、ラウリン酸メチル(α値12.99°)、ラウリン酸イソプロピル(α値11.69°)、ミリスチン酸イソプロピル(α値10.30°)、パルミチン酸イソプロピル(α値9.21°)、パルミチン酸イソステアリル(α値5.12°)、オレイン酸メチル(α値9.27°)、オレイン酸エチル(α値8.81°)、オレイン酸イソプロピル(α値8.60°)、オレイン酸ブチル(α値8.02°)、リノール酸メチル(α値9.41°)、リノール酸イソブチル(α値8.15°)、リノール酸エチル(α値8.95°)、イソステアリン酸イソプロピル(α値8.53°)などが挙げられる。
本発明の油性インクジェットインクは、エステル系溶剤を、インク全量に対して35重量%以上含有する。この配合量が35重量%未満の場合、顔料分散剤、特に下記のポリエステル鎖を有する顔料分散剤の性能が発揮されにくくなり、顔料凝集が発生し易くなる。
高級アルコール系溶剤としては、例えば、一分子中の炭素数が9以上、好ましくは12以上の一価アルコールが挙げられ、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
本発明の油性インクジェットインクは、高級アルコール系溶剤を、インク全量に対して10〜20重量%以上含有する。この配合量が10重量%未満の場合、低温における顔料の分散安定性が低下し、インクの保存安定性が低下する。この配合量が20重量%を超える場合、インク粘度が上昇し、インクの吐出性が低下する傾向がある。
エステル系溶剤及び高級アルコール系溶剤以外の極性有機溶剤としては、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。これらの極性有機溶剤は、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。極性有機溶剤は、これらの2種以上及び/又は極性有機溶剤以外の溶剤と混合する場合、単一の相となるように選択される。
高級脂肪酸系溶剤としては、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる、
エーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
本発明で使用する溶剤は、30〜70重量%の非極性溶剤と70〜30重量%の極性溶剤とから構成することが好ましく、30〜45重量%の非極性溶剤と70〜55重量%の極性溶剤とから構成することがより好ましく、30〜40重量%の非極性溶剤と70〜65重量%の極性溶剤とから構成することがさらにより好ましい。極性溶剤の量が少なすぎると低温における顔料の分散安定性が損なわれる場合があり、極性溶剤の量が多すぎるとコストが増大する。
非極性溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、新日本石油社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。
本発明で使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて使用してもよい。
顔料は、インク全量に対して0.01〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。
顔料は、インク全量に対して0.01〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。
本発明で使用される顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されず、従来公知の顔料分散剤を使用できるが、そのうち、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤が好ましく使用される。ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤とは、ポリエチレンイミンのような多数の窒素原子を含有する主鎖を備え、かつ、該窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、該側鎖がポリエステル鎖であるものをいい、例えば、特開平5−177123号公報(米国特許第4,645,611号明細書)に開示されているような、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖を備え、これに3〜80個のカルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ基を含有するポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖がアミド架橋によって側鎖として結合している構造の分散剤が挙げられる。なお、かかる櫛形構造のポリアミド系分散剤は、日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)などの市販品として入手可能である。
上記分散剤の含有量は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
上記分散剤の含有量は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
本発明で使用される顔料誘導体としては、上記顔料分散剤で溶剤中に分散された顔料をさらに安定に保持させるものであれば特に限定されず、従来公知の顔料誘導体を使用できる。顔料誘導体とは、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環顔料などの顔料分子にスルホン酸基などの極性基が導入されたものをいい、顔料の分野ではシナジストとも呼ばれている。かかる顔料誘導体は、例えば、日本ルーブリゾール社製ソルスパース 5000、ソルスパース 12000、ソルスパース 22000(いずれも商品名)、ビックケミー・ジャパン社製BYK−Synergist 2100(商品名)などの市販品として入手可能である。
上記顔料誘導体の含有量は、インク全量に対して0.1〜1重量%が好ましく、0.3〜0.6重量%がより好ましい。顔料誘導体の含有量が0.1重量%未満の場合、インクのノズルプレートに対するはじき性が損なわれ、ノズルプレートが劣化し易くなる。1重量%を超える場合、顔料分散性が損なわれ易くなる。
上記顔料誘導体の含有量は、インク全量に対して0.1〜1重量%が好ましく、0.3〜0.6重量%がより好ましい。顔料誘導体の含有量が0.1重量%未満の場合、インクのノズルプレートに対するはじき性が損なわれ、ノズルプレートが劣化し易くなる。1重量%を超える場合、顔料分散性が損なわれ易くなる。
本発明で使用される長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩は、顔料分散剤としても知られているものであるが、本発明では、エステル系溶剤を含有する油性インクジェットインクに添加することで、インクのノズルプレートに対するはじき性を向上させる効果が得られる。特開平11−114399号公報(米国特許第6,111,054号明細書)に記載されるように、この塩において、長鎖ポリアミノアマイドとしては、例えば、平均分子量が好ましくは250〜200,000、より好ましくは1,000〜40,000のポリエチレンイミン鎖が挙げられ、極性酸エステルとしては、例えば、硫酸エステルおよびリン酸エステル、好ましくはリン酸エステル、より好ましくはメトキシ化、エトキシ化、プロポキシ化又はブトキシ化されたポリアルキレングリコール等のオキシアルキル化モノアルコールのようなモノアルコール類とリン酸とのモノエステル又はジエステルが挙げられる。長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩は、例えば、ビックケミー・ジャパン製Disperbyk−101(商品名)などの市販品として入手可能である。長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩は、上記櫛形構造のポリアミド系分散剤と併用するのに好適であり、保存安定性を損なうことなく、インクのノズルプレートに対するはじき性を良好に発揮させることができる。
長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩は、インクのノズルプレートに対するはじき性を発揮させるためには、インク全量に対して1重量%以上添加する必要があり、好ましくは、インク全量に対して2〜20重量%添加される。
長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩は、インクのノズルプレートに対するはじき性を発揮させるためには、インク全量に対して1重量%以上添加する必要があり、好ましくは、インク全量に対して2〜20重量%添加される。
尚、本発明のインクジェットインクには、インクのノズルプレートに対するはじき性、保存安定性、酸化安定性などに影響を与えない限り、上記の溶剤、顔料、顔料分散剤、顔料誘導体及び長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩に加えて、例えば、染料、界面活性剤、防腐剤等を添加できる。
本発明のインクジェットインクは、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。具体的には、予め溶剤の一部と顔料及び分散剤の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
このようにして得られる本発明のインクジェットインクの23℃における粘度は、インクジェットヘッドノズルからの吐出に適した5〜30mPa・sの範囲に設定することが好ましく、7〜14mPa・sの範囲に設定することがより好ましい。また、保存環境によってインクが凍結しないように、インクの凝固点は−5℃以下とするのが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜4
表1に示す各成分を表1に示す割合でプレミックスして調合液を作成し、得られた調合液30gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)80gを入れ、ロッキングミル(セイワ技研製 RM05S型)を用いて周波数60Hzで2時間運転し、インクジェットインクを調製した。なお、表1中の各成分の配合量は重量%で示してある。
表1に示す各成分を表1に示す割合でプレミックスして調合液を作成し、得られた調合液30gをガラス容器に入れ、これにジルコニアビーズ(φ0.5mm)80gを入れ、ロッキングミル(セイワ技研製 RM05S型)を用いて周波数60Hzで2時間運転し、インクジェットインクを調製した。なお、表1中の各成分の配合量は重量%で示してある。
上記実施例及び比較例でそれぞれ得られたインクジェットインクについて、以下の方法によりノズルプレートに対する濡れ性及びインクの低温における保存安定性の評価を行った。これらの評価結果を表1に示した。
(1)ノズルプレートの撥インク性の持続性に関する評価
ノズルプレートを載せる台と、該ノズルプレートの表面を拭うように摺動されるゴムブレードとを備えたワイピング装置を用意した。そして、ワイピング装置の台にインクジェットプリンターHC5500(商品名:理想科学工業社製)に使用されるノズルプレート3(長さ5cm、幅5mm)を載せ、その表面にインクジェットインクを数滴滴下した後、該表面をゴムブレードでワイプした回数とノズルプレートの撥インク性との関係を下記の基準で評価した。
○:4000回ワイプ後に撥インク性有り。
△:2000回ワイプ後に撥インク性有りだが、4000回ワイプ後に撥インク性無し。
×:△:2000回ワイプ後に撥インク性無し。
ノズルプレートを載せる台と、該ノズルプレートの表面を拭うように摺動されるゴムブレードとを備えたワイピング装置を用意した。そして、ワイピング装置の台にインクジェットプリンターHC5500(商品名:理想科学工業社製)に使用されるノズルプレート3(長さ5cm、幅5mm)を載せ、その表面にインクジェットインクを数滴滴下した後、該表面をゴムブレードでワイプした回数とノズルプレートの撥インク性との関係を下記の基準で評価した。
○:4000回ワイプ後に撥インク性有り。
△:2000回ワイプ後に撥インク性有りだが、4000回ワイプ後に撥インク性無し。
×:△:2000回ワイプ後に撥インク性無し。
なお、撥インク性の評価は、図1に示すように、インクジェットインク1を30ml容器2に入れ、ノズルプレート3の片端をピンセット4でつまみ、もう一方の片端2cmをインクに浸漬させ、その後、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間を測定し、その時間が3.5秒未満である場合を撥インク性有り、3.5秒以上の場合を撥インク性無しとして評価した。
(2)インクの低温保存安定性評価
容量50mlの瓶にインクを45ml入れて密閉し、5℃で1週間放置した。放置後、ミリポア社製メンブレンフィルター2μmでインクをろ過し、ろ過した後のフィルターを顕微鏡観察し、異物が発生しているかどうかを目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:異物発生無し。
×:異物発生有り。
容量50mlの瓶にインクを45ml入れて密閉し、5℃で1週間放置した。放置後、ミリポア社製メンブレンフィルター2μmでインクをろ過し、ろ過した後のフィルターを顕微鏡観察し、異物が発生しているかどうかを目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:異物発生無し。
×:異物発生有り。
尚、表1記載の原材料の記号は、以下の通りである。
MA11(商品名):三菱化学社製カーボンブラック。
ソルスパース28000:ルーブリゾール社製顔料分散剤ソルスパース28000(商品名)。
ソルスパース5000:ルーブリゾール社製顔料誘導体ソルスパース5000(商品名)。
アイソバーL(商品名):新日本石油社製石油系炭化水素溶剤。
Disperbyk−101:ビックケミー・ジャパン社製長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩。
MA11(商品名):三菱化学社製カーボンブラック。
ソルスパース28000:ルーブリゾール社製顔料分散剤ソルスパース28000(商品名)。
ソルスパース5000:ルーブリゾール社製顔料誘導体ソルスパース5000(商品名)。
アイソバーL(商品名):新日本石油社製石油系炭化水素溶剤。
Disperbyk−101:ビックケミー・ジャパン社製長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩。
表1の結果から、本発明に属する実施例1〜3のインクジェットインクは、極性溶剤としてエステル系溶剤をインク全量に対して35重量%以上含有し、高級アルコール系溶剤をインク全量の10〜20重量%含有し、さらには、顔料誘導体を含有するとともに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1重量%以上含有していることから、ノズルプレートに対するはじき性に優れるとともに、ノズルプレートを劣化させにくい性質を有するだけでなく、低温保存安定性にも優れていることがわかる。
これに対し、比較例1のインクジェットインクは、顔料誘導体を含有しないので、ノズルプレートに対するはじき性が劣り、ノズルプレートの撥インク性の劣化が速い。比較例2のインクジェットインクは、顔料誘導体及び長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩を含有しないので、ノズルプレートに対するはじき性が著しく劣る。比較例3及び4のインクジェットインクは、高級アルコール系溶剤の含有量が本発明の範囲よりも少ないため、低温保存安定性が劣る。
本発明の油性インクジェットインクは、低温における保存安定性に優れ、かつインクのノズルプレートに対するはじき性が良好で、ノズルプレートを劣化させにくい性質を有するため、インクを安定に吐出でき、かつ画像汚れが防止されるので、インクジェット印刷の分野で利用できる。
1…インクジェットインク、2…容器、3…ノズルプレート、4…ピンセット。
Claims (3)
- 顔料、顔料分散剤および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクジェットインクであって、前記油性インクジェットインクは、溶剤としてインク全量に対して35重量%以上のエステル系溶剤と10〜20重量%の高級アルコール系溶剤を少なくとも含有し、さらに、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩をインク全量に対して1重量%以上含有するとともに、顔料誘導体を含有してなることを特徴とする油性インクジェットインク。
- 前記顔料誘導体が、顔料分子に極性基を導入したものである請求項1に記載の油性インクジェットインク。
- 前記顔料誘導体を、インク全量に対して0.1〜1重量%含有する請求項2に記載の油性インクジェットインク。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012106408A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Mimaki Engineering Co Ltd | インクジェット記録装置 |
JP2015067751A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 理想科学工業株式会社 | 非水系顔料インク |
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JP2005290064A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Riso Kagaku Corp | 油性インクジェットインク |
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2008
- 2008-12-24 JP JP2008328584A patent/JP2010150347A/ja active Pending
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