JP2010209188A - インクジェット印刷用インク及びこれを用いた印刷方法 - Google Patents

インクジェット印刷用インク及びこれを用いた印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット印刷用インクの印刷濃度、とりわけ、画素間距離の大きい低解像度での印刷時における印刷濃度を向上させ、さらにはノズルからの吐出性も改善する。
【解決手段】
溶媒とそれに分散された顔料とから少なくとも構成されるインクジェット印刷用インクであって、前記顔料をインク全量の5〜10質量%含有し、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子をインク1mlあたり1.0×109個以上含有し、粒径100nm以下の顔料粒子をインク中の全顔料粒子に対する体積分率で25%以上含有する。粒径2.0μm以上の顔料粒子をインク1mlあたり1.0×108個以下含有することが好ましい。溶媒は少なくとも水から構成され、水をインク全量の30質量%以上含有することが好ましい。特に、画素間距離40μm以上、解像度600dpi×600dpi及びそれよりも低い解像度で印刷すると優れた効果が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の粒度分布を備える顔料を含有することにより、印刷濃度が向上し、さらにはノズルからの吐出性も改善したインクジェット印刷用インク及び該印刷用インクを使用した印刷方法に関する。
インクジェット印刷用インクは、溶媒とそれに分散された色材とから少なくとも構成され、溶媒が水を主体としてなる水性溶媒である場合は水性インクと呼ばれ、溶媒が非極性有機溶媒や水不溶性有機溶媒からなる場合は非水性インクと呼ばれ、そのうち、溶媒が揮発性溶媒である場合は溶剤系インクと呼ばれ、不揮発性溶媒である場合はオイル系インクと呼ばれている(特許文献1〜3参照)。
色材としては、従来、染料又は顔料が用いられているが、耐光性・耐水性が良好であるため最近は顔料が好まれている。染料は、多くの場合、インクの溶媒に溶解して存在するのに対し、顔料は、インクの溶媒に分散して存在するので、インク中での分散安定性を確保するために、顔料分散剤と併用したり、自己分散型の顔料を使用する必要がある。
また、インクジェットインクはノズルからの安定した吐出性を備える必要があるため、従来、粒径0.5μm以上の顔料粒子を多量に含まないことが要求されていた。一方、特別な表面処理を施していない普通紙に対してインクジェット印刷する場合、粒径の大きな顔料粒子は紙の内部に浸透できず表面の残る為、印刷濃度の観点からは、粒径の大きな顔料粒子を含むインクの方が有利である。したがって、顔料を含むインクジェット印刷用インクにおいて、粒径の大きな顔料粒子の存在量は、吐出性の改善と印刷濃度の向上の面ではトレードオフの関係にあった。
また、インクに含まれる顔料の平均粒径が大きくなればなるほど、紙の内部に浸透する顔料粒子の量が少なくなるため、画素中心部の印刷濃度は高くなるが、画素の広がりが抑制されて画素面積が小さくなり、画素間距離の大きい印刷条件(ドラフト設定での印刷時、ラインヘッド型のインクジェット印刷装置での印刷時)においては、画素間に顔料濃度の低い個所が生じ、逆に印刷濃度の低下を招いていた。
特開平05−202328号公報 特開2003−261808号公報 特開2007−126564号公報
本発明は、溶媒と顔料とから少なくとも構成されるインクジェット印刷用インクの印刷濃度、とりわけ、画素間距離の大きい低解像度での印刷時における印刷濃度を向上させ、さらにはノズルからの吐出性も改善することを目的とする。
本発明者は、上記目的の下に鋭意研究した結果、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子の含有量と、粒径100nm以下の顔料粒子の含有量を調整することにより、印刷濃度を向上させることができ、さらには、粒径2.0μm以上の顔料粒子の含有量を調整することにより、吐出性を改善することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面によれば、溶媒とそれに分散された顔料とから少なくとも構成されるインクジェット印刷用インクであって、前記顔料をインク全量の5〜10質量%含有し、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子をインク1mlあたり1.0×109個以上含有し、粒径100nm以下の顔料粒子をインク中の全顔料粒子に対する体積分率で25%以上含有することを特徴とする、インクジェット印刷用インクが提供される。
インクジェット印刷用インクが、粒径の大きな顔料粒子を多量に含有すると、一般にはインクの吐出性が悪化するが、本発明によれば、平均粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子をインク1mlあたり1.0×109個以上含有しても吐出性をさほど悪化させること無く画素中心部の顔料濃度を高めることができ、同時に、平均粒径100nm以下の顔料粒子をインク中の全顔料粒子に対する体積分率で25%以上含有させることにより画素間の顔料濃度を有意に向上させることができ、結果として、画像全体の印刷濃度を向上させることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、インクジェット印刷用インクは、粒径2.0μm以上の顔料粒子をインク1mlあたり1.0×108個以下含有する。この場合、印刷濃度が向上するだけでなく、吐出性も改善する、
本発明のインクジェット印刷用インクは、粒径100nm以下の顔料粒子を所定量以上含有するので、画素のドットゲインが大きくなるようにされており、画素間距離の大きな印刷条件(例えば、ラインヘッド型のインクジェット印刷装置を使用した印刷、解像度600dpi×600dpiまたはそれよりも粗い解像度での印刷、ドラフトモードでの印刷等)で印刷する場合に好適である。
したがって、本発明の他の局面によれば、上記本発明のインクジェット印刷用インクを用い、画素間距離40μm以上150μm以下でインクジェット印刷することを特徴とするインクジェット印刷方法が提供される。
本発明によれば、インクジェット印刷用インクに、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子を特定量以上含有させ、粒径100nm以下の顔料粒子を特定量以上含有させることとしたので、印刷用紙に形成される画素中心部の顔料濃度が高まるとともに、画素のドットゲインが大きくなるため画素間の顔料濃度も高まり、その結果、画像全体の印刷濃度が向上する。また、粒径2.0μm以上の顔料粒子の含有量を特定量以下とすることにより、該インクの吐出性が改善する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で使用されるインクジェット印刷用インクは、溶媒とそれに分散された顔料とから少なくとも構成されていれば、特に限定されず、水性インクであっても、非水性インクであってもよい。
1.溶媒
したがって、本発明で使用する溶媒は、水であっても有機溶剤であってもよく、有機溶剤は、水溶性有機溶剤及び水不溶性有機溶剤の何れであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
1−1.水
水としては、水道水、純水などを使用でき、純水としては、蒸留水、脱イオン水、RO水、超純水などが使用できる。また、顔料の水分散体を使用してインクを調製する場合は、該分散体の溶媒を構成する水をそのままインクの溶媒として使用することができる。
1−2.水溶性有機溶剤
水溶性有機溶剤としては、例えば、グリコール類、ポリアルキレングリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエーテル類のアセタート、低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリン、イミダゾリジノン系溶剤などが挙げられる。
グリコール類としては、式OH-(CH2n-OH(nは2以上の整数)であらわされるジオール及びその2乃至3分子の脱水縮合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール(例えば、3‐メチル‐2,4‐ペンタンジオール)などのアルキレングリコールの他、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコール類としては、式HO- (C2H4-O)n-Hで表わされる分子量200乃至50,000g/molのポリエチレングリコール、式HO- (C3H6-O)n-Hで表わされる分子量300乃至75,000g/molのポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、グリコール類及びポリアルキレングリコール類の水酸基の一つ又は両方をメチル化したものが挙げられ、例えば、下記式(1)及び(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010209188
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6好ましくは4〜6のアルキル基であり、R及びRの少なくとも一つはアルキル基であり、nは1乃至4の整数であり、好ましくは3乃至4、さらに好ましくは4である。)
上記式(1)で示されるグリコールエーテル類の具体例としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
Figure 2010209188
(式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6好ましくは4〜6のアルキル基であり、R及びRの少なくとも一つはアルキル基であり、nは1乃至4の整数であり、好ましくは3乃至4、さらに好ましくは4である。)
上記式(2)で示されるグリコールエーテル類の具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば一分子中の炭素数が1〜6の脂肪族アルコール類が挙げられ、具体的には、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
1−3.水不溶性有機溶剤
水不溶性有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、高級脂肪酸エステル系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、高級アルコール系溶剤などが挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤が挙げられ、具体的には、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、新日本石油社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。
高級脂肪酸エステル系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が5以上、好ましくは9以上、より好ましくは12乃至32の脂肪酸エステル類が挙げられ、具体的には、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ヒバリン酸2−オクチルドデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
高級脂肪酸系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が4以上、好ましくは9乃至22の脂肪酸類が挙げられ、具体的には、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
高級アルコール系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が12以上の脂肪族アルコール類が挙げられ、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
1−4.溶媒の好ましい実施形態
上記各種溶媒は、1種単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記水溶性有機溶剤は、一般に、水及びある種の水不溶性有機溶剤に溶解するので、水または水不溶性有機溶剤と混合して使用することができる。すなわち、上記水溶性有機溶剤は、単独で非水性インクの溶媒として使用してもよく、水と混合して水性インクの溶媒成分として使用してもよく、水不溶性有機溶剤と混合して油性インクの溶媒成分としても使用してもよい。また、水と水不溶性有機溶剤とを乳化剤を用いて混和させ、W/Oエマルジョン形態のマクロ的に単一な溶媒相を備えてなるエマルジョンインクを用いることもできる。
このうち、本発明は、インクとして水性インクを使用した場合に、より顕著な印刷濃度の向上効果をあげることができる。このような水性インクとしては、具体的には、インク全量の30質量%以上の水を含有するインクが挙げられ、溶媒が水と水溶性有機溶剤とから構成されるインクが好ましい。水の含有量が30質量%未満の場合、画素のドットゲインが大きくなりすぎ、画像の鮮明性が損なわれる。
水と併用する水溶性有機溶剤としては、グリセリン、グリコール類、グリコールエーテル類及びポリアルキレングリコール類からなる群より選ばれた1種以上を使用することが好ましく、グリセリン、1,3−プロパンジオール、 1,5−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール などを使用することが好ましい。
2.顔料
2−1.顔料の種類
本発明のインクで使用する顔料は、所定の粒度分布を満たす限り、特に制限されず、有機顔料及び無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用できる。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は、分散安定性を高めるために、顔料分散剤と併用してもよい。また、分散安定性を改善するために、顔料表面が改質された自己分散型顔料であってもよい。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
2−2.顔料の含有量
本発明のインクは、顔料を、インク全量に対して5〜10質量%の範囲で含有することが好ましい。この含有量が5質量%未満の場合、印刷濃度が十分でなくなり、この含有量が10質量%以上の場合、インクの吐出性が悪化する。
2−3.顔料の粒度分布
本発明のインクは、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子をインク1mlあたり1.0×109個以上含有する必要がある。従来、粒径0.5μm以上の顔料粒子はインクの吐出性を害するので、好ましくないとされていたが、本発明によれば、粒径0.5μm〜1.0μmの範囲の顔料粒子を一定量以上含有させることにより、画素中心部の顔料濃度を向上させることができる。この粒径範囲の顔料粒子が1.0×109個未満の場合、印刷濃度の向上効果が十分に得られない。
一方、インク中に粗大な顔料粒子が多量に含まれるとインクの吐出性が害される。したがって、本発明のインクは、粒径2.0μm以上、特に、粒径2.0μm〜10.0μmの顔料粒子をインク1mlあたり1.0×108個以下含有することが好ましい。
また、本発明のインクは、粒径100nm以下の顔料粒子をインク中の全顔料粒子に対する体積分率で25%以上含有する必要がある。顔料粒子が大きい場合、インクが滲みにくくなり、画素の面積が小さくなり、画素間の印刷濃度が低下するので、本発明では、微小な顔料粒子を一定量以上含有させることにより、インクにある程度の滲み性を付与し、画素の面積を広げること、すなわち、ドットゲインを大きくすることにより、画素間の顔料濃度を向上させることができる。この粒径範囲の顔料粒子が体積分率で25%未満の場合、印刷濃度の向上効果が十分に得られない。
2−4.顔料の製造方法
上記のような粒度分布を備えた顔料は、例えば、平均粒径の大きな顔料と平均粒径の小さな顔料とを適当な比率で混合することによって得ることができる。また、フィルターで粗大な粒径の顔料粒子を除去することによって得ることができる。また、 遠心分離によって粗大な粒径の顔料粒子を除去することによって得ることができる。
3.添加剤
本発明のインクには、上記成分の他に、必要に応じて、界面活性剤、染料、酸化防止剤、防黴剤などの各種添加剤を配合することができる。
界面活性剤は、顔料の分散安定性を確保し、インクの吐出性を維持するために使用することができ、具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。
4.インクの製造方法
本発明のインクは、例えばディスパー等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。具体的には、予め溶媒の一部と顔料の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
5.インクの物性
ライン型インクジェットプリンタ用のインクの23℃における粘度は、インクジェットヘッドノズルからの吐出に適した5〜50mPa・sの範囲に設定することが好ましく、5〜30mPa・sの範囲に設定することがより好ましく、5〜20mPa・sの範囲に設定することが更により好ましく、7〜14mPa・sの範囲に設定することが特に好ましい。また、保存環境によってインクが凍結しないように、インクの凝固点は−5℃以下とするのが好ましい。かかる粘度や凝固点は、上記水溶性有機溶剤の種類や量などを適宜選択したり、必要に応じて、添加剤を配合することにより調整することができる。
6.インクジェット印刷方法
本発明のインクは、画素中心部と画素間の両方の顔料濃度を向上させることができるので、比較的低解像度での印刷、すなわち、画素間距離40μm以上での印刷、より具体的には、解像度600dpi×600dpi及びそれよりも低い解像度(例えば、400dpi×400dpi及びそれよりも低解像度、360dpi×360dpi及びそれよりも低解像度、360dpi×180dpiや180dpi×180dpiなどのいわゆるドラフトモード)での印刷に用いるのに好適である。
同様の理由から、本発明のインクは、ノズルが長手方向に一列に配列された吐出ヘッドを備えたライン型インクジェットプリンタを用いた印刷で使用するのに好適である。ライン型インクジェットプリンタでは、印刷用紙を印刷機の静止した吐出ヘッドの下を一回通過させるだけで画像形成が行われ、100ppm以上の高速で印刷が行われる。ライン型インクジェットプリンタ用には、本発明のインクは、該プリンタに専用の容量500mL以上のインク容器に充填して提供することができる。
また、本発明のインクは、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子を一定量含むため、インクの吐出性の悪化を防止するために、循環式の吐出ヘッドを用いてインクジェット印刷することが好ましい。循環式の吐出ヘッドとは、吐出ヘッドのノズルプレート内面をインク吐出方向に対して垂直方向にインク吐出量の2倍以上の量のインクを流通させるタイプのインクジェット吐出ヘッドを意味するものである。
本発明において、印刷媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシートなどが使用できる。とりわけ、本発明によれば、インクが比較的浸透しやすい普通紙に印刷する場合でも、画素中心部及び画素間の両方の顔料濃度が高められることにより、印刷画像全体の印刷濃度が向上するという大きなメリットが得られる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
比較例1
カーボンブラックを固形物換算で15質量%含有する顔料水分散体CW1、水溶性有機溶剤(グリセリン及び1,3−プロパンジオール)、及び界面活性剤を表1に示す配合割合でディスパー中で混合し、インクを調製した。
得られたインクをイオン交換水で500万倍に希釈し、PSS社製Accusizer 780SISを用いて、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子数及び粒径2.0μm以上の顔料粒子数を測定した。
また、得られたインクの粒径100nm以下の顔料粒子の体積分率(%)を、日機装社製 Nanotrac UPA−EX150を用いて測定した。
また、得られたインクを東芝テック社製CB1ヘッドに導入し、印刷用紙として普通紙(理想用紙薄口(商品名;理想科学工業株式会社製))を用い、ベタ画像を印刷した。なお、印刷は、解像度300dpi×300dpi、液滴量32pL/dotで実施した。得られた画像の印刷濃度(OD)を、光学濃度計(RD920:マクベス社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
また、上記CB1ヘッド、および、これを循環式の吐出ヘッドに改造したヘッドをそれぞれ使用して、液滴量42pL/dotの吐出量で1ヘッドを10分間連続吐出させてベタ印刷した時の不吐出発生数(n/318ノズル)を不吐出数として測定した。ノズルの不吐出の発生は、ベタ印刷画像への白いライン状の色抜け部分の発生として観察できる。結果を表1に示す。
比較例2
得られたインクをADVANTEC製の孔径0.8μmのCELLULOSE ACETATEメンブレンフィルターにて、−600mmHgで減圧濾過処理して使用した以外、比較例1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
比較例3
顔料水分散体CW1の代わりにカーボンブラックを固形物換算で15%含有する顔料水分散体CW2を使用した以外、比較例1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
比較例4
得られたインクをADVANTEC製の孔径0.8μmのCELLULOSE ACETATEメンブレンフィルターにて、−600mmHgで減圧濾過処理して使用した以外、比較例3と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
実施例1
顔料水分散体CW1及び顔料水分散体CW2を表1に示す割合で併用した以外、比較例1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
実施例2
得られたインクをADVANTEC製の孔径0.8μmのCELLULOSE ACETATEメンブレンフィルターにて、−600mmHgで減圧濾過処理して使用した以外、実施例1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010209188
尚、表1記載の原材料の表示は、以下の通りである。
サーフィノール465:エアプロダクツ社製アセチレングリコール系界面活性剤
表1の結果から、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子の含有量と粒径100nm以下の顔料粒子の含有量が本発明の範囲内にある実施例1及び実施例2は、印刷濃度に優れていた。また、粒径2.0μm以上の顔料粒子の含有量が所定値以下の実施例2は、さらに、吐出性にも優れていた。
これに対し、比較例1及び2は、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子の含有量が本発明の範囲よりも少ないため、印刷濃度が低かった。また、比較例3及び4は、粒径100nm以下の顔料粒子の含有量が本発明の範囲よりも少ないため、印刷濃度が劣っていた。
本発明のインクジェット印刷用インク及び印刷方法は、インクジェット印刷分野、特に、ライン型インクジェットプリンタでの印刷の分野で広く利用できる。

Claims (6)

  1. 溶媒とそれに分散された顔料とから少なくとも構成されるインクジェット印刷用インクであって、前記顔料をインク全量の5〜10質量%含有し、粒径0.5μm〜1.0μmの顔料粒子をインク1mlあたり1.0×109個以上含有し、粒径100nm以下の顔料粒子をインク中の全顔料粒子に対する体積分率で25%以上含有することを特徴とする、インクジェット印刷用インク。
  2. 粒径2.0μm以上の顔料粒子をインク1mlあたり1.0×108個以下含有する、請求項1に記載のインク。
  3. 前記溶媒は少なくとも水から構成され、水をインク全量の30質量%以上含有する、請求項1または2に記載のインク。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット印刷用インクを用い、画素間距離40μm以上150μm以下でインクジェット印刷することを特徴とするインクジェット印刷方法。
  5. ラインヘッド型のインクジェット印刷装置を使用して印刷することを特徴とする、請求項4に記載の印刷方法。
  6. 循環式の吐出ヘッドを用いて印刷を行う、請求項4または5に記載の印刷方法。
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