JP2002201388A - インク組成物 - Google Patents

インク組成物

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JP2002201388A
JP2002201388A JP2000402365A JP2000402365A JP2002201388A JP 2002201388 A JP2002201388 A JP 2002201388A JP 2000402365 A JP2000402365 A JP 2000402365A JP 2000402365 A JP2000402365 A JP 2000402365A JP 2002201388 A JP2002201388 A JP 2002201388A
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JP
Japan
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pigment
ink composition
weight
ink
glycol
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JP2000402365A
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English (en)
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Kiyobumi Morimoto
清文 森本
Takahiro Horiuchi
貴洋 堀内
Tomoko Inoue
朋子 井上
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像濃度が高く、印字品質も良好で、保存安
定性、吐出安定性に優れ、乾燥が速く普通紙記録に対し
てにじむことなく記録でき、インクジェットインクに要
求される他の特性をも十分に満たすインク組成物を提供
する。 【解決手段】 少なくとも一種の親水性基が直接もしく
は他の原子団を介してカラー顔料の表面に結合された自
己分散型顔料を含有する水性顔料インクにおいて、自己
分散型顔料の数平均粒子径が20〜300nmの範囲で
あり、水性の液体として、少なくともグリコールエーテ
ル類とラクタム類を含有することを特徴とする水性顔料
インクは、色濃度の高い記録を実現し、かつ、保存安定
性、吐出安定性に優れ、乾燥が速く普通紙でのにじみが
極めて少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インク組成物に関
する。更に詳しくは、本発明は、インクジェット記録方
式に好適な水性顔料インク組成物に関する。なお、イン
ク組成物は、各種マーキング用具、器具における着色剤
としても好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の機構
によりインクの小滴を吐出させ、その小滴をメディア上
に付着させてドットを形成して画像記録を行う方式であ
る。そのため、記録時の騒音が少ない、フルカラー化が
容易である、現像及び定着が不要であるので、高速記録
が可能である等の特長を有している。この方式は、近
年、ディスプレイ等に表示されたカラー画像あるいは、
各種図形、カラー原稿等を印刷する方法として注目さ
れ、急速に普及している。
【0003】インクジェット記録方式に用いられるイン
クには、メディア上では速やかに乾燥定着し、ノズル内
では乾燥しにくく、ノズル詰まりを起こしにくい、とい
う矛盾した特性が要求される。また、メディアの種類に
よって、インクの浸透・吸収状態が大きく異なるため、
使用できるメディアが制限される等の問題点がある。特
に、近年はオフィスで一般に使用されているコピー用
紙、レポート用紙、ノート、便箋等のメディア、いわゆ
る普通紙に対しても良好な記録を行えることが要求さ
れ、上記の問題点についての早急な改善が望まれてい
る。
【0004】インクの好ましい条件を下記に列挙する
と、(1)メディア、特に普通紙に対して、定着性が良
好で、印刷物を印刷直後に擦っても汚れたりせず、又、
定着後の擦過性も良好なこと、(2)記録休止中、キャ
ップをしない状態で放置されても、記録再開時直後から
安定した吐出が得られること、即ち、吐出口(オリフィ
ス)付近のインクが乾燥しにくく、目詰まりを生じない
こと、(3)普通紙に対して、不定形又は不規則なにじ
みのない高品位な画像が得られること、(4)微細な吐
出口から液滴が常時安定して吐出され、目詰まりを生じ
ないこと、(5)保存安定性が良好で、長時間にわたり
初期性能が保持されること、(6)毒性がなく安全性に
優れること等が挙げられる。
【0005】インクは、着色剤としての染料又は顔料
と、それを溶解又は分散させるための溶媒を主成分と
し、その他、必要に応じて使用される各種添加剤とから
なっている。
【0006】着色剤は、インクを10〜60μmの微細
な吐出口から吐出させなければならないために、オフィ
ス、パーソナル分野向けでは、酸性染料といった水溶性
染料が主に用いられている。これは、水溶性染料が色
調、彩度、色再現域等の点で顔料よりも優れており、更
に、長期保存性等の信頼性の面でインク設計が容易なた
めである。
【0007】しかしながら、水溶性染料インクは乾燥性
が悪いという欠点がある。従って、ドットを形成させる
際に、メディアに付着したインクの乾燥速度を増大させ
ること、印字濃度が高いこと、ドットの広がりやにじみ
が少ないこと等が要求される。
【0008】一方、耐水性、耐光性に優れた顔料は、デ
ザイン、ディスプレイ市場向けの大判印刷用に実用化が
進んでいるが、多種多様なメディアに高画質の出力が求
められるオフィス、パーソナル向けへの応用は困難な状
況にある。
【0009】着色剤として顔料を用いた水系インクとし
ては、例えば、特開平8−3498号公報や特表平10
−510862号公報に、カーボンを用いたインク組成
物が、特開平10−95941号公報に、再生紙に対し
てにじまない顔料インク組成物が記載されている。しか
し、比較的極性の高い多孔質物質であるカーボンブラッ
クに特定されている。また、特開平9−151342号
公報や特開平10−140065号公報には、マクロカ
プセル化有機顔料を用いた水系インクが開示されてい
る。しかし、彩度、乾燥速度、耐擦過性等で未だ充分と
は言えない。
【0010】一方、顔料系のインクの場合、保存安定性
(すなわち、その顔料を長期間安定に分散させるこ
と)、印字中又は印字中断後の再起動時にノズルの目詰
まりがないことが特に求められる。例えば、特開平6−
212106号公報等においては、顔料を分散剤で溶媒
中に分散させて得られた顔料分散液を、インク組成物に
添加する技術が開示されている。分散剤としては、高分
子分散剤、界面活性剤が利用されている。しかしなが
ら、これらの分散剤は、多くの場合、インクの泡立ちの
原因となり、インク吐出過程に影響を及ぼし、その結果
印字ムラを引き起こすという問題点がある。
【0011】このような状況の中、現状の水系インクが
もつ課題の克服が求め続けられており、耐水性・耐光性
・耐擦過性があり、普通紙に対して高精細・高彩度画像
の得られるインクへの期待が高まっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】耐候性に優れた顔料を
色材として使用すれば耐水性・耐光性は容易に達成でき
るが、インクジェット用インクとしては、安定なインク
吐出の確保、インクの保存性、更には、メディア表面に
いかに定着させるかが問題となる。高い色濃度と耐擦過
性の確保も未だ達成できていない。
【0013】本発明は、画像濃度が高く、保存安定性に
優れ、良好な印字品質が得られ、乾燥速度が良好で、普
通紙記録に対してにじむことなく安定した記録ができ、
インクジェットインクに要求される他の特性をも十分に
満たすインク組成物を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記状況を鑑み、本発明
の発明者等は鋭意検討を重ねた結果、顔料の粒子サイズ
の制御とインク組成物の構成の重要性に加えて、表面改
質技術を用いて親水化を施した顔料を用いると上記目的
が達成されることを見出し、本発明に至った。
【0015】かくして本発明によれば、水性の液体と、
その中に分散させた顔料とからなり、顔料が、少なくと
も一種の親水性基を直接もしくは他の原子団を介して表
面に結合させた自己分散型顔料を含有し、自己分散型顔
料の数平均粒子径が20〜300nmの範囲であり、水
性の液体が、少なくともグリコールエーテル類とラクタ
ム類を含有することを特徴とするインク組成物が提供さ
れる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下において本発明を詳細に説明
する。
【0017】まず、本発明における自己分散型顔料と
は、表面に水に対する可溶化基を数多く含み、分散剤の
存在がなくとも安定に分散する顔料のことである。通常
のいわゆる顔料に酸・塩基処理、カップリング剤処理、
ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理
等の表面改質を施すことにより、通常の顔料に比べて水
に対する可溶化基を多く含むため、自己分散が可能とな
る。
【0018】特に、酸処理による方法は、硫酸に溶解
し、必要に応じて加熱攪拌するだけでよいので、他の方
法と比較して実に簡便である。この方法は、プラズマ処
理、酸化/還元処理のような特別な装置も必要としな
い。酸処理による方法は、一部変色等を起こし適用でき
ない顔料(C.I.ピグメントイエロー17、C.I.
ピグメントレッド23等)がある。また、カップリング
剤処理、ポリマーグラフト処理も同様に適用できる顔料
に制約がある。これらの方法の内、酸処理による方法
は、それ以外の方法と比較してコストを低く押さえるこ
とが可能であるため好ましい。
【0019】表面改質される顔料は、アゾ顔料(モノア
ゾイエロー顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾ
ロン顔料、ジスアゾイエロー顔料、ピラゾロン顔料、縮
合アゾ顔料等)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔
料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、チオインジゴ顔料、アンサンス
ロン顔料等)等を利用できる。
【0020】たとえば、イエロー顔料では、C.I.ピ
グメントイエロー74のモノアゾイエロー顔料、C.
I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、C.
I.ピグメントイエロー151、180、194のベン
ズイミダゾロン顔料等が挙げられる。
【0021】マジェンタ顔料では、C.I.ピグメント
レッド122、202のキナクリドン顔料、C.I.ピ
グメントレッド149、190、224のペリレン顔
料、C.I.ピグメントレッド175、176、185
のナフトールAS−ベンズイミダゾロン顔料等が挙げら
れる。
【0022】シアンないしブルー顔料では、C.I.ピ
グメントブルー15、15:3、15:4のフタロシア
ニン顔料等が挙げられる。
【0023】グリーン顔料では、C.I.ピグメントグ
リーン7、36のフタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0024】レッド顔料では、C.I.ピグメントレッ
ド238のナフトールAS顔料、C.I.ピグメントレ
ッド221の縮合アゾ顔料等が挙げられる。
【0025】上記の顔料は、単独で、又は2種以上を適
宜合わせて用いてもよい。
【0026】インク組成物中に水溶性ポリマーが含まれ
ていてもよい。水溶性ポリマーは、メディアに定着後の
色材の高彩度発色に重要な役割を担うと同時に、耐擦過
性を確保するのにも大きく寄与する。また、顔料の親水
性が不足している場合には、更に、分散剤としても機能
する。この意味合いから、カルボキシル基を有し、かつ
酸価50〜300の水溶性ポリマーが好ましい。より好
ましい酸価は、80〜250である。また、スチレン単
位及び/又はα―メチルスチレン単位を35%以上含有
する重量平均分子量が2000〜20000の水溶性ポ
リマーが好ましい。更に好ましい重量平均分子量は、2
500〜15000である。
【0027】このようなポリマーとして、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸
エステル(C1〜C4程度のアルキルエステル、以下、
同様)共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等
の他、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等
が用いられる。
【0028】また、分子の末端あるいは中間に顔料の官
能基と水素結合又は共有結合の可能な官能基を有する部
分と、分子末端に親水基とを有し、分子が規則正しく配
列される構造であり、交互共重合やブロック共重合が含
まれるポリマーとして規制重合型水溶性ポリマーを用い
ることもできる。
【0029】規制重合型水溶性ポリマーとしては、ソル
スパースS20000、S27000、S12000、
S22000、S24000GR、S26000、S2
8000、S13240、S5000(ゼネカ社製)等
が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、顔料の高彩度発色とメディアへの定着性に優
れたものであればいずれも使用することができる。これ
ら水溶性ポリマーは、単独でも、2種以上を混合して用
いてもよい。
【0030】本発明の機能分担におけるインク組成物中
のこれらの水溶性ポリマーは、2〜15重量%含まれて
なるのが好ましい。2重量%未満では十分な分散効果を
得ることが困難となるので好ましくない。15重量%を
超えると粘度が高くなり、吐出安定性が著しく低下する
恐れがあるため好ましくない。
【0031】表面改質された顔料に含まれる水に対する
可溶化基は、ノニオン性、カチオン性、アニオン性いず
れも可能であるが、主にスルホン酸基、カルボキシル
基、水酸基、リン酸基が望ましい。スルホン酸基、カル
ボキシル基、水酸基、リン酸基の場合、そのまま遊離酸
の状態でも用いることは可能であるが、塩を形成してい
ても構わない。塩を形成している場合、酸の対イオンは
一般的に、Li+、Na+、K+、NH4 +及び有機アミン
であるのが好ましい。
【0032】顔料の含有量は、全インク量に対して、好
ましくは0.1〜20重量%の範囲、より好ましくは
0.5〜15重量%の範囲、更に望ましくは2〜15重
量%の範囲である。顔料の含有量が多くなると、ノズル
先端での耐目詰まりが起こりやすくなるので好ましくな
い。また逆に含有量が少なければ、当然ながら印刷する
ために十分な濃度が得られないので好ましくない。
【0033】また、これら顔料のインク中における数平
均粒子径は、20〜300nmの範囲にあることが好ま
しく、更に好ましくは20〜100nmの範囲である。
数平均粒子径がこの範囲にあることにより、目詰まりを
生じにくく、保存安定性にも優れたインク組成物を得る
ことができる。数平均粒子径が20nm以下になると、
粒子単位体積あたりの表面積が大きくなり、インク中で
粒子間の接触面積が大きくなりやすく、インク粘度が高
くなり、目詰まりを生じやすいため好ましくない。逆に
平均粒子径が100nm以上であると、顔料の凝集及び
沈降につながる傾向が見られるため好ましくない。
【0034】また、本明細書において、分散粒度分布
は、体積平均粒子径の数平均粒子径に対する比である
が、これは3.0以下であることが好ましく、更に好ま
しくは2.5以下である。分散粒度分布が広くなると数
平均粒子径が上記の範囲にあっても、一部の大きな分散
粒子を核として凝集及び沈降を引き起こしやすくなる傾
向がある。分散粒度分布を上記のようにするには、後述
する界面活性剤の添加量を適当な範囲にしてやることで
達成できる。乾燥時間を短くするために多量の界面活性
剤を加えた場合、通常の顔料分散系では粒子数が増大し
やすく、自己分散可能な顔料を用いることにより0.5
μmより大きい粒子数を抑制することが可能になる。
【0035】浸透剤は、乾燥性を早めるだけではなく、
メディア表面に顔料を効率的に定着させること、あるい
は、普通紙でのにじみ防止にも重要な役割を果たす。浸
透剤としては、表面張力を低下させる機能をもつもので
あれば、特に限定されない。具体的には、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−
n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブ
チルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエー
テル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等から選
ばれるグリコールエーテル類、アニオン型であるパーフ
ルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸カリウム塩、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸カリウム塩、ノニオン型であるパーフルオ
ロアルキルポリオキシエチレンエタノール、パーフルオ
ロアルキルアルコキシレート、フッ素化アルキルエステ
ル等から選ばれるフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
本発明のインク組成物では、前記グリコールエーテル類
が特に好ましい。
【0036】本発明におけるインク組成物中に、グリコ
ールエーテル類からなる浸透剤が少なくとも一種類以上
含まれていればよい。更に、上記グリコールエーテル類
を2種以上混合しても、グリコールエーテル類とそれ以
外の前記界面活性剤等を併用してもよい。
【0037】本発明におけるインク組成物への浸透剤の
添加量は、0.1〜30重量%が好適である。
【0038】含窒素有機溶剤は、pH調整やインクの乾
燥に伴う目詰まり防止する役割を持ち、尿素、2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−イミダゾリジノン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミンが使用される。特に、前記2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類を使用
することが好ましい。インク組成物への含窒素有機溶剤
の添加量としては、1〜10重量%が好適である。
【0039】その他の添加剤として、pH調製剤、湿潤
剤も添加することが好ましい。
【0040】湿潤剤の好ましい例としては、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタエチ
レングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエ
チレングリコール、オクタエチレングリコール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサン
トリオール、チオグリコール、へキシレングリコール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙
げることができる。
【0041】これらは、インク組成物の保存安定性、記
録特性、メディアに対する定着性の向上にも寄与する。
また、上記含窒素有機溶剤と同様の機能として、インク
の乾燥によるノズルやオリフィスでの目詰まり防止に役
立つ。湿潤剤は、インク組成物中で0.5〜40重量%
程度の添加量で使用することができる。また、特に、3
価以上の多価アルコール、例えばグリセリン、ジグリセ
リン、更には、親水親油バランス(HLB)の高いもの
としてポリグリセリンを使用することが好ましく、これ
らは、添加量が2〜20重量%の場合、顕著な効果を表
わす。
【0042】更に、これらの湿潤剤に加えて、低沸点有
機溶剤を添加するのが好ましい。低沸点有機溶剤の好ま
しい例としては、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、se
c−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタ
ノール、n−ペンタノール等が挙げられる。特に一価ア
ルコールが好ましい。低沸点有機溶剤の添加量は、イン
ク組成物の0.5〜10重量%が好ましく、更に好まし
くは1.5〜6重量%の範囲である。
【0043】本発明のインク組成物には、更にインクの
諸物性を改善するために必要に応じて適当な物性調整剤
を添加することができる。物性調整剤としては、例え
ば、粘度調整剤、防カビ剤、防腐剤等が挙げられる。
【0044】本発明のインク組成物は、上記の成分を適
宜、適当な方法で水に分散あるいは混合することによっ
て調製することができる。なお、凝集状態の顔料を微粒
子まで分散する方法としては、ダイノミル分散法、ペイ
ントシェーカー分散法、ボールミル分散法、アトライタ
ー分散法、サンドミル分散法、ビーズミル分散法、超音
波分散法等の通常の方法を採用することができる。
【0045】本発明によれば、画像濃度の高い記録を実
現すると同時に、普通紙でのにじみが極めて少なくな
る。特に、顔料に、その表面が化学的あるいは/かつ物
理的に改質されている親水化された自己分散型顔料を用
い、前記水溶性有機溶剤と、少なくとも浸透剤としての
グリコールエーテル類と含窒素有機溶剤のラクタム類と
を併用した場合には、顔料とビヒクル(溶媒)との親和
力が向上し、優れた分散安定性を示すことができる。ま
た、水溶性ポリマーによって、高彩度化と高耐擦過性も
達成され、インク組成物の保存性も向上される。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
りこれらに限定されるものではない。
【0047】まず、実施例及び比較例に使用する顔料の
親水化処理を、以下の製造例1〜5に示すように行っ
た。
【0048】(製造例1)4℃前後に冷却した濃硫酸
(98%)中で、顔料を1時間攪拌後、0℃の水中にゆ
っくりと滴下攪拌して顔料の親水化処理を行った。水の
接触角を測った結果、極めて水によく馴染む顔料(親水
化顔料)が得られた。
【0049】(製造例2)濃硫酸を130℃に加熱した
他は製造例1と同様にして、親水化顔料を得た。
【0050】(製造例3)攪拌を2時間した他は製造例
2と同様にして、親水化顔料を得た。
【0051】(製造例4)攪拌時間を0.25時間した
他は製造例2と同様にして、親水化顔料を得た。
【0052】(製造例5)攪拌時間を0.5時間した他
は製造例2と同様にして、親水化顔料を得た。
【0053】なお、以上、表面改質処理を施したカラー
顔料の親水化は、協和界面科学社製の自動接触角計 M
odel CA‐Vによって評価した。
【0054】 (実施例1) 製造例1の親水化顔料C.I.ピグメントイエロー74 4.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は62nm、数平均
粒子径は48nmであった。
【0055】 (実施例2) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は56nm、数平均
粒子径は45nmであった。
【0056】 (実施例3) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントブルー15:3 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を2時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は60nm、数平均
粒子径は50nmであった。
【0057】 (比較例1) 顔料C.I.ピグメントイエロー74 4.5重量% ソルスパース27000 3重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレ
ベル社製)により直径2mmのシルコニアビーズと共に
8時間分散処理を施す。ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は102nm、数平
均粒子径は77nmであった。
【0058】 (比較例2) 顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレ
ベル社製)により直径2mmのジルコニアビーズと共に
8時間分散処理を施す。ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られた顔料の
体積平均粒子径は109nm、数平均粒子径は82nm
であった。
【0059】 (比較例3) 顔料C.I.ピグメントブルー15:3 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレ
ベル社製)により直径2mmのジルコニアビーズと共に
10時間分散処理を施す。ジルコニアビーズを除去後、
残りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフ
ィルターで濾過してインク組成物を得た。得られた顔料
の体積平均粒子径は95nm、数平均粒子径は68nm
であった。
【0060】 (比較例4) 製造例1の親水化顔料C.I.ピグメントイエロー74 4.5重量% ソルスパース27000 3重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、2−ピロリドンを除く前記
成分を混合し超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均粒子径
は58nm、数平均粒子径は48nmであった。
【0061】 (比較例5) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、2−ピロリドンを除く前記
成分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を
用いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させ
た。続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.4
5μmのメンブランフィルターで濾過してインク組成物
を得た。得られた顔料の体積平均粒子径は58nm、数
平均粒子径は50nmであった。
【0062】 (比較例6) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントブルー15:3 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、2−ピロリドンを除く前記
成分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を
用いて20KHzの超音波を2時間照射して分散させ
た。続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.4
5μmのメンブランフィルターで濾過してインク組成物
を得た。得られた顔料の体積平均粒子径は60nm、数
平均粒子径は45nmであった。
【0063】 (比較例7) 製造例1の親水化顔料C.I.ピグメントイエロー74 4.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテルを除く前記成分を混合し、超音
波破砕機(日本精機製作所社製)を用いて20KHzの
超音波を1時間照射して分散させた。続いて、残りの構
成成分を攪拌混合した後、0.45μmのメンブランフ
ィルターで濾過してインク組成物を得た。得られた顔料
の体積平均粒子径は75nm、数平均粒子径は58nm
であった。
【0064】 (比較例8) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテルを除く前記成分を混合し、超音
波破砕機(日本精機製作所社製)を用いて20KHzの
超音波を1時間照射して分散させた。続いて、残りの構
成成分を攪拌混合した後、0.45μmのメンブランフ
ィルターで濾過してインク組成物を得た。得られた顔料
の体積平均粒子径は70nm、数平均粒子径は52nm
であった。
【0065】 (比較例9) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントブルー15:3 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を2時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は76nm、数平均
粒子径は62nmであった。
【0066】 (比較例10) 製造例3の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は15nm、数平均
粒子径は10nmであった。
【0067】 (比較例11) 製造例4の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機((株)日本精機製作所社
製)を用いて20KHzの超音波を1時間照射して分散
させた。続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、
0.45μmのメンブランフィルターで濾過してインク
組成物を得た。得られた顔料の体積平均粒子径は340
nm、数平均粒子径は265nmであった。
【0068】 (比較例12) 製造例5の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 3.5重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は225nm、数平
均粒子径は172nmであった。
【0069】 (実施例4) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 1.8重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は55nm、数平均
粒子径は42nmであった。
【0070】 (比較例13) 製造例2の親水化顔料C.I.ピグメントレッド122 11.0重量% ソルスパース27000 2.5重量% n−プロパノール 2重量% 尿素 5重量% ジプロピレングリコール 5重量% テトラプロピレングリコール 5重量% ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル 7重量% 2−ピロリドン 8重量% イオン交換水 残量 n−プロパノール、尿素、ジプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ジエチレングリコール−モ
ノ−n−ブチルエーテル、2−ピロリドンを除く前記成
分を混合し、超音波破砕機(日本精機製作所社製)を用
いて20KHzの超音波を1時間照射して分散させた。
続いて、残りの構成成分を攪拌混合した後、0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られた顔料の体積平均粒子径は160nm、数平
均粒子径は125nmであった。
【0071】上記の実施例、比較例で得られたインク組
成物の特性は、それぞれ以下に示す方法で評価した。
【0072】(A)保存安定性 50mlのインクを50mlのサンプル瓶にいれ、60
℃の恒温槽に3ヶ月放置した後、瓶を逆さにして底の付
着物を目視にて以下の基準で評価した。 ◎:付着物なし ○:ごくわずかに付着物発生 △:少量の付着物発生 ×:多量に付着物発生 (B)乾燥性 100%ベタ印字を行った後、PPC用紙を印字面上に
重ねて、該PPC用紙に転写しない時間を計測した。乾
燥性は速い程よいが、一般的に5秒以内が望ましい。
[−]はベタ印字ができずデータなし (C)吐出安定性 10秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出のよ
うな間欠吐出で、の休止時間を変更して吐出安定性を
評価した。 ○:21〜30秒休止しても安定に吐出した。 △:11〜20秒休止しても安定に吐出した。 ×:10秒以下の休止時間でしか安定吐出しなかった。
【0073】(D)印字濃度 100%ベタ印字を行った印字物の反射OD値をMac
beth PCMIIで測定した。印字濃度は一般的に
1.2以上が好ましく、1.3以上がより好ましい。
[−]はベタ印字ができずデータなし (E)印字品質(にじみ) EPSON社製PM750Cを使用し、Xerox P
紙に印字を行い、印字のにじみの評価を目視にて行っ
た。 ○:にじみ発生無し ×:ひげ状のにじみ発生 [−]はベタ印字ができずデータなし 上記評価において評価機はEPSON社製PM750C
を使用し、評価紙はXerox P紙(登録商標、ゼロ
ックス株式会社製)を使用した。
【0074】以上の評価結果は、まとめて表1に示し
た。表1中、(Y)はイエロー、(M)はマジェンタ、
(C)はシアンを意味する。
【0075】
【表1】
【0076】この結果から明らかなように、本発明の実
施例では、画像濃度が高く、印字品質も良好で、高い吐
出安定性を有し、保存安定性にも優れ、かつ、相反する
特性である速乾性も実現するインク組成物が得られるこ
とが判った。
【0077】
【発明の効果】顔料が、少なくとも一種の親水性基が直
接もしくは他の原子団を介して顔料の表面に結合された
自己分散型顔料を含有する水性顔料インクにおいて、自
己分散型顔料の数平均粒子径が20〜300nmの範囲
であり、水性の液体として、少なくともグリコールエー
テル類とラクタム類を含有することを特徴とする水性顔
料インクを使用することによって画像濃度が高く、印字
品質も良好で、高い吐出安定性を有し、保存安定性にも
優れ、かつ、相反する特性である速乾性も実現する効果
のあることも判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 朋子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA01 BA53 BA55 BA59 BA60 BA62 4J037 AA30 CA20 EE02 EE11 EE12 EE19 EE24 EE28 EE43 FF15 FF23 4J039 BC13 BC16 BC40 BC50 BC51 BC60 BC65 BC69 BE01 CA06 DA02 EA10 EA15 EA16 EA17 EA35 EA36 EA38 EA41 EA42 EA44 EA47 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性の液体と、その中に分散させた顔料
    とからなり、顔料が、少なくとも一種の親水性基を直接
    もしくは他の原子団を介して表面に結合させた自己分散
    型顔料を含有し、自己分散型顔料の数平均粒子径が20
    〜300nmの範囲であり、水性の液体が、少なくとも
    グリコールエーテル類とラクタム類を含有することを特
    徴とするインク組成物。
  2. 【請求項2】 自己分散型顔料が、酸で化学的に直接表
    面改質された顔料である請求項1に記載のインク組成
    物。
  3. 【請求項3】 自己分散型顔料が、インク組成物中に、
    2〜15重量%含まれてなる請求項1又は2に記載のイ
    ンク組成物。
  4. 【請求項4】 自己分散型顔料が、C.I.ピグメント
    イエロー74のモノアゾイエロー顔料、C.I.ピグメ
    ントイエロー128の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメン
    トイエロー151、180、194のベンズイミダゾロ
    ン顔料から選択されるイエロー顔料である請求項1〜3
    のいずれか1つに記載のインク組成物。
  5. 【請求項5】 自己分散型顔料が、C.I.ピグメント
    レッド122、202のキナクリドン顔料、C.I.ピ
    グメントレッド149、190、224のペリレン顔
    料、C.I.ピグメントレッド175、176、185
    のナフトールAS−ベンズイミダゾロン顔料から選択さ
    れるマジェンタ顔料である請求項1〜3のいずれか1つ
    に記載のインク組成物。
  6. 【請求項6】 自己分散型顔料が、C.I.ピグメント
    ブルー15、15:3、15:4のフタロシアニン顔料
    から選択されるシアン顔料である請求項1〜3のいずれ
    か1つに記載のインク組成物。
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