JP4312273B2 - インクジェット用インクセット及びブリード低減法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、インクジェット印刷に用いられるインクジェット用インクに関し、より詳細には、隣接して印刷されるインクジェット用インクの間に水相を誘発してそれらインク間のブリードを低減する上記インクと、このインクを用いたブリード低減方法とに関する。
【0002】
【背景技術】
インクジェット印刷は、インク液滴が特定の順序で印刷媒体上に堆積されてその上に英数字文字、区画内ベタ刷り、及びその他のパターンを形成するような、ノンインパクト印刷工程である。低コストで且つ出来上がりの品質が高いので、比較的雑音のない運転と相俟って、インクジェット式プリンタは、今や、コンピュータ併用型の他方式プリンタに代わる普及型プリンタとなった。
【0003】
インクジェット印刷のノンインパクト印刷工程は、マイクロプロセッサによって発生させた電気信号に応答して、紙、透明フィルム、又は織物のような印刷媒体上に微細なインク液滴を射出するものである。インクジェット印刷においてインク液滴射出を遂行するのに現在利用できる基本的手段は、熱的に行うものと圧電式の2通りがある。熱式インクジェット印刷では、液滴射出のエネルギーは、マイクロプロセッサからの電気信号に応答して急速に熱くなって気泡を生成する電気加熱抵抗素子で発生され、結果的に、その抵抗素子に結合されたノズルを通してインクの放出が行われる。圧電式インクジェット印刷では、これも、マイクロプロセッサで発生した電気信号に応答して、圧電素子が振動してインク液滴を射出する。
【0004】
市販されている熱式インクジェットプリンタ、例えば、ヒューレット・パッカード社から市販のDeskJet(登録商標)プリンタシリーズの1つでは、カラースペクトルは、シアン、マゼンタ、及びイエローのインクを様々な比率で組み合わせて得ている。そのようなプリンタでは、必要なカラーの組合せを得るのに、典型的には、三原色カラーインクとブラックインクを含む4−ペンセットを用いる。そのシアン、マゼンタ、及びイエローインクは、それぞれ、シアン、マゼンタ、及びイエローの着色剤からそれらの色相を引き出すものである。
【0005】
インク用着色剤は、染料又は顔料の形で使用される。従って、インクジェット用インクは、染料素地又は顔料素地の何れかの組成として市販されている。2つのうち、染料素地のインクジェット用インク組成がはるかに広範囲に利用されている。染料素地のインクジェット用インク組成は、一般に、水性素地であり、染料をインク媒質に溶かして調合するものである。インクジェット用インク組成に使われる染料分子は、しばしば、染料の陰イオンと、ナトリウム又はテトラメチルアンモニウムのような陽イオンから作られる染料の塩の形をしている。限定数の顔料素地のインクジェット用インクも用いられており、これは、一般に、分散剤によって水溶液に分散された顔料から成る。顔料は、耐水堅牢性(waterfastness)及び耐光堅牢性(lightfastness)という極めて望ましい性質を示す。
【0006】
インクが染料素地であるか顔料素地であるかに関係なく、インクジェット用インクは、通常、ブリードの発生に見舞われる。ここで用いられる、用語“ブリード”は、カラー間のぎざぎざした境界で立証されるような、1つのカラーの別のカラーへの侵入(にじみ)であると定義されるものである。ブリードは、紙基質の表面上並びに基質自体の内部で複数のカラーが混じり合う時に生ずる。ブリードの発生は、ブラックインクと隣接して印刷されたカラーインクとの間では、それが一層目立つので、特に問題となる。故に、良好な印刷品質を得るためには、カラー間の境界が、鮮明であり且つ1つのカラーの他のカラーへの侵入がないよう、ブリードを軽減もしくは除去しなければならない。
【0007】
ブラック対カラー及びカラー対カラーのブリード問題に関する種々の解法が提案されている。幾つかの解法は、ブリード低減のために、インク環境を変えることが関連している。例えば、ブリード低減のために、特殊調合の紙と共に、加熱したプラテン及び他の熱源が用いられている。しかし、加熱プラテンはプリンタのコスト高となり、特殊調合紙は“普通”紙より価格が高い。このように、熱式インクジェット印刷でブリードを低減させるために、外的な付帯設備を使うことは、概して、コスト的に有効でない。
【0008】
ブリード問題に対する他の提案解法には、ブリードを低減させるために、インクジェット用インクの組成を変更することが含まれる。例えば、界面活性剤は、紙中へのインクの浸透速度を高めるのに使われてきた。“Bleed Alleviation in Ink−Jet Inks”と題する米国特許第5,116,409号は、双極子イオン性界面活性剤もしくはイオン性又は非イオン性両親媒性物質を、それらの臨界ミセル濃度を上回る濃度で使って、ブリード制御を達成する方法を開示・請求するものである。しかし、ブリード制御を達成する界面活性剤の添加は、エッジ尖鋭度の低下の原因となることも知られている。
【0009】
また、金属イオン沈降剤をインクジェット用インクに混ぜてブリードを低減する方法も知られている。特に、ブラック対イエローのブリードという問題に対する解法は、本願出願と同一の譲受人に帰属する、“Cationic Dyeswith Added Multi−Valent Cations to Reduce Bleed in Thermal Ink−Jet Inks”と題する、米国特許第5,198,023号に開示されており、この場合は、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムのような多価カチオンを約1〜10wt%の範囲の濃度でイエローカチオンに添加してイエローとブラックインク間のブリードを防ぐものである。他のアニオンには、塩化物のアニオンとは別に、フッ化物及び硝酸塩のアニオンがある。カルシウム及びマグネシウムのような多価カチオンは、ブリードの制御には有効であるが、それらはまた、多数の染料の選択組合せという点で不安定であり、それ故、インクジェット用インク組成の調合を拘束する。その上、硝酸塩は毒性があり、従ってインクジェット用インク組成では避けなければならない。
【0010】
インクジェット用インク間のブリードを低減する別法は、本願出願と同一の譲受人に帰属する、“Bleed Alleviation in Ink−Jet Inks Using Organic Acids”と題する、米国特許出願番号No.08/567,974に開示されているようなpH−感応性染料の使用に関わるものである。そこに開示されていることは、1つのインクジェット用インクが、pH−感応性着色剤を含有し、そして第二のインクジェット用インクが、それと接触するとpH−感応性着色剤の沈降を誘起するであろうところの適当なpHに緩和される、というものである。約0.5〜20wt%の範囲にある濃度の有機酸を第二のインクジェット用インクに用いて、pH−感応性着色剤を不溶性にするのに要するpH差を減ずる。2つのインク間のブリードを減ずるこの手段は有効であるが、十分なpH差を得るために必要な低めのpHは、遊離酸の存在と共に、材料の相容性問題を提起することもある。さらに、着色剤は、特定インクに適するよう、適当にpH−感応性であるか又はpH−不感応性でなければならない、という必要条件によって、着色剤の選択も拘束される。
【0011】
最後に、インクジェット用インク間のブリードを低減するさらに別の方法は、本願出願と同一の譲受人に帰属する、1995年9月14日に出願された米国特許出願番号No.08/528,077、表題“Bleed−Alleviated, Waterfast, Pigment−Based Ink−JetInk Compositions”に開示されているような、マイクロエマルション素地の媒質の使用に関わるものである。そこでは、水溶液中の水不溶性有機化合物を可溶化する両親媒性物質を用いてブリードを低減する顔料素地のインクジェット用インク組成が開示されている。このブリード低減手段は有効であるが、このアプローチの実行可能性を評価するのは早過ぎる。
【0012】
【発明の目的】
従って、インクジェット用インク間のブリードを効果的に制御する手段であって、インク調合に際しより大きい適応性(flexibility)を備え、プリンタの部品に対して比較的に非毒性・非腐食性であり、且つエッジ尖鋭度を犠牲にしない手段を求める要求が存在する。加えて、ブリードを制御する手段は、容易に実行され且つコスト的に有効でなければならない。
本発明は、これらの要求に応え得るインクジェット用インクと、このインクを用いたブリード低減方法とを提供することを目的とする。
【0013】
【発明の概要】
本発明に従い、水相分離を用いて、隣接して印刷されるインクジェット用インク組成間のブリードを低減もしくは実質的に除去するところの、インクジェット印刷においてブリードを低減するインクジェット用インクセットと方法を提供する。より詳細には、インクジェット用インクセットは、その両方とも、着色剤と水性媒質とから成る第一と第二のインクジェット用インクを包含する。第一のインクジェット用インクの媒質はポリマーを含み、一方、第二のインクジェット用インクの媒質は、第一と第二のインク間で接触が起こる場合に水相分離を誘発することができる第二の種を含む。重要なことは、そこに含まれるポリマー濃度にも関わらず、インクジェット用インクセットのインクは、インクジェット用ペンから噴出できる程十分低い粘性を有することである。
【0014】
ブリード制御を達成するのに水相分離の概念を採用することで、本方法は、他のブリード制御法が持つ上述の欠点を克服する。より詳細には、本方法は、実質的に着色剤の自由選択を抑制しないばかりか、毒性又は腐食性の高い成分をインクジェット用インク組成に持ち込まない。大量の界面活性剤の使用を避けることにより、インクジェット用インクのエッジ尖鋭度を犠牲にすることなく、ブリード制御を達成できる。最後に、ブリード制御に向くこのアプローチは、容易に実行でき且つコスト的に有効である。本発明のインクジェット用インク組成と方法は、インクジェット印刷に使われる任意の種類の印刷媒体、例えば、紙媒体、透明紙、及び繊維上でのブリードを制御するのに用いることができる。
【0015】
【発明を実施するための最良モード】
本発明は、隣接して印刷されるインクジェット用インク間のブリード制御法のみならず、低ブリードを示すインクジェット用インクセットを対象としている。一般に、この方法は、インク媒質を隣接して印刷する場合に水相分離が生ずるように、インク媒質を調合することに関連する。(ここでの目的のため、用語“媒質”(vehicle)は、着色剤を除くインクの全成分を指すものとする。)水相分離が起こると、媒質同志の相互作用が避けられ、インク間のブリードが軽減されるか又は除去される:本質的に、本方法は、本発明によって作成された水性のインクジェット用インク媒質間の混合を極小にするものである。水相分離は、1つの水性媒質にポリマーを混ぜ、且つ第二の水性媒質にそのポリマーとは実質的に混和しないか又はそのポリマーを不溶性にすることができる第二の種を混ぜることにより達成される。
【0016】
ポリマーの不混和性を利用して水相間に物質を選択的に分布させる概念は、バイオテクノロジーの分野では既知であり且つ適切に文書化されている(例えば、Partition of Cell Particles and Macromolecules, Albertsson, 3rd ed.,JohnWiley & Sons参照)。一般に、与えられた溶媒における異種ポリマーの溶液の混合物は、相分離を誘発する。2つより多い相は、2つより多い異種ポリマーを使って誘発させることができる:溶媒には、異種ポリマーの数の相が存在する。それ故、逆説的と思われるかも知れないが、異種であっても水に溶ける複数のポリマーを溶媒に混ぜることにより相分離を得ることができる。バイオテクノロジー分野における水相分配で首尾よく分離される幾つかの物質には、種々のタンパク質、細胞、酵素、核酸、バクテリア、ウイルスがある。水相分離は、別のやり方で他の穏さを欠いた分離法を使えばバラバラに壊れたかも知れない、脆い生体物質を分離するのに極めて有用である。
【0017】
分離水相の形成におけるポリマーの有用性は、ポリマーが互いに密着して置かれた時に、他のポリマーと混合もしくは相互作用しないという、本来の離反性(aversion)に由来する。典型的には、水−ポリマー溶媒の結合を壊すにはエネルギーが必要であり、その後でポリマーセグメントが別の水−溶媒和ポリマーセグメントと相互作用できる。従って、エントロピーの法則により、ポリマーは、比較的稀にしか相互作用をしないという性質があり、その場合、2つの異なったポリマーセグメントは、ポリマーの水との相互作用以上に相互作用しがちである。互いに混和しない2つのポリマーを含有する水溶液では、その溶液は2つの混和しない相に分離し、1つは1つのポリマーに富み、第二の相はもう1つのポリマーに富む。2つの混和しない相は、界面境界で分離される。
【0018】
液体ポリマーの2相系の例は、上に引用したAlbertssonのテキストの2.1表(9頁のId.)に示されている。バイオテクノロジーの分野における相分離に関してAlbertssonによって開示されたこれらの同じ種類の2相系は、インクジェット印刷の分野に用いて相分離、従って、ブリード制御を達成できると考えられる。
【0019】
注目されることは、ポリマーは、長い間、インクジェット用インク組成に用いられてその種々の特性を改善したということである。例えば、米国特許第5,324,349号(Sano等、Seiko Epson Corporationに譲渡)では、サッカリド又は多価アルコールを顔料素地のインクジェット用インク組成に添加して光濃度、乾燥時間、及び磨耗抵抗を改善すると共に、ノズルの目詰まりを防いでいる。米国特許第4,836,851号(Pawlowski等、本出願と同じ譲受人に譲渡)では、水溶性並びに紙との相互作用を改善するために、染料分子へのポリヒドロキシル基の付着を開示している。米国特許第5,108,504号(Johnson等、本出願と同じ譲受人に譲渡)では、ポリサッカリドをインク媒質に混ぜる方法を開示しており、特定染料セットに対して、好ましくは共界面活性剤(co−surfactant)との連合によるブリード制御を含む、多くの利益を得ている。米国特許第4,531,976号(Lin、Exxon Research and EngineeringCo.に譲渡)では、2つの混和不相容性の成分を、それぞれに混和できる溶媒を使って、同一のインクジェット用インク組成に用い、表面張力を改善し、よって、噴出性とドットサイズを改善する方法を開示している。しかし、これらの公布された特許の何れも、ブリード制御を達成するために水相分離を採用していない。より詳細には、これらの特許の何れも、2つのインク間で水相分離を誘発できるよう、1つがポリマーを有し他が第二の種を有するペアリング(対合)・インクを教示していない。
【0020】
本発明の実施において、2つのインクジェット用インク間のブリードは、ポリマーを1つのインクに、そしてそのポリマーと混和しない第二の種を他のインクに混ぜて、2つのインクジェット用インク間の相互作用によって分離水相を形成するようにすることで制御する。一般に、ある濃度の非相互作用性ポリマーを含んでいる2つの水性系が混合される時、最初に曇りが現れ、そして、ある経過時間後、その混合物が2つの明瞭な相に分離し、その1つは1つのポリマー成分に富み、そして第二の相は代わりのポリマー成分に富むものとなる。この方法で、ポリマー成分を含んでいる第一のインクジェット用インクが、第一のインクのポリマーと混和しない第二の種を含んでいる第二のインクジェット用インクと対合し、且つこれらの2つのインクが互いに隣接して印刷される場合、水相分離の結果として2つのインク間に界面境界が生ずる。それ故、インクが印刷媒体上に隣接して印刷されると混合するか又は滲む傾向が軽減される。
【0021】
本発明の実施に用いられるポリマーは、任意の非イオン性又はイオン性ポリマーであってよく−本願のアプローチに従って水相分離を達成するのに、水溶性ポリマー及び水不溶性ポリマーの両方を用いることができる。適切に用いられる非イオン性ポリマーの例には、限定するものではないが、約200の最小平均分子量を有するポリエチレングリコールとその誘導体;約200の最小平均分子量を有するポリプロピレングリコールとその誘導体;ポリサッカリドとその誘導体;約10,000〜200,000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルアルコールとその誘導体;約2,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルピロリドンとその誘導体;Ficoll(登録商標)(Pharmacia Inc.から市販のポリスクロース)のような、約40,000〜400,000の範囲内の平均分子量を有するポリスクロースとその誘導体;及び約500〜10,000の範囲内の平均分子量を有するエトキシ−及びプロポキシル化グリセロールとその誘導体がある。
【0022】
適切に用いられるポリエチレングリコール誘導体の特例には、限定するものではないが、ポリエチレングリコールメチルエーテル及びポリエチレングリコールビス(カルボキシメチル)エーテルが含まれる。適切に用いられるポリサッカリドの例には、限定するものではないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストランが含まれ、そのデキストラン及びデキストラン誘導体は約3,000〜2,000,000の範囲内の平均分子量を有する。本発明の実施に適切に用いられるデキストラン誘導体の特例には、ジエチルアミノエチル−デキストラン及びヒドロキシプロピルデキストランが含まれる。さらに注目されることは、デキストランは、限定するものではないが、グリコーゲン、レバン及び可溶性デンプンを含むポリマー群の典型と見てよい、ということである。エトキシ−及びプロポキシル化グリセロールの特例には、限定するものではないが、LEG(“Liponics(登録商標)エトキシル化グリセロール”);約725〜4,100の範囲内の平均分子量を有するグリセロールプロポキシラートとその誘導体;約725〜4,100の範囲内の平均分子量を有するグリセロールプロポキシラート(メトキシラート−co−プロポキシラート)とその誘導体;約725〜4,800の範囲内の平均分子量を有するグリセロールプロポキシラート(メトキシラート−β−エトキシラートトリオール)とその誘導体が含まれる。
【0023】
適切に用いられるイオン性ポリマー(“多価電解質”とも呼ばれる)の例には、限定するものではないが、5,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有する硫酸デキストランのようなポリサッカリド塩;カルボキシメチルデキストラン塩、カルボキシメチルセルロース塩、及びジエチルアミノエチルデキストラン・HCl;約1,000〜1,000,000の範囲内の平均分子量を有するポリアクリルアミド;約1,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリアクリル酸;約1,000〜50,000の範囲内の平均分子量を有するポリエチレンイミン;及びそれらの誘導体がある。さらに、グリコーゲン、レバン及び可溶性デンプンのイオン性誘導体は、硫酸デキストランよりもむしろ用いてよいものである。
【0024】
イオン性ポリマーを用いている系では、塩化ナトリウム又は別の無機塩を対向する相に加えてそのポリマーを非混和性にするよう助長してよい。
【0025】
もし分子量が高すぎるポリマーが使われると、インクジェット用インクは、ペンの信頼性に悪影響を及ぼすところの、外皮生成(crusting)のような幾つかの思わしくない特徴を呈することがある。相の粘性もポリマー添加剤の分子量とともに増加する(とは云え、この粘性増加は、より大きい分子量をもつポリマーに必要とされる比較的低い濃度によって、部分的に相殺される)。好ましくは、インクジェット用インクの粘性は、約2〜15cPの範囲内である。分子量が低すぎるポリマーが用いられると、ポリマーの所要濃度が過多になり、その結果得られるインクジェット用インクは不都合に速い速度で紙に浸透するであろう。好ましくは、ポリマーの分子量は、比較的低く、例えば、約300〜20,000の範囲内程度であり、本発明の実施においてより好ましいのは、約1,000〜5,000の範囲内の分子量である。
【0026】
ポリマーとの相互作用で、水相分離を共誘発するところの、いわゆる“第二の種”は、別のポリマーもしくは低分子量成分であってよい。本質的に、水溶液に含まれているポリマーと相互作用するとそこで水相分離を誘発する化合物はどれも、第二の種として役立つことができる。どの場合でも、第二の種は、それと対合することになるポリマーとは、実質的に混和できないものでなければならない。従って、隣接して印刷されるインクで2つのポリマーが対合する場合、それらのポリマーは混和できず且つそのために水相分離を誘発できるほど十分異なっていなければならない。ポリマーの分子サイズが大きいので、極めて類似しており且つ極めて低濃度で存在しているポリマーでさえ、相分離は、ポリマー−ポリマーの混合物で生じる。2つのポリマーが十分異なっているかどうかを決める上で重要な要素には、インク中のポリマーの平均分子量、多分散性、及び濃度がある。2つの特定のポリマーが水溶液において水相分離を誘発できるほど十分異なっているかどうかを決めるには、普通の熟練度を有する当業者による日常の実験で十分である、と考えられる。
【0027】
第二の種が、ポリマーというよりは低分子量の成分であるなら、それも、それに対して対合されることになるポリマーと実質的に混和しないものでなければならない。より正確には、本発明による低分子量成分が存在すると、ポリマーが不溶性になり、そのため、相分離を誘発する。これは、そのメカニズムと対比的に、ポリマー相互の非混和性によって相分離が誘発される場合の、第二のポリマーを用いることによる相分離より劣っている。ポリマーに対して対合されると水相分離を誘発する低分子量成分の例には、限定するものではないが、リン酸塩と硫酸塩;プロピルアルコール及びグリセロールのような低分子量アルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル(butyl Cellusolve《商標》としてUnion Carbide社から市販);グルコース;グリコール;及び塩化ナトリウムがある。これらの非ポリマーの第二の種のうち、リン酸カリウムとグリコールがより望ましい。
【0028】
従って、水相分離を誘発するのに、次のポリマー−第二の種の系を用いてよいと考えられる:(1)非イオン性ポリマー−非イオン性ポリマー;(2)イオン性ポリマー−非イオン性ポリマー;(3)イオン性ポリマー−イオン性ポリマー;(4)非イオン性ポリマー−低分子量成分;及び(5)イオン性ポリマー−低分子量成分。
【0029】
本発明の実施において、少なくとも1つの非イオン性ポリマーを用いることが望ましい。より好ましくは、ポリマー及び対合される第二の種の両方とも非イオン性ポリマーである。好ましいポリマー−第二の種の対合は、約1,500〜5,000の範囲内の平均分子量を有するポリエチレングリコール及び別の非イオン性ポリマー、例えば、エトキシル化グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、又は約11,000〜19,000の範囲内の平均分子量を有するデキストランである。本発明の実施において、非イオン性ポリマーを対合することにより、インクジェット用インクの調合がさらに簡略化される:何故なら、ポリマー間の引力に関する問題並びに溶液のpHの効果に関する問題が解消されるからである。
【0030】
しかし、イオン性ポリマーを別のイオン性ポリマーに対合させることを選択する場合は、電荷は同等で且つ等しい(即ち、反対電荷でない)こと、また、両ポリマーは1つの相の方へ引きつけられ、一方、他の相はポリマー不足になることに注意する必要がある。この種の相分離は、“複合コアセルベーション(complex coacervation)”と呼ばれるものである。
【0031】
着色剤の選択は、二価塩を用いる方法のような代替のブリード制御法の場合と同様、本発明の実施において拘束されることはない。むしろ、染料又は顔料を問わず、インクジェット式プリンタに適切に用いることができる着色剤ならどれも本発明の実施により利益を得ることができる、と考えられる。本発明の実施において水相分離を達成するのは、着色剤よりむしろ、媒質の調合である。従って、着色剤の選択は、そのpH−感度及びそのイオン電荷状態のような変量とは無関係に実施してよい。
【0032】
本発明のインクジェット用インク組成に適切に用いられる染料の例には、限定するものではないが、Food Black 2,Carta Black,Direct Black 19,Direct Black 51,Direct Black 109,Direct Black 154,Direct Blue 86,Direct Blue 199,Direct Red 9,Acid Yellow 23,Acid Blue 185,Acid Blue 9,Acid Red 17,Acid Red 52,Acid Red 249,及びReactive Red 180がある。これらの染料の濃度は、好ましくは、約0.1〜7wt%の範囲にある。約0.1wt%より少ないと、許容しがたい明度をもつインクとなり、一方、約7wt%を上回ると、インクジェット用ペンのオリフィスが目詰りを起こすことになる。より好ましくは、染料は、インクジェット用インク組成の約0.1〜4wt%の範囲内で存在する。染料の混合物も使ってよい。
【0033】
インクジェット印刷に適切に用いられる顔料はどれも本発明の実施により利益を得ることができると考えられるが、インクジェット印刷に現在業務上で使用できるような顔料は、非常に限定された数しかない。1つの例は、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタに使われる専有組成のブラックインクに含まれているブラック顔料である。また、顔料の混合物も用いてよいものとする。典型的には、顔料は、分散剤により水性インクジェット用インク溶液中で分散させる必要があろう。
【0034】
隣接して印刷されるインクジェット用インク間のブリードを制御する本発明の方法は、前述のインクの調合において、特に着色剤に関して、より優れた適応性をもたらすとはいえ、着色剤移動に対する不可浸透障壁にはならない、ということに注意しなければならない。2つの水相間の界面張力は、実際には、比較的低い。例えば、デキストラン500が6wt%と、ポリエチレングリコールが4wt%用いられているデキストラン−ポリエチレングリコール−水の系における界面張力は、Albertssonにより2.7表(Id.at 33)で報告されているように、わずかに約0.007dyne/cmにすぎない。故に、本発明の実施において達成されるブリード制御は、改善の余地が無いことはない。
【0035】
本発明の水相分離の方法によって達成されるブリード制御を達成するのに、実際には、着色剤を用いることができるものとする。バイオテクノロジーの分野では、さらに別の成分又は改質剤(modifications)をその溶液に加えて水相の間で特定のセル成分を“分配する”(partition)のを助長することが知られている。この技術は、“アフィニティー分配”(affinity partitioning)として知られている。特に、アフィニティー分配の技術は、バイオテクノロジーの分野で用いられる時は、特定のセル成分に好都合な傾向を、特定の水相に、分け与えるものである。インクジェット印刷の分野では、着色剤を、他よりも特定の水相を選ぶように調合し、それによって、隣接して印刷されるインク間のブリードを制御する追加手段を与える、ということが考えられる。
【0036】
ポリマー及び第二の種とは別に、本発明のインクジェット用インク媒質の成分に関し、本発明のインク媒質は、典型的には市販されている染料素地及び顔料素地のインクジェット用インク媒質に見られるもので、且つそのインクジェット用インクセットにおけるそれらの関連着色剤及び他のインクと適合できるような成分を含有してよい。適当な媒質成分の例には、(1,5−ペンタンジオールのような)ジオール、(ジエチレングリコールのような)グリコールエーテル、及び2−ピロリドン、さらに加えて、界面活性剤と殺生物剤、緩衝剤、及び水のような“その他の”成分がある。しかし、比較的大量のブリード制御用界面活性剤を用い、且つ二価塩を用いるような、本発明のブリード制御法によって、いくつかの代表的な成分は不要になる。より詳細には、染料素地のインクジェット用インク組成の媒質は、好ましくは、全インク組成のパーセントで表した次の濃度のものから成る:(a)約5〜15wt%の1,5−ペンタンジオール;(b)約5〜15wt%の2−ピロリドン;(c)約5〜25wt%の本発明によるポリマー、最も好ましくは、1つのインク中に約4,000の平均分子量を有する約10wt%のポリエチレングリコール;及び(d)水。さらに考えられることは、約2〜3wt%の染料をこの媒質に用いることである。この媒質調合は好ましいが、インクジェット用インク組成に適する水性素地の媒質はどれも、本発明の実施において利益を得ることができる。
【0037】
本発明の方法は、ブリード制御がインクの相互作用で達成されることを意味する、相互依存のシステムである。本発明の方法により、任意の2つのインク間、例えば、ブラックとイエローインク間のブリードを低減又は実質的に除去できるが、好ましくは、該方法は、代表的インクジェット用インクセットに含有されている4色全てのインク間のブリードを制御するのに用いる。それ故、4色インクの各々は、好ましくは、インクの任意の組合せが印刷媒体上に隣接して印刷される時に水相分離が生ずるように調合する。例えば、インクジェット用インクセットの各インクは、そのセットの各インク間で水相分離が生ずるよう、好ましくは、本発明による十分に異なったポリマーを含有する。その結果、前述のインクセットでは、ブラック対カラー及びカラー対カラーのブリードが実質的に低減されることになる。好ましいインクジェット用インクセットは、それぞれが本発明に従って調合される、次のインクジェット用インクセットを含む:
【0038】
【表1】
Figure 0004312273
【0039】
上述の好ましいインクジェット用インクセットは、好ましくは、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタに用いられるような、専有組成を有する顔料素地の特定ブラックインクと共に用いる。
【0040】
ブリードを制御する本発明の方法を採用することにより、着色剤に関してのみならず、二価金属イオン又は低pHを用いるより拘束的なブリード制御法では以前は排除されたその他の材料にも関連して、インクジェット用インクの調合に際しより大きい適応性がもたらされる。例えば、現在、低〜高粘性をもつアルギン酸及びアルギン酸ナトリウムのような材料をごく少量(即ち、約0.10〜0.20wt%)添加してよく、ここでは、これらの材料は、着色剤が隣接の相中へ滲むのを防ぐ働きをする。アルギン酸塩の有用性は、インクジェット用インク組成で認められているが(例えば、米国特許第5,133,803号参照)、アルギン酸塩の存在は、以前は、在来のブリード制御法でしばしば排除された。また、水相間の界面境界を横切って着色剤が滲むのを防ぐ際に支援するために、未だ知られていないようなその他の物質も、本発明のインクジェット用インク組成に同様に添加してもよい、と考えられる。
【0041】
本発明の要件に一致して、他の様々な種類の添加剤を染料素地及び顔料素地のインクジェット用インク組成に用いて、特定用途に使えるようインク組成の特性を最適化してよい。該添加剤の例には、緩衝剤、殺生物剤、及びその類が含まれ、これらの各々は、インクジェット用インク組成に共通に用いられる添加剤である。好んで用いられる緩衝剤の例には、限定するものではないが、例えば、Aldrich Chemical(Milwaukee,WI)から市販されているトリス(ヒドロキシメチル)アミノ−メタンのようなトリスアミン緩衝剤、及び4−モルホリンエタンスルホン酸(MES)がある。本発明の実施において用いてよいインクジェット用インクに普通に用いられる殺生物剤、例えば、Huls America(Piscataway,N.J.)から市販のNUOSEPT 95;ICI Americas(Wilmington,Del.)から市販のPROXEL GXL;及びUnion Carbide Company(Bound Brook,N.J.)から商標UCARCIDE 250を付して市販されているグルタルアルデヒド、のどれも本発明の実施に用いてよい。PROXEL GXLは、好ましい殺生物剤である。インクの抗コゲーション(anti−kogation)は、ある種の染料上のカチオンを他のカチオンと周知のように置換することによって、並びに1つ以上の抗コゲーション剤を混合することによって達成される。抗コゲーション剤は周知であり、従って本発明の一部を構成しない。
【0042】
界面活性剤はブリード制御に必要でない故、本発明のインクは界面活性剤を殆どあるいは全く含有していないが、他の目的のため、ブリード制御に要した量より少ないとは云え、本発明のインクは、ある量の界面活性剤を必要とすることがある。より詳細には、比較的少量の界面活性剤を用いて、インクの乾燥時間を改善するとともに、インク間の表面張力をバランスさせてもよい。本発明によって調合されたインク間の表面張力をバランスさせることは重要である。隣接して印刷されるインクにブリード制御を実行できるほどの十分な濃度で界面活性剤が存在すれば、両インクの表面張力は大幅に減少し、その間の表面張力のアンバランスは僅少となる。ここでのように、表面活性剤をブリード制御には用いずに、単に乾燥時間を改善するために比較的低濃度で用いる時は、インク間の表面張力のアンバランスは問題となる。隣接して印刷されるインク間の表面張力の間の不均衡のために、表面張力の勾配が生ずることがあり、これが、本発明のブリード制御方法にも拘らず、前述のインク間に思わしくない流れを招来することがある。
【0043】
水相分離を達成するためには、ポリマーと第二の種を相互に関して適切な濃度で用いなければならない。その適切な濃度は、様々なポリマー−第二の種のペア(対)によって異なる。濃度に影響する因子には、インクの溶媒の組成、温度、インクジェット用インク組成における他の添加剤の種類、そして、おそらく最も重要なものとして、ポリマーの分子量分布と水溶液における高分子種の溶解度がある。ポリマーの分子量が高いほど、相分離にはより低い濃度が必要となる;逆に、分子量が低いほど、相分離に必要な濃度は高い。このように、ポリマーの分子量とその好ましい濃度との間には逆関係がある。例えば、ポリマーとしてポリエチレングリコールを用いる場合、約7,500以上の分子量は、通常、7.5wt%以下でほぼ効果がある。ポリエチレングリコールの分子量が約2,000以下の時は、水相分離を得るために、典型的には、インクの15〜20wt%以上の濃度が必要である。同様の濃度/分子量の関係は、デキストラン及びFicoll(登録商標)のような他のポリマーにも存在する。
【0044】
種々の水相の形成に及ぼす温度の効果は様々である。広範囲の温度にわたって、水相分離を達成するポリマー−第二の種の系もあれば、水相分離を達成するのに高温度で様々な濃度を必要とするものもある。例えば、ポリエチレングリコールとリン酸カリウムの系では、高めの温度で低めのポリマー濃度を要するが、デキストラン−メチルセルロースの系は、本質的に温度には影響されない。
【0045】
ポリマーと第二の種の特定のペアに対する適切な濃度は、日常の実験で容易に定めることができる。例えば、図1は、約4,000の平均分子量を有するポリエチレングリコールを約11,500の平均分子量を有するデキストランと対合させた系について実験的に作図した相図(phase diagram)を表す。より詳細には、様々な量のPEG4,000とデキストラン11,500を、7.5wt%の1,5−ペンタンテ(pentante)−ジオール、5wt%の2−ピロリドン、及び残余水から成る媒質に添加した。各々の場合に、PEG4,000とデキストラン11,500が溶解するように見えるまで、その溶液を振とうし、次いで、その溶液を静置させて、水相分離が少しでも発生したかどうか観測できるようにする。図1において、“×”でマーク付けした点は、そこでは相分離が起きなかった濃度を示し、“◎”を付した点は、相分離が発生した濃度を示す。十分な数のデータ点が与えられれば、水相分離を生ずる濃度とそのような分離を生じないものとの間に近似的分割線を引くことができる。このように、ポリマーと第二の種の任意の与えられたペア(対)に対して及び与えられた媒質組成に対して、本発明に従って水相分離を誘発させるべく用いてよい適切な関連濃度を同様に定めることができる。
【0046】
本発明に従ってインクを調合するためには、一般に、選択した成分を一緒にして在来の混合技術を使って混合するだけでよい。しかし、採用したポリマーが比較的高い分子量を有するものなら、意図したインクジェット用インク組成の残りの成分に混合できるよう後で追加してよいストック溶液を作るために、それを加熱する必要があるかも知れない。例えば、ある種の高分子量のデキストランは、インクジェット用インク組成に混ぜる前に、好ましくは約60℃まで、加熱する必要があるかも知れない。
【0047】
要するに、本発明の方法は、少なくとも2つのインクジェット用インクの媒質の調合を改良してその間のブリード制御について所望の効果をもたらすことに関わるものである。1つのインクジェット用インクにポリマーを混ぜ、且つそのポリマーとは混和しない第二の種を第二のインクジェット用インクに混ぜて、インクの水相分離を誘発し、その間の界面境界がブリードを防止することになる。
【0048】
ブリード制御に向く本発明のアプローチは、少なくとも次の理由で他の既知法を凌ぐ利点がある:(1)ブリード制御を達成するのに以前使われた大量の金属イオンと酸が無いのでインク調合の適応性がより大きいこと;(2)印刷媒体表面上の着色剤のホールドアップ(holdup)がより大きくより明るいカラーを生ずること;(3)インクジェット用インクに要する着色剤の量の低減により着色剤のホールドアップが大きく、コスト節約並びにペン性能の向上となること;(4)大量の界面活性剤が無いのでエッジ尖鋭度が改善されること;(5)ブラックとカラーインク間に思わしくないハロー(halo)(即ち、ブラックインク中へのカラーのにじみ)が無く、大量の界面活性剤を使わないのでそれらの間の表面張力のバランスがより良いこと;(6)大量の界面活性剤と有機酸が無いので材料の相容性がより高いこと;(7)本発明の実施に使われるポリマーの量がインクジェット用インクの一定量の水と置き換わり、紙のしわが減ること;(8)エーロゾルのポテンシャル減少;(9)より優れた媒体の独立性;(10)ノズル板上のインクの溜まりの低減;及び(11)乾燥時間調節の適応性の向上。さらに、本発明のアプローチは、環境に優しく且つ製造中比較的安全に取り扱える材料を用いていることである。
【0049】
本発明の実施において実現される諸利点を以下の実施例で説明する。
【0050】
【実施例】
図は、隣接して印刷されるインクジェット用インク間のブリードを制御するのに本発明による水相分離を採用することの効果を説明するものである。
【0051】
図2〜4は、いくつかに折り重ねたKIMWIPE(商標)ティッシュ材料の層の上にイエロー及びシアンのインクを互いに隣接して1〜2滴ずつピペットで注ぎ、その後、吸収されたインクを互いの中に滲ませて得られたイメージを示す。同様に、図5は、シアン及びマゼンタのインクを互いに隣接してピペットで注いで得られたイメージを示し、一方、図6は、イエローとブラックのインクを表す。本発明を実施することの利益を説明するためにカラーとブラックインクの任意の組合せを用いてもよかったが、それらのもつコントラストから並びに混合すると二次的なカラーであるグリーンを生ずるというそれらの性質から、ブリードを容易に観測でき且つ目で見て量化できるよう、イエローとシアンのインクを用いた。同様に、図5のシアンとマゼンタのインクもコントラストが良好で、混合するとパープルを生じ、そのためブリードを容易に観測できる。各々の場合、それらのインクは、テストが完了したと思われる以前に乾燥させ、その乾燥時間は約15分であった。
【0052】
実施例1:
図2Aは、それぞれ、デキストラン及びポリエチレングリコールを含有するよう調合されたイエローインク(直角のクロスハッチングで表示)及びシアンインク(細い水平線で表示)の間で達成されたブリード制御を図示するもので、一方、図2Bは、本発明の方法を用いない場合にイエローインクとシアンインク間に発生したブリードを図示する。これらの4つのインクの組成は、次の通りである:
【0053】
【表2の1】
Figure 0004312273
【0054】
【表2の2】
Figure 0004312273
【0055】
図2Bを参照して説明すると、イエローとシアンインク間のブリードは、それらの相互混合で生じたグリーン(細い斜線で表示)の量並びにそれらの間のぎざぎざの境界から全く明白である。比較すると、図2Aに示したイエローとシアンインクは、生じたグリーンの量が著しく少なく、インク間のブリードが低減されたことを示す。
【0056】
実施例2:
図3の比較をすれば、図3Aは、それぞれ、Ficoll(登録商標)及びポリエチレングリコールを含有するよう調合されたイエローインク(直角のクロスハッチングで表示)及びシアンインク(細い水平線で表示)の間で達成されたブリード制御を図示するもので、一方、図3Bは、本発明の方法を用いない場合にイエローインクとシアンインク間に発生したブリードを示す。これらの4つのインクの組成は次の通りである:
【0057】
【表3の1】
Figure 0004312273
【0058】
【表3の2】
Figure 0004312273
【0059】
図3Bを参照して説明すると、イエローとシアンインク間のブリードは、これもグリーン(細い斜線で表示)の量から明白であり、本質的に、同一のインク組成を用いて得られた図2Bの結果を確認するものである。比較すると、図3Aに示したイエローとシアンインクは、生じたグリーンの量が著しく少なく、インク間のブリードが低減されたことを示す。それ故、ブリード制御は、ポリエチレングリコール7500を図2Aのデキストラン70K及び図3AのFicoll(登録商標)400Kのいずれかと対合させれば達成されるのである。
【0060】
実施例3:
本発明の方法が顔料のみならず染料にも有効であることを説明するために、図4は、対合ポリマーを含んでいる顔料素地のインクについて行われたブリード制御を対照の顔料素地のインクと比較したものである。図4Aと4Bに用いた4つのインクの組成は次の通りである:
【0061】
【表4の1】
Figure 0004312273
【0062】
【表4の2】
Figure 0004312273
【0063】
図4Bを参照して説明すると、イエロー(直角のクロスハッチングで表示)及びシアン(細い水平線で表示)のインク間のブリードは、これも、ティッシュ材料上でのそれらの相互混合で生じたグリーン(細い斜線で表示)の量から明白である。比較すると、図4Aに示したイエローとシアンインクは、生じたグリーンの量が著しく少なく、インク間のブリードが低減されたことを示す。従って、ブリード制御は、水相分離を用いている顔料素地のインク間で達成される。さらに、水相分離は、ポリマーと第二の種が、ここでは、PEGメチルエーテル2000とPEG1450が、性質上類似している時に得られることが立証されるのである。
【0064】
実施例4:
図5は、本発明の実施で達成されるブリード制御を説明するために、マゼンタとシアンの顔料素地インクを使用する。図5Aと5Bに用いた4つのインクの組成は次の通りである:
【0065】
【表5の1】
Figure 0004312273
【0066】
【表5の2】
Figure 0004312273
【0067】
図5Bを参照して説明すると、マゼンタ(細い垂直線で表示)及びシアン(細い水平線で表示)のインク間のブリードは、ティッシュ材料上でマゼンタとシアンが相互混合して互いの中に滲むことから生じた、それらの間のパープル(垂直破線で表示)の量から明らかに立証される。従って、マゼンタとシアン間の境界は、望ましくないぎざぎざを示す。比較すると、図5Aに示したマゼンタとシアンインクは、生じたパープルの量が著しく減少したこと並びにインク間に実質的にきれいな境界線を示す。従って、ブリード制御は、水相分離を達成するためにデキストラン500,000とPEG7500を対合させることにより顔料素地のインク間で達成されるのである。
【0068】
実施例5:
図6は、イエロー(直角のクロスハッチングで表示)とブラックのインクを用いて本発明の実施において達成された染料素地インクと顔料素地インク間のブリード制御を説明するものである。より詳細には、ブラックインクは、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタに用いられる専有組成を有する顔料組成のインクである。このブラックインクは、イエローインクのポリマー成分と対合される時にいわゆる“第二の種”として作用する高分子性の物質を含有するものである。図6Aは、上の2つと下の2つのテストを対照できるよう別々のイエローのインクジェット用インク組成を使い、一方、図6Bは、その4つのテスト全てに単一のイエローのインクジェット用インク組成を用いる。図6Aと6Bに用いた3つのイエローインクの組成は次の通りである:
【0069】
【表6の1】
Figure 0004312273
【0070】
【表6の2】
Figure 0004312273
【0071】
図6Bを参照して説明すると、イエローとブラックインク間のブリードは、イエローインクに侵入するブラックインクの量並びにそれらの間の極めてぎざぎざした境界線から明らかに立証される。比較すると、図6Aに示したイエローとブラックインクは、イエロー領域中へのブラックの侵入量が著しく減少したこと並びに2つのインク間に実質的にきれいな境界線を示す。従って、ブリード制御は、約70,000の平均分子量を有するデキストランか又は約400,000の平均分子量を有するFicoll(登録商標)の何れかを用いることにより、イエロー染料素地インクとブラック顔料素地インク間で達成された。
【0072】
図7〜13は、3室(tri−chamber)カラーペン装備のヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタによって堆積される種々のインクから生ずるイメージを示す。より詳細には、該プリンタは2つのペンを備えている。そのペンの1つは3室ペンであり、他は1室(single−chamber)ペンであった。3室ペンは、カラー(例えば、イエロー)インクを印刷するのに使い、一方、1室ペンは、ブラック対カラーのブリードの評価をするためにブラックインクを印刷するのに用いた。以下、別途記述しない限り、印刷媒体は、Champion DataCopy(商標)を使用した。
【0073】
実施例6:
図7を説明すれば、図7Aと7Bは、ブラックインクでクロスハッチングされたイエロー領域(四角内の空白領域で表示)を描写する。ブラックインクは、上述の図6に用いた顔料素地のインクであって、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタに用いられる専有組成を有するものである。このブラックインクは、イエローインクのポリマー成分と対合される時にいわゆる“第二の種”として作用する高分子性の物質を含有するものである。図7Aと7Bに用いたイエローインクの組成は次の通りである:
【0074】
【表7】
Figure 0004312273
【0075】
図7Aのイエローインクは、ブラックインクのポリマー成分と対合されるポリマーが無いので、ブラックインクからかなり広範囲に侵略される。しかし、比較では、図7Bのイエローインクは、実質上、ブラックインクからのにじみが無くきれいなままである。従って、イエローインクにポリエチレングリコールメチルエーテルを混ぜることにより、イエローインクがブラックインクに隣接して印刷される時に水相分離が行われるのである。
【0076】
実施例7:
図8と図9は、異なったプリントファイルを使って印刷する際に、それぞれ、図7Aと7Bに用いたものと同じインクを示す。より詳細には、図8と図9の四角の空白領域は、ブラック顔料素地のインクでクロスハチングされた空白領域を表す。図8と図9を印刷するのに用いたプリントファイルでは、図7Aと7Bにおけるより大量のインクが印刷媒体上に堆積される結果となり、従って、ブリードは、図8と図9でより発生し易い。しかし、図8に比べ図9では明らかにブリードの実質的減少が見られ、このことは、本発明の方法は、比較的大量のインクが隣接して堆積される場面に直面しても、依然として有効であることを示すものである。
【0077】
実施例8:
図10を説明すれば、図10Aと10Bは、ブラックインクでクロスハッチングされたイエロー領域(四角内の空白領域で表示)を描写する。対照のイエローインクは染料と2−ピロリドンだけを含有しているのに、本発明によって調合したイエローインクはイソプロピルアルコールとポリマーの両方を含む。ブラックインクは、上述の図6〜9に用いた顔料素地のインクであって、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタに用いられる専有組成を有するものである。図10Aと10Bに用いたイエローインクの組成は次の通りである:
【0078】
【表8】
Figure 0004312273
【0079】
図10Aは、ブラック顔料素地インクと本発明の範囲外で調合したイエローインク間に生じた広範囲のブリードを示す。比較では、図10Bは、イエローインク中のPEG7500とブラック顔料素地インク中のポリマー成分との相互作用によって生じた水相分離の誘発により実質的にブリードフリーである。図10Bのインクは、乾燥時間の改善のために、イソプロピルアルコールを用いている。
【0080】
実施例9:
図11は、対照のインクへの高浸透性溶媒の添加自体ではブリードが効果的に制御されないことを説明するものである。ここでも、図11Aと11Bは、ブラックインクでクロスハッチングされたイエロー領域(四角内の空白領域で表示)を描写する。ここでも、ブラックインクは、上述の図6〜10に用いた顔料素地のインクであって、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタに用いられる専有組成を有するものである。図11Aと11Bに用いたイエローインクの組成は次の通りである:
【0081】
【表9】
Figure 0004312273
【0082】
4wt%のイソプロピルアルコールを添加しても、水相分離が無い場合のイエローインクとブラックインク間に生じた相当量のブリードを示す。ブラックインクのポリマー成分と相互作用させるために図11BのイエローインクにPEG7500を混ぜることにより、水相分離が誘発され、ブリードが実質的に除去された。
【0083】
実施例10:
図12と図13は、図6〜11に用いたブラック顔料素地インクによってクロスハッチングされた様々なカラーに対して本発明の実施で達成したブリード制御を説明するものである。より詳細には、図12及び図13の両方とも左から右へ、次のカラーを領域内埋め込み(ベタ)刷りのように印刷し、続いて、ブラック顔料素地インクでクロスハッチングした:ブルー(細い水平線で表示);イエロー(垂直のクロスハッチングで表示);パープル−ピンク(垂直破線で表示);グリーン(細い斜線で表示);及び2つの実質上赤色のベタ領域(細い垂直線で表示)。これらの色を、それぞれ、図12及び図13について次の組成を有するイエロー、シアン、マゼンタのインクジェット用インクを使って印刷した:
【0084】
【表10の1】
Figure 0004312273
【0085】
【表10の2】
Figure 0004312273
【0086】
図12は、ブラック顔料素地インクと本発明の範囲外で調合の、即ち、ポリマー成分の無いカラーインク間で実質的にブリードが生ずることを説明するものである。比較では、図13のカラーインクは、PEG7500とブラック顔料素地インク中のポリマー成分との相互作用によって生じた水相分離の誘発により、それぞれ実質的にブリードフリーである。
【0087】
実施例11:
本発明の実施において達成されるブリード制御は、単なる粘性効果というより、むしろポリマー/ポリマーの非混合作用の結果であることを説明するために、それぞれ、4.4cP及び2.8cPの比較的低い粘性を有するイエロー及びシアンのインクジェット用インクを調合し、そのうち、シアンインクだけには、高分子性の添加剤、即ち、10wt%のLEGを含有させた。これらの低粘性インク間のブリードを、それぞれ、10wt%のポリビニルピロリドンと10wt%のLEGを含有するよう調合したイエローとシアンのジェットインク間のブリードと比較した。より詳細には、各インクは次の組成であった:
【0088】
【表11の1】
Figure 0004312273
【0089】
【表11の2】
Figure 0004312273
【0090】
ポリマー成分を含んでいないイエローとシアンインクを、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタを使って互いに隣接して印刷すると、それらが同様に低粘性でも、実質的なブリードが生じた。比較では、ポリマー成分を含んでいるイエローとシアンのインクジェット用インクは、互いに隣接して印刷される時にブリードが著しく低減されることを明示した。
【0091】
実施例12:
次の組成を有するイエローとシアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)インクジェット式プリンタを使って互いに隣接して印刷した:
【0092】
【表12の1】
Figure 0004312273
【0093】
【表12の2】
Figure 0004312273
【0094】
ポリマー成分を含んでいないイエローとシアンのインク間より、それぞれ、PEG4000及びPVP10000を含有するイエロー及びシアンのインク間では、実質的にブリードが少なかった。
【0095】
実施例13:
この実施例は、上の実施例11と同様、インクの粘性特性は、本発明の実施において観測されるブリード制御の主要な根源ではないことを説明するものである。より詳細には、実施例12のイエローとシアンのインクジェット用インクは、シアンインクの8wt%PVP10000を、10wt%PVP24000に置き換えただけで調合した。実施例11のシアンインクの粘性は3.4cPであったが、本実施例のシアンインクは、約8.5cPの粘性であった。いずれにしろ、粘性に大きな差があるにもかかわらず、実施例11と本実施例のインク間で得られたブリード制御量の差は極めて小さかった。
【0096】
実施例14:
次の組成を有するイエローとシアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタを使って互いに隣接して印刷した:
【0097】
【表13】
Figure 0004312273
【0098】
2つの異なったポリマーの存在により誘発される水相分離の無いイエローとシアンインクに比べ、上述のイエローとシアンのインク調合物の間では、ブリードが低減されることが立証された。
【0099】
実施例15:
0.1wt%のアルギン酸ナトリウムをシアンインク組成に添加してシアンインクの粘性を4cPを上回るまで高めた以外は、実施例14のイエローとシアンのインクと同様のインクを調合した。アルギン酸ナトリウム添加の結果として、本実施例のイエローとシアンのインク間のブリードは、実施例14のそれよりも多少改善された。
【0100】
実施例16:
次の組成を有するイエローとシアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタを使って互いに隣接して印刷した:
【0101】
【表14の1】
Figure 0004312273
【0102】
【表14の2】
Figure 0004312273
【0103】
ポリマー成分を含んでいないイエローとシアンのインク間より、それぞれ、PEG4000及びデキストラン40000を含有するイエロー及びシアンのインク間では、実質的にブリードが少なかった。
【0104】
実施例17:
(1)イエローインクの10wt%のPEG4000を約10,000の平均分子量を有する10wt%のポリビニルピロリドンで置き換え、且つ(2)イエローインクの1,5−ペンタンジオールの7wt%を10wt%に増やした以外は、実施例16のイエローとシアンのインクと同様のインクを調合した。それぞれ、PVP10000及びデキストラン40000を含有するイエロー及びシアンのインク間で達成されたブリード制御の程度は、実施例16で得られた、それぞれ、PEG4000及びデキストラン40000を含有するイエロー及びシアンのインク間のそれと類似していた。
【0105】
実施例18:
比較的低分子量を有するポリマーを本発明の実施に用いてよい、ということを説明するために、次のイエローとシアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタを使って互いに隣接して印刷した:
【0106】
【表15の1】
Figure 0004312273
【0107】
【表15の2】
Figure 0004312273
【0108】
ポリマー成分を含んでいないイエローとシアンのインク間より、それぞれ、PEG4000とPEG300を含有するイエロー及びシアンのインク間では、実質的にブリードが少なかった。それ故、異なった分子量の同一の化合物、即ち、ポリエチレングリコールを互いに対合させて、水相分離、従って本発明の実施におけるブリード制御を達成することができる。
【0109】
実施例19:
次のイエローとシアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタを使って互いに隣接して印刷した:
【0110】
【表16の1】
Figure 0004312273
【0111】
【表16の2】
Figure 0004312273
【0112】
マゼンタとポリマー成分を含んでいないイエローのインク間より、それぞれ、Ficoll(登録商標)70000とPEG4000を含有するマゼンタとイエローのインク間では、実質的にブリードが少なかった。
【0113】
実施例20:
(1)イエローインクの10wt%のPEG4000を約10,000の平均分子量を有する10wt%のポリビニルピロリドンで置き換え、且つ(2)イエローインクの1,5−ペンタンジオールの7wt%を10wt%に増やしたこと以外は、実施例19のマゼンタとイエローのインクと同様のインクを調合した。それぞれ、PVP10000及びFicoll(登録商標)70000を含有するイエロー及びシアンのインク間で達成されたブリード制御の程度は、実施例19で得られたそれとは同じくないとは言え、マゼンタとポリマー成分を含んでいないイエローのインク間のブリードより実質的に小さかった。
【0114】
実施例21:
次のイエローインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet850(登録商標)プリンタに使われる顔料素地のブラックインクに対向して印刷した:
【0115】
【表17】
Figure 0004312273
【0116】
顔料素地のブラックインクを高分子性の添加物を含んでいないイエローインクと対合させるのに比べ、同じブラックインクをPVP10000含有のイエローインクと対合させる時の方が、実質的にブリードが少なかった。
【0117】
実施例22:
次のシアンインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタに使われる顔料素地のブラックインクに対向して印刷した:
【0118】
【表18】
Figure 0004312273
【0119】
顔料素地のブラックインクを高分子性の添加物を含んでいないシアンインクと対合させるのに比べ、同じブラックインクをLEG含有のシアンインクと対合させる時の方が、実質的にブリードが少なかった。
【0120】
実施例23:
次の顔料素地のマゼンタインクを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet 850(登録商標)プリンタに使われる顔料素地のブラックインクに対向して印刷した:
【0121】
【表19】
Figure 0004312273
【0122】
実施例23のマゼンタ及びブラック顔料素地インクをGilbert Bond紙上に印刷した。これらの2つのインク間で良好なブリード制御が行われ、ここでも、水相分離の生成が立証された。
【0123】
このように、2つの隣接して印刷されるインクジェット用インク間に本発明により水相分離を誘発させることで実質的なブリード制御が実現される。
【0124】
【産業上の応用性】
隣接して印刷されるインク間のブリードを制御するための、ここに開示した、本発明の方法、並びにインクジェット用インクセットは、インクジェット式カラープリンタにおいて、特に熱インクジェット式プリンタにおいて、業務上の用途を見出すものと期待される。
【0125】
以上、ここに、水相分離現象を開発することによりブリード制御を達成する方法とインクジェット用インクを開示した。明らかな特徴の様々な変更並びに修正は本発明の精神から逸れることなく実行し得ること、及び、前述の変更と修正は全て、前出の請求の範囲で定められたように本発明の範囲内に帰属するものと考えられることは、熟練した当業者には容易に明らかとなろう。
【0126】
以上のように、本発明は、〔1〕第一の着色剤と第一の水性媒質とから成る第一のインクジェット用インクと、第二の着色剤と第二の水性媒質とから成る第二のインクジェット用インクとを含むインクジェット印刷用のインクジェット用インクセットであって、
前記第一の水性媒質は、第一のポリマーを含有し、
前記第二の水性媒質は、第一と第二の水性媒質との間で接触が起こるとそれらの水相分離を誘発できる第二の種を含有し、
前記の第一及び第二のインクジェット用インクは、前記第一及び第二のインクジェット用インクがインクジェット用ペンから容易に噴出できるほど十分低い粘性を有する、
ことを特徴とするインクジェット用インクセットに関し、次のような好ましい実施態様を有する。
【0127】
〔2〕前記の第一のポリマーが約300〜20,000の範囲内の分子量を有することを特徴とする。
【0128】
〔3〕前記の第一のポリマーは、少なくとも約200の平均分子量を有するポリエチレングリコール;少なくとも約200の平均分子量を有するポリプロピレングリコール;ポリサッカリド;約40,000〜400,000の範囲内の平均分子量を有するポリスクロース;約500〜10,000の範囲内の平均分子量を有するエトキシル化グリセロール;約500〜10,000の範囲内の平均分子量を有するプロポキシル化グリセロール;約10,000〜200,000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルアルコール;約2,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルピロリドン;約1,000〜1,000,000の範囲内の平均分子量を有するポリアクリルアミド;約1,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリアクリル酸;約1,000〜50,000の範囲内の平均分子量を有するポリエチレンイミン;及びそれらの誘導体から成る群から選択されることを特徴とする。
【0129】
〔4〕前記の第二の種は、前記第一のポリマーとは異なる第二のポリマー及び低分子量成分から成る群から選択されることを特徴とする。
【0130】
〔5〕前記の第二のポリマーは、少なくとも約200の平均分子量を有するポリエチレングリコール;少なくとも約200の平均分子量を有するポリプロピレングリコール;ポリサッカリド;約40,000〜400,000の範囲内の平均分子量を有するポリスクロース;約500〜10,000の範囲内の平均分子量を有するエトキシル化グリセロール;約500〜10,000の範囲内の平均分子量を有するプロポキシル化グリセロール;約10,000〜200,000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルアルコール;約2,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルピロリドン;約1,000〜1,000,000の範囲内の平均分子量を有するポリアクリルアミド;約1,000〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリアクリル酸;約1,000〜50,000の範囲内の平均分子量を有するポリエチレンイミン;及びそれらの誘導体から成る群から選択されることを特徴とする。
【0131】
〔6〕前記の低分子量成分は、リン酸塩、硫酸塩、プロピルアルコール、グリセロール、エチレングリコールモノブチルエーテル、グルコース、グリコール;及び塩化ナトリウムから成る群から選択されることを特徴とする。
【0132】
〔7〕前記の第一のポリマーがポリエチレングリコールであり、
前記の第二の種がエトキシル化グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、及び約11,000〜19,000の範囲内の平均分子量を有するデキストランから成る群から選択されることを特徴とする。
【0133】
〔8〕前記の第一のインクと前記の第二のインクが約2〜15cPの範囲内の粘度を有することを特徴とする。
【0134】
〔9〕前記の第一のインクジェット用インクがイエローのインクジェット用インクであり、前記の第二のインクジェット用インクがシアンのインクジェット用インクであるインクジェット用インクセットにおいて、
前記インクジェット用インクセットがさらに第三のマゼンタインクジェット用インクと第四のブラックインクジェット用インクを包含し、
前記第三のマゼンタインクジェット用インクと前記第四のブラックインクジェット用インクが、それぞれ、第三の種と第四の種を含有して前記インクジェット用インクセットにおける任意のインク間で接触がある場合に水相分離を誘発するようにしたことを特徴とする。
【0135】
また、本発明は、〔10〕前記〔1〕の少なくとも2つの異なったカラーインクをインクジェット用ペンから印刷媒体上に印刷する際のブリード(にじみ)を低減する方法において、前記方法が、
(a)前記第一のインクジェット用インクを印刷するステップと;
(b)前記第二のインクジェット用インクを印刷するステップと
を設けて成り、それによって、前記の第二のインクが前記の第一のインクジェット用インクに隣接して印刷される時に前記の第一のインクと前記の第二のインク間のブリードが低減されることを特徴とするブリード低減法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【図1】7.5wt%1,5−ペンタンジオールと5wt%2−ピロリドンを含有するインク媒質に関して、水相分離を達成するための、ポリエチレングリコール(分子量4,000)とデキストラン(分子量11,500)のそれぞれの所要濃度を示す相図である。
【図2】ティッシュ材料上に互いに隣接してピペットで分注された時のインクジェット用インク間で生ずるブリードを説明するもので、Aは本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用した場合である。
【図3】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用した場合である。
【図4】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用した場合である。
【図5】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用した場合である。
【図6】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用した場合である。
【図7】イエローインクジェット用インクをChampion Datacopy紙上に印刷し、且つブラックのインクジェット用インクでクロスハッチングした時に生ずるブリードを説明する線図であり、Aは本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用した場合である。
【図8】図7と同様のブリードを説明する線図であり、本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合である。
【図9】図8と同様のブリードを説明する線図であり、本発明に従って調合したイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合である。
【図10】図7と同様のブリードを説明するもので、Aは本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明に従って調合したイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合である。
【図11】図7と同様のブリードを説明するもので、Aは本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明に従って調合したイエローとブラックのインクジェット用インクを使用した場合である。
【図12】Champion Datacopy紙上に印刷したブラックインクと複数の染料素地の各カラーインクジェット用インクとの間で生ずるブリードを説明する線図であって、染料素地のカラーインクジェット用インクをブラックのインクジェット用インクでクロスハッチングして得たもので、本発明の範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用した場合である。
【図13】図12と同様のブリードを説明するもので、本発明に従って調合されたインクジェット用インクを使用した場合である。

Claims (9)

  1. 第一の着色剤と第一の水性媒質とから成る第一のインクジェット用インクと、第二の着色剤と第二の水性媒質とから成る第二のインクジェット用インクとを含むインクジェット印刷用のインクジェット用インクセットであって、前記第一の水性媒質は第一の非イオン性ポリマーを含有し、前記第二の水性媒質は第一と第二の水性媒質との間で接触が起こるとそれらの水相分離を誘発できる第二の非イオン性ポリマーを含有し、前記第一及び第二のインクジェット用インクは、前記第一及び第二のインクジェット用インクがインクジェット用ペンから容易に噴出できるほど十分低い粘性を有する、インクジェット用インクセット。
  2. 前記第一の非イオン性ポリマーが約300〜20000の範囲内の分子量を有する請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  3. 前記第一の非イオン性ポリマーが、少なくとも約200の平均分子量を有するポリエチレングリコール、少なくとも約200の平均分子量を有するポリプロピレングリコール、ポリサッカリド、約40000〜400000の範囲内の平均分子量を有するポリスクロース、約500〜10000の範囲内の平均分子量を有するエトキシル化グリセロール、約500〜10000の範囲内の平均分子量を有するプロポキシル化グリセロール、約10000〜200000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルアルコール、約2000〜500000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルピロリドンから成る群から選択される、請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  4. 前記第二の非イオン性ポリマーが、前記第一の非イオン性ポリマーとは異なる、請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  5. 前記第二の非イオン性ポリマーが、少なくとも約200の平均分子量を有するポリエチレングリコール、少なくとも約200の平均分子量を有するポリプロピレングリコール、ポリサッカリド、約40000〜400000の範囲内の平均分子量を有するポリスクロース、約500〜10000の範囲内の平均分子量を有するエトキシル化グリセロール、約500〜10000の範囲内の平均分子量を有するプロポキシル化グリセロール、約10000〜200000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルアルコール、約2000〜500000の範囲内の平均分子量を有するポリビニルピロリドンから成る群から選択される、請求項4に記載のインクジェット用インクセット。
  6. 前記第一の非イオン性ポリマーがポリエチレングリコールであり、前記第二の非イオン性ポリマーがエトキシル化グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、及び約11000〜19000の範囲内の平均分子量を有するデキストランから成る群から選択される、請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  7. 前記第一のインクと前記第二のインクが、約2〜15cPの範囲内の粘度を有する請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  8. 前記第一のインクジェット用インクがイエローのインクジェット用インクであり、前記第二のインクジェット用インクがシアンのインクジェット用インクであるインクジェット用インクセットであって、前記インクジェット用インクセットがさらに第三のマゼンタインクジェット用インクと第四のブラックインクジェット用インクを包含し、前記第三のマゼンタインクジェット用インクと前記第四のブラックインクジェット用インクが、それぞれ、第三の種と第四の種を含有して前記インクジェット用インクセットにおける任意のインク間で接触がある場合に水相分離を誘発するようにする、請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  9. 請求項1のインクジェット用インクセットを構成する前記第一及び第二のインクジェット用インクをインクジェット用ペンから印刷媒体上に印刷する際のブリードを低減する方法であって、
    (a)前記第一のインクジェット用インクを印刷するステップ、
    (b)前記第二のインクジェット用インクを印刷するステップ、
    から成り、それによって、前記第二のインクが前記第一のインクジェット用インクに隣接して印刷される時に前記第一のインクと前記第二のインク間のブリードが低減されることを特徴とするブリード低減法。
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