JP3986593B2 - にじみを軽減した水性顔料分散系ベースのインクジェットインク組成物 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本願発明は、インクジェット・プリンティングに用いられるインク組成物に関し、より詳細には、水性顔料分散ベース・インクジェットインク組成物のブリード(にじみ、bleed)の低減及び乾燥時間の改善に関する。
【0002】
【背景技術】
インクジェット・プリンティングは、ノンインパクトプリンティング工程であり、この場合、インク液滴は、紙、透明フィルム又は織物のようなプリント媒体上に被着させる。低コストで且つ出来上がりの品質が高いので、比較的雑音のない運転と相俟って、インクジェットプリンタは、今や、コンピュータ併用型の他方式のプリンタに代わる普及型代替装置となっている。本質的に、インクジェットプリンティングは、マイクロプロセッサによって発生させた電気信号に応答してプリント媒体上に微細なインク液滴を噴射するものである。
【0003】
インクジェット・プリンティングにおいてインク液滴噴射を遂行するのに現在利用できる基本的手段は、熱的に行うものと圧電式の2通りがある。サーマルインクジェットプリンティングでは、液滴噴射のエネルギは、マイクロプロセッサからの電気信号に応答して急速に加熱されて気泡を生成する電気加熱抵抗素子によって生成され、その結果、その抵抗素子に結合されたノズルを通してインクの噴射が行われる。圧電式インクジェット・プリンティングでは、これも、マイクロプロセッサで発生した電気信号に応答して、圧電素子が振動してインク液滴を噴射する。特定の順序でインク液滴を噴射することにより、プリント媒体上に英数字文字、領域ぬりつぶし(area fills)及びその他のパターンが形成される。
【0004】
インクジェットインクは、ほとんどが染料ベースの組成物が入手できる。しかし、極めて限定された数の顔料ベースのインクも用いられる。事実、現時点では僅かに2つの黒色顔料ベースのインクが市販されている:カラー顔料ベースのインクは市販されていない。恐らく、顔料が提供する最も好ましい性質は、それらの優れた光堅牢性(lightfastness)である。しかし、顔料は、部分的に、水性(親水性)媒質中で集塊する傾向を元々持っているため、インクジェットインク組成物としては広範囲の用途を見い出していない。顔料粒子は、それらの外表面にある遊離基が粒子間に自然的化学的引力を生ずるため、集塊する傾向にある。顔料粒子の集塊は、プリント密度の変化とまだら及び信頼性不足から派生するような欠陥に起因して、結果的にプリント品質を低下させることになる。典型的には、水溶性の分散剤を用いて、水性溶液中の顔料粒子をデアグロメレート化する。
【0005】
顔料に関連した集塊問題がこれまで扱われてきたが、非加熱粒子のブリード制御における困難さのため、水性染料ベースのインクと共用したとしても、水性顔料分散ベースのインクには他の問題箇所が生ずる。水性媒体における分散物として配合された顔料ベース・インクは、染料ベース又は顔料ベースに関わらず、他の水性インク組成物に接近してプリントされると、ブリードを呈する。ここで用いられるように、用語「ブリード」は、色と色の間のぎざぎざした境界で立証されるように、ある色が別の色に侵入することと定義される。ブリードは、紙サブストレート表面のみならずサブストレート自体の内部において複数の色が混ざり合う時に生ずる。水性の黄色、シアン及びマゼンタのインク組成物が様々な比率と組合せで互いに及び黒色インクに接近して印刷されるものと仮定すると、ブリードは、インクジェットカラープリンティングにおいて特に問題となる。優れたプリント品質を得るためには、カラー間の境界をブリードのない状態に保つ必要がある。
【0006】
カラー対ブラック及びカラー対カラーのブリード問題に関する様々な解決方法が提案されている。いくつかの解決方法には、ブリード低減のためにインクの環境を変えることが包含される。例えば、ブリード低減のため、特殊調合の紙と共に、加熱したプラテン及び他の熱源が用いられた。しかし、加熱プラテンはプリンタのコスト高となり、又、特殊調合紙は普通紙より価格が高い。このように、インクジェットカラープリンティングでブリードを低減させるために外部装置を使うことは、概して、コスト有効的でない。ブリードを低減させるために通常採用される別の方法は、インクジェットプリンタにきれいな、ある色から他への侵入のないカラー間境界を提供するブリード制御アルゴリズムの使用が必要であるが、アルゴリズムはプリンタの速度を減ずる欠点がある。
【0007】
ブリード問題に対する他の提案された解決方法には、インクジェットインクの組成を変更させることが含まれる。例えば、界面活性剤は、染料ベースのインク配合においてブリードを低減するのに効果的に用いられてきた;例えば、全て本願出願と同一の譲受人に譲渡された、「Bleed Alleviation Using Zwitterionic Surfactants and Cationic Dyes」と題する米国特許第5,106,416号(John Moffatt 等);「Bleed Alleviation in Inku-Jet Inks」と題する米国特許第5,116,409号(John Moffatt );及び「High Molecular Weight Colloids Which Control Bleed」と題する米国特許第5,133,803号(John Moffatt )参照。しかし、界面活性剤は、紙中へのインクの浸透速度を高め、これがまたエッジ尖鋭度を低下させることになる。本譲受人に譲渡された特許で開示されたもので、染料ベースのインク組成物に固有の他の解決方法は、両方とも本願出願と同一の譲受人に譲渡された、「Cationic Dyes with Added Multi-Valent Cations to Reduce Bleed in Thermal Ink-Jet Inks」と題する米国特許第5,198,023号(John Stoffel)及び「Bleed Alleviation Using pH-Sensitive Dyes」と題する米国特許第5,181,045号(James Shields 等)に見い出される。
【0008】
カラー対ブラック及びカラー対カラーのブリード問題が多くの研究の主題となってきたが、上述の解決方法のどれも一般にコスト有効的でない加熱プラテン及び特殊調合紙の使用を除いては、顔料ベースのインク組成物に適用されない。例えば、界面活性剤は、ブリード制御を達成するのに染料ベースの調合に用いられたのと同じ濃度で加えられたとしても、水溶性分散剤でなされた顔料の分散を不安定にするであろう。これは、それ自体表面活性化合物である分散剤が、顔料表面に付着しようと競合する添加された界面活性剤によって競争して追い出されるためである。
【0009】
本出願と同じ譲受人に譲渡された関連出願Serial No.08/528,077、「Bleed-Alleviated, Waterfast, Pigment-Based Ink-Jet Ink Compositions」は、溶媒に分散された顔料ベースのインクジェット・インク組成物のブリード制御を対象としている。より詳細には、前述のインクのブリード制御は、マイクロエマルションの形で溶液中に保持されている水不溶性有機化合物に顔料を分散させることによって達成される。マイクロエマルションは、水、水不溶性有機化合物及び両親媒性物質の等方性溶液(isotropic solution)であり、水中の水不溶性化合物を可溶化するに十分な両親媒性物質が存在しているものである。顔料は、疎水性分散剤、カプセル化剤のような手段によって、又は表面改質によって、マイクロエマルションの水不溶性部分に分散させる。従って、水不溶性有機化合物は、顔料粒子にとって最初の溶液として働き、また、水は、両親媒性物質の添加によって既に形成されている、有機化合物のマイクロエマルション液滴に対する連続相として機能する。しかし、再度云えば、ブリードに対するこの解決方法は、水性顔料分散ベースのインクジェットインクには向けられておらず、むしろ、溶媒分散型顔料ベースのインクをとりわけ対象としている。
【0010】
それ故、ブリード制御は、染料ベースと溶媒分散型顔料ベースのインクジェット・インク組成物の組成を調節することにより達成されたとはいえ、水性顔料分散ベースのインクジェットインク組成物で経験されるブリードは、加熱プラテン、特殊調合紙及びブリード制御アルゴリズムを使う以外、大部分は、抑制されないままである。
【0011】
インクジェットインク配合における所望のブリード制御に加えて、スループット(処理能力)を増すためインクジェットプリンティングにおける乾燥時間を改善したインク配合を開発することも、例外なく望まれるところである。インクジェット・プリンタは、大部分はインクジェットインクの乾燥時間が比較的遅いため、プリンタに固有のブリード制御アルゴリズムに由来するプリンタの低速化のため、レーザプリンタで得られるスループットのレベルに現時点では対抗できない。上述のブリード制御を達成するために用いられる解法はまた、典型的には、乾燥時間も改善するもので、これら2つの特質は、互いに密接に関連している。
【0012】
従って、ブリード低減を示し且つプリント媒体に当たると急速に乾燥する性質を持った、インクジェット・プリンティング用水性顔料分散ベースのインクに対する要求は存在するのである。但し、より速い乾燥時間を達成するために、インク組成物の印刷品質を犠牲にしてはいけない。
【0013】
【発明の開示】
本発明に従い、マイクロエマルションの水性相に分散した顔料粒子を用いた、水性顔料分散ベースのインクジェット・インク組成物が提供される。詳細には、本願発明の顔料ベースのインクジェット・インク組成物は:
(a)少なくとも1つの水性顔料分散物と;
(b)(i)少なくとも1つの水不溶性有機化合物、(ii)少なくとも1つのハイドロトロピック(hydrotropic)両親媒性物質、(iii)水からなるマイクロエマルションとから構成され、ハイドロトロピック両親媒性物質はマイクロエマルション中に少なくとも1つの水不溶性有機化合物を可溶化させるのに十分な量で存在する。
【0014】
インクジェット・プリンティングの使用に適する水性顔料分散物はどれも、それがインクジェットインク組成物の他の成分に適合性のある限り、本発明の実施において利益を得ることができる。水不溶性有機化合物、ハイドロトロピック両親媒性物質及び水を含むマイクロエマルションは、水と水不溶性有機化合物との間の界面張力を両親媒性物質によって最小にした熱力学的に安定な等方性溶液である。
【0015】
上述の水性顔料分散ベースのインクを与え且つそれをプリント媒体上にプリントすることを包含するところの、インクジェットプリンティングにおけるブリードの低減方法も提供される。代表的なカラーインクジェット・プリンタは、3色インクと単一のブラックを有するインクセットを用いるので、ブリードを低減した高品質のプリンティングを達成するためにその4つのインクのどれか又は全てを本願発明に従って配合してよいと考えられる。好ましくは、本発明にしたがって、4色のインクをひとつのインクジェットインクセットとして構成することで、プリント品質は、乾燥時間の改善、ブリード制御及び覆う(coverage)や厚みの均一性から最適に利益を受ける。
【0016】
本願の水性顔料分散ベースのインクジェット・インク組成物とブリードの低減方法は、連続的、圧電ドロップ・オンデマンド型プリンタ及びサーマル又はバブルジェット式ドロップ・オンデマンド型プリンタのような様々なインクジェットプリンタと共に用いてよい。プリンティングは、例えば、紙、繊維及び透明体を含む、種々の媒体上に行ってよい。インクジェット・プリンタは、本発明の実施で達成される水性顔料分散ベースのインクのブリードの低減と乾燥時間の改善により、コスト有効的方法で高い印刷品質を実現できるのである。
【0017】
【発明を実施するための最良モード】
本発明の実施において、インク媒質としてマイクロエマルションを用いることにより、ブリード軽減と乾燥時間の短縮が水性顔料分散ベースのインクで立証される。より詳細には、マイクロエマルションは、(i)少なくとも1つの水不溶性有機化合物と;(ii)少なくとも1つのハイドロトロピック両親媒性物質と;さらに(iii)水とを含有する。ハイドロトロピック両親媒性物質は、有機化合物を可溶化するに十分な量で量で存在し、その結果、澄んだ安定なマイクロエマルションが生ずる。
【0018】
本明細書における濃度は全て、別途表示されない限り、重量パーセントである。全ての成分の純度は、通常の業務上の実践においてインクジェットインクに採用されているそれである。
【0019】
任意の顔料又はその組合せは本発明の実施で利益を受けてよいと考えられるので、広範囲の有機もしくは無機顔料は、単独であろうと組合せであろうと、本発明の実施において利益を得ることができる。ここで用いられるような、用語「顔料」は、水不溶性着色剤を意味する。実際、顔料粒子は、水性媒質中でデアグロメレーション化即ち分散されて、インクのプリント品質上より優れた均一性を実現する。残留インク成分と相溶できる顔料粒子を分散する手段は、何れも、発明の実施に用いてよい。適切な分散手段の例には、ハイドロトロピックな顔料分散剤及び水性溶液との相溶性を得るための顔料表面の改質がある。顔料と相溶できるハイドロトロピックな分散剤は、何れも、発明の実施において用いてよい。水性媒質に顔料粒子を分散するのに通常用いられるポリマー系の分散剤の種類としては、例えば、ランダム型、ブロック型及び分岐型の重合体が含まれる。その重合体は、性質上、陰イオン、陽イオン又は非イオンであってよい。
【0020】
市販の濃縮水性顔料分散物は、本発明の実施に用いられると考えられる。該顔料分散物の例には、Hoechst社から市販されているHostafine YellowとHostafine Green;及び日本のFuji Pigment社から市販されているFuji BBL RedとFuji BBL Magentaがある。前述の市販の濃縮水性顔料分散物に存在する水は、マイクロエマルションベースのインクの一部分を形成することに注意する。
【0021】
顔料粒子は、インクジェップリンティング装置を通してインクの自由な流れを可能にする程十分小さくなければならないという理由から、顔料の粒子サイズは、インクジェットプリンティングにおいて考慮すべき重要問題である。例えば、サーマルインクジェット式オフイスプリンタの噴射ノズルは、典型的には、約10乃至60μmのオーダーの直径を有する。顔料の粒子サイズはまた、カラー強度と光沢のみならず、顔料分散の安定性を得る上でも重要問題である。これらを考慮して、有用な粒子サイズの範囲は、約0.005乃至15μmである。好ましくは、顔料の粒子サイズは、約0.005から5μmまで、より好ましくは、約0.005から1μmまでの範囲内にあるべきである。最も好ましくは、顔料の粒子サイズは、約0.005から0.3μmまでの範囲である。しかし、非オフイス的用途では、大きめの顔料粒子サイズを用いてよい。
【0022】
顔料は、インク組成物の約20 wt%未満を占めてよいが、一般には、約0.1から10 wt%までの範囲に入るべきである。好ましくは、顔料は、インク組成の約0.1乃至8 wt%を占める。
【0023】
本発明により、水性顔料分散物は、得られるインクジェットインクの配合でブリード制御と急速な乾燥を達成するためマイクロエマルションベースのベヒクルに入れられる。マイクロエマルションは、水、油及び両親媒性物質の熱力学的に安定な等方性溶液として定義され、水不溶性化合物を可溶化するのに用いる。発明の実施において、マイクロエマルションは、水と、少なくとも1つの水不溶性化合物と、そして少なくとも1つのハイドロトロピック両親媒性物質とから成る。マイクロエマルションの組成物の中で、両親媒性物質の機能は、水と水不溶性有機化合物との間の界面張力を低下させて、安定な系を形成することにある。
【0024】
発明の実施に適切に用いてよい水不溶性有機化合物の例としては、限定されるものではないが、水不溶性のモノ−又はポリグリコール エーテル;水不溶性のモノ−又はポリグリコール フェニルエーテル;水不溶性アルコール;水不溶性のモノ−又はポリグリコール エステル;及び水不溶性炭化水素がある。一般に、水不溶性有機化合物又はその組合せは、それをハイドロトロピック両親媒性物質で可溶化してよい限り、及びそれがインクジェットインク組成物における他の成分と相溶できる限り、何れも、発明の実施に用いてもよい。発明の実施に好ましく用いられる水不溶性有機化合物の特定的な例としては、限定するものではないが、(1)エチレン、プロピレン、ポリエチレン及びポリプロピレングリコールフェニルエーテル;(2)エチレン、プロピレン、ポリエチレン及びアクリル酸塩のようなポリプロピレングリコールエステル;及び(3)ベンジルアルコールがある。さらに、好ましく用いられる炭化水素の特定的な例には、トルエン、キシレン、ナフタレン、フェナントレン及びアントラセンがある。モノ−及びジエチレングリコール フェニルエーテル、モノ−及びジプロピレングリコール フェニルエーテル及びベンジルアルコールは、発明の実施において最も好ましく用いられるものである。水不溶性有機化合物は、インクジェットインク組成の約1乃至70 wt%の濃度範囲にあってよい。好ましくは、水不溶性有機化合物は、インクジェットインク組成物の約1乃至20 wt%の濃度範囲にある。
【0025】
オイル成分を有するマイクロエマルションを与えることに加えて、水不溶性有機化合物は、インクジェットプリンティングに通常用いられるような本願のインクジェット・インク組成物における共溶媒として働く。より詳細には、インクジェット・プリンタのペンが使われていない時及び大気に露出されている時、インクベヒクル中の水は蒸発する。この共溶媒がインクベヒクル中に存在すると、クラストの生成及びノズルの閉塞を防ぐ。故に、有機化合物の蒸気圧は、それがインクジェット・プリンティングの正常な運転中に蒸発しないよう、水のそれと比較して十分低いはずである。現在のインクジェット・インク組成物において水不溶性有機化合物の濃度を増やすことについての利点は、インクの水含量の付随的減少に起因する紙のしわの減少にあることが注目される。
【0026】
発明の実施に用いられるハイドロトロピック両親媒性物質は、水不溶性有機化合物と水とでマイクロエマルションを生ずるハイドロトロピック両親媒性物質である。適切なハイドロトロピック両親媒性物質は、一般に他の界面活性剤と同じように、化合物を極めて小さい液滴に粉砕し且つこれらの液滴をマイクロエマルション状態に維持することによって水中の水不溶性有機化合物を可溶化する。しかし、他の種類の界面活性剤と異なり、ハイドロトロピック両親媒性物質は、顔料の表面に対して親水性分散剤(同じく表面活性化合物)と競合(これは、不安定な顔料分散をもたらし得る)しない。さらに、ハイドロトロピック両親媒性物質を用いても、他の界面活性剤の使用に関連して起こるような表面張力の急勾配の降下は起こらず、結果として、発明の実施においてハイドロトロピック両親媒性物質を用いているインクに関する表面張力の減少が比較的抑制されるようになる。これとは対照的に、インクジェットインクに他の界面活性剤を混ぜることによって表面張力の急な降下が引き起こされると、プリントヘッドのノズルプレート上に溜まり(puddles)が生じ、よって、液滴噴射特性にマイナスに影響することが分かっている。さらに、これらの他の界面活性剤は、エッジ尖鋭度が影響を受けることがある位の程度まで紙中へのインクの浸透速度を早める。このように、ハイドロトロピック両親媒性物質は、(1)顔料分散の不安定化;(2)ノズルプレートのよごれ(puddling);又は(3)エッジ尖鋭度の損失という危険を冒さずに、水不溶性有機化合物を可溶化するのに必要な表面張力低減を実現する働きがある。
【0027】
マイクロエマルションにおけるハイドロトロピック両親媒性物質の適切な量は、水不溶性有機化合物を可溶化するような量である。顔料の分散を不安定にするかもしくは本願のインク組成物の利点を否定しうる過剰の量の両親媒性物質を混入しないように注意しなければならない。ハイドロトロピック両親媒性物質の混合物を発明の実施に用いてよいことが注目される。与えられたハイドロトロピック両親媒性物質とその濃度の決定には、本発明の教示からみて過度の実験を設定しなくてよいと思われる。
【0028】
ハイドロトロピック両親媒性物質は、陰イオン性でも、陽イオン性でも又は非イオン性であってもよい。発明の実施において適切に用いられる陰イオン性ハイドロトロピック両親媒性物質の例には、限定されるものではないが、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウムベンゼン、ジスルホン酸ナトリウムベンゼン、スルホン酸ナトリウムトルエン、スルホン酸ナトリウムキシレン、スルホン酸ナトリウムクメン、スルホン酸ナトリウムシメン、ケイ皮酸ナトリウムがある。発明の実施において適切に用いられる陽イオン性ハイドロトロピック両親媒性物質の例には、限定されるものではないが、パラアミノ安息香酸塩酸塩、塩酸プロカイン及びカフェインがある。発明の実施において適切に用いられる非イオン性ハイドロトロピック両親媒性物質の例には、限定されるものではないが、レゾルシノールとピロガロールがある。
【0029】
随意に、コサーファクタントを本願のインクジェットインク組成物に添加してよい。適切に用いられるコサーファクタントの例には、限定されるものではないが、2-ピロリドンのようなラクタム;グリコール;ジオール;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチル、ブチル、ヘキシルエーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル及びトリエチレングリコールエーテルを含む、モノ−及びジーグリコールエーテル;ブチルアルコール、ペンチルアルコール、及び相同(homologous)アルコールのような中鎖(mid-chain)アルコール;及びアセチレンポリエチレンオキサイドがある。好ましくは、コサーファクタントを用いる場合は、コサーファクタントは、3〜8個の炭素原子を持っている中鎖アルコール又はジオールを含む。コサーファクタントは、インク組成物の10 wt%未満を占めてよく、別成分としてか又はハイドロトロピック両親媒性物質に対する部分的置換物として働く。
【0030】
特定のマイクロエマルションに適切に用いられるハイドロトロピック両親媒性物質の量は、少なくとも2つの方法で、即ち、省略方法又はより体系的方法により決めてよい。省略方法では、先ず、水不溶性有機化合物と水とをインクジェット・インク組成物に使えるマイクロエマルションの所望の最終的配合を反映する比で組み合わせなければならない。その後、得られる2相の液体は、その結果単相の溶液が得られる有機化合物の可溶化を示す、透明溶液が得られるまで、選択したハイドロトロピック両親媒性物質を用いて滴定する。約1%の過剰のハイドロトロピック両親媒性物質を随意に付加して安定溶液を確保してよい。このように、上述の滴定処理によって、水不溶性有機化合物、水及びハイドロトロピック両親媒性物質について適切な関係濃度が決定される。
【0031】
より体系的アプローチでハイドロトロピック両親媒性物質の適量を決める場合、第一段階は、水不溶性有機化合物と水との組合せを表す状態図を作ることになる。より詳細には、状態図は、水と水不溶性有機化合物とを種々の比率で組み合わせ、透明な単相領域がその状態図内で定められるまで各混合物をハイドロトロピック両親媒性物質に対して滴定することにより作図される。その透明点を越えてさらに滴定を進めれば、多相又は半固体組成といった他の領域を定めることができる。これらの結果は、慣用の三角プロット法でプロットすると、三元状態図となる。例えば、図1は、プロピレングリコールフェニルエーテル、スルホン酸ナトリウムキシレン、及び水から成るマイクロエマルションに関する前述の三元状態図を示し、ここで、領域Aは2相を有する白濁(milky)領域を表し、領域Bは単相の等方領域を表し、そして領域Cは半固体領域を表す。単相の等方領域(図1の領域B)は、インクジェット・インク組成物に使うのに最も適している有機化合物、水及びハイドロトロピック両親媒性物質の配合を示す。従って、その配合が特定のインクジェット・インク組成物に対する他のどの基準も満足しさえすれば、発明の実施においてこの単相領域から任意の配合を選択してよい。別例では、図2は、ベンジルアルコール、スルホン酸ナトリウムキシレン及び水から成るマイクロエマルションについての三元状態図を示し、ここで、領域Bは、これも単相の等方領域を表す。
【0032】
同様の結果は、次の三元系で得られる:(1)水−サリチル酸ナトリウム−エチレングリコールフェニルエーテル;(2)水−サリチル酸ナトリウム−プロピレングリコールフェニルエーテル;(3)水−安息香酸ナトリウム−エチレングリコールフェニルエーテル;(4)水−安息香酸ナトリウム−プロピレングリコールフェニルエーテル;(5)水−スルホン酸ナトリウムキシレン−エチレングリコールフェニルエーテル;(6)水−ピロガロール−ベンジルアルコール;及び(7)水−スルホン酸ナトリウムキシレン−ベンジルアルコール。
【0033】
留意すべきは、領域A内の配合は、長い貯蔵寿命を要しないような用途、例えば、織物のプリンティングに用いることができることである。同様に、加熱プリントカートリッジを使えば、領域C内の配合を用いることが可能となる。
【0034】
本願発明の要件に一致して、様々な種類の添加剤をインクに用いて、特定の用途に使うインク組成物の諸特性を最適化してよい。例えば、当業者に周知の通り、1つ以上の殺虫剤、殺真菌剤及び/又は殺粘液菌剤(殺菌剤)を当該分野で通常実施されるようにインク組成物に用いてよい。適切に用いられる殺菌剤の例には、限定するものではないが、NUOSEPT (Nudex,Inc.), UCARCIDE (Union Carbide), VANCIDE (RT Vanderbilt Co.)及びPROXEL (ICI America)がある。加えて、重金属の不純物の有害な影響を排除するために、EDTAのような金属イオン遮蔽剤(sequestering agents)を包含させてもよく、また、インクのpH調節に緩衝溶液を使用してもよい。他の既知の添加剤、例えば、粘度調節剤及び他のアクリル系又は非アクリル系ポリマーを添加して、インク組成物の種々の特性を望まれるように改善してもよい。
【0035】
インクジェット・インク組成物を配合するため、水、ハイドロトロピック両親媒性物質、及び水不溶性有機化合物をまず調合する。次いで、この混合物を、低流量で顔料分散濃縮物中に降下(let down)させ、同時にその顔料分散物を撹拌する。任意のコサーファクタントをその混合物に付加してもよい。次いで、その混合物を、例えば、かき混ぜるか、振動させるか又は他の撹拌手段によって、均一にして、マイクロエマルションベースのインクを作る。成分全てを単に一緒に加えてマイクロエマルションを調合しようとしても、結果的にその顔料分散物を凝集させることになるだけである。
【0036】
本発明に従って調合された水性顔料分散ベースのインク組成物は、ブリードが軽減される上、速い乾燥時間と優れた印刷品質を示す。以下の例はまさにこれを示すものである。
【0037】
<例>
図1に示した状態図を作って予めベヒクル成分の濃度を決めて、着色剤として3 wt%のHostafine Yellow(Hoescht社より市販);10 wt%のプロピレングリコールフェニルエーテル;13 wt%のスルホン酸ナトリウムキシレン;バランスする水から成るインクジェット・インク組成物を調製した。より詳細には、図1に示した状態図は、プロピレングリコールフェニルエーテルと水とを種々の比で配合し、次いで、各混合物を透明な単相領域が定められるまでスルホン酸ナトリウムキシレンに関して滴定することにより作図した。従って、図1の領域Aは、プロピレングリコールフェニルエーテル、スルホン酸ナトリウムキシレン及び水の様々な組合せを表し、それは白濁した外観から明らかな2相領域を生じた。図1の領域Bは、プロピレングリコールフェニルエーテル、スルホン酸ナトリウムキシレン、及び水の様々な組合せを表し、それは透明な単相領域を生じた。図1の領域Cは、プロピレングリコールフェニルエーテルと水との混合物を、スルホン酸ナトリウムキシレンを用いて、半固体領域が定められるまで透明点を越えてさらに滴定することにより定めた。図1の単相等方領域は、プロピレングリコールフェニルエーテル、スルホン酸ナトリウムキシレン、及び水についての、発明の実施において適切に用いてよい配合を表すものである。領域AとCで示した配合は、本発明の範囲外のインクベヒクルを表す。
【0038】
本実施例のインクジェット・インク組成物は、図1の領域Bの単相等方領域内に入るものである。より詳細には、このインク組成物のベヒクルは、全インクベヒクルのパーセントとして、約10 wt%のプロピレングリコールフェニルエーテルと;約13 wt%のスルホン酸ナトリウムキシレンと;バランスする水とを含有したものである。図1の点Dは、この例のインク組成物のベヒクルが、実際に、透明な単相領域、即ち三元状態図の領域B内に入ることを示す。
【0039】
45ピコリットルの滴下容積のペンを使い、300 dpiの分解能で、本実施例のインクジェット・インク組成物を普通紙上にプリントした。インクは、普通紙に衝突すると瞬間的に乾いた。比較では、2-ピロリドンのような、水溶性共溶媒を有するインクジェット・インク組成物は、普通紙上にプリント時、有限の、測定可能な乾燥時間を示し、ブリード制御が欠けていることが知られている(例えば、本出願と同じ譲受人に譲渡された、米国特許第4,963,189号、表題:「Waterfast Ink Formulations with a Novel Series of Anionic Dyes Containing Two or More Carboxyl Groups」(Suraj Hindagolla等)参照)。さらに、上記の例のインクを、同一のベヒクルで、但し異なった着色剤、即ち、Hostafine Greenを含む別のインクを隣りにプリントした時、ブリード軽減を示した。
【0040】
以上、発明に従って作られたインクジェット・インク組成物は、インクジェットプリンタによるプリンティングでは、ブリードが軽減され且つ速い乾燥時間を示すことが示された。
【0041】
【産業上の利用可能性】
ここに開示したように、インクジェット・プリンティングにおいてブリードを制御し、乾燥時間を短縮する本願発明のインクジェット・インク組成物と方法は、インクジェット・プリンティングにおいて商業上の用途が予測される。
【0042】
このように、水性顔料分散ベースのインクジェット・インク組成物とインクジェット・プリンティングにおいてブリードを制御し、乾燥時間を短縮する方法が開示された。明らかな特性に基づく種々の変更並びに修正は、本発明の精神から逸脱することなく実施してよいこと、且つ前述の変更並びに修正の全ては、本願特許請求の範囲によって規定された発明の範囲内に帰属するものであることを当業者にとっては自明のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェット・インク組成物に関するマイクロエマルションベースのベヒクル成分の配合領域を示す三元状態図。
【図2】本発明の他の実施例であるインクジェット・インク組成物に関するマイクロエマルションベースのベヒクル成分の配合領域を示す三元状態図。
Claims (21)
- 顔料ベースのインクジェットインク組成物であって、
(a)少なくとも1つの水性顔料分散物と、
(b)(i)少なくとも1つの水不溶性有機化合物、
(ii) 安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウムベンゼン、ジスルホン酸ナトリウムベンゼン、スルホン酸ナトリウムトルエン、スルホン酸ナトリウムキシレン、スルホン酸ナトリウムクメン、スルホン酸ナトリウムシメン、ケイ皮酸ナトリウム、パラアミノ安息香酸塩酸塩、塩酸プロカイン、カフェイン、レゾルシノール及びピロガロールから成る群から選択される少なくとも1つのハイドロトロピック両親媒性物質、及び
(iii) 水、からなるマイクロエマルションと、
から構成され、前記ハイドロトロピック両親媒性物質が、前記マイクロエマルション中に前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物を可溶化するに十分な量で存在する、顔料ベースのインクジェットインク組成物。 - 前記少なくとも1つの水性顔料分散物が少なくとも1つの顔料を含み、前記少なくとも1つの顔料が、 20 wt%未満の量で前記顔料ベースのインクジェットインク組成物に存在する、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記少なくとも1つの顔料が、 0.1乃至1 0 wt%の範囲内の量で前記顔料ベースのインクジェットインク組成物に存在する、請求項2記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記少なくとも1つの顔料が、 0.005乃至15μmの範囲の粒子サイズを有する、請求項2記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記少なくとも1つの水性顔料分散物が、ランダムポリマー、ブロックポリマー、分岐ポリマーから成る群から選択される少なくとも1つの親水性顔料分散剤を含む、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記少なくとも1つの水性顔料分散物が、少なくとも1つの表面改質顔料を含む、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記水不溶性有機化合物が、水不溶性モノグリコールエーテル、水不溶性ポリグリコールエーテル、水不溶性モノグリコールフェニルエーテル、水不溶性ポリグリコールフェニルエーテル、水不溶性アルコール、水不溶性モノグリコールエステル、水不溶性ポリグリコールエステル及び水不溶性炭化水素から成る群から選択される、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記水不溶性有機化合物が、モノエチレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル、モノプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステル、トルエン、キシレン、ナフタレン、フェナントレン、ベンジルアルコール及びアントラセンから成る群から選択される、請求項7記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物が、 1乃至70 wt%の範囲内の量で前記インクジェットインク組成物に存在する、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- 前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物が、モノエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、モノプロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル及びベンジルアルコールから成る群から選択され、且つ前記少なくとも1つのハイドロトロピック両親媒性物質が、スルホン酸ナトリウムキシレン、サリチル酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムから成る群から選択される、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- さらに、10wt%までのアルコール及びジオールから成る群から選択される化合物からなるコサーファクタントを含み、前記コサーファクタントが3個から8個の範囲の炭素原子を有する炭素鎖長を有する、請求項1記載の顔料ベースのインクジェットインク組成物。
- インクジェットプリンティングにおけるにじみと乾燥時間を減少させる方法であって、
(a)(i)少なくとも1つの水性顔料分散物と、
(ii)少なくとも1つの水不溶性有機化合物;安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウムベンゼン、ジスルホン酸ナトリウムベンゼン、スルホン酸ナトリウムトルエン、スルホン酸ナトリウムキシレン、スルホン酸ナトリウムクメン、スルホン酸ナトリウムシメン、ケイ皮酸ナトリウム、パラアミノ安息香酸塩酸塩、塩酸プロカイン、カフェイン、レゾルシノール及びピロガロールから成る群から選択される少なくとも1つのハイドロトロピック両親媒性物質;及び水を含んで成るマイクロエマルションと、
からなる水性顔料分散物ベースのインクジェットインクを提供することであって、この場合、前記ハイドロトロピック両親媒性物質が、前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物を可溶化するに十分な量で前記マイクロエマルション中に存在する、前記提供することと、
(b)インクジェットペンを使ってプリント媒体上に前記水性顔料分散物ベースのインクジェットインク組成物をプリントすることであって、それによって前記水性顔料分散物ベースのインクジェットインク組成物が速い乾燥時間とブリード軽減を呈する、前記プリントすることと、
を包含する、方法。 - 前記少なくとも1つの水性顔料分散物が少なくとも1つの顔料を含み、前記少なくとも1つの顔料が 0.1乃至10 wt%の範囲内の量で前記水性顔料分散物ベースのインクジェットインク組成物に存在する、請求項12記載の方法。
- 前記少なくとも1つの顔料が、 0.005 乃至15μmにわたる粒子サイズを有する、請求項13記載の方法。
- 前記少なくとも1つの水性顔料分散物が、ランダムポリマー、ブロックポリマー及び分岐ポリマーから成る群から選択される少なくとも1つの親水性顔料分散剤を含む、請求項12記載の方法。
- 前記少なくとも1つの水性顔料分散物が、表面改質顔料を含む、請求項12記載の方法。
- 前記水不溶性有機化合物が、水不溶性モノグリコールエーテル、水不溶性ポリグリコールエーテル、水不溶性モノグリコールフェニルエーテル、水不溶性ポリグリコールフェニルエーテル、水不溶性アルコール、水不溶性モノグリコールエステル、水不溶性ポリグリコールエステル及び水不溶性炭化水素から成る群から選択される、請求項12記載の方法。
- 前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物が、モノエチレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル、モノプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステル、トルエン、キシレン、ナフタレン、ベンジルアルコール、フェナントレン及びアントラセンから成る群から選択される、請求項17記載の方法。
- 前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物が、 1乃至70 wt%の範囲内の量で前記インクジェットインク組成物に存在する、請求項12記載の方法。
- 前記少なくとも1つの水不溶性有機化合物が、モノエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、モノプロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル及びベンジルアルコールから成る群から選択され、且つ前記少なくとも1つのハイドロトロピック両親媒性物質は、スルホン酸ナトリウムキシレン、サリチル酸ナトリウム、及び安息香酸ナトリウムから成る群から選択される、請求項12記載の方法。
- さらに、10wt%までのアルコール及びジオールから成る群から選択される化合物からなるコサーファクタントを含み、前記コサーファクタントが3個から8個の範囲の炭素原子を有する炭素鎖長を有する、請求項12記載の方法。
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