JPH1036724A - インクジェット用インクセット及びブリード低減法 - Google Patents

インクジェット用インクセット及びブリード低減法

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JPH1036724A
JPH1036724A JP9113505A JP11350597A JPH1036724A JP H1036724 A JPH1036724 A JP H1036724A JP 9113505 A JP9113505 A JP 9113505A JP 11350597 A JP11350597 A JP 11350597A JP H1036724 A JPH1036724 A JP H1036724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣接して印刷されるインクジェット用インク
間に水相を誘発し、それらインク間のブリードを低減し
得るインクジェット用インクと、このインクを用いたブ
リード低減方法とを提供する。 【解決手段】 第一の着色剤と第一の水性媒質から成る
第一のインクジェット用インクと、第二の着色剤と第二
の水性媒質から成る第二のインクジェット用インクとを
含むインクジェット印刷用のインクジェット用インクセ
ットであって、第一の水性媒質が、第一のポリマーを含
有し、第二の水性媒質が、第一と第二の水性媒質との間
で接触が起こるとそれらの水相分離を誘発できる第二の
種を含有し、第一及び第二のインクジェット用インク
が、インクジェット用ペンから容易に噴出できるほど十
分低い粘性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェット印
刷に用いられるインクジェット用インクに関し、より詳
細には、隣接して印刷されるインクジェット用インクの
間に水相を誘発してそれらインク間のブリードを低減す
る上記インクと、このインクを用いたブリード低減方法
とに関する。
【0002】
【背景技術】インクジェット印刷は、インク液滴が特定
の順序で印刷媒体上に堆積されてその上に英数字文字、
区画内ベタ刷り、及びその他のパターンを形成するよう
な、ノンインパクト印刷工程である。低コストで且つ出
来上がりの品質が高いので、比較的雑音のない運転と相
俟って、インクジェット式プリンタは、今や、コンピュ
ータ併用型の他方式プリンタに代わる普及型プリンタと
なった。
【0003】インクジェット印刷のノンインパクト印刷
工程は、マイクロプロセッサによって発生させた電気信
号に応答して、紙、透明フィルム、又は織物のような印
刷媒体上に微細なインク液滴を射出するものである。イ
ンクジェット印刷においてインク液滴射出を遂行するの
に現在利用できる基本的手段は、熱的に行うものと圧電
式の2通りがある。熱式インクジェット印刷では、液滴
射出のエネルギーは、マイクロプロセッサからの電気信
号に応答して急速に熱くなって気泡を生成する電気加熱
抵抗素子で発生され、結果的に、その抵抗素子に結合さ
れたノズルを通してインクの放出が行われる。圧電式イ
ンクジェット印刷では、これも、マイクロプロセッサで
発生した電気信号に応答して、圧電素子が振動してイン
ク液滴を射出する。
【0004】市販されている熱式インクジェットプリン
タ、例えば、ヒューレット・パッカード社から市販のD
eskJet(登録商標)プリンタシリーズの1つで
は、カラースペクトルは、シアン、マゼンタ、及びイエ
ローのインクを様々な比率で組み合わせて得ている。そ
のようなプリンタでは、必要なカラーの組合せを得るの
に、典型的には、三原色カラーインクとブラックインク
を含む4−ペンセットを用いる。そのシアン、マゼン
タ、及びイエローインクは、それぞれ、シアン、マゼン
タ、及びイエローの着色剤からそれらの色相を引き出す
ものである。
【0005】インク用着色剤は、染料又は顔料の形で使
用される。従って、インクジェット用インクは、染料素
地又は顔料素地の何れかの組成として市販されている。
2つのうち、染料素地のインクジェット用インク組成が
はるかに広範囲に利用されている。染料素地のインクジ
ェット用インク組成は、一般に、水性素地であり、染料
をインク媒質に溶かして調合するものである。インクジ
ェット用インク組成に使われる染料分子は、しばしば、
染料の陰イオンと、ナトリウム又はテトラメチルアンモ
ニウムのような陽イオンから作られる染料の塩の形をし
ている。限定数の顔料素地のインクジェット用インクも
用いられており、これは、一般に、分散剤によって水溶
液に分散された顔料から成る。顔料は、耐水堅牢性(w
aterfastness)及び耐光堅牢性(ligh
tfastness)という極めて望ましい性質を示
す。
【0006】インクが染料素地であるか顔料素地である
かに関係なく、インクジェット用インクは、通常、ブリ
ードの発生に見舞われる。ここで用いられる、用語“ブ
リード”は、カラー間のぎざぎざした境界で立証される
ような、1つのカラーの別のカラーへの侵入(にじみ)
であると定義されるものである。ブリードは、紙基質の
表面上並びに基質自体の内部で複数のカラーが混じり合
う時に生ずる。ブリードの発生は、ブラックインクと隣
接して印刷されたカラーインクとの間では、それが一層
目立つので、特に問題となる。故に、良好な印刷品質を
得るためには、カラー間の境界が、鮮明であり且つ1つ
のカラーの他のカラーへの侵入がないよう、ブリードを
軽減もしくは除去しなければならない。
【0007】ブラック対カラー及びカラー対カラーのブ
リード問題に関する種々の解法が提案されている。幾つ
かの解法は、ブリード低減のために、インク環境を変え
ることが関連している。例えば、ブリード低減のため
に、特殊調合の紙と共に、加熱したプラテン及び他の熱
源が用いられている。しかし、加熱プラテンはプリンタ
のコスト高となり、特殊調合紙は“普通”紙より価格が
高い。このように、熱式インクジェット印刷でブリード
を低減させるために、外的な付帯設備を使うことは、概
して、コスト的に有効でない。
【0008】ブリード問題に対する他の提案解法には、
ブリードを低減させるために、インクジェット用インク
の組成を変更することが含まれる。例えば、界面活性剤
は、紙中へのインクの浸透速度を高めるのに使われてき
た。“Bleed Alleviation in I
nk−Jet Inks”と題する米国特許第5,11
6,409号は、双極子イオン性界面活性剤もしくはイ
オン性又は非イオン性両親媒性物質を、それらの臨界ミ
セル濃度を上回る濃度で使って、ブリード制御を達成す
る方法を開示・請求するものである。しかし、ブリード
制御を達成する界面活性剤の添加は、エッジ尖鋭度の低
下の原因となることも知られている。
【0009】また、金属イオン沈降剤をインクジェット
用インクに混ぜてブリードを低減する方法も知られてい
る。特に、ブラック対イエローのブリードという問題に
対する解法は、本願出願と同一の譲受人に帰属する、
“Cationic Dyeswith Added
Multi−Valent Cations toRe
duce Bleed in Thermal Ink
−Jet Inks”と題する、米国特許第5,19
8,023号に開示されており、この場合は、塩化カル
シウム及び塩化マグネシウムのような多価カチオンを約
1〜10wt%の範囲の濃度でイエローカチオンに添加
してイエローとブラックインク間のブリードを防ぐもの
である。他のアニオンには、塩化物のアニオンとは別
に、フッ化物及び硝酸塩のアニオンがある。カルシウム
及びマグネシウムのような多価カチオンは、ブリードの
制御には有効であるが、それらはまた、多数の染料の選
択組合せという点で不安定であり、それ故、インクジェ
ット用インク組成の調合を拘束する。その上、硝酸塩は
毒性があり、従ってインクジェット用インク組成では避
けなければならない。
【0010】インクジェット用インク間のブリードを低
減する別法は、本願出願と同一の譲受人に帰属する、
“Bleed Alleviation in Ink
−Jet Inks Using Organic A
cids”と題する、米国特許出願番号No.08/5
67,974に開示されているようなpH−感応性染料
の使用に関わるものである。そこに開示されていること
は、1つのインクジェット用インクが、pH−感応性着
色剤を含有し、そして第二のインクジェット用インク
が、それと接触するとpH−感応性着色剤の沈降を誘起
するであろうところの適当なpHに緩和される、という
ものである。約0.5〜20wt%の範囲にある濃度の
有機酸を第二のインクジェット用インクに用いて、pH
−感応性着色剤を不溶性にするのに要するpH差を減ず
る。2つのインク間のブリードを減ずるこの手段は有効
であるが、十分なpH差を得るために必要な低めのpH
は、遊離酸の存在と共に、材料の相容性問題を提起する
こともある。さらに、着色剤は、特定インクに適するよ
う、適当にpH−感応性であるか又はpH−不感応性で
なければならない、という必要条件によって、着色剤の
選択も拘束される。
【0011】最後に、インクジェット用インク間のブリ
ードを低減するさらに別の方法は、本願出願と同一の譲
受人に帰属する、1995年9月14日に出願された米
国特許出願番号No.08/528,077、表題“B
leed−Alleviated, Waterfas
t, Pigment−Based Ink−JetI
nk Compositions”に開示されているよ
うな、マイクロエマルション素地の媒質の使用に関わる
ものである。そこでは、水溶液中の水不溶性有機化合物
を可溶化する両親媒性物質を用いてブリードを低減する
顔料素地のインクジェット用インク組成が開示されてい
る。このブリード低減手段は有効であるが、このアプロ
ーチの実行可能性を評価するのは早過ぎる。
【0012】
【発明の目的】従って、インクジェット用インク間のブ
リードを効果的に制御する手段であって、インク調合に
際しより大きい適応性(flexibility)を備
え、プリンタの部品に対して比較的に非毒性・非腐食性
であり、且つエッジ尖鋭度を犠牲にしない手段を求める
要求が存在する。加えて、ブリードを制御する手段は、
容易に実行され且つコスト的に有効でなければならな
い。本発明は、これらの要求に応え得るインクジェット
用インクと、このインクを用いたブリード低減方法とを
提供することを目的とする。
【0013】
【発明の概要】本発明に従い、水相分離を用いて、隣接
して印刷されるインクジェット用インク組成間のブリー
ドを低減もしくは実質的に除去するところの、インクジ
ェット印刷においてブリードを低減するインクジェット
用インクセットと方法を提供する。より詳細には、イン
クジェット用インクセットは、その両方とも、着色剤と
水性媒質とから成る第一と第二のインクジェット用イン
クを包含する。第一のインクジェット用インクの媒質は
ポリマーを含み、一方、第二のインクジェット用インク
の媒質は、第一と第二のインク間で接触が起こる場合に
水相分離を誘発することができる第二の種を含む。重要
なことは、そこに含まれるポリマー濃度にも関わらず、
インクジェット用インクセットのインクは、インクジェ
ット用ペンから噴出できる程十分低い粘性を有すること
である。
【0014】ブリード制御を達成するのに水相分離の概
念を採用することで、本方法は、他のブリード制御法が
持つ上述の欠点を克服する。より詳細には、本方法は、
実質的に着色剤の自由選択を抑制しないばかりか、毒性
又は腐食性の高い成分をインクジェット用インク組成に
持ち込まない。大量の界面活性剤の使用を避けることに
より、インクジェット用インクのエッジ尖鋭度を犠牲に
することなく、ブリード制御を達成できる。最後に、ブ
リード制御に向くこのアプローチは、容易に実行でき且
つコスト的に有効である。本発明のインクジェット用イ
ンク組成と方法は、インクジェット印刷に使われる任意
の種類の印刷媒体、例えば、紙媒体、透明紙、及び繊維
上でのブリードを制御するのに用いることができる。
【0015】
【発明を実施するための最良モード】本発明は、隣接し
て印刷されるインクジェット用インク間のブリード制御
法のみならず、低ブリードを示すインクジェット用イン
クセットを対象としている。一般に、この方法は、イン
ク媒質を隣接して印刷する場合に水相分離が生ずるよう
に、インク媒質を調合することに関連する。(ここでの
目的のため、用語“媒質”(vehicle)は、着色
剤を除くインクの全成分を指すものとする。)水相分離
が起こると、媒質同志の相互作用が避けられ、インク間
のブリードが軽減されるか又は除去される:本質的に、
本方法は、本発明によって作成された水性のインクジェ
ット用インク媒質間の混合を極小にするものである。水
相分離は、1つの水性媒質にポリマーを混ぜ、且つ第二
の水性媒質にそのポリマーとは実質的に混和しないか又
はそのポリマーを不溶性にすることができる第二の種を
混ぜることにより達成される。
【0016】ポリマーの不混和性を利用して水相間に物
質を選択的に分布させる概念は、バイオテクノロジーの
分野では既知であり且つ適切に文書化されている(例え
ば、Partition of Cell Parti
cles and Macromolecules,
Albertsson, 3rd ed.,JohnW
iley & Sons参照)。一般に、与えられた溶
媒における異種ポリマーの溶液の混合物は、相分離を誘
発する。2つより多い相は、2つより多い異種ポリマー
を使って誘発させることができる:溶媒には、異種ポリ
マーの数の相が存在する。それ故、逆説的と思われるか
も知れないが、異種であっても水に溶ける複数のポリマ
ーを溶媒に混ぜることにより相分離を得ることができ
る。バイオテクノロジー分野における水相分配で首尾よ
く分離される幾つかの物質には、種々のタンパク質、細
胞、酵素、核酸、バクテリア、ウイルスがある。水相分
離は、別のやり方で他の穏さを欠いた分離法を使えばバ
ラバラに壊れたかも知れない、脆い生体物質を分離する
のに極めて有用である。
【0017】分離水相の形成におけるポリマーの有用性
は、ポリマーが互いに密着して置かれた時に、他のポリ
マーと混合もしくは相互作用しないという、本来の離反
性(aversion)に由来する。典型的には、水−
ポリマー溶媒の結合を壊すにはエネルギーが必要であ
り、その後でポリマーセグメントが別の水−溶媒和ポリ
マーセグメントと相互作用できる。従って、エントロピ
ーの法則により、ポリマーは、比較的稀にしか相互作用
をしないという性質があり、その場合、2つの異なった
ポリマーセグメントは、ポリマーの水との相互作用以上
に相互作用しがちである。互いに混和しない2つのポリ
マーを含有する水溶液では、その溶液は2つの混和しな
い相に分離し、1つは1つのポリマーに富み、第二の相
はもう1つのポリマーに富む。2つの混和しない相は、
界面境界で分離される。
【0018】液体ポリマーの2相系の例は、上に引用し
たAlbertssonのテキストの2.1表(9頁の
Id.)に示されている。バイオテクノロジーの分野に
おける相分離に関してAlbertssonによって開
示されたこれらの同じ種類の2相系は、インクジェット
印刷の分野に用いて相分離、従って、ブリード制御を達
成できると考えられる。
【0019】注目されることは、ポリマーは、長い間、
インクジェット用インク組成に用いられてその種々の特
性を改善したということである。例えば、米国特許第
5,324,349号(Sano等、Seiko Ep
son Corporationに譲渡)では、サッカ
リド又は多価アルコールを顔料素地のインクジェット用
インク組成に添加して光濃度、乾燥時間、及び磨耗抵抗
を改善すると共に、ノズルの目詰まりを防いでいる。米
国特許第4,836,851号(Pawlowski
等、本出願と同じ譲受人に譲渡)では、水溶性並びに紙
との相互作用を改善するために、染料分子へのポリヒド
ロキシル基の付着を開示している。米国特許第5,10
8,504号(Johnson等、本出願と同じ譲受人
に譲渡)では、ポリサッカリドをインク媒質に混ぜる方
法を開示しており、特定染料セットに対して、好ましく
は共界面活性剤(co−surfactant)との連
合によるブリード制御を含む、多くの利益を得ている。
米国特許第4,531,976号(Lin、Exxon
Research and Engineering
Co.に譲渡)では、2つの混和不相容性の成分を、そ
れぞれに混和できる溶媒を使って、同一のインクジェッ
ト用インク組成に用い、表面張力を改善し、よって、噴
出性とドットサイズを改善する方法を開示している。し
かし、これらの公布された特許の何れも、ブリード制御
を達成するために水相分離を採用していない。より詳細
には、これらの特許の何れも、2つのインク間で水相分
離を誘発できるよう、1つがポリマーを有し他が第二の
種を有するペアリング(対合)・インクを教示していな
い。
【0020】本発明の実施において、2つのインクジェ
ット用インク間のブリードは、ポリマーを1つのインク
に、そしてそのポリマーと混和しない第二の種を他のイ
ンクに混ぜて、2つのインクジェット用インク間の相互
作用によって分離水相を形成するようにすることで制御
する。一般に、ある濃度の非相互作用性ポリマーを含ん
でいる2つの水性系が混合される時、最初に曇りが現
れ、そして、ある経過時間後、その混合物が2つの明瞭
な相に分離し、その1つは1つのポリマー成分に富み、
そして第二の相は代わりのポリマー成分に富むものとな
る。この方法で、ポリマー成分を含んでいる第一のイン
クジェット用インクが、第一のインクのポリマーと混和
しない第二の種を含んでいる第二のインクジェット用イ
ンクと対合し、且つこれらの2つのインクが互いに隣接
して印刷される場合、水相分離の結果として2つのイン
ク間に界面境界が生ずる。それ故、インクが印刷媒体上
に隣接して印刷されると混合するか又は滲む傾向が軽減
される。
【0021】本発明の実施に用いられるポリマーは、任
意の非イオン性又はイオン性ポリマーであってよく−本
願のアプローチに従って水相分離を達成するのに、水溶
性ポリマー及び水不溶性ポリマーの両方を用いることが
できる。適切に用いられる非イオン性ポリマーの例に
は、限定するものではないが、約200の最小平均分子
量を有するポリエチレングリコールとその誘導体;約2
00の最小平均分子量を有するポリプロピレングリコー
ルとその誘導体;ポリサッカリドとその誘導体;約1
0,000〜200,000の範囲内の平均分子量を有
するポリビニルアルコールとその誘導体;約2,000
〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポリビ
ニルピロリドンとその誘導体;Ficoll(登録商
標)(Pharmacia Inc.から市販のポリス
クロース)のような、約40,000〜400,000
の範囲内の平均分子量を有するポリスクロースとその誘
導体;及び約500〜10,000の範囲内の平均分子
量を有するエトキシ−及びプロポキシル化グリセロール
とその誘導体がある。
【0022】適切に用いられるポリエチレングリコール
誘導体の特例には、限定するものではないが、ポリエチ
レングリコールメチルエーテル及びポリエチレングリコ
ールビス(カルボキシメチル)エーテルが含まれる。適
切に用いられるポリサッカリドの例には、限定するもの
ではないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、デキストランが含まれ、そのデキストラン及び
デキストラン誘導体は約3,000〜2,000,00
0の範囲内の平均分子量を有する。本発明の実施に適切
に用いられるデキストラン誘導体の特例には、ジエチル
アミノエチル−デキストラン及びヒドロキシプロピルデ
キストランが含まれる。さらに注目されることは、デキ
ストランは、限定するものではないが、グリコーゲン、
レバン及び可溶性デンプンを含むポリマー群の典型と見
てよい、ということである。エトキシ−及びプロポキシ
ル化グリセロールの特例には、限定するものではない
が、LEG(“Liponics(登録商標)エトキシ
ル化グリセロール”);約725〜4,100の範囲内
の平均分子量を有するグリセロールプロポキシラートと
その誘導体;約725〜4,100の範囲内の平均分子
量を有するグリセロールプロポキシラート(メトキシラ
ート−co−プロポキシラート)とその誘導体;約72
5〜4,800の範囲内の平均分子量を有するグリセロ
ールプロポキシラート(メトキシラート−β−エトキシ
ラートトリオール)とその誘導体が含まれる。
【0023】適切に用いられるイオン性ポリマー(“多
価電解質”とも呼ばれる)の例には、限定するものでは
ないが、5,000〜500,000の範囲内の平均分
子量を有する硫酸デキストランのようなポリサッカリド
塩;カルボキシメチルデキストラン塩、カルボキシメチ
ルセルロース塩、及びジエチルアミノエチルデキストラ
ン・HCl;約1,000〜1,000,000の範囲
内の平均分子量を有するポリアクリルアミド;約1,0
00〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポ
リアクリル酸;約1,000〜50,000の範囲内の
平均分子量を有するポリエチレンイミン;及びそれらの
誘導体がある。さらに、グリコーゲン、レバン及び可溶
性デンプンのイオン性誘導体は、硫酸デキストランより
もむしろ用いてよいものである。
【0024】イオン性ポリマーを用いている系では、塩
化ナトリウム又は別の無機塩を対向する相に加えてその
ポリマーを非混和性にするよう助長してよい。
【0025】もし分子量が高すぎるポリマーが使われる
と、インクジェット用インクは、ペンの信頼性に悪影響
を及ぼすところの、外皮生成(crusting)のよ
うな幾つかの思わしくない特徴を呈することがある。相
の粘性もポリマー添加剤の分子量とともに増加する(と
は云え、この粘性増加は、より大きい分子量をもつポリ
マーに必要とされる比較的低い濃度によって、部分的に
相殺される)。好ましくは、インクジェット用インクの
粘性は、約2〜15cPの範囲内である。分子量が低す
ぎるポリマーが用いられると、ポリマーの所要濃度が過
多になり、その結果得られるインクジェット用インクは
不都合に速い速度で紙に浸透するであろう。好ましく
は、ポリマーの分子量は、比較的低く、例えば、約30
0〜20,000の範囲内程度であり、本発明の実施に
おいてより好ましいのは、約1,000〜5,000の
範囲内の分子量である。
【0026】ポリマーとの相互作用で、水相分離を共誘
発するところの、いわゆる“第二の種”は、別のポリマ
ーもしくは低分子量成分であってよい。本質的に、水溶
液に含まれているポリマーと相互作用するとそこで水相
分離を誘発する化合物はどれも、第二の種として役立つ
ことができる。どの場合でも、第二の種は、それと対合
することになるポリマーとは、実質的に混和できないも
のでなければならない。従って、隣接して印刷されるイ
ンクで2つのポリマーが対合する場合、それらのポリマ
ーは混和できず且つそのために水相分離を誘発できるほ
ど十分異なっていなければならない。ポリマーの分子サ
イズが大きいので、極めて類似しており且つ極めて低濃
度で存在しているポリマーでさえ、相分離は、ポリマー
−ポリマーの混合物で生じる。2つのポリマーが十分異
なっているかどうかを決める上で重要な要素には、イン
ク中のポリマーの平均分子量、多分散性、及び濃度があ
る。2つの特定のポリマーが水溶液において水相分離を
誘発できるほど十分異なっているかどうかを決めるに
は、普通の熟練度を有する当業者による日常の実験で十
分である、と考えられる。
【0027】第二の種が、ポリマーというよりは低分子
量の成分であるなら、それも、それに対して対合される
ことになるポリマーと実質的に混和しないものでなけれ
ばならない。より正確には、本発明による低分子量成分
が存在すると、ポリマーが不溶性になり、そのため、相
分離を誘発する。これは、そのメカニズムと対比的に、
ポリマー相互の非混和性によって相分離が誘発される場
合の、第二のポリマーを用いることによる相分離より劣
っている。ポリマーに対して対合されると水相分離を誘
発する低分子量成分の例には、限定するものではない
が、リン酸塩と硫酸塩;プロピルアルコール及びグリセ
ロールのような低分子量アルコール;エチレングリコー
ルモノブチルエーテル(butyl Cellusol
ve《商標》としてUnion Carbide社から
市販);グルコース;グリコール;及び塩化ナトリウム
がある。これらの非ポリマーの第二の種のうち、リン酸
カリウムとグリコールがより望ましい。
【0028】従って、水相分離を誘発するのに、次のポ
リマー−第二の種の系を用いてよいと考えられる:
(1)非イオン性ポリマー−非イオン性ポリマー;
(2)イオン性ポリマー−非イオン性ポリマー;(3)
イオン性ポリマー−イオン性ポリマー;(4)非イオン
性ポリマー−低分子量成分;及び(5)イオン性ポリマ
ー−低分子量成分。
【0029】本発明の実施において、少なくとも1つの
非イオン性ポリマーを用いることが望ましい。より好ま
しくは、ポリマー及び対合される第二の種の両方とも非
イオン性ポリマーである。好ましいポリマー−第二の種
の対合は、約1,500〜5,000の範囲内の平均分
子量を有するポリエチレングリコール及び別の非イオン
性ポリマー、例えば、エトキシル化グリセロール、ポリ
エチレングリコール、ポリビニルピロリドン、又は約1
1,000〜19,000の範囲内の平均分子量を有す
るデキストランである。本発明の実施において、非イオ
ン性ポリマーを対合することにより、インクジェット用
インクの調合がさらに簡略化される:何故なら、ポリマ
ー間の引力に関する問題並びに溶液のpHの効果に関す
る問題が解消されるからである。
【0030】しかし、イオン性ポリマーを別のイオン性
ポリマーに対合させることを選択する場合は、電荷は同
等で且つ等しい(即ち、反対電荷でない)こと、また、
両ポリマーは1つの相の方へ引きつけられ、一方、他の
相はポリマー不足になることに注意する必要がある。こ
の種の相分離は、“複合コアセルベーション(comp
lex coacervation)”と呼ばれるもの
である。
【0031】着色剤の選択は、二価塩を用いる方法のよ
うな代替のブリード制御法の場合と同様、本発明の実施
において拘束されることはない。むしろ、染料又は顔料
を問わず、インクジェット式プリンタに適切に用いるこ
とができる着色剤ならどれも本発明の実施により利益を
得ることができる、と考えられる。本発明の実施におい
て水相分離を達成するのは、着色剤よりむしろ、媒質の
調合である。従って、着色剤の選択は、そのpH−感度
及びそのイオン電荷状態のような変量とは無関係に実施
してよい。
【0032】本発明のインクジェット用インク組成に適
切に用いられる染料の例には、限定するものではない
が、Food Black 2,Carta Blac
k,Direct Black 19,Direct
Black 51,Direct Black 10
9,Direct Black 154,Direct
Blue 86,Direct Blue 199,D
irect Red 9,Acid Yellow 2
3,Acid Blue 185,Acid Blue
9,Acid Red 17,Acid Red 5
2,Acid Red 249,及びReactive
Red 180がある。これらの染料の濃度は、好ま
しくは、約0.1〜7wt%の範囲にある。約0.1w
t%より少ないと、許容しがたい明度をもつインクとな
り、一方、約7wt%を上回ると、インクジェット用ペ
ンのオリフィスが目詰りを起こすことになる。より好ま
しくは、染料は、インクジェット用インク組成の約0.
1〜4wt%の範囲内で存在する。染料の混合物も使っ
てよい。
【0033】インクジェット印刷に適切に用いられる顔
料はどれも本発明の実施により利益を得ることができる
と考えられるが、インクジェット印刷に現在業務上で使
用できるような顔料は、非常に限定された数しかない。
1つの例は、ヒューレット・パッカード社のDeskJ
et 850(登録商標)プリンタに使われる専有組成
のブラックインクに含まれているブラック顔料である。
また、顔料の混合物も用いてよいものとする。典型的に
は、顔料は、分散剤により水性インクジェット用インク
溶液中で分散させる必要があろう。
【0034】隣接して印刷されるインクジェット用イン
ク間のブリードを制御する本発明の方法は、前述のイン
クの調合において、特に着色剤に関して、より優れた適
応性をもたらすとはいえ、着色剤移動に対する不可浸透
障壁にはならない、ということに注意しなければならな
い。2つの水相間の界面張力は、実際には、比較的低
い。例えば、デキストラン500が6wt%と、ポリエ
チレングリコールが4wt%用いられているデキストラ
ン−ポリエチレングリコール−水の系における界面張力
は、Albertssonにより2.7表(Id.at
33)で報告されているように、わずかに約0.00
7dyne/cmにすぎない。故に、本発明の実施にお
いて達成されるブリード制御は、改善の余地が無いこと
はない。
【0035】本発明の水相分離の方法によって達成され
るブリード制御を達成するのに、実際には、着色剤を用
いることができるものとする。バイオテクノロジーの分
野では、さらに別の成分又は改質剤(modifica
tions)をその溶液に加えて水相の間で特定のセル
成分を“分配する”(partition)のを助長す
ることが知られている。この技術は、“アフィニティー
分配”(affinity partitionin
g)として知られている。特に、アフィニティー分配の
技術は、バイオテクノロジーの分野で用いられる時は、
特定のセル成分に好都合な傾向を、特定の水相に、分け
与えるものである。インクジェット印刷の分野では、着
色剤を、他よりも特定の水相を選ぶように調合し、それ
によって、隣接して印刷されるインク間のブリードを制
御する追加手段を与える、ということが考えられる。
【0036】ポリマー及び第二の種とは別に、本発明の
インクジェット用インク媒質の成分に関し、本発明のイ
ンク媒質は、典型的には市販されている染料素地及び顔
料素地のインクジェット用インク媒質に見られるもの
で、且つそのインクジェット用インクセットにおけるそ
れらの関連着色剤及び他のインクと適合できるような成
分を含有してよい。適当な媒質成分の例には、(1,5
−ペンタンジオールのような)ジオール、(ジエチレン
グリコールのような)グリコールエーテル、及び2−ピ
ロリドン、さらに加えて、界面活性剤と殺生物剤、緩衝
剤、及び水のような“その他の”成分がある。しかし、
比較的大量のブリード制御用界面活性剤を用い、且つ二
価塩を用いるような、本発明のブリード制御法によっ
て、いくつかの代表的な成分は不要になる。より詳細に
は、染料素地のインクジェット用インク組成の媒質は、
好ましくは、全インク組成のパーセントで表した次の濃
度のものから成る:(a)約5〜15wt%の1,5−
ペンタンジオール;(b)約5〜15wt%の2−ピロ
リドン;(c)約5〜25wt%の本発明によるポリマ
ー、最も好ましくは、1つのインク中に約4,000の
平均分子量を有する約10wt%のポリエチレングリコ
ール;及び(d)水。さらに考えられることは、約2〜
3wt%の染料をこの媒質に用いることである。この媒
質調合は好ましいが、インクジェット用インク組成に適
する水性素地の媒質はどれも、本発明の実施において利
益を得ることができる。
【0037】本発明の方法は、ブリード制御がインクの
相互作用で達成されることを意味する、相互依存のシス
テムである。本発明の方法により、任意の2つのインク
間、例えば、ブラックとイエローインク間のブリードを
低減又は実質的に除去できるが、好ましくは、該方法
は、代表的インクジェット用インクセットに含有されて
いる4色全てのインク間のブリードを制御するのに用い
る。それ故、4色インクの各々は、好ましくは、インク
の任意の組合せが印刷媒体上に隣接して印刷される時に
水相分離が生ずるように調合する。例えば、インクジェ
ット用インクセットの各インクは、そのセットの各イン
ク間で水相分離が生ずるよう、好ましくは、本発明によ
る十分に異なったポリマーを含有する。その結果、前述
のインクセットでは、ブラック対カラー及びカラー対カ
ラーのブリードが実質的に低減されることになる。好ま
しいインクジェット用インクセットは、それぞれが本発
明に従って調合される、次のインクジェット用インクセ
ットを含む:
【0038】
【表1】
【0039】上述の好ましいインクジェット用インクセ
ットは、好ましくは、ヒューレット・パッカード社のD
eskJet 850(登録商標)インクジェット式プ
リンタに用いられるような、専有組成を有する顔料素地
の特定ブラックインクと共に用いる。
【0040】ブリードを制御する本発明の方法を採用す
ることにより、着色剤に関してのみならず、二価金属イ
オン又は低pHを用いるより拘束的なブリード制御法で
は以前は排除されたその他の材料にも関連して、インク
ジェット用インクの調合に際しより大きい適応性がもた
らされる。例えば、現在、低〜高粘性をもつアルギン酸
及びアルギン酸ナトリウムのような材料をごく少量(即
ち、約0.10〜0.20wt%)添加してよく、ここ
では、これらの材料は、着色剤が隣接の相中へ滲むのを
防ぐ働きをする。アルギン酸塩の有用性は、インクジェ
ット用インク組成で認められているが(例えば、米国特
許第5,133,803号参照)、アルギン酸塩の存在
は、以前は、在来のブリード制御法でしばしば排除され
た。また、水相間の界面境界を横切って着色剤が滲むの
を防ぐ際に支援するために、未だ知られていないような
その他の物質も、本発明のインクジェット用インク組成
に同様に添加してもよい、と考えられる。
【0041】本発明の要件に一致して、他の様々な種類
の添加剤を染料素地及び顔料素地のインクジェット用イ
ンク組成に用いて、特定用途に使えるようインク組成の
特性を最適化してよい。該添加剤の例には、緩衝剤、殺
生物剤、及びその類が含まれ、これらの各々は、インク
ジェット用インク組成に共通に用いられる添加剤であ
る。好んで用いられる緩衝剤の例には、限定するもので
はないが、例えば、Aldrich Chemical
(Milwaukee,WI)から市販されているトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノ−メタンのようなトリス
アミン緩衝剤、及び4−モルホリンエタンスルホン酸
(MES)がある。本発明の実施において用いてよいイ
ンクジェット用インクに普通に用いられる殺生物剤、例
えば、Huls America(Piscatawa
y,N.J.)から市販のNUOSEPT 95;IC
I Americas(Wilmington,De
l.)から市販のPROXEL GXL;及びUnio
n Carbide Company(Bound B
rook,N.J.)から商標UCARCIDE 25
0を付して市販されているグルタルアルデヒド、のどれ
も本発明の実施に用いてよい。PROXEL GXL
は、好ましい殺生物剤である。インクの抗コゲーション
(anti−kogation)は、ある種の染料上の
カチオンを他のカチオンと周知のように置換することに
よって、並びに1つ以上の抗コゲーション剤を混合する
ことによって達成される。抗コゲーション剤は周知であ
り、従って本発明の一部を構成しない。
【0042】界面活性剤はブリード制御に必要でない
故、本発明のインクは界面活性剤を殆どあるいは全く含
有していないが、他の目的のため、ブリード制御に要し
た量より少ないとは云え、本発明のインクは、ある量の
界面活性剤を必要とすることがある。より詳細には、比
較的少量の界面活性剤を用いて、インクの乾燥時間を改
善するとともに、インク間の表面張力をバランスさせて
もよい。本発明によって調合されたインク間の表面張力
をバランスさせることは重要である。隣接して印刷され
るインクにブリード制御を実行できるほどの十分な濃度
で界面活性剤が存在すれば、両インクの表面張力は大幅
に減少し、その間の表面張力のアンバランスは僅少とな
る。ここでのように、表面活性剤をブリード制御には用
いずに、単に乾燥時間を改善するために比較的低濃度で
用いる時は、インク間の表面張力のアンバランスは問題
となる。隣接して印刷されるインク間の表面張力の間の
不均衡のために、表面張力の勾配が生ずることがあり、
これが、本発明のブリード制御方法にも拘らず、前述の
インク間に思わしくない流れを招来することがある。
【0043】水相分離を達成するためには、ポリマーと
第二の種を相互に関して適切な濃度で用いなければなら
ない。その適切な濃度は、様々なポリマー−第二の種の
ペア(対)によって異なる。濃度に影響する因子には、
インクの溶媒の組成、温度、インクジェット用インク組
成における他の添加剤の種類、そして、おそらく最も重
要なものとして、ポリマーの分子量分布と水溶液におけ
る高分子種の溶解度がある。ポリマーの分子量が高いほ
ど、相分離にはより低い濃度が必要となる;逆に、分子
量が低いほど、相分離に必要な濃度は高い。このよう
に、ポリマーの分子量とその好ましい濃度との間には逆
関係がある。例えば、ポリマーとしてポリエチレングリ
コールを用いる場合、約7,500以上の分子量は、通
常、7.5wt%以下でほぼ効果がある。ポリエチレン
グリコールの分子量が約2,000以下の時は、水相分
離を得るために、典型的には、インクの15〜20wt
%以上の濃度が必要である。同様の濃度/分子量の関係
は、デキストラン及びFicoll(登録商標)のよう
な他のポリマーにも存在する。
【0044】種々の水相の形成に及ぼす温度の効果は様
々である。広範囲の温度にわたって、水相分離を達成す
るポリマー−第二の種の系もあれば、水相分離を達成す
るのに高温度で様々な濃度を必要とするものもある。例
えば、ポリエチレングリコールとリン酸カリウムの系で
は、高めの温度で低めのポリマー濃度を要するが、デキ
ストラン−メチルセルロースの系は、本質的に温度には
影響されない。
【0045】ポリマーと第二の種の特定のペアに対する
適切な濃度は、日常の実験で容易に定めることができ
る。例えば、図1は、約4,000の平均分子量を有す
るポリエチレングリコールを約11,500の平均分子
量を有するデキストランと対合させた系について実験的
に作図した相図(phase diagram)を表
す。より詳細には、様々な量のPEG4,000とデキ
ストラン11,500を、7.5wt%の1,5−ペン
タンテ(pentante)−ジオール、5wt%の2
−ピロリドン、及び残余水から成る媒質に添加した。各
々の場合に、PEG4,000とデキストラン11,5
00が溶解するように見えるまで、その溶液を振とう
し、次いで、その溶液を静置させて、水相分離が少しで
も発生したかどうか観測できるようにする。図1におい
て、“×”でマーク付けした点は、そこでは相分離が起
きなかった濃度を示し、“◎”を付した点は、相分離が
発生した濃度を示す。十分な数のデータ点が与えられれ
ば、水相分離を生ずる濃度とそのような分離を生じない
ものとの間に近似的分割線を引くことができる。このよ
うに、ポリマーと第二の種の任意の与えられたペア
(対)に対して及び与えられた媒質組成に対して、本発
明に従って水相分離を誘発させるべく用いてよい適切な
関連濃度を同様に定めることができる。
【0046】本発明に従ってインクを調合するために
は、一般に、選択した成分を一緒にして在来の混合技術
を使って混合するだけでよい。しかし、採用したポリマ
ーが比較的高い分子量を有するものなら、意図したイン
クジェット用インク組成の残りの成分に混合できるよう
後で追加してよいストック溶液を作るために、それを加
熱する必要があるかも知れない。例えば、ある種の高分
子量のデキストランは、インクジェット用インク組成に
混ぜる前に、好ましくは約60℃まで、加熱する必要が
あるかも知れない。
【0047】要するに、本発明の方法は、少なくとも2
つのインクジェット用インクの媒質の調合を改良してそ
の間のブリード制御について所望の効果をもたらすこと
に関わるものである。1つのインクジェット用インクに
ポリマーを混ぜ、且つそのポリマーとは混和しない第二
の種を第二のインクジェット用インクに混ぜて、インク
の水相分離を誘発し、その間の界面境界がブリードを防
止することになる。
【0048】ブリード制御に向く本発明のアプローチ
は、少なくとも次の理由で他の既知法を凌ぐ利点があ
る:(1)ブリード制御を達成するのに以前使われた大
量の金属イオンと酸が無いのでインク調合の適応性がよ
り大きいこと;(2)印刷媒体表面上の着色剤のホール
ドアップ(holdup)がより大きくより明るいカラ
ーを生ずること;(3)インクジェット用インクに要す
る着色剤の量の低減により着色剤のホールドアップが大
きく、コスト節約並びにペン性能の向上となること;
(4)大量の界面活性剤が無いのでエッジ尖鋭度が改善
されること;(5)ブラックとカラーインク間に思わし
くないハロー(halo)(即ち、ブラックインク中へ
のカラーのにじみ)が無く、大量の界面活性剤を使わな
いのでそれらの間の表面張力のバランスがより良いこ
と;(6)大量の界面活性剤と有機酸が無いので材料の
相容性がより高いこと;(7)本発明の実施に使われる
ポリマーの量がインクジェット用インクの一定量の水と
置き換わり、紙のしわが減ること;(8)エーロゾルの
ポテンシャル減少;(9)より優れた媒体の独立性;
(10)ノズル板上のインクの溜まりの低減;及び(1
1)乾燥時間調節の適応性の向上。さらに、本発明のア
プローチは、環境に優しく且つ製造中比較的安全に取り
扱える材料を用いていることである。
【0049】本発明の実施において実現される諸利点を
以下の実施例で説明する。
【0050】
【実施例】図は、隣接して印刷されるインクジェット用
インク間のブリードを制御するのに本発明による水相分
離を採用することの効果を説明するものである。
【0051】図2〜4は、いくつかに折り重ねたKIM
WIPE(商標)ティッシュ材料の層の上にイエロー及
びシアンのインクを互いに隣接して1〜2滴ずつピペッ
トで注ぎ、その後、吸収されたインクを互いの中に滲ま
せて得られたイメージを示す。同様に、図5は、シアン
及びマゼンタのインクを互いに隣接してピペットで注い
で得られたイメージを示し、一方、図6は、イエローと
ブラックのインクを表す。本発明を実施することの利益
を説明するためにカラーとブラックインクの任意の組合
せを用いてもよかったが、それらのもつコントラストか
ら並びに混合すると二次的なカラーであるグリーンを生
ずるというそれらの性質から、ブリードを容易に観測で
き且つ目で見て量化できるよう、イエローとシアンのイ
ンクを用いた。同様に、図5のシアンとマゼンタのイン
クもコントラストが良好で、混合するとパープルを生
じ、そのためブリードを容易に観測できる。各々の場
合、それらのインクは、テストが完了したと思われる以
前に乾燥させ、その乾燥時間は約15分であった。
【0052】実施例1:図2Aは、それぞれ、デキスト
ラン及びポリエチレングリコールを含有するよう調合さ
れたイエローインク(直角のクロスハッチングで表示)
及びシアンインク(細い水平線で表示)の間で達成され
たブリード制御を図示するもので、一方、図2Bは、本
発明の方法を用いない場合にイエローインクとシアンイ
ンク間に発生したブリードを図示する。これらの4つの
インクの組成は、次の通りである:
【0053】
【表2の1】
【0054】
【表2の2】
【0055】図2Bを参照して説明すると、イエローと
シアンインク間のブリードは、それらの相互混合で生じ
たグリーン(細い斜線で表示)の量並びにそれらの間の
ぎざぎざの境界から全く明白である。比較すると、図2
Aに示したイエローとシアンインクは、生じたグリーン
の量が著しく少なく、インク間のブリードが低減された
ことを示す。
【0056】実施例2:図3の比較をすれば、図3A
は、それぞれ、Ficoll(登録商標)及びポリエチ
レングリコールを含有するよう調合されたイエローイン
ク(直角のクロスハッチングで表示)及びシアンインク
(細い水平線で表示)の間で達成されたブリード制御を
図示するもので、一方、図3Bは、本発明の方法を用い
ない場合にイエローインクとシアンインク間に発生した
ブリードを示す。これらの4つのインクの組成は次の通
りである:
【0057】
【表3の1】
【0058】
【表3の2】
【0059】図3Bを参照して説明すると、イエローと
シアンインク間のブリードは、これもグリーン(細い斜
線で表示)の量から明白であり、本質的に、同一のイン
ク組成を用いて得られた図2Bの結果を確認するもので
ある。比較すると、図3Aに示したイエローとシアンイ
ンクは、生じたグリーンの量が著しく少なく、インク間
のブリードが低減されたことを示す。それ故、ブリード
制御は、ポリエチレングリコール7500を図2Aのデ
キストラン70K及び図3AのFicoll(登録商
標)400Kのいずれかと対合させれば達成されるので
ある。
【0060】実施例3:本発明の方法が顔料のみならず
染料にも有効であることを説明するために、図4は、対
合ポリマーを含んでいる顔料素地のインクについて行わ
れたブリード制御を対照の顔料素地のインクと比較した
ものである。図4Aと4Bに用いた4つのインクの組成
は次の通りである:
【0061】
【表4の1】
【0062】
【表4の2】
【0063】図4Bを参照して説明すると、イエロー
(直角のクロスハッチングで表示)及びシアン(細い水
平線で表示)のインク間のブリードは、これも、ティッ
シュ材料上でのそれらの相互混合で生じたグリーン(細
い斜線で表示)の量から明白である。比較すると、図4
Aに示したイエローとシアンインクは、生じたグリーン
の量が著しく少なく、インク間のブリードが低減された
ことを示す。従って、ブリード制御は、水相分離を用い
ている顔料素地のインク間で達成される。さらに、水相
分離は、ポリマーと第二の種が、ここでは、PEGメチ
ルエーテル2000とPEG1450が、性質上類似し
ている時に得られることが立証されるのである。
【0064】実施例4:図5は、本発明の実施で達成さ
れるブリード制御を説明するために、マゼンタとシアン
の顔料素地インクを使用する。図5Aと5Bに用いた4
つのインクの組成は次の通りである:
【0065】
【表5の1】
【0066】
【表5の2】
【0067】図5Bを参照して説明すると、マゼンタ
(細い垂直線で表示)及びシアン(細い水平線で表示)
のインク間のブリードは、ティッシュ材料上でマゼンタ
とシアンが相互混合して互いの中に滲むことから生じ
た、それらの間のパープル(垂直破線で表示)の量から
明らかに立証される。従って、マゼンタとシアン間の境
界は、望ましくないぎざぎざを示す。比較すると、図5
Aに示したマゼンタとシアンインクは、生じたパープル
の量が著しく減少したこと並びにインク間に実質的にき
れいな境界線を示す。従って、ブリード制御は、水相分
離を達成するためにデキストラン500,000とPE
G7500を対合させることにより顔料素地のインク間
で達成されるのである。
【0068】実施例5:図6は、イエロー(直角のクロ
スハッチングで表示)とブラックのインクを用いて本発
明の実施において達成された染料素地インクと顔料素地
インク間のブリード制御を説明するものである。より詳
細には、ブラックインクは、ヒューレット・パッカード
社のDeskJet 850(登録商標)インクジェッ
ト式プリンタに用いられる専有組成を有する顔料組成の
インクである。このブラックインクは、イエローインク
のポリマー成分と対合される時にいわゆる“第二の種”
として作用する高分子性の物質を含有するものである。
図6Aは、上の2つと下の2つのテストを対照できるよ
う別々のイエローのインクジェット用インク組成を使
い、一方、図6Bは、その4つのテスト全てに単一のイ
エローのインクジェット用インク組成を用いる。図6A
と6Bに用いた3つのイエローインクの組成は次の通り
である:
【0069】
【表6の1】
【0070】
【表6の2】
【0071】図6Bを参照して説明すると、イエローと
ブラックインク間のブリードは、イエローインクに侵入
するブラックインクの量並びにそれらの間の極めてぎざ
ぎざした境界線から明らかに立証される。比較すると、
図6Aに示したイエローとブラックインクは、イエロー
領域中へのブラックの侵入量が著しく減少したこと並び
に2つのインク間に実質的にきれいな境界線を示す。従
って、ブリード制御は、約70,000の平均分子量を
有するデキストランか又は約400,000の平均分子
量を有するFicoll(登録商標)の何れかを用いる
ことにより、イエロー染料素地インクとブラック顔料素
地インク間で達成された。
【0072】図7〜13は、3室(tri−chamb
er)カラーペン装備のヒューレット・パッカード社の
DeskJet 850(登録商標)プリンタによって
堆積される種々のインクから生ずるイメージを示す。よ
り詳細には、該プリンタは2つのペンを備えている。そ
のペンの1つは3室ペンであり、他は1室(singl
e−chamber)ペンであった。3室ペンは、カラ
ー(例えば、イエロー)インクを印刷するのに使い、一
方、1室ペンは、ブラック対カラーのブリードの評価を
するためにブラックインクを印刷するのに用いた。以
下、別途記述しない限り、印刷媒体は、Champio
n DataCopy(商標)を使用した。
【0073】実施例6:図7を説明すれば、図7Aと7
Bは、ブラックインクでクロスハッチングされたイエロ
ー領域(四角内の空白領域で表示)を描写する。ブラッ
クインクは、上述の図6に用いた顔料素地のインクであ
って、ヒューレット・パッカード社のDeskJet
850(登録商標)インクジェット式プリンタに用いら
れる専有組成を有するものである。このブラックインク
は、イエローインクのポリマー成分と対合される時にい
わゆる“第二の種”として作用する高分子性の物質を含
有するものである。図7Aと7Bに用いたイエローイン
クの組成は次の通りである:
【0074】
【表7】
【0075】図7Aのイエローインクは、ブラックイン
クのポリマー成分と対合されるポリマーが無いので、ブ
ラックインクからかなり広範囲に侵略される。しかし、
比較では、図7Bのイエローインクは、実質上、ブラッ
クインクからのにじみが無くきれいなままである。従っ
て、イエローインクにポリエチレングリコールメチルエ
ーテルを混ぜることにより、イエローインクがブラック
インクに隣接して印刷される時に水相分離が行われるの
である。
【0076】実施例7:図8と図9は、異なったプリン
トファイルを使って印刷する際に、それぞれ、図7Aと
7Bに用いたものと同じインクを示す。より詳細には、
図8と図9の四角の空白領域は、ブラック顔料素地のイ
ンクでクロスハチングされた空白領域を表す。図8と図
9を印刷するのに用いたプリントファイルでは、図7A
と7Bにおけるより大量のインクが印刷媒体上に堆積さ
れる結果となり、従って、ブリードは、図8と図9でよ
り発生し易い。しかし、図8に比べ図9では明らかにブ
リードの実質的減少が見られ、このことは、本発明の方
法は、比較的大量のインクが隣接して堆積される場面に
直面しても、依然として有効であることを示すものであ
る。
【0077】実施例8:図10を説明すれば、図10A
と10Bは、ブラックインクでクロスハッチングされた
イエロー領域(四角内の空白領域で表示)を描写する。
対照のイエローインクは染料と2−ピロリドンだけを含
有しているのに、本発明によって調合したイエローイン
クはイソプロピルアルコールとポリマーの両方を含む。
ブラックインクは、上述の図6〜9に用いた顔料素地の
インクであって、ヒューレット・パッカード社のDes
kJet 850(登録商標)インクジェット式プリン
タに用いられる専有組成を有するものである。図10A
と10Bに用いたイエローインクの組成は次の通りであ
る:
【0078】
【表8】
【0079】図10Aは、ブラック顔料素地インクと本
発明の範囲外で調合したイエローインク間に生じた広範
囲のブリードを示す。比較では、図10Bは、イエロー
インク中のPEG7500とブラック顔料素地インク中
のポリマー成分との相互作用によって生じた水相分離の
誘発により実質的にブリードフリーである。図10Bの
インクは、乾燥時間の改善のために、イソプロピルアル
コールを用いている。
【0080】実施例9:図11は、対照のインクへの高
浸透性溶媒の添加自体ではブリードが効果的に制御され
ないことを説明するものである。ここでも、図11Aと
11Bは、ブラックインクでクロスハッチングされたイ
エロー領域(四角内の空白領域で表示)を描写する。こ
こでも、ブラックインクは、上述の図6〜10に用いた
顔料素地のインクであって、ヒューレット・パッカード
社のDeskJet 850(登録商標)インクジェッ
ト式プリンタに用いられる専有組成を有するものであ
る。図11Aと11Bに用いたイエローインクの組成は
次の通りである:
【0081】
【表9】
【0082】4wt%のイソプロピルアルコールを添加
しても、水相分離が無い場合のイエローインクとブラッ
クインク間に生じた相当量のブリードを示す。ブラック
インクのポリマー成分と相互作用させるために図11B
のイエローインクにPEG7500を混ぜることによ
り、水相分離が誘発され、ブリードが実質的に除去され
た。
【0083】実施例10:図12と図13は、図6〜1
1に用いたブラック顔料素地インクによってクロスハッ
チングされた様々なカラーに対して本発明の実施で達成
したブリード制御を説明するものである。より詳細に
は、図12及び図13の両方とも左から右へ、次のカラ
ーを領域内埋め込み(ベタ)刷りのように印刷し、続い
て、ブラック顔料素地インクでクロスハッチングした:
ブルー(細い水平線で表示);イエロー(垂直のクロス
ハッチングで表示);パープル−ピンク(垂直破線で表
示);グリーン(細い斜線で表示);及び2つの実質上
赤色のベタ領域(細い垂直線で表示)。これらの色を、
それぞれ、図12及び図13について次の組成を有する
イエロー、シアン、マゼンタのインクジェット用インク
を使って印刷した:
【0084】
【表10の1】
【0085】
【表10の2】
【0086】図12は、ブラック顔料素地インクと本発
明の範囲外で調合の、即ち、ポリマー成分の無いカラー
インク間で実質的にブリードが生ずることを説明するも
のである。比較では、図13のカラーインクは、PEG
7500とブラック顔料素地インク中のポリマー成分と
の相互作用によって生じた水相分離の誘発により、それ
ぞれ実質的にブリードフリーである。
【0087】実施例11:本発明の実施において達成さ
れるブリード制御は、単なる粘性効果というより、むし
ろポリマー/ポリマーの非混合作用の結果であることを
説明するために、それぞれ、4.4cP及び2.8cP
の比較的低い粘性を有するイエロー及びシアンのインク
ジェット用インクを調合し、そのうち、シアンインクだ
けには、高分子性の添加剤、即ち、10wt%のLEG
を含有させた。これらの低粘性インク間のブリードを、
それぞれ、10wt%のポリビニルピロリドンと10w
t%のLEGを含有するよう調合したイエローとシアン
のジェットインク間のブリードと比較した。より詳細に
は、各インクは次の組成であった:
【0088】
【表11の1】
【0089】
【表11の2】
【0090】ポリマー成分を含んでいないイエローとシ
アンインクを、ヒューレット・パッカード社のDesk
Jet 850(登録商標)インクジェット式プリンタ
を使って互いに隣接して印刷すると、それらが同様に低
粘性でも、実質的なブリードが生じた。比較では、ポリ
マー成分を含んでいるイエローとシアンのインクジェッ
ト用インクは、互いに隣接して印刷される時にブリード
が著しく低減されることを明示した。
【0091】実施例12:次の組成を有するイエローと
シアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社
のDeskJet 850(登録商標)インクジェット
式プリンタを使って互いに隣接して印刷した:
【0092】
【表12の1】
【0093】
【表12の2】
【0094】ポリマー成分を含んでいないイエローとシ
アンのインク間より、それぞれ、PEG4000及びP
VP10000を含有するイエロー及びシアンのインク
間では、実質的にブリードが少なかった。
【0095】実施例13:この実施例は、上の実施例1
1と同様、インクの粘性特性は、本発明の実施において
観測されるブリード制御の主要な根源ではないことを説
明するものである。より詳細には、実施例12のイエロ
ーとシアンのインクジェット用インクは、シアンインク
の8wt%PVP10000を、10wt%PVP24
000に置き換えただけで調合した。実施例11のシア
ンインクの粘性は3.4cPであったが、本実施例のシ
アンインクは、約8.5cPの粘性であった。いずれに
しろ、粘性に大きな差があるにもかかわらず、実施例1
1と本実施例のインク間で得られたブリード制御量の差
は極めて小さかった。
【0096】実施例14:次の組成を有するイエローと
シアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社
のDeskJet 850(登録商標)プリンタを使っ
て互いに隣接して印刷した:
【0097】
【表13】
【0098】2つの異なったポリマーの存在により誘発
される水相分離の無いイエローとシアンインクに比べ、
上述のイエローとシアンのインク調合物の間では、ブリ
ードが低減されることが立証された。
【0099】実施例15:0.1wt%のアルギン酸ナ
トリウムをシアンインク組成に添加してシアンインクの
粘性を4cPを上回るまで高めた以外は、実施例14の
イエローとシアンのインクと同様のインクを調合した。
アルギン酸ナトリウム添加の結果として、本実施例のイ
エローとシアンのインク間のブリードは、実施例14の
それよりも多少改善された。
【0100】実施例16:次の組成を有するイエローと
シアンのインクを調合し、ヒューレット・パッカード社
のDeskJet 850(登録商標)プリンタを使っ
て互いに隣接して印刷した:
【0101】
【表14の1】
【0102】
【表14の2】
【0103】ポリマー成分を含んでいないイエローとシ
アンのインク間より、それぞれ、PEG4000及びデ
キストラン40000を含有するイエロー及びシアンの
インク間では、実質的にブリードが少なかった。
【0104】実施例17: (1)イエローインクの10wt%のPEG4000を
約10,000の平均分子量を有する10wt%のポリ
ビニルピロリドンで置き換え、且つ(2)イエローイン
クの1,5−ペンタンジオールの7wt%を10wt%
に増やした以外は、実施例16のイエローとシアンのイ
ンクと同様のインクを調合した。それぞれ、PVP10
000及びデキストラン40000を含有するイエロー
及びシアンのインク間で達成されたブリード制御の程度
は、実施例16で得られた、それぞれ、PEG4000
及びデキストラン40000を含有するイエロー及びシ
アンのインク間のそれと類似していた。
【0105】実施例18:比較的低分子量を有するポリ
マーを本発明の実施に用いてよい、ということを説明す
るために、次のイエローとシアンのインクを調合し、ヒ
ューレット・パッカード社のDeskJet 850
(登録商標)プリンタを使って互いに隣接して印刷し
た:
【0106】
【表15の1】
【0107】
【表15の2】
【0108】ポリマー成分を含んでいないイエローとシ
アンのインク間より、それぞれ、PEG4000とPE
G300を含有するイエロー及びシアンのインク間で
は、実質的にブリードが少なかった。それ故、異なった
分子量の同一の化合物、即ち、ポリエチレングリコール
を互いに対合させて、水相分離、従って本発明の実施に
おけるブリード制御を達成することができる。
【0109】実施例19:次のイエローとシアンのイン
クを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJ
et 850(登録商標)プリンタを使って互いに隣接
して印刷した:
【0110】
【表16の1】
【0111】
【表16の2】
【0112】マゼンタとポリマー成分を含んでいないイ
エローのインク間より、それぞれ、Ficoll(登録
商標)70000とPEG4000を含有するマゼンタ
とイエローのインク間では、実質的にブリードが少なか
った。
【0113】実施例20: (1)イエローインクの10wt%のPEG4000を
約10,000の平均分子量を有する10wt%のポリ
ビニルピロリドンで置き換え、且つ(2)イエローイン
クの1,5−ペンタンジオールの7wt%を10wt%
に増やしたこと以外は、実施例19のマゼンタとイエロ
ーのインクと同様のインクを調合した。それぞれ、PV
P10000及びFicoll(登録商標)70000
を含有するイエロー及びシアンのインク間で達成された
ブリード制御の程度は、実施例19で得られたそれとは
同じくないとは言え、マゼンタとポリマー成分を含んで
いないイエローのインク間のブリードより実質的に小さ
かった。
【0114】実施例21:次のイエローインクを調合
し、ヒューレット・パッカード社のDeskJet85
0(登録商標)プリンタに使われる顔料素地のブラック
インクに対向して印刷した:
【0115】
【表17】
【0116】顔料素地のブラックインクを高分子性の添
加物を含んでいないイエローインクと対合させるのに比
べ、同じブラックインクをPVP10000含有のイエ
ローインクと対合させる時の方が、実質的にブリードが
少なかった。
【0117】実施例22:次のシアンインクを調合し、
ヒューレット・パッカード社のDeskJet850
(登録商標)プリンタに使われる顔料素地のブラックイ
ンクに対向して印刷した:
【0118】
【表18】
【0119】顔料素地のブラックインクを高分子性の添
加物を含んでいないシアンインクと対合させるのに比
べ、同じブラックインクをLEG含有のシアンインクと
対合させる時の方が、実質的にブリードが少なかった。
【0120】実施例23:次の顔料素地のマゼンタイン
クを調合し、ヒューレット・パッカード社のDeskJ
et 850(登録商標)プリンタに使われる顔料素地
のブラックインクに対向して印刷した:
【0121】
【表19】
【0122】実施例23のマゼンタ及びブラック顔料素
地インクをGilbert Bond紙上に印刷した。
これらの2つのインク間で良好なブリード制御が行わ
れ、ここでも、水相分離の生成が立証された。
【0123】このように、2つの隣接して印刷されるイ
ンクジェット用インク間に本発明により水相分離を誘発
させることで実質的なブリード制御が実現される。
【0124】
【産業上の応用性】隣接して印刷されるインク間のブリ
ードを制御するための、ここに開示した、本発明の方
法、並びにインクジェット用インクセットは、インクジ
ェット式カラープリンタにおいて、特に熱インクジェッ
ト式プリンタにおいて、業務上の用途を見出すものと期
待される。
【0125】以上、ここに、水相分離現象を開発するこ
とによりブリード制御を達成する方法とインクジェット
用インクを開示した。明らかな特徴の様々な変更並びに
修正は本発明の精神から逸れることなく実行し得るこ
と、及び、前述の変更と修正は全て、前出の請求の範囲
で定められたように本発明の範囲内に帰属するものと考
えられることは、熟練した当業者には容易に明らかとな
ろう。
【0126】以上のように、本発明は、〔1〕第一の着
色剤と第一の水性媒質とから成る第一のインクジェット
用インクと、第二の着色剤と第二の水性媒質とから成る
第二のインクジェット用インクとを含むインクジェット
印刷用のインクジェット用インクセットであって、前記
第一の水性媒質は、第一のポリマーを含有し、前記第二
の水性媒質は、第一と第二の水性媒質との間で接触が起
こるとそれらの水相分離を誘発できる第二の種を含有
し、前記の第一及び第二のインクジェット用インクは、
前記第一及び第二のインクジェット用インクがインクジ
ェット用ペンから容易に噴出できるほど十分低い粘性を
有する、ことを特徴とするインクジェット用インクセッ
トに関し、次のような好ましい実施態様を有する。
【0127】〔2〕前記の第一のポリマーが約300〜
20,000の範囲内の分子量を有することを特徴とす
る。
【0128】〔3〕前記の第一のポリマーは、少なくと
も約200の平均分子量を有するポリエチレングリコー
ル;少なくとも約200の平均分子量を有するポリプロ
ピレングリコール;ポリサッカリド;約40,000〜
400,000の範囲内の平均分子量を有するポリスク
ロース;約500〜10,000の範囲内の平均分子量
を有するエトキシル化グリセロール;約500〜10,
000の範囲内の平均分子量を有するプロポキシル化グ
リセロール;約10,000〜200,000の範囲内
の平均分子量を有するポリビニルアルコール;約2,0
00〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポ
リビニルピロリドン;約1,000〜1,000,00
0の範囲内の平均分子量を有するポリアクリルアミド;
約1,000〜500,000の範囲内の平均分子量を
有するポリアクリル酸;約1,000〜50,000の
範囲内の平均分子量を有するポリエチレンイミン;及び
それらの誘導体から成る群から選択されることを特徴と
する。
【0129】〔4〕前記の第二の種は、前記第一のポリ
マーとは異なる第二のポリマー及び低分子量成分から成
る群から選択されることを特徴とする。
【0130】〔5〕前記の第二のポリマーは、少なくと
も約200の平均分子量を有するポリエチレングリコー
ル;少なくとも約200の平均分子量を有するポリプロ
ピレングリコール;ポリサッカリド;約40,000〜
400,000の範囲内の平均分子量を有するポリスク
ロース;約500〜10,000の範囲内の平均分子量
を有するエトキシル化グリセロール;約500〜10,
000の範囲内の平均分子量を有するプロポキシル化グ
リセロール;約10,000〜200,000の範囲内
の平均分子量を有するポリビニルアルコール;約2,0
00〜500,000の範囲内の平均分子量を有するポ
リビニルピロリドン;約1,000〜1,000,00
0の範囲内の平均分子量を有するポリアクリルアミド;
約1,000〜500,000の範囲内の平均分子量を
有するポリアクリル酸;約1,000〜50,000の
範囲内の平均分子量を有するポリエチレンイミン;及び
それらの誘導体から成る群から選択されることを特徴と
する。
【0131】〔6〕前記の低分子量成分は、リン酸塩、
硫酸塩、プロピルアルコール、グリセロール、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、グルコース、グリコー
ル;及び塩化ナトリウムから成る群から選択されること
を特徴とする。
【0132】〔7〕前記の第一のポリマーがポリエチレ
ングリコールであり、前記の第二の種がエトキシル化グ
リセロール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、及び約11,000〜19,000の範囲内の
平均分子量を有するデキストランから成る群から選択さ
れることを特徴とする。
【0133】〔8〕前記の第一のインクと前記の第二の
インクが約2〜15cPの範囲内の粘度を有することを
特徴とする。
【0134】
〔9〕前記の第一のインクジェット用イン
クがイエローのインクジェット用インクであり、前記の
第二のインクジェット用インクがシアンのインクジェッ
ト用インクであるインクジェット用インクセットにおい
て、前記インクジェット用インクセットがさらに第三の
マゼンタインクジェット用インクと第四のブラックイン
クジェット用インクを包含し、前記第三のマゼンタイン
クジェット用インクと前記第四のブラックインクジェッ
ト用インクが、それぞれ、第三の種と第四の種を含有し
て前記インクジェット用インクセットにおける任意のイ
ンク間で接触がある場合に水相分離を誘発するようにし
たことを特徴とする。
【0135】また、本発明は、〔10〕前記〔1〕の少
なくとも2つの異なったカラーインクをインクジェット
用ペンから印刷媒体上に印刷する際のブリード(にじ
み)を低減する方法において、前記方法が、 (a)前記第一のインクジェット用インクを印刷するス
テップと; (b)前記第二のインクジェット用インクを印刷するス
テップとを設けて成り、それによって、前記の第二のイ
ンクが前記の第一のインクジェット用インクに隣接して
印刷される時に前記の第一のインクと前記の第二のイン
ク間のブリードが低減されることを特徴とするブリード
低減法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【図1】7.5wt%1,5−ペンタンジオールと5w
t%2−ピロリドンを含有するインク媒質に関して、水
相分離を達成するための、ポリエチレングリコール(分
子量4,000)とデキストラン(分子量11,50
0)のそれぞれの所要濃度を示す相図である。
【図2】ティッシュ材料上に互いに隣接してピペットで
分注された時のインクジェット用インク間で生ずるブリ
ードを説明するもので、Aは本発明に従って調合したイ
ンクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明の
範囲外の組成を有するインクジェット用インクを使用し
た場合である。
【図3】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは
本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用
した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインク
ジェット用インクを使用した場合である。
【図4】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは
本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用
した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインク
ジェット用インクを使用した場合である。
【図5】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは
本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用
した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインク
ジェット用インクを使用した場合である。
【図6】図2と同様のブリードを説明するもので、Aは
本発明に従って調合したインクジェット用インクを使用
した場合で、Bは本発明の範囲外の組成を有するインク
ジェット用インクを使用した場合である。
【図7】イエローインクジェット用インクをChamp
ion Datacopy紙上に印刷し、且つブラック
のインクジェット用インクでクロスハッチングした時に
生ずるブリードを説明する線図であり、Aは本発明の範
囲外の組成を有するイエローとブラックのインクジェッ
ト用インクを使用した場合で、Bは本発明に従って調合
したインクジェット用インクを使用した場合である。
【図8】図7と同様のブリードを説明する線図であり、
本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックのイ
ンクジェット用インクを使用した場合である。
【図9】図8と同様のブリードを説明する線図であり、
本発明に従って調合したイエローとブラックのインクジ
ェット用インクを使用した場合である。
【図10】図7と同様のブリードを説明するもので、A
は本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックの
インクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明
に従って調合したイエローとブラックのインクジェット
用インクを使用した場合である。
【図11】図7と同様のブリードを説明するもので、A
は本発明の範囲外の組成を有するイエローとブラックの
インクジェット用インクを使用した場合で、Bは本発明
に従って調合したイエローとブラックのインクジェット
用インクを使用した場合である。
【図12】Champion Datacopy紙上に
印刷したブラックインクと複数の染料素地の各カラーイ
ンクジェット用インクとの間で生ずるブリードを説明す
る線図であって、染料素地のカラーインクジェット用イ
ンクをブラックのインクジェット用インクでクロスハッ
チングして得たもので、本発明の範囲外の組成を有する
インクジェット用インクを使用した場合である。
【図13】図12と同様のブリードを説明するもので、
本発明に従って調合されたインクジェット用インクを使
用した場合である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の着色剤と第一の水性媒質とから成
    る第一のインクジェット用インクと、第二の着色剤と第
    二の水性媒質とから成る第二のインクジェット用インク
    とを含むインクジェット印刷用のインクジェット用イン
    クセットであって、 前記第一の水性媒質は、第一のポリマーを含有し、 前記第二の水性媒質は、第一と第二の水性媒質との間で
    接触が起こるとそれらの水相分離を誘発できる第二の種
    を含有し、 前記の第一及び第二のインクジェット用インクは、前記
    第一及び第二のインクジェット用インクがインクジェッ
    ト用ペンから容易に噴出できるほど十分低い粘性を有す
    る、ことを特徴とするインクジェット用インクセット。
  2. 【請求項2】 請求項1の少なくとも2つの異なったカ
    ラーインクをインクジェット用ペンから印刷媒体上に印
    刷する際のブリードを低減する方法であって、 (a)前記第一のインクジェット用インクを印刷するス
    テップ;及び(b)前記第二のインクジェット用インク
    を印刷するステップ;から成り、それによって、前記の
    第二のインクが前記の第一のインクジェット用インクに
    隣接して印刷される時に前記の第一のインクと前記の第
    二のインク間のブリードが低減されることを特徴とする
    ブリード低減法。
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