JP7287086B2 - 水系インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
前記顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.1≦前記無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦前記顔料粒子の体積平均粒径(D50)×1.5 ・・・(1)
本実施形態の水系インクジェットインク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、顔料粒子と、無機酸化物粒子と、ラクタム系溶剤とを含有する。また、本実施形態のインク組成物は、下記式(1)を満たす。また、当該無機酸化物粒子の含有量は、前記インク組成物の全質量に対して5.0質量%以上10.0質量%以下である。
顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.1≦無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦顔料粒子の体積平均粒径(D50)×1.5 ・・・(1)
以上の構成を有することで、本実施形態のインク組成物は、優れた発色性を得ながら、印刷物の濡れ摩擦性、及び目詰まり回復性に優れる。
本実施形態のインク組成物は、下記式(1)を満たす。
顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.1≦無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦顔料粒子の体積平均粒径(D50)×1.5 ・・・(1)
本実施形態のインク組成物は、上記の式(1)を満たすことで、優れた発色性及び優れた濡れ摩擦性を示す。インク組成物が無機酸化物粒子を含有することで、被記録媒体への付着後、無機酸化物粒子の目止め効果により、顔料粒子を被記録媒体表面にとどめることができると考えられる。これにより、優れた発色性を得ることができると考えられる。そして、上記式(1)を満たす体積平均粒径(D50)を有する顔料粒子及び無機酸化物粒子を含有することで、優れた発色性及び優れた濡れ摩擦性が得られることが見出された。
顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.2≦無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50) ・・・(1L-1)
顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.3≦無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50) ・・・(1L-2)
無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦顔料粒子の体積平均粒径(D50)×1.2 ・・・(1H-1)
無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦顔料粒子の体積平均粒径(D50)×1.0 ・・・(1H-2)
無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.8 ・・・(1H-3)
無機酸化物粒子の含有量は、インク組成物の全質量に対して5.0質量%以上10.0質量%以下である。当該含有量の範囲にあることで、優れた発色性を得ながら、印刷物の濡れ摩擦性、及び目詰まり回復性に優れるインク組成物が得られる。
顔料粒子は、顔料を含む粒子である。顔料は、有色、黒色、白色、蛍光色のいずれを有していてもよい。また、顔料は、無機顔料であっても、有機顔料であってもよい。本実施形態の顔料としては、特に限定されないが、より具体的には、以下のものが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、ラクタム系溶剤を含有する。ラクタム系溶剤を含有することで、本実施形態のインク組成物は、優れた発色性及び濡れ摩擦性を示すことに加えて、優れた目詰まり回復性を示す。
本実施形態のインク組成物は、ラクタム系溶剤とは異なる有機溶剤(以下、「他の有機溶剤」ともいう)を含有していてもよい。他の有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ラクタム系溶剤以外の非プロトン性極性溶剤、モノアルコール、アルキルポリオール、及びグリコールエーテルが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、水を含む。水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、凝集液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録方式でインク組成物を安定に吐出させることができ、かつ、インク組成物の浸透を適切に制御できる観点から、好ましくは界面活性剤をさらに含有する。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録方法は、本実施形態のインク組成物を、インクジェットヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程(以下、「インク付着工程」ともいう)を含む。以上の構成を有することで、本実施形態のインクジェット記録方法は、優れた発色性を示す印刷物を得ながら、印刷物の濡れ摩擦性、及び目詰まり回復性に優れる。
-インク組成物の調製-
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、孔径5μmのメンブランフィルターで不溶解物を除去することにより、各インク組成物を調製した。得られたインク組成物について、後述の評価方法で評価を行った。その評価結果を表1に示す。
-発色性-
製造した各インク組成物を、インクジェットプリンター「PX-S840」(製品名、セイコーエプソン株式会社製)のインクカートリッジに充填した。被記録媒体として、A4サイズ(210mm×297mm)のコピー用紙「Xerox P紙」(製品名、富士ゼロックス株式会社製、坪量64g/m2、紙厚88μm)を準備した。その被記録媒体に、温度25℃、相対湿度50%の環境下において、印刷Duty:100%、インク付着量4.5mg/inch2の条件で、印刷範囲204mm×291mmのベタパターンを印刷した。印刷後、測色機「Xrite i1」(製品名、Xrite社製)を用いて光学濃度(以下、「OD値」ともいう)を測定し、下記評価基準により発色性を評価した。
なお、インク組成物の付着量は、以下の式で算出した。
インク付着量(mg/inch2)=(印刷後の被記録媒体の質量(mg)-印刷前の被記録媒体の質量(mg))/印刷面積[inch2]
(評価基準)
A:1.3以上のOD値
B:1.2以上1.3未満のOD値
C:1.2未満のOD値
上述の「-発色性-」試験で印刷した印刷範囲204mm×291mmのベタパターンを備える印刷物を、印刷直後に、水平に設置された平らな面に固定し、その上から印刷物の印刷面に、印刷のされていないA4サイズ(210mm×297mm)のコピー用紙「Xerox P紙」を印刷直後に重ね、さらに50gのおもりを載せて、当該平らな面を傾けてベタパターンの印字面と、当該コピー用紙が滑り出した傾きの角度を測定し、濡れ摩擦を評価した。滑り出した角度が小さい程、濡れ摩擦が小さいとした。
なお、評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
A:37°未満の傾き
B:44°未満の傾き
C:44°以上の傾き
製造した各インク組成物を、インクジェットプリンター「PX-S840」(製品名、セイコーエプソン株式会社製)のインクカートリッジに充填し、ヘッドのキャップを外した状態で40℃、相対湿度20%の環境で放置した。放置後、ノズルのクリーニングを実施し、ノズルが全て回復するクリーニング回数を数えた。
A:クリーニング回数6回未満
B:クリーニング回数6回以上9回未満
C:クリーニング回数9回以上
カーボンブラック「MA100」(製品名、三菱化学株式会社製、体積平均粒径D50:24nm)
SI-550:シリカゾル「SI-550」(製品名、日揮触媒化成株式会社製、体積平均粒径(D50):5nm、固形分濃度20質量%)
SI-30:シリカゾル「SI-30」(製品名、日揮触媒化成株式会社製、体積平均粒径(D50):12nm、固形分濃度40質量%)
SI-45P:シリカゾル「SI-45P」(製品名、日揮触媒化成株式会社製、体積平均粒径(D50):45nm、固形分濃度40質量%)
SI-80P:シリカゾル「SI-80P」(製品名、日揮触媒化成株式会社製、体積平均粒径(D50):80nm、固形分濃度20質量%)
ST-30L:シリカゾル「ST-30L」(製品名、日産化学工業株式会社製、体積平均粒径(D50):45nm、固形分濃度30質量%)
PL-3:コロイダルシリカ「PL-3」(製品名、扶桑化学工業株式会社製、体積平均粒径(D50):35nm、固形分濃度20質量%)
2-P:2-ピロリドン
ε-C:ε-カプロラクタム
TEGmBE:トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル
オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤「オルフィンE1010」(製品名、日信化学工業株式会社製)
サーフィノール104:アセチレングリコール系界面活性剤「サーフィノール104」(製品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)
TIPA:トリイソプロパノールアミン
実施例1で製造したインク組成物1を用いて、インク付着量を変更した以外は、上述の「-発色性-」試験と同様の方法で、ベタパターンを印刷し、印刷後、測色機「Xrite i1」(製品名、Xrite社製)を用いて光学濃度(以下、「OD値」ともいう)を測定した。OD値が1.2以上となる最低インク付着量は、3.6mg/inch2であった。
Claims (6)
- 顔料粒子と、無機酸化物粒子と、ラクタム系溶剤とを含有する、水系インクジェットインク組成物であって、
下記式(1)を満たし、且つ、前記無機酸化物粒子の含有量は、前記インク組成物の全質量に対して5.0質量%以上10.0質量%以下であって、
前記無機酸化物粒子の体積平均粒径(D 50 )が、11nm以上100nm以下である、インク組成物。
前記顔料粒子の体積平均粒径(D50)×0.1≦前記無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)≦前記顔料粒子の体積平均粒径(D50)×1.5 ・・・(1) - 前記無機酸化物粒子の体積平均粒径(D50)が、11nm以上80nm以下である、
請求項1に記載のインク組成物。 - 前記無機酸化物粒子は、シリカ粒子である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
- 前記ラクタム系溶剤が、2-ピロリドン、又はε-カプロラクタムである、請求項1~3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のインク組成物をインクジェットヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む、インクジェット記録方法。
- 前記インク付着工程におけるインク打込量が、3.6mg/inch2以上である、請求項5に記載のインクジェット記録方法。
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