JP5591774B2 - インク組成物、インクセット、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
<1> 少なくとも2種のキナクリドン系化合物を含むキナクリドン固溶体顔料の少なくとも一部が架橋された樹脂で被覆された架橋粒子と、下記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物と、重合開始剤と、水と、を含み、前記架橋粒子(q)と前記重合性化合物(p)との比率〔q:p[質量比]〕が、1:1〜1:20であるインク組成物である。下記一般式(1)において、Qは、n価の基を表し、R 1 は、水素原子又はメチル基を表す。nは、1以上の整数を表す。
<2> 前記キナクリドン固溶体顔料が、無置換キナクリドンとジメチル置換キナクリドンとの固溶体顔料、及び無置換キナクリドンとジクロロ置換キナクリドンとの固溶体顔料の少なくとも一方である前記<1>に記載のインク組成物である。
<4> 前記凝集成分が、酸性化合物である前記<3>に記載のインクセット。
<5> 前記<1>又は前記<2>に記載のインク組成物をインクジェット法により記録媒体に付与し、画像を形成するインク付与工程を有する画像形成方法である。
<6> 更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有する前記<5>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、記録媒体への密着性に優れた画像が形成される画像形成方法が提供される。
本発明のインク組成物は、(1)少なくとも2種のキナクリドン系化合物を含むキナクリドン固溶体顔料の少なくとも一部が架橋された樹脂で被覆された架橋粒子と(2)下記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物と(3)重合開始剤と(4)水とを用いて硬化性に構成され、前記架橋粒子(q)と前記重合性化合物(p)との比率〔q:p[質量比]〕が、1:1〜1:20である。
本発明のインク組成物は、必要に応じて、更に、水溶性有機溶剤や界面活性剤、その他添加剤等を含めて構成されていてもよい。
このような事情に鑑み、本発明においては、重合性化合物及び重合開始剤を含めて硬化性に構成する場合に、顔料成分として固溶体顔料を含む架橋粒子を分散含有することで、顔料粒径を小さく抑えて顔料濃度が軽減され、紫外線等がインクの深部まで進入して良好な硬化感度が得られ、ひいては画像の密着性に優れる。
また、固溶体顔料は一般に水性媒体での分散性及びその安定性に劣り、それはモノマー成分や開始剤成分の存在下では更に悪くなる傾向にあるところ、固溶体顔料を含む架橋粒子は、固溶体顔料の表面からの分散ポリマーの脱落が生じ難いため、水性媒体中で長期間安定的に分散する。これより、モノマー成分及び開始剤成分の存在下、固溶体顔料を用いて良好な硬化性に構成しながら、インク組成物の経時での安定性が向上する。
−架橋粒子−
本発明のインク組成物は、少なくとも2種のキナクリドン系化合物を含むキナクリドン固溶体顔料の少なくとも一部が架橋された樹脂で被覆された架橋粒子の少なくとも一種を含有する。キナクリドン固溶体顔料は、一般に単体のマゼンタ顔料に比べて水系媒体中における分散性が悪いが、架橋されていることで分散性及びその安定性が向上する。
キナクリドン固溶体顔料は、2種以上のキナクリドン系化合物を固溶体化して得られるものである。マゼンタ顔料は一般に色再現域が狭く、キナクリドン顔料も色再現域が必ずしも充分でないため、分散性には劣るが色再現域を広げる観点から、キナクリドン固溶体顔料が用いられる。キナクリドン固溶体顔料は、色調に優れ、良好な色再現域を示すと共に、耐候性、耐溶剤性等の諸物性をも示す顔料である。
Xn−Q−Ym ・・・(A)
前記一般式(A)において、Qは、キナクリドン残基又はキナクリドンキノン残基を表す。X及びYは、各々独立に、水素原子、メチル基、クロル基、又はメトキシ基を表し、m及びnは、各々独立に1〜4の整数を表す。
なお、無置換のキナクリドンとしては、α型、β型、γ型のいずれも用いることができるが、保存安定性の観点から、β型又はγ型無置換キナクリドンが好ましい。例えば、特開平10−219166号公報に記載の固溶体マゼンタ顔料を用いることもできる。
例えば、(i)粗製された無置換のキナクリドンとキナクリドン系化合物とを苛性アルカリの存在下、非プロトン系極性有機溶剤に溶解し、酸で中和再沈する方法(詳細は特開昭60−35055号公報の記載を参照できる。)、
(ii)可溶化量のアルコール及び塩基の存在下、粗又は補助顔料のキナクリドン化合物を粉砕し、得られる固体溶液を単離する方法(詳細は特開平2−38463号公報を参照できる。)、及び
(iii)2種以上の2,5−ジアリールアミノテレフタル酸誘導体を縮合環化させた後、顔料化処理(結晶形、大きさ、結晶型の制御)を施す方法(詳細は特開平10−219166号公報を参照できる。)、
等が挙げられる。
また、キナクリドン固溶体顔料の平均粒径は、保存安定性の観点から、0.01〜0.3μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.2μmである。なお、平均粒径は、電子顕微鏡(TEM)による画像解析(2万倍)により、100個の顔料の長径の平均値より求められる値である。
固溶体顔料では、単なる顔料混合物のX線回折パターンとは異なる結晶独自の回折パターンを示すのに対し、単なる顔料混合物では、X線回折パターンが顔料それぞれのX線回折パターンの重ね合わせに相当するパターンとなり、そのピーク強度も複数の顔料の配合比率に比例する。このことから、固溶体顔料を単なる顔料混合物と区別できる。
本発明における架橋粒子において、キナクリドン固溶体顔料を含有する架橋ポリマーは、ポリマーを架橋剤で架橋してなる架橋ポリマーが好ましく、ポリマーは水不溶性ポリマーが好ましい。
塩生成基含有モノマーは、得られる分散体の保存安定性を高める。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
塩生成基含有モノマーとしては、特開平9−286939号公報の段落0022等に記載のカチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。アニオン性モノマーの中では、保存安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
マクロマーは、キナクリドン固溶体顔料を含有する架橋ポリマー粒子の保存安定性を高める。マクロマーとしては、好ましい数平均分子量が500〜100,000(より好ましくは1,000〜10,000)の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが好ましく挙げられる。なお、マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。
芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーとしては、芳香族基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又はそれと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基、又は、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートである。ヘテロ原子を含む置換基としては、ハロゲン原子、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられ、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
CH2=C(CH3)-COOC3H6-〔Si(CH3)2O〕t-Si(CH3)3…(2)
〔式中、tは、8〜40の数を表す。)
成分bとして商業的に入手し得るスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製の(商品名)AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
疎水性モノマーは、画像濃度を向上させることができる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書中において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を示す。
成分cの中では、画像濃度の向上の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレート(成分c−2)が好ましい。
上記のうち、成分c−1としては、特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。成分c中における成分c−1の含有量は、画像濃度向上の点で、10〜100質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%である。
また、前記芳香族基含有(メタ)アクリレート(成分c−2)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。成分c中における成分c−2の含有量は、画像濃度及び彩度の向上の点で、10〜100質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%である。また、成分c−1と成分c−2とを併用することも好ましい。
モノマー混合物には、更に、(d)水酸基含有モノマー(成分d)が含有されていてもよい。水酸基含有モノマーの含有により、保存安定性が高められる。
成分dとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、更に(e)他のモノマー(成分e)が含有されていてもよい。成分eは、吐出性を向上する。
CH2=C(R1)COO(R2O)qR3 ・・・(3)
前記式(3)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基を、R2は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基を、R3は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、又は炭素数1〜9のアルキル基を有してもよいフェニル基を表す。qは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を表す。
R1の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
R2O基の好ましい例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン墓、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が挙げられる。
R3の好ましい例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
また、上市されている市販品を用いてもよく、成分d,eの具体例として、新中村化学工業(株)製の多官能性アクリレートモノマー(NKエステル)M−40G、同90G、同230G、日本油脂(株)製のブレンマーシリーズ(例:ブレンマーPE−90、同200、同350、PME−100、同200、同400、同1000、PP−500、同800、同1000、AP−150、同400、同550、同800、50PEP−300、50POEP−800B、43PAPE600B)等が挙げられる。
ビニルポリマーの製造時における、成分a〜eのモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又はビニルポリマー中における成分a〜eに由来の構成単位の含有量は、次の通りである。
・成分aの含有量は、得られる分散体の保存安定性の観点から、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは4〜30質量%、特に好ましくは5〜25質量%である。
・成分bの含有量は、特に顔料との相互作用を高める観点から、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
・成分cの含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは5〜98質量%、より好ましくは10〜60質量%である。
・成分dの含有量は、得られる分散体の保存安定性の観点から、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは7〜20質量%である。
・成分eの含有量は、吐出性向上の観点から、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
また、モノマー混合物中における「成分a+成分d」の合計含有量は、得られる分散体の保存安定性の観点から、好ましくは6〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。「成分a+成分e」の合計含有量は、得られる分散体の保存安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜75質量%、より好ましくは13〜50質量%である。「成分a+成分d+成分e」の合計含有量は、得られる分散体の保存安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60質量%、より好ましくは7〜50質量%である。「成分a/[成分b+成分c]」の質量比は、得られる分散体の分散安定性及び画像濃度の観点から、好ましくは0.01〜1であり、より好ましくは0.02〜0.67であり、更に好ましくは0.03〜0.50である。
架橋剤は、効率よくポリマーを表面架橋して保存安定性を高める観点から、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が好ましくは50g以下、更に好ましくは40g以下、より更に好ましくは30g以下であることが好ましい。
(a)分子中に2以上の水酸基を有する化合物:例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングルコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルアルコール、ジエタノールアミン、トリジエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖等の多価アルコール。
(b)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物:例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル。
(c)分子中に2以上のアルデヒド基を有する化合物:例えば、グルタールアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド。
(d)分子中に2以上のアミノ基を有する化合物:例えば、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン等のポリアミン。
(e)分子中に2以上のカルボキシ基を有する化合物:例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸の等多価カルボン酸。
(f)分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物:例えば、脂肪族基又は芳香族基に2個以上、好ましくは2〜3個のオキサゾリン基が結合した化合物、より具体的には、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,3−フェニレンビスオキサゾリン、1,3−ベンゾビスオキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物、該化合物と多塩基性カルボン酸とを反応させて得られる末端オキサゾリン基を有する化合物。
上記した架橋剤の中では、
前記(b)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
・工程(1):ポリマー、有機溶媒、キナクリドン固溶体顔料、水、及び必要に応じて中和剤を含有する混合物を分散処理して、キナクリドン固溶体顔料を含有するポリマー粒子の分散体を得る工程
・工程(2):前記工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去し、キナクリドン固溶体顔料を含有するポリマー粒子の水分散体を得る工程
・工程(3):前記工程(2)で得られたキナクリドン固溶体顔料を含有するポリマー粒子のポリマーを架橋剤で架橋し、固溶体顔料含有架橋ポリマー粒子の水分散体を得る工程
なお、架橋ポリマーの粒子の製造方法の詳細については、特開2009−46595号公報の段落番号[0036]〜[0040]の記載を参照することができる。
また、キナクリドン固溶体顔料の含有比率は、着色粒子の全質量に対して、質量基準で10%以上の範囲が好ましく、20%以上の範囲がより好ましい。
キナクリドン固溶体顔料とポリマー(固溶体顔料を被覆する樹脂)との質量比〔ポリマー/キナクリドン固溶体顔料〕については、保存安定性を高める観点から、1/9〜9/1であることが好ましく、1/4〜4/1であることが更に好ましく、1/4〜1/1が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、下記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物の少なくとも1種を含有する。活性エネルギー線が照射されることにより重合する。この重合性化合物は、前記顔料及び樹脂粒子と共に併用し、処理液と接触して凝集するときには粒子間に取り込まれて、その後の重合硬化により画像を強化する。
前記多価アルコールは、エチレンオキシドの付加により内部にエチレンオキシド鎖で鎖延長されたものでもよい。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、又は糖類などのポリオール類。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
また、n≧2のとき、前記基Qは、連結基を表す。連結基としては、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を含むポリオール類の残基であることが好ましく、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を3以上含むポリオール類の残基であることが特に好ましい。
前記カチオン性の重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、及びこれらの4級化化合物などが挙げられる。
エポキシモノマー類としては、例えば、多価アルコールのグリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族環状のエポキシドなどが挙げられる。
さらに、カチオン性の重合性化合物の例として、下記構造を有するものを挙げることができる。
以下、カチオン基を有する重合性化合物の具体例(カチオン性化合物1〜11)を例示する。
重合性化合物のインク組成物中における含有量としては、インク組成物の総質量に対して、15質量%以上30質量%未満が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましい。重合性化合物の含有量が15質量%以上であると、記録媒体との密着性が向上すると共に、画像強度がより高まって画像の耐擦過性に優れる。重合性化合物の含有量が40質量%以下であると、画像の段差(パイルハイト)の点で有利である。
本発明のインク組成物は、後述する処理液に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線により前記重合性化合物の重合を開始する重合開始剤の少なくとも1種を含有することができる。重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは45〜70質量%である。
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有してもよい。水溶性有機溶剤を含有する場合、その含有量は少ないことが好ましく、本発明では水溶性有機溶剤の含有量を、インク組成物の全質量に対して3質量%未満が好ましい。水溶性有機溶剤の含有量の下限は、重合性化合物の溶解性向上の点で、0.5質量%が望ましい。
グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類や、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオールなどの多価アルコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類など、並びに、特開2011−42150号公報の段落番号[0116]に記載の、糖類や糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素数1〜4のアルキルアルコール類、他のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。多価アルコール類は、乾燥防止剤や湿潤剤としても有用であり、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例も挙げられる。また、ポリオール化合物は、浸透剤として好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例が挙げられる。
前記構造式(1)で表される化合物の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0121]〜[0125]に記載されている。グリセリンのアルキレンオキシド付加物は、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、ポリオキシプロピル化グリセリン(ポリプロピレングリコールとグリセリンとのエーテル)として、サンニックスGP−250(平均分子量250)、同GP−400(平均分子量400)、同GP−600(平均分子量600)〔以上、三洋化成工業(株)製〕、及び同公報の段落番号[0126]に記載の例が挙げられる。
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外の他の添加剤を用いて構成することができる。他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
コロイダルシリカは、上記製造方法で製造されたものでも市販品でもよい。市販品の具体例としては、Ludox AM、Ludox AS、Ludox LS、Ludox TM、Ludox HSなど(以上、E.I.Du Pont de Nemouvs & Co製);スノーテックスS、スノーテックスXS、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスN、スノーテックスC、スノーテックスOなど(以上、日産化学社製);Cataloid−S、Cataloid−F120、Cataloid SI−350、Cataloid SI−500、Cataloid SI−30、Cataloid S−20L、Cataloid S−20H、CataloidS−30L、Cataloid S−30H、Cataloid SI−40、OSCAL−1432(イソプロピルアルコールゾル)など(以上、日揮触媒化成製);アデライト(旭電化社製);数珠状のコロイダルシリカとして、例えば、スノーテックスST−UP、同PS−S、同PS−M、同ST−OUP、同PS−SO、同PS−MO(以上、日産化学社製)などが挙げられる。
コロイダルシリカの詳細については、特開2011−063770号公報の段落番号[0013]〜[0019]の記載を参照することができる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤に比べ、表面張力及びインクと接触するインクジェットヘッド部材(ヘッドノズルなど)との間の界面張力を適正に保ちやすく、起泡し難い。そのため、インク組成物を吐出する際の吐出安定性が高められる。また、アセチレングリコール系界面活性剤を含むことで、記録媒体に対する濡れ性や浸透性が良好になり、インクの濃淡ムラや滲みが抑えられ、精細な画像形成に有利である。
本発明のインクセットは、既述の本発明のインク組成物と、該インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液とを用いて構成されている。本発明のインクセットは、既述のインク組成物が処理液と共に用いられるので、形成される画像は精細で密着性により優れると共に、長期保存あるいは高温環境下での経時など、使用中断もしくは停止後の放置回復性に優れている。
なお、インク組成物の詳細については、既述した通りである。
以下、インクセットを構成する処理液について詳述する。
記録媒体に付与された処理液は、インク組成物と接触したときに、インク組成物中の着色粒子等の分散粒子を凝集させて画像を記録媒体上に固定化する。処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を少なくとも含有し、更に重合開始剤を含んでもよく、必要に応じて、更に他の成分を用いて構成することができる。
また、インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
インク組成物を凝集させる凝集成分の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
処理液に用いられる重合開始剤は、インク組成物と同様に、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物から適宜選択することができる。重合開始剤の例としては、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤(例えば光重合開始剤等)が挙げられる。光重合開始剤等の詳細については、前記インク組成物の項で説明した通りである。
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインク組成物をインクジェット法により記録媒体に付与し、画像を形成するインク付与工程を少なくとも設けて構成されている。本発明の画像形成方法では、既述のインク組成物が用いられるので、画像の密着性に優れると共に、長期保存あるいは高温環境下での経時など、使用中断もしくは停止後の放置回復性に優れている。
インク付与工程は、既述の本発明のインク組成物を記録媒体にインクジェット法で付与する。本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。なお、インク組成物の詳細及び好ましい態様などインク組成物の詳細については、インク組成物に関する説明で既述した通りである。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の画像形成方法では、更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を設けて構成されていることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明の画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
(水不溶性樹脂P−1の合成)
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコに、メチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、これにメチルエチルケトン50gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、フェノキシエチルメタクリレート50g、メタクリル酸13g、及びメチルメタクリレート37gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は過剰量のヘキサンに2回再沈殿させ、析出した樹脂を乾燥させて、フェノキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(共重合比[質量比]=50/37/13)共重合体(水不溶性樹脂P−1)96.5gを得た。
得られた水不溶性樹脂P−1の組成は、1H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は49400であった。さらに、JIS規格(JIS K 0070:1992)に規定される方法によりこの水不溶性樹脂の酸価を求めたところ、84.8mgKOH/gであった。
(マゼンタ固溶体顔料水性分散物A1の調製)
C.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202のキナクリドン固溶体顔料1(C.I.ピグメント・バイオレット19/C.I.ピグメント・レッド202(質量比)=20/80)11部と、前記ポリマー分散剤P−1を5.2部と、メチルエチルケトン20部と、1mol/L NaOH水溶液7.2部と、イオン交換水56.6部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて6時間分散した。得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して、架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321;トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、以下同様)0.75部、4質量%ホウ酸水溶液8.25部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、67nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、ビニルポリマーが架橋されたマゼンタ固溶体顔料水性分散物A1を得た。
前記マゼンタ固溶体顔料水性分散物A1と同様にして、顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321)0.64部、4質量%ホウ酸水溶液7.03部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、68nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、ビニルポリマーが架橋されたマゼンタ固溶体顔料水性分散物A2を得た。
前記マゼンタ固溶体顔料水性分散物A1と同様にして、顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321)0.4部、4質量%ホウ酸水溶液4.44部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、72nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、ビニルポリマーが架橋されたマゼンタ固溶体顔料水性分散物A3を得た。
C.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド122のキナクリドン固溶体顔料2(C.I.ピグメント・バイオレット19/C.I.ピグメント・レッド122(質量比)=30/70)13部と、前記ポリマー分散剤P−1を5.8部と、メチルエチルケトン20部と、1mol/L NaOH水溶液7.2部と、イオン交換水54部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて5時間分散した。 得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321)0.75部、4質量%ホウ酸水溶液8.25部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、70nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、ビニルポリマーが架橋されたマゼンタ固溶体顔料水性分散物A4を得た。
C.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202のキナクリドン固溶体顔料1(C.I.ピグメント・バイオレット19/C.I.ピグメント・レッド202(質量比)=20/80)11部と、前記ポリマー分散剤P−1を5.2部と、メチルエチルケトン20部と、1mol/L NaOH水溶液7.2部と、イオン交換水56.6部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて6時間分散した。得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。その後、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)及び50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、75nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、架橋されていないマゼンタ固溶体顔料水性分散物A5を得た。
C.I.ピグメント・バイオレット19(顔料)11.5部と、前記ポリマー分散剤P−1を5.2部と、メチルエチルケトン20部と、1mol/L NaOH水溶液7.2部と、イオン交換水56.1部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて5時間分散した。 得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321)0.75部、4質量%ホウ酸水溶液8.25部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、74nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、マゼンタ顔料水性分散物B1を得た。
C.I.ピグメント・レッド122(顔料)12部と、前記ポリマー分散剤P−1を5.3部と、メチルエチルケトン20部と、1mol/L NaOH水溶液7.2部と、イオン交換水55.5部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて5時間分散した。 得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321)0.75部、4質量%ホウ酸水溶液8.25部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、71nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、マゼンタ顔料水性分散物B2を得た。
C.I.ピグメント・レッド202(顔料)10.5部と、前記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン20部と、1mol/L NaOH水溶液7.2部と、イオン交換水57.3部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて6時間分散した。 得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体100部に対して架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−321)0.75部、4質量%ホウ酸水溶液8.25部を加え、70℃で5時間よく攪拌した。5時間後、室温まで冷却し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、7000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、77nmであった。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、イオン交換水を加えて顔料濃度15質量%の樹脂被覆顔料粒子(カプセル化顔料)の分散物として、マゼンタ顔料水性分散物B3を得た。
上記で得られたマゼンタ固溶体顔料水性分散物A1〜A5及びB1〜B3、下記の重合性化合物1、及びコロイダルシリカ(スノーテックスXS、平均粒子径5nm、日産化学工業(株)製)を用い、下記の組成になるように各成分を混合した。これをプラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、PVDF5μmフィルター(Millex−SV、直径25mm、ミリポア社製)で濾過し、インク1〜10を調製した。
以下、インク組成物1〜10の各組成(インク組成1〜10)を示す。
・マゼンタ固溶体顔料水性分散物A1 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ固溶体顔料水性分散物A2 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ固溶体顔料水性分散物A3 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ固溶体顔料水性分散物A4 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ固溶体顔料水性分散物A1 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ顔料水性分散物B1 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ顔料水性分散物B2 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ顔料水性分散物B3(PR202) ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ固溶体顔料水性分散物A5 ・・・20質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
・マゼンタ顔料水性分散物A1 ・・・25質量%
・前記重合性化合物1 ・・・19質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・1質量%
(DEGmEE、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ(固形分) ・・・0.05質量%
(スノーテックスXS、固形分濃度:20質量%、日産化学工業(株)製)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) ・・・2.9質量%
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となるよう加えた)
下記組成の成分を混合して、処理液1を調製した。処理液1の粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。なお、表面張力は協和界面科学(株)製の全自動表面張力計CBVP−Zを、粘度はブルックフィールドエンジニアリング社製のDV-III Ultra CPを、またpHは東亜ディーケーケー社製のPHメーターHM−30Rを用いて測定した。
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) ・・・25.0質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・20.0質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)・・・1.0質量%
・イオン交換水 ・・・54.0質量%
シリコンノズルプレートを備えたインクジェットヘッドを用意し、これに繋がる貯留タンクを、上記で得たマゼンタ色系のインク組成物A1〜A5、B1〜B3に順次詰め替えた。なお、シリコンノズルプレートの表面には、フッ化アルキルシラン化合物を用いて形成された撥液膜が予め設けられている。
また、記録媒体には、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」(坪量104.7g/m2)をA5サイズにカットした紙片を用いた。
−1.密着性−
得られた画像サンプルを23℃、45%RHの環境下に24時間放置した。放置後の画像サンプルのベタ画像の表面に、長さ3cmのセロテープ(登録商標、LP−12、ニチバン株式会社製)を貼り、5秒後にセロテープ(登録商標)を剥離した。その後、画像サンプルから剥離したセロテープ(登録商標)を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。下記基準のうち、「D」は、実用上支障を来たす水準である。評価結果を下記表1に示す。
<評価基準>
A:テープへの色の付着がなく、画像サンプルのベタ画像の劣化も認められなかった。
B:テープには色が付着したが、画像サンプルのベタ画像の劣化は認められなかった。
C:テープには色が付着し、画像サンプルのベタ画像の劣化も認められた。
D:テープの半分以上の面積に色が付着し、画像サンプルのベタ画像が脱落した。
調製した各インク組成物をPET製容器に入れて密栓し、65℃の恒温槽中で14日間保存し、保存後の粘度及び分光吸収を測定した。また、同様の方法で保存前のインクの粘度及び分光吸収を測定した。粘度は、R100型粘度計(東機産業社製)により25℃、コーンの回転数20〜100rpmの条件にて測定した。分光吸収は、V−570(日本分光株式会社製)を用い、インク組成物を超純水で1500倍に希釈し石英セル、対照に超純水を用いて測定し、600nm付近の吸光度の変化を比較した。
得られた測定値を指標にして、下記の評価基準にしたがって顔料含有ビニルポリマー粒子水分散体の安定性の評価をした。評価結果は下記表1に示す。
<評価基準>
A:粘度及び吸光度変化ともに、保存前の値の±10%未満であった。
B:粘度及び吸光度変化いずれかの値が、保存前の値の±10%以上であった。
C:粘度及び吸光度変化ともに、保存前の値の±10%以上であった。
インクジェット記録装置として、リコー社製のGELJET GX5000プリンタを改造したインクジェットプリンタを用い、打滴量3.5pL、インク塗設量が5g/m2となる量にて各インクを下記(1)〜(3)の条件で吐出した。その後、インクジェットプリンタに装填されたメンテナンス液を、インクジェットヘッドの吐出孔が設けられているノズル面にローラにて付与した後、ワイパブレード(水素化NBR)でインクジェットヘッドのノズル面をワイピングした。メンテナンス液には、下記組成のものを用いた。
そして、下記方法で再吐出性を評価し、その評価結果に基づいて合否を判定した。メンテナンス性の評価は、下記の評価基準にしたがって行なった。評価結果を下記表1に示す。
〜再吐出条件〜
(1)45分間連続吐出終了直後にブレードワイプを1回実施し、その後のインク吐出率が90%以上の場合、合格。
(2)1分間吐出後30分休止し、休止後にブレードワイプを1回実施し、その後のインク吐出率が90%以上の場合、合格。
(3)10分間吐出終了直後にブレードワイプを1回実施し、その後に形成された画像に画像ムラがみられない場合、合格。
〜評価基準〜
A:3項目とも合格の場合
B:2項目が合格の場合
C:1項目のみ合格の場合
D:3項目とも不合格の場合
〜インク吐出率の測定〜
実験開始時に全ノズルが吐出していることを確認し、メンテナンスを含めた実験終了後の吐出ノズル数をカウントして、下記式から吐出率を算出した。
吐出率(%)=[メンテナンス後の吐出ノズル数]/[全ノズル数]×100
以下に示す組成中の成分を混合し充分に撹拌することにより、メンテナンス性を評価するための試験溶液として、メンテナンス液を調製した。
<メンテナンス液の組成>
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGmBE)・・・20質量%
・ジエチレングリコール(DEG) ・・・10質量%
・イミダゾール ・・・0.34質量%
・1N硝酸 ・・・0.6質量%
・イオン交換水 ・・・69.06質量%
架橋度(モル%) = 「架橋剤の反応性基のモル数×100/ポリマーが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数」
これに対し、固溶体化していない顔料を用いた比較用の組成では、硬化性が不足し、充分な密着性が得られなかった。また、メンテナンス性にも劣っていた。また、固溶体顔料を用いるが架橋を行なわなかった比較用の組成では、密着性が著しく劣ると共に、インク組成物自体の経時安定性、及びメンテナンス性も不足していた。
Claims (6)
- 少なくとも2種のキナクリドン系化合物を含むキナクリドン固溶体顔料の少なくとも一部が架橋された樹脂で被覆された架橋粒子と、
下記一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物と、
重合開始剤と、
水と、を含み、
前記架橋粒子(q)と前記重合性化合物(p)との比率〔q:p[質量比]〕が、1:1〜1:20であるインク組成物。
〔一般式(1)中、Qは、n価の基を表し、R 1 は、水素原子又はメチル基を表す。nは、1以上の整数を表す。〕 - 前記キナクリドン固溶体顔料が、無置換キナクリドンとジメチル置換キナクリドンとの固溶体顔料、及び無置換キナクリドンとジクロロ置換キナクリドンとの固溶体顔料の少なくとも一方である請求項1に記載のインク組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載のインク組成物と、
前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液と、
を含むインクセット。 - 前記凝集成分が、酸性化合物である請求項3に記載のインクセット。
- 請求項1又は請求項2に記載のインク組成物をインクジェット法により記録媒体に付与し、画像を形成するインク付与工程を有する画像形成方法。
- 更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有する請求項5に記載の画像形成方法。
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