JP2010274476A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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衣 城田
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広一郎 中澤
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剛 菅家
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Abstract

【課題】 高速かつ高精彩な印字を行うことができるインクジェット記録方法の提供。
【解決手段】 本発明は、少なくとも、水と、光によってラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、色材を含有するインクと、該インク中の色材のみを凝集させる反応液をもつインクジェット記録方法において、被記録材上で、反応液と色材との凝集反応を経た後に、UVを照射し、被記録材との密着性を向上させるインクジェット記録方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グラビア印刷等にも好適な、高速かつ高精彩な印字を行うことができる、紫外線硬化型インクを使用したインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度、高品位な画像を、高速で印刷することができるという特徴を有するものである。インクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、水性溶媒を主成分とし、これに着色成分および目詰まりを防止する目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
一方、インクジェット記録は高速、高精彩に加え、無版印刷であることから、グラビア等の印刷物への応用も期待されている。グラビア用途では、光沢感と耐久性が要求されることから、水を浸透し難い紙が使用される。このような紙に記録する場合、インク組成物には、色材を安定して記録媒体に固着させることができる成分を含有することが要求される。特許文献1には、紫外線付与により高分子化する成分を含んでなるインク組成物が開示されている。また、特許文献2には、色剤、紫外線硬化剤、重合開始剤等を含んでなる紫外線硬化インクジェットインクが開示されている。これらのインク組成物およびインクジェット記録方法によれば、記録媒体へのインクの滲みを防止し、画質を向上させることができるとされている。また、特許文献3には、色剤である染料の分離防止、印字後の滲み防止やインクの乾燥性を高める目的で、色剤を含んでなるインク組成物と重合開始剤を含んでなる反応液との二液を用いて、記録媒体に印字を行うインクジェット記録方法が開示されている。
このような二液を用いたインクジェット記録方法にあっては、インク組成物と重合開始剤を含んでなる反応液との両方またはインク組成物をインクジェット記録方法により記録媒体に付着させ、記録媒体上において両者を接触させる。その後、紫外線を照射することにより、反応液中の重合開始剤がラジカル等を生成し、オリゴマー、モノマーを重合させる。重合により生成した樹脂がインク組成物中の色剤を記録媒体上に固着させるものである。インク組成物と反応液とを分けることによって、インク組成物および反応液の保存安定性が向上するとの利点をも有する。
特開平3−216379号公報 米国特許5,623,001号明細書 特開平8−218018号公報
本発明者等は、グラビア印刷に広く使用されている光沢紙に高精彩なインクジェットで記録を行うべく、紫外線付与により高分子化する成分を含むイエロー、マゼンタ、シアンからなるカラーインクを作成し、各色を記録した直後にUV照射を行い、ブリードを防止するとともに、被記録材との密着性に優れた記録方法を検討した。すると、カラー間ブリードを目視上問題なく抑制できるタイミングでUVを照射した場合、特にレッド、グリーン等2次色の25〜50%duty部において、通常のインクジェット記録には見られないざらつき感があり、画像品位を著しく低下させていることに気付いた。
この部分のドットを観察すると図1のようにドットが不規則につながった状態で硬化している様子が観察され、これがざらつき感の原因であると思われた。通常のインクジェットでも、普通紙記録等では、インクは不規則ににじんでいるが、ドットと紙面との境界部は不鮮明なため、ざらつき感としてはとらえられなかったものと考えられる。UV照射のタイミングを遅くすれば、このざらつき感は緩和されるが、高duty部でのブリードが顕著となり、好適な画像形成は行えなかった。
本発明が解決しようとする課題は上記の問題である。したがって本発明の目的は、グラビア紙等の水分を吸収しない用紙にも、高速、高精彩で、かつざらつき感等のない画像を得る記録方法を提供することである。
少なくとも、水と、光によってラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、色材を含有するインクと、該インク中の色材のみを凝集させる反応液をもつインクジェット記録方法において、被記録材上で、反応液と色材との凝集反応を経た後に、UVを照射し、被記録材との密着性を向上させるインクジェット記録方法である。
また本発明の第2の態様は、少なくとも、水と、下記一般式(I)で示される水溶性重合性物質と、下記一般式(IV)である該水溶性光重合開始剤とを含有するインクと、該インク中の色材のみを凝集させる反応液をもつインクジェット記録方法において、被記録材上で、反応液と色材の凝集反応を経た後に、UVを照射し、被記録材との密着性を向上させるインクジェット記録方法である。
Figure 2010274476
(Zはポリオールの残基を示す。jは2〜6の整数であり、kは0〜2の整数を示す。またj+kは2〜6の整数を示す。qは1〜4の整数を示す。Xは水素原子またはメチル基を示す。(A)は以下の化学式(II)、(III)のうち、いずれか一方を示し、下記一般式(I)に化学式(II)、(III)が同時に含まれることはない。)
Figure 2010274476
(m、pは1〜5の整数を示す。nは0もしくは1を示す。Rは水素原子またはメチル基を示す。)
Figure 2010274476
(上記一般式(IV)中、Rは低級アルキル基、フェニル基(未置換あるいは、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルキルオキシ基、スルホン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびそれらの塩;−SOM、−COM、−OM、あるいは、化学式(V)を意味する>)
本発明者らは、上記ざらつきを解決するためには、ドットが均一に広がる時間が必要であると考え、その時間に生じてしまうカラーブリードは、色材のみを凝集させる反応液でとめることを考え、本発明に至ったものである。
特開平5−186725号等に記載されているごとく、従来よりインクジェット用UVインクでは、重合物質と、重合開始剤を、インクと反応液のそれぞれに含有し、インクジェット記録を行う方法が検討されている。しかし、本発明者らが、色材を含むインクに重合物質を、反応液に重合開始剤を入れて画像を形成し、種々の評価をしたところ、印字環境や画像の種類によって、耐消しゴム性に代表される擦過性が不十分な場合が多く発生した。これは、重合開始剤と重合物質が紙面上で混ざりあうのと同時に水分の蒸発も起こるため、部分的に重合がはじまってしまい、結果的に重合不十分な箇所が発生するためと思われる。
なお、従来より検討されている二液でのUVインクジェットの大きな目的のひとつは、重合開始剤と重合剤を別にもつことによる、インクの保存寿命の向上であり、本願の課題とする画像のざらつき感等の技術課題の開示はまったくない。本発明の第2の態様によれば、重合開始剤および重合剤を同一のインクに含んでも、長期にわたり保存安定性の優れた記録方法を提案できるものである。
本発明によれば、グラビア印刷等にも好適な、高速かつ高精彩な印字を行うことができる、紫外線硬化型インクを使用したインクジェット記録方法を提供することができる。
ドットが不規則につながった状態で硬化している様子。 実施例および比較例において形成した画像。
まずインク本発明に使用するUVインクについて説明する。本発明のインクは、水と、光によってラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、色材を含有するものである。ラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤は、同一インク中に共存させて安定なものならば、どのようなものでも使用可能である。
とりわけ、上記重合性物質が下記一般式(I)で示される水溶性重合性物質であり、上記重合開始剤が下記一般式(IV)である場合に、本発明の記録方法はより安定なものとなる。
Figure 2010274476
(Zはポリオールの残基を示す。jは2〜6の整数であり、kは0〜2の整数を示す。またj+kは2〜6の整数を示す。qは1〜4の整数を示す。Xは水素原子またはメチル基を示す。(A)は以下の化学式(II)、(III)のうち、いずれか一方を示し、下記一般式(I)に化学式(II)、(III)が同時に含まれることはない。)
Figure 2010274476
(m、pは1〜5の整数を示す。nは0もしくは1を示す。Rは水素原子またはメチル基を示す。)
Figure 2010274476
(上記一般式(IV)中、Rは低級アルキル基、フェニル基(未置換あるいは、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルキルオキシ基、スルホン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびそれらの塩;−SOM、−COM、−OM、あるいは、化学式(V)
Figure 2010274476
(Rは、−[CH]x− (xは0または1)、または置換もしくは未置換のフェニレン基を表す。Rは水素原子、またはスルホン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびそれらの塩;−SOM、−COM、−OMを表す。mは0〜10の整数、nは0もしくは1を表す。)から選ばれる任意の置換基により1〜4回置換されている。)、Rは低級アルキルオキシ基またはフェニル基(未置換あるいは、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルキルオキシ基から選ばれる任意の置換基により1〜4回置換されている。)、Rは前記化学式(V)で示される原子団を表す。<Mはそれぞれ独立に、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの当量、またはHNRで表されるアンモニウムイオン(R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、モノヒドロキシル置換低級アルキル基もしくはフェニル基を意味する>)
Figure 2010274476
上記一般式(VI)中、mは1以上、nは0以上の整数であって、m+nは1〜8の整数である。
Figure 2010274476
上記一般式(VII)〜(IX)中、R10およびR11は各々独立に、水素原子、または置換もしくは未置換のアルキル基を表し、R12は、−(CH)x−(xは0または1)、−O−(CH)y−(yは1または2)、または置換もしくは未置換のフェニレン基を表し、Mは水素原子もしくはアルカリ金属を表す。mは5〜10の整数である。一般式1の化合物としては、以下のような例があるが、これに限定されるものではない。
Figure 2010274476
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Figure 2010274476
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本発明の一般式(I)で示される水溶性重合性物質は、以下に示すような方法により製造される。
一般式(I)中の(A)が化学式(II)で示され、かつnが0である水溶性重合性物質は上記ポリオールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの付加反応を行い任意の当量数のエチレンオキシド鎖やプロピレンオキシド鎖を付加させた後、C〜Cアルカノールアクリルアミドと脱水縮合反応を行うことにより得られる。また、一般式(I)中の(A)が化学式(II)で示され、かつnが1である水溶性重合性物質は上記ポリオールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの付加反応を行い任意の当量数のエチレンオキシド鎖やプロピレンオキシド鎖を付加させた化合物にエピクロロヒドリンを反応させてグリシジル基を導入し、ついでC〜Cアルカノールアクリルアミドを反応させることにより得られる。
一般式(I)中の(A)が化学式(III)で示される水溶性重合性物質は上記ポリオールにエピクロロヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル化合物にエチレンオキシド鎖やプロピレンオキシド鎖を付加させたC〜Cアルカノールアクリルアミド化合物を反応させることにより得られる。水溶性重合開始剤については以下のような化合物が例示されるが、本願はこれに限定されるものではない。
Figure 2010274476
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本発明においては、2種類以上の水溶性重合開始剤を組み合わせて使用することが出来る。2種類以上の水溶性重合開始剤を添加することで、1種類の水溶性重合開始剤では有効に利用できない波長の光を利用して、更なるラジカルの発生を期待できる。
次に本発明に好適な色材について説明する。色材として顔料を水性媒体中に均一に分散させた水性顔料分散体を使用することが好ましい。水性顔料分散体としては、従来公知の有機顔料を、従来公知のアニオン性官能基によって水中に顔料が安定に分散されている水性顔料分散体を使用することが好ましい。本発明にかかるインクは、上記したような顔料に限らず、色材として染料を用い、水溶性染料を溶解状態で含有する態様のインクとすることも、活性エネルギー線照射による退色が実用上問題にならない範囲であれば可能である。また、分散染料、油溶性染料等を分散状態で含有させた色材分散体も、上記した顔料分散体と同様に適用可能である。これらは、用途に従って適宜に選択される。
本発明にかかるインクには、インク中に溶媒成分を添加することもできる。溶媒成分は、インクに不揮発性を与え、粘度を低下させ、且つ、印刷基材への濡れ性を与えるため等の目的で添加される。
以下に、本発明の水性インクに用いることのできる比較的容易に蒸発乾燥する水溶性有機溶媒を列挙する。本発明のインクにおいては、これらの有機溶媒の中から、任意に選択した溶媒を添加させることができる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、そして1価アルコール類等が挙げられる。
<色材含有インクにおける材料構成>
本発明にかかるインクを色材を含有するインクに利用する場合には、含有させた色材の吸収特性に合わせて、インク中における触媒と水溶性重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜35%の範囲、好ましくは、10%〜25%の範囲とする。重合触媒は、活性エネルギー線重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
インクの色材として顔料が使用される場合には、インク中における純顔料分の濃度は、概ね、インク全量に対して0.3質量%〜10質量%の範囲である。
<反応液>
次に本発明に好適な色材を凝集させる反応液について説明する。反応液は、インクジェットヘッドを用いて被記録面に付与してもよく、またローラー法等により記録面に塗布してもよい。いずれの場合でも、反応液は、色材の分散、あるいは可溶化に寄与している基を不溶化させる反応剤と、水と、水が蒸発した場合の乾固をふせぐための湿潤剤からなる。反応剤としては、多価金属塩が好ましい。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+及びZn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+及びAl3+等の三価金属イオンが挙げられる。湿潤剤としては、通常のインクジェットインクに用いられる水溶性化合物が使用可能であるが、比較的容易に蒸発乾燥する水溶性有機溶媒を併用することも好ましい。それらの例は前述したものである。また、反応液をインクジェットヘッドを用いて吐出させる場合には、水、湿潤剤のほかに必要に応じて、表面張力等を調製するための添加剤を用いても良い。
<記録方法>
次に本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法としては、反応液の付与に2つの方法がある。第一は、重合開始剤、重合剤、色材を含むインクと、反応液の両方をインクジェットヘッドをもちいて被記録材上に付与した後、UV照射を行うものである。反応液はインクに対してドットオンドットで重ねてもよく、あるいは、カラーインク間での境界面にのみ付与してもよい。特に、被記録材が水分を吸収しない基材に単色や混色のベタ画像を含む画像を形成する場合には、ベタ画像の境界部分にのみ反応液を付与してブリードをとめることにより、ベタ画像内部のインクは表面が均一化し、光沢性が高まるため、好ましい。UV照射は、画像形成後、ドットの液面が均一になったのちならいつでも照射することが可能であるが、特にUVランプをキャリッジに乗せて使用する形態の場合には、印字中の画像にUVが照射されないタイミングで照射することが必要である。または、インクジェットのヘッド操作部より後方に、ライン型のUVランプを設置して照射をおこなってもよい。
本発明の二つ目の態様は、反応液をローラー等で被記録材に塗布したのちに、重合開始剤、重合剤、色材を含むインクで画像を形成するものであり、UV照射のタイミング等については、上記と同様である。
<プリンタシステム>
本発明のインクは、従来公知のインクジェット吐出方式のヘッドにもちいられ、特に、インクジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用したバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッド、記録装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。これらヘッドを従来公知のインクジェット記録プリンタに搭載して、画像の形成を行う。
<紫外線照射ランプ>
以下、本発明で特に好適な水性活性エネルギー線硬化型インクの硬化に使用する紫外線照射ランプについて説明する。紫外線照射ランプは、水銀の蒸気圧が点灯中で1〜10Paであるような、所謂、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光体が塗布された水銀灯等が好ましい。これらの水銀ランプの紫外線領域発光スペクトルは、184nm〜450nmの範囲であり、黒色或いは、着色されたインク中の重合性の物質を効率的に反応させるのに適している。また、電源をプリンタに搭載する上でも、小型の電源を使用できるので、その意味でも適している。水銀ランプには、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、デイープUVランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、UVレーザー等が実用されており、発光波長領域としては上記範囲を含むので、電源サイズ、入力強度、ランプ形状等が許されれば、基本的には適用可能である。光源は、用いる触媒の感度にも合わせて選択する。
必要な紫外線強度は、500〜5,000mW/cmの程度が重合速度の意味から望ましい。照射強度が不足していると本発明の硬化が十分に得られない。また、照射強度が強すぎると、印刷基材がダメージを受けたり、色材の退色を生じることがある。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、「部」又は「%」とあるものは特に断わらない限り質量基準である。先ず下記に述べるようにして、夫々顔料とアニオン性化合物とを含むブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の各色インクである顔料インクを得た。
(顔料インク)
<顔料分散液の作製>
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量=5,000)1.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 81.5部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液とした。
<実施例用インク 顔料インクK1の作製>
上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製して顔料インクとした。
・上記顔料分散液 30.0部
・例示化合物3(重合剤) 20.0部
・例示化合物10(重合開始剤) 2.0部
・アセチレノールEH(「アセチレノール」は登録商標)
(川研ファインケミカル製) 0.6部
・イオン交換水 47.4部
<実施例用インク:顔料インクC1、M1、Y1>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、シアンインク用としてC.I.ピグメントブルー15:3、マゼンタインク用としてC.I.ピグメントレッド122、イエローインク用としてC.I.ピグメントイエロー74に代えた以外は、顔料インクK1の調製と同様にして顔料を含有した顔料インクC1、M1及びY1を調製した。
<比較例用インク 顔料インクK2、C2、M2、Y2>
上記実施例用の各色インク成分のうち、重合開始剤を使用せず、その分を水に置き換え、あとは同様に調製して比較例用のインクK1、C2、M2、Y2を得た。
<実施例用:反応液S1>
次に下記の成分を混合溶解した後、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、pHが3.8に調整されている反応液S1を得た。
・ジエチレングリコール 10.0部
・硝酸マグネシウム 5.0部
・メチルアルコール 5.0部
・アセチレノールEH
(川研ファインケミカル製) 0.6部
・イオン交換水 79.4部
<比較例用:反応液S2>
上記実施例用の反応液の成分に、重合開始剤として例示化合物10を2部加え、その分イオン交換水の量を減らして、あとは同様に調製して比較例用の反応液S2を得た。
[実施例1]
上記で得られた本発明の実施例用のインク(K1、C1、M1、Y1)および反応液(S1)を用い、反応液とカラーインクがドットオンドットに重なるように画像ファイルを作成し、グラビア用アート紙である特菱アートN(三菱製紙製)に、画像10%dutyから200%dutyのBK,R,G,Bのベタおよび自然画の画像(図2)を形成した。インクジェット装置としては、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェットプリンタPixus990i:キヤノン(株)製)(「PIXUS」は登録商標)の排紙トレー上にマイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するUVランプを搭載した改造機を用いた。なお、UVランプはDバルブを用い、照射位置での強度は1500mW/cmである。
作成した印字物の20〜50%duty部には不自然なざらつき感はみられなかった。また、印字1時間後に、耐けしゴム試験を行ったところ、画像のこすれは見られなかった。なお、耐けしゴム試験は、プラス社製プラスチック消しゴム(AIR-IN)を用いておこなった。(「AIR−IN」は登録商標)
[実施例2]
カラーインクがカラー間の境界部のみ反応液が付与されるように画像ファイルを作成し、実施例1と同様のインクを用い、同様の方法で画像を形成した。
作成した印字物の20〜50%duty部には不自然なざらつき感はみられず、また100%duty部は画像の光沢性が高い印字物が得られた。また、印字1時間後に、耐けしゴム試験を行ったところ、画像のこすれは見られなかった。
[比較例1]
インクジェットプリンタPixus990i:キヤノン(株)製)を記録ヘッド部に隣接する形で、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するUVランプを搭載した改造機を用いて、K1、C1,M1,Y1のインクを用いて、反応液は使用せず実施例1と同様の画像を形成した。
作成した印字物は、カラー感のブリードは観察されなかったが、20〜50%duty部には不自然なざらつき感がみられた。印字1時間後に、耐けしゴム試験を行ったところ、画像のこすれは見られなかった。
[比較例2]
本発明の比較例用のインク(K2、C2、M2、Y2)および反応液(S2)インクおよび反応液を用い、実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。作成した印字物の20〜50%duty部には不自然なざらつき感はみられなかったが、印字1時間後に、耐けしゴム試験を行ったところ、画像がこすれ、下地のアート紙が露出している箇所が多く観察された。
[比較例3]
実施例に使用した顔料インクK1、C1、M1、Y1および反応液S1を使用して、UVランプ照射しないほかは実施例1と同様の方法で画像を形成した。
作成した印字物の20〜50%duty部には不自然なざらつき感はみられなかった。印字1時間後に、耐けしゴム試験を行ったところ、画像がこすれが観察された。

Claims (2)

  1. 少なくとも、水と、光によってラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、色材を含有するインクと、該インク中の色材のみを凝集させる反応液をもつインクジェット記録方法において、被記録材上で、反応液と色材との凝集反応を経た後に、UVを照射し、被記録材との密着性を向上させるインクジェット記録方法。
  2. 該ラジカル重合する重合性物質が下記一般式(I)で示される水溶性重合性物質であり、該水溶性光重合開始剤が下記一般式(IV)であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 2010274476

    (Zはポリオールの残基を示す。jは2〜6の整数であり、kは0〜2の整数を示す。またj+kは2〜6の整数を示す。qは1〜4の整数を示す。Xは水素原子またはメチル基を示す。(A)は以下の化学式(II)、(III)のうち、いずれか一方を示し、下記一般式(I)に化学式(II)、(III)が同時に含まれることはない。)
    Figure 2010274476

    (m、pは1〜5の整数を示す。nは0もしくは1を示す。Rは水素原子またはメチル基を示す。)
    Figure 2010274476

    (上記一般式(IV)中、Rは低級アルキル基、フェニル基(未置換あるいは、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルキルオキシ基、スルホン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびそれらの塩;−SOM、−COM、−OM、あるいは、化学式(V)
    を意味する>)
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