JP2013053203A - インクセット及びこれを用いた記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低吸収性の被記録媒体に記録する際の耐ブリード性に優れたインクセットを提供する。
【解決手段】脂肪酸と自己分散型顔料とを含有する第1のインクと、樹脂分散型顔料を含有し且つ実質的に脂肪酸を含有しない第2のインク及び自己分散型顔料を含有し且つ実質的に脂肪酸を含有しない第3のインクのうち少なくとも一方と、を含むインクセットである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット及びこれを用いた記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙などの被記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。その際用いられるインクとしては、一般に各種の水溶性染料を水又は水と水溶性有機溶剤とに溶解させたものが使用されている。
特許文献1は、普通紙記録におけるカラーブリーディングを実質的に解消するため、ブラック染料、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、オクタン、界面活性剤、ニトロセルロース、及び水からなる水性インクを開示している(特許文献1の段落0009、0048の実施例1)。
特開平8−157761号公報
しかしながら、このような水溶性染料を含むインクにより形成された画像は、耐水性や耐光性に劣るだけでなく、特に低吸収性の被記録媒体に記録する際、ブリーディング(滲み)が異常に発生するという問題が生じる。さらに、特許文献1は、一種単独のインクを普通紙に記録する旨を開示するにすぎず、複数種のインクを組み合わせたインクセットについては何ら開示していない。そのため、特に低吸収性の被記録媒体に記録する際の耐ブリード性に優れたインクセットが強く求められている。
そこで、本発明は、低吸収性の被記録媒体に記録する際の耐ブリード性に優れたインクセットを提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、上記インクセットを用いた記録方法を提供することを目的の一つとする。
本願発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、インクセットを構成する各インクが、それぞれ顔料種と脂肪酸の有無との間に特定の関係を有するよう選定されることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記のとおりである。
[1]
脂肪酸と自己分散型顔料とを含有する第1のインクと、樹脂分散型顔料を含有し且つ実質的に脂肪酸を含有しない第2のインクと、自己分散型顔料を含有し且つ実質的に脂肪酸を含有しない第3のインクと、のうち少なくとも一方と、を含む、インクセット。
[2]
前記第1のインクと前記第2のインクと前記第3のインクとを含む、[1]に記載のインクセット。
[3]
前記第1のインクがブラックインクである、[1]又は[2]に記載のインクセット。
[4]
前記第2のインクがイエローインクである、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクセット。
[5]
前記第3のインクがシアンインク及びマゼンタインクのうち少なくとも一方である、[1]〜[4]のいずれかに記載のインクセット。
[6]
前記第1のインクとしてブラックインクと、前記第2のインクとしてイエローインクと、前記第3のインクとしてシアンインク及びマゼンタインクと、を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクセット。
[7]
前記第1のインク及び前記第3のインクが樹脂粒子を含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載のインクセット。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載のインクセットを用いて記録する、記録方法。
本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
ここで、本明細書において、「ブリード」とは滲みを意味し、「耐ブリード性」とは、異なる色同士の境界部分に滲みが生じにくい性質を言う。
本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
本明細書において、「低吸水性の被記録媒体」とは、水性インクの受容層を備えていない、あるいは、水性インクの受容性が乏しい被記録媒体をいう。より定量的には、低吸水性の被記録媒体とは、被記録面が、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である被記録媒体を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
[インクセット]
本発明の一実施形態はインクセットに係る。当該インクセットは、第1のインクと、第2のインク及び第3のインクのうち少なくとも一方と、を含み、各インクはそれぞれ所定の組成を有するものである。
上記第1のインクは、少なくとも脂肪酸及び自己分散型顔料を含有する。上記第1のインクとしては、発色性に優れたテキスト文書が得られるため、ブラックインクが好ましい。
自己分散型顔料は、インクの総質量(100質量%)に対する顔料濃度を高めやすく、発色性に優れた記録物を得ることができる。他方、オレイン酸を含むことにより、例えば、6質量%以上の顔料濃度を有するインクにおいても、優れた吐出安定性が得られる。したがって、第1のインクセットとしては、インクセットにおいて、上記顔料濃度が最も高いインクであることが好ましい。
上記第2のインクは、少なくとも樹脂分散型顔料を含有し、かつ、実質的に脂肪酸を含有しない。上記第2のインクとしては、ブラックインクとの間でブリードが目立ちやすいイエローインクに対して、第2のインクの組成に起因した効果が顕著に発揮されるため、イエローインクが好ましい。
複数色のインク間におけるブリードの目立ちやすさは、両者の明度差に起因する。例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを少なくとも含むインクセットにおいて、明度が低いブラックインクと明度が高いイエローインクとの間のブリードは目立ちやすいものとなる。したがって、上記第2のインクとしてはインクセットにおいて最も明度が高いインクが好ましく、例えば、インクの総質量(100質量%)に対する顔料濃度が1〜3質量%であるライトインクが挙げられる。当該ライトインクとしては、例えばライトシアンインク及びライトマゼンタインク等が挙げられる。
上記第3のインクは、少なくとも自己分散型顔料を含有し、かつ、実質的に脂肪酸を含有しない。上記第3のインクとしては、ブラックインクとイエローインクとの間に続いて、ブラックインクとの間の耐ブリード性(ブリード抑制)に優れるため、シアンインク及びマゼンタインクのうち少なくとも一方が好ましく、シアンインク及びマゼンタインクの両方がより好ましい。
これまで、第1〜第3の各インクにおける好ましい色を挙げてきた。以下ではさらに、本実施形態のインクセットとして五種類((1)〜(5))の好ましい組み合わせを説明する。
(1)第1のインクとしてのブラックインク、シアンインク、及びマゼンタインクと、第2のインクとしてのイエローインクと、を含むインクセットが好ましい。この場合、普通紙において高濃度、即ち高いOD値での印刷(以下、単に「高OD」という。)と、光沢度が高くて光沢ムラの無い写真画質(以下、単に「高グロス」という。)と、の両立が可能なインクセットとなる。加えて、原色が多く用いられるビジネス用途において、イエローと他色との間のブリードが特に目立つという問題が生じる(特に、浸透性に劣る紙の場合)。これに対し、脂肪酸を含有するインクは紙上で脂肪酸層を形成するため、脂肪酸を実質上含有しないインクと接触した場合にインクが混ざりにくくなり、かつ、ブリードが目立ちやすいイエローに脂肪酸を実質上含有させないことで、耐ブリード性に一層優れたインクセットとなる。
(2)第1のインクとしてのブラックインクと、第2のインクとしてのシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクと、を含むインクセットが好ましい。この場合、上記の高OD及び高グロスの両立可能、且つ耐ブリード性に一層優れたインクセットとなる。加えて、混色が多く用いられる写真向け用途において、シアン、マゼンタ、及びイエローという混色の間のブリードが特に目立つという問題が生じる。これに対し、脂肪酸の有無と、顔料種、即ち自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料(マイクロカプセル)と、の組み合わせからなる二つの効果に起因して、インク組成が互いに異質であるシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクが混ざりにくいインクセットとなる。
(3)第1のインクとしてのブラックインクと、第3のインクとしてのシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクと、を含むインクセットが好ましい。この場合、上記の高OD及び高グロスの両立可能なインクセットとなる。加えて、黒色文字を強調する用途において、ブラックと他色とのブリードが特に目立つという問題が生じる。これに対し、ブラックインクに脂肪酸を含有させ、カラー色には脂肪酸を実質上含有させないようなインクセットを用いることにより、テキスト印刷を行う場合であっても耐ブリード性に一層優れたインクセットとなる。
(4)第1のインクとしてのブラックインク及びシアンインクと、第2のインクとしてのイエローインクと、第3のインクとしてのマゼンタインクと、を含むインクセットが好ましい。この場合、上記(3)と同様の効果が得られる。
(5)第1のインクとしてのブラックインクと、第2のインクとしてのイエローインクと、第3のインクとしてのシアンインク及びマゼンタインクと、を含むインクセットが好ましい。この場合、上記(3)と同様の効果が得られる。
以下、インクが含有するかあるいは含有し得る各成分(添加剤)を詳細に説明する。なお、以下では、特段の記載がない限り、「インク」は上記の第1〜第3のインク等、インクセットを構成する全てのインクを指すものとする。
〔顔料〕
本実施形態におけるインクは、顔料を含むものである。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
(ブラック顔料)
本実施形態におけるインクがブラックインクを含む場合、当該ブラックインクに含有されるブラック顔料としては、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)が好ましい。当該カーボンブラックとして、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャネルブラック等が挙げられる。
上記カーボンブラックの市販品として、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、ラーベン H20,5750,5250,5000,3500,1255,700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製商品名)、Rega1 400R,330R,660R、Mogul L、Monarch 700,800,880,900,1000,1100,1300,1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1,FW2,FW2V,FW18,FW200,S150,S160,S170、Printex 35,U,V,140U、Special Black 6,5,4A,4等(以上、デグサ(Degussa)社製商品名)、BONJET BLACK M−800(オリエント化学工業社(ORIENT CHEMICAL INDUSTRIES CO., LTD.)製商品名)が挙げられる。
カーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対して、1〜15質量%が好ましい。
カーボンブラックの平均粒径は、50nm〜500nmの範囲であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50〜300nmの範囲がより好ましい。
ここで、本明細書における平均粒径を表す「光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)」は、以下のようにして得られる値である。分散媒中の粒子に光を照射し、当該分散媒の前方・側方・後方に配置されたディテクターによって、発生する回折散乱光を測定する。前記測定値を利用して、本来は不定形である粒子を球形であるものと仮定し、当該粒子の体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を上記50%平均粒子径(d50)とする。
(ブラック以外のカラー顔料)
本実施形態におけるインクは、ブラックインク以外のカラーインクであってもよく、上記ブラックインクに加えて別の色のカラーインクを用いてもよい。つまり、上記ブラックインクとその他のカラーインクとを備えたインクセットとすることが可能である。
カラーインクに用いるカラー顔料の具体例は、得ようとするインクの種類(色)に応じて適宜挙げられる。例えば、イエローインク用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー 74,110,128、及び129からなる群から選ばれる一種以上を用いることが好ましい。
また、マゼンタインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209、C.I.ピグメントバイオレット 19が挙げられる。中でもC.I.ピグメントレッド 122,202,209、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選ばれる一種以上を用いることが好ましく、さらにこれらの固溶体であってもよい。
また、シアンインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1,2,3,15:2,15:3,15:4,15:34,16,22,60、C.I.バットブルー 4,60が挙げられる。中でもC.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4のうち少なくとも一方を用いることが好ましく、このうちC.I.ピグメントブルー15:3を用いることがより好ましい。
カラー顔料の平均粒径は、50nm〜500nmの範囲であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50〜300nmの範囲がより好ましい。
(自己分散型顔料)
また、上記第1のインク及び第3のインクは、自己分散によって分散可能とした自己分散型顔料を含有する。当該自己分散型顔料は、分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解することが可能な顔料である。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態を言う。そのため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く、吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり印字濃度を十分に高めることが可能になる等、取り扱いが容易である。
上記の親水基は、−OM、−COOM、−CO−、−SOM、−SOM、−SONH、−RSOM、−POHM、−PO、−SONHCOR、−NH、及び−NR(これらの式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。)からなる群から選択される一以上の親水基であることが好ましい。
自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
(樹脂分散型顔料)
また、上記第2のインクは、樹脂分散によって分散可能とした樹脂分散型顔料を含有する。樹脂分散型顔料に用いられる樹脂(ポリマー)としては、以下に限定されないが、例えば、顔料の分散に用いられる分散ポリマーのTgは、55℃以下であることが好ましく、50℃以下がより好ましい。当該Tgが55℃以下であると、定着性を良好なものとすることができる。当該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(スチレン換算)が10,000以上200,000以下であるものを用いることが好ましい。これにより、顔料インクとしての保存安定性が一層良好となる。
ここで、本明細書における重量平均分子量は、日立製作所社製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、スチレン換算重量平均分子量として測定するものとする。
上記ポリマーとして、その構成成分のうち70質量%以上が(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーであると、定着性及び光沢性に一層優れる。炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が70質量%以上のモノマー成分から重合されたものであることが好ましい。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の添加成分としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
(ポリマーに被覆された顔料)
また、定着性、光沢性、及び色再現性に一層優れるため、上記樹脂分散型顔料の中でもポリマーに被覆された顔料(マイクロカプセル化顔料)が好適に用いられる。
ポリマーに被覆された顔料は、転相乳化法により得られるものである。つまり、上記のポリマーをメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、及びジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解させる。得られた溶液に顔料を添加し、次いで中和剤及び水を添加して混練・分散処理を行うことにより水中油滴型の分散体を調整する。そして、得られた分散体から有機溶媒を除去することによって、水分散体としてポリマーに被覆された顔料を得ることができる。混練・分散処理は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、及び高速攪拌型分散機などを用いることができる。
中和剤としては、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニア等が好ましく、得られる水分散体のpHが6〜10であることが好ましい。
顔料を被覆するポリマーとしては、GPCによる重量平均分子量が10,000〜150,000程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
上述のように、第2のインクは、樹脂分散型顔料を含有し、イエローインクであることが好ましい。当該イエローインクは、インクの総質量(100質量%)に対して60〜10質量%の水と、水溶性有機溶剤と、界面活性剤と、を含んでなることが好ましい。
イエローインクに含まれる水の含有量を上記の範囲に規定することにより、塗工紙中のセルロースに吸収される水分量が従来のインクよりも少なくなる結果、コックリングやカールの原因と考えられているセルロースの膨潤を抑制することができる。したがって、本実施形態におけるインクは、インク低吸収性の被記録媒体に対しても有用である。
上記イエローインクに含まれる、ポリマーに被覆された顔料の原料となる顔料として、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー等の顔料の他、アゾ系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号等の有機顔料が挙げられる。イエロー顔料の具体例として、C.I.ピグメントイエロー 1,3,12,13,14,17,24,34,35,37,42,53,55,74,81,83,95,97,98,100,101,104,108,109,110,117,120,128,138,150,153,155,174,180,198が挙げられる。中でも、イエローインクに含まれる有機顔料が、C.I.ピグメントイエロー 74、109、110、128、138、147、150、155、180、及び188からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
顔料の含有量は、樹脂粒子の含有量との関係で決定されるとよい。当該顔料のうちカーボンブラックの含有量は、紙などの被記録媒体の再利用性を良好なものとするため、インクの総質量(100質量%)に対し、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは1〜12質量%である。
また、カーボンブラック以外のカラー顔料の含有量は、インクを調製する際に、適宜な含有量(顔料濃度)に調整すればよいため特に限定されない。例えば、顔料濃度が1〜3質量%であるライトインクとすることで、粒状性が抑制された画像を得ることが可能である。一方、顔料濃度が4〜12質量%であるノーマルインクとすることで、発色性に優れた画像を得ることが可能である。
特に、イエローインク中のポリマーに被覆された顔料は、好ましくは6質量%以上含まれる。顔料濃度が6質量%以上である場合には、その記録物は発色性に優れたものとなる。
〔樹脂粒子〕
本実施形態における第1のインク及び第3のインクは樹脂粒子を含有することが好ましい。これにより、定着性、光沢性、及び色再現性に一層優れる。当該樹脂粒子は、主に光沢付与剤としての機能を果たす。つまり、上記のインクが樹脂粒子を含有することにより、光沢ムラの発生を効果的に防止することができる。
上記の樹脂粒子として、特に限定されないが、例えば、にかわ、ゼラチン、及びサポニン等の天然高分子化合物、ポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、(メタ)アクリル酸系重合体(ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン−(メタ)アクリル酸系重合体(スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体など)、スチレン−マレイン酸系重合体、及び酢酸ビニル−脂肪酸ビニル−エチレン共重合体などの重合体、並びにこれらの塩などの合成高分子化合物が挙げられる。
上記の中でも、定着性及び光沢性に一層優れるため、(メタ)アクリル酸系重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸系重合体のうち少なくともいずれかが好ましい。当該(メタ)アクリル酸系重合体の中でも、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかが70質量%以上であるモノマーから重合されたものがより好ましい。
上記のより好ましいものの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、上記以外のモノマーとして、以下に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、並びにウレタン(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
樹脂粒子を用いて、顔料を水に分散させた分散体としての平均粒径は、好ましくは20〜500nmであり、より好ましくは50〜300nmである。平均粒径が20nm以上であると、記録物の発色性をより良好なものとすることができる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクの吐出安定性や保存安定性をより良好なものとすることができる。
樹脂粒子の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜200,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。重量平均分子量が上記範囲内であると、顔料を安定的に分散させることができ、インクの吐出安定性や保存安定性をより良好なものとすることができる。
また、上記樹脂粒子は、樹脂エマルジョンの形態であることが好ましい。樹脂エマルジョンは、インクの乾燥に伴い、樹脂粒子同士及び樹脂粒子と着色成分とが互いに融着して顔料を被記録媒体に固着させるため、記録物の画像部分の定着性を一層良好にすることができる。
これらの樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。これらの樹脂はホモポリマーとして使用されてもよく、またコポリマーして使用されてもよい。
樹脂粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子は、定着性及び光沢性に一層優れるため、インクの総質量(100質量%)に対し、好ましくは0.1〜7質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。
〔脂肪酸〕
本実施形態における第1のインクは脂肪酸を含有し、かつ、第2のインク及び第3のインクは脂肪酸を実質的に含有しない。本明細書全体に亘り、この「実質的に含有しない」とは、本発明の目的を損なわない程度において含有してもよいという意味である。
上記脂肪酸は、被記録媒体に着弾(付着)後のインク滴表面(気液界面)に界面活性剤のように配列し、ブリードを抑制可能な膜を形成する。そのため、疎水性の長鎖炭化水素を有する。炭化水素基の長さは炭素数8以上であるとその効果が発揮されやすくなる。
第1のインクは、脂肪酸、金属脂肪酸、及び有機アルカリ脂肪酸のいずれを含有しても同等の効果が発揮される。被記録媒体に付着後にインクの水分が蒸発するとその表面に脂肪酸が析出し界面活性剤の膜ができる。その膜がブリードを抑制する。特に、脂肪酸添加インクと脂肪酸無添加インクとの間で、優れた耐ブリード性(ブリード抑制効果)が得られる。
脂肪酸としては、以下に限定されないが、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、及びオクチル酸が挙げられる。
また、脂肪酸の酸化安定性の点で言うと、多くの不飽和脂肪酸は、二重結合が2つ以上あり、二重結合に挟まれたメチレン水素が引き抜かれることで容易に酸化されるため、酸化されやすい。これに対し、オレイン酸のような二重結合が1つの不飽和脂肪酸は、メチレン水素がないため酸化安定性に極めて優れる。さらに、二重結合を持たない飽和脂肪酸はさらに酸化安定性に優れる。
また、脂肪酸の融点の点で言うと、脂肪酸がノズル面上に析出した場合、脂肪酸が液体であると、ノズル詰りの確率が低下する。常温において液体であり、二重結合が1つ以下の脂肪酸としては、オレイン酸が挙げられる。酸化安定性の良好な飽和脂肪酸は、常温で固体のものが多く、インク中への添加には適しないものが多い。よって、上記脂肪酸はオレイン酸であることが好ましい。
脂肪酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸の含有量は、一層優れた耐ブリード性(ブリード抑制効果)が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対し、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。
〔界面活性剤〕
本実施形態におけるインクは、界面活性剤を含有してもよい。当該界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。中でも、発泡・起泡の少ないインクが得られるため、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン界面活性剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併用して使用可能である。
これらの中でも、発泡が少なく、且つ優れた消泡性能を発揮するため、アセチレングリコール系界面活性剤及びポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤のうち少なくとも一方が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられるが、市販品で入手も可能で、例えば、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、エアープロダクツ社(Air Products and Chemicals, Inc.)製商品名)やオルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)等が挙げられる。また、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤の具体例としては、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、UV3530(以上、ビッグケミー・ジャパン(BYK Japan)社製商品名)等を挙げることができる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤は、被記録媒体上でドットがさらに広がりやすくなるため、インクの総質量(100質量%)に対して0.1〜3.0質量%含まれるとよい。
〔水溶性有機溶剤〕
本実施形態におけるインクは、水溶性有機溶剤を含有してもよい。
上記水溶性有機溶剤として、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテンー1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、尿素類等のいわゆる固体湿潤剤、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。インクがこれらの水溶性有機溶剤を含むことにより、高固形分であっても、保存安定性及び吐出安定性は良好である。
さらに、本実施形態においては、水溶性有機溶剤として、多価アルコールモノアルキルエーテル及び多価アルコール類を共に含むことが好ましい。これらの水溶性有機溶剤を用いることで、滲みやムラ等の印刷品質を一層良好なものとすることができる。
多価アルコールモノアルキルエーテルとしては、上記グリコールエーテル類のうち、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びトリプロピレンプリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
また、多価アルコール類は、上記多価アルコール類のいずれであっても用いることができるが、中でも1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオール等の1,2−アルカンジオールを含むことが好ましい。
水溶性有機溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性有機溶剤は、インクの適正な物性値(粘度等)、印刷品質、及び信頼性を確保するため、インクの総質量(100質量%)に対し、1〜40質量%含まれることが好ましい。
〔水〕
本実施形態におけるインクは、水を含有してもよい。水としては特に制限されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水の含有量は特に制限されない。
〔pH調整剤〕
本実施形態におけるインクは、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリおよび/またはアンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等を用いることができる。特に、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンから選択される1種以上のpH調整剤を含み、pH6〜10に調整されることが好ましい。pHがこの範囲を外れると、インクジェットプリンターを構成する材料等に悪影響を与え、目詰まり回復性が劣化する。pH調整剤の含有量は特に制限されない。
〔防腐剤・防黴剤〕
本実施形態におけるインクは、防腐剤・防黴剤を含有してもよい。防腐剤・防黴剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社製のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。防腐剤・防黴剤の含有量は特に制限されない。
〔その他の添加剤〕
本実施形態におけるインクは、上記した添加剤以外の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤として、特に限定されないが、例えば、防錆剤、酸化防止剤、増粘剤、及び表面張力調整剤が挙げられる。
このように、本実施形態によれば、被記録媒体、特に低吸収性の被記録媒体に記録する際の耐ブリード性に優れたインクセットを提供することができる。
[記録方法]
本発明の一実施形態は、記録方法に係る。当該記録方法は、上記実施形態のインクセットを用いて記録するものである。
より具体的に言えば、上記記録方法は、インクの液滴を吐出し、加熱した被記録媒体に当該液滴を着弾(付着)させて画像形成を行うものである。各インクの液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。上記実施形態のインクセットは、記録方法の中でも、電歪素子を用いたインクジェット記録方法に好ましく用いられる。各インクの液滴の吐出は、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドにより行われることが好ましい。
〔被記録媒体〕
また、上記被記録媒体としては、低吸収性の被記録媒体が好ましく挙げられる。低吸水性の被記録媒体としては、例えば、塗工紙が挙げられ、より詳細には微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、及びキャスト紙などの記録本紙(印刷本紙)等が挙げられる。また、上記低吸水性の被記録媒体として、インク受容層を設けていない普通紙、並びにインクジェット専用紙(中でもインクジェット記録層の薄いブローシャー用紙及びインクジェット用コート紙)なども挙げられる。
塗工紙は、表面に塗料を塗布し、美感や平滑さを高めた紙である。塗料は、タルク、パイロフィライト、クレー(カオリン)、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの顔料と、デンプン、ポリビニルアルコールなどの接着剤を混合して作ることができる。
塗料は、紙の製造工程の中でコーターという機械を用いて塗布する。コーターには、抄紙機と直結することで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式と、抄紙とは別工程とするオフマシン式がある。主に記録に用いられ、経済産業省の「生産動態統計分類」では印刷用塗工紙に分類される。
微塗工紙とは、塗料の塗工量が12g/m以下の記録用紙のことをいう。また、アート紙とは、上級記録用紙(上質紙、化学パルプ使用率100%の紙)に40g/m前後の塗料を塗工した記録用紙のことをいう。また、コート紙とは、20g/m〜40g/m程度の塗料を塗工した記録用紙のことをいう(好ましいコート紙については後記実施例欄を参照)。また、キャスト紙とは、アート紙やコート紙を、キャストドラムという機械で表面に圧力をかけることで、光沢や記録効果がより高くなるように仕上げた記録用紙のことをいう。
低吸水性の被記録媒体として合成紙や印刷本紙(OKT+:王子製紙社製)を用いることが好ましいが、とりわけ、アート紙、POD(プリントオンデマンド)用途に用いられる高画質用紙及びレーザープリンター用の専用紙において、特に低解像度で印刷した場合でも、耐ブリード性に優れた高品質な画像が実現できる。POD用途の高画質用紙としては、例えば、リコービジネスコートグロス100(リコー社製)等が挙げられる。また、レーザープリンター用の専用紙としては、例えばLPCCTA4(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)等が挙げられる。また、耐水紙としては、カレカ(三菱化学メディア社製)や、レーザーピーチ(日清紡ポスタルケミカル社製)等を挙げられる。
なお、上述のとおり、普通紙やPPC用紙のような、インクジェット記録特性について特に考慮されていない紙も低吸水性の被記録媒体である。また、インクジェット記録層の薄いブローシャー用紙なども低吸水性の被記録媒体である。当該ブローシャー用紙の市販品として、例えば、HP社製のBrocher紙、STAPLES社製のinkjet brocher紙、及びセイコーエプソン社製のビジネスインクジェットプリンタ用コート紙 KA4250BC等が挙げられる。
また、上述のインクジェット専用紙は、吸水性に優れ、且つ上質紙等の基材上にインク受容層を設けてなるインクジェット記録用の被記録媒体を意味する。当該インクジェット専用紙は、上記インク受容層中にポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を含有するいわゆる「膨潤型」、及び上記インク受容層中に非晶質シリカ等の多孔質材料を含有するいわゆる「吸収型」の何れのタイプも含む。 また、上記インクジェット専用紙の中でも、写真用紙はブリードが目立ち易いため、低吸水性の被記録媒体と同様に、優れた耐ブリード性が要求される。そこで、上記実施形態のインクセットを用いれば、低吸水性の被記録媒体上での耐ブリード性に優れているため、吸収性に優れたインクジェット専用紙においても耐ブリード性が良好であるとともに、光沢感に優れた記録物を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[使用原料]
〔自己分散型のブラック顔料分散液の調製〕
市販のカーボンブラックであるS170(デグサ社製商品名)20gを水500gに混合して、家庭用ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置付きの3L容のガラス容器に入れ、攪拌機で攪拌しながら、オゾン濃度8質量%のオゾン含有ガスを500mL/分で導入した。その際、オゾン発生器はペルメレック電極社(PERMELEC ELECTRODE LTD.)製の電解発生型のオゾナイザーを用いてオゾンを発生させた。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(アドバンテック東洋社(ADVANTEC MFS,INC.)製商品名)で濾過し、さらに固形分濃度が20質量%になるまで0.1Nの水酸化カリウム溶液を添加しpH9に調整しながら濃縮を行い、自己分散型のブラック顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のブラック顔料分散液の調製〕
水不溶性ポリマーによって被覆された顔料を分散粒子とする顔料分散液を下記の方法によって調製した。
(水不溶性ポリマーの合成)
有機溶媒(メチルエチルケトン)20質量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03質量部、重合開始剤、表1に示す各モノマーを用い、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内に入れて75℃攪拌下で重合し、モノマー成分100質量部に対してメチルエチルケトン40質量部に溶解した2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル0.9質量部を加え、80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。なお、表1に示す数値は、モノマー混合物の全量を基準(100質量%)としたときの各モノマーの割合(質量%)を意味する。
(顔料分散液の調製)
メチルエチルケトン45質量部に表1の水不溶性ポリマーを7.5質量部溶解させて、その中に20%の水酸化ナトリウム水溶液(中和剤)を所定量加えて塩生成基を中和し、さらに顔料を20質量部加えてビーズミルで2時間混練した。このようにして得られた混練物にイオン交換水120質量部を加えて攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が20質量%の、樹脂分散型のブラック顔料分散液を得た。
〔自己分散型のシアン顔料分散液の調製〕
回転子−固定子型高剪断混合機(シルバーソン L4RT−A)に4L容ステンレス鋼製ビーカーを取り付け、氷浴中に浸した。このビーカーに、C.I.ピグメントブルー15:4 約75g及び水1,000gを入れ、7,200rpmにて15分間均質化した。これに2.07g(0.01mol)のo−アセトアニシジドを溶解したイソプロパノール溶液20mLを添加し、さらに15分間撹拌した。
別の容器中で、スルファニル酸 4.35g(0.025mol)、1N−HCl 30mL、及び亜硝酸ナトリウム 1.73g(0.025mol)を5〜10℃で混合して、ジアゾニウム塩を形成させた。次いで、これを上記C.I.ピグメントブルー15:4とo−アセトアニシジドの混合物に撹拌しながら添加し、温度を約10℃に維持した。この混合物を、5M水酸化ナトリウム溶液の滴加によりpH5〜6に調整し、ジアゾニウム塩の存在有無により反応の進行を確認しながら、さらに2時間攪拌した。
なお、ジアゾニウム塩の存在の確認は、ジアゾニウム塩が存在する場合、反応混合物と0.1%アミノサリチル酸を溶解した1M−NaCO溶液とをそれぞれ濾紙上に1滴ずつ垂らした際、これら二つの滴の広がりが触れ合うと橙色となることを利用して行った。
混合物をテルソニック流通型音波処理装置に移し、そして2時間超音波処理し、得られた顔料分散液を、50nmダイアフィルトレーション膜カラムを用いて精製後、20質量%の固形分濃度まで濃縮し、自己分散型のシアン顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のシアン顔料分散液の調製〕
顔料としてカーボンブラックに代えてシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、樹脂分散型のシアン顔料分散液を得た。
〔自己分散型のマゼンタ顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントレッド122を用いた点以外は、シアン顔料分散液の場合と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、自己分散型のマゼンタ顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のマゼンタ顔料分散液の調製〕
顔料としてカーボンブラックに代えてマゼンダ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、樹脂分散型のマゼンタ顔料分散液を得た。
〔自己分散型のイエロー顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、シアン顔料分散液の場合と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、自己分散型のイエロー顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のイエロー顔料分散液の調製〕
顔料としてカーボンブラックに代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、樹脂分散型のイエロー顔料分散液を得た。
〔樹脂エマルジョンの調製〕
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分濃度40質量%、pH8に調整した。得られた水性エマルジョンにおける樹脂粒子のガラス転移温度は−6℃であった。
〔界面活性剤〕
・オルフィンE1010(日信化学社製商品名)
・サーフィノール104(エアープロダクツ社製商品名)
〔脂肪酸〕
・オレイン酸
・リノール酸
・ステアリン酸
・オクチル酸
〔pH調整剤〕
・トリプロパノールアミン
・水酸化カリウム
・水酸化ナトリウム
〔浸透促進剤〕
・1,2−ヘキサンジオール
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「TEGmBE」ともいう。)
・グリセリン
・トリメチロールプロパン
〔防腐剤・防黴剤〕
・EDTA
・プロキセルXL−2(Avecia社製商品名)
〔水〕
・イオン交換水
[インクの調製]
下記表2及び表3の組成に従い各成分を混合し、10μmのメンブランフィルターでろ過することにより、ブラックインク1〜5(K1〜K5)、シアンインク(C1〜C4)、マゼンタインク(M1〜M4)、及びイエローインク(Y1〜Y4)を調製した。なお、下記表2及び表3中の数値はインク中の含有量(質量%)を表す。また、各顔料の固形分濃度は何れも20質量%であり、樹脂エマルジョンの固形分濃度は40質量%である。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
下記表4〜表6に示すようなインクの組み合わせに従い、インクセットを調製した。
[評価方法・基準]
〔ブリード性〕
調製した各インクセットを、改造して記録方法を変更したインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、以下の被記録媒体及び印刷パターンで印刷を行い、以下の基準に従い評価した。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
実施例1〜3及び比較例1〜4は、インクセットで文字を印刷したときの耐ブリード性を評価することを目的とする。
・普通紙:両面上質普通紙<再生紙>(セイコーエプソン社製、型番:KA4250NPDR)
・コート紙:ビジネスインクジェットコート紙(セイコーエプソン社製、型番:KA4250BC)
・印刷パターン:イエローを背景色とし、ブラックで「書」の文字を6ptの大きさで印刷した。
評価基準は、以下の通りである。
◎:ルーペで文字を拡大してもブリード(滲み)は見られなかった。
○:ルーペで文字を拡大するとブリードが見られたものの、目視で文字を観察してもブリードは見られなかった。
×:目視で文字を観察したところ、ブリードが見られた。
(実施例4〜6)
実施例4〜6は、インクセットでテキスト文書を印刷したときの耐ブリード性を評価することを目的とする。
・普通紙及びコート紙は、上記実施例1〜3と同じものを使用した。
・印刷パターン:シアン、マゼンタ、及びイエローの各線(4.5ptの太さ)と交差するように、4.5ptの太さでブラックの線を印刷した。その際のシアン、マゼンタ、及びイエローの各線とブラックの線との交わり部分におけるブリードレベルを判定した。
評価基準は、以下の通りである。
◎:ルーペで印刷パターンを拡大してもブリード(滲み)は見られなかった。
○:ルーペで印刷パターンを拡大するとブリードが見られたものの、目視で文字を観察してもブリードは見られなかった。
×:目視で印刷パターンを観察したところ、ブリードが見られた。
(実施例7,8)
実施例7,8は、インクセットで写真などの画像を印刷したときの耐ブリード性及び光沢ムラを評価することを目的とする。
・普通紙は上記実施例1〜3と同じものを使用した。
・写真用紙:写真用紙<光沢>(セイコーエプソン社製、型番:KA4100PSKR)
・印刷パターン:4.5ptの太さのシアン、マゼンタ、及びイエローの各線が互いに交差するように印刷した。その際のシアン、マゼンタ、及びイエローの各線同士の交わり部分におけるブリードレベルを判定した。
評価基準は、以下の通りである。
◎:ルーペで印刷パターンを拡大してもブリード(滲み)は見られなかった。
○:ルーペで印刷パターンを拡大するとブリードが見られたものの、目視で文字を観察してもブリードは見られなかった。
×:目視で印刷パターンを観察したところ、ブリードが見られた。
〔光沢ムラ〕
JIS Z8741:97に記載された方法に従い、調製したインクセットのグロスを測定した(実施例7,8)。光沢ムラの評価基準は以下のとおりである。
◎:グロス60°のYMC色間のグロス差が20未満であった。
○:グロス60°のYMC色間のグロス差が20以上40未満であった。
×:グロス60°のYMC色間のグロス差が40以上であった。
以上の結果より、本発明の範囲に含まれる実施例1〜3のインクセットは、そうでないインクセット(比較例1〜4)に比して、被記録媒体、特にコート紙のような低吸収性の被記録媒体上に記録される場合、ブラックの耐ブリード性に優れることが分かった。また、本発明の範囲に含まれるインクセット(実施例4〜8)は、カラーのブリード(画像記録の場合はさらに光沢ムラ)を防止できるため、テキスト文書や画像の記録にも好適に用いることができることも分かった。
なお、ブラックインクの成分として、自己分散型顔料及びオレイン酸を用いたのは、優れたサテライト抑制効果が発揮され、優れた発色性が得られ(マイクロカプセルを含む樹脂分散型顔料の場合、顔料濃度を高めることができない。)、かつ、優れた吐出安定性が得られる(顔料濃度を高めると吐出安定性に劣るため、オレイン酸を用いた。)という理由による。

Claims (8)

  1. 脂肪酸と自己分散型顔料とを含有する第1のインクと、
    樹脂分散型顔料を含有し且つ実質的に脂肪酸を含有しない第2のインクと、自己分散型顔料を含有し且つ実質的に脂肪酸を含有しない第3のインクと、のうち少なくとも一方と、
    を含む、インクセット。
  2. 前記第1のインクと前記第2のインクと前記第3のインクとを含む、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1のインクがブラックインクである、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記第2のインクがイエローインクである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記第3のインクがシアンインク及びマゼンタインクのうち少なくとも一方である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記第1のインクとしてブラックインクと、
    前記第2のインクとしてイエローインクと、
    前記第3のインクとしてシアンインク及びマゼンタインクと、を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 前記第1のインク及び前記第3のインクが樹脂粒子を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクセット。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクセットを用いて記録する、記録方法。
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