JP6819930B2 - 白色インク、インクセット、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
中空樹脂粒子は内層と外殻樹脂との屈折率の差を利用して白色性を発現している。
特許文献1には、中空樹脂粒子として、内径が約0.3μmで、外径は約0.5μmであるローム・アンド・ハース社から市販されているロペーグ OP−62、または米国特許第4089800号明細書に開示されている方法によって得られるものを使用した白色インク組成物が開示されている。
また、特許文献2には、中空樹脂粒子の外殻樹脂を2層設けることでつぶれにくい粒子とすることについての開示がある。
本発明は、中空樹脂粒子を用いても明度(L*)が低下せず、乾燥時の明度が50以上である白色インクを提供することを目的とする。
中空樹脂粒子、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂、界面活性剤、及び水を含む白色インクであって、
前記白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜、及び前記白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度(L*)が50以上であり、且つ前記90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μm膜の前記70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜に対する明度(L*)の低下率が10%以内であることを特徴とする白色インク。
本発明の白色インクは、中空樹脂粒子、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂、界面活性剤、及び水を含む白色インクであって、前記白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜、及び前記白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度(L*)が50以上であり、且つ前記90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μm膜の前記70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜に対する明度(L*)の低下率が10%以内である。
白色インクの乾燥時の明度を50以上とするためには一般的な白色顔料である酸化チタンでは困難であり、手段としては中空樹脂粒子を使用する必要がある。
白色インクが中空樹脂粒子を含有する場合、中空樹脂粒子の内部は通常溶剤で満たされており、乾燥前の状態ではまだ内部の溶剤が蒸発しきっていないため白くなっていない。従って、中空樹脂粒子を含有する白色インクの明度は、乾燥後の明度で比較することが重要である。
中空樹脂粒子を含む白色インクは、乾燥温度が70℃以下であれば、中空樹脂粒子のつぶれが発生せず、顕著な明度の低下は起こらない。これは、乾燥温度が低いと中空樹脂粒子の周囲に未乾燥の溶剤が存在し、未乾燥の溶剤が存在することで、中空樹脂粒子のつぶれが軽減されると考えられる。白色インクの後に他色インクを印字しても、他色インクとの接触が緩和されるため中空樹脂粒子のつぶれが軽減されると考えられる。
しかし、乾燥温度90℃では、従来の白色インクでは、中空樹脂粒子の耐熱性特性が寄与し、つぶれが生じ、明度が低下する問題があった。他色インクを印字した場合、他色インク中の溶剤が中空樹脂粒子外殻の樹脂を溶解し、中空樹脂粒子のつぶれが生じ、明度が低下する問題があった。
本発明は、中空樹脂粒子を含む白色インクにおいて、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂等の組み合わせにより、90℃で乾燥しても、前記明度の低下率が10%以内である白色インクを得ることができた。
(70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度−90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度)/(70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度)
明度の測定は、X−Rite社製の分光測色濃度計(939)を用いて測定した。
また、本発明において前記乾燥温度70℃、及び乾燥温度90℃における乾燥時間は、60秒とした。
本発明において、乾燥温度90℃、乾燥時間60秒は、白色インクの加熱、乾燥時の温度及び乾燥時間の上限を想定したものであり、前記明度の低下率が10%以内であれば、白色インクは、加熱、乾燥時に明度がほとんど低下しないことを示す。
また、中空樹脂粒子は、粒子径が大きいため、±0.3μmの厚さは無視できる程度である。
また、上記白色インクには更にワックスを含有することが好ましい。
本発明に使用する有機溶剤としては、白色インク中の有機溶剤と水との混合溶液の混合SP値は17.0(cal/cm3)0.5以上20.3(cal/cm3)0.5以下となるものが好ましい。前記SP値を17.0(cal/cm3)0.5以上とすることにより、中空樹脂粒子のつぶれが発生するのを抑制することができ、20.3(cal/cm3)0.5以下とすることにより乾燥性が良くなり定着性が良好となる。
中空樹脂粒子のつぶれを抑制するためには上記SP値の範囲内にすることが好ましい。
また、白色インクに含まれる全ての有機溶剤の水素結合項が3(cal/cm3)0.5以上6.8(cal/cm3)0.5以下であり、かつ全ての有機溶剤の沸点が150℃以上300℃以下であると、定着性が良好となり好ましい。
なお、水素結合項はKrevelenの提案した有機分子を原子団として取扱った原子団総和法を利用して求めることができる(Krevelen,Properties of Polymer 2nd Edition,New York,154(1976)参照)。
白色インク中の有機溶剤と水の混合溶液におけるSP値(cal/cm3)0.5
=[有機溶剤AのSP値×有機溶剤Aの体積分率]+[有機溶剤BのSP値×
有機溶剤Bの体積分率]+・・・+[水のSP値×水の体積分率]
有機溶剤と水の混合溶液における混合SP値は、例えば遠心分離機を用いて白色インク中の樹脂や顔料等の固形分を分離させ、GC−MSを用いて有機溶剤の成分分析を行い、その種類及び含有量を調べることにより得られる。GC−MSを用いて得られた含有量(質量基準)から、原材料の密度及び添加濃度により体積分率を算出した。
有機溶剤のSP値は濁点滴定法によって求めることができる(K.W.Suh.J.M.Corbett:J.Apply polym.Sci.,12[10],p.2359−2370(1968))。
なお、本発明における有機溶剤は、機能上、浸透剤や抑泡剤などとしても分類されるものも含むとする。また、本発明では白色インク全体に対して3質量%以上含有されているもののみ上記SP値の計算で考慮する。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
本発明に使用する中空樹脂粒子は、内層が中空、外層が樹脂で覆われているものであり、その外径は約0.1〜1μm、内径が約0.05〜0.8μmであるものを用いることが好ましい。内層が中空であるため、白色インクとしての比重は1前後であり、二酸化チタンのように経時で沈降することはない。経時での沈降を回避するということから、中空樹脂粒子の外殻樹脂の厚さは中空樹脂粒子全体の径に対して10%以上20%以下の厚さとすることが好ましい。
また、中空樹脂粒子の外殻樹脂のSP値と白色インク中の有機溶剤と水の混合溶液の混合SP値の値が近いと、白色インクに含有される有機溶剤及び水によって中空樹脂粒子の外殻樹脂が溶解しやすくなることから、中空樹脂粒子の外殻樹脂としては、そのSP値と、白色インク中の有機溶剤と水の混合溶液の混合SP値が差を有する樹脂を使用することが好ましい。この場合、SP値の差としては、1以上10以下とすることが好ましい。また、本発明の白色インクをインク(黒インク及び有彩色インク)と共に用いる場合は、インク中の有機溶剤と水の混合溶液の混合SP値と、中空樹脂粒子の外殻樹脂SP値も同様に差を有することが好ましい。
中空樹脂粒子としては、内層の空気層との屈折率の観点から、スチレン・アクリル樹脂を用いることが好ましい。その他にも、熱による乾燥性を考慮して熱可塑性樹脂に変更するなどしても構わない。
本発明に使用する中空樹脂粒子の例としては、市販品としてローム・アンド・ハース社製のROPAQUE ULTRA E、DUAL、OP−62などや、サイデン化学社製のサイビノールシリーズ、JSR社製のSXシリーズなどが挙げられる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。
本発明ではアクリルシリコーン系樹脂を含有することが必須であるが、アクリルシリコーン系樹脂の他に、異なる樹脂を併用しても良い。その他の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂を併用しても良い。
アクリルシリコーン系樹脂や、併用する樹脂としては、樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合して白色インクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
このオルガノポリシロキサンとしては、水酸基を有する線状重合体が好ましく、例えば、以下に示すものが挙げられる。
HO−Si(CH3)2−O−(Si(CH3)2−O)n−Si(CH3)2−OH
(式中、n=1000〜5000)
なお、前記式中のメチル基の80モル%までがエチル基、ビニル基またはフェニル基と置換されていてもよい。ただし、メチル基が50モル%以上、好ましくは60モル%以上であるオルガノシロキサンが好ましい。
なお、ガラス転移温度はDCS(示差走査熱量計:島津製作所社製 DSC-60 Plus)を用いて測定することができる。DSCは、一定の熱を与えながら、基準物質と試料の温度を測定して、試料の熱物性を温度差として捉え、試料の状態変化による吸熱反応や発熱反応を測定することができる。本発明では、温度範囲は−50℃〜100℃、昇温速度は10℃/minで測定した。
前記90%累積体積分布は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能であるが、この中でも特にシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が好ましい。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F−2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
本発明で使用される白色インクには画像部に滑り性を付与するためワックスを添加していることが好ましい。
前記ワックスの中でも、特に白色インクを画像形成部に付与した際の成膜性、滑り性などの観点からポリエチレン系ワックスエマルジョンもしくはカルナバワックスが好ましい。
前記ワックスの融点は80℃以上140℃以下が好ましく、100℃以上140℃以下がより好ましい。融点を80℃以上とすることで室温環境下でもワックスが過剰に溶融もしくは凝固することが少なくなることで白色インクの保存安定性を維持することが可能となる。一方、融点を140℃以下とすることで、室温環境下でもワックスが十分に溶融し、白色インクに滑り性を付与することが可能となる。
前記ワックスの粒子径は0.01μm以上であることが好ましく、0.01μm以上0.1μm以下がより好ましい。粒子径を0.01μm以上とすることで白色インク表面にワックス粒子が配向しやすくなり、白色インクに滑り性を付与することが可能となる。
前記ポリエチレン系ワックスエマルジョンの例としては、市販品として東邦化学工業社製のハイテックシリーズ、BYK社製のAQUACERシリーズなどが挙げられる。
前記カルナバワックスの例としては、市販品として中京油脂社製のセロゾール 524、トラソル CNなどが挙げられる。
白色インク中における前記ワックスの含有量は1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
白色インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
前記「バブルライフタイム」とは、最大泡圧法において発生させた気泡の寿命であり、「表面寿命」ともいい、動的表面張力計のプローブ先端内で新しい界面が生成した時点から最大泡圧となるまでの時間を指す。
本発明の白色インクは、色材、有機溶剤、及び水を含むインクとのインクセットとして用いることができる。前記インクは黒インク及び有彩色インクを言う。
以下、前記インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F−2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
各種処理液としては、例えば、前処理液、後処理液が挙げられる。
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
本発明の白色インクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対して白色インク、インク、及び各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、白色インク、インク、及び各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、白色インク等を吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
なお、本発明では白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜と、該白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜で、明度(L*)の低下率が10%以内であることとしている。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
本発明においてはユーザーの使用条件によってインクの吐出順序を変えることができる。例えば、色紙に対しては最初に白色インクを印字して下地を作成し、その上に他色インクを印字することも可能である。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
(1)中空樹脂粒子、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂、界面活性剤、及び水を含む白色インクであって、
前記白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜、及び前記白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度(L*)が50以上であり、且つ前記90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μm膜の前記70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜に対する明度(L*)の低下率が10%以内であることを特徴とする白色インク。
(2)前記白色インクの有機溶剤と水の混合溶液の混合SP値が17.0(cal/cm3)0.5以上20.3(cal/cm3)0.5以下であることを特徴とする前記(1)に記載の白色インク。
(3)前記アクリルシリコーン系樹脂のガラス転移温度が30℃以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の白色インク。
(4)バブルライフタイム1500ms時の動的表面張力が18mN/m以上21mN/m以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の白色インク。
(5)前記白色インクに含まれる全ての有機溶剤の水素結合項が3(cal/cm3)0.5以上6.8(cal/cm3)0.5以下であり、かつ全ての有機溶剤の沸点が150℃以上300℃以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の白色インク。
(6)前記有機溶剤がグリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、オキセタン化合物のいずれか1種を有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の白色インク。
(7)前記アクリルシリコーン系樹脂の、前記中空樹脂粒子に対する含有率が質量比で0.25以上1以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の白色インク。
(8)前記白色インクが更にワックスを含有し、前記ワックスがポリエチレン系ワックスエマルジョン、またはカルナバワックスであり、かつ融点が80℃以上140℃以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の白色インク。
(9)中空樹脂粒子、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂、界面活性剤、及び水を含む白色インクと、色材、有機溶剤、及び水を含むインクとのインクセットであって、
前記白色インクが、白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜、及び前記白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度(L*)が50以上であり、且つ前記90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μm膜の前記70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜に対する明度(L*)の低下率が10%以内であることを特徴とするインクセット。
(10)前記(9)に記載のインクセットの白色インク及びインクに、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかを作用させて白色インク及びインクの吐出を行う吐出工程、乾燥工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
(水溶性高分子化合物水溶液Aの調製)
α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC社製、T−YP112)10.00質量%と、1規定のLiOH水溶液17.34質量%、イオン交換水72.66質量%を攪拌機で混合、加熱攪拌した後、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過し、水溶性高分子化合物水溶液Aを調製した。
ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬社製、ノイゲンEA−177)10質量%をイオン交換水に溶解し、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業社製)30質量%を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。
次に、一次顔料分散体に上記水溶性高分子化合物水溶液Aを7.51質量%と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスター W−0030、日本合成化学社製)を2.51質量%添加し、充分に攪拌してシアン顔料界面活性剤分散液を得た。
得られたシアン顔料界面活性剤分散液の組成を下記表1に示す。
この得られたシアン顔料界面活性剤分散液における顔料の平均粒子径(D50)を測定したところ78nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラック UPA−EX150)を用いた。
まず、表に示す有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、抗菌剤、防錆剤及び水を1時間攪拌し均一に混合した。次に、樹脂と上記シアン顔料界面活性剤分散液を加えて更に1時間攪拌し均一に混合した。この混合物を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して有彩色インクを得た。なお、有彩色インクにおいて色材は、シアン顔料界面活性剤分散液中の色材固形分が5質量%となるような割合で添加している。
なお、本発明にて使用している色材の粒子径は、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラック UPA−EX150)を用い、測定サンプル中の固形分濃度(質量濃度)が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用いて測定した結果120nmであった。なお、ここで言う平均粒子径とは、50%平均粒子径(D50)を意味する。
<白色インクの調製>
まず、下記表2−1、表2−2及び表2−3(以下「表2」という)に示す有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、抗菌剤、防錆剤、水を1時間攪拌して均一に混合した。次に樹脂、ワックスを加えて更に1時間攪拌して均一に混合した。その後、中空樹脂粒子を加えて更に1時間攪拌して均一に混合した。この混合物を平均孔径5μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して白色インクを得た。
有機溶剤A(グリセリン:SP値=16.4(cal/cm3)0.5、
水素結合項=6.8(cal/cm3)0.5、沸点=290℃)
有機溶剤B(1,2-プロパンジオール:SP値=13.5(cal/cm3)0.5、
水素結合項=5.2(cal/cm3)0.5、沸点=178℃)
有機溶剤C(1,3-プロパンジオール:SP値=13.7(cal/cm3)0.5、
水素結合項=5.7(cal/cm3)0.5、沸点=214℃)
有機溶剤D(1,2-ブタンジオール:SP値=12.8(cal/cm3)0.5、
水素結合項=4.6(cal/cm3)0.5、沸点=194℃)
有機溶剤E(1,3-ブタンジオール:SP値=12.8(cal/cm3)0.5、
水素結合項=5.1(cal/cm3)0.5、沸点=208℃)
有機溶剤F(イソプレングリコール:SP値=12.1(cal/cm3)0.5、
水素結合項=4.0(cal/cm3)0.5、沸点=203℃)
有機溶剤G(3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン:SP値=11.0(cal/cm3)0.5、
水素結合項=3.0(cal/cm3)0.5、沸点=246℃)
有機溶剤H(3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、出光興産社製
エクアミドM100:SP値=9.2(cal/cm3)0.5、
水素結合項=2.3(cal/cm3)0.5、沸点=216℃)
(イオン交換水)
イオン交換水(SP値=23.4(cal/cm3)0.5、水素結合項=10.1(cal/cm3)0.5、
沸点=100℃)
ローム・アンド・ハース社製 ローペイク ULTRA E
(樹脂)
アクリルシリコーン系樹脂A(トーヨーケム社製 RKP-02:Tg=-7℃)
アクリルシリコーン系樹脂B(トーヨーケム社製 W5348:Tg=30℃)
アクリルシリコーン系樹脂C(トーヨーケム社製 W4732:Tg=45℃)
ウレタン系樹脂(三洋化成社製UWS145:Tg=-45℃)
ポリエチレン系ワックスエマルジョンA
(サンノプコ社製 ノプコートPEM-17:融点=105℃)
ポリエチレン系ワックスエマルジョンB
(サンノプコ社製 ノプコマルMS-40:融点=79℃)
カルナバワックス(中京油脂社製 セロゾール 524:融点=83℃)
シリコーン系界面活性剤(巴工業社製 TEGO WET-270)
フッ素系界面活性剤(ダイキン工業社製 ユニダイン DSN-403N)
アルキル系界面活性剤(花王社製 エマルゲン LS-106)
日信化学社製 エンバイロジェムAD-01
(抗菌剤)
アビシア社製 LV(S)
白色インクを液体吐出用装置(リコー社製 IPSIO GXe5500)により記録媒体(色上質紙、竹尾社製 ルミナカラーブラック127gsm)へ吐出させ、印字した後、表2に示す乾燥温度及び乾燥時間にて乾燥させた。
その後、印字した白色インク画像上に有彩色インクを吐出させた後、白色インクと同様に表2に示す乾燥温度及び乾燥時間にて乾燥させた。
なお、印字チャートはドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像を使用した。これを印刷サンプルとする。
上記ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の印刷サンプルについて、以下の方法により諸特性を評価した。
前記白色インクを乾燥した後の白色インクベタ部の明度(L*)、及び有彩色インクを印字し乾燥した後の有彩色インクベタ部の明度(L*)を測定した。明度はドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部を、X−Rite社製の分光測色濃度計(939)を用いて測定した。明度の数値が大きいほど中空樹脂粒子のつぶれが抑制されたことを示す。
また、白色インクを同様に吐出させ、印字した後、70℃で60秒間乾燥させた白色インク膜の膜厚、乾燥後の白色インクベタ部の明度、及び90℃で60秒間乾燥させた白色インク膜の膜厚、乾燥後の白色インクベタ部の明度を測定し、明度の低下率を求めた。
ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部の断面をカッターで切断し、断面をキーエンス社製のマイクロスコープ(VHX-5000)で観察し、膜厚を測定した。
ドットパターンで形成された3cm四方の白色インクのベタ画像を印字後、表2に示す乾燥温度及び乾燥時間で乾燥し、前記画像サンプルを室温にて一昼夜静置した。その後印刷サンプルのベタ部を、東洋精機製作所社製のクロックメーターに布を貼り付けて擦り、擦過後の画像濃度を、X−Rite社製の分光側色濃度計(939)で測定した。加えてメディアの非印字部と擦過前の画像濃度を同様に測定し、非印字部の画像濃度を定着率0%、擦過前の画像濃度を定着率100%として検量線を作成し、擦過後の画像濃度の定着率を算出した。定着率の値が大きいほど、画像の定着性が良好である。
白色インクを用いて、ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像のベタ部を印字した後、白色インクの印字ヘッドにキャップをしない状態で30分放置させ、その後再度同チャートを印字させて、全ノズル数192個中における不吐出のノズル数を以下の3段階に分けて判断した。
○:不吐出無し
△:不吐出ノズル数5個以内
×:不吐出ノズル数5個より大
401 外装
410、410k、410c、410m、410y メインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
436 供給チューブ
501 乾燥機構
Claims (11)
- 中空樹脂粒子、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂、界面活性剤、及び水を含む白色インクであって、
前記中空樹脂粒子はスチレン・アクリル樹脂であり、
前記中空樹脂粒子の外径は0.1μm〜1μmであり、
前記中空樹脂粒子の含有量は5質量%以上12.5質量%以下であって、
前記白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜、及び前記白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度(L*)が50以上であり、且つ以下の式で求められる明度(L*)の低下率が10%以内であることを特徴とする白色インク。
(計算式)
(70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度−90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度)/(70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度) - 前記中空樹脂粒子の外殻樹脂のSP値と、前記白色インク中の有機溶剤と水の混合溶液の混合SP値の差が1以上10以下であることを特徴とする、請求項1に記載の白色インク。
- 前記白色インクの有機溶剤と水の混合溶液の混合SP値が17.0(cal/cm3)0.5以上20.3(cal/cm3)0.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の白色インク。
- 前記アクリルシリコーン系樹脂のガラス転移温度が30℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の白色インク。
- バブルライフタイム1500ms時の動的表面張力が18mN/m以上21mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の白色インク。
- 前記白色インクに含まれる全ての有機溶剤の水素結合項が3(cal/cm3)0.5以上6.8(cal/cm3)0.5以下であり、かつ全ての有機溶剤の沸点が150℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の白色インク。
- 前記有機溶剤がグリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、オキセタン化合物のいずれか1種を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の白色インク。
- 前記アクリルシリコーン系樹脂の、前記中空樹脂粒子に対する含有率が質量比で0.25以上1以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の白色インク。
- 前記白色インクが更にワックスを含有し、前記ワックスがポリエチレン系ワックスエマルジョン、またはカルナバワックスであり、かつ融点が80℃以上140℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の白色インク。
- 中空樹脂粒子、有機溶剤、アクリルシリコーン系樹脂、界面活性剤、及び水を含む白色インクと、色材、有機溶剤、及び水を含むインクとのインクセットであって、
前記白色インクが、
前記中空樹脂粒子はスチレン・アクリル樹脂であり、
前記中空樹脂粒子の外径は0.1μm〜1μmであり、
前記中空樹脂粒子の含有量は5質量%以上12.5質量%以下であって、
前記白色インクを70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜、及び前記白色インクを90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度(L*)が50以上であり、且つ以下の式で求められる明度(L*)の低下率が10%以内であることを特徴とするインクセット。
(計算式)
(70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度−90℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度)/(70℃で乾燥した膜厚2.5±0.3μmの膜の明度) - 請求項10に記載のインクセットの白色インク及びインクに、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかを作用させて白色インク及びインクの吐出を行う吐出工程、乾燥工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
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