JP6281396B2 - インク組成物及び記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インク組成物及び記録装置に関する。
従来、インクジェット記録方式を用いた印刷方法は、インクの小滴を飛翔させて紙等の被記録媒体上に付着させることにより行う。近年のインクジェット記録方式技術の革新的な進歩により、プラスチック等の様々な記録媒体に対しても、インクジェット記録方式を用いたインクジェット記録装置が利用されている。プラスチック等からなる記録媒体に対するインクの定着性を向上させつつ、インクの粘度の上昇を抑制可能な、コアシェル型のポリマー粒子をバインダ樹脂として添加することが開発されている。
例えば、特許文献1では、インクの乾燥性及び保存安定性を向上させるべく、コアシェル型のポリマー粒子の最低造膜温度を規定している。また、特許文献2では、耐水性、吐出安定性を向上させるべく、ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)を規定している。さらに、特許文献3は、耐擦性や安定吐出性等を向上させるべく、ポリマー粒子のコア部とシェル部のガラス転移温度の差を10℃以内に規定している。
特開2013−204025号公報 特許第3257391号 特開2012−201692号公報
このように特許文献1〜3では、インクの吐出安定性や耐擦性等の特性を向上させるべく、ポリマー粒子、そのコア部及びシェル部の少なくとも何れかの特性を規定している。しかしながら、特許文献1〜3に開示されたポリマー粒子は、いずれもシェル部の内側にコア部が存在するコア−シェル構造をなしておらず、意図する特性が得られていない可能性がある。図4は、従来のポリマー粒子を撮影した画像である。図4に示すように、ポリマー粒子は、シェル部がコア部を被覆するコア−シェル構造を安定的に形成していない。コア−シェル構造を安定的に形成できていなければ、ポリマー粒子により、インクの耐擦性や間欠特性等を向上することができない可能性がある。
本発明の一態様は、ポリマー粒子のコア−シェル構造の安定性に優れ、インク組成物の耐擦性及び間欠吐出性が向上したインク組成物及び記録装置を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、モノマーやコアシェルのガラス転移温度を規定することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
色材と水とポリマー粒子とを含むインク組成物であって、
前記ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、
前記コアポリマーのガラス転移温度は30℃以上であり、前記シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であり、前記シェルポリマーのガラス転移温度は前記コアポリマーのガラス転移温度よりも10℃を超えて高く、
前記コアポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、
標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まない、
インク組成物。
[2]
加熱された記録媒体に記録される、[1]記載のインク組成物。
[3]
前記シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、前記コアポリマーは酸価を有しない、[1]又は[2]に記載のインク組成物。
[4]
前記ポリマー粒子は、乳化剤を実質的に用いずに合成されたものである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[5]
前記コアポリマーは、ブチル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[6]
前記シェルポリマーは、メチル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸を構成モノマーとして含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のインク組成物。
[7]
前記コアポリマー及び前記シェルポリマーの芳香族モノマーがそれぞれポリマー粒子全体に対して10質量%以上含み、かつ、前記コアポリマーの芳香族モノマーに対する前記シェルポリマーの芳香族モノマーの比率(前記シェルポリマーの芳香族モノマー/前記コアポリマーの芳香族モノマー)が、0.2〜2.0である、[3]〜[6]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[8]
標準沸点150℃以上250℃以下であり、ハンセンSP値10(cal/cm31/2以上15(cal/cm31/2のアルキルポリオールを含む、
[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[9]
前記ポリマー粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[10]
前記コアポリマーのガラス転移温度は60℃以下である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のインク組成物。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに一項に記載のインク組成物と、前記インク組成物を吐出する吐出ヘッドと、を備えた記録装置。
[12]
前記吐出ヘッドは、インク組成物を吐出するノズルを備え、一つの前記ノズルから前記インク組成物のドットをマルチサイズに吐出出来るものである、[11]に記載の記録装置。
本実施形態のインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。 実施例のポリマー粒子の撮影画像である。 実施例のポリマー粒子の撮影画像である。 従来例のポリマー粒子の撮影画像である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[インク組成物]
本実施形態に係るインク組成物は、色材と水とポリマー粒子とを含むインク組成物であって、ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、コアポリマーのガラス転移温度は30℃以上であり、シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であり、シェルポリマーのガラス転移温度はコアポリマーのガラス転移温度よりも10℃を超えて高く、コアポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まない、インク組成物である。
〔色材〕
上記色材は、顔料及び染料から選択される。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、及び酸化シリカが挙げられる。無機顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
ブラックインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、特に限定されないが、例えば、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名、デグサ社(Degussa AG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボン社(Columbian Carbon Japan Ltd)製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以上全て商品名、キャボット社(Cabot Corporation)製)等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のうち少なくともいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:4、57、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、150、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
ホワイトインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子が挙げられる。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。
色材の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.4〜12質量%であると好ましく、2〜5質量%であるとより好ましい。
〔水〕
本実施形態のインク組成物は、水を含む。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
水の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
〔ポリマー粒子〕
ポリマー粒子は、コアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、コアポリマーのガラス転移温度は30℃以上であり、シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であり、シェルポリマーのガラス転移温度はコアポリマーのガラス転移温度よりも10℃を超えて高く、コアポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含む。コアポリマー及びシェルポリマーの各ガラス転移温度が上記の範囲にあり、コアポリマーとシェルポリマーのガラス転移温度の差が上記の範囲にあることにより、ポリマー粒子は安定したコア−シェル構造を形成することができる。
コア−シェル構造とは、シェルポリマーの空隙内部にコアポリマーが形成されている構造をいう。したがって、コアポリマーの表面をシェルポリマーが覆う構造のみならず、シェルポリマーによる3次元網目構造の空隙内部の一部にコアポリマーが充填されている構造も含まれる。
(コアポリマー)
コアポリマーのガラス転移温度は30℃以上であり、好ましくは、30℃以上60℃以下である。また、コアポリマーのガラス転移温度が30℃以上であることにより、安定したコア−シェル構造を形成することに加えて、インク組成物の保存安定性に優れる傾向がある。また、コアポリマーのガラス転移温度が60℃以下であることにより、シェルポリマーが軟化した後、容易にコアポリマーが流出できるため、密着性に優れる。さらに、コアポリマーを膜化させる観点で、インク組成物吐出後の被記録媒体の加熱温度よりも、コアポリマーのガラス転移温度を低くすると好ましい。
ガラス転移点(以下、Tgという)は、粘弾性測定、熱分析等の解析手法を用いて、あるいは公知である重合性単量体の単独重合体のTgから計算式を用いて算出する。コアポリマー及び後述するシェルポリマーが共重合体である場合、共重合体のガラス転位温度(Tg)は、各種単独重合体のTgn(単位:K)と、単量体の質量分率(Wn)とから下記FOX式によって算出することができる。
ここで Wn ;各単量体の質量分率
Tgn;各単量体のホモポリマーのTg(単位:K)
Tg ;共重合体のTg(単位:K)
換言すれば、コアポリマー又はシェルポリマーのガラス転移点は、ポリマーが単独重合体である場合にはその単独重合体を選択することにより制御できる。また、ポリマーが共重合体である場合には上記単独重合体のTgと上記FOX式とを考慮することにより制御することができる。
コアポリマーは、疎水性の高いポリマーとなるように設計される。このため、コアポリマーは酸価を有しないことが好ましい。また、コアポリマーは、構成単位として少なくとも芳香族モノマーを含む。これにより、コアポリマーは疎水性となり、疎水性の被膜を形成できる。この結果、記録画像の耐擦性の1つである、耐水摩擦性を向上することができる。
また、コアポリマーは、特に限定されないが、構成単位として、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー又はそのN−置換誘導体、及びカルボン酸モノマー単位の少なくともいずれかを有する。
芳香族モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンが挙げられる。
親水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「親水性」とは、水100mL(20℃)に対する溶解度が0.3g以上であることをいう。
炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数が3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「疎水性」とは、水100mL(20℃)に対する溶解度が0.3g未満であることをいう。
環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミドモノマー又はそのN−置換誘導体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル(メタ)アミド等の(メタ)アクリルアミド又はそのN−置換誘導体が挙げられる。
カルボン酸モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。このなかでも、(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、「カルボン酸モノマー単位」とは、カルボキシル基と重合性不飽和基を有する重合性モノマー単位をいう。
上記モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
コアポリマーに含まれる樹脂を構成する全繰り返し単位のうち、疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がより好ましい。疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、加熱処理等を行うことによって被記録媒体上に記録された画像の表面に疎水性被膜が形成されるので耐擦性がより向上する傾向にある。
(シェルポリマー)
シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であり、好ましくは、50℃以上150度以下であり、シェルポリマーのガラス転移温度はコアポリマーのガラス転移温度よりも10℃を超えて高い。シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であり、シェルポリマーのガラス転移温度はコアポリマーのガラス転移温度よりも10℃を超えて高いことにより、安定したコア−シェル構造を作製できる。また、シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であることにより、高温の環境下でインク組成物を吐出する場合に、コアシェル型の構造を崩壊させずにポリマー粒子を記録ヘッドから吐出することが可能となり、ノズル内におけるポリマー粒子の付着をより抑制できるため、ノズルの目詰まりを防止でき、間欠印刷の安定性により優れる傾向にある。記録媒体上に成膜する場合には、シェルポリマーのガラス転位温度よりも高い温度に被記録媒体上のインク組成物を加熱することにより、軟化したシェルポリマーからコアポリマーが流出し、コアポリマー及びシェルポリマーによる被膜が記録媒体上に形成される。このとき、軟化状態のコアポリマーが被記録媒体上に広がりつつ密着することにより、定着性に優れた被膜が形成される。また、シェルポリマーのガラス転移温度が150℃以下であることにより、被記録媒体上でシェルポリマーが軟化しやすいため、密着性により優れる傾向にある。一方、シェルポリマーのガラス転移温度が150℃を越えると、シェルポリマーの熱変形性が悪くなり、系の増粘等の悪影響を及ぼすおそれがある。
シェルポリマーは、親水性であることから酸価を有し、好ましくはシェルポリマーの酸価は20mgKOH/g120mgKOH/gである。この数値範囲の酸価を有することにより、シェルポリマーとして必要十分な親水性を確保することができる。
シェルポリマーは、構成単位として、芳香族モノマーを含むことが好ましい。シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含むことにより、詳細な作用機序は不明なものの、吐出曲がりが防止される。特に、小ドットのときにインク液滴が曲がりやすいことから、本発明の一態様によればこの吐出曲がりが抑制される。したがって、本発明のインク組成物の一態様は、特に一つのノズルからインクドットをマルチサイズに吐出出来るヘッドに適している。また、シェルポリマーが比較的固い芳香族モノマーを含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。
また、シェルポリマーは、構成単位として、メチル(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリル酸モノマーを含むことが好ましい。メチル(メタ)アクリレートモノマーを用いることにより、シェルポリマーを親水化することができ、ポリマー粒子の分散安定性を向上させることができる。また、(メタ)アクリル酸モノマーを用いることにより、シェルポリマーの表面にカルボキシル基を存在させることができる。これにより、ポリマー粒子の分散安定性がより向上するとともに、インク組成物の粘度が比較的低くなるため、吐出安定性がより向上する傾向にある。シェルポリマーは、構成単位として、コアポリマーの欄で述べた(メタ)アクリレートモノマーを含んでいてもよく、このような(メタ)アクリレートモノマーとして、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸モノマーの具体例は、コアポリマーを構成するモノマーについて上述したものと同様のものが挙げられ、モノマーは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シェルポリマーにおいて、カルボン酸モノマーに対する芳香族モノマーの比率(芳香族モノマー/カルボン酸モノマー)は、好ましくは0.3以上2以下であり、さらに好ましくは0.5以上1.5以下である。これにより、芳香族モノマーによる耐擦性の向上と、カルボン酸モノマーによる再分散性のバランスに優れたインク組成物が得られる。
シェルポリマーを構成する全繰り返し単位のうち、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位の含有量は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。
シェルポリマーを構成する全繰り返し単位のうち、親水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。親水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、シェルポリマーの親水性が向上するので、インク組成物中におけるポリマー粒子の分散安定性が向上する傾向にある。また、ポリマー粒子がノズルに付着することをより効果的に抑制することができるので、記録用ヘッドのノズルからの吐出安定性がより良好となる傾向にある。
また、シェルポリマーを構成する全繰り返し単位のうち、疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、記録ヘッド内及び記録メディア上で水の乾燥が進み有機溶剤の占有率が高くなった場合でも、ポリマー粒子の分散が安定し、ポリマー粒子同士の凝集を抑制が出来る傾向にある。
(ポリマー粒子全体)
コアポリマー及びシェルポリマーの芳香族モノマーがそれぞれポリマー粒子全体に対して10質量%以上含み、かつ、コアポリマーの芳香族モノマーに対するシェルポリマーの芳香族モノマーの比率(シェルポリマーの芳香族モノマー/コアポリマーの芳香族モノマー)が、0.2〜2.0であることが好ましい。比較的固い芳香族モノマーを10質量%以上、好ましくは10質量%以上80質量%以下含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。また、コアポリマーの芳香族モノマーに対するシェルポリマーの芳香族モノマーの比率(シェルポリマーの芳香族モノマー/コアポリマーの芳香族モノマー)が0.2〜2.0であることにより、ポリマー粒子は安定したコア−シェル構造を形成することができる。
ポリマー粒子の平均粒子径は、好ましくは、10nm以上100nm以下である。このようにポリマー粒子の平均粒子径が比較的小さいことにより、記録画像の光沢を出しやすいこと、成膜性に優れるという特徴がある。また、ポリマー粒子の平均粒子径が比較的小さいことにより、凝集しても大きな塊ができにくいことから、ノズルの目詰まりを抑制することができる。さらに、ポリマー粒子の平均粒子径が小さいことにより、インク組成物の粘度を比較的高めることができ、記録ヘッド内においてインク組成物の温度が上昇しても、インク吐出性が不安定になる程に粘度が低下してしまうことを防止することができる。
なお、本明細書における平均粒子径は、特に明示がない限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
上記ポリマー粒子のコアポリマーの質量とシェルポリマーの質量との比率は、コアシェルポリマーの質量≦シェルポリマーの質量であるが好ましく、より好ましくはコアシェルポリマーの質量<シェルポリマーの質量である。さらに好ましくはシェルポリマーの質量を100%とした場合、コアポリマーの質量は40〜80%が好ましい。これによりコアポリマーの質量とシェルポリマーの質量とのバランスが良好となるため、インク組成物の定着性が良好であり、吐出安定性に優れ、縦アライメント不良が発生しにくい傾向にある。縦アライメント不良が発生しにくい傾向にある。縦アライメント不良とはインクの連続吐出において、長時間吐出することによってノズル周辺でインクが部分的に固化し、吐出方向が曲がりきれいな縦線が印刷できなくなる現象である。
ポリマー粒子のインク組成物中の含有量(固形分換算)は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.6質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.7質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。ポリマー粒子の含有量が0.5質量%以上であることにより、耐擦性、密着性により優れる傾向にある。また、ポリマー粒子の含有量が20質量%以下であることにより、吐出安定性により優れる傾向にある。
(ポリマー粒子の製造方法)
上述したポリマー粒子の製造方法に限定はないが、好ましくは、ポリマー粒子は乳化剤を実質的に用いないソープフリー重合により形成される。ソープフリー重合とは、乳化剤を実質的に用いずにコア−シェルポリマーを製造する重合方法をいう。ここでいう「乳化剤」とは、合成で使用される界面活性剤という意味である。また、ソープフリー重合としては、例えば、溶液中における乳化剤の含有量が1質量%以下の存在下でポリマー粒子を重合すること、が挙げられる。従来、このような乳化剤を用いて合成したポリマー粒子を含むインク組成物は、泡立ちやすく、画像の光沢が出にくく、異物が発生しやすいという問題があった。本発明の一態様によれば、このような問題の発生を抑制したインク組成物が得られる。ソープフリー重合では、例えば、(メタ)アクリル酸を構成単位に含むシェルポリマーを形成し、そのシェルポリマーの中にコアを形成する。また、ソープフリー重合を用いてポリマー粒子を製造した場合、平均粒子径が非常に小さくなり、インク組成物の吐出安定性や光沢性が向上する。
合成で使用される界面活性剤とは、特に限定されないが、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好適である。アニオン系界面活性剤としては、ドデシルベンザンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。本実施形態に用いるコアシェルポリマーは、これらの界面活性剤を用いずに製造される。
上記ソープフリー重合で用いられる重合開始剤としては、特に限定されないが、親水性開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等が挙げられる。
ソープフリー重合の方法の一例について説明するが合成方法は以下に制限されない。例えば、ジャケット付重合反応槽内にイオン交換水、重合開始剤を入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて大気圧に圧戻しを行った窒素雰囲気下において、まず重合槽内を所定の温度にした後、シェルポリマーの構成要素となるモノマーを含むプレエマルジョン溶液を一定量ずつ滴下することにより、重合反応させてシェルポリマーを合成する。次に、得られたシェルポリマーの空隙を重合場として、コアポリマーを重合し、本実施形態に係るポリマー粒子を合成する。具体的には、シェルポリマーを含有する水系分散媒体中に上述の疎水性モノマーを含むモノマー混合物を滴下し、コアポリマーを重合し、ポリマー粒子とする。このように、シェルポリマーをコアポリマーの重合場とする場合、モノマー混合物には乳化剤を用いる必要がなくなる。
かかるソープフリー重合によれば、インク組成物中の乳化剤の含有量を容易に0.01質量%以下とすることができ、ポリマー粒子の平均粒子径も微小にすることができる。
〔ワックス粒子〕
本実施形態のインク組成物は、70℃以上110℃未満の融点を有するワックス粒子を含んでいてもよい。記録用ヘッドが加熱された場合、水分の蒸発に伴いポリマー粒子が凝集固着し、記録用ヘッドのノズル目詰まりをひきおこして、安定した吐出が妨げられる可能性がある。これに対して上述した融点のワックス粒子を併用すると、水分蒸発の際のポリマー粒子の凝集が抑制される。これにより、記録用ヘッドのノズルへのポリマー粒子の固着による、吐出不良、目詰まりを抑制することができ、ひいては記録安定性に優れるインク組成物となる。また、高温記録時において、ワックス粒子はポリマー粒子による皮膜が脆くなりすぎることを抑制する。そのため、高温記録したとしても耐擦性が劣化しにくいインク組成物となる。
ワックス粒子の融点は、70℃以上110℃未満であり、80℃以上110℃以下であることがより好ましい。融点が上記範囲であることにより、記録安定性により優れ、高温記録時においても耐擦性がより劣化しにくい記録物を得ることができる。なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。また、ワックス粒子の融点は、例えば、そのワックス粒子を構成する複数の構成単位の比率を調整することで制御することができる。
ワックス粒子は、ポリエチレンワックス粒子を含む。70℃以上110℃未満の融点を有するポリエチレンワックス粒子としては、特に限定されないが、例えば、AQUACER593 ポリオレフィンワックス (BYK社製)、ノプコートPEM―17(サンノプコ社製)ポリロンL787、ポリロンL788(以上、中京油脂社製)ケミパールW4005(三井化学社製)が挙げられる。70℃以上110℃未満の融点を有するポリエチレンワックス粒子は、常法により合成されたものであってもよい。
ワックス粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワックス粒子のインク組成物中への添加量としては、インク組成物の全質量を基準として、ワックス固形分として0.1〜2.5質量%が好ましく、0.2〜2.0質量%がより好ましい。添加量が上記範囲内であることにより、記録安定性により優れ、高温記録時においても耐擦性がより劣化しにくいものとなる。
ワックス粒子の平均粒子径は、0.02〜0.5μmが好ましく、0.04〜0.3μmがより好ましい。平均粒子径が上記範囲であることにより、記録安定性により優れ、高温記録時においても耐擦性がより劣化しにくいものとなる。なお、平均粒子径はポリマー粒子について述べたのと同様の方法により測定することができる。
〔有機溶剤〕
本実施形態のインク組成物は、各種の有機溶剤を含んでいてもよい。本実施形態のインク組成物は、好ましくは、標準沸点150℃以上250℃以下であり、ハンセン法に基づくSP値が10(cal/cm31/2以上15(cal/cm31/2のアルキルポリオールを含む。標準沸点150℃〜250℃の有機溶剤は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上で加熱により蒸発して、被記録媒体にインクを定着させることができる。
上述した要件を満たすアルキルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらのうち、特に好ましくは炭素鎖が5以下のアルキルポリオールであり、例えば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールが好ましい。炭素鎖が5以下のアルキルポリオールは、疎水性が強くなる。このため、記録用ヘッドの加温により水が蒸発して有機溶剤の濃度が高くなった状態においても、アルキルポリオールが安定に存在し得ることから、短期目詰まりを抑制でき、間欠吐出性を向上できる。
SP値が10(cal/cm31/2以上15(cal/cm31/2以下のアルキルポリオールの含有率は、1質量%以上30質量%以下、より好ましくは2質量%以上20質量%以下である。SP値が10(cal/cm31/2以上15(cal/cm31/2以下の範囲の場合、親水性の官能基を外側に有するポリマー粒子との相溶性が良く、ポリマー粒子の分散を良好にさせることができる。特に、カルボキシル基が付与されたポリマー粒子との相性が良い。このため、間欠吐出性能を向上でき、かつ、ドットの抜けを防止することができる。
ここで、溶解度パラメーター(SP値)について説明する。本願明細書におけるSP値とは、Hansen法に基づくSP値である。Hansen法はSP値δを3つの項に分類し、δ2=δd 2+δp 2+δh 2と表して算出したものである。δd、δp、δhはそれぞれ分散力項、双極子間力項、水素結合力項に相当する溶解度パラメーターである。各溶媒のHansen法に基づくSP値は、表1に記載のとおりである。
上述したアルキルポリオールの含有量は、特に限定はないが、インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0〜35質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。
(環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒)
本実施形態のインク組成物は、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。インク組成物は環状窒素化合物又は非プロトン性極性溶媒を含むことにより、ポリマー粒子の見かけのガラス転移温度を低温側に移行させることができ、本来よりもコアポリマー及びシェルポリマーを低い温度で軟化させることができることから、被記録媒体へのインク組成物の定着性を向上させることができる。これにより、特に、被記録媒体がポリ塩化ビニルからなる場合に、被記録媒体へのインク組成物の定着性を向上させることができる。
非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、環状ケトン化合物、鎖状ケトン化合物、鎖状窒素化合物が挙げられる。また、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒としては、ピロリドン系、イミダゾリジノン系、スルホキシド系、ラクトン系、アミドエーテル系が代表例として挙げられる。なかでも2−ピロリドン、N−アルキル−2−ピロリドン、1−アルキル−2−ピロリドン、γ‐ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、アルコキシプロピオンアミドが好ましい。より好ましくは、2−ピロリドン、アルコキシプロピオンアミドである。
環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の含有量は、特に限定はないが、インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0〜35質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。
(その他の溶剤)
本実施形態におけるインクは、上記以外のその他の溶剤をさらに含んでもよい。上記以外のその他の溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類が挙げられる。その他の溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の溶剤の沸点は、好ましくは140〜280℃であり、より好ましくは160〜260℃であり、さらに好ましくは180〜240℃である。その他の溶剤の沸点が上記範囲内であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。
その他の溶剤の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは5.0〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。
(標準沸点280℃以上のアルキルポリオール)
本実施形態のインク組成物は、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない。インク組成物が標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含むと、インクの乾燥性が大幅に低下してしまう。その結果、種々の被記録媒体、特にインク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体において、画像の濃淡ムラが目立つだけではなく、インクの定着性も得られない。
ここで、「実質的に含まない」とは、所定の成分を添加する意義を十分に達成する量を超えて添加しない程度の意味である。インク組成物における標準沸点280℃以上のアルキルポリオールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、0質量%以上1.0質量%未満が好ましく、0質量%以上0.5質量%未満がより好ましく、0質量%以上0.1質量%未満がさらに好ましく、0質量%以上0.05質量%未満がよりさらに好ましく、0質量%以上0.01質量%未満がさらにより好ましく、0質量%以上0.001質量%未満が最も好ましい。含有量が上記範囲であることにより、インク組成物を用いた記録物の耐擦性が、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールにより低下することが抑制され、より耐擦性に優れた記録物を得ることができる。
〔界面活性剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、記録媒体に付着したインク組成物の乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
これらの中でも、インク組成物への溶解度が大きくなりインク組成物中に異物が一層発生し難くなるため、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61やサーフィノールDF110D(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、被記録媒体に付着したインク組成物の濡れ性がより向上する傾向にある。
〔pH調整剤〕
本実施形態のインクは、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モルホリン、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムが挙げられる。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。pH調整剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
〔その他の成分〕
本実施形態のインクは、上記の成分に加えて、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、腐食防止剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
本実施形態のインク組成物は、加熱される被記録媒体に記録されるものであることが好ましい。上述したように加熱された状態の被記録媒体に適用することにより、耐擦性に優れた画像を形成することができる。また、被記録媒体が加熱される場合には、その輻射熱によりヘッドが加温される。本実施形態に係るインク組成物によれば、ヘッドが加温されるような場合においてもノズル目詰まりを抑制することができ、吐出安定性を向上させることができる。加熱温度は、好ましくは35℃以上であり、より好ましくは40℃以上110℃以下であり、さらに好ましくは45℃以上120℃以下である。
被記録媒体を加熱するには、例えば、プラテンヒーターや赤外線放射が用いられる。また、本実施形態のインク組成物は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に発揮する点から、インクジェット記録方法に用いられるインク組成物であることが好ましい。
〔インクの製造方法〕
本実施形態のインクは、上述の成分(材料)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、顔料は、あらかじめ溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラーやマグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法として、例えば、遠心濾過やフィルター濾過などを必要に応じて行うことができる。
〔被記録媒体〕
被記録媒体は、吸収性、低吸収性被記録媒体又は非吸収性被記録媒体である。被記録媒体としては、低吸収性被記録媒体又は非吸収性被記録媒体が好ましく、より好ましくは非吸収性被記録媒体である。被記録媒体としては加熱されているものを用いると好ましい。本実施形態のインク組成物を用いて、加熱された、被記録媒体上に付着させて記録を行うことにより、インク組成物が被記録媒体に付着した際にシェルポリマーが軟化し、耐擦性に優れる皮膜を形成することができる。また、被記録媒体が加熱されていればよいため、インク組成物の粘度を低下させるために必要以上にノズルを加熱しなくてもよい。これにより、インク組成物中の樹脂などの成分がノズル内壁に溶着することを抑制でき、目詰まり回復性に優れる。加熱の際の被記録媒体の表面温度は30〜60℃が好ましく、より好ましくは40〜60℃である。なお、被記録媒体の「加熱温度」は、被記録媒体表面の温度を測定することによって得られる温度である。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、特に布帛のような高い吸収性の被記録媒体であることが好ましい。布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、及びレーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。
低吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、表面に油性インク組成物を受容するための塗工層が設けられた塗工紙が挙げられる。塗工紙としては、特に限定されないが、例えば、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。また、非吸収性被記録媒体としては、シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層が形成されていないものが好ましい。
ここで、「低吸収性被記録媒体」及び「非吸収性被記録媒体」は、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msecまでの水吸収量が10mL/m2以下である被記録媒体をいう。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
また、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体は、記録面の水に対する濡れ性によっても分類することができる。例えば、被記録媒体の記録面に0.5μLの水滴を滴下し、接触角の低下率(着弾後0.5ミリ秒における接触角と5秒における接触角の比較)を測定することによって被記録媒体を特徴付けることができる。より具体的には、被記録媒体の性質として、「非吸収性被記録媒体」の非吸収性は上記の低下率が1%未満のことを指し、「低吸収性被記録媒体」の低吸収性は上記の低下率が1%以上5%未満のことを指す。また、吸収性とは上記の低下率が5%以上のことを指す。なお、接触角はポータブル接触角計 PCA−1(協和界面科学株式会社製)等を用いて測定することができる。
〔記録方法〕
本実施形態の記録方法は、被記録媒体を加熱する加熱工程と、ノズルから、上記インク組成物を吐出して、被記録媒体上に付着させる吐出工程と、を有する。
(加熱方法)
本実施形態のインク組成物は、被記録媒体への吐出時又は吐出後に加熱されるものであることが好ましい。上述したように加熱された状態の被記録媒体に適用することにより、画像の滲みが防止された、耐擦性に優れた画像を形成することができる。また、本実施形態のインク組成物を用いて、加熱された、被記録媒体上に付着させて記録を行うことにより、インク組成物が被記録媒体に付着した際にシェルポリマーが軟化し、コアポリマーが流出し、より耐擦性に優れる皮膜を形成することができる。
また、インク組成物を吐出する時に被記録媒体が加熱されている場合には、その輻射熱によりヘッドが加温される。しかし、本実施形態に係るインク組成物によれば、記録ヘッドが加温されるような場合においてもノズル目詰まりを抑制することができ、吐出安定性を向上させることができる。インク組成物を吐出する時の加熱温度は30〜60℃が好ましく、より好ましくは40〜60℃である。また、インク組成物吐出後に加熱する場合には、インク組成物吐出時における被記録媒体の加熱温度よりも、高い温度で加熱することが好ましい。加熱温度としては、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは70℃以上120℃以下であり、さらに好ましくは70℃以上110℃以下である。
(吐出工程)
吐出工程は、ノズルから、上記インク組成物を吐出して、被記録媒体上に付着させる工程である。インク組成物の吐出手段(記録用ヘッド)としては、従来公知の方式を使用でき、圧電素子の振動を利用して液滴を吐出するもの、即ち電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するものが挙げられる。
加熱工程及び吐出工程を有することにより、記録用ヘッド内においてインク組成物中のポリマー粒子のシェルポリマーは軟化せず、記録用ヘッド内にポリマー粒子が溶着することを抑制することができ、これによって、吐出安定性が向上する。
(乾燥工程)
本実施形態の記録方法は、インク組成物を乾燥させる乾燥工程を有してもよい。乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、ヒーター、温風機構及び恒温槽(不図示)などの手段が挙げられる。乾燥手段が、画像が記録された被記録媒体を加熱することにより、インク組成物中に含まれる水分などがより速やかに蒸発飛散して、インク組成物中に含まれるポリマー粒子によって被膜が形成される。このようにして、被記録媒体上においてインク乾燥物が強固に定着(接着)して、耐擦性に優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。
〔記録装置〕
本実施形態に係る記録装置は、上記インク組成物を、被記録媒体に対し吐出する記録用ヘッドと、被記録媒体を加熱する加熱手段と、被記録媒体に付着した前記インクジェット用インク組成物を乾燥する乾燥手段と、を有する。この記録装置は、上述のインクジェット用インク組成物を更に有していてもよい。
図1に、本実施形態に係る記録装置の概略断面図を示す。図1に示すように、記録装置1は、記録用ヘッド2と、IRヒーター3と、プラテンヒーター4と、硬化ヒーター5と、冷却ファン6と、プレヒーター7と、通気ファン8と、を備えている。
記録用ヘッド2は被記録媒体に対しインク組成物を吐出するものである。記録用ヘッド2としては、従来公知の方式を使用できる。公知の方式の一例としては、例えば、圧電素子の振動を利用して液滴を吐出するもの、即ち電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するヘッドが挙げられる。記録用ヘッド2は、例えば、一つのノズルからインク組成物のドットをマルチサイズに吐出出来るものである、
被記録媒体加熱手段は、記録用ヘッド2からのインク組成物吐出時において、被記録媒体を加熱しているものである。被記録媒体加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、温風やIRヒーター3により記録用ヘッド2を直接加熱する手段や、プラテンヒーター4により加熱した被記録媒体を介して記録用ヘッド2を加熱する手段が挙げられる。
なお、IRヒーター3を用いると、記録用ヘッド2側から被記録媒体を加熱することができる。これにより、記録用ヘッド2も同時に加熱されやすいが、プラテンヒーター4など被記録媒体の裏面から加熱される場合と比べて、被記録媒体の厚みの影響を受けずに昇温することができる。また、プラテンヒーター4を用いると、記録用ヘッド2側と反対側から被記録媒体を加熱することができる。これにより、記録用ヘッド2が比較的加熱されにくくなる。
記録装置1は、被記録媒体に対しインク組成物が吐出される際に、被記録媒体の表面温度は35℃以上となるように加熱する被記録媒体加熱手段をさらに備えることが好ましい。より好ましい温度は30℃以上60℃以下である。被記録媒体加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、IRヒーター3、プラテンヒーター4が挙げられる。被記録媒体加熱手段を有することにより、被記録媒体に付着したインク組成物をより速やかに乾燥し、ブリードを一層抑制することができる。
乾燥手段は、インクジェット用インク組成物が付着した被記録媒体を、加熱して乾燥するものである。乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、硬化ヒーター5、温風機構(不図示)、及び恒温槽(不図示)などの手段が挙げられる。乾燥手段が、画像が記録された被記録媒体を加熱することにより、インク組成物中に含まれる水分などがより速やかに蒸発飛散して、インク組成物中に含まれるポリマー粒子によって皮膜が形成される。このようにして、被記録媒体上においてインク乾燥物が強固に定着(接着)して、耐擦性に優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。乾燥手段は、被記録媒体加熱手段よりも高い温度であることが好ましく、より好ましくは70℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上110℃以下である。
なお、上記の「被記録媒体を加熱」するとは、被記録媒体の温度を所望の温度まで上昇させることを言い、被記録媒体を直接加熱することに限られない。
記録装置1は、冷却ファン6を有していてもよい。乾燥後、冷却ファン6により被記録媒体上のインク組成物を冷却することにより、被記録媒体上に密着性よく被膜を形成することができる傾向にある。
また、記録装置1は、被記録媒体に対しインク組成物が吐出される前に、被記録媒体を予め加熱する(プレ加熱する)プレヒーター7を備えていてもよい。さらに、記録装置1は、被記録媒体に付着したインク組成物がより効率的に乾燥するように通気ファン8を備えていてもよい。
以下、上述した本発明に係るインク組成物の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(インク組成物の調製)
各材料を下記の表2に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、実施例1〜10及び比較例1〜4のインク組成物を得た。
表2において示したインク成分のうち、商品名についてのものを補足説明すると以下の通りである。
〔バインダ樹脂〕
スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂エマルジョン(Tg85℃、平均粒子径140nm)PEM−17(サンノプコ社製)
ケミパールW4005(商品名、三井化学社(Mitsui Chemicals, Inc.)製)
(ポリマー粒子について)
表3は、表2に示す実施例1〜10及び比較例2〜4において使用したポリマー粒子の詳細を示すものであり、各ポリマー粒子のシェルポリマーのTg、シェルポリマーの成分、コアポリマーのTg、シェル比、平均粒子径を示す。シェル比とは、コアポリマーを製造する際のモノマー重量とシェルポリマーを製造する際のモノマー重量の総量に対する、シェルを製造する際のモノマー重量である。なお、コアポリマーとシェルポリマーのTgは、上述のFOX式を用いて算出した。また、上記で得られたポリマー粒子をマイクロトラックUPA(日機装株式会社)により測定して、ポリマー粒子の粒子径φ(nm)を求めた。なお、実施例1〜9のポリマー粒子のコアポリマーの酸価はなかった。
なお、ポリマー粒子の酸価は、京都電子工業社(Kyoto Electronics Manufacturing Co.,Ltd.)製のAT610を用いて測定を行い、以下の数(1)式に数値をあてはめて算出した。
酸価(mg/g)=(EP1−BL1)×FA1×C1×K1/SIZE (1)
上記の数式中、EP1は滴定量(mL)、BL1はブランク値(0.0mL)、FA1は滴定液のファクター(1.00)、C1は濃度換算値(5.611mg/mL)(0.1mo1/L KOH 1mLの水酸化カリウム相当量)、K1は係数(1)、SIZEは試料採取量(g)をそれぞれ表す。
表3においてシェルポリマー及びコアポリマーの成分として略記したものの正式な名称は以下の通りである。
ST:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
AA:アクリル酸
BA:n−ブチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
MA:メチルアクリレート
HEMA:ヒドロキシメチルメタクリレート
表3に示したポリマー粒子の作製方法について説明する。
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過硫酸アンモニウムを0.2部添加しておき、スチレン40部、メチルメタクリレート34.6部、ラウリルメタクリレート10部およびアクリル酸15.4部を入れたモノマー溶液を、反応容器に滴下して反応させてシェルポリマーを重合し作製した。その後、過硫酸カリウム0.2部、スチレン73部およびn−ブチルアクリレート27部混合液を滴下して70℃で攪拌しながら重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5に調整して0.3μmのフィルターでろ過することにより実施例1のポリマー粒子分散液を作製した。
シェル及びコアを構成する成分の割合を変えた以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例2〜10、比較例2〜4で用いたポリマー粒子を作製した。
このようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜4のインク組成物について、下記のように評価した。
(耐擦性評価)
実施例及び比較例で得られたインクをインクジェットプリンターPX-G-930に充填し、インクジェット印刷専用の表面処理を施していない軟質塩化ビニルフィルム(スコッチカルフィルム;住友スリーエム株式会社製)に100%dutyパターンを印刷した。印刷サンプルは60℃、相対湿度20%の恒温槽で1時間、さらに室温で1日乾燥し作成した。学振型摩擦堅牢度試験機(TESTER SANGYO CO.LTD製のAB−01 RUBBING TESTER、荷重500g)を用いて、金巾3号で記録物を50回擦り、被記録面に傷や剥がれが発生したか否かを目視で観察した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に併せて示す。
A:印刷面にほとんど剥がれがないか、僅かに剥がれるが気にならない。
B:印刷面に0.5mm以上の傷、剥がれがある。
(再溶解性評価)
30mlのガラス瓶に調製したインクを5g入れ、蓋をせずに50℃環境下で3時間放置した。放置後のインク固形物に純水を10g加え、30分放置後状態変化を目視で観察し、以下の評価基準で判定した。評価結果を表2に併せて示す。
A:再溶解し一様な状態になる。
B:一部再溶解するが、瓶の壁面に固形物が残る。
C:ほとんど再溶解しない。
(印刷品質評価)
実施例及び比較例で得られたインクをインクジェットプリンターPX-G-930に充填し、インクジェット印刷専用の表面処理を施していない軟質塩化ビニルフィルム(スコッチカルフィルム;住友スリーエム株式会社製)にパターンを印刷し、印刷サンプルは60℃、相対湿度20%の恒温槽で1時間、さらに室温で1日乾燥し作成した。なお、画像の記録条件は、解像度を縦720dpi×横720dpi、印刷インク量を1.0mg/cm2、Dutyを10%〜100%(5%刻みで変化させた。)とした。
得られた評価用サンプルについて、インクの凝集による濃淡ムラの有無を目視にて観察し、以下の評価基準で判定した。
A:Duty80%で濃淡ムラ無し。
B:Duty80%未満で濃淡ムラ有り。
以上のように、実施例1〜9のインク組成物は、比較例1〜4に比べて、耐擦性及び印刷品質に優れていることがわかる。また、実施例1〜9のインク組成物は、再溶解性に優れており、これにより間欠吐出性能に優れていることがわかる。
(コア−シェル構造の安定性)
図2,3は、実施例のポリマー粒子の撮影画像である。図2に示すポリマー粒子は、コアポリマーのTgが41℃、シェルポリマーのTgが75℃のポリマー粒子であり、図3に示すポリマー粒子は、コアポリマーのTgが41℃、シェルポリマーのTgが74℃のポリマー粒子である。図2,3に示すポリマー粒子は、それぞれ実施例1、2のポリマー粒子と同じ構成成分を有し、その含有量のみを変えて調製したものである。なお、図2、図3の白線の長さは50nmであり、図4の白線の長さは100nmである。
図2,3に示すように、本実施例のポリマー粒子は、シェルポリマーの内部にコアポリマーが形成されたコア−シェル構造が形成されていることがわかる。図4の比較例のポリマー粒子と比べ、実施例のポリマー粒子は、安定したコア−シェル構造を形成していることがわかる。安定したコア−シェル構造を形成できることにより、耐擦性、間欠吐出性、印刷品質においてポリマー粒子の意図した性能を発揮できているものと推察される。
1…記録装置、2…吐出用ヘッド、3…IRヒーター、4…プラテンヒーター、5…硬化ヒーター、6…冷却ファン、7…プレヒーター、8…通気ファン。

Claims (12)

  1. 色材と水とポリマー粒子とを含むインク組成物であって、
    前記ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、
    前記コアポリマーのガラス転移温度は30℃以上であり、前記シェルポリマーのガラス転移温度は50℃以上であり、前記シェルポリマーのガラス転移温度は前記コアポリマーのガラス転移温度よりも10℃を超えて高く、
    前記コアポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、
    標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まず、
    前記ポリマー粒子の平均粒子径が10nm以上25nm以下であり、
    加熱された記録媒体へ付着されて用いられるものである、インク組成物。
  2. 前記シェルポリマーは、メチル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含む、請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、前記コアポリマーは酸価を有しない、
    請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記ポリマー粒子は、乳化剤を実質的に用いずに合成されたものである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記コアポリマーは、ブチル(メタ)アクリレートを構成モノマーとして含む、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記シェルポリマーは、メチル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸を構成モノマーとして含む、請求項1〜5のいずれかに記載のインク組成物。
  7. 前記コアポリマー及び前記シェルポリマーの芳香族モノマーがそれぞれポリマー粒子全体に対して10質量%以上含み、かつ、前記コアポリマーの芳香族モノマーに対する前記シェルポリマーの芳香族モノマーの比率(前記シェルポリマーの芳香族モノマー/前記コアポリマーの芳香族モノマー)が、0.2〜2.0である、
    請求項3〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 標準沸点150℃以上250℃以下であり、ハンセンSP値10(cal/cm31/2以上15(cal/cm31/2のアルキルポリオールを含む、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 低吸収性被記録媒体または非吸収性被記録媒体への記録に用いられるものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
  10. 前記コアポリマーのガラス転移温度は60℃以下である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに一項に記載のインク組成物と、前記インク組成物を吐出する吐出ヘッドと、を備えた記録装置。
  12. 前記吐出ヘッドは、インク組成物を吐出するノズルを備え、一つの前記ノズルから前記インク組成物のドットをマルチサイズに吐出出来るものである、請求項11に記載の記録装置。
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