JP2010090270A - インクジェット記録方式の印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録方式でインク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に水性インク組成物を用いて画像を形成する印刷方法であって、インクの滲みが少なく高画質で耐擦過性の優れた画像が得られ、しかもインクジェット記録装置のノズルの目詰まりを生じにくいインクジェット記録方式の印刷方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法は、インクジェット記録方式で、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に水性インク組成物の液滴を吐出して画像を形成する第1の工程と、少なくとも前記第1の工程時において、前記記録媒体上の前記水性インク組成物を乾燥させる第2の工程と、を含む印刷方法であって、前記水性インク組成物は、2−ピロリドンと、水不溶性の着色剤と、水溶性樹脂と、熱可塑性樹脂粒子と、シリコン系界面活性剤と、1,2−ヘキサンジオールと、1,3−プロパンジオールと、水と、を含有し、前記水性インク組成物中における前記2−ピロリドンの含有量は、3.0質量%〜10.0質量%であり、前記水性インク組成物中における前記1,3−プロパンジオールの含有量は、5.0質量%〜10.0質量%であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式の印刷方法に関する。
従来、塩ビ系基材等のインク非吸収性記録媒体に対しては、溶剤系顔料インクが用いられていた。溶剤系顔料インクは、乾燥性および耐水性に優れているが、記録媒体表面で溶媒が揮発することにより画像が形成されるため、乾燥時における溶媒の臭気や有害性が問題となっていた。そこで、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対しても、安全面および環境を保護する観点から水性インクが用いられるようになってきた。
インクジェット記録方式によりインク非吸収性または低吸収性の記録媒体に水性インクを用いて画像を形成する印刷方法については、例えば下記の特許文献に記載されている。特許文献1には、水、グリコール系溶剤、不溶性着色剤、ポリマー分散剤、シリコン界面活性剤、フッ素化界面活性剤、水不溶性グラフトコポリマーバインダー、N−メチルピロリドンを含有するインクを用いて疎水性表面上に印刷する方法が提案されている。特許文献2には、沸点285℃以下の揮発性共溶剤を含む水性液体ビヒクル、酸官能化ポリマーコロイド粒子、顔料着色剤からなる非多孔性基材に印刷するためのポリマーコロイド含有水性インクジェットインクが提案されている。
しかしながら、従来提案されているインクでは、比較的高沸点の溶剤を多く用いているため、印刷時の乾燥が遅く、記録媒体上でインクの混合等の現象が生じ、必ずしも高画質な印刷物が得られなかった。また、従来提案されているインクでは、乾燥性を高めるために揮発性の高い溶剤を用いているため、インクジェット記録装置のノズルの目詰まりを生じやすいという課題があった。
特開2000−44858号公報 特開2005−220352号公報
本発明のいくつかの態様における目的の1つは、インクジェット記録方式でインク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に水性インク組成物を用いて画像を形成する印刷方法であって、インクの滲みが少なく高画質で耐擦過性の優れた画像が得られ、しかもインクジェット記録装置のノズルの目詰まりを生じにくいインクジェット記録方式の印刷方法を提供することである。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法は、
インクジェット記録方式で、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に水性インク組成物の液滴を吐出して画像を形成する第1の工程と、
少なくとも前記第1の工程時において、前記記録媒体上の前記水性インク組成物を乾燥させる第2の工程と、
を含む印刷方法であって、
前記水性インク組成物は、2−ピロリドンと、水不溶性の着色剤と、水溶性樹脂と、熱可塑性樹脂粒子と、シリコン系界面活性剤と、1,2−ヘキサンジオールと、1,3−プロパンジオールと、水と、を含有し、
前記水性インク組成物中における前記2−ピロリドンの含有量は、3.0質量%〜10.0質量%であり、
前記水性インク組成物中における前記1,3−プロパンジオールの含有量は、5.0質量%〜10.0質量%であることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記第2の工程は、前記記録媒体を40℃〜80℃に加熱する工程および前記記録媒体上の前記水性インク組成物に40℃〜80℃の風を吹きつける工程、の少なくとも一方を含むことができる。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記熱可塑性樹脂粒子は、2−ピロリドンを溶媒としたときに膨潤または溶解することができる。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記水性インク組成物中における前記1,2−ヘキサンジオールの含有量は、3.0質量%〜6.0質量%であることができる。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記水性インク組成物は、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤を含むことができる。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記水性インク組成物中における前記アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、0.1質量%〜1.0質量%であることができる。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記水性インク組成物の20℃における粘度は、1.5mPa・s〜15mPa・sであることができる。
本発明に係るインクジェット記録方式の印刷方法において、
前記水性インク組成物中における前記シリコン系界面活性剤の含有量は、0.1質量%〜1.5質量%であることができる。
以下、本発明に好適な実施形態について、詳細に説明する。
1.インクジェット記録方式の印刷方法
本実施形態に係るインクジェット記録方式の印刷方法は、インクジェット記録方式で、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に水性インク組成物の液滴を吐出して画像を形成する第1の工程と、少なくとも前記第1の工程時において、前記記録媒体上の前記水性インク組成物を乾燥させる第2の工程と、を含む印刷方法であって、前記水性インク組成物は、2−ピロリドンと、水不溶性の着色剤と、水溶性樹脂と、熱可塑性樹脂粒子と、シリコン系界面活性剤と、1,2−ヘキサンジオールと、1,3−プロパンジオールと、水と、を含有し、前記水性インク組成物中における前記2−ピロリドンの含有量は、3.0質量%〜10.0質量%であり、前記水性インク組成物中における前記1,3−プロパンジオールの含有量は、5.0質量%〜10.0質量%であることを特徴とする。
まず、本実施形態に係るインクジェット記録方式の印刷方法で使用する水性インク組成物について以下に説明する。
1.1.水性インク組成物
1.1.1. 2−ピロリドン
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、2−ピロリドンを含有する。2−ピロリドンは、水性インク組成物に配合される熱可塑性樹脂粒子の良好な溶解剤、膨潤剤または軟化剤として作用する。また、2−ピロリドンは、インク乾燥時に水性インク組成物に配合される水溶性樹脂による皮膜形成を促進して、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上でのインクの固化・定着を促進する作用を有する。なお、2−ピロリドンの沸点は、245℃である。2−ピロリドンの含有量は、水性インク組成物全量に対して、3.0質量%〜10.0質量%である。2−ピロリドンの含有量が3質量%未満であると、水不溶性の着色剤および熱可塑性樹脂粒子の水性インク組成物中での分散性が悪くなることがあり、水性インク組成物中の保存安定性が不足する場合がある。一方、2−ピロリドンの含有量が10質量%を超えると、印刷時または印刷後において印刷物の乾燥の速度が低下することがあり、記録媒体上でインクが混合して色調が悪化するなどして画質が低下する場合がある。
なお、2−ピロリドンに置換可能な化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
1.1.2.着色剤
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、水不溶性の着色剤を含有する。水不溶性の着色剤としては、水不溶性の染料または顔料が挙げられるが、顔料であることが好ましい。顔料は、水に不溶あるいは難溶であるだけでなく光やガス等に対しても退色しにくい性質を有している。このため、顔料を用いたインク組成物で印刷した記録物は、耐水性、耐ガス性、耐光性等に優れ、保存性が良好となるからである。
顔料として、公知の無機顔料、有機顔料およびカーボンブラックのいずれも用いることができる。これらの中でも、発色が良好であって、比重が小さいために分散時に沈降しにくい観点から、カーボンブラック、有機顔料が好ましい。
本発明において、好ましいカーボンブラックの具体例としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、もしくはチャンネルブラック等(C.I.ピグメントブラック7)、また市販品としてNo.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。なお、これらは本発明に好適なカーボンブラックの一例の記載であり、これらによって本発明が限定されるものではない。これらのカーボンブラックは単独あるいは二種類以上の混合物として用いてもよい。これらのカーボンブラックの含有量は、ブラックインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%、好ましくは1質量%〜10質量%である。
本発明で好ましい有機顔料としては、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
本発明による水性インク組成物に用いられる有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等;C.I.バットブルー4、60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、および60からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料の含有量は、シアンインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度である。
マゼンタインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、202、209、およびC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料の含有量は、マゼンタインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度である。
イエローインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、119、110、114、128、129、138、150、151、154、155、180、185、等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74、109、110、128、138、180および185からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料の含有量は、イエローインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度である。
オレンジインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36もしくは43またはこれらの混合物である。また、これらの顔料の含有量は、オレンジインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度である。
グリーンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7もしくは36またはこれらの混合物である。また、これらの顔料の含有量は、グリーンインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度である。
上記の顔料は、水性インク組成物中でより安定的に分散保持されやすくするために、各種の方法を適用することができる。その方法としては、たとえば、樹脂分散剤を用いて分散させる方法、界面活性剤を用いて分散させる方法、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、分散および/または溶解可能とする方法等が挙げられる。本実施形態に係る印刷方法に使用される水性インク組成物には、前記のいずれの方法も用いることができ、必要に応じて各方法を組み合わせた形態で用いることもできる。本実施形態の水性インク組成物は、後述の水溶性樹脂を含み、該水溶性樹脂が上記の樹脂分散剤としても機能するため、樹脂分散剤を用いる方法の説明は省略する。
顔料を分散させるために用いることができる界面活性剤としては、アルカンスルホン酸
塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、モノグリセライトリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルピリジウム塩、アルキルアミノ酸塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
上記樹脂分散剤または上記界面活性剤の顔料に対する添加量は、顔料1質量%に対して好ましくは1質量%〜100質量%であり、より好ましくは5質量%〜50質量%である。この範囲であることにより、顔料の水中への分散安定性が確保できる。
顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、分散および/または溶解可能とする方法としては、顔料に親水性官能基として、−OM、−COOM、−CO−、−SOM、−SONH、−RSOM、−POHM、−PO、−SONHCOR、−NH、−NR(但し、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。)等を導入する方法が挙げられる。これらの官能基は、顔料粒子表面に直接および/または他の基を介してグラフトされることによって、物理的および/または化学的に導入される。多価の基としては、炭素数が1〜12のアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を有していてもよいナフチレン基等を挙げることができる。
また、前記の表面処理方法としては、硫黄を含む処理剤によりその顔料粒子表面に−SOMおよび/または−RSOM(Mは対イオンであって、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンを示す。)が化学結合するように表面処理されたもの、すなわち、前記顔料が、活性プロトンを持たず、スルホン酸との反応性を有せず、顔料が不溶ないしは難溶である溶剤中に、顔料を分散させ、次いでアミド硫酸、又は三酸化硫黄と第三アミンとの錯体によりその粒子表面に−SOMおよび/または−RSOMが化学結合するように表面処理され、水に分散および/または溶解が可能なものとされたものであることがより好ましい。
前記官能基またはその塩を顔料粒子の表面に直接または多価の基を介してグラフトさせる表面処理手段としては、種々の公知の表面処理手段を適用することができる。例えば、市販の酸化カーボンブラックにオゾンや次亜塩素酸ソーダ溶液を作用し、カーボンブラックをさらに酸化処理してその表面をより親水化処理する手段(例えば、特開平7−258578号公報、特開平8−3498号公報、特開平10−120958号公報、特開平10−195331号公報、特開平10−237349号公報)、カーボンブラックを3−アミノ−N−アルキル置換ピリジウムブロマイドで処理する手段(例えば、特開平10−195360号公報、特開平10−330665号公報)、有機顔料が不溶又は難溶である溶剤中に有機顔料を分散させ、スルホン化剤により顔料粒子表面にスルホン基を導入する手段(例えば、特開平8−283596号公報、特開平10−110110号公報、特開平10−110111号公報)、三酸化硫黄と錯体を形成する塩基性溶剤中に有機顔料を分散させ、三酸化硫黄を添加することにより有機顔料の表面を処理し、スルホン基又はスルホンアミノ基を導入する手段(例えば、特開平10−110114号公報)等が挙げられるが、本発明で用いられる表面処理顔料のための作製手段はこれらの手段に限定されるものではない。
一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類及びその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、及びインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。
顔料を水中に分散させる方法としては、樹脂分散剤については顔料と水と樹脂、界面活性剤については顔料と水と界面活性剤、表面処理された顔料については該顔料と水、また各々に必要に応じて水溶性有機溶剤・中和剤等を加えて、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミル等の従来用いられている分散機にて行なうことができる。この場合、顔料の粒径としては、平均粒径で20nm〜500nmの範囲になるまで、より好ましくは50nm〜200nmの範囲になるまで分散することが、顔料の水中での分散安定性を確保する点で好ましい。
1.1.3.水溶性樹脂
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、水溶性樹脂を含有する。水溶性樹脂の機能の1つは、上述した顔料の分散性を高めることである。また、水溶性樹脂組成物の他の機能の1つとしては、水性インク組成物が記録媒体に付着したときに、記録媒体とインク組成物、および/または、インク組成物中の固形分間の密着性を高めることである。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等およびこれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
上記の塩としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリン等の塩基性化合物との塩が挙げられる。これら塩基性化合物の添加量は、上記水溶性樹脂の中和当量以上であれば特に制限はない。
上記水溶性樹脂の分子量は、重量平均分子量として1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、3,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。分子量が上記範囲であることにより、着色剤の水中での安定的な分散が得られ、また水性インク組成物に適用した際の粘度制御等がしやすい。また、酸価としては50〜300の範囲であることが好ましく、70〜150の範囲であることがより好ましい。酸価がこの範囲であることにより、着色剤粒子の水中での分散性が安定的に確保でき、またこれを用いた水性インク組成物にて印刷された印刷物の耐水性が良好である。
以上述べた水溶性樹脂としては市販品を用いることもできる。詳しくは、ジョンクリル67(重量平均分子量:12,500、酸価:213)、ジョンクリル678(重量平均分子量:8,500、酸価:215)、ジョンクリル586(重量平均分子量:4,600、酸価:108)、ジョンクリル611(重量平均分子量:8,100、酸価:53)
、ジョンクリル680(重量平均分子量:4,900、酸価:215)、ジョンクリル682(重量平均分子量:1,700、酸価:238)、ジョンクリル683(重量平均分子量:8,000、酸価:160)、ジョンクリル690(重量平均分子量:16,500、酸価:240)(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
1.1.4.熱可塑性樹脂粒子
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、熱可塑性樹脂粒子を含有する。該熱可塑性樹脂粒子は、後述する第2の工程においてインクを固化させ、さらにインク固化物を記録媒体上に強固に定着させる作用を有する。この作用により樹脂粒子を含有する水性インク組成物で印刷された印刷物は、インク非吸収性またはインク低吸収性の記録媒体上において耐擦性に優れる。本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物には、水性インク組成物中に完全に溶解するような熱可塑性樹脂粒子が添加されてもよく、水性インク組成物中で粒子として分散している状態(すなわち、エマルジョン状態またはサスペンジョン状態)となるような熱可塑性樹脂粒子を含有させてもよい。
上記の熱可塑性樹脂粒子を構成する成分としては、例えばポリアクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリメタクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリアクリロニトリルもしくはその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレンもしくはそれらの共重合体、石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、ポリ酢酸ビニルもしくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニルもしくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドンもしくはその共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブタジエンもしくはその共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、天然樹脂等が挙げられる。この中で、特に分子構造中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持つものがより好ましい。
上記のような熱可塑性樹脂粒子としては、公知の材料・方法で得られるものを用いることもできる。例えば、特公昭62−1426号公報、特開平3−56573号公報、特開平3−79678号公報、特開平3−160068号公報、特開平4−18462号公報等に記載のものを用いてもよい。また、市販品を用いることもでき、例えば、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
上記の熱可塑性樹脂粒子は、以下に示す方法で得られ、そのいずれの方法でもよく、必要に応じて複数の方法を組み合わせて得てもよい。その方法としては、所望の熱可塑性樹脂粒子を構成する成分の単量体中に重合触媒(重合開始剤)と分散剤とを混合して重合(すなわち乳化重合)する方法、親水性部分を持つ熱可塑性樹脂を水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を水中に混合した後に水溶性有機溶剤を蒸留等で除去することで得る方法、熱可塑性樹脂を非水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を分散剤と共に水溶液中に混合して得
る方法等が挙げられる。上記の方法は、用いる熱可塑性樹脂の種類・特性に応じて適宜選択することができる。熱可塑性樹脂粒子を分散する際に用いることのできる分散剤としては、特に制限はないが、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルリン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩等)、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等)を挙げることができ、これらを単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂粒子の含有量は、水性インク組成物全量に対して、固形分換算で好ましくは0.1質量%〜15質量%であり、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。この範囲内であることにより、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上においても、本実施形態に係る印刷方法に用いられる水性インク組成物を固化・定着させることができる。含有量が0.1質量%未満であるとインク固化・定着の強度が弱くなり、記録媒体表面から剥離しやすくなる場合がある。一方、含有量が15質量%を超えると、水性インク組成物の保存安定性・吐出安定性が確保できない場合がある。
1.1.5.シリコン系界面活性剤
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、シリコン系界面活性剤を含有する。シリコン系界面活性剤は、記録媒体上でインクの濃淡ムラや滲みを生じないように均一に広げる作用を有する。シリコン系界面活性剤の含有量は、水性インク組成物全量に対して、好ましくは0.1質量%〜1.5質量%であり、より好ましくは0.3質量%〜0.7質量%である。シリコン系界面活性剤の含有量が0.1質量%未満であると、記録媒体上でインクが均一に濡れ広がりにくいため、インクの濃淡ムラや滲みが発生しやすい。一方、シリコン系界面活性剤の含有量が1.5質量%を超えると、インクに溶解し難くなる、または、溶解しなくなることがあるため、不溶物の発生によりインクの保存安定性が悪くなることがある。
シリコン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
1.1.6. 1,2−ヘキサンジオール
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、1,2−ヘキサンジオールを含有する。1,2−ヘキサンジオールは、上述したシリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤と相乗して、記録媒体に対する水性インク組成物の濡れ性をさらに高めて均一に濡らす作用を有する。そのため、水性インク組成物に1,2−ヘキサンジオールを含有させることで、さらにインクの濃淡ムラや滲みを低減させることができる。1,2−ヘキサンジオールの機能の1つとしては、いわゆる浸透剤の機能を挙げることができる。なお1,2−ヘキサンジオールの沸点は、223℃程度である。1,2−ヘキサンジオールの含有量は、水性インク組成物全量に対して、3質量%〜8質量%であることが好ましい。浸透剤の含有量が3質量%未満であると、印刷の画質が低下したり、ノズルの目詰まりを生じやすくなる場合がある。一方、浸透剤の含有量が8質量%を超えると、印刷物の耐擦過性が悪くなることがある。ここで、2−ピロリドンの含有量と1,2−ヘキサンジオールの含有量との合計は、水性インク組成物全量に対して10質量%以下であ
ることがさらに好ましい。含有量の合計が10質量%を超えると、印刷物の乾燥の速度が低下することがある。
1.1.7. 1,3−プロパンジオール
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、1,3−プロパンジオールを含有する。1,3−プロパンジオールの機能の1つとしては、インクジェットヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を防止する作用が挙げられる。また、1,3−プロパンジオールの他の機能の1つとしては、水性インク組成物中の水の蒸発を抑制してインク中の顔料や樹脂成分等の固形分の凝集・析出を防止する作用が挙げられる。また、1,3−プロパンジオールの機能の1つとしては、いわゆる保湿剤の機能を挙げることができる。なお1,3−プロパンジオールの沸点は、約213℃である。1,3−プロパンジオールの含有量は、水性インク組成物全量に対して、5質量%〜10質量%である。1,3−プロパンジオールの含有量が5質量%未満であると、ノズルの目詰まりを生じやすくなる場合がある。一方、1,3−プロパンジオールの含有量が10質量%を超えると、インクの乾燥速度の低下、樹脂成分の皮膜形成の阻害、または印刷物の画質の低下を招く場合がある。さらに、1,3−プロパンジオールの含有量が10質量%を超えると、記録媒体上でのインクの固化・定着が阻害されて印刷物の印刷面が剥がれる場合がある。
1.1.8.水
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、水を含有する。水は前記水性インク組成物の主となる媒体であり、後述する乾燥工程において揮発する成分である。
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液およびこれを用いた水性インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
1.1.9.その他の添加成分
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、以上に述べた2−ピロリドン、着色剤、水溶性樹脂、熱可塑性樹脂粒子、シリコン系界面活性剤、1,2−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールおよび水を少なくとも含んでおり、この構成であればプラスチックフィルム上でも濃淡ムラや滲みが少なく耐擦過性に優れた記録物を形成でき、ノズルの目詰まりを生じにくいものとなるが、さらにその特性を向上させる点で、アセチレングリコール系界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を添加することができる。
本実施形態に係る印刷方法で使用する水性インク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤を含有することができる。アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有させると、水性インク組成物は、表面張力およびヘッドノズル面等のインクと接触するプリンタ部材との界面張力をより適正に保つことができるため、これをインクジェット記録方式に適用した場合、吐出安定性をさらに高めることができる。また、アセチレングリコール系界面活性剤を含有させた水性インク組成物は、記録媒体に対して良好な濡れ性・浸透性を示すため、さらに、インクの濃淡ムラや滲みの少ない高精細な画像を得ることができる。アセチレングリコール系界面活性剤を添加する際の含有量は、水性インク組成物全量に対して、好ましくは0.1質量%〜1.0質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜0.5質量%である。アセチレングリコール系界面活性剤を添加するときの含有量が0.1質量%未満であると、記録媒体上でインクが均一に濡れ広がりにくいため、インク
の濃淡ムラや滲みの改良効果が得られにくい。一方、アセチレングリコール系界面活性剤を添加する場合の含有量が1.0質量%を超えると、インクに溶解し難くなる、あるいは溶解しなくなることがあるため、不溶物が発生する場合がある。また、アセチレングリコール系界面活性剤を添加する場合の含有量が1.0質量%を超えると、インクと記録媒体の密着性を低下することがある。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
1.1.10.水性インク組成物の物性
水性インク組成物のpHは、好ましくは中性またはアルカリ性であり、より好ましくは7.0〜10.0の範囲内である。pHが酸性であると、水性インク組成物の保存安定性および分散安定性が損なわれることがある。また、インクジェット記録装置内のインク流路に用いられている金属部品の腐食等の不具合が発生しやすくなる。pHは、上述したpH調整剤を用いて中性またはアルカリ性に調整することができる。
水性インク組成物の粘度は、20℃において1.5mPa・s〜15mPa・sの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、下述する第1の工程においてインクの吐出安定性を確保することができる。
水性インク組成物の表面張力は、25℃において20mN/m〜40mN/mであることが好ましく、25mN/m〜35mN/mであることがより好ましい。この範囲内であれば、下述する第1の工程においてインクの吐出安定性を確保することができ、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対する適正な濡れ性を確保することができる。
1.1.11.水性インク組成物の製造方法
本実施形態に係る印刷方法で用いられる水性インク組成物は、上述した材料を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。ここで、着色剤は、あらかじめ水溶性樹脂と共に均一に分散させた状態を調製した上で混合した方が、取り扱いの簡便さ等から好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
1.2.印刷工程
次に、本実施形態に係るインクジェット記録方式の印刷方法の各工程について詳細に説明する。
1.2.1.第1の工程
本実施形態に係る印刷方法の第1の工程は、インクジェット記録方式で、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に上述した水性インク組成物の液滴を吐出して画像を形成する工程である。
インクジェット記録方式は、上述した水性インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して該液滴を記録媒体に付着させる方式であれば、いかなる方法も使用することができる。インクジェット記録方式として、例えば以下の4つの方式が挙げられる。
第1の方式は、静電吸引方式と呼ばれるもので、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第2の方式は、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第3の方式は、圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第4の方式は、熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
記録媒体としては、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体を用いる。このような記録媒体として、インク非吸収性の記録媒体としては、例えば、インクジェット印刷用に表面処理をしていない(すなわち、インク吸収層を形成していない)プラスチックフィルム、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。インク低吸収性の記録媒体の例としては、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙等が挙げられる。
ここで、インク非吸収性および低吸収性の記録媒体とは、印字面が、ブリストー(Br
istow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
1.2.2.第2の工程
本実施形態に係る印刷方法は、少なくとも上記第1の工程時において、記録媒体上の上記水性インク組成物を乾燥させる第2の工程を有する。第1の工程時において第2の工程を行うことにより、記録媒体上に付着させた上記水性インク組成物中に含有される水を、第1の工程とほぼ同時に速やかに揮発させることができる。これにより、インク吸収層を有しないプラスチックフィルムのようなインク非吸収性記録媒体上においても、濃淡ムラ・滲みが少ない高画質で耐擦過性の良好な画像を得ることができ、しかもノズルの目詰まりを抑制することができる。
このような効果が得られる理由としては、以下のようなことが挙げられる。第1の工程によって、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に付着させた上記水性インク組成物は、付着した瞬間には、当該記録媒体には吸収されず、滴を形成している。この状態において、複数の滴が近接していると互いに滴の合一等が生じ、滴の肥大化や、組成の混合等が生じる場合がある。第2の工程が第1の工程と同時に行われると、上記水性インク組成物が記録媒体に付着した瞬間に、上記水性インク組成物中に含有される液体成分が速やかに減少される。このとき、2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、および1,3−プロパンジオールは、水よりも沸点が高いため、水のほうが他の成分よりも早く減少する。
そうすると、滴の中の液体成分が減少すること、および、滴の中の液体成分における水の相対的な量が減少して、滴の中の成分の組成において、2−ピロリドンが濃化し、熱可塑性樹脂粒子の溶解性が高まること、が寄与して滴を構成する水性インク組成物の粘度が上昇する。これにより、滴の肥大化や、滴中の組成の混合等の速度を低下させることができる。
さらに、滴の中の成分の組成において、2−ピロリドンが濃化することにより、熱可塑性樹脂粒子を膨潤または軟化させる作用が高まり、熱可塑性樹脂粒子の有するインクを固化させ、インク固化物を記録媒体上に定着させる作用を高めることができる。
第2の工程は、水性インク組成物中に存在する液体成分の揮発を促進させる方法であれば特に限定されない。第2の工程に用いられる方法として、第1の工程時に記録媒体に熱を加える方法、第1の工程時に記録媒体上の水性インク組成物に風を吹きつける方法、さらにそれらを組み合わせる方法等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱、輻射加熱、電導加熱、高周波乾燥、マイクロ波加熱等が好ましく用いられる。
第2の工程において熱を与える際の温度範囲は、水性インク組成物中に存在する液体成分の揮発を促進することができる温度である必要があり、40℃以上であればその効果が得られ、好ましくは40℃〜80℃であり、より好ましくは40℃〜60℃の範囲である。温度が80℃を超える場合、記録媒体の種類によっては変形等の不具合が生じて第2の工程後の記録媒体の搬送に支障が生じたり、記録媒体が室温まで冷えた際に収縮等の不具合が起こる場合がある。
また、第2の工程における加熱時間は、水性インク組成物中に存在する液体成分が所望
の量だけ揮発するようにできれば特に制限はなく、用いる液体成分、樹脂成分・印刷速度、乾燥の効率等を加味して適宜設定することができる。
上記第2の工程によって、水性インク組成物中の液体成分をすべて除去してもよいし、液体成分の一部を残すようにしてもよい。なお、上記の第2の工程は、第1の工程時に行われるが、その後において、さらに1回以上行われてもよい。また、第2の工程の後は、形成された印刷物は、他の方法で乾燥してもよく、たとえば大気中、室温で乾燥させてもよい。
以上説明した本実施形態に係るインクジェット記録方式の印刷方法によれば、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に画像を形成することができ、インクの滲みが少なく高画質で耐擦過性の優れた画像が得られ、しかも用いるインクジェット記録装置のノズルの目詰まりを生じにくい。
2.実施例および比較例
以下、本発明を実施例および比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」は、「質量部」のことを指す。
2.1.水性インク組成物の調製
2.1.1.顔料分散液の調製
本実施例で使用する水性インク組成物は、着色剤として水不溶性の顔料を使用した。顔料を水性インク組成物に添加する際には、あらかじめ該顔料を水溶性樹脂で分散させた。
顔料分散液は、以下のようにして調製した。まず、30%アンモニア水溶液(中和剤)0.6質量部を溶解させたイオン交換水84.4質量部に、水溶性樹脂としてアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:25,000、酸化:180)3質量部を加えて溶解させた。そこに、下記の顔料12質量部を加えてジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行なった。その後、遠心分離機による遠心ろ過を行って粗大粒子やゴミ等の不純物を除去し、顔料濃度が12質量%となるように調整した。以下に、顔料分散液の製造に使用した顔料種を示す。
C.I.ピグメントブラック7(ブラック顔料分散液1に使用)
C.I.ピグメントイエロー74(イエロー顔料分散液に使用)
C.I.ピグメントレッド122(マゼンタ顔料分散液に使用)
C.I.ピグメントブルー15:3(シアン顔料分散液に使用)
2.1.2.水性インク組成物およびインクセットの調製
まず、上記の「2.1.1.顔料分散液の調製」で調製した顔料分散液を用いて、表1に示す材料組成にて、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色の水性インク組成物を調製して1組のインクセットとし、異なる組成を有するインクセット1〜10を得た。各水性インク組成物は、表1に示す材料を容器中に入れ、マグネチックスターラーにて2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより調製した。なお、表1中の数値は、全て質量%を示し、イオン交換水は、最終的に表1の配合となるように添加した。
Figure 2010090270
表1において、熱可塑性樹脂粒子は、スチレン−アクリル酸共重合体を用いた。シリコン系界面活性剤として使用した「BYK−348」は商品名であり、ビックケミー・ジャパン株式会社製である。また、アセチレングリコール系界面活性剤として使用した「サーフィノール104−PG−50」は商品名であり、日信化学工業株式会社製である。
2.1.3.評価試料の作製
記録媒体として、インク非吸収性のポリエチレンテレフタレートフィルムであるコールドラミネートフィルムPG−50L(商品名、ラミーコーポレーション社製)(以下、「PETフィルム」という。)と、インク低吸収性のグロス系微コート紙のOKトップコート+(商品名、王子製紙株式会社製)(以下、「OKトップ」という。)と、を用いた。
インクジェット記録方式のプリンタとして、インクジェットプリンタPX−G930(商品名、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)の紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けて改造したものを用いた。
インクジェットプリンタPX−G930に上述のインクセットのいずれか1種を充填して、上記記録媒体に印刷した。印刷条件は、プリンタのヒーター設定温度を「35℃」、「40℃」、または「50℃」の三水準とした。印刷中のプリンタのヘッドの近傍にある記録媒体の表面温度を測定したところ、各水準とも、ヒータ設定温度と略同じであった。
上述した各インクセットを、三水準の温度で印刷し、表2に示すように、実施例1〜12、および比較例1〜18の評価用試料を作製した。
Figure 2010090270
2.2.印刷評価
2.2.1.画質の評価
印刷パターンとしては、横720dpi、縦720dpiの解像度で、隣接した異なる2色のパターンを、インク量を変化させて印刷し、印刷直後に60℃の乾燥機に導入し、1分間加熱乾燥した後、各色の境界部における滲みの有無を調べた。記録媒体ごとに、評価の基準として、以下のようにし、評価結果を表2に記した。
(PETフィルム)
◎:印刷インク量1.6mg/cmにおいて、滲みが認められない
○:印刷インク量1.4mg/cmにおいて、滲みが認められない
△:印刷インク量1.1mg/cmにおいて、滲みが認められない
×:印刷インク量1.1mg/cmにおいて、滲みが認められる
(OKトップ)
◎:印刷インク量1.8mg/cmにおいて、滲みが認められない
○:印刷インク量1.6mg/cmにおいて、滲みが認められない
△:印刷インク量1.3mg/cmにおいて、滲みが認められない
×:印刷インク量1.3mg/cmにおいて、滲みが認められる
2.2.2.目詰まり性の評価
ヒーター設定温度を50℃とし、それぞれの組成物について、印刷インク量0.3mg/cmでベタパターンをA4サイズの記録媒体(OKトップ)に連続して100枚印刷した。その後、100枚目の印刷物を観察し、ドット抜けとドット曲がりの有無を調べた。評価の基準としては以下のようにし、評価結果を表2に記した。
○:ドット抜けおよびドット曲がりがともに認められない
×:ドット抜けまたはドット曲がりが認められる
2.2.3.放置回復性の評価
「2.2.2.目詰まり性の評価」と同様にして、A4サイズの記録媒体(OKトップ)に連続して100枚印刷した後、インクジェットプリンタを室温で24時間放置した。この間インクジェットプリンタのヘッドのノズル面は、インクジェットプリンタに付属しているキャップによって覆われるようにした。24時間経過後、当該インクジェットプリンタのフラッシング操作を行い、再びA4サイズの記録媒体への印刷を行った。得られた印刷物を観察し、ドット抜けとドット曲がりの有無を調べた。評価の基準としては以下のようにし、評価結果を表2に記した。
○:ドット抜けおよびドット曲がりがともに認められない
×:ドット抜けまたはドット曲がりが認められる
2.2.4.耐擦過性の評価
上記で作成したPETフィルムへの印刷物について、70℃の恒温槽で10分間加熱乾燥した後、室温で16時間乾燥させた。乾燥処理後の印刷物の印刷面を学振型摩擦堅牢度試験機を使用して、荷重500g、綿布で50回擦り、印刷面の傷の有無を調べた。評価の基準としては以下のようにし、評価結果を表2に記した。
○:傷が認められない
△:やや傷が認められる
×:大きな傷が認められる
2.3.評価結果
表1に示すように、水性インク組成物として2−ピロリドンと、水不溶性の着色剤と、水溶性樹脂と、熱可塑性樹脂粒子と、シリコン系界面活性剤と、1,2−ヘキサンジオールと、1,3−プロパンジオールと、水と、を含有し、水性インク組成物中における2−ピロリドンの含有量が、3.0質量%〜10.0質量%であり、水性インク組成物中における前記1,3−プロパンジオールの含有量が、5.0質量%〜10.0質量%であるインクセット1〜6を用い、かつ、表2に示すように、第2工程の温度すなわちプリンタのヒーター設定温度を40℃、または50℃とした実施例1〜12は、画質、目詰まり性、放置回復性、および耐擦過性において、いずれも良好な結果を示した。
これに対して、比較例1〜6は、インクセット1〜6を用いて、第2工程の温度すなわちプリンタのヒーター設定温度を35℃としたものであるが、特にPETフィルムに印刷した場合に、印刷物に滲みが認められ、画質は良好ではなかった。
一方、水性インク組成物として、いずれかの成分が上記の組成範囲を逸脱しているか、必要な成分が1種以上含まれていない、インクセット7〜10では、第2工程の温度に関わらず、画質、耐擦過性、および目詰まり性の少なくとも1つの評価が不良となった(比
較例7〜18)。
以上のように、実施例1〜12に示した印刷方法は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に画像を形成することができ、インクの滲みが少なく高画質で耐擦過性の優れた画像が得られ、しかもインクジェット記録装置のノズルの目詰まりを生じにくい印刷方法であることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (8)

  1. インクジェット記録方式で、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に水性インク組成物の液滴を吐出して画像を形成する第1の工程と、
    少なくとも前記第1の工程時において、前記記録媒体上の前記水性インク組成物を乾燥させる第2の工程と、
    を含む印刷方法であって、
    前記水性インク組成物は、2−ピロリドンと、水不溶性の着色剤と、水溶性樹脂と、熱可塑性樹脂粒子と、シリコン系界面活性剤と、1,2−ヘキサンジオールと、1,3−プロパンジオールと、水と、を含有し、
    前記水性インク組成物中における前記2−ピロリドンの含有量は、3.0質量%〜10.0質量%であり、
    前記水性インク組成物中における前記1,3−プロパンジオールの含有量は、5.0質量%〜10.0質量%であることを特徴とする、インクジェット記録方式の印刷方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2の工程は、前記記録媒体を40℃〜80℃に加熱する工程および前記記録媒体上の前記水性インク組成物に40℃〜80℃の風を吹きつける工程、の少なくとも一方を含む、インクジェット記録方式の印刷方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記熱可塑性樹脂粒子は、2−ピロリドンを溶媒としたときに膨潤または溶解する、インクジェット記録方式の印刷方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記水性インク組成物中における前記1,2−ヘキサンジオールの含有量は、3.0質量%〜6.0質量%である、インクジェット記録方式の印刷方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記水性インク組成物は、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤を含む、インクジェット記録方式の印刷方法。
  6. 請求項5において、
    前記水性インク組成物中における前記アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、0.1質量%〜1.0質量%である、インクジェット記録方式の印刷方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記水性インク組成物の20℃における粘度は、1.5mPa・s〜15mPa・sである、インクジェット記録方式の印刷方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    前記水性インク組成物中における前記シリコン系界面活性剤の含有量は、0.1質量%〜1.5質量%である、インクジェット記録方式の印刷方法。
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