JP6132080B2 - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
従来から、インクを液滴として吐出するノズルを有するインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置を用いて所望の画像を得るために、多様な種類のインクが用いられる。例えば、特許文献1には、白色顔料を含有する白色系インクと、樹脂を含有し色材を含有しない樹脂インクが開示されており、これらのインクを用いて耐擦性に優れた白色画像が得られることが記載されている。
ところで、上記白色系インクや、光輝性顔料(例えば、アルミニウム顔料)を含有する光輝性インクは、これらを単独で用いて画像を形成する場合に用いられるだけでなく、カラー画像の背景用の画像(つまり、カラー画像の下地層)の形成に使用される場合がある。例えば、白色系インクは、透明シート等の記録媒体にカラー画像を記録する際に、カラー画像の透過性を下げるための白色遮蔽層の形成に使用される。また、光輝性インクは、カラー画像にメタリック調の外観を与えたい場合に、その下地層の形成に使用される。
このように背景画像を形成することにより、その上に記録されるカラー画像の発色性を高めたり、独特の色調を付与したりすることができる。
特開2009−137124号公報
背景画像上にカラー画像を形成する場合に、カラー画像の定着性が不十分になったり、背景画像上のカラー画像が形成されていない領域の定着性が不十分になったりすることがある。このような画像の定着性の低下を抑制するために、例えば、カラー画像および背景画像を樹脂インクで覆ったり、各インクと樹脂インクを併用したりする方法が考えられる。
しかしながら、樹脂インクを用いて画像の定着性の向上を図っても、背景画像を形成するためのインク(以下、「背景用インク」ともいう。)や、カラー画像を形成するためのインク(以下、「カラーインク」ともいう。)に含まれる成分に起因して、画像の乾燥性が低下し、十分な定着性が得られない場合があった。
また、樹脂インクを用いると、記録媒体上のインクに由来する水分や揮発成分(例えば、有機溶媒)の量が増加するので、記録媒体上に記録された画像の乾燥性が著しく低下する場合があった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、乾燥性および定着性に優れた画像を記録できるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
インクジェット記録用ヘッドのノズルからインクを吐出させて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
背景用の色材を含有する背景用インクを吐出させて、前記記録媒体の第1領域および第2領域に付着させ、画像を記録する第1画像記録工程と、
前記背景用の色材以外の色材を含有するカラーインクを吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する第2画像記録工程と、
前記記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する加熱工程と、
を含み、
(A)前記第2画像記録工程が、樹脂を含有して色材を実質的に含有しない樹脂インクと、前記カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する工程であること、
および、
(B)前記樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録する第3画像記録工程を含むこと、
のうち少なくとも一方を満たし、
前記背景用インクおよび前記カラーインクの少なくとも一方は、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しない。
適用例1に記載の態様によれば、乾燥性に優れつつ、定着性にも優れた画像を記録できる。
[適用例2]
適用例1において、
前記(A)を満たす場合において、
前記第2画像記録工程は、前記第2領域の前記背景用インク上に前記樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含むことができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2おいて、
前記(B)を満たす場合において、
前記第3画像記録工程は、前記第2領域の前記背景用インク上に前記樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含むことができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記(A)および前記(B)の両方を満たすことができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記背景用インクおよび前記カラーインクは、それぞれ、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないことができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記背景用インクおよび前記カラーインクは、それぞれ、樹脂を含有し、
前記背景用インク中における、前記樹脂および前記背景用の色材の含有量の合計は、9質量%以上であり、
前記カラーインク中における、前記樹脂および前記背景用の色材以外の色材の含有量の合計は、9質量%以上であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、
前記第1画像記録工程で記録される画像に含まれる前記背景用の色材の量は、0.8mg/inch以上であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
前記(A)を満たす場合において、
前記第2画像記録工程において、前記カラーインクおよび前記樹脂インクを、前記インクジェット記録用ヘッドの同一走査時に吐出させることができる。
[適用例9]
本発明に係るインクジェット記録装置の一態様は、
適用例1ないし適用例8のいずれか1例に記載のインクジェット記録方法を用いる。
適用例9に記載の態様によれば、乾燥性に優れつつ、定着性にも優れた画像を記録できる。
[適用例10]
本発明に係るインクジェット記録装置の一態様は、
インクを吐出するノズルを備えたインクジェット記録用ヘッドと、
複数のモードを実行させる制御部と、
加熱手段と、
を有し、
前記複数のモードは、
背景用の色材を含有する背景用インクを吐出させて、記録媒体の第1領域および第2領域に付着させ、画像を記録する第1モードと、
前記背景用の色材以外の色材を含有するカラーインクを吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録すること、
または、前記樹脂を含有して色材を実質的に含有しない樹脂インクと、前記カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録すること、を選択して行う第2モードと、
前記加熱手段によって、前記記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する加熱モードと、
を含み、
前記制御部は、前記第1モード、前記第2モードおよび前記加熱モードを実行させ、
前記背景用インクおよび前記カラーインクの少なくとも一方は、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しない。
適用例10に記載の態様によれば、乾燥性に優れつつ、定着性にも優れた画像を記録できる。
[適用例11]
適用例10において、
さらに、前記複数のモードは、
前記樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録すること、
または、前記第1領域の前記カラーインク上に、前記樹脂インクを付着させないこと、を選択して行う第3モードと、
を含み、
前記制御部は、前記第1モード、前記第2モード、前記第3モードおよび前記加熱モードを実行させることができる。
本実施形態に係る記録方法おける第1画像記録工程によって背景画像(W)の記録された記録媒体を示す模式図。 本実施形態に係る記録方法おける第2画像記録工程によって第1領域の背景画像(W)上にカラー画像(Co)が記録された記録媒体を示す模式図。 本実施形態に係る記録方法おける第2画像記録工程の態様(A)によって第1領域の背景画像(W)上にカラー画像(Co+Cl)が記録された記録媒体を示す模式図。 本実施形態に係る記録方法おける第3画像記録工程によって第1領域のカラー画像(Co)上に画像(Cl)が記録された記録媒体を示す模式図。 本実施形態に係る記録方法おける第3画像記録工程によって、第1領域のカラー画像(Co+Cl)上に画像(Cl)が記録された記録媒体を示す模式図。 本実施形態に係る記録方法に適用可能なプリンターの構成を示す斜視図。 本実施形態に係る記録方法に適用可能なプリンターのノズル面を示す概略図。 実施例における記録方法(I)により得られる画像の断面を示す模式図。 実施例における記録方法(II)により得られる画像の断面を示す模式図。 実施例における記録方法(III)により得られる画像の断面を示す模式図。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.インクジェット記録方法
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録方法は、
インクジェット記録用ヘッドのノズルからインクを吐出させて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
背景用の色材を含有する背景用インクを吐出させて、前記記録媒体の第1領域および第2領域に付着させ、画像を記録する第1画像記録工程と、
前記背景用の色材以外の色材を含有するカラーインクを吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する第2画像記録工程と、
前記記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する加熱工程と、
を含み、
(A)前記第2画像記録工程が、樹脂を含有して色材を実質的に含有しない樹脂インクと、前記カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する工程であること、
および、
(B)前記樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録する第3画像記録工程を含むこと、
のうち少なくとも一方を満たし、
前記背景用インクおよび前記カラーインクの少なくとも一方は、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しない。
以下、本実施形態に係るインクジェット記録方法について、工程毎に詳細に説明する。
1.1.第1画像記録工程
第1画像記録工程は、背景用インク(後述)を吐出させて、記録媒体の第1領域および第2領域に付着させ、画像を記録する工程である。
図1は、第1画像記録工程によって、背景画像(W)の記録された記録媒体を示す模式図である。具体的には、図1(a)は、第1領域および第2領域に背景画像(W)の記録された記録媒体の上面を示す図である。また、図1(b)は、図1(a)のb−b’断面を示す図である。
このように、第1画像記録工程によって、第1領域および第2領域に背景用インクからなる背景画像(W)が記録される。
第1画像記録工程で記録される画像に含まれる背景用の色材(後述)の量は、0.8mg/inch以上であることが好ましく、0.9mg/inch以上であることがより好ましく、1.3mg/inch以上であることがさらに好ましい。背景用の色材の量が0.8mg/inch以上であることで、記録媒体の色の影響を少なくしたり、透明シートを用いる場合にカラー画像が透過することを抑制したりできるので、背景画像の上に記録されるカラー画像の発色性を向上できる場合がある。
1.2.第2画像記録工程
第2画像記録工程は、第1画像記録工程の後に行われ、少なくともカラーインク(後述)を吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する工程である。
図2は、第2画像記録工程によって、第1領域の背景画像(W)上にカラー画像(Co)が記録された記録媒体を示す模式図である。具体的には、図2(a)は、第1領域の背景画像(W)上にカラー画像(Co)の記録された記録媒体の上面を示す図である。また、図2(b)は、図2(a)のb−b’断面を示す図である。
このように、第2画像記録工程によって、第1領域の背景画像(W)上にカラーインクからなるカラー画像(Co)が記録される。
1.3.第2画像記録工程の他の態様
第2画像記録工程では、カラーインクに加えて、樹脂インク(後述)を吐出することができる。すなわち、第2画像記録工程は、(A)樹脂インクと、前記カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する工程であってもよい(以下、「第2画像記録工程の態様(A)」ともいう。)。
第2画像記録工程において、カラーインクのみからなるカラー画像(Co)を記録する態様と、カラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像(Co+Cl)を記録する態様のうち、いずれの態様を選択するかは、例えばユーザーが適宜決定することができる。
本発明において「実質的に同一時」とは、一方のインクおよび他方のインクの両インクの液滴が、互いに混ざり合うことができるタイミングで吐出されることをいう。また、一方のインクが、記録媒体に着弾後に流動している状態で、他方のインクを吐出する場合を含む。具体的には、ノズルを記録媒体に対して走査させてインクの吐出を行う種類の一般的なインクジェット記録装置を用いる場合、1回の走査(以下、「1回のパス」ともいう。)内で一方のインクおよび他方のインクの両者により、一の画像を形成するときをいう。したがって、両方のインクを全く同時に吐出する場合の他、1回のパス内において一方のインクを吐出した後に他方のインクを吐出する場合についても、「実質的に同一時」に含まれる。
図3は、第2画像記録工程の態様(A)により、第1領域の背景画像(W)上に、カラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像(Co+Cl)が記録された記録媒体を示す模式図である。具体的には、図3(a)は、第1領域の背景用インク(W)上にカラー画像(Co+Cl)の記録された記録媒体の上面を示す図である。また、図3(b)は、図3(a)のb−b’断面を示す図である。
このように、第2画像記録工程の態様(A)によって、第1領域の背景画像(W)上にカラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像(Co+Cl)が記録される。カラー画像がカラーインクおよび樹脂インクから形成されていると、樹脂インクに含まれる樹脂によって、カラーインクの定着性を向上することができる。
図示しないが、第2画像記録工程の態様(A)において、第2領域の背景用インク(背景画像(W))上に、樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含んでいてもよい。これにより、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)を形成することができる。このように、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)が形成されると、樹脂インクからなる画像(Cl)によって第2領域の背景画像(W)をコーティングできるので、第2領域に形成された背景画像(W)の定着性を向上できる。
第1領域へのカラー画像(Co+Cl)の記録と、第2領域への樹脂インクからなる画像(Cl)の記録は、同一走査時に行うことができる。これにより、記録媒体の通紙回数を減らしたり、キャリッジの走査回数を減らしたりすることができるので、印刷スピードを向上できる場合がある。
1.4.第3画像記録工程
第3画像記録工程は、(B)第2画像記録工程後に行われ、樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録する工程である。
第3画像記録工程によって、図4に示すように、第1領域のカラー画像(Co)上に樹脂インクからなる画像(Cl)が記録される。
ここで、図4は、第3画像記録工程によって、第1領域のカラー画像(Co)上に、樹脂インクからなる画像(Cl)が記録された記録媒体を示す模式図である。具体的には、図4(a)は、第1領域のカラー画像(Co)上に樹脂インクからなる画像(Cl)の記録された記録媒体の上面を示す図である。また、図4(b)は、図4(a)のb−b’断面を示す図である。
第3画像記録工程は、第1領域の背景画像(W)上にカラーインクのみからなるカラー画像(Co)を記録する場合(つまり、第2記録工程の態様(A)を選択しない場合)には、必須の工程である。カラーインクのみからなるカラー画像(Co)は、定着性に優れない傾向にあるため、カラーインクを樹脂インクでコーティングすることで、カラー画像(Co)の定着性を向上できる。
一方、第2画像記録工程の態様(A)を行う場合には、第3画像記録工程は、任意の工程である。第2画像記録工程の態様(A)を行った後に、第3画像記録工程を行う場合には、図5に示すように、第1領域のカラー画像(Co+Cl)上に、樹脂インクからなる画像(Cl)が記録される。
ここで、図5は、第3画像記録工程によって、第1領域のカラー画像(Co+Cl)上に、樹脂インクからなる画像(Cl)が記録された記録媒体を示す模式図である。具体的には、図5(a)は、第1領域のカラー画像(Co+Cl)上に樹脂インクからなる画像(Cl)の記録された記録媒体の上面を示す図である。また、図5(b)は、図5(a)のb−b’断面を示す図である。
このように、第1領域のカラー画像(Co+Cl)上に樹脂インクからなる画像(Cl)を記録すると、カラー画像(Co+Cl)の定着性が一層向上する。
図示しないが、第3画像記録工程において、第2領域の背景用インク(背景画像(W))上に、樹脂インク(後述)を付着させて、画像を記録することを含んでいてもよい。これにより、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)を形成することができる。このように、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)が形成されると、樹脂インクからなる画像(Cl)によって第2領域の背景画像(W)をコーティングできるので、第2領域に形成された背景画像(W)の定着性を向上できる。
第3画像記録工程において、第1領域への樹脂インクからなる画像(Cl)の記録と、第2領域への樹脂インクからなる画像(Cl)の記録は、同一走査時に行うことができる。これにより、記録媒体の通紙回数を減らしたり、キャリッジの走査回数を減らしたりすることができるので、印刷スピードを向上できる場合がある。
1.5.加熱工程
加熱工程は、記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する工程である。加熱工程は、記録媒体を加熱することにより、記録媒体上に付着したインク(画像)を乾燥させるものである。
本工程により、記録媒体に付着したインクに含まれる液媒体が速やかに蒸発飛散しやすくなるので、インクの皮膜を形成しやすくなる。これにより、記録媒体上においてインクの乾燥物が強固に定着(接着)した画像を短時間で得ることができる。
なお、本明細書において、記録媒体を加熱する場合の加熱温度は、記録媒体、より詳しくはその被記録面における温度を指す。当該加熱温度は、赤外線サーモグラフィ装置 H2640/H2630(NEC Avio赤外線テクノロジー社製)を用いたサーモグラフで測定することができる。
記録媒体の加熱タイミングは、上記の目的を達成できる限り特に限定されるものではなく、例えば、インクの吐出前、吐出中、及び吐出後のうち少なくとも一のタイミングで行うことができる。
インクの吐出前の加熱としては、以下に限定されないが、例えば、加熱手段を搬送方向の上流側に設けて、記録媒体を予め加熱しておくことが挙げられる。この場合、インクが付着するときの記録媒体の被記録面の温度が35〜60℃程度であるとよい。
インクの吐出中の加熱としては、以下に限定されないが、例えば、ヘッドから記録媒体に向けてインクが吐出される領域の下方(搬送面から見て記録媒体の反対側)に加熱手段を設け、インクの吐出及び着弾(付着)と記録媒体の加熱とを同時に行うことが挙げられる。また、ヘッドから見て記録媒体と反対側(ヘッドの上方)に加熱手段を設けて記録媒体を加熱してもよい。
吐出後の加熱としては、以下に限定されないが、例えば、加熱手段を搬送方向の下流側に設けて、インクが付着した記録媒体を加熱することが挙げられる。
これまで説明してきた加熱手段の具体例としては、記録媒体の搬送面より下方(搬送面から見て記録媒体の反対側)にプラテンヒーターを設けて、被記録面と反対側から記録媒体を加熱する手段、搬送途中に記録媒体を潜らせる加熱室又は恒温槽を設けて、記録媒体を様々な方向から加熱する手段、及び記録媒体の搬送面より上方にヒーターを設けて、被記録面の側から記録媒体を加熱する手段などが挙げられる。また、プラテンヒーターを含むヒーター、加熱室、及び恒温槽の種類としては、以下に限定されないが、例えば、温風ヒーター、熱風ヒーター、及び赤外線ヒーターが挙げられる。
記録媒体の加熱温度は、35℃以上100℃以下である。加熱温度が35℃以上であると、インク中の液媒体の蒸発飛散を効果的に促進することができ、インクの乾燥性(速乾性)が優れたものとなる。また、加熱温度が100℃以下であると、記録媒体の変形を抑制したり、記録媒体の加熱冷却の際に画像の収縮などを抑制したりすることができる。また、上記の効果が一層大きくなるため、加熱温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上である一方、加熱温度の上限は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。
本実施形態に係るインクジェット記録方法には、所望に応じてどのような種類の記録媒体でも使用できる。特に、本実施形態に係るインクジェット記録方法は、上述した各工程に加えて、背景用インクおよびカラーインクの少なくとも一方に標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないため(後述)、インクの定着性や乾燥性が低下しやすいインク非吸収性又は低吸収性の記録媒体に対しても良好な画像を記録できる。
本発明において、「インク非吸収性又は低吸収性の記録媒体」とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体」を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
インク非吸収性の記録媒体として、以下に限定されないが、例えば、インクジェット記録用に表面処理をしていない(すなわち、インク吸収層を形成していない)プラスチックフィルム、並びに紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているもの及びプラスチックフィルムが接着されているものが挙げられる。当該プラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。
インク低吸収性の記録媒体として、以下に限定されないが、例えば、アート紙、コート紙、及びマット紙などの印刷本紙が挙げられる。
2.インクジェット記録装置
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、インクジェット記録装置を用いて行われる。
以下、本実施形態に係るインクジェット記録方法に適用可能なインクジェット記録装置の一例について、図面を参照しながら説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本実施形態では、インクジェット記録装置としてインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例示する。なお、本発明はこの装置構成に限定されるわけではない。
2.1.装置構成
図6は、本実施形態におけるプリンター1の構成を示す斜視図である。図6に示すプリンター1は、シリアルプリンターである。シリアルプリンターとは、所定の方向に移動するキャリッジにインクジェット記録用ヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)が搭載されており、キャリッジの移動に伴ってヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するもののことをいう。
図6に示すように、プリンター1は、ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、ヘッド2の下方に配設され記録媒体Pが搬送されるプラテン5と、記録媒体Pを加熱するための加熱機構6と、キャリッジ4を記録媒体Pの媒体幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、記録媒体Pを媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。また、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御し、かつ、複数のモードを実行させる制御部CONTを有している。なお、上記媒体幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)である。上記媒体送り方向とは、副走査方向(主走査方向に直交する方向)である。
制御部CONTは、命令情報を受け付ける命令情報受付手段を有することができる。命令情報は、ユーザーによる操作受付手段(例えば、プリンター20に設けられたタッチパネルや操作ボタン、プリンター20に接続されたPC等のキーボード等)の操作に基づいて出力されて、命令情報受付手段に受け付けられる。また、命令情報としては、例えば、後述する各モードの実行命令等が挙げられる。
また、制御部CONTは、命令情報受付手段から出力された命令情報を受け付けて実行動作を行う命令実行手段を有することができる。命令実行手段は、上述したキャリッジ4、ヘッド2、キャリッジ移動機構7、媒体送り機構8、加熱機構6等の各動作の実行タイミング等を制御したり、連携させたりする実行動作を行うことができる。
ヘッド2は、インクを微少粒径の液滴にしてノズル17から吐出して、記録媒体P上に付着させる。ヘッド2は、上記の機能を有すれば特に限定されず、どのようなインクジェット記録方式を用いてもよい。ヘッド2のインクジェット記録方式としては、例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に吐出させ、インクの液滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏光電極に与えて記録する方式またはインクの液滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して吐出させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を吐出させる方式、インクに圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インクの液滴を吐出・記録させる方式(ピエゾ方式)、インクを印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を吐出・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
図7は、本実施形態に係るヘッド2のノズル面15を示す概略図である。図7に示すように、ヘッド2は、ノズル面15を備える。インクの吐出面でもあるノズル面15には、複数のノズル列16が配列されている。複数のノズル列16は、ノズル列毎に、インクを吐出するためのノズル17を複数有する。
複数のノズル列16は、ノズル列毎に、例えば異なる組成のインクを吐出可能になっている。図7の例では、ノズル列がインクの組成に対応して3列設けられており、各ノズル列が主走査方向に沿って配列されている。具体的には、背景用インクを吐出可能なノズル列16A、カラーインクを吐出可能なノズル列16B、樹脂インクを吐出可能なノズル列16Cからなる。
図7の例では、ノズル列16A〜16Cは、それぞれ、ノズル面15上で主走査方向に対して交差する副走査方向に延びているが、これに限定されず、ノズル面15内で主走査方向に対して交差する方向に角度を与えられて配置されていてもよい。
ノズル17は、所定のパターンで複数配列されることにより、ノズル列を形成する。本実施形態では、ノズル17は、ノズル面15における副走査方向に複数並べられて配置されているが、これに限定されず、例えばノズル面15における主走査方向と直交する方向に沿ってジグザグ状に配置されていてもよい。なお、ノズル列を構成するノズル17の数は、特に限定されるものではい。
上述のようにシリアルヘッドタイプのプリンター(記録装置)を中心に説明したが、この態様に限定されない。具体的には、記録ヘッドが固定化され副走査方向に順に配列されているラインヘッドタイプのプリンター、特開2002−225255号公報に記載されたようなX方向、Y方向(主走査方向、副走査方向)移動する以降機構が設けられたヘッド(キャリッジ)を備えるラテラルタイプのプリンターであっても良い。例えば、surepressL−4033A(セイコーエプソン株式会社製)は、ラテラルタイプのプリンターである。
2.2.モード
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、制御部からの命令に基づいて、複数のモードを実行する。本発明におけるモードとは、インクジェット記録装置を用いて記録媒体上に所望の画像を記録するための態様をいう。なお、本発明において「画像」とは、ドット群から形成される印字パターンを示し、テキスト印字、ベタ印字も含める。
2.2.1.第1モード
第1モードは、背景用インクを吐出させて、記録媒体の第1領域および第2領域に付着させ、画像を記録する態様である。すなわち、第1モードは、第1画像記録工程に対応するので、その詳細な説明を省略する。
2.2.2.第2モード
第2モードは、以下の(a−1)又は(a−2)のうち一方を選択して実行する態様であり、第1モード終了後に実行される。
(a−1)は、カラーインクを吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する態様である。(a−1)は、上述した第2画像記録工程に対応するので、その詳細な説明を省略する。
一方、(a−2)は、樹脂インクと、カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録すること態様である。(a−2)は、上述した第2画像記録工程の態様(A)に対応するので、その詳細な説明を省略する。また、(a−2)は、第2画像記録工程の態様(A)と同様に、第2領域の背景用インク上に樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含んでいてもよい。
第2モードにおける(a−1)と(a−2)の選択は、例えば上述した操作受付手段を用いて、ユーザーが任意に行うことができる。具体的には、ユーザーによる上述した操作受付手段の操作によって出力された命令情報を基に、制御部CONTがインクジェット記録装置に命令情報を実行させる。
2.2.3.第3モード
複数のモードは、第3モードを含んでいてもよい。第3モードは、下記(b−1)又は(b−2)のうち一方を選択して実行する態様であり、第2モードの終了後に実行される。
(b−1)は、樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録する態様である。(b−1)は、上述した第3画像記録工程に対応するので、その詳細な説明を省略する。また、(b−1)は、第2領域の背景用インク上に、樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含んでいてもよい。
一方、(b−2)は、前記第1領域の前記カラーインク上に、樹脂インクを付着させない態様である。すなわち、カラー画像上に、樹脂インクからなる画像を記録しない態様である。
また、(b−1)および(b−2)は、いずれも、第2領域の背景用インク上に樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含んでいてもよい。
第3モードにおける(b−1)と(b−2)の選択は、ユーザーが任意に行ってもよいが、第2モードにおいて(a−1)が選択されて実行された場合には、(b−1)を選択するような命令をあらかじめ制御部CONTに記憶させておくことが好ましい。(a−1)を実行した後、(b−2)が選択されると、カラー画像の定着性が不十分になる場合があるためである。
2.2.4.加熱モード
複数のモードは、加熱手段(加熱機構)によって、記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する加熱モードを含む。加熱モードは、上述した加熱工程に対応するので、その詳細な説明を省略する。加熱モードが実行されるタイミングとしては、上述した加熱工程と同様に、記録媒体上の画像を乾燥できるのであれば、特に限定されるものではない。
3.インク
本実施形態に係るインクジェット記録方法には、背景用インク、カラーインクおよび樹脂インクが用いられる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法に用いられる上記のインクのうち、背景用インクおよびカラーインクの少なくとも一方は、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しない。これにより、記録媒体の変形及び画像の劣化を抑制する目的で記録媒体の加熱温度を35〜100℃としても、インクの乾燥性に優れるため高速印刷を実現でき、かつ、画像の定着性が優れたものとなる。
特に、背景用インクおよびカラーインクのそれぞれに、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないことが好ましい。これにより、記録される画像の乾燥性が一層向上し、にじみの少ない優れた画像を記録できる。
標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体としては、例えば、2−ピロリドン(標準沸点245℃)が挙げられる。なお、上記ピロリドン誘導体には、ビニルピロリドンを高分子化したポリビニルピロリドンは含まれない。
なお、本発明において、「Aを実質的に含まない」とは、インクを製造する際にAを意図的に添加しないという程度の意味であり、インクを製造中又は保管中に不可避的に混入又は発生する微量のAを含んでいても構わない。「実質的に含まない」の具体例としては、たとえば1.0質量%以上含まない、好ましくは0.5質量%以上含まない、より好ましくは0.1質量%以上含まない、さらに好ましくは0.05質量%以上含まない、特に好ましくは0.01質量%以上含まないことである。
以下、各インクに含まれる成分について説明する。
3.1.背景用インク
本実施形態に係るインクジェット記録方法に用いられる背景用インクは、背景用の色材を含有する。本発明において背景用インクとしては、例えば、白色系インクや光輝性インクが挙げられる。
白色系インクとは、社会通念上「白」と呼称される色を記録できるインク(インキ)であり、微量着色されているものも含む。また、その顔料を含有するインク(インキ)が「白色インク(インキ)、ホワイトインク(インキ)」などといった名称で呼称、販売されるインク(インキ)を含む。さらに、例えば、インク(インキ)が、エプソン純正写真用紙<光沢>(セイコーエプソン社製)に100%duty以上又は写真用紙の表面が十分に被覆される量で記録された場合に、インクの明度(L)および色度(a、b)が、分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を用いて、測定条件をD50光源、観測視野を2°、濃度をDIN NB、白色基準をAbs、フィルターをNo、測定モードをReflectance、として設定して計測した場合に、70≦L≦100、−4.5≦a≦2、−6≦b≦2.5、の範囲を示す、インク(インキ)を含む。
光輝性インクとは、媒体に付着したときに、光輝性を呈するもののことをいう。また、光輝性とは、例えば、得られる画像の鏡面光沢度(日本工業規格(JIS)Z8741を参照。)によって特徴付けられる性質のことを指す。例えば、光輝性の種類としては、光を鏡面反射するような光輝性や、いわゆるマット調の光輝性などがあり、それぞれ、例えば鏡面光沢度の高低によって特徴付けることができる。
(1)背景用の色材
背景用の色材としては、例えば、白色系色材や、光輝性顔料が挙げられる。
白色系色材としては、例えば金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。また、白色系色材には、中空構造を有する粒子を含み、中空構造を有する粒子としては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。中空構造を有する粒子としては、例えば、米国特許第4,880,465号などの明細書に記載されている粒子を好ましく用いることができる。本実施形態の白色系インクに含有される白色系色材としては、これらの中でも、白色度および耐擦性の観点から、二酸化チタンが好ましい。
背景用色材として白色系色材を用いる場合には、白色系色材の含有量(固形分)は、白色系インクの全質量に対して、好ましくは1%以上20%以下であり、より好ましくは5%以上15%以下である。白色系色材の含有量が上記範囲を超えると、インクジェット記録装置のノズル詰まり等が発生する場合がある。一方、白色系色材の含有量が上記範囲未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向がある。
白色系色材の体積基準の平均粒子径(以下、「平均粒子径」という。)は、好ましくは30nm以上600nm以下であり、より好ましくは200nm以上400nm以下である。白色系色材の平均粒子径が前記範囲を超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なったり、インクジェット記録装置に適用した際にノズルの目詰まり等が発生することがある。一方、白色系色材の平均粒子径が前記範囲未満であると、白色度が不足する傾向にある。
白色系色材の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)が挙げられる。
光輝性顔料としては、媒体に付着されたときに光輝性を呈しうるものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅からなる群より選択される1種または2種以上の合金(金属顔料ともいう)や、パール光沢を有するパール顔料を挙げることができる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。また、光輝性顔料は、水との反応を抑制するための表面処理が施されていてもよい。インクに光輝性顔料を含有させることで、優れた光輝性を有する画像を形成することができる。
背景用色材として光輝性顔料を用いる場合には、光輝性顔料の含有量は、光輝性インクの全質量に対して、0.5質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。光輝性顔料の含有量が上記範囲内にあると、インクジェット記録装置のノズルからの吐出安定性、光輝性インクの保存安定性を優れたものとすることができる。
(2)その他の成分
(樹脂)
背景用インクは、樹脂を含有することができる。樹脂の機能の一つとしては、背景用インクを記録媒体に定着させることが挙げられる。
樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等の公知の樹脂や、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
上記の例示した樹脂の中でも、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィンワックスを好ましく用いることができる。
ポリエステル系樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、Eastek1100、1300、1400(以上商品名、イーストマンケミカルジャパン社製)、エリーテルKA−5034、KA−3556、KA−1449、KT−8803、KA−5071S、KZA−1449S、KT−8701、KT9204(以上商品名、ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
スチレンアクリル系樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。なお、共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。なお、スチレンアクリル系樹脂としては、市販されているものを利用してもよい。スチレンアクリル系樹脂の市販品としては、ジョンクリル62J(BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、特に限定されるものではなく、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンまたはその誘導体から製造されたワックスおよびそのコポリマー、具体的には、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス等が挙げられる。これらの中でも、画像のヒビ割れの発生を低減できるという観点から、ポリエチレン系ワックスが好ましい。ポリオレフィンワックスは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリオレフィンワックスの市販品としては、「ケミパールW4005」(三井化学株式会社製、ポリエチレン系ワックス、粒径200〜800nm、環球法軟化点110℃、針入度法硬度3、固形分40%)等のケミパールシリーズが挙げられる。その他、AQUACER513(ポリエチレン系ワックス、粒径100〜200nm、融点130℃、固形分30%)、AQUACER507、AQUACER515、AQUACER840(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等のAQUACERシリーズや、ハイテックE−7025P、ハイテックE-2213、ハイテックE-9460、ハイテックE-9015、ハイテックE−4A、ハイテックE−5403P、ハイテックE−8237(以上、東邦化学株式会社製)等のハイテックシリーズ、ノプコートPEM−17(サンノプコ社製、ポリエチレンエマルジョン、粒径40nm)等が挙げられる。これらは、常法によりポリオレフィンワックスを水中に分散させた水系エマルジョンの形態で市販されている。本実施形態に係る背景用インクにおいては、水系エマルジョンの形態のまま直接添加することができる。
樹脂を含有する場合には、その含有量(固形分換算量)は、背景用インクの全質量に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上7質量%以下である。背景用インクに含まれる樹脂の含有量が上記範囲内にあることで、背景画像の乾燥性が良好になるので、背景画像上に記録されるカラー画像のにじみの発生を抑制できる。
また、本実施形態に係る背景用インクに樹脂を含有する場合には、樹脂および背景用の色材の含有量の合計が、9質量%以上であることが好ましく、9質量%以上31質量%以下であることがより好ましい。樹脂および背景用の色材の含有量の合計が、9質量%以上であると、背景画像の画質、例えば白色系インクであれば白色度を、光輝性インクであれば光輝感を満足し、かつ、背景用の色材を記録媒体に強固に定着することができ、さらに、背景画像の上部に記録されるカラーインク及び/又は樹脂インクとも、強固に密着することができる。
(有機溶媒)
背景用インクは、有機溶媒を含有することができる。背景用インクには、複数種の有機溶媒が含有されていてもよい。背景用インクに用いる有機溶媒としては、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れているため、記録媒体上に優れた画像を形成することができる。1,2−アルカンジオール類を含有する場合には、その含有量が、背景用インクの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類は、ヘッドのノズル面におけるインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。多価アルコール類を含有する場合には、その含有量が、背景用インクの全質量に対して、2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。グリコールエーテル類は、インクの記録媒体に対する濡れ性や浸透速度を制御することできる。そのため、濃淡ムラが少ない鮮明な画像を記録することができる。グリコールエーテル類を含有する場合には、その含有量は、記録媒体への濡れ性及び浸透性を良好にして濃淡ムラを低減させたり、インクの保存安定性及び吐出信頼性を良好にしたりする等の観点から、インク全質量に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
(界面活性剤)
本実施形態の背景用インクは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤として、以下に限定されないが、例えばノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、記録媒体上でインクを均一に拡げる作用がある。そのため、ノニオン系界面活性剤を含むインクを用いてインクジェット記録を行った場合、滲みのほとんど無い高精細な画像が得られる。
ノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系、シリコーン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、及びフッ素系の界面活性剤が挙げられる。これらの中でもアセチレングリコール系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤の少なくとも一方を用いることが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、表面張力及び界面張力を適正に保持する能力に優れており、かつ、起泡を殆ど生じさせない。これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクは、ヘッドのノズル面等のインクと接触するプリンター部材との界面張力と、表面張力と、を適正に保持することができる。そのため、アセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクをインクジェット記録方式に用いることにより、吐出安定性を良好にすることができる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は記録媒体に対して良好な親和性(濡れ性)及び浸透性を示すため、これを含むインクを用いて記録された画像は滲みの殆ど無い高精細なものとなる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、インク全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、記録媒体上で滲みを生じないようにインクを均一に拡げる作用に優れる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。シリコーン系界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シリコーン系界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、インクの全質量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
(水)
本実施形態に係る背景用インクは、水を含有してもよい。特に、当該インクが水性インクである場合、水は、インクの主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る背景用インクは、上記の成分に加えて、水酸化カリウムやトリエタノールアミン等のpH調整剤、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、及び防錆剤などをさらに含んでもよい。
3.2.カラーインク
本実施形態に係るカラーインクは、前述の背景用の色材以外の色材を含有する。
(1)背景用の色材以外の色材
背景用の色材以外の色材としては、例えば、染料、顔料等が挙げられる。当該色材の含有量は、カラーインク全質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
染料および顔料は、米国特許出願公開2010/0086690号明細書、米国特許出願公開2005/0235870号明細書、国際公開第2011/027842に記載されているもの等を好適に用いることができる。染料および顔料のうち、顔料を含むことが一層好ましい。顔料は、耐光性、耐候性、耐ガス性などの保存安定性の観点から有機顔料であることが好ましい。
具体的には、顔料は、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、染料キレート、染色レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料、カーボンブラックなどが用いられる。上記顔料は、1種単独でも、2種以上併用して用いることもできる。
また、染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
(2)樹脂
カラーインクは、樹脂を含有してもよい。樹脂の機能としては、例えば、カラーインクを記録媒体に定着させたり、カラーインク中の色材の分散性を向上させたりすることが挙げられる。
樹脂の含有量は、カラーインクの全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上7質量%以下である。カラーインク中の樹脂の含有量が上記範囲内にあると、上記の樹脂の機能が良好に発揮される。
カラーインクに含まれる樹脂としては、上述した背景用インクの説明で例示した樹脂を用いることができるので、その説明を省略する。
また、本実施形態に係るカラーインクに樹脂を含有する場合には、樹脂および背景用の色材以外の色材の含有量の合計が、9質量%以上であることが好ましく、9質量%以上31質量%以下であることがより好ましい。樹脂および背景用の色材以外の色材の含有量の合計が、9質量%以上であると、カラーインクの発色性、例えば低吸収性記録媒体を用いた際のカラーインクの発色性を満足させつつ、背景インクや樹脂インクとも、強固に密着することができる。
(3)その他の成分
カラーインクは、上記以外の成分を含有してもよい。カラーインクに使用可能な成分としては、上記「3.1.(2)その他の成分」で挙げた成分と同様であるので、その説明を省略する。
3.3.樹脂インク
本実施形態に係る樹脂インクは、樹脂を含有し、色材を実質的に含有しない。本実施形態に係る樹脂インクは、色材を実質的に含有していないので、無色透明または無色半透明の液体である。
本実施形態に係る樹脂インクは、主として背景画像およびカラー画像の定着性を向上させるために用いられる。
以下、樹脂インクに含まれる成分について説明する。
(1)樹脂
樹脂インクは、樹脂を含有する。樹脂の機能の一つとしては、樹脂インクを記録媒体に定着させることが挙げられる。
樹脂の含有量は、樹脂インクの全質量に対して、好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上10質量%以下である。樹脂インク中の樹脂の含有量が上記範囲内にあると、上記の樹脂の機能が良好に発揮される。
樹脂インクに含まれる樹脂としては、上述した背景用インクの説明で例示した樹脂を用いることができるので、その説明を省略する。
(2)その他の成分
樹脂インクは、上記以外の成分を含有することができる。樹脂インクに使用可能な成分としては、上記「3.1.(2)その他の成分」で挙げた成分と同様であるので、その説明を省略する。
3.4.インクの製造方法
本実施形態に係る各インク(背景用インク、カラーインクおよび樹脂インク)は、それぞれ、上述の成分(材料)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、顔料を添加する場合、顔料は、予め溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラーやマグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法として、例えば、遠心濾過やフィルター濾過などを必要に応じて行うことができる。
3.5.インクの物性
本実施形態に係る各インクの20℃における粘度は、それぞれ、2mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上6mPa・s以下であることがより好ましい。インクは、20℃における粘度が上記範囲内にあると、ノズルから適量吐出され、飛行曲がりを起こすことや飛散することを一層低減できるので、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。インクの粘度は、振動式粘度計VM−100AL(山一電機株式会社製)を用いて、インクの温度を20℃に保持することで測定できる。
4.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
4.1.各インクの調製
表1〜表4の配合量で各成分を混合攪拌して、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、以下の評価に用いる背景用インク(Wインク)、カラーインク(Coインク)および樹脂インク(Clインク)を調製した。
なお、カラーインクの調製にあたって、顔料(色材)をあらかじめ分散させた顔料分散液を用いた。顔料分散液は、次のようにして調製した。まず、撹拌装置、還流管、温度センサー、滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を充分に窒素置換した後、ジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0質量部をセパラブルフラスコに入れて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0質量部、シクロヘキシルアクリレート(以下、「CHA」と呼ぶ)483.0質量部、メタクリル酸(以下、「MAA」と呼ぶ)66.6質量部、アクリル酸(以下、「AA」と呼ぶ)50.4質量部及びt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)(以下、「BPEH」と呼ぶ)4.8質量部を入れ、80℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下した。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、BPEH0.8質量部を加え、さらに80℃で1時間反応を行った。熟成を終了させた後、減圧蒸留によりジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。その後、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と呼ぶ)600.0質量部を加え、樹脂固形分50%のインクジェットインク用ポリマー組成物溶液を得た。このようにして得られたインクジェットインク用ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は130mgKOH/gであり、重量平均分子量は34,000であった。次に、インクジェットインク用ポリマー組成物溶液120.0質量部に対して30%水酸化ナトリウム水溶液6.0質量部を加えて、高速ディスパーで5分間攪拌し、さらに顔料濃度25質量%のシアン顔料(あるいはブラック顔料)を含む分散液を、480.0質量部を加えて、高速ディスパーで1時間攪拌し、顔料分散液を得た。
また、背景用インクの調製にあたって、二酸化チタン(背景用色材)をあらかじめ分散させた二酸化チタン分散液を用いた。二酸化チタン分散液は、次のようにして調製した。まず、ガラス転移温度40℃、質量平均分子量10,000、酸価150mgKOH/gの固形アクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体の25質量部をジエチレングリコールジエチルエーテル75質量部の混合溶液に溶解させて、樹脂固形分25質量%の高分子分散剤溶液を得た。次に、前記高分子分散剤溶液の36質量%にジエチレングリコールジエチルエーテル19質量%を加え混合し、二酸化チタン分散用樹脂ワニスを調製し、さらに二酸化チタン(シーアイ化成株式会社製、商品名「NanoTek(R) Slurry」、平均粒子径300nmの二酸化チタン粒子を固形分濃度15%の割合で含むスラリー)45質量%を加えて撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行ない、二酸化チタン分散液を得た。
表1〜表4おけるインク組成の単位は、いずれも、質量%であり、二酸化チタン顔料および樹脂についてはいずれも固形分換算した値である。表1〜表4に記載の成分は、次の通りである。
(色材)
・二酸化チタン顔料(シーアイ化成株式会社製、商品名「NanoTek(R) Slurry」、平均粒子径300nmの二酸化チタン粒子を固形分濃度15%の割合で含むスラリー)
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
・ブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7)
(樹脂)
・スチレンアクリル系樹脂(BASFジャパン株式会社製、商品名「ジョンクリル62J」)
・ポリエチレン系ワックス(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「AQUACER513」、平均粒子径150nm)
(その他の成分)
・シリコーン系界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−348」)
・アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業社製、商品名「サーフィノールDF110D」)
・1,2−ヘキサンジオール
・1,3−ブタンジオール
・2−ピロリドン
・プロピレングリコール
・イオン交換水
4.2.インクジェットプリンター
以下の評価試験には、インクジェット記録装置として、インクジェットプリンターPX−G930(商品名、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)の紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けて改造したものを用いた。
次に、表1〜表4に記載のWインク、Coインク、Clインクを、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、製品名「PX−G930」)専用のインクカートリッジにそれぞれ充填して、当該インクカートリッジを上記の改造したプリンターに装着した。
なお、上記プリンターのインクの吐出量は、Duty100%におけるインクの吐出量を9mg/inchに設定した。
本明細書において、「Duty値」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
4.3.評価試験
4.3.1.評価試験用サンプルの作成
実施例および比較例の評価試験用サンプルは、上記の改造したインクジェットプリンターPX−G930を用いて、次の記録方法(I)、記録方法(II)、記録方法(III)のいずれかの記録方法によって作成した。なお、各工程時に記録される画像(背景画像、カラー画像、樹脂インクからなる画像)は、いずれも、解像度1440×720dpiのベタパターンとした。各画像の記録時のおけるDuty値は、表1〜表4に併せて示す。また、記録媒体には、ルミラー(R)S10−100μm(東レ株式会社製、透明PETフィルム)を用いた。
(記録方法(I))
図8は、記録方法(I)により得られる画像の断面を示す模式図である。
記録方法(I)では、まず、プリンターに設けられたヒーターにより記録媒体の表面温度を45℃とした。そして、上述した第1画像記録工程と同様にして、記録媒体の第1領域および第2領域上に背景用インクからなる背景画像(W)を記録した。次に、第2画像記録工程と同様にして、第1領域の背景用インク上にカラーインクからなるカラー画像(Co)を記録した。そして、上述した第3画像記録工程と同様にして、第1領域のカラー画像(Co)上に樹脂インクからなる画像(Cl)を記録するとともに、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)をヘッドの同一走査時に記録した。その後、得られた評価試験用サンプルを50℃に保った恒温槽内で10分間静置した。
このようにして、図8に示す画像が得られた。
(記録方法(II))
図9は、記録方法(II)により得られる画像の断面を示す模式図である。
記録方法(II)では、まず、プリンターに設けられたヒーターにより記録媒体の表面温度を45℃とした。そして、上述した第1画像記録工程と同様にして、記録媒体の第1領域および第2領域上に背景用インクからなる背景画像(W)を記録した。次に、第2画像記録工程の態様(A)と同様にして、第1領域の背景用インク上にカラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像(Co+Cl)を記録した。そして、上述した第3画像記録工程と同様にして、第1領域のカラー画像(Co+Cl)上に樹脂インクからなる画像(Cl)を記録するとともに、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)をヘッドの同一走査時に記録した。その後、得られた評価試験用サンプルを50℃に保った恒温槽内で10分間静置した。
このようにして、図9に示す画像が得られた。
(記録方法(III))
図10は、記録方法(III)により得られる画像の断面を示す模式図である。
記録方法(III)では、まず、プリンターに設けられたヒーターにより記録媒体の表面温度を45℃とした。そして、上述した第1画像記録工程と同様にして、記録媒体の第1領域および第2領域上に背景用インクからなる背景画像(W)を記録した。次に、第2画像記録工程の態様(A)と同様にして、第1領域の背景用インク上にカラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像(Co+Cl)を記録するとともに、第2領域の背景画像(W)上に樹脂インクからなる画像(Cl)をヘッドの同一走査時に記録した。その後、得られた評価試験用サンプルを50℃に保った恒温槽内で10分間静置した。
このようにして、図10に示す画像が得られた。
4.3.2.隠蔽性の評価試験
得られた評価試験用サンプルを蛍光灯にかざして、評価試験用サンプル越しに蛍光灯を目視した。このときの蛍光灯の見え方により、第2領域上の画像の隠蔽性の評価を行った。
評価基準は次の通りである。
A:蛍光灯の形が見えない
B:蛍光灯の形がうっすらと見える
C:蛍光灯の形がはっきりと見える
4.3.3.密着性の評価試験
JIS K5600−5−6に準じて、得られた画像にクロスカットを行い、セロハンテープによる剥離試験の結果から、第1領域および第2領域上の画像の密着性を評価した。
評価基準は次の通りである。
A:画像の剥がれが起こらない
B:画像の3割未満しか剥がれない
C:画像の3割以上が剥がれる
4.3.4.乾燥性の評価試験
50℃に保った恒温槽内から出した直後に、評価試験用サンプルに記録された画像の表面を指で擦ることによって、画像の乾燥性の評価をした。
評価基準は次の通りである。
A:画像を指で強く擦っても、指が汚れない
B:画像を指で強く擦るとやや汚れるものの、それほど目立たたない
C:画像を指で擦ると、指が汚れる
4.3.5.カラー発色性の評価
実施例8〜実施例12の評価試験サンプルについて、カラー発色性の評価をした。カラー発色性の評価試験サンプルには、記録媒体を上質紙(商品名「55PW8R」、リンテック株式会社製)に代えた以外は、上述した記録方法と同様にして得られたものを用いた。
得られた評価試験用サンプルの第1領域に記録された画像の光学濃度(OD値)を測定し、この値を基にしてカラー発色性の評価をした。光学濃度の測定には、ポータブル反射濃度計RD−19T(商品名、サカタインクスエンジニアリング株式会社製)を用いた。
評価基準は次の通りである。
A:O.D.値が2.0超
B:O.D.値が1.5以上2.0以下
C:O.D.値が1.5未満
4.4.評価結果
以上の評価結果を表1〜表4に併せて示す。
Figure 0006132080
Figure 0006132080
Figure 0006132080
Figure 0006132080
比較例1−および実施例1−で用いた背景用インクおよびカラーインクの少なくとも一方は、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を含有しない。そのため、耐擦性や密着性を目的として樹脂インクを用いることで、記録媒体上の樹脂量や水分量が増加する場合であっても、乾燥性に優れつつ、密着性に優れた画像が記録できることが示された。
一方、比較例6−8で用いた背景用インクおよびカラーインクは、いずれも、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を含有する。そのため、耐擦性や密着性を目的として樹脂インクを用いることで、記録媒体上の樹脂量や水分量が増加すると、画像の乾燥性が低下してしまい、これに伴って画像の定着性も低下することが示された。
なお、第1画像記録工程で記録される画像に含まれる背景用の色材の量は、Duty100%時のインクの吐出量(9.0mg/inch)に、実際のDuty値および背景用インク中の背景用色材の含有量を乗じることで算出した。これによると、背景用インクをDuty150%、100%、50%で吐出した場合には、背景画像に含まれる背景用の色材の量は、それぞれ、1.35mg/inch、0.9mg/inch、0.45mg/inchであった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プリンター、2…ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…プラテン、6…加熱機構、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、15…ノズル面、16…複数のノズル列、16A(16B,16C)…ノズル列、17…ノズル、CONT…制御部

Claims (10)

  1. インクジェット記録用ヘッドのノズルからインクを吐出させて、記録媒体の第1領域にカラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像と、前記記録媒体の第2領域に前記樹脂インクからなる画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    背景用の色材を含有する背景用インクを吐出させて、前記記録媒体の前記第1領域および前記第2領域に付着させ、画像を記録する第1画像記録工程と、
    前記背景用の色材以外の色材を含有するカラーインクを吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録する第2画像記録工程と、
    前記記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する加熱工程と、
    を含み、
    (A)前記第2画像記録工程が、樹脂を含有して色材を1.0質量%以上含有しない樹脂インクと、前記カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、前記樹脂インクと前記カラーインクとにより、一の画像を記録する工程であること、
    および、
    (B)前記樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録する第3画像記録工程を含むこと、
    のうち少なくとも一方を満たし、
    前記背景用インク、前記カラーインクおよび前記樹脂インクが、それぞれ、樹脂と水とを含む水性インクであり、
    前記背景用インクが、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を1.0質量%以上含有せず、前記カラーインクおよび前記樹脂インクからなる群から選択される少なくとも1つが標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を1.0質量%以上含有する、インクジェット記録方法。
  2. 請求項1において、
    前記(A)を満たす場合において、
    前記第2画像記録工程は、前記第2領域の前記背景用インク上に前記樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含む、インクジェット記録方法。
  3. 請求項1または請求項2おいて、
    前記(B)を満たす場合において、
    前記第3画像記録工程は、前記第2領域の前記背景用インク上に前記樹脂インクを付着させて、画像を記録することを含む、インクジェット記録方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記(A)および前記(B)の両方を満たす、インクジェット記録方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記背景用インク中における、前記樹脂および前記背景用の色材の含有量の合計は、9質量%以上であり、
    前記カラーインク中における、前記樹脂および前記背景用の色材以外の色材の含有量の合計は、9質量%以上である、インクジェット記録方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記第1画像記録工程で記録される画像に含まれる前記背景用の色材の量は、0.8mg/inch以上である、インクジェット記録方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記(A)を満たす場合において、
    前記第2画像記録工程において、前記カラーインクおよび前記樹脂インクを、前記インクジェット記録用ヘッドの同一走査時に吐出させる、インクジェット記録方法。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法を用いる、インクジェット記録装置。
  9. インクを吐出するノズルを備えたインクジェット記録用ヘッドと、
    前記インクジェット記録用ヘッドのノズルからインクを吐出させて、記録媒体の第1領域にカラーインクおよび樹脂インクからなるカラー画像と、前記記録媒体の第2領域に前記樹脂インクからなる画像を記録するための複数のモードを実行させる制御部と、
    加熱手段と、
    を有し、
    前記複数のモードは、
    背景用の色材を含有する背景用インクを吐出させて、前記記録媒体の前記第1領域および前記第2領域に付着させ、画像を記録する第1モードと、
    前記背景用の色材以外の色材を含有するカラーインクを吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、画像を記録すること、
    または、樹脂を含有して色材を1.0質量%以上含有しない樹脂インクと、前記カラーインクと、を実質的に同一時に吐出させて、前記第1領域の前記背景用インク上に付着させ、前記樹脂インクと前記カラーインクとにより、一の画像を記録すること、を選択して行う第2モードと、
    前記加熱手段によって、前記記録媒体を35℃以上100℃以下で加熱する加熱モードと、
    を含み、
    前記制御部は、前記第1モード、前記第2モードおよび前記加熱モードを実行し、
    前記背景用インク、前記カラーインクおよび前記樹脂インクが、それぞれ、樹脂と水とを含む水性インクであり、
    前記背景用インクは、標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を1.0質量%以上含有せず、前記カラーインクおよび前記樹脂インクからなる群から選択される少なくとも
    1つが標準沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を1.0質量%以上含有する、インクジェット記録装置。
  10. 請求項において、
    さらに、前記複数のモードは、
    前記樹脂インクを吐出させて、前記第1領域の前記カラーインク上に付着させ、画像を記録すること、
    または、前記第1領域の前記カラーインク上に、前記樹脂インクを付着させないこと、を選択して行う第3モードと、
    を含み、
    前記制御部は、前記第1モード、前記第2モード、前記第3モードおよび前記加熱モードを実行させる、インクジェット記録装置。
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