JP2013180434A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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哲也 青山
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Abstract

【課題】耐擦性に優れたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】色材と、ガラス転移温度が40℃以上である2種以上の樹脂粒子と、を含有し、かつ、ピロリドン誘導体を実質的に含有しないインク組成物を、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体に向けて吐出し付着させて画像を形成する画像形成工程と、前記被記録媒体を35〜100℃で加熱する加熱工程と、を含み、前記2種以上の樹脂粒子のうちいずれか2種の樹脂粒子における平均粒子径の差が30nm以上である、インクジェット記録方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
従来、インクジェット方式を用いた記録方法は、インクの小滴を飛翔させて紙などの被記録媒体上に付着させることにより行う。近年、インクジェット方式の記録技術が革新的に進歩していることにより、これまで写真やオフセット印刷が用いられていた高精細な画像記録(画像印刷)の分野にもインクジェット方式を用いた記録方法が利用されている。そして、これに加えて高速印刷を実現可能なインクジェット方式を用いた記録方法が求められている。
例えば、特許文献1は、スチレン、ヘキシルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、及びメタクリル酸からなるモノマーを反応させて調製したラテックス粒子(平均粒径230nm、ガラス転移温度−20℃〜+30℃)を4重量%と、6重量%の1,2−ヘキサンジオールと、6重量%の2−ピロリドンと、5重量%のジプロピレングリコールと、4重量%のジエチレングリコールと、0.5重量%の界面活性剤(フルオロアルキルポリエチレンオキシドアルコール類)と、2重量%の、スチレンアクリルコポリマーでカプセル化されたカーボンブラック顔料と、水(残部)と、からなるインクジェットインク(計100重量%)を、サーマルインクジェット印刷ヘッドから非多孔質ビニル基材上に印刷する方法を開示している(特許文献1の実施例1〜3、段落0041)。
また、特許文献2は、非吸収性基材に記録するために、2−ピロリドンを含むインクが開示されている(特許文献2の段落0052)。
特開2005−220352号公報 特開2004−114691号公報
しかしながら、特許文献1が開示する印刷方法及び特許文献2が開示するインクにより得られる記録物は、少なくとも耐擦性に劣るという問題が生じる。
そこで、本発明は、耐擦性に優れたインクジェット記録方法を提供することを目的の一つとする。
本願発明者は上記課題を解決するため鋭意検討したところ、以下の知見を得た。まず、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において、高速印刷を実現するためには、当該被記録媒体上でのインクの乾燥速度を増大させる必要がある。乾燥速度を増大させる手段として、インクが付着した被記録媒体を加熱する温度を上げること、及びインクの材料として低揮発性かつ高沸点の溶剤を使用しないことが挙げられる。
特許文献1が開示する印刷方法において、例えば、16パスで記録するところを8パスと変更することにより印刷速度を上げた場合、非吸収性の被記録媒体、例えばポリプロピレンフィルム(PPフィルム)上でのインクの乾燥が遅くなるという問題が生じる。その結果、インクがPPフィルムに対して定着不良となり、得られる記録物が耐擦性に劣ることを見出した。また、特許文献2が開示するインクの場合、非吸収性の被記録媒体、例えばPPフィルム上のインクが十分乾燥しないという問題が生じる。その結果、インクがPPフィルムに対して定着不良となり、得られる記録物が耐擦性に劣ることを見出した。
そこで、本願発明者がさらに検討を重ねた結果、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上でインクの乾燥が遅くなるという問題は、2−ピロリドン等の所定のピロリドン誘導体を実質的に含有しないインクを用いることによって解決できることを見出した。また、インクが十分乾燥しないという問題は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上の樹脂をインクに含ませることによって、ある程度解決できることを見出した。さらに、Tgが40℃以上である2種以上の樹脂粒子であって任意の2種の平均粒子径の差が30nm以上であるような樹脂粒子を含有するインク組成物を用い、かつ、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体を35〜100℃で加熱することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
色材と、ガラス転移温度が40℃以上である2種以上の樹脂粒子と、を含有し、かつ、
1気圧下相当での沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないインク組成物を、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体に向けて吐出し付着させて画像を形成する画像形成工程と、
前記被記録媒体を35〜100℃で加熱する加熱工程と、を含み、
前記2種以上の樹脂粒子のうちいずれか2種の樹脂粒子における平均粒子径の差が30nm以上である、インクジェット記録方法。
[2]
前記画像の形成速度は0.3m2/分以上である、[1]に記載のインクジェット記録方法。
[3]
前記インク組成物は、ガラス転移温度が10℃以下の樹脂粒子を実質的に含有しない、[1]又は[2]に記載のインクジェット記録方法。
[4]
前記インク組成物は、1気圧下相当での沸点が180℃以上200℃未満のアルキルポリオールと、1気圧下相当での沸点が200℃以上250℃以下のアルキルポリオールと、をさらに含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[5]
下記(1)又は(2)の工程をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(1)前記画像形成工程の前に行われ、前記インク組成物を付着させる被記録媒体の領域に向けて、背景用インク組成物を吐出し付着させて背景画像を形成する工程。
(2)前記画像形成工程の後に行われ、前記インク組成物が付着した被記録媒体の領域に向けて、背景用インク組成物を吐出し付着させて背景画像を形成する工程。
[6]
前記画像の少なくとも一部の領域における単位面積当たりの前記インク組成物の付着量は10mg/インチ2以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[7]
前記インク組成物は、1気圧下相当での沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない、[1]〜[6]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[8]
前記インク組成物は、ピロリドン誘導体を実質的に含有しない、[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載のインクジェット記録方法を用いて記録を行う、インクジェット記録装置。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「パス」とは、ヘッド又は被記録媒体が主走査方向に走査する回数を意味する。
本明細書において、「沸点」は、1気圧下相当での沸点を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルのうち少なくともいずれかを意味する。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法(以下、単に「記録方法」ともいう。)に係る。当該記録方法は、色材とTgが40℃以上の2種以上の樹脂粒子とを含有し、所定のピロリドン誘導体を実質的に含有せず、かつ、上記2種以上の樹脂粒子のうちいずれか2種の樹脂粒子における平均粒子径の差が30nm以上であるインク組成物(以下、「所定のインク組成物」ともいう。)を用いるものである。そして、当該記録方法は、所定の被記録媒体の被記録面に所定のインク組成物の画像を形成する画像形成工程と、上記被記録媒体を35〜100℃で加熱する加熱工程と、を含むものである。
以下、本実施形態の記録方法の一例を工程ごとに詳細に説明する。
〔画像形成工程〕
本実施形態の記録方法は画像形成工程を含む。当該画像形成工程は、インクジェット方式で、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体に向けて、所定のインク組成物を吐出し付着(着弾)させて、画像、即ちインク塗膜を形成するものである。
(1.インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体)
本実施形態の記録方法は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体を用いたインクジェット記録に適したものである。換言すれば、本実施形態に用いられる所定のインク組成物は、その組成上、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上へのインクジェット記録に適している。
本明細書において、「インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体」とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である被記録媒体」を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
インク非吸収性の被記録媒体として、以下に限定されないが、例えば、インクジェット記録用に表面処理をしていない(すなわち、インク吸収層を形成していない)プラスチックフィルム、並びに紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているもの及びプラスチックフィルムが接着されているものが挙げられる。当該プラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。一方、インク低吸収性の被記録媒体として、以下に限定されないが、例えば、アート紙、コート紙、及びマット紙などの印刷本紙が挙げられる。
(2.所定のインク組成物の吐出及び付着)
まず、吐出の方法としては、従来公知のインクジェット方式が使用可能である。中でも圧電素子(ピエゾ素子)の振動を利用して液滴を吐出させる方法、即ち電歪素子の機械的変形によりインクの液滴を形成するヘッドを用いた記録方法を用いると、優れた記録を行うことができるため好ましい。
吐出される所定のインク組成物の粘度は、1〜8mPa・sであることが好ましい。インクの粘度が上記の範囲内であれば、吐出安定性が良好であるため、吐出する際のインクは加熱しなくてもよい。吐出する際のインクの温度は20〜40℃であることが好ましい。一方、インクを所定の温度で加熱することにより、粘度を上記範囲としてからインクを吐出させてもよい。
画像形成条件、即ち印刷条件について言えば、印刷解像度は、印刷速度を増大することができ、かつ、ブリーディング(滲み)や凝集ムラのない高画質な画像形成を実現できるため、360dpi×360dpi〜2,880dpi×2,880dpiであることが好ましい。また、画像の形成速度、即ち印刷速度は、耐擦性、発色性、及び耐ブリード性に優れるため、0.3m2/分以上であることが好ましく、0.3〜2.0m2/分以上であることがより好ましい。また、画像の少なくとも一部の領域における単位面積当たりのインク組成物の付着量は、発色性に優れるため、7mg/インチ2以上であることが好ましく、7〜30mg/インチ2であることがより好ましい。
なお、本明細書における「単位面積当たりのインク組成物の付着量」は、画像の少なくとも一部の領域において上記の好ましい範囲であればよく、画像における任意の2か所における当該付着量の平均値が上記の好ましい範囲であることが好ましく、画像全体の当該付着量の平均値が上記の好ましい範囲であることがより好ましい。
〔加熱工程〕
本実施形態の記録方法は加熱工程を含む。当該加熱工程は、インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体を35〜100℃で加熱するものである。換言すれば、本工程は、被記録媒体上に吐出されて付着したインク(画像)を乾燥するものである。本工程により、被記録媒体上に吐出されたインク中に含まれる液媒体が速やかに蒸発飛散して、所定のインク組成物中に含まれる樹脂粒子によって被膜が形成される。これにより、被記録媒体上においてインクの乾燥物が強固に定着(接着)した、耐擦性及び耐ブリード性に優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。
なお、本明細書において、被記録媒体を加熱する場合の加熱温度は、被記録媒体、より詳しくはその被記録面における温度を指す。当該加熱温度は、赤外線サーモグラフィ装置 H2640/H2630(NEC Avio赤外線テクノロジー社製)を用いたサーモグラフで測定することができる。
ここで、加熱される被記録媒体は、所定のインク組成物が吐出される前、途中、及び後のいずれの被記録媒体をも包含する。より詳しく言えば、被記録媒体に付着したインクを迅速に乾燥し定着させる目的で、上記の加熱工程を行う。したがって、上記の目的を達成できる限り、吐出前、吐出中、及び吐出後のうち少なくともいずれかのタイミングで被記録媒体を加熱すればよい。
吐出前の加熱としては、以下に限定されないが、例えば、加熱手段を搬送方向の上流側に設けて、被記録媒体を予め加熱しておくことが挙げられる。この場合、インクが付着するときの被記録媒体の被記録面の温度が35〜60℃程度であるとよい。
吐出中の加熱としては、以下に限定されないが、例えば、ヘッドから被記録媒体に向けてインクが吐出される領域の下方(搬送面から見て被記録媒体の反対側)に加熱手段を設け、インクの吐出及び着弾(付着)と被記録媒体の加熱とを同時に行うことが挙げられる。また、ヘッドから見て被記録媒体と反対側(ヘッドの上方)に加熱手段を設けて被記録媒体を加熱してもよい。
吐出後の加熱としては、以下に限定されないが、例えば、加熱手段を搬送方向の下流側に設けて、インクが付着した被記録媒体を加熱することが挙げられる。
これまで説明してきた加熱手段の具体例としては、被記録媒体の搬送面より下方(搬送面から見て被記録媒体の反対側)にプラテンヒーターを設けて、被記録面と反対側から被記録媒体を加熱する手段、搬送途中に被記録媒体を潜らせる加熱室又は恒温槽を設けて、被記録媒体を様々な方向から加熱する手段、及び被記録媒体の搬送面より上方にヒーターを設けて、被記録面の側から被記録媒体を加熱する手段などが挙げられる。また、プラテンヒーターを含むヒーター、加熱室、及び恒温槽の種類としては、以下に限定されないが、例えば、温風ヒーター、熱風ヒーター、及び赤外線ヒーターが挙げられる。
また、加熱条件について言えば、加熱温度は35〜100℃である。加熱温度が35℃以上であると、インク中の液媒体の蒸発飛散を効果的に促進することができ、インクの乾燥性(速乾性)が優れたものとなる。一方、加熱温度が100℃以下であると、インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体の変形を防止したり、被記録媒体の加熱冷却の際に画像の収縮などを防止したりすることができる。また、上記の効果が一層大きくなるため、加熱温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上である一方、加熱温度の上限は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。後述するが、所定のインク組成物は、2−ピロリドン(沸点245℃)等、高沸点である1気圧下相当での沸点240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しない。そのため、被記録媒体を変形させたり画像を収縮させたりしない程度の加熱温度であっても、所定のインク組成物は速乾性に優れる。その結果、画像の耐擦性及び耐ブリード性が優れたものとなる。また、加熱時間は、所定のインク組成物が十分乾燥する限り特に限定されないが、例えば10秒間〜2分間であるとよい。
〔背景画像の形成工程〕
本実施形態の記録方法は、複数種のインクを順に塗り重ねる印刷手法を意味する重ね塗り印刷を行う場合、下記(1)の工程又は(2)の工程(以下、それぞれ「工程(1)」及び「工程(2)」ともいう。)をさらに含むことが好ましい。
なお、以下では、背景画像と用語を区別するため、上述の画像形成工程により形成される画像を「前景画像」と称する場合もある。
工程(1)は、上述の画像形成工程、即ち前景画像の形成工程の前に行われ、所定のインク組成物を付着させる被記録媒体の領域に向けて、背景用インク組成物を吐出し付着させて背景画像を形成するものである。工程(1)が本実施形態に含まれる場合、記録方法は、当該工程(1)、前景画像の形成工程、上述の加熱工程の順に行われる。この場合、得られる記録物は、被記録媒体上に背景画像、前景画像がこの順に重なっているため、画像が形成された側から前景画像を見るのに適している。
また、工程(1)が本実施形態に含まれる場合、当該工程(1)と前景画像の形成工程との間に、加熱工程をさらに含むことがより好ましい。これにより、背景画像及び前景画像の間で滲みが生じる(ブリードする)のを効果的に防止することができる。当該工程(1)、及びさらに含まれ得る加熱工程の詳細については、それぞれ上述の前景画像の形成工程及び上述の加熱工程で説明した事項が適用できるため、ここでの説明を省略する。なお、上述の前景画像の形成工程及び工程(1)における画像形成条件は、互いに独立して決定され、かつ、上述の加熱工程及びさらに含まれ得る加熱工程における加熱条件も、互いに独立して決定されるものである。
一方、工程(2)は、上述の画像形成工程、即ち前景画像の形成工程の後に行われ、所定のインク組成物が付着した被記録媒体の領域に向けて、背景用インク組成物を吐出し付着させて背景画像を形成するものである。工程(2)が本実施形態に含まれる場合、記録方法は、前景画像の形成工程、当該工程(2)、及び上述の加熱工程の順に行われるか、又は前景画像の形成工程、上述の加熱工程、及び当該工程(2)の順に行われる。これらの場合、得られる記録物は、被記録媒体上に前景画像、背景画像がこの順に重なっているため、被記録媒体側から前景画像を見るのに適している。したがって、当該被記録媒体は、被記録媒体側から前景画像を視認可能な、透明又は半透明のものである。
また、工程(2)が本実施形態に含まれる場合であって、記録方法が前景画像の形成工程、当該工程(2)、及び上述の加熱工程の順に行われる場合、前景画像の形成工程と当該工程(2)との間に、加熱工程をさらに含むことがより好ましい。これにより、前景画像及び背景画像の間で滲みが生じる(ブリードする)のを効果的に防止することができる。当該工程(2)、及びさらに含まれ得る加熱工程の詳細については、それぞれ上述の前景画像の形成工程及び上述の加熱工程で説明した事項が適用できるため、ここでの説明を省略する。なお、上述の前景画像の形成工程及び工程(2)における画像形成条件は、互いに独立して決定され、かつ、上述の加熱工程及びさらに含まれ得る加熱工程における加熱条件も、互いに独立して決定されるものである。
このように、本実施形態によれば、インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体に対して所定のインク組成物を記録するに際して、高速印刷を実現しつつ、画像の耐擦性に優れ、さらには画像の耐ブリード性及びインクの保存安定性にも優れた、インクジェット記録方法を提供することができる。さらに、被記録媒体に対する加熱温度が35〜100℃という比較的低温度であって、かつ、背景画像を印刷することに起因して単位面積当たりのインクの総付着量(総吐出量)が多くならざるを得ない場合であっても、高速印刷を実現でき、画像の質にも極めて優れたインクジェット記録方法を提供することができる。
[インクジェット記録装置]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録装置に係る。当該記録装置は、上記実施形態のインクジェット記録方法を用いて記録を行うものである。インクジェット記録装置としては、例えば、ラインプリンター及びシリアルプリンターが挙げられる。これらはプリンターの方式が異なる。簡潔にいえば、ラインプリンターは、被記録媒体の幅に相当する長さのラインヘッドを備えるものであり、ヘッドが(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)で印刷が行われるものである。一方、シリアルプリンターは、ヘッドが被記録媒体の搬送方向と直交した方向に往復移動(シャトル移動)しながら、通常2パス以上(マルチパス)で印刷が行われるものである。
また、インクジェット記録装置として、加熱機構を備えたプラテンに静止した被記録媒体に、ヘッドで走査を複数回行うことで1回の記録動作による画像の形成を行う、いわゆるラテラル方式の記録装置(以下、「ラテラルプリンター」という。)を挙げることもできる。このラテラルプリンターは、シリアルプリンターと比較して、大量に且つ高速で印刷することができる。これは、ラテラルプリンターを用いて得られる記録物におけるインクの乾燥時間が、シリアルプリンターのそれと比較して、格段に短いことに起因する。このように、本実施形態では、ラインプリンター、シリアルプリンター、及びラテラルプリンターのいずれの方式のプリンターも使用することができる。
[インク組成物]
本発明の一実施形態は、インク組成物に係る。当該インク組成物は、上記実施形態のインクジェット記録方法に好適に用いられるものである。当該インク組成物は、以下のように、インク組成に特徴がある。
インク組成に関する特徴の一つは、2−ピロリドン(1気圧下相当での沸点245℃)等の、1気圧下相当での沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないという点である。これにより、インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体の変形及び画像の劣化を防止する目的で被記録媒体の加熱温度を35〜100℃としても、インク組成物の乾燥性に優れ、その結果、高速印刷を実現でき、かつ、画像の耐擦性及び耐ブリード性が優れたものとなる。なお、上記ピロリドン誘導体には、ビニルピロリドンを高分子化したポリビニルピロリドンは含まれない。
本実施形態のインク組成物は、ピロリドン誘導体を実質的に含有しないことが好ましい。ピロリドン誘導体としては、上述の2−ピロリドンの他に、例えばN−メチル−2−ピロリドン及びN−エチル−2−ピロリドンが挙げられる。これらのピロリドン誘導体は、インク組成物の保存安定性を良好にするという効果を殆ど有しないため、インク組成物に含有させないことが好ましい。
また、本実施形態のインク組成物は、2−ピロリドンと同様の非プロトン性極性溶媒である、ラクトン類、スルホキシド類、及びイミダゾリジノン類も実質的に含有しないことがより好ましい。
ここで、本明細書における「実質的に含まない(含有しない)」とは、添加する意義を十分に発揮する量以上含有させないことを意味する。これを定量的に言えば、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1.0質量%以上含まないことが好ましく、0.5質量%以上含まないことがより好ましい。
以下、本実施形態のインク組成物に含まれるか、含まれ得るか、又は実質的に含まれない添加剤(成分)を説明する。なお、以下において特段の言及がない限り、インク組成物は背景用インク組成物を含むものとする。
〔色材〕
本実施形態のインク組成物は、色材を含む。上記色材は、顔料及び染料から選択される。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、及び二酸化チタンが挙げられる。
上記のカーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、例えば、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名、デグサ社(Degussa AG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボン社(Columbian Carbon Japan Ltd)製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以上全て商品名、キャボット社(Cabot Corporation)製)が挙げられる。
無機顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のうち少なくともいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
顔料の平均粒子径は、ノズルにおける目詰まりを抑制することができ、かつ、吐出安定性が一層良好となるため、250nm以下であることが好ましい。
ここで、本明細書における平均粒子径は、体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。当該染料として、以下に限定されないが、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
なお、色材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、色材の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.5〜10質量%であるとよい。
また、上記実施形態の記録方法が背景画像の形成工程をさらに含む場合に用いられる背景用インク組成物としては、例えば、優れた隠蔽性を付与する白色インク、光輝性を付与する金色や銀色のようなメタリックインク、及び前処理用や下地形成用のクリアインク等が挙げられる。これらのインクに用いられる色材は、上記の中から選択すればよい。
〔樹脂粒子〕
本実施形態のインク組成に関する特徴の他の一つは、インク組成物が特定の関係を有する2種以上の樹脂粒子を含有するという点である。具体的に言えば、40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する2種以上の樹脂粒子のうち、いずれか(任意の)2種の樹脂粒子における平均粒子径の差が30nm以上であるという関係である。
まず、インク組成物に含まれる樹脂粒子のTgが40℃以上であることにより、インクの定着性が良好となることから画像の耐擦性が良好なものとなる。上記Tgは、インクの定着性がより良好となるため、40℃以上であることが好ましく、40〜150℃であることがより好ましく、60〜150℃がさらに好ましい。
また、Tgが40℃以上の樹脂粒子がインク組成物に2種以上含まれることで、インクの定着性に優れることから画像の耐擦性が優れたものとなる。インクの定着性に一層優れるため、インク組成物に含まれる全ての樹脂粒子のTgが40℃以上であると好ましい。
さらに、このような2種以上の樹脂粒子のうち、任意の2種の樹脂粒子同士の平均粒子径が30nm以上の差を有することにより、画像の耐擦性が十分優れたものとなる。当該平均粒子径の差は、画像の耐擦性が一層優れたものとなるため、40nm以上であることが好ましく、50〜100nmであることがより好ましい。
上記の樹脂粒子としては、以下に限定されないが、例えば、後述する分散樹脂、樹脂エマルジョン、及びワックス(エマルジョン)が挙げられる。これらの中でも、インクの定着性が一層優れたものとなるため、2種以上の樹脂粒子の組み合わせとして、一種がワックス(エマルジョン)であり、他の一種がスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂(エマルジョン)であると好ましい。なお、この好ましい組み合わせは、さらに他の種類の樹脂粒子が含まれることを制限するものではない。
一方で、インク組成物は、Tgが10℃以下の樹脂粒子を実質的に含有しないことが好ましい。これにより、画像の耐擦性が一層優れたものとなる。
なお、本明細書におけるガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、DSC曲線から求めることができる。
(1.分散樹脂)
顔料を分散させる分散樹脂としては、水溶性樹脂又は水不溶性樹脂が挙げられる。また、顔料は、分散樹脂を利用することなく分散性能を有する自己分散顔料などであってもよい。以下、一例として水不溶性樹脂を挙げる。水不溶性とは、例えば25℃の水100gに対する溶解度が1g未満である樹脂をいう。
分散樹脂として、水不溶性樹脂の樹脂分散剤の構造は、特に限定されないが、好ましい例を2つ挙げる。
1つめの例は、疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとのブロック共重合体樹脂からなり、かつ、少なくとも塩生成基を持つモノマーを含有しているものである。
疎水性基を持つモノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類や酢酸ビニル等のビニルエステル類やアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類などがあり、それぞれ1種単独か又は2種以上を混合して用いることができる。
親水性基を持つモノマーとしては、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコールモノメタクリレートなどがあり、それぞれ1種単独か又は2種以上を混合して用いることができる。特に、ポリエチレングリコール(2〜30)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(1〜15)・プロピレングリコール(1〜15)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体)(1〜30)メタクリレートなどの分岐鎖を構成するモノマー成分を用いることによって、印刷画像の光沢性が良好なものとなる。
塩生成基を持つモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンカルボン酸、及びマレイン酸などがあり、それぞれ1種単独か又は2種以上を混合して用いることができる。
さらに、片末端に重合成官能基を有するスチレン系マクロモノマー及びシリコーン系マクロモノマー等のマクロモノマー、並びにその他のモノマーを併用することもできる。
2つめの例は、親水性構造単位(a)と疎水性構造単位(b)とを有する水不溶性樹脂である。親水性構造単位(a)は、親水性基含有のモノマーに由来するものであれば、特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものでも、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものでもよい。当該親水性基としては、特に制限されることなく、解離性基であっても、ノニオン性の親水性基であってもよい。
本実施形態における水不溶性樹脂は、解離性基を有するモノマー(解離性基含有モノマー)及び非イオン性の親水性基を有するモノマーのうち少なくともいずれかを用いて、解離性基及び非イオン性の親水性基のうち少なくともいずれかを導入することができる。
上記解離性基は、乳化又は分散状態の安定性に優れるため、好ましい。解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、及びスルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を調製した場合の分散安定性に優れるため、カルボキシル基が好ましい。
上記親水性基含有モノマーとしては、解離性基含有モノマーが好ましく、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマーがより好ましい。解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、及び不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
上記疎水性構造単位(b)は、主鎖を形成する原子に連結基を介して結合された芳香環を有する構造単位を含むことが好ましい。このような芳香環を持つ構造単位においては、芳香環が、連結基を介して水不溶性樹脂の主鎖をなす原子と結合し、水不溶性樹脂の主鎖をなす原子に直接結合しない構造を有する。これにより疎水性の芳香環と親水性構造単位との間に適切な距離が維持されるため、水不溶性樹脂と顔料との間で相互作用が生じやすく、強固に吸着して分散性がさらに良好となる。
2つめの例のより詳細な好ましいモノマー種は、例えば特開2011−162692号公報に記載されている。
分散樹脂の重量平均分子量は、1,000〜200,000の範囲であることが好ましく、3,000〜150,000の範囲であることがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内である場合、顔料が水中で安定的に分散し、またインク組成物に適用した際の粘度制御などがしやすくなる。
また、酸価としては、約30以上の範囲であることが好ましく、50〜250の範囲であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であると、顔料粒子の水中での分散性が安定的に確保でき、またこれを用いたインク組成物を用いて記録された記録物の耐水性が良好となる。
樹脂分散剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、樹脂分散剤の含有量は特に制限されることなく、必要に応じて適宜決定すればよい。
(2.樹脂エマルジョン)
本実施形態のインク組成物は、樹脂エマルジョンを含んでもよい。樹脂エマルジョンは、被記録媒体が加熱される際、ワックス(エマルジョン)と共に樹脂被膜を形成することで、インク組成物を被記録媒体上に十分定着させて画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。そのため、樹脂エマルジョンは熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記の効果により樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いて記録された記録物は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上で耐擦性に優れたものとなる。
また、バインダーとして機能する樹脂エマルジョンはインク組成物中にエマルジョン状態で含有される。バインダーとして機能する樹脂をエマルジョン状態でインク組成物中に含有させることにより、インク組成物の粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、かつ、インク組成物の保存安定性及び吐出安定性に優れたものとなる。
樹脂エマルジョンとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
上記の樹脂エマルジョンとしては、公知の材料及び製造方法により得られるものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。当該市販品としては、以下に限定されないが、例えば、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント社(Nippon Paint Co., Ltd)製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、DIC社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン社(Zeon Corporation)製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学社(SAIDEN CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.)製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASF社製)等が挙げられる。
樹脂エマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは20nm〜300nmの範囲である。
樹脂エマルジョンの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.5〜7質量%の範囲であることが好ましい。含有量が上記範囲内であると、固形分濃度を低くすることができるため、吐出安定性を一層良好にすることができる。
(3.ワックス)
本実施形態のインク組成物は、ワックスを含有することが好ましい。さらに言えば、インク組成物に含まれるTg40℃以上である2種以上の樹脂粒子のうち、一種がワックスであるとより好ましい。インク組成物がワックスを含有することにより、インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体上でのインク組成物の定着性が一層優れたものとなる。ワックスの中でもエマルジョンタイプのものがより好ましい。上記ワックスとしては、以下に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックスエマルジョン、パラフィンワックスエマルジョン、及びポリオレフィンワックスが挙げられる。中でも、耐擦性に優れるため、ポリエチレンワックスエマルジョン及びパラフィンワックスエマルジョンのうち少なくともいずれかが好ましい。
なお、本明細書における「ワックスエマルジョン」とは、主に、界面活性剤を使用して、固体ワックス粒子を水中に分散させたものを意味する。
(パラフィンワックスエマルジョン)
上記インク組成物がパラフィンワックスエマルジョンを含むことにより記録物にスリップ性能が付与され、これにより当該インクは耐擦性に優れたものとなる。なお、パラフィンワックスは、撥水性を有するため、記録物の耐水性を良好なものとすることができる。
本明細書における「パラフィンワックス」とは、いわゆる石油系ワックスを意味し、炭素数20〜30程度の直鎖状のパラフィン系炭化水素(ノルマル・パラフィン)を主成分とし、少量のイソ(iso)・パラフィンを含む重量平均分子量300〜500程度の炭化水素の混合物を意味する。
インク組成物がパラフィンワックスをエマルジョン状態で含有することにより、インクの粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層優れたものとすることができる。
パラフィンワックスエマルジョンの融点は、記録物の被膜を一層強固にし、かつ画像の耐擦性を一層良好にするため、110℃以下であることが好ましい。一方で、パラフィンワックスエマルジョンの融点の下限は、被記録面が乾燥してべたつくことを防止するため、60℃以上が好ましい。さらに上記融点は、インクの吐出安定性を一層良好にするため、70〜95℃がより好ましい。
パラフィンワックスエマルジョンの平均粒子径は、安定的なエマルジョン状態とし、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは50nm〜200nmの範囲である。パラフィンワックスエマルジョンとしては、市販品をそのまま利用してもよい。当該市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AQUACER537、AQUACER539(以上商品名、BYK社製)が挙げられる。
パラフィンワックスエマルジョンの含有量(固形分換算)は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1〜3質量%の範囲が好ましく、0.3〜3質量%の範囲がより好ましく、0.3〜1.5質量%の範囲がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上に、耐擦性、耐ブロッキング性、及び耐水性に一層優れた画像を形成することができ、かつ、目詰まり防止に優れたインクとすることができる。
(ポリエチレンワックスエマルジョン)
上記インク組成物がポリエチレンワックスエマルジョンを含むことにより、インクの耐擦性を優れたものとすることができる。
ポリエチレンワックスエマルジョンの製造方法を例示すると、エチレンを重合して製造したり、あるいは一般成形用のポリエチレンを熱分解により低分子量化して製造したりすることでポリエチレンワックスを作製する。そして、このポリエチレンワックスを酸化してカルボキシル基や水酸基を付加し、さらに界面活性剤を使用して乳化して、安定性に優れた水性ワックスエマルジョンの形態で、ポリエチレンワックスエマルジョンが得られる。
ポリエチレンワックスエマルジョンとしては、市販品をそのまま利用してもよい。当該市販品としては、以下に限定されないが、例えば、ノプコートPEM17(商品名、サンノプコ社(SANNOPCO LIMITED)製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学社(Mitsui Chemicals, Inc.)製)、AQUACER507、AQUACER515、AQUACER539(以上商品名、BYK社製)が挙げられる。
ポリエチレンワックスエマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは50nm〜200nmの範囲である。
ポリエチレンワックスエマルジョンの含有量(固形分換算)は、互いに独立して、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1〜3質量%の範囲が好ましく、0.3〜3質量%の範囲がより好ましく、0.3〜1.5質量%の範囲がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上においても、インクを良好に固化・定着させることができ、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層優れたものとなる。
〔界面活性剤〕
本実施形態のインク組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤として、以下に限定されないが、例えばノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、被記録媒体上でインクを均一に拡げる作用がある。そのため、ノニオン系界面活性剤を含むインクを用いてインクジェット記録を行った場合、滲みの殆ど無い高精細な画像が得られる。このようなノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系、シリコン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、及びフッ素系の界面活性剤が挙げられ、中でもアセチレングリコール系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。
(アセチレングリコール系界面活性剤)
アセチレングリコール系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、表面張力及び界面張力を適正に保持する能力に優れており、かつ、起泡を殆ど生じさせない。これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクは、ヘッドのノズル面等のインクと接触するプリンター部材との界面張力と、表面張力と、を適正に保持することができる。そのため、アセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクをインクジェット記録方式に用いることにより、吐出安定性を良好にすることができる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は被記録媒体に対して良好な親和性(濡れ性)及び浸透性を示すため、これを含むインク組成物を用いて記録された画像は滲みの殆ど無い高精細なものとなる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3、DF110D(以上全て商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry Co.,Ltd.)製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社(Kawaken Fine Chemical Co.,Ltd.)製)が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層良好なものとなるため、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましい。
(シリコン系界面活性剤)
シリコン系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、被記録媒体上で滲みを生じないようにインクを均一に拡げる作用に優れる。
シリコン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社(Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)製)が挙げられる。
シリコン系界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シリコン系界面活性剤の含有量は、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層良好なものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましい。
〔水〕
本実施形態のインク組成物は、水を含有してもよい。特に、当該インクが水性インクである場合、水は、インクの主となる媒体であり、インクジェット記録において被記録媒体が加熱される際、蒸発飛散する成分となる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
〔有機溶剤〕
本実施形態のインク組成物は、揮発性の水溶性有機溶剤を含んでもよい。特に、インク組成物は、1気圧下相当での沸点が180℃以上200℃未満のアルキルポリオールと、1気圧下相当での沸点が200℃以上250℃以下のアルキルポリオール(より好ましくは1気圧下相当での沸点が200℃以上240℃以下のアルキルポリオール)と、を含むことが好ましい。これにより、目詰まり回復性及びインク乾燥性が優れたものとなる。
なお、本明細書における1気圧下相当での沸点は、熱分析装置を用いて測定することができる。
上記の沸点が180℃以上200℃未満のアルキルポリオールとしては、以下に限定されないが、例えば、1,2−ブタンジオール(沸点194℃)、エチレングリコール(沸点196℃)、1,2−エタンジオール(沸点197℃)、1,2−プロパンジオール(沸点188℃)、及び2−メチルペンタン−2,4−ジオール(沸点197℃)が挙げられる。当該アルキルポリオールの含有量は、インク乾燥性及び目詰まり回復性に優れるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。
また、上記の沸点が200℃以上250℃以下のアルキルポリオールとしては、以下に限定されないが、例えば、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,2−ペンタンジオール(沸点210℃)、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(沸点214℃)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(249℃)、ジブチレングリコール(沸点202℃)、及び1,3−ブチレングリコール(沸点207℃)が挙げられる。当該アルキルポリオールの含有量は、インク乾燥性及び目詰まり回復性に優れるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。
一方、インク組成物は、1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類を実質的に含まないことが好ましい。1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類を含むことにより、インク組成物の乾燥性が悪くなる傾向にある。その結果、種々の被記録媒体、特にインク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体において、画像の滲み(ブリーディング)が目立つだけでなく、インクが十分定着しないことに起因して画像の耐擦性にも劣る。ただし、本実施形態のインク組成物は、上述のとおり高沸点のピロリドン誘導体を実質的に含有しないことから、このようなアルキルポリオール類を含有するか否かによらず、本発明の課題を解決することはできる。
なお、1気圧下での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類としては、例えば、1気圧下での沸点が290℃のグリセリン等が挙げられる。
〔グリコールエーテル類〕
本実施形態のインク組成物は、デービス法により算出されたHLB値が4.2〜7.8の範囲内であるグリコールエーテル類を含むことが好ましい。本実施形態のインク組成物は、上記のHLB値の範囲を満たすグリコールエーテル類を含むことで、被記録媒体の種類による影響を殆ど受けずに、濡れ性や浸透速度を制御することできる。これにより、種々の被記録媒体、特にインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に対して、濃淡ムラが少ない鮮明な画像を記録することができる。
ここで、本実施形態において用いられるグリコールエーテル類のHLB値は、デービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、例えば、非特許文献である「J.T.Davies and E.K.Rideal,"Interface Phenomena"2nd ed.Academic Press,New York 1963」中で定義されているデービス法により求められる数値で、下記の数式(1)によって算出される値をいう。
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・(1)
(上記数式(1)中、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
下記の表1に、代表的な親水基及び疎水基の基数を例示する。
本実施形態のインク組成物に含まれ得るグリコールエーテル類は、デービス法により算出されたHLB値が、4.2〜7.8の範囲内であることが好ましく、5.8〜7.8の範囲内であることがより好ましい。HLB値が4.2以上であると、グリコールエーテル類の疎水性が弱くなり、主溶媒である水との親和性が強くなって、インクの保存安定性が良好になり得る。HLB値が7.8以下であると、被記録媒体への濡れ性や浸透性が良好となり、画像の濃淡ムラを防止することができ得る。特に、被記録面が疎水性であるインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体への濡れ性は、顕著に良好となる傾向がある。
このようなグリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、分子中に含まれるアルキル基が分岐構造を有するものがより好ましい。アルキル基が分岐構造を有するグリコールエーテル類を含有することで、特にインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に対して、濃淡ムラが抑えられた鮮明な画像を記録することができる。具体的には、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、及びジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテルが好ましく挙げられる。
上記の分子中に含まれるアルキル基の分岐構造の中でも、発色性をより良好とするため、2−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、及び2−エチルヘキシル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基がさらに好ましい。具体的には、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、及びジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテルが好ましく挙げられる。中でも、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、及びトリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルがより好ましい。
上記グリコールエーテル類の含有量は、被記録媒体への濡れ性及び浸透性を良好にして濃淡ムラを低減させたり、インクの保存安定性及び吐出信頼性を良好にしたりするため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.05〜6質量%が好ましい。当該含有量が0.05質量%以上であると、インク組成物の濡れ性、浸透性、及び乾燥性が良好となって鮮明な画像が得られ、また印刷濃度(発色性)も良好となる。また、当該含有量が6質量%以下であると、インクが低粘度化してヘッドの目詰まり安定性に優れ、かつ、インク組成物中で完全に溶解するため保存安定性が良好となる。グリコールエーテル類の中でも難水溶性のものが効果的であり、その含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜2質量%がより好ましい。
上記以外の有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、1,4−ブタンジオール(沸点230℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)、1,2−ヘキサンジオール(沸点224℃)、1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)、1,2−ヘプタンジオール(沸点227℃)、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(沸点226℃)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(沸点244℃)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール(沸点230℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、トリエチレングリコール(沸点285℃)、及びジプロピレングリコール(沸点229℃)等のアルキルポリオール類が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの有機溶剤の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.1〜15質量%程度であるとよい。
〔その他の成分〕
本実施形態のインク組成物は、上記の成分に加えて、水酸化カリウムやトリエタノールアミン等のpH調整剤、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、及び防錆剤などをさらに含んでもよい。
〔インク組成物の製造方法〕
本実施形態のインク組成物は、上述の成分(材料)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、顔料を添加する場合、顔料は、予め溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラーやマグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法として、例えば、遠心濾過やフィルター濾過などを必要に応じて行うことができる。
このように、本実施形態によれば、インク非吸収性及び低吸収性の被記録媒体に対して所定のインク組成物を記録するに際して、高速印刷を実現しつつ、画像の耐擦性に優れ、さらには画像の耐ブリード性及びインクの保存安定性にも優れた、インクジェット記録方法に用いるインク組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[使用材料]
下記の実施例及び比較例において使用した材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
・C.I.ピグメントブラック7(黒色顔料、以下「PBk7」ともいう。)
・二酸化チタン(白色顔料)
〔有機溶剤〕
(1.アルキルポリオール類)
・プロピレングリコール(沸点188℃、以下では「PG」ともいう。)
・1,2−ブタンジオール(沸点194℃、以下では「1,2−BD」ともいう。)
・1,3−ブタンジオール(沸点208℃、以下では「1,3−BD」ともいう。)
・1,2−ペンタンジオール(沸点210℃、以下では「1,2−PD」ともいう。)
・1,2−ヘキサンジオール(沸点224℃、以下では「1,2−HD」ともいう。)
・グリセリン(沸点290℃)
(2.グリコールエーテル類)
・ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(HLB値5.8、以下では「DEGmEHE」ともいう。)
・エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(HLB値5.4、以下では「EGmEHE」ともいう。)
(3.ピロリドン誘導体)
・2−ピロリドン
〔樹脂〕
・アルマテックスE208(スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂エマルジョン、三井化学社(Mitsui Chemicals, Inc.)製商品名、Tg14℃、以下では「E208」ともいう。)
・ジョンクリル538J(スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂エマルジョン、BASF社製商品名、Tg66℃、平均粒子径100nm、以下では「J538J」ともいう。)
・ジョンクリル7640(スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂エマルジョン、BASF社製商品名、Tg85℃、平均粒子径120nm、以下では「J7640」ともいう。)
・AQUACER515(ポリエチレンワックス粒子、ビックケミー・ジャパン社製商品名、Tg40℃以上、融点135℃、平均粒子径40nm、以下では「AQ515」ともいう。)
〔界面活性剤〕
・BYK−348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン社製商品名)
・サーフィノールDF110D(アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry Co., Ltd.)製商品名、以下では「DF110D」ともいう。)
〔pH調整剤〕
・トリエタノールアミン(以下では「TEA」ともいう。)
〔キレート化剤〕
・エチレンジアミン四酢酸(以下では「EDTA」ともいう。)
〔水〕
・イオン交換水
[インクの調製]
下記表2及び表3に記載の材料を、表に記載した割合(単位:質量%)で合計100質量%となるよう容器に添加した。この容器をマグネチックスターラーで2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブランフィルターで濾過してゴミや粗大粒子などの不純物を除去することにより、インク1〜13をそれぞれ調製した。
[実施例1〜8、比較例1〜6]
〔記録物の製造(インクジェット記録)〕
インクジェットデジタルラベル印刷機(Inkjet Digital Label Press)であるSurePress L−4033A(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)を用いた。この印刷機(プリンター)は、概略的に説明すれば、インクの液滴を吐出するピエゾヘッドと、当該ヘッドから被記録媒体に向けてインクが吐出される領域の下方に設けられたプラテンヒーターと、プラテンヒーターよりも搬送方向の下流側に設けられた乾燥炉と、を備える。
上記で調製したインクごとに、画像形成工程を次のようにして行った。上記ピエゾヘッドから、被記録媒体であるPPフィルム(UPM Raflatac社製のSY51M)に向けて、上記で調製したインクを吐出し付着させて、ベタパターン画像を形成した。このときの画像形成条件(印刷条件)は、印刷解像度を1440dpi×720dpiとし、単位面積当たりのインクの付着量を10mg/インチ2とし、画像の形成速度(印刷速度)を0.934m2/分とした。
なお、本明細書における「ベタパターン画像」とは、印刷解像度で規定される最小印刷単位領域である画素の全ての画素に対してドットを印刷した画像を意味する。
加熱工程は、上記のプラテンヒーターによって被記録媒体を45℃に加熱して画像を形成した後、さらに、表4及び表5に示す加熱温度に設定した乾燥炉で30秒間加熱させ、付着したインクがPPフィルム上で定着するようにした。なお、比較例4では加熱工程を行わなかった。
〔評価方法〕
(1.耐擦性)
JIS K5701(ISO 11628)(平版印刷に用いられるインク、展色試料、及び印刷物を試験する方法について規定。)に準じて、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301(テスター産業社(TESTER SANGYO CO., LTD.)製商品名)を用いて評価を行った。評価方法は、各実施例及び各比較例で得られた記録物の被記録面(画像形成面)を、白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子で、荷重300gをかけて10往復擦った。そして、擦った後の、被記録面における傷の程度を目視で観察した。なお、高速印刷が実現したか否かは、インクの乾燥性、即ち耐擦性が優れているか否かによって判断できるため、本評価の結果で判断した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記の表4及び表5に示す。
A:ベタパターン画像に傷がなかった。
B:ベタパターン画像の表面積に対して1/3未満の面積に亘り、傷が発生するものの、被記録面が露出するような剥離は見られなかった。
C:ベタパターン画像の表面積に対して1/3未満の面積に亘り、被記録面が露出するような剥離が見られた。
D:ベタパターン画像の大部分で、被記録面が露出する剥離が見られた。
(2.耐ブリード性)
ベタパターン画像中に白抜き文字が配置された画像に変更し、各実施例及び各比較例に基づいて記録物を作製した。得られた記録物の白抜き文字の視認性を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記の表4及び表5に示す。
A:5ポイントの白抜き文字がはっきりと視認できる。
B:8ポイントの白抜き文字が視認できるが、5ポイントの白抜き文字は滲みがあり視認できない。
C:5ポイントの白抜き文字も、8ポイントの白抜き文字も、ともに滲みがひどく文字として視認できない。
(3.保存安定性)
インク組成物を、それぞれサンプル瓶に入れ、完全に密閉した。このサンプル瓶を60℃で14日間保存した後、20℃に戻したときの粘度を測定した。保存前の20℃における粘度と保存後の20℃における粘度とを比較することにより、保存安定性を評価した。粘度の測定は、サンプル瓶を20℃の恒温槽に4時間入れた後、振動式粘度計VM−100AL(山一電機社製)により測定した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記の表4及び表5に示す。
A:粘度の変化率が10%未満である。
B:粘度の変化率が10%以上である。
[実施例9]
背景画像を形成する工程を追加したインクジェット記録(重ね塗り印刷)を行った。背景用インクとして、上記で調製した白色のインク11を用いた。
まず、SurePress L−4033Aのピエゾヘッドから、上記プラテンヒーターで45℃に加熱されたPPフィルム(SY51M)に向けて、インク11を吐出し付着させて、白色の背景用ベタパターン画像(背景画像)を形成した。続いて、SurePress L−4033Aのうち別のピエゾヘッドから、上記白色のベタパターン画像に向けて、インク1を吐出し付着させて、黒色のベタパターン画像(黒色画像)を重ねて形成した(上記白色の画像形成及び黒色の画像形成を各8パスで行ったため、計16パスの印刷である。)。その後、乾燥炉で、このベタパターン画像を加熱した。このときの画像形成条件及び加熱条件は、実施例1で採った条件と同じである。
このようにして、フィルム上に、背景画像、黒色画像の順に重ね塗られた記録物を作製した。得られた記録物について、上記実施例1と同様にして耐擦性を評価した。同様に、黒のベタパターン画像中に白抜き文字を配置した画像に変更して、作製した記録物について、耐ブリード性を評価した。評価結果を下記表6に示す。
[実施例10]
黒色のベタパターン画像を形成し加熱した後に、白色の背景用ベタパターン画像を形成し加熱した点以外は、実施例9と同様にして記録物を作製した。評価結果を下記表6に示す。
[比較例7]
黒色インクとしてインク8を用い、白色インクとしてインク12を用いた点以外は、実施例10と同様にして記録物を作製した。評価結果を下記表6に示す。
[比較例8]
黒色インクとしてインク8を用い、白色インクとしてインク12を用いた点以外は、実施例9と同様にして記録物を作製した。評価結果を下記表6に示す。
なお、下記表6中、「インクNo.(黒)」は、上記で調製したインクのうち、顔料としてC.I.ピグメントブラック7を含む黒色インクの番号を意味する。「インクNo.(白)」は、上記で調製したインクのうち、顔料として二酸化チタンを含む白色インクの番号を意味し、当該白色インクは背景用インクとして用いたものである。「印刷順序」は、黒色インク、白色インクの順に同じフィルムの領域に吐出して、各々のベタパターン画像が重ねて形成された場合を「黒→白」と表し、その逆の場合を「白→黒」と表した。「単位面積当たりのインクの総吐出量」は、言い換えると単位面積当たりの黒色インク及び白色インクの打ち込み量の合計であり、正確に言えば単位面積当たりの白色インク及び黒色インクの総付着量のことであり、Aの方がBよりも多いことを意味する。つまり、単位面積当たりのインクの総吐出量がAの場合、Bの場合よりも、フィルム上にインクが付着した総量が多いといえる。
上記の実施例1〜8及び比較例1〜6の結果より、色材とTg40℃以上の2種以上の樹脂粒子とを含有し、かつ、沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないインク組成物を、インク非吸収性の被記録媒体に向けて吐出し付着させて画像を形成する画像形成工程と、当該被記録媒体を所定温度で加熱する加熱工程と、を含み、上記2種以上の樹脂粒子のうちいずれか2種の樹脂粒子における平均粒子径の差が30nm以上である記録方法(実施例1〜8)は、そうでない記録方法(比較例1〜6)と比較して、耐擦性、耐ブリード性、及び保存安定性のいずれにも優れることが分かった。さらに言えば、本発明によれば、8パスという高速印刷を実現しつつ、画像の耐擦性及び耐ブリード性、並びにインクの保存安定性のいずれにも優れたインクジェット記録方法を提供できる。
また、上記の実施例1,9,及び10、並びに比較例1,7,及び8の結果より、背景画像を形成する工程をさらに含み、インクの総吐出量が一層多くなる場合であっても、本発明のインクジェット記録によれば、背景画像を形成する工程を含まないインクジェット記録の場合と同じ加熱温度で、高速印刷を実現しつつ、画像の耐擦性及び耐ブリード性が同等に優れることが分かった。

Claims (9)

  1. 色材と、ガラス転移温度が40℃以上である2種以上の樹脂粒子と、を含有し、かつ、
    1気圧下相当での沸点が240℃以上のピロリドン誘導体を実質的に含有しないインク組成物を、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体に向けて吐出し付着させて画像を形成する画像形成工程と、
    前記被記録媒体を35〜100℃で加熱する加熱工程と、を含み、
    前記2種以上の樹脂粒子のうちいずれか2種の樹脂粒子における平均粒子径の差が30nm以上である、インクジェット記録方法。
  2. 前記画像の形成速度は0.3m2/分以上である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク組成物は、ガラス転移温度が10℃以下の樹脂粒子を実質的に含有しない、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物は、1気圧下相当での沸点が180℃以上200℃未満のアルキルポリオールと、1気圧下相当での沸点が200℃以上250℃以下のアルキルポリオールと、をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 下記(1)又は(2)の工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
    (1)前記画像形成工程の前に行われ、前記インク組成物を付着させる被記録媒体の領域に向けて、背景用インク組成物を吐出し付着させて背景画像を形成する工程。
    (2)前記画像形成工程の後に行われ、前記インク組成物が付着した被記録媒体の領域に向けて、背景用インク組成物を吐出し付着させて背景画像を形成する工程。
  6. 前記画像の少なくとも一部の領域における単位面積当たりの前記インク組成物の付着量は10mg/インチ2以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インク組成物は、1気圧下相当での沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記インク組成物は、ピロリドン誘導体を実質的に含有しない、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法を用いて記録を行う、インクジェット記録装置。
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