JP2019155851A - インクジェット記録方法およびインクセット - Google Patents

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智仁 中野
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雄介 水瀧
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圭介 森田
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Abstract

【課題】VOC発生量を低減しながら、画質に優れた記録を行うことができるインクジェット記録方法およびインクセットを提供する。【解決手段】本発明に係るインクジェット記録方法は、第1インク組成物をインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に付与する工程と、第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように第2インク組成物を記録媒体に付着させる工程とを有し、第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水とを含有し、1,2−ヘキサンジオールの第1インク組成物における含有量は3質量%以下であり、第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を0.5質量%を超えて含有しない。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法およびインクセットに関する。
インクジェット記録装置の吐出ヘッドのノズルから微小なインク滴を吐出させて、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録方法が知られている。近年では、例えば、普通紙等のインクの吸収性に優れた記録媒体に対する画像の記録だけでなく、例えば、アート紙、コート紙等の、インクの吸収性の小さい低吸収性記録媒体や、例えば、プラスチックフィルム等のインクをほとんど吸収しない非吸収性記録媒体に対する画像の記録にも用いられるようになってきている。そして、このような低吸収性記録媒体や非吸収性記録媒体に対する画像の記録にも、水をベースとした水系インクが用いられるようになってきている。
水系インクを用いたインクジェット記録方法では、画質向上のために浸透溶剤としてアルカンジオールが添加されており、特に画像の埋まり性が高い1,2−ヘキサンジオールが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−94854号公報
浸透溶剤として1,2−ヘキサンジオールを含む水系インクを用いたインクジェット記録方法において、更なる記録物の画質の向上と、記録物から発生する時間当たりの揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)の量の低減が望まれている。
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
第1インク組成物をインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に付与する工程と、前記第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように、第2インク組成物を前記記録媒体に付着させる工程と、を有するインクジェット記録方法であって、
前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水とを含有し、
前記1,2−ヘキサンジオールの前記第1インク組成物における含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、
前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しない。
前記インクジェット記録方法の一態様において、
前記アルカンジオールの前記第1インク組成物における含有量が、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以上15質量%以下であってもよい。
前記インクジェット記録方法の一態様において、
前記第1インク組成物は、標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルをさらに含ん
でもよい。
前記インクジェット記録方法の一態様において、
前記第1インク組成物と前記第2インク組成物とが重なって前記記録媒体に付与された領域における、前記第2インク組成物によって前記記録媒体上に記録された画像の膜厚が、20nm以上80nm以下であってもよい。
本発明に係るインクセットの一態様は、
第1インク組成物と、第2インク組成物とを含んで構成されるインクセットであって、
前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水と、を含有し、
前記1,2−ヘキサンジオールの含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、
前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しない。
本実施形態に係るインクジェット記録方法を行う記録方装置の概略斜視図。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、第1インク組成物をインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に付与する工程と、前記第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように、第2インク組成物を前記記録媒体に付着させる工程と、を有するインクジェット記録方法であって、前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水とを含有し、前記1,2−ヘキサンジオールの前記第1インク組成物における含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しないことを特徴とする。
また、本実施形態に係るインクセットは、第1インク組成物と、第2インク組成物とを含んで構成されるインクセットであって、前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水と、を含有し、前記1,2−ヘキサンジオールの含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しないことを特徴とする。
以下、本実施形態に係るインクジェット記録方法およびインクセットについて、本実施形態に係るインクジェット記録方法およびインクセットを適応可能なインクジェット記録装置、インクセット、記録媒体、インクジェット記録方法の順に説明する。
1.各構成
1.1.インクジェット記録装置
本実施形態に係るインクジェット記録方法が実施されるインクジェット記録装置の一例について図面を参照しながら説明する。図1は、インクジェット記録装置を模式的に示す概略断面図である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2と、IRヒーター3と、プラテンヒーター4と、硬化ヒーター5と、冷却ファン6と、プレヒーター7と、通気ファン8と、を備える。インクジェット記録装置1は、図示しない制御部を備え、制御部によりインクジェット記録装置1全体の動作が制御される。
インクジェットヘッド2は、記録媒体Mに対してインク組成物を吐出して付着させる手段である。
インクジェットヘッド2は、インク組成物を吐出するノズル(図示せず)を備える。インクをノズルから吐出させる方式としては、例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に吐出させ、インクの液滴が偏向電極間を飛翔する間に記録情報信号に対応して吐出させる方式(静電吸引方式);小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を吐出させる方式;インクに圧電素子で圧力と記録情報信号を同時に加え、インクの液滴を吐出・記録させる方式(ピエゾ方式);インクを記録情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インクの液滴を吐出・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
インクジェットヘッド2としては、ライン式インクジェットヘッド、シリアル式インクジェットヘッドのいずれも使用可能である。
ここで、シリアル式インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置とは、記録用のインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に移動させつつインク組成物を吐出させる走査(パス)を、複数回行うことによって記録を行うものである。シリアル型のインクジェットヘッドの具体例には、記録媒体の幅方向、つまり、記録媒体の搬送方向に交差する方向に移動するキャリッジにインクジェットヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴ってインクジェットヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するものが挙げられる。
一方、ライン式インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置は、記録用のインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に移動させつつインク組成物を吐出させる走査(パス)を1回行うことにより記録を行うものである。ライン型のインクジェットヘッドの具体例には、インクジェットヘッドが記録媒体の幅よりも広く形成され、記録用のインクジェットヘッドが移動せずに記録媒体上に液滴を吐出するものが挙げられる。
本実施形態では、インクジェット記録装置1として、シリアル式インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を用い、インクをノズルから吐出させる方式としてピエゾ方式を利用したインクジェットヘッド2を用いている。
インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2からのインク組成物の吐出時に記録媒体Mを加熱するための、つまり、一次加熱または一次乾燥用のIRヒーター3及びプラテンヒーター4を備える。本実施形態において、後述するインク組成物付着工程で記録媒体Mを加熱する際には、IRヒーター3及びプラテンヒーター4の少なくとも1つを用いればよい。
なお、IRヒーター3を用いると、インクジェットヘッド2側から記録媒体Mを加熱す
ることができる。これにより、インクジェットヘッド2も同時に加熱されやすいが、プラテンヒーター4等の記録媒体Mの裏面から加熱される場合と比べて、記録媒体Mの厚みの影響を受けずに昇温することができる。また、記録媒体Mを加熱する際にプラテンヒーター4を用いると、インクジェットヘッド2側と反対側から記録媒体Mを加熱することができる。これにより、インクジェットヘッド2が比較的加熱されにくくなる。
IRヒーター3及びプラテンヒーター4による、記録媒体Mの表面温度の上限は45℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましく、35℃以下であることがより好ましい。また、記録媒体Mの表面温度の下限は25℃以上であることが好ましく、28℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがより好ましい。これにより、IRヒーター3及びプラテンヒーター4から受ける輻射熱が少ない又は受けなくなることから、インクジェットヘッド2内のインク組成物の乾燥及び組成変動を抑制でき、インクジェットヘッド2の内壁に対するインクや樹脂の溶着が抑制される。また、インクを早期に固定することができ、画質を向上させることができる。
硬化ヒーター5は、記録媒体Mに付着されたインク組成物を乾燥及び固化させる、つまり、二次加熱または二次乾燥用のヒーターである。硬化ヒーター5が、画像が記録された記録媒体Mを加熱することにより、インク組成物中に含まれる水分等がより速やかに蒸発飛散して、インク組成物中に含まれる樹脂微粒子の樹脂によってインク膜が形成される。このようにして、記録媒体M上においてインク膜が強固に定着または接着して造膜性が優れたものとなり、優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。硬化ヒーター5による記録媒体Mの表面温度の上限は120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、90℃以下であることがさらに好ましい。また、記録媒体Mの表面温度の下限は60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましい。温度が前記範囲にあることにより、高画質な画像を短時間で得ることができる。
インクジェット記録装置1は、冷却ファン6を有していてもよい。記録媒体Mに記録されたインク組成物を乾燥後、冷却ファン6により記録媒体M上のインク組成物を冷却することにより、記録媒体M上に密着性よくインク塗膜を形成することができる。
また、インクジェット記録装置1は、記録媒体Mに対してインク組成物が付着される前に、記録媒体Mを予め加熱するプレヒーター7を備えていてもよい。さらに、記録装置1は、記録媒体Mに付着したインク組成物がより効率的に乾燥するように通気ファン8を備えていてもよい。
1.2.インクセット
次に、本実施形態に係るインクセットについて説明する。
本実施形態に係るインクセットは、第1インク組成物と、第2インク組成物とを含んで構成されるインクセットであって、前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水と、を含有し、前記1,2−ヘキサンジオールの含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しないことを特徴とする。
以下、本実施形態に係るインクセットを構成するインク組成物に含まれる成分について第1インク組成物と第2インク組成物に分けて説明する。
なお、本実施形態に係るインクセットを構成するインク組成物は、水系インクジェットインク組成物であることが好ましい。ここで、本発明における「水系」インクジェットインク組成物とは、水を主要な溶媒として、有機溶剤を主要な溶媒としない組成物である。インク組成物中の有機溶剤の含有量は、その組成物100質量%に対して30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。インク組成物中の水の含有量は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
1.2.1.第1インク組成物
本実施形態に係るインクセットを構成する第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水とを含有し、前記1,2−ヘキサンジオールの前記第1インク組成物における含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下である。
<色材>
本実施形態において、第1インク組成物は、色材を含有する。色材としては、染料や顔料等を挙げることができるが、光やガス等に対して退色しにくい性質を有していることから顔料を用いることが好ましい。色材として顔料を用いた場合、記録媒体上に形成された画像は、耐水性、耐ガス性、耐光性等に優れ、保存性が良好となる。
本実施形態において使用可能な顔料としては、特に制限されないが、無機顔料や有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を使用することができる。アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キノフラロン顔料等が挙げられる。
ブラックインクに使用される顔料としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、もしくはチャンネルブラック等(C.I.ピグメントブラック7)、また市販品としてNo.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA77、MA100、No.2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、及び酸化ジルコニウムの白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもで
きる。
イエローインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外のカラーインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7、10、C.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63が挙げられる。
パール顔料としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。
メタリック顔料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅などの単体又は合金からなる粒子が挙げられる。
第1インク組成物に含まれ得る色材の含有量の下限値は、インク組成物の全質量に対して、1.5質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。一方、第1インク組成物に含まれ得る色材の含有量の上限値は、インク組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。色材の含有量が前記範囲にあることにより、記録媒体上に形成された画像は、耐水性、耐ガス性、耐光性等に優れ、保存性が良好となる。
上記の顔料をインク組成物に適用するためには、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにする必要がある。その方法としては、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂等の樹脂分散剤にて分散させる方法(以下、この方法により分散された顔料を「樹脂分散顔料」という。)、水溶性界面活性剤および/または水分散性界面活性剤の界面活性剤にて分散させる方法(以下、この方法により分散された顔料を「界面活性剤分散顔料」という。)、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、上記の樹脂あるいは界面活性剤等の分散剤なしで水中に分散および/または溶解可能とする方法(以下、この方法に
より分散された顔料を「表面処理顔料」という。)等が挙げられる。本実施形態において、インク組成物は、上記の樹脂分散顔料、界面活性剤分散顔料、表面処理顔料のいずれも用いることができ、必要に応じて複数種混合した形で用いることもできる。
樹脂分散顔料に用いられる樹脂分散剤としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等およびこれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に、疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を有するモノマーとの共重合体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
上記の塩としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリン等の塩基性化合物との塩が挙げられる。これら塩基性化合物の添加量は、上記樹脂分散剤の中和当量以上であれば特に制限はない。
上記樹脂分散剤の分子量は、重量平均分子量として1,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、3,000以上10,000以下の範囲であることがより好ましい。分子量が上記範囲であることにより、顔料の水中での安定的な分散が得られ、またインク組成物に適用した際の粘度制御等がしやすい。
以上述べた樹脂分散剤としては市販品を用いることもできる。詳しくは、ジョンクリル67(重量平均分子量:12,500、酸価:213)、ジョンクリル678(重量平均分子量:8,500、酸価:215)、ジョンクリル586(重量平均分子量:4,600、酸価:108)、ジョンクリル611(重量平均分子量:8,100、酸価:53)、ジョンクリル680(重量平均分子量:4,900、酸価:215)、ジョンクリル682(重量平均分子量:1,700、酸価:238)、ジョンクリル683(重量平均分子量:8,000、酸価:160)、ジョンクリル690(重量平均分子量:16,500、酸価:240)(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
また、界面活性剤分散顔料に用いられる界面活性剤としては、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、モノグリセライトリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルピリジウム塩、アルキルアミノ酸塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
上記樹脂分散剤または上記界面活性剤の顔料に対する添加量は、顔料100質量部に対
して、好ましくは1質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。この範囲であることにより、顔料の水中への分散安定性が確保できる。
表面処理顔料としては、親水性官能基として、−OM、−COOM、−CO−、−SOM、−SONH、−RSOM、−POHM、−PO、−SONHCOR、−NH、−NR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を示す。)等が挙げられる。これらの官能基は、顔料粒子表面に直接および/または他の基を介してグラフトされることによって、物理的および/または化学的に導入される。多価の基としては、炭素数が1〜12のアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を有していてもよいナフチレン基等を挙げることができる。
前記の表面処理顔料としては、硫黄を含む処理剤によりその顔料粒子表面に−SOMおよび/または−RSOM(Mは対イオンであって、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンを示す。)が化学結合するように表面処理されたもの、すなわち、前記顔料が、活性プロトンを持たず、スルホン酸との反応性を有せず、顔料が不溶ないしは難溶である溶剤中に、顔料を分散させ、次いでアミド硫酸、又は三酸化硫黄と第三アミンとの錯体によりその粒子表面に−SOMおよび/または−RSOMが化学結合するように表面処理され、水に分散および/または溶解が可能なものとされたものであることが好ましい。
前記官能基またはその塩を顔料粒子の表面に直接または多価の基を介してグラフトさせる表面処理手段としては、種々の公知の表面処理手段を適用することができる。例えば、市販の酸化カーボンブラックにオゾンや次亜塩素酸ソーダ溶液を作用し、カーボンブラックをさらに酸化処理してその表面をより親水化処理する手段(例えば、特開平7−258578号公報、特開平8−3498号公報、特開平10−120958号公報、特開平10−195331号公報、特開平10−237349号公報)、カーボンブラックを3−アミノ−N−アルキル置換ピリジウムブロマイドで処理する手段(例えば、特開平10−195360号公報、特開平10−330665号公報)、有機顔料が不溶又は難溶である溶剤中に有機顔料を分散させ、スルホン化剤により顔料粒子表面にスルホン基を導入する手段(例えば、特開平8−283596号公報、特開平10−110110号公報、特開平10−110111号公報)、三酸化硫黄と錯体を形成する塩基性溶剤中に有機顔料を分散させ、三酸化硫黄を添加することにより有機顔料の表面を処理し、スルホン基又はスルホンアミノ基を導入する手段(例えば、特開平10−110114号公報)等が挙げられるが、本発明で用いられる表面処理顔料のための作製手段はこれらの手段に限定されるものではない。
1つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類及びその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、及びインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。
以上述べた樹脂分散顔料、界面活性剤分散顔料、表面処理顔料を水中に分散させる方法としては、樹脂分散顔料については顔料と水と樹脂分散剤、界面活性剤分散顔料については顔料と水と界面活性剤、表面処理顔料については表面処理顔料と水、また各々に必要に応じて水溶性有機溶剤・中和剤等を加えて、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミル等の従来用いられている分散機にて行うことができる。この場合、顔料の粒子径としては、平均粒子径で20nm以上500nm以下の範囲になるま
で、より好ましくは50nm以上200nm以下の範囲になるまで分散することが、顔料の水中での分散安定性を確保する点で好ましい。
<有機溶剤>
本実施形態において、第1インク組成物は有機溶剤を含有する。第1インク組成物が有機溶剤を含有することにより、記録の際に吐出安定性に優れ、かつ、記録媒体上に吐出されたインク組成物の乾燥性が良好となり、画質と耐擦性に優れた画像を得ることができる。
インク組成物に用いる有機溶剤としては、水溶性有機溶剤であることが好ましい。水溶性有機溶剤を使用することにより、よりインク組成物の乾燥性が良好となり、画質と耐擦性に優れた画像を得ることができる。
水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、1,2−アルカンジオール類、1,2−アルカンジオール類を除く多価アルコール類、ピロリドン誘導体、グリコールエーテル類等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対するインク組成物の濡れ性を高めて均一に濡らす作用や、記録媒体に対する浸透溶剤としての作用に優れている。
1,2−アルカンジオール類を除く多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオール、グリセリン等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。
ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。ピロリドン誘導体は、樹脂の良好な溶解剤として作用し、耐擦性に優れた記録物を得たり、インクジェットヘッドやノズルの目詰まりを防止することができる。
グリコールエーテル類としては、例えば、ヘキシルグリコール、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘ
キシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。グリコールエーテル類は、インク組成物の記録媒体に対する濡れ性等を制御することできる。
本実施形態において第1インク組成物は、上記の有機溶剤の中でも、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールを含有することを特徴とする。炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールとしては、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下、「MPD」ともいう。)を挙げることができる。
MPDは標準沸点が250℃であるため、第1インク組成物がMPDを含有することにより、時間当たりのVOC発生量の低減が可能な記録方法を提供することができる。また、MPDは記録媒体に対する浸透性や濡れ性が良好であるため、画質に優れた画像の記録が可能となる。
MPDの含有量は、第1インク組成物の全質量に対して、下限値は3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、第1インク組成物中のMPDの含有量の上限値は、15質量%以下であることが好ましく、13質量%以下であることがより好ましく、11質量%以下であることがさらに好ましい。インク組成物中のMPDの含有量が前記範囲にある場合には、優れた画質とVOC発生量の低減を可能とすることができる。
また、本実施形態において第1インク組成物は、上記の有機溶剤の中でも、1,2−ヘキサンジオールを含むものであり、さらに、1,2−ヘキサンジオールの含有量は、第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であることを特徴とする。
1,2−ヘキサンジオールは標準沸点が223℃と低いが、記録媒体に対する浸透性が高い。このため、1,2−ヘキサンジオールを含むインクは、画像の埋まり性が確保され、記録物の画質が向上する。また、1,2−ヘキサンジオールの含有量を3質量%以下とし、さらに、後述する第2インク組成物をオーバーコートさせる記録方法とすることにより、時間当たりのVOC発生量の低減が可能な記録方法を提供することができる。
なお、1,2−ヘキサンジオールの含有量は、VOC発生量の低減を可能とするために、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
さらに、上記の有機溶剤の中でも、本実施形態に係る第1インク組成物は、標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルを含むことが好ましい。標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル(標準沸点272℃)や、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(標準沸点259℃)が挙げられる。
標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルは、記録媒体への浸透剤として機能するため、含むことにより画質の粒状性が向上する。また、標準沸点が245℃以上のグリコ
ールエーテルは、保湿剤として機能する他、インクの動的表面張力を調整することができる。このため、インク組成物が、標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルを含む場合には、吐出安定性が向上する。
なお、標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルの含有量が高すぎると、インク中に溶解せずに吐出特性が低下したり、インクの保存安定性が低下する傾向がある。したがって、標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルの含有量は、インク組成物の全質量に対して、下限値は0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。また、インク組成物中のジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルの含有量の上限値は、0.5質量%以下であることが好ましく、0.45質量%以下であることがより好ましく、0.4質量%以下であることがさらに好ましい。標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルの含有量が前記範囲にある場合には、吐出特性と画質が向上し、インクの保存安定性も向上する。
また、トリエチレングリコールやグリセリン等の標準沸点が280℃以上の有機溶剤は、保湿剤として機能するため、含有するとインクジェットヘッドの乾燥を抑制し、吐出が安定する。一方、標準沸点が280℃以上の有機溶剤がインク組成物の水分を吸収して、インクジェットヘッド付近のインク組成物を増粘させ、インクジェットヘッドの吐出安定性が低下する場合がある。このため、本実施形態において、第1インク組成物は、標準沸点が280℃以上の有機溶剤の含有量が20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、13質量%以下であることがさらに好ましい。この場合には、インクジェットヘッドの吐出が安定すると共に、記録媒体上でのインク組成物の乾燥性が高くなるので、耐擦性に優れた画像が得られる。
<水>
本実施形態において、第1インク組成物は水を含有する。水は、第1インク組成物の主となる媒体であり、乾燥によって蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を抑制できるので好適である。
水の含有量は、第1インク組成物の全質量に対して、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
<樹脂>
本実施形態において、第1インク組成物は、水溶性および/または非水溶性の樹脂を含有してもよい。該樹脂は、インクを固化させ、さらにインク固化物を記録媒体上に強固に定着させる作用を有する。樹脂は、インク組成物中に溶解された状態またはインク組成物中に分散された状態のいずれの状態であってもよい。溶解状態の樹脂としては、第1インク組成物の顔料を分散させる場合に使用する、上記の樹脂分散剤を用いることができる。また、分散状態の樹脂としては、第1インク組成物の液媒体に難溶あるいは不溶である樹脂を、微粒子状にして分散させて、すなわちエマルジョン状態、あるいはサスペンジョン状態にして、含ませることができる。
上記の樹脂としては、ポリアクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリメタクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリアクリロニトリルもしくはその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレンもしくはそれらの共重合体、石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、ポリ酢酸ビニルもしくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニルもしくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドンもしくはその共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブタジエンもしくはその共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、天然樹脂等が挙げられる。この中で、特に分子構造中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持つものが好ましい。
上記の樹脂を微粒子状態で得るには、以下に示す方法で得られ、そのいずれの方法でもよく、必要に応じて複数の方法を組み合わせてもよい。その方法としては、所望の樹脂を構成する単量体中に重合触媒(重合開始剤)と分散剤とを混合して重合、すなわち乳化重合する方法、親水性部分を持つ樹脂を水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を水中に混合した後に水溶性有機溶剤を蒸留等で除去することで得る方法、樹脂を非水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を分散剤と共に水溶液中に混合して得る方法等が挙げられる。上記の方法は、用いる樹脂の種類・特性に応じて適宜選択することができる。樹脂を分散する際に用いることのできる分散剤としては、特に制限はないが、アニオン性界面活性剤、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルリン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩等、ノニオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができ、これらを単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。
上記のような樹脂として、エマルジョン状態やサスペンジョン状態等の微粒子状態で用いる場合、公知の材料・方法で得られるものを用いることも可能である。例えば、特公昭62−1426号公報、特開平3−56573号公報、特開平3−79678号公報、特開平3−160068号公報、特開平4−18462号公報等に記載のものを用いてもよい。また、市販品を用いることもでき、例えば、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)、ダイナフローシリーズ(商品名、JSR株式会社製)等が挙げられる。
樹脂を微粒子状態で用いる場合、インク組成物の保存安定性および吐出安定性を確保する観点から、その平均粒子径は、好ましくは5nm以上400nm以下の範囲であり、より好ましくは50nm以上200nm以上の範囲である。樹脂微粒子の平均粒子径が前記範囲にあることにより、成膜性に優れると共に、凝集しても大きな塊ができにくいのでノズルの目詰まりを低減することができる。なお、本明細書における平均粒子径は、特に明示がない限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、動的光散乱理論を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。このような粒度分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製の「マイクロトラックUPA」等が挙げられる。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、−20℃以上100℃以下であることが好ましく、−10℃以上80℃以下であることがより好ましい。
樹脂の含有量は、第1インク組成物の全質量に対して、固形分換算で好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以上7質量%以下であり、特に好ましくは3質量%5質量%以下である。この範囲内であることにより、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上においても、インク組成物を固化・定着させることができる。
<界面活性剤>
本実施形態において、第1インク組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が挙げられ、これらの少なくとも1種を含有することが好ましく、これらの中でもシリコーン系界面活性剤を含有することがより好ましい。インクがシリコーン系界面活性剤を含有することにより、インクの動的表面張力を下がり、吐出安定性をさらに向上させることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、エアープロダクツジャパン株式会社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して0.1質量%以上1.5質量%以下とすることができ、0.5質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
<その他の含有成分>
本実施形態において、インク組成物は、さらに、pH調整剤、ポリオレフィンワックス、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤、有機溶剤以外の保湿剤等を含有してもよい
。これらの材料を添加すると、インク組成物の有する特性をさらに向上させることができる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンまたはその誘導体から製造したワックスおよびそのコポリマー、具体的には、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、市販されているものを利用することができ、具体的には、ノプコートPEM17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515、AQUACER593(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等を用いることができる。
ポリオレフィンワックスを添加すると、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上に形成された画像の物理的接触に対する滑り性を向上させることができ、画像の耐擦性を向上できる点から好ましい。ポリオレフィンワックスの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上1質量%以下である。ポリオレフィンワックスの含有量が、上記範囲にあると、上述の効果が十分に発揮される。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
有機溶剤以外の保湿剤としては、糖等が挙げられる。
1.2.2.第2インク組成物
本実施形態に係るインクセットを構成する第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しない。
ここで、クリアインクとは、色材を実質的に含有しないインク組成物である。具体的には、色材の含有量が0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは色材を含まないインク組成物である。ここで、色材とは、上記第1インク組成物において説明したものが挙げられる。
第2インク組成物が含有する有機溶剤としても、上記第1インク組成物において説明したものが挙げられ、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオー
ルを含む。
炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールとしては、上記第1インク組成物と同様にMPDを挙げることができる。第2インク組成物がMPDを含有することにより、第2インク組成物が第1インク組成物によって形成された画像上に十分に濡れ広がるため、オーバーコートとしての機能が発揮される。これにより、時間当たりのVOC発生量の低減が可能な記録方法を提供することができる。
MPDの含有量は、第2インク組成物の全質量に対して、下限値は3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、第2インク組成物中のMPDの含有量の上限値は、15質量%以下であることが好ましく、13質量%以下であることがより好ましく、11質量%以下であることがさらに好ましい。インク組成物中のMPDの含有量が前記範囲にある場合には、VOC発生量の低減を可能とすることができる。
また、本実施形態において、第2インク組成物は、後述するインクジェット記録方法に記載のように、第1インク組成物で形成された画像をオーバーコートするために用いられる。したがって、第2インク組成物は、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しないことを特徴とする。第2インク組成物が、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しないことにより、時間当たりのVOC発生量の低減が可能な記録方法を提供することができる。
第2インク組成物中の標準沸点が245℃未満である有機溶剤の含有量は、0.4質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがさらにより好ましく、含有しないことが最も好ましい。
標準沸点が245℃未満である有機溶剤としては、上記第1インク組成物において説明したものが挙げられ、例えば、1,2−ヘキサンジオールが挙げられる。
さらに、本実施形態において、第2インク組成物は上記第1インク組成物において説明した水を含有するものであり、さらに樹脂、界面活性剤等を含有してもよい。
樹脂の含有量は、第2インク組成物の全質量に対して、固形分換算で好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上7質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。この範囲内であることにより、第1インク組成物で形成された画像上に第2インク組成物を固化・定着させることができる。
1.2.3.インク組成物の調製方法
本実施形態において、第1および第2インク組成物は、前述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
1.2.4.インク組成物の物性
本実施形態において、第1および第2インク組成物は、画像品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN
/m以上40mN/mであることが好ましく、20mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態において、第1および第2インク組成物の20℃における粘度は、3mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上8mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機MCR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定することができる。
1.3.記録媒体
本実施形態に係るインクセットは、種々の記録媒体に対する記録に用いることができる。そして、第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように所定の組成の第2インク組成物を付着させることにより、いずれの記録媒体に記録した場合においても、時間当たりのVOC発生量を低減しながら、画質に優れた記録を行うことができる。
本実施形態において、印刷対象となる記録媒体は特に制限されず、インク吸収性の高い綿、絹、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン等の布地や、普通紙、インクジェット専用紙、中程度の吸収性の上質紙、コピー用紙だけでなく、低吸収性あるいは非吸収性の記録媒体にも用いることができる。
低吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、表面に塗料を塗布して塗工層が設けられた塗工紙が挙げられる。塗工紙としては、特に限定されないが、例えば、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられる。
非吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インク吸収層を有していないプラスチックフィルム、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
ここで、本明細書において「インク低吸収性または非吸収性の記録媒体」とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体」を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
また、エンボスメディア等の、表面に凹凸を有するインク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対しても、好適に用いることができる。
2.インクジェット記録方法
本実施形態に係るインクジェット記録方法について、上述のインクジェット記録装置およびインクセットを用いて記録する例を挙げて説明する。
2.1.第1インク組成物付与工程
第1インク組成物付与工程は、上述の第1インク組成物を図1のインクジェットヘッド
2から吐出させて記録媒体Mに付与する工程である。この工程により、記録媒体Mの表面に第1インク組成物からなる画像が形成される。
本実施形態において、「画像」とは、ドット群から形成される記録パターンを示し、テキスト印字、ベタ画像も含める。なお、「ベタ画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録し、通常、記録媒体の記録領域がインクで覆われ記録媒体の地が見えていないような画像であるべき画像パターンを意味する。
記録媒体Mへの単位面積当たりの第1インク組成物の最大付着量は、好ましくは5mg/inch以上であり、より好ましくは7mg/inch以上であり、さらに好ましくは10mg/inch以上である。記録媒体の単位面積当たりインク組成物の付着量の上限は、特に限定されないが、例えば、20mg/inch以下が好ましく、好ましくは18mg/inch以下であり、特に好ましくは16mg/inch以下である。
第1インク組成物付与工程は、第1インク組成物付与工程の前または第1インク組成物付与工程と同時に、IRヒーター3やプラテンヒーター4により記録媒体Mを加熱する加熱工程を備えるものであってもよく、加熱工程により加熱された記録媒体Mへ行うことが好ましい。これにより、記録媒体M上でインクを迅速に乾燥させることができ、ブリードが抑制される。また、画質に優れた画像を形成できると供に、上述のインクを用いることにより、VOC発生量の少ないインクジェット記録方法を提供することができる。
第1インク組成物を付与する際の記録媒体Mの表面温度(一次加熱温度)の上限は、45℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましく、38℃以下であることがさらに好ましい。インクを付与させる際の記録媒体の表面温度が前記範囲にあることにより、インクジェットヘッド2への熱による影響を抑制し、インクジェットヘッド2やノズルの目詰まりを防止することができる。また、インクジェット記録の際の記録媒体Mの表面温度の下限は25℃以上であることが好ましく、28℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましく、32℃以上であることが特に好ましい。インクジェット記録の際の記録媒体Mの表面温度が上記の範囲であることにより、記録媒体M上でインクを迅速に乾燥させて早期に固定することができ、ブリードが抑制され、耐擦性や画質に優れた画像を形成することができる。
2.2.第2インク組成物付着工程
第2インク組成物付着工程は、第1インク組成物付与工程において第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように、上述の第2インク組成物を記録媒体Mに付着させる工程である。この工程により、記録媒体Mの第1インク組成物によって形成された画像上に、第2インク組成物によって画像が形成され、第1インク組成物によって形成された画像をオーバーコートする。
ここで、本明細書において、「インク組成物が付与された領域」とは、インク組成物のドットが付着した領域を意味する。
本明細書において、「領域」という場合、該領域へ付着させるインク組成物の付着量が略一定であるような記録媒体上の一定の面積を占める部分を指す。一の領域は、目視で同じ色に視認できる領域であり、例えば、1mm以上の面積を有する。また、付着量が略一定であるとは、例えば、Dutyが低い場合、インク組成物のドットを着弾させた位置と着弾させない位置とでは厳密にはインク組成物の付着量が異なるが、領域は1ドットの面積よりも大きい巨視的(マクロ)な範囲を意味しており、巨視的には領域内でインク組
成物の付着量が一定であり、インクドットの付着の有無による付着量の不均一は無視するものとする。
また、Dutyが低い場合、第1インク組成物と第2インク組成物の両者が付着された領域であっても、微視的、例えば、インクジェット法における液滴(着弾したドット)のスケール)には、カラードットとクリアドットとが重ならない部位も存在しうるが、巨視的に見たインク組成物の積層であるものとして、ドット単位でみた場合のドットが重ならない部位があることについては無視するものとする。したがって、ここで付着領域とは、当該領域全体としての、第1インク組成物と第2インク組成物とが積層した領域と考えることとする。
なお、本明細書中において、「Duty」とは、下記式(1)で算出される値である。
Duty(%)={実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)}×100 …(1)
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように、第2インク組成物を記録媒体に付着させる場合、第1インク組成物が付与された領域の少なくとも一部が重なるように第2インク組成物が付着されればよい。具体的には、第2インク組成物は、第1インク組成物が付与された領域の50%以上が重なるように付着させることが好ましく、60%以上が重なるように付着させることがより好ましく、70%以上が重なるように付着させることがさらに好ましい。このように第2インク組成物が付着されることにより、時間当たりのVOC発生量が低減される。
第1インク組成物と第2インク組成物とが重なって記録媒体Mに付与された領域における、第2インク組成物によって記録された画像の膜厚は、20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。また、第1インク組成物と第2インク組成物とが重なって記録媒体Mに付与された領域における、第2インク組成物によって記録媒体M上に記録された画像の膜厚は、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましい。第1インク組成物と第2インク組成物とが重なって記録媒体Mに付与された領域における、第2インク組成物によって記録媒体M上に記録された画像の膜厚が前記範囲にあることにより、時間当たりのVOC発生量が低減されると共に、第2インク組成物によって記録媒体M上に記録された画像に干渉光が形成されにくくなり、優れた画質となる。なお、VOC発生量の低減効果を得るためには、第2インク組成物の膜厚は、第1インク組成物の膜厚に対して2倍以上であることが好ましい。
記録媒体Mへの単位面積当たりの第2インク組成物の最大付着量は、好ましくは5mg/inch以上であり、より好ましくは7mg/inch以上であり、さらに好ましくは10mg/inch以上である。記録媒体の単位面積当たりインク組成物の付着量の上限は、特に限定されないが、例えば、20mg/inch以下が好ましく、好ましくは18mg/inch以下であり、特に好ましくは16mg/inch以下である。
第2インク組成物付着工程は、第1インク組成物付与工程において第1インク組成物を付着させてから3分以内に行うことが好ましく、2分以内に行うことがより好ましく、1分以内に行うことがさらに好ましい。第2インク組成物付着工程を前記のタイミングで行うことにより、確実にVOC発生量を低減することができる。
なお、第2インク組成物付着工程においても、上記第1インク組成物付与工程と同様に
、第2インク組成物付着工程の前または第2インク組成物付着工程と同時に、IRヒーター3やプラテンヒーター4により記録媒体Mを加熱する加熱工程を備えるものであってもよく、加熱工程により加熱された記録媒体Mへ行うことが好ましい。これにより、記録媒体M上でインクを迅速に乾燥させることができる。
第2インク組成物を付着させる際の記録媒体Mの表面温度の上限は、45℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましく、38℃以下であることがさらに好ましい。インクを付着させる際の記録媒体の表面温度が前記範囲にあることにより、インクジェットヘッド2への熱による影響を抑制し、インクジェットヘッド2やノズルの目詰まりを防止することができる。また、インクジェット記録の際の記録媒体Mの表面温度の下限は25℃以上であることが好ましく、28℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましく、32℃以上であることが特に好ましい。記録媒体Mの表面温度が上記の範囲であることにより、記録媒体M上でインクを迅速に乾燥させて早期に固定することができる。
2.3.その他の工程
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記インク組成物付着工程の後、図1に示す硬化ヒーター5によりインク組成物が付着した記録媒体Mを加熱する二次加熱工程を有していてもよい。これにより、記録媒体M上のインク組成物に含まれる定着樹脂等が溶融してインク膜が形成され、記録媒体M上においてインク膜が強固に定着(接着)して造膜性が優れたものとなり、耐擦性に優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。
硬化ヒーター5による記録媒体Mの表面温度の上限は120℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがより好ましい。また、記録媒体Mの表面温度の下限は60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがより好ましい。温度が前記範囲にあることにより、高画質な画像を短時間で得ることができる。
なお、二次加熱工程の後に、図1に示す冷却ファン6により、記録媒体M上のインク組成物を冷却する工程を有していてもよい。
また、本実施形態に係るインクジェット記録方法は、インクを吐出して記録するための圧力発生手段以外の手段により、つまり、インクジェットヘッド2が備える記録のためにインクを吐出するための機構ではない他の機構により、インク組成物を排出させるクリーニング工程を備えていてもよい。
インクジェットヘッド2が備える記録のためにインクを吐出するための機構としては、圧力室(図示せず)に備えられてインクに圧力を付与するピエゾ素子やヒーター素子が挙げられる。このクリーニング工程は、インクジェットヘッド2に外部から圧力を付与してノズルから、インク組成物や反応液を排出させる工程としてもよい。この工程を備えることで、インクジェットヘッド2の内壁に樹脂が溶着する懸念がある場合にも、これを抑制し、吐出安定性を一層優れたものとすることができる。
なお、上述の他の機構としては、吸引(負圧)の付与や、インクジェットヘッドの上流から正圧を付与すること、など圧力を付与する機構が挙げられる。これらは、インクジェットヘッド自身の機能によるインク排出(フラッシング)ではない。つまり、記録に際して、インクジェットヘッドからインクを吐出させる機能を用いての排出ではない。
さらに、本実施形態に係るインクジェット記録方法による記録の際に、インク組成物の成分を凝集させる凝集剤として、多価金属塩、カチオン性化合物(カチオン性樹脂、カチ
オン性界面活性剤等)、有機酸等を含む反応液を用いて記録してもよい。この場合には、凝集剤によりインク中の色材や樹脂が凝集し、この凝集物が顔料の記録媒体への浸透を阻害するため、記録画像の画質の向上の点で優れたものとなる。
2.4.作用・効果
以上説明したように、本実施形態に係るインクジェット記録方法では、所定の組成の第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように所定の組成の第2インク組成物を付着させることにより、時間当たりのVOC発生量を低減しながら、画質に優れた記録を行うことができる。
3.実施例
以下、本発明の実施形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
3.1.カラーインクおよびクリアインクの調製
表1、2の配合割合になるように各成分を混合攪拌し、さらに孔径5μmのメンブランフィルターでろ過することにより、カラーインク1〜9およびクリアインク1〜3を得た。なお、表1、2中の数値は、インク中での含有量(質量%)を表し、樹脂は固形分を表し、水はインクの全質量が100質量%となるように添加した。
Figure 2019155851
Figure 2019155851
なお、用いた材料の詳細は以下の通りである。
・顔料(Cy):ピグメントブルー15:3(シアン顔料)
・MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
・EHD:2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
・EHDG:ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル
・HeDG:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
・シリコーン系界面活性剤:商品名「BYK348」、ビックケミー・ジャパン株式会社製
・オルフィン E1010:商品名、日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤
・樹脂:商品名「ダイナフローK201」、JSR株式会社製、スルホン化イソプレン樹脂
3.2.評価試験
3.2.1.VOC発生量の評価
表3に示すカラーインクとクリアインクの組み合わせでインクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>:型番KA450PSK(セイコーエプソン株式会社製)、60°光沢度=41)にDuty50%で印刷を行い、VOC発生量を評価した。より詳細には、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式「SC−T7250」)を2台用意し、1台にカラーインク、もう1台にクリアインクを搭載し、カラーインクを付着させてから2分後にクリアインクを付着させた。その後、公益財団法人日本環境協会 エコマーク商品類型No.155 認定基準書「複写機・プリンタなどの画像機器(Version1.2)」に従って測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
AA:VOC発生量が8mg/h未満。
A:VOC発生量が8mg/h以上、18mg/h未満。
B:VOC発生量が18mg/h以上、55mg/h未満。
C:VOC発生量が55mg/h以上。
Figure 2019155851
3.2.2.粒状性の評価
上記3.2.1.と同様の条件で、記録媒体に対してDuty30%または50%で印刷を行い、以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:Duty30%でも画像のざらつきがない。
B:Duty30%だと画像のざらつきが認められるが、Duty50%では画像のざらつきがない。
C:Duty50%でも画像のざらつきが認められる。
3.2.3.干渉光の評価
3.2.1.と同様の条件で記録媒体に対して印刷を行い、得られた記録物を室内光である蛍光灯直下1.5mの机上に設置し、印刷物を目視観察し、以下の基準で評価した。なお、表3に記載の膜厚は、記録媒体の断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−6000シリーズ)で観察することにより得たものであり、膜厚はクリアインクの付着量で調整した。
(評価基準)
A:干渉光が視認されない。
B:干渉光がわずかに視認される。
3.3.評価結果
評価試験の結果を表3に示す。
表3に示すように、いずれの実施例においても、VOC発生量が低く、また、画質に優れた結果となった。
実施例1〜3より、クリアインクの膜厚が厚いほどVOC発生量が低くなるが、実施例3のように膜厚が厚いと、クリアインクの塗膜の中で光が散乱して干渉光が視認された。
実施例1、4より、クリアインクが1,2−ヘキサンジオールを含まない方が、VOCの評価が高い結果となった。
実施例1、5、6より、カラーインクのMPD含有量が高い方が粒状性評価が高くなるが、10質量%を超えても粒状性の評価は変わらなかった。
実施例1、7より、カラーインクのグリコールエーテルをHeDGに代えても、実施例
1と同様に高い効果が得られた。
実施例1、8、9より、カラーインクの1,2−ヘキサンジオールの含有量が低い方がVOCの評価が高くなるが、1,2−ヘキサンジオールの含有量が高い方が粒状性評価が高い結果となった。
このように、実施例1〜9では、VOC発生量の低減と画質の両立が可能となったのに対し、比較例ではVOC発生量の低減と画質の両立をはかることができなかった。
比較例1は、クリアインクを付着させなかったため、実施例1と比較してVOC発生量の低減効果が得られなかった。比較例2は、クリアインクに1,2−ヘキサンジオールの含有量が多すぎため、VOC発生量の低減効果が得られなかった。
比較例3では、カラーインクにアルカンジオールとして低沸点のEHDを使用したため、クリアインクでオーバーコートしても十分なVOC低減効果が得られず、さらには粒状性評価も低下した。
比較例4では、カラーインクが1,2−ヘキサンジオールを含有しないため、VOC低減効果は得られたが、粒状性評価が低下した。一方、比較例5では、カラーインクが1,2−ヘキサンジオールを多く含有するため、クリアインクでオーバーコートしても十分なVOCの低減効果が得られなかったが、粒状性評価は高かった。
以上により、実施例ではカラーインクが所定のアルカンジオールと、所定量の1,2−ヘキサンジオールを含み、所定の組成のクリアインクでオーバーコートすることで、時間当たりのVOC発生量の低減効果が得られた。さらに、実施例では画像の埋まり性が高く、高い粒状性評価が得られ、画質に優れていた。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…インクジェット記録装置、2…インクジェットヘッド、3…IRヒーター、4…プラテンヒーター、5…硬化ヒーター、6…冷却ファン、7…プレヒーター、8…通気ファン、M…記録媒体

Claims (5)

  1. 第1インク組成物をインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に付与する工程と、前記第1インク組成物が付与された領域と一部もしくは全部が重なるように、第2インク組成物を前記記録媒体に付着させる工程と、を有するインクジェット記録方法であって、
    前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水とを含有し、
    前記1,2−ヘキサンジオールの前記第1インク組成物における含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、
    前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しない、インクジェット記録方法。
  2. 前記アルカンジオールの前記第1インク組成物における含有量が、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以上15質量%以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記第1インク組成物は、標準沸点が245℃以上のグリコールエーテルをさらに含む、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第1インク組成物と前記第2インク組成物とが重なって前記記録媒体に付与された領域における、前記第2インク組成物によって前記記録媒体上に記録された画像の膜厚が、20nm以上80nm以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 第1インク組成物と、第2インク組成物とを含んで構成されるインクセットであって、
    前記第1インク組成物は、色材と、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、1,2−ヘキサンジオールと、水と、を含有し、
    前記1,2−ヘキサンジオールの含有量は、前記第1インク組成物の全質量に対して3質量%以下であり、
    前記第2インク組成物はクリアインクであり、炭素数が6以下であり標準沸点が245℃以上であるアルカンジオールと、水とを含有し、標準沸点が245℃未満である有機溶剤を、前記第2インク組成物の全質量に対して0.5質量%を超えて含有しない、インクセット。
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