JP6740792B2 - インク、インクジェット印刷方法及び印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、インク、インクジェット印刷方法及び印刷物に関する。
インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有するため、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
近年では、家庭用のみならず、例えば、食品、飲料、日用品などの包装材料にインクジェットで作像する技術が発展してきている。
このような用途においてはプラスチックフィルムなどの非多孔質記録媒体が使用され、包装コストの低さから、プラスチックフィルムの表面に直接印刷(表刷り印刷)してある包装材料が多用されており、そのためのインクが開発されてきている。
前記表刷り印刷においては、印刷層が隣接する包装物の印刷層や箱などと直接接触し、その摩擦によって印刷層が削られ、印刷内容が不鮮明になることがあるため、耐擦過性が求められる。
そこで、一液型であり、水性タイプでありながら、プラスチックフィルム表面へ強固な被膜を得ることができるインクが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
本発明は、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの各種基材に対し適切な濡れ性を確保しながら、耐擦過性に優れる画像を得られるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、水、有機溶剤、界面活性剤、及び樹脂粒子を含有するインクであって、前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤を含有し、前記樹脂粒子が、ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子を含有する。
本発明によれば、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの各種基材に対し適切な濡れ性を確保しながら、耐擦過性に優れる画像を得られるインクを提供することができる。
図1は、シリアル型インクジェット印刷装置の一例を示す概略図である。 図2は、図1の装置の本体内の構成の一例を示す概略図である。
(インク)
本発明のインクは、水、有機溶剤、界面活性剤、及び樹脂粒子を含有するインクであって、前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤を含有し、前記樹脂粒子が、ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子を含有し、更に必要に応じて、色材、及びその他の成分を含む。
本発明者らはまず、種々の界面活性剤について、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、及びポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへの良好な濡れ性が得られる界面活性剤を検討した。
その結果、ノニオン系界面活性剤では、インク中における含有量に関わらず十分な濡れ性を得ることができなかった。また、フッ素系界面活性剤では濡れ性が高くなりすぎるため、色境界ニジミが発生してしまい、インク中における含有量をごく微量にすればニジミにくくなるものの、ヘッドからの吐出が不安定になってしまった。これに対して、シリコーン系界面活性剤では、基材に対して良好な濡れ性が得られることがわかった。
しかし、シリコーン系界面活性剤では基材がポリプロピレン(PP)フィルムである場合に、濡れ性が不足し、ベタ画像が十分に埋まらないことがわかった。
そこで、本発明においては、ポリオレフィン樹脂エマルジョンをインクに添加することによりポリプロピレン(PP)フィルム等の基材に対する濡れ性を制御できることが分かった。この理由は定かではないが、インクと基材との界面張力が低下するため濡れ広がりやすくなったと考えられる。
以上のことから、本発明者らはシリコーン系界面活性剤が好適に用いられることを突き止めた。
しかし、基材に対する親和性の観点ではポリオレフィン樹脂が最も好適であるが、ポリオレフィン樹脂は構造上、塗膜硬度が低くなるため、印刷物の堅牢性が著しく劣る結果となった。
そこで、ポリエステル系ウレタン樹脂にオレフィン骨格を組み込んだ、ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂が、耐擦過性と濡れ性の促進の両立の観点から優れていることを見出し、本発明に至った。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子としては、ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子を含有し、更に必要に応じて、その他の樹脂粒子を含有する。
ここで、前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂とは、主鎖、もしくは側鎖にポリオレフィン骨格を有するポリエステル系ウレタン樹脂を意味し、前記ポリエステル系ウレタン樹脂とは、ポリエステル構造を有するポリウレタン樹脂を意味する。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂は、フレキシブルなソフトセグメントであるポリオレフィン部位含有ポリエステル部位と、強固な凝集エネルギーを有するハードセグメントであるウレタン部位とを有し、ソフトセグメント中にハードセグメントが点在する被膜を形成する。この2つのセグメントのバランスにより、柔軟性と強靭性及び弾性を兼ね備え、かつ優れた密着性を有することができる。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂を合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記反応式(1)及び(2)で表される方法により合成することができる。
下記反応式(1)について、ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂は、ジイソシアネートとオレフィン部位含有ポリエステルジオールとのウレタン化反応により合成することができる。即ち、主鎖にポリオレフィン骨格を有するポリエステル系ウレタン樹脂は、例えば、ジイソシアネート(I)とオレフィン部位含有ポリエステルジオール(II)とのウレタン化反応により合成することができる。
前記反応式(1)において、Rは、公知のジイソシアネートを構成するための2価の(シクロ)アルキル基、及び(ヘテロ)アリール基から選択されるいずれかの基をそれぞれ表す。
は、ジオール残基中の炭素数2以上のアルキレン部位、及びビスフェノール部位から選択されるいずれかの部位をそれぞれ表す。
は、ジカルボン酸中の炭素数2以上のアルキレン部位、及びアリーレン部位から選択されるいずれかの部位をそれぞれ表す。
ただし、前記R及び前記Rのうちの少なくともいずれかは、炭素数3以上のアルキレン部位であることが好ましい。また、アリール構造含有部位としてはビスフェノールであることが好ましい。前記ビスフェノールには、−CH−基又は−C(Me)−基のような、隣接フェニル環の回転可能性を担保できる細長の分子構造を有し、フレキシブル構造の出現を阻害しない構造のものが好ましい。
前記オレフィン部位含有ポリエステルジオール(II)の分子量としては、100以上5,000以下が好ましい。また、前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂(III)の分子量としては、10,000以上1,000,000以下が好ましい。
下記反応式(2)において、側鎖にポリオレフィン骨格を有するポリエステル系ウレタン樹脂は、例えば、ジイソシアネート(I)とオレフィン部位含有ポリエステルジオール(IV)とのウレタン化反応により合成することができる。
前記反応式(2)において、Rは、公知のジイソシアネートを構成するための2価の(シクロ)アルキル基、及び(ヘテロ)アリール基から選択されるいずれかの基をそれぞれ表す。
は、ジオール残基中の炭素数1〜6の分枝結合手を有するアルキレン部位、及び分枝結合手を有するフェニレン基含有部位から選択されるいずれかの部位をぞれぞれ表す。
は、ジカルボン酸中の炭素数2以上のアルキレン部位及びアリーレン部位から選択されるいずれかの部位をそれぞれ表す。
は、前記Rと分枝フレキシブルペンダント部位を形成できる炭化水素基を表す。
前記オレフィン部位含有ポリエステルジオール(IV)の分子量としては、100以上5,000以下が好ましい。また、前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂(V)の分子量としては、10,000以上1,000,000以下が好ましい。
実務上の合成法としては、例えば、特開平10−72562号公報に記載の方法などを好適に用いることができる。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂の合成は、例えば、ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオールと、所望により併用されるその他ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、分子内に酸性基及び少なくとも2個の活性水素含有部位を有する化合物と、鎖伸長剤と、からなるポリウレタン樹脂の酸基を、必要ならば中和剤で中和して、水性媒体中に分散させることが好ましい。
<<ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオール>>
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオールとは、分子の両末端及び側鎖に水酸基を含有するポリオレフィンの少なくともいずれかを意味する。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオールの製造方法は、特に制限はなく、オレフィン基を付与する化合物と、ジカルボン酸との脱水縮重合又はエステル交換反応を行い、末端ヒドロキシル基のポリエステルを得る方法などにより得ることができる。
前記主鎖中にオレフィン基を付与する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、数平均分子量500未満のポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノール類のEO又はPOの低モル付加物で、数平均分子量500未満のもの、ビスフェノールAエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビフェノールF、ビスフェノールAF、ビスフェノールE、ビスフェノールM、ビスフェノールC、ビスフェノールSなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記側鎖中にオレフィン基を付与する化合物としては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−オクタデカンジオールなどの炭素数5以上42以下の1,2−アルカンジオール、又はグリセリンモノヘキシルエーテル、グリセリンモノオクチルエーテル、グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル、グリセリンモノデシルエーテル、グリセリンモノドデシルエーテル、グリセリンモノオクタデシルエーテルなどの炭素数6以上43以下のグリセリンモノアルキルエーテル、又はグリセリンヘキサン酸モノエステル、グリセリンオクタン酸モノエステル、グリセリン−2−エチルヘキサン酸モノエステル、グリセリンデカン酸モノエステル、グリセリンドデカン酸モノエステル、グリセリンオクタデカン酸モノエステルなどの炭素数7以上44以下のグリセリン脂肪酸モノエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記反応式(1)及び(2)に示すように、前記ポリオール(ジオール)は、オレフィン部位含有ポリエステルのジオール構造のものであり、前記ジオール構造とするために、ジカルボン酸とのポリエステル化反応の際には、前記ジカルボン酸よりも前記ポリオール(ジオール)を過剰に用いることが好ましい。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオールとしては、例えば、ワンショット合成法で合成することもできるが、ポリエステル化のためのファーストショット、モニタされた分子量及び酸価が所期の値近くにほぼ達した後、過剰分の(分子末端のヒドロキシ化のための)ジオールを添加するセカンドショット、からなるツーショット合成法で合成することもできる。
前記ツーショット合成法は、後述のオキシ酸の縮合によるポリエステルポリオールを得る際に有効な方法の1つである。
前記ジカルボン酸としては、例えば、炭素数4以上10以下の脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸など)、又はそのエステル形成性誘導体、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)、又はそのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<ポリエステルポリオール>>
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、又はこれらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるその他のポリエステル系ウレタン樹脂の原材料及び取得法は、例えば、ジオールとジカルボンと間の反応だけでなく、1つの分子内にヒドロキシ基とカルボキシ基を同時に有するオキシ酸どうしの縮合によっても得ることができる。
<<ポリイソシアネート化合物>>
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネートなどの脂環式ポリシアネート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、長期耐候性を持つ塗膜を形成させる点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物を使用することが好ましい。
<<分子内に酸性基及び少なくとも2個の活性水素含有部位を有する化合物>>
前記分子内に酸性基及び少なくとも2個の活性水素含有部位を有する化合物としては、例えば、グリコール酸、酒石酸、4,6−ジヒドロキシイソフタル酸、α,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸、α,α−ジメチロールノナン酸、及びこれらにカプロラクトンモノマーを付加重合させて得られるカルボキシ基含有ポリカプロラクトンジオールなどのヒドロキシ酸、1,7−ジヒドロキシナフタリンスルホン酸などのヒドロキシスルホン酸、又は2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸などのアミノスルホン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、分子内に2個の水酸基と1個のカルボキシ基を有する化合物であるα,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸、及びこれらにカプロラクトンモノマーを付加重合させて得られるカルボキシ基含有ポリカプロラクトンジオールが好ましい。
<<鎖延長剤>>
前記鎖延長剤としては、ポリアミンやその他の活性水素原子含有化合物などが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミンなどのジアミン類、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアミン類、ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジンなどのヒドラジン類、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジヒドラジド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<中和剤>>
前記中和剤としては、特に制限が無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニア、有機アミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のインクに用いるポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子は、従来の一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオレフィン部位含有ポリオール及びポリエステルポリオールの2種類と前記ポリイソシアネート化合物を、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中の(ポリエステルポリオール/ポリオレフィン部位含有ポリオール)の比率は、それぞれのポリオール由来の部位の分子量比で、1.5以上が好ましく、4以上がより好ましく、9以上が特に好ましい。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて前記中和剤により中和し、その後、前記鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基などが挙げられる。前記アニオン性基を使用すると、良好な水分散安定性を得ることができる。
前記アニオン性基を樹脂中に導入するには、前記アニオン性基を持ったモノマーを用いることができる。
前記有機溶剤としては、特に制限が無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、10nm以上1,000nm以下が好ましく10nm以上500nm以下がより好ましく、10nm以上200nm以下が特に好ましい。
ここで、前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明のインクでは、前述のポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子のほかに、必要に応じてその他の樹脂粒子を併用することができる。
前記その他の樹脂粒子としては、例えば、ウレタン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、酢酸ビニル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ブタジエン系樹脂粒子、スチレン−ブタジエン系樹脂粒子、塩化ビニル系樹脂粒子、アクリルスチレン系樹脂粒子、アクリルシリコーン系樹脂粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、マイクロジェルE−1002(スチレン−アクリル系樹脂粒子、日本ペイント株式会社製)、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂粒子、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂粒子、DIC株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂粒子、DIC株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂粒子、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂粒子、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂粒子、ローム・アンド・ハース社製)、ナノクリルSBCX−2821(アクリルシリコーン系樹脂粒子、東洋インキ製造株式会社製)、3689(アクリルシリコーン系樹脂粒子、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂粒子、御国色素株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂エマルジョン中には、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有してもよい。 前記樹脂エマルジョンとしては、より塗膜の性能が優れたインクが得やすい点から、自己乳化型エマルジョンが好ましい。
前記界面活性剤としては、前記界面活性剤の酸価が、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下、かつ、アニオン性基を含有することが好ましく、さらに、前記酸価が、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であると特に好ましい。
前記界面活性剤であると水分散性が良好になり、前記酸価が5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であると、耐擦過性や耐薬品性を向上させることができる。
前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の含有量としては、インク全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上9質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上9質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上20質量%以下であると、インクの定着性やインクの安定性が向上し、印刷層の平滑性が向上し、高い光沢度を得ることができるとともに、基材への定着性、及び耐擦過性も向上することができる。
また、前記界面活性剤全量に対する、前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂の含有量としては、質量換算で、0.6質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
<界面活性剤>
前記界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤を含有し、更に必要に応じて、その他の界面活性剤を含む。
前記シリコーン系界面活性剤としては、インクの表面張力を下げ、疎水性の高い非多孔質基材上で優れた濡れ性を確保するという点から、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であることが好ましい。
前記ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物としては、下記一般式(1)及び下記一般式(3)に示される化合物を用いることが好ましい。
前記一般式(1)中、R及びRは炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、X及びXは下記一般式(2)で表されるポリエーテル(ポリオキシアルキレン)基を表し、前記一般式(1)中のaは10以上80以下の整数を表す。
前記一般式(2)中、Rは水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基又は(メタ)アクリル基を表し、EOはエチレンオキシド基を表し、POはプロピレンオキシド基を表す。bは1以上の整数を表し、cが0以上の整数を表し、さらにb+cが1以上30以下の整数を表す。EO及びPOの順序についてはランダムであってもよい。
前記一般式(3)中、R及びRは炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Xは下記一般式(4)で表されるポリエーテル(ポリオキシアルキレン)基を表す。前記一般式(3)中、d及びeは1以上の整数を表しd+eが2以上50以下の整数を表す。
前記一般式(4)中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、R10は水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、EOはエチレンオキシド基を表し、POはプロピレンオキシド基を表す。fは1以上の整数を表し、gが0以上の整数を表し、さらにf+gが1以上30以下の整数を表す。EO及びPOの順序についてはランダムであってもよい。
前記一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のBY16−201、SF8427、ビックケミー社製のBYK−333、BYK−UV3500、エボニックデグサ社製のTEGO GLIDE 410、TEGO GLIDE432、TEGO GLIDE 435、TEGO GLIDE 440、TEGO GLIDE 450などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(3)で表されるシリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSF8428、FZ−2162、8032ADDITIVE、SH3749、FZ−77、L−7001、L−7002、FZ−2104、FZ−2110、FZ−2123、SH8400、SH3773M、ビックケミー社製のBYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、エボニックデグサ社製のTEGO WET 250、TEGO WET 260、TEGO WET 270、TEGO WET 280、信越化学工業株式会社製のKF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−640、KF−642、KF−643などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)及び(3)の少なくともいずれかから選ばれるシリコーン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の含有量としては、インク全量に対して、0.04質量%以上5.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下が特に好ましく、0.5質量%以上2質量%以下が最も好ましい。前記含有量が、0.04質量%以上5.1質量%以下であると、各種基材に対する濡れ性が最適となるため良好な画像品質が得られる。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水溶性有機溶剤が好ましい。前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオールなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどの含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤としては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールが特に好ましい。前記水溶性有機溶剤であると、樹脂の造膜性を向上させ、樹脂粒子の凝集を防ぎ、密着性を向上させることができる。
インク全体に対する前記有機溶剤の含有量としては、20質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。
前記有機溶剤の含有量が、20質量%以上であると、インクが乾燥しにくくなり、十分な吐出安定性が得られやすくなり、70質量%以下であると、粘度が低く抑えられるので吐出が容易となり好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させる方法としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、顔料表面の一部又は全体をポリマーで包む樹脂被覆型顔料分散体とする方法、親水性基付与剤により顔料表面に親水性基を付与する自己分散型顔料とする方法、及び顔料分散剤を顔料の表面に吸着させることにより分散させる活性剤分散型顔料とする方法などが挙げられる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などの添加剤を用いてもよい。
<<防腐防黴剤>>
前記防腐防黴剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムなどが挙げられる。
<<防錆剤>>
前記防錆剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
<<pH調製剤>>
前記pH調整剤としては、インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
本発明のインクは、前記構成成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて撹拌混合して作製する。
前記撹拌混合に使用できる装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、及び高速の分散機などが挙げられる。
(インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置)
ここで、本発明のインクジェット印刷方法を説明する。本発明のインクジェット印刷方法は、前記インクに、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかを印加して前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を印刷し、印刷後に、印刷物を加熱する加熱工程をさらに含む。本発明のインクジェット印刷方法は、前記インクジェット印刷装置により好適に実施することができる。
本発明のインクを用いて印刷を行うことができるインクジェット印刷装置について、図面を参照しながら説明する。なお、紙を用いる場合について説明するが、その他の多孔質基材や非多孔質基材に対しても、同様に印刷可能である。また、インクジェット印刷装置には、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)、及びライン型ヘッドを備えたライン型などがあるが、図1は、シリアル型インクジェット印刷装置の一例を示す概略図である。
インクジェット印刷装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した給紙トレイ102と、排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104と、を有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キー及び表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。111は上カバー、112は前カバーの前面である。
装置本体101内には、図2に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド131及びステー132により、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット印刷用ヘッドからなる印刷ヘッド134の複数のインク吐出口を、主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
印刷ヘッド134を構成するインクジェット印刷用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどが使用できる。
また、キャリッジ133には、印刷ヘッド134に各色のインクを供給するための各のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ201から、本発明のインクセットに係るインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の基材積載部(圧板)141上に積載した基材142を給紙するための給紙部として、基材積載部141から基材142を1枚ずつ分離給送する半月コロ〔給紙コロ143〕、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された基材142を印刷ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、基材142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる基材142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる基材142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は無端状ベルトであり、加熱ヒーター式搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した非多孔質基材吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、印刷ヘッド134による印写領域に対応して加熱ヒーター式ガイド部材161が配置されている。なお、印刷ヘッド134で印刷された基材142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から基材142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、基材142はファンヒータ174により熱風乾燥された後、排紙ローラ172の下方の、排紙トレイ103に出力される。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される基材142を取り込んで反転させて再度、カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット印刷装置においては、給紙部から基材142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された基材142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、基材142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。
そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて印刷ヘッド134を駆動することにより、停止している基材142にインク滴を吐出して1行分を印刷し、基材142を所定量搬送後、次の行の印刷を行う。印刷終了信号又は基材142の後端が印刷領域に到達した信号を受けることにより、印刷動作を終了して、基材142を、排紙トレイ103に排紙する。
本発明のインクは、非多孔質基材に適用したとき、良好な濡れ性と耐擦過性を備えた画像を得ることができる。
前記非多孔質基材とは、水透過性、吸収性及び吸着性の少なくともいずれかが低い表面を有する基材を意味し、内部に多数の空洞を有する材料及び外部に開口していない材質も含まれる。より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材を指す。
前記非多孔質基材のとしては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルム、及びポリプロピレン(PP)フィルムなどが好ましい。
本発明のインクは、前記非多孔質基材に高画像品質な印字ができるが、印字後に加熱工程を設けた場合、インク塗膜中の残留溶剤が減少するため、より一層高画質で耐擦過性や接着性の高い画像を形成するため、及び高速の印字条件にも対応できるようにするために、印字後に記録媒体を加熱することがより好ましい。
また、印字後に加熱工程を有する印刷方法である場合、インク中に含まれる樹脂の造膜が促進されるため、印字物の堅牢性がさらに向上するため好ましい。
前記加熱工程に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥などの装置が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記加熱における加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インク中に含まれる水溶性有機溶媒の種類及び量、並びに添加する樹脂エマルジョンの最低造膜温度に応じて変更することができ、更に、印刷する基材の種類に応じて変更することができる。
前記加熱温度は乾燥性や造膜温度の点から、40℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上90℃以下がより好ましい。
本発明のインクはインクジェット法を好適に用いることができるが、前記インクジェット法に限定されず、他の印刷方法を用いることが可能である。例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本又は5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、記録媒体と、前記記録媒体上に印刷層と、を有する印刷物であって、前記印刷層が、色材、シリコーン系界面活性剤、及びポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂を含有する。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<ブラック顔料分散体の調製>
Cabot Corporation社製のカーボンブラック:Black Pearls(登録商標)1000(BET比表面積343m/g、DBPA吸収量105mL/100g)100gを、2.5N(規定)の次亜塩素酸ナトリウム溶液3,000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで撹拌し、10時間反応させて酸化処理を行い、カーボンブラックの表面にカルボン酸基が付与された顔料を得た。
この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、限外濾過を行った。
次いで、前記顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って、顔料固形分を20質量%に濃縮したブラック顔料分散体を得た。
(調製例2)
<シアン顔料分散体の調製>
調製例1において、カーボンブラックを用いる代わりにピグメントブルー15:4(SENSIENT社製、SMART Cyan 3154BA)に変更した以外は、調製例1と同様にして、顔料固形分を20質量%に濃縮したシアン顔料分散体を得た。
(調製例3)
<マゼンタ顔料分散体の調製>
調製例1において、カーボンブラックを用いる代わりにピグメントレッド122(Sun Chemical社製、Pigment Red 122)に変更した以外は、調製例1と同様にして、顔料固形分を20質量%に濃縮したマゼンタ顔料分散体を得た。
(調製例4)
<イエロー顔料分散体の調製>
調製例1において、カーボンブラックを用いる代わりにピグメントイエロー74(SENSIENT社製、SMART Yellow 3074BA)に変更した以外は、調製例1と同様にして、顔料固形分を20質量%に濃縮したイエロー顔料分散体を得た。
(調製例5)
<ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンAの調製>
温度計、及び撹拌機を付けた加圧重合器に、特開平10−72562号公報の合成例1に記載の方法と同様の方法で合成したポリエステルジオール[1]を618質量部、1,4−ブタンジオールを19質量部、ジメチロールプロピオン酸を102質量部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)を290質量部、アセトンを670質量部添加し、撹拌下、80℃で10時間反応させ、イソシアネート含有量0.20質量%のイソシアネート末端ポリウレタン樹脂のアセトン溶液を得た。このアセトン溶液を30℃に冷却して、28質量%アンモニア水42質量部を加えた。次に、水1,515質量部を前記アセトン溶液に加え、減圧下50℃〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0質量%、粘度660cP/25℃の樹脂エマルジョンを得た。この樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(以下同様)は15,000であった。得られた樹脂エマルジョンをペイントコンディショナー(レッドデビル社製、50〜1,425rpmの範囲で速度調節可能)で分散処理し、固形分濃度40.0質量%、体積平均粒径32nmのポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンAを得た。
なお、得られたポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンA中の樹脂粒子の体積平均粒径は、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定した。
(調製例6)
<ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンBの調製>
撹拌機、2本の均圧管付き滴下ロート、温度計、及び水冷式コンデンサーを装着したセパラブルフラスコに、エチレン成分の含有量が48mol%、数平均分子量(Mn)が3600g/mol、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.65であるエチレン・プロピレン共重合体166.91gを仕込み、窒素置換を行った。
その後、160℃に昇温後、160℃にて、滴下ロートに秤量していた490.60gのライトアクリレートHOB−A(共栄社化学株式会社製、2−ヒドロキシブチルアクリレート)、及び10.71gの過酸化ジ(tert−ブチル)(片山化学株式会社製)を2時間かけて滴下した。
滴下後、160℃にて、2時間の反応を行った後、170℃に昇温し、170℃、1.33kPa以下の条件で、3時間の減圧処理を行い、ポリオレフィン部位含有ポリオールAを得た。
次に、撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリライトOD−X−2420(DIC株式会社製、ポリエステルポリオール)1,500g、前記ポリオレフィン部位含有ポリオールA 200g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素雰囲気下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、さらにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4,340gを抜き出して、強撹拌下、水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、調製例5と同様にして分散処理を行い、樹脂粒子の体積平均粒径121nmのポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンBを得た。
(調製例7)
<ポリオレフィン部位含有ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンの調製>
調製例6において、ポリライトOD−X−2420を使用する代わりに、ハイフレックスD2000(第一工業製薬株式会社製、ポリエーテルポリオール)に変更した以外は調製例6と同様にして、固形分濃度が30質量%、樹脂粒子の体積平均粒径58nmのポリオレフィン部位含有ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(調製例8)
<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンの調製>
調製例6において、前記ポリオレフィン部位含有ポリオールAを使用しない以外は調製例6と同様にして、固形分濃度が30質量%、樹脂粒子の体積平均粒径44nmのポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(調製例9)
<ポリオレフィン樹脂エマルジョンの調製>
メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン:エチレン=96:4)を、バレル温度35℃の二軸押出機に供給して熱減成を行い、減成プロピレン系ランダム共重合体を得た。
前記減成プロピレン系ランダム共重合体100質量部、メタクリル酸メチル4質量部、アクリル酸エチルヘキシル4質量部、ジクミルパーオキサイド3質量部をあらかじめ十分に混合した後、二軸押出機に供給し、滞留時間5分間、回転数300rpm、バレル温度120℃(第1、及び第2バレル)、180℃(第3、及び第4バレル)、100℃(第5バレル)、130℃(第6〜第8バレル)の条件下で反応を行い、アクリル酸エステル−ポリオレフィン系共重合体を得た。
次いで、撹拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを取り付けた2Lの4つ口フラスコ中に、得られたアクリル酸エステル−ポリオレフィン系共重合体200g、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルアミン)35g、ステアリルグリシジルエーテル8g、トルエン36gを添加し、120℃で30分間混練した。
その後、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール8gを5分間かけて添加し、添加後5分間保持した後、90℃に熱した高純水970gを40分間かけて添加した。
減圧処理により、トルエンを留去した後、撹拌しながら室温まで徐々に冷却し、固形分濃度が40質量%となるように水分量を調整し、調製例5と同様にして分散処理を行い、樹脂粒子の体積平均粒径140nmのポリオレフィン樹脂エマルジョンを得た。
(調製例10)
<アクリル樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3g、アクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌して得た乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下し、滴下終了後、3時間の熟成を行った。
得られた水性液を常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度が30質量%、pH8に調整し、調製例5と同様にして分散処理を行い、樹脂粒子の体積平均粒径100nmのアクリル樹脂エマルジョンを得た。
(実施例1)
−インク1の製造−
下記処方の混合液を撹拌し、均一に混合した後、調製例1で調製したブラック顔料分散体20質量%を添加し、合計100質量%となるように、残量のイオン交換水を添加し、撹拌した。
その後、セルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去し、インク1を得た。
〔混合液の処方〕
・ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂Aエマルジョン・・・15質量%
・BY16−201・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5質量%
・1,2−プロパンジオール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30質量%
・プロキセルLV・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1質量%
(実施例2〜16、及び比較例1〜7の調製)
実施例1において、組成を表1−1〜表1−3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜16及び比較例1〜7のインクを得た。
前記表1−1〜表1−3中のインクの各成分の詳細は次のとおりである。
* BY16−201: 東レ・ダウコーニング株式会社製のポリエーテル変性ポリシロキサン系界面活性剤
* BYK−333:ビッグケミー・ジャパン社製のポリエーテル変性ポリシロキサン系界面活性剤
* WET−250:エボニックデグサ社製のポリエーテル変性シロキサンコーポリマー、基質湿潤剤(界面活性剤)
* KF−351A:信越化学工業株式会社製のポリシロキサン系界面活性剤
* FS−300:デユポン社製のフッ素系界面活性剤、ゾニール(ZONYL)FS−300(有効成分:40質量%)
* EP−5035:株式会社日本触媒製のノニオン系界面活性剤
* プロキセルLV:アビシア社製の防腐防黴剤
[インクの評価]
作製した各実施例及び比較例のインクについて、以下の濡れ性としてニジミ性評価及びベタ埋まり性評価、並びに耐擦過性評価を実施した。結果は表2に示した。
なお、インクの評価で使用した各種フィルムのメーカー名とグレードは以下の通りである。
PVCフィルム:3M社製のD−JET2
PETフィルム:東洋紡株式会社製のエスペットE5100
PPフィルム:東洋紡株式会社製のパイレンP2102
<ニジミ性評価>
作製したインクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSIO GXe5500)に充填し、PVCフィルム、PETフィルム、PPフィルムの各種フィルムに対して背景なしで単色の文字のみの部分からなる画像サンプルを印刷した後、80℃で1時間加熱乾燥させた。
印刷した文字の大きさはMSゴシックフォントにて文字のサイズを11ポイントに設定し、目視にて確認し、以下の基準により「ニジミ性」を評価した。
なお、C評価以上が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:ニジミがほとんどなく、文字が鮮明である
B:僅かにニジミが発生しているが、文字は充分に判読できる
C:明らかにニジミが発生しているが、文字は判読できる
D:明らかにニジミが発生し、文字の判読も困難である
<ベタ埋まり性評価>
作製したインクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSIO GXe5500)に充填し、PVCフィルム、PETフィルム、PPフィルムの各種フィルム上にインク付着量1mg/cmにて、ベタ画像を印刷した後、80℃で1時間乾燥させた。
次いで、印刷されたベタ画像をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−200)を用いて20倍で観察し、インク付着面積の割合(印刷部分全体の面積に対してインク付着部分が占める面積の割合)を測定し、以下の基準により評価した。
なお、C評価以上が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:インク付着面積が97%より大きい
B:インク付着面積が95%より大きく97%以下
C:インク付着面積が92%以上95%以下
D:インク付着面積が92%より小さい
<画像の耐擦過性評価>
作製したインクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSIO GXe5500)に充填し、PPフィルム上にインク付着量1mg/cmにて、ベタ画像を印刷した後、80℃で1時間乾燥させた。次いで、印刷されたベタ画像を乾いた木綿(カナキン3号)で400gの荷重をかけて擦過し、目視にて確認し、下記基準により耐擦過性を評価した。
なお、C評価以上が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:50回以上擦っても画像が変化しない
B:50回擦った段階で多少の傷が残るが画像品位には影響せず、実使用上問題ない
C:31〜50回擦過する間に画像品位が低下してしまう
D:11〜30回擦過する間に画像品位が低下してしまう
E:10回以下の擦過で画像品位が低下してしまう
実施例1〜4は本発明の特に好ましい例であり、非多孔質記録媒体であるポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの各種基材に対して良好な濡れ性(ニジミ性評価及びベタ埋まり性評価)及び良好な耐擦過性が得られていることがわかる。
比較例1はフッ素系界面活性剤を使用した例であり、特にPVCフィルム、PETフィルムにおけるニジミが酷く、PETフィルムでは文字が判読できなかった。
比較例2はノニオン系界面活性剤を使用した例であり、ベタの埋まり性が悪く、目立つレベルであった。
比較例3及び4はウレタン樹脂ではあるが、ポリオレフィン部位含有ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンを使用した比較例3と、変性のないポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンを使用した比較例4であり、どちらも実使用に耐えないほど耐擦過性が劣る結果となった。
比較例5はポリオレフィン樹脂エマルジョンを使用した例であり、耐擦過性に劣るほか、PPフィルムとの相性が良すぎてPPフィルムにおけるニジミが大幅に悪化した。
比較例6はアクリル樹脂エマルジョンを使用した例であり、耐擦過性に劣るほか、PPフィルムに対する親和性が低くく、PPフィルムにおけるベタ埋まり性が大幅に悪化した。
比較例7は樹脂粒子を含有しない例であり、基材上に顔料が載っているだけであるため、耐擦過性は全く無く、液滴が固まらないため、ニジミ性も悪化した。
なお、屋外用途への利用を考慮して、基材密着性の評価は、屋外用途も想定した一般的な方法で評価を行ったため、これらの評価結果から、本発明のインクが屋外用途に適したものであることが分かる。
(試験例1)
<加熱乾燥における影響の評価>
実施例1のインク1において、下記表3に示すように、記録後の加熱条件(印刷後の加熱温度、及び乾燥時間)を変更した以外は、実施例1と同様にして、ニジミ性、ベタ埋まり性、及び耐擦過性を評価した。結果を表3に示した。
なお、試験例1は実施例1と同様にベタ画像の印刷を行い、印刷後の加熱なし(25℃、一晩放置)で乾燥させた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、有機溶剤、界面活性剤、及び樹脂粒子を含有するインクであって、
前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤を含有し、
前記樹脂粒子が、ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子を含有することを特徴とするインクである。
<2> 色材をさらに含有する前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記シリコーン系界面活性剤が、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載インクである。
<4> 前記シリコーン系界面活性剤の含有量が、0.05質量%以上5質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記シリコーン系界面活性剤の含有量が、0.1質量%以上3質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記有機溶剤が、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、及び2,3−ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記有機溶剤の含有量が、20質量%以上70質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子が、ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオールと、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、分子内に酸性基及び少なくとも2個の活性水素含有部位を有する化合物と、鎖伸長剤と、から合成される前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステルポリオールが、分子内にビスフェノールに由来する構造単位を含有する前記<8>に記載のインクである。
<10> 前記ポリイソシアネート化合物が、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートから選択される少なくとも1種である前記<8>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 前記分子内に酸性基及び少なくとも2個の活性水素含有部位を有する化合物が、α,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸、及びこれらにカプロラクトンモノマーを付加重合させて得られるカルボキシ基含有ポリカプロラクトンジオールから選択される少なくとも1種である前記<8>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の含有量が、1質量%以上9質量%以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の含有量が、5質量%以上9質量%以下である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の前記界面活性剤に対する含有量が、0.6質量%以上90質量%以下である前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上1,000nm以下である前記<1>から<14>のいずれかに記載のインクである。
<16> インクジェット用である前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクである。
<17> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のインクに、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかを印加して前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を印刷することを特徴とするインクジェット印刷方法である。
<18> 印刷後に印刷物を加熱する加熱工程をさらに含む前記<17>に記載のインクジェット印刷方法。
<19> 前記加熱工程における加熱温度が、40℃以上120℃以下である前記<18>に記載のインクジェット印刷方法である。
<20> 記録媒体と、前記記録媒体上に印刷層と、を有する印刷物であって、
前記印刷層が、色材、シリコーン系界面活性剤、及びポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂を含有することを特徴とする印刷物である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載のインク、前記<17>から<19>のいずれかに記載のインクジェット印刷方法、及び前記<20>に記載の印刷物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
142 用紙
174 ファンヒータ
特開2005−220352号公報 特開2011−094082号公報 特開2010−116459号公報 特開平10−72562号公報

Claims (9)

  1. 水、有機溶剤、シリコーン系界面活性剤、及びポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子を含有するインクであって、
    記シリコーン系界面活性剤の含有量が、0.2質量%以上3質量%以下であり、
    記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の含有量が、1質量%以上9質量%以下であり、
    前記有機溶剤が、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、及び2,3−ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種を含有する、ことを特徴とするインク。
  2. 色材をさらに含有する請求項1に記載のインク。
  3. 前記シリコーン系界面活性剤が、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 前記シリコーン系界面活性剤の含有量が、0.5質量%以上質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記有機溶剤が、1,2−プロパンジオールを含有する請求項1から4のいずれかに記載のインク。
  6. 前記ポリオレフィン部位含有ポリエステル系ウレタン樹脂粒子の含有量が、質量%以上9質量%以下である請求項1から5のいずれかに記載のインク。
  7. インクジェット用である請求項1から6のいずれかに記載のインク。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のインクに、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかを印加して前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を印刷することを特徴とするインクジェット印刷方法。
  9. 印刷後に印刷物を加熱する加熱工程をさらに含む請求項8に記載のインクジェット印刷方法。
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