JP6743373B2 - 水系インク、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
前記包装材料としては、印刷層が隣接する包装物の印刷層や箱などと直接接触し、その摩擦によって印刷層が削られ、印刷内容が不鮮明になるおそれがあるために耐擦過性が求められる。また、軟包装用途としては、プラスチックフィルムのなかでもポリプロピレン(PP)が使用されることが多い。
本発明のインクは、従来の水性のインクでは、水を主成分としており、液体成分が揮発しやすいため、ノズル部で顔料の分散安定性が損なわれやすく、間欠吐出時に不吐出が発生しやすいという問題があり、従来の顔料と鎖伸長剤を反応させる工程を経て製造されたポリエステル系ポリウレタン水性樹脂とを含有するインクでは、間欠吐出時に不吐出が発生してしまうという知見に基づくものである。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
前記樹脂は、アクリル樹脂を含み、更に必要に応じて、その他の樹脂を含む。
前記アクリル樹脂は、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマーの少なくともいずれかと、更に必要に応じてアクリル酸エステル系モノマー及びメタクリル酸エステル系モノマーの少なくともいずれかと、その他のモノマーとを共重合することにより得ることができ、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマーの少なくともいずれか由来の構造単位と、更に必要に応じてアクリル酸エステル系モノマー及びメタクリル酸エステル系モノマーの少なくともいずれか由来の構造単位と、その他のモノマー由来の構造単位とを有する共重合である。
前記市販品としては、例えば、アロンT−50、アロンA−210、アロンA−6330(以上、東亞合成株式会社製)、アクアリックDL、アクアリックHL、アクアリックGL(以上、株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
前記重合工程に用いられる重合開始剤としては、重合条件下で分解して遊離基を生成する物質であればよく、重合条件によって適宜選択することができ、例えば、過酸化物、アゾ系化合物などが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等の有機過酸化物などが挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などが挙げられる。
前記重合開始剤の使用量としては、特に制限はなく、種類、重合条件等により適宜選択することができるが、モノマー混合物100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下が好ましい。
前記低級アルコール類としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。前記チオール類としては、メルカプトエタノールなどが挙げられる。前記次亜リン酸塩としては、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウムなどが挙げられる。前記重亜硫酸塩としては、重亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記連鎖移動剤の使用量は、特に制限はなく、種類、重合条件等により適宜選択することができるが、モノマー混合物100質量部に対して、5質量部以上120質量部以下が好ましい。
前記重合工程の方法としては、例えば、(i)上記温度に加温された水性媒体の撹拌下に、モノマー混合物及び重合開始剤を添加する方法、(ii)上記温度に加温された、モノマー混合物及び水性媒体の撹拌下、重合開始剤を添加する方法、(iii)上記温度に加温された一部のモノマー(単一又は混合物)を含む水性媒体の撹拌下、残りのモノマー及び重合開始剤を添加する方法などが挙げられる。
前記中和工程に用いられる中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム(水溶液)、アンモニア(水溶液)、水酸化カリウム(水溶液)などが挙げられる。
前記中和工程における反応系のpHとしては、通常、pH2.0以上pH11.0以下であり、pH6.0以上pH9.0以下が好ましい。
なお、前記重合工程において用いた水性媒体が、水及び有機溶剤を含有する場合には、前記中和工程の前に、有機溶剤を留去する工程を行ってもよい。
(1)アクリル樹脂と、色材と、水性媒体とを一括混合する方法
(2)アクリル樹脂を水性媒体に溶解させた溶液の撹拌下に、色材を添加し、混合する方法
(3)水性媒体に色材を添加して混合した液に、アクリル樹脂を添加し、混合する方法
なお、前記混合する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の撹拌装置を選択することができ、例えば、ホモミクサー、ホモディスパー、ホモジナイザーなどが挙げられる。
前記その他の樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
前記樹脂粒子は、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂を含み、更に必要に応じてその他の樹脂を含む。
前記樹脂粒子は、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂からなる樹脂粒子を含んでもよく、また、前記その他の樹脂からなるその他の樹脂粒子を含んでもよい。
前記ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂とは、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかにポリオレフィン骨格を有するポリエステルウレタン樹脂を意味する。前記ポリエステルウレタン樹脂とは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂を意味する。
一般に、ウレタン樹脂としては、ポリエーテル系ウレタン、ポリカーボネート系ウレタンが存在するが、本発明においては、実使用上十分な耐擦過性を得るために前記樹脂粒子が、前記ポリエステルウレタン樹脂を含むことが必要である。
前記ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂を合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開平10−72562号公報に記載の方法などが好適に挙げられる。
即ち、前記方法としては、ポリオレフィン変性ポリエステルポリオールと、その他ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートと、分子内に酸性基と少なくとも2個の活性水素含有基を有する化合物と、鎖伸長剤とからなるポリウレタン樹脂の酸基とをアンモニア及び/又は有機アミンで中和して水性媒体中に分散させる方法が好ましい。
以下、各材料について説明する。
前記ポリオレフィン変性ポリエステルポリオールとは、分子の両末端及び側鎖の少なくともいずれかに水酸基を含有するポリオレフィンを意味する。
前記ポリオレフィン変性ポリエステルポリオールの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレフィン基を付与する化合物と、ジカルボン酸との脱水縮重合又はエステル交換反応を行い、末端ヒドロキシル基のポリエステルを得る方法などが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、及びこれらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式ポリシアネート化合物などが挙げられる。
これらの中でも、長期耐候性を持つ塗膜を必要とする点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。
前記分子内に酸基と少なくとも2個の活性水素基とを有する化合物としては、例えば、グリコール酸、酒石酸、4,6−ジヒドロキシイソフタル酸、α,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸、α,α−ジメチロールノナン酸、及びこれらにカプロラクトンモノマ−を付加重合させて得られるカルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオール等のヒドロキシ酸;1,7−ジヒドロキシナフタリンスルホン酸等のヒドロキシスルホン酸;2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸等のアミノスルホン酸などが挙げられる。
これらの中でも、分子内に2個の水酸基と1個のカルボキシル基とを有する化合物である、α,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸、及びこれらにカプロラクトンモノマーを付加重合させて得られるカルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオールが好ましい。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素原子含有化合物などが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリエステルポリオールと前記ポリオレフィン変性ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
このときのポリエステルポリオールとポリオレフィン変性ポリエステルポリオールの比率としては、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中の各ポリオール由来の部位の分子量比(ポリエステルポリオール/ポリオレフィン変性ポリエステルポリオール)で、60/40以上が好ましく、80/20以上がより好ましく、90/10以上が特に好ましい。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を、必要に応じて前記中和剤により中和し、その後、前記鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂エマルション中には、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わないが、より塗膜の性能が優れたインクが得やすい観点から、いわゆる自己乳化型のエマルションが好ましい。
また、前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などを使用すると良好な水分散安定性を得ることができ、これらアニオン性基を樹脂中に導入するには、これらアニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
前記その他の樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
また、前記有機溶剤が、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、及び2,3−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種であると、印字後(インク飛翔工程後)に加熱工程を有する記録方法である場合、前記インクに含まれる前記樹脂の造膜が促進され、記録物の堅牢性がさらに向上するため好ましい。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
前記中空樹脂粒子の市販品としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂として、MH5055(日本ゼオン株式会社製)、ローペイクOP−62、ローペイクOP−84J、ローペイクOP−91、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクULTRA(以上、ローム・アンド・ハース社製)、架橋型スチレン−アクリル樹脂として、SX−863(A)、SX−864(B)、SX−866(A)、SX−866(B)、SX−868(以上、JSR株式会社製)、ローペイクULTRA E、ローペイクULTRA DUAL(以上、ローム・アンド・ハース社製)などが挙げられる。
前記色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、顔料が好ましい。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記スチレン−アクリル樹脂被覆顔料とは、前記顔料の表面全体又は部分的にスチレン−アクリル樹脂を被覆させた顔料を意味する。前記顔料を前記スチレン−アクリル樹脂で被覆することによって、前記顔料を水に安定的に分散可能な状態にすることができる。この場合、前記インクに配合される前記顔料は、全て前記スチレン−アクリル樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された前記顔料が前記インク中に分散していてもよい。なお、前記スチレン−アクリル樹脂は、前記アクリル樹脂の一態様である。
前記スチレン−アクリル樹脂は、スチレン系モノマー及びスチレンマクロマーの少なくともいずれかと、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、アクリル酸エステル系モノマー及びメタクリル酸エステル系モノマーの少なくともいずれかと、更に必要に応じてその他のモノマーとを共重合することにより得ることができ、スチレン系モノマー及びスチレンマクロマーの少なくともいずれか由来の構造単位と、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、アクリル酸エステル系モノマー及びメタクリル酸エステル系モノマーの少なくともいずれか由来の構造単位と、更に必要に応じてその他のモノマー由来の構造単位とを有する共重合である。
前記スチレンマクロマーの数平均分子量としては、500以上50,000以下が好ましく、1,000以上10,000以下がより好ましい。
前記片末端に重合性官能基を有する前記スチレン系モノマーと前記その他のモノマーとの共重合体における前記スチレン系モノマーの含有量としては、前記顔料が十分に前記スチレン−アクリル樹脂に被覆されるようにする観点から、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
本発明のインクの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記水、前記色材、前記有機溶剤、前記樹脂、及び前記樹脂粒子を水性媒体中に分散乃至溶解し、更に必要に応じて撹拌混合して作製する方法などが挙げられる。前記撹拌混合としては、例えば、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などが挙げられる。
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの市販品としては、例えば、E−5100、E−5102(以上、東洋紡株式会社製)、P60、P375(以上、東レ株式会社製)、G2、G2P2、K、SL(以上、帝人デュポンフィルム株式会社製)などが挙げられる。
前記ナイロンフィルムの市販品としては、例えば、ハーデンフィルムN−1100、N−1102、N−1200(以上、東洋紡株式会社製)、ON、NX、MS、NK(以上、ユニチカ株式会社製)などが挙げられる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本願において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
滴下ロート及びジムロート冷却管を反応容器に装着し、窒素雰囲気下で、反応容器内のメチルエチルケトン20部、イソボルニルメタクリレート15部、スチレンマクロマー(商品名:AS−6S、東亞合成株式会社製)3部、メタクリル酸5部、メチルメタクリレート7部、及びメルカプトコハク酸0.9部の混合溶液を撹拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中のイソボルニルメタクリレート35部、スチレンマクロマー(商品名:AS−6S、東亞合成株式会社製)7部、メタクリル酸13部、メチルメタクリレート15部、メルカプトコハク酸2.1部、メチルエチルケトン80部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2部の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間65℃に保った後、メチルエチルケトン6部に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部を溶解させた溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、2時間105℃で乾燥させ、溶媒を除去し、粗ポリマー乾燥物を得た。
乾燥物をメチルエチルケトンで調製した50%スチレン−アクリル樹脂溶液30部に中和剤(20%水酸化ナトリウム水溶液)を加えて塩生成基を中和し、更にPigment Red 122(商品名:FastogenSuper Magenta RG、DIC株式会社製)45部を加え、ロールミルで混錬した。混錬物をイオン交換水100部に分散した後、減圧下60℃で有機溶媒を完全に除去し、更に水を除去することにより濃縮し、固形分濃度が20%のスチレン−アクリル樹脂被覆顔料分散体を得た。
温度計、撹拌機及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに水150部を仕込み、80℃まで昇温した。
ついで、撹拌しながらイオン交換水50部、アクリル酸80部、メタクリル酸10部、メタクリル酸エチルヘキシル20部、及びヒドロキシプロピルアクリレート1部の混合物と、30%過硫酸ナトリウム水溶液10部とを、それぞれ3時間かけて滴下して80℃で重合反応を行った。
滴下終了後、さらに系を80℃に保ったまま1時間熟成し、重合反応を完了した。
その後、32%水酸化ナトリウム水溶液120部により、反応液を完全に中和させて固形分濃度40%のアクリル樹脂1を得た。
アクリル樹脂1の合成において、メタクリル酸エチルヘキシルの代わりにアクリル酸ブチルを使用し、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの代わりにN−メチロールアクリルアミドを使用した以外は、アクリル樹脂1の合成と同様にして固形分濃度40%のアクリル樹脂2を得た。
アクリル樹脂1 2部とイオン交換水78部をTKホモミクサー(プライミクス株式会社製)により撹拌して均一な分散剤水溶液を得た。この水溶液にカーボンブラック顔料(Monarch800、キャボット社製)20部を添加し、回転数4,000rpmで15分間撹拌し、分散させてブラック顔料分散体1を得た。
ブラック顔料分散体1の調製において、アクリル樹脂1の代わりにポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−50、東亞合成株式会社製)を使用した以外は、ブラック顔料分散体1の調製と同様にしてブラック顔料分散体2を得た。
ブラック顔料分散体1の調製において、アクリル樹脂1の代わりにポリアクリル酸ナトリウム(アクアリックDL、日本触媒株式会社製)を使用した以外は、ブラック顔料分散体1の調製と同様にしてブラック顔料分散体3を得た。
ブラック顔料分散体1の調製において、カーボンブラックの代わりにピグメントブルー15:4(SMART Cyan 3154BA、SENSIENT社製)を使用した以外は、ブラック顔料分散体1の調製と同様にしてシアン顔料分散体を得た。
ブラック顔料分散体1の調製において、カーボンブラックの代わりにピグメントレッド122(Pigment Red 122、Sun Chemical社製)を使用し、アクリル樹脂1の代わりにアクリル樹脂2を使用した以外は、ブラック顔料分散体1の調製と同様にしてマゼンタ顔料分散体を得た。
ブラック顔料分散体1の調製において、カーボンブラックの代わりにピグメントイエロー74(SMART Yellow 3074BA、SENSIENT社製)を使用し、アクリル樹脂1の代わりにアクリル樹脂2を使用した以外は、ブラック顔料分散体1の調製と同様にしてイエロー顔料分散体を得た。
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(KDL型、シンマルエンタープライゼス社、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して活性剤分散型顔料分散体であるブラック顔料分散体4を得た。
カーボンブラック顔料(Monarch800、キャボット社製) 20部
アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製) 4部
イオン交換水 76部
ピグメントレッド122(Pigment Red 122、Sun Chemical社製)100gを、2.5N(規定)の次亜塩素酸ナトリウム溶液3,000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで撹拌し、10時間反応させて酸化処理を行い、ピグメントレッド122の表面にカルボン酸基が付与された顔料を得た。
この反応液を濾過し、濾別したピグメントレッド122を水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
次いで、該顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って、顔料固形分を20%に濃縮した自己分散型マゼンタ顔料分散体を得た。
温度計、及び撹拌機を付けた加圧重合器に、特開平10−72562号公報の合成例1に記載の方法と同様の方法で合成したポリエステルジオール618部、1,4−ブタンジオール19部、ジメチロールプロピオン酸102部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)290部、及びアセトン670部仕込み、撹拌下80℃で10時間反応して、NCO含量0.20%のNCO末端ポリウレタン樹脂のアセトン溶液を得た。このアセトン溶液を30℃に冷却して28%アンモニア水42部を加えた。次にイオン交換水1,515部を該アセトン溶液に加え、減圧下50℃〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度660cP/25℃のポリウレタン樹脂分散液を得た。この樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(以下同様)は、15,000であった。
得られた樹脂エマルションをペイントコンデイショナー(レッドデビル社製、50rpm〜1,425rpmの範囲で速度調節可能)で分散処理し、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)による測定で、体積平均粒径32nmのポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションAを得た。
撹拌機、2本の均圧管付き滴下ロート、温度計、及び水冷式コンデンサーを装着したセパラブルフラスコに、エチレン成分の含有量が48モル%、Mnが3,600、Mw/Mnが1.65であるエチレン−プロピレン共重合体166.91gを仕込み、窒素置換を行った。
その後、160℃に昇温後、同温度にて、滴下ロートに秤量していた490.60gのライトアクリレートHOB−A(2−ヒドロキシブチルアクリレート、共栄社化学株式会社製)、及び10.71gの過酸化ジ−tert−ブチル(片山化学株式会社製)を2時間かけて滴下した。
滴下後、160℃にて2時間の反応を行った後、170℃に昇温し、170℃、1.33kPa以下の条件で、3時間の減圧処理を行い、ポリオレフィン変性ポリオールを得た。
次に、撹拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリエステルポリオール(ポリライトOD−X−2420、DIC株式会社製)1,500g、前記ポリオレフィン変性ポリオール200g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1445g、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加して混合したものの中から4,340gを抜き出して、強撹拌下、イオン交換水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションAの場合と同様に分散処理し、樹脂粒子の体積平均粒径121nmのポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションBを得た。
ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションBの調製において、ポリエステルポリオール(ポリライトOD−X−2420)を使用する代わりに、ポリエーテルポリオール(ハイフレックスD2000、第一工業製薬株式会社製)を使用した以外は、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションBの調製と同様にして、樹脂粒子の体積平均粒径58nm、固形分濃度30%のポリオレフィン変性ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションCを得た。
ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションBのプレポリマー生成反応において、前記ポリオレフィン変性ポリオールを全く使用しなかった以外は、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションBの調製と同様にして、樹脂粒子の体積平均粒径44nm、固形分濃度30%のポリエステル系ウレタン樹脂エマルションDを得た。
メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン:エチレン=96:4、質量比)をバレル温度35℃の二軸押出機に供給して熱減成を行い、減成プロピレン系ランダム共重合体を得た。
減成プロピレン系ランダム共重合体100部、メタクリル酸メチル4部、アクリル酸エチルヘキシル4部、及びジクミルパーオキサイド3部をあらかじめ十分に混合した後、二軸押出機に供給し、滞留時間5分間、回転数300rpm、バレル温度120℃(第1、第2バレル)、180℃(第3、第4バレル)、100℃(第5バレル)、及び130℃(第6〜8バレル)の条件下で反応を行い、アクリル酸エステル−ポリオレフィン系共重合体を得た。
撹拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを取り付けた2Lの4つ口フラスコ中に、得られたアクリル酸エステル−ポリオレフィン系共重合体200g、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルアミン)35g、ステアリルグリシジルエーテル8g、及びトルエン36gを添加し、120℃で30分間混練した。
その後、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール8gを5分間かけて添加し、添加後5分間保持した後、90℃に熱したイオン交換水970gを40分間かけて添加した。
減圧処理により、トルエンを留去した後、撹拌しながら室温まで徐々に冷却し、固形分濃度が40%となるように水分量を調整し、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションAの調製と同様にして、樹脂粒子の体積平均粒径140nmのポリオレフィン樹脂エマルションEを得た。
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。
内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3g、アクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。
滴下終了後、3時間の熟成を行った。
得られた水性エマルションを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度30%、pH8に調整し、樹脂エマルションAの場合と同様にして、樹脂粒子の体積平均粒径123nmのアクリル樹脂エマルションFを得た。
スチレン−アクリル樹脂被覆顔料分散体20部、オレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂エマルションA 15部、1,2−プロパンジオール30部、シリコーン系界面活性剤(BY16−201、東レ・ダウコーニング株式会社製)1.5部、防腐防黴剤(プロキセルLV、アビシア社製)0.1部、及びイオン交換水33.4部を混合撹拌し、平均孔径0.8μmメンブレンフィルター(セルロールアセテートタイプ、ADVANTEC社製)にて濾過することにより、実施例1のインクを作製した。
実施例1において、下記表2−1〜表2−7に記載した処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜21、及び比較例1〜15のインクを作製した。
<シアン顔料分散体αの作製>
シアン顔料(FANTOGEN BLUE FSJ−SD、DIC株式会社製)20部、顔料分散剤(Disperbyk−190、ビックケミー・ジャパン株式会社製)30部、イソプロピルアルコール5部、及びイオン交換水45部を撹拌混合し、ビーズミルを用いて練肉分散した後、遠心分離機にかけて粗大粒子を取り除き、イオン交換水を加えて、顔料濃度15%に調整したシアン顔料分散体αを得た。
シアン顔料分散体α20部、ヒドラジン鎖伸長により合成されたポリエステル系ポリウレタン樹脂(アクリットWBR−601、大成ファインケミカル株式会社製)8.8部、プロピレングリコール10部、1,3−ブチレングリコール10部、界面活性剤(サーフィノール440、エアープロダクツ社製)0.5部、及びイオン交換水56.1部混合し、混合液を作製した後、平均孔径0.5μmのフィルター(ADVANTEC社製)で濾過し、比較例16のインクを得た。
実施例1〜21、及び比較例1〜16で作製したインクをインクジェットプリンター(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)に充填し、ポリプロピレン(PP)フィルム(パイレンP2102、東洋紡株式会社製)に対してインク付着量が9g/m2になるように5cm×5cmのベタ画像を印刷し、80℃3分間、及び80℃90秒間の条件で乾燥させた。
[評価基準]
A:100個の升目のどれにも剥がれが見られない。
B:100個の升目のうち1個以上5個以下剥がれたものがある。
C:100個の升目のうち6個以上剥がれたものがある。
実施例1〜21、及び比較例1〜16で作製したインクをインクジェットプリンター(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)に充填し、温度25℃、湿度15%RH環境下でヘッドクリーニングを実施した。ヘッドクリーニング後、ヘッドのキャッピングを外した状態で、温度25℃、湿度15%RHで、60分間、及び90分間放置した後、ノズルチェックパターンを印字し、不吐出、噴射乱れの有無を目視観察にて、以下の評価基準により判断した。なお、Bまでが許容範囲である。
[評価基準]
A:不吐出、及び噴射乱れが認められるノズルは存在しない。
B:若干の噴射乱れが認められるノズルが存在するが、不吐出のノズルは存在しない。
C:不吐出が認められるノズルが存在する。
実施例1で作製したインクをインクジェットプリンター(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)に充填し、ポリプロピレン(PP)フィルム(パイレンP2102、東洋紡株式会社製)に対してインク付着量が9g/m2になるように5cm×5cmのベタ画像を印刷し、室温で放置した。翌日、印刷された画像のベタ部に対し、実施例1と同様にして碁盤目剥離試験を行い、前記評価基準により評価したところ、評価「B」であった。
<1> 水、色材、有機溶剤、樹脂、及び樹脂粒子を含有し、
前記樹脂が、アクリル樹脂を含有し、
前記樹脂粒子が、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂を含有することを特徴とするインクである。
<2> 前記色材が、顔料である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記色材が、顔料の表面全体又は部分的にスチレン−アクリル樹脂を被覆させたスチレン−アクリル樹脂被覆顔料を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記スチレン−アクリル樹脂の重量平均分子量が、5,000以上50,000以下である前記<3>に記載のインクである。
<5> 前記有機溶剤が、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、及び2,3−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記有機溶剤の含有量が、20質量%以上60質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂の含有量が、2質量%以上20質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上50mgKOH/mg以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上200nm以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記アクリル樹脂の含有量が、前記顔料100質量部に対し、0.05質量部以上1質量部以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 界面活性剤を更に含む前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、記録媒体に付与するインク飛翔工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<13> 前記インク飛翔工程後に前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む前記<12>に記載のインクジェット記録方法である。
<14> 前記記録媒体が、ポリプロピレンフィルムである前記<12>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<15> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクと、前記インクに刺激を印加し、記録媒体に付与するインク飛翔手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<16> 前記記録媒体を加熱する加熱手段を更に有する前記<15>に記載のインクジェット記録装置である。
<17> 前記記録媒体が、ポリプロピレンフィルムである前記<15>から<16>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<18> 記録媒体と、前記記録媒体上に、色材、アクリル樹脂、及びポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂を含有する記録層とを有することを特徴とする記録物である。
<19> 前記記録層が、スチレン−アクリル樹脂を更に含む前記<18>に記載の記録物である。
<20> 前記記録媒体が、ポリプロピレンフィルムである前記<18>から<19>のいずれかに記載の記録物である。
Claims (5)
- 水、色材、有機溶剤、樹脂、及び樹脂粒子を含有し、
前記樹脂が、アクリル樹脂を含有し、
前記樹脂粒子が、ポリオレフィン変性ポリエステルウレタン樹脂を含有し、
前記水の含有量が、10質量%以上90質量%以下である、ことを特徴とする水系インク。 - 前記色材が、顔料の表面全体又は部分的にスチレン−アクリル樹脂を被覆させたスチレン−アクリル樹脂被覆顔料を含有する請求項1に記載の水系インク。
- 前記有機溶剤が、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、及び2,3−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する請求項1から2のいずれかに記載の水系インク。
- 請求項1から3のいずれかに記載の水系インクに刺激を印加し、記録媒体に付与するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記インク飛翔工程後に前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む請求項4に記載のインクジェット記録方法。
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