JP7019960B2 - 印刷装置、プログラム、及び印刷方法 - Google Patents
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Description
を備えている。
本発明の印刷装置は、画像を形成する第1液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1液体とは異なる第2液体を吐出する第2ノズル列と、を含む液体吐出手段と、前記液体吐出手段を搭載して主走査方向に往復移動されるキャリッジと、媒体に対し、前記第1液体を吐出する領域を含む領域に前記第2液体を吐出させる制御をする制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記キャリッジの往路及び復路の双方向で前記第2ノズル列から前記第2液体を吐出させ、前記キャリッジの往路及び復路のいずれか一方向で前記第1ノズル列から前記第1液体を吐出させる制御をする手段を備え、更に必要に応じて、その他の手段を備える。
本発明の印刷方法は、本発明の印刷装置を用いて印刷する印刷方法において、前記第1液体及び第2液体として、水、顔料、シロキサン化合物、下記一般式(1)の化合物、並びにポリカーボネート系ウレタン樹脂及びポリエステル系ウレタン樹脂の少なくともいずれかの樹脂を含有するインクを用い、更に必要に応じて、その他の工程を用いる。
本発明の印刷装置は、画像形成における双方向色差を解消するために、双方向色差のない片方向印刷を行うようにした場合、画像形成領域以上の領域に背景用液体や処理液を塗布するときの速度も低下するという問題があるという知見に基づくものである。
まず、本発明の第1実施形態に係る印刷装置について図1~図3を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る印刷装置の側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図、図3はヘッドの平面説明図である。
図6~図9は記録媒体70上に着弾したインク71及び72を示す。図6に示すように、記録媒体70上に先行して着弾したインク71の乾燥が進んだ後に、隣接インク71が着弾した場合、インク71は粘度が高くなった状態あるいは半硬化した状態になっており、その近傍にインク72が着弾してもインク滴同士は混ざり合わない。インク滴同士が混ざり合わない場合、インク滴の形状が残り、図8に示すようにインク層表面に凹凸が形成されてしまう。
一方、図7に示すように、先行して着弾したインク71の乾燥が進まないうちに、隣接するインク72が着弾した場合、インク71とインク72のインク滴同士が混ざり合う。インク滴同士が混ざり合う場合、図7に示すように、インク滴の形状が残らず、図9に示すようにインク層表面は滑らかになり、光沢性を向上させることができる。
乾燥性のよいインクを用いると、平滑性(光沢性)が低下する傾向にあるが、第2液体を双方向印刷により吐出するため、乾燥性の高いインクを用いても平滑性が低下することを抑制することができる。
の説明に供する平面説明図である。
本発明のプログラムは、画像を形成する第1液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1液体とは異なる第2液体を吐出する第2ノズル列と、を含む液体吐出手段と、前記液体吐出手段を搭載して主走査方向に往復移動されるキャリッジと、を備える画像形成装置において、媒体に対し、前記第1液体を吐出する領域を含む領域に前記第2液体を吐出させる制御をコンピュータに行わせるプログラムであって、前記キャリッジの往路及び復路の双方向で前記第2ノズル列から前記第2液体を吐出させ、前記キャリッジの往路及び復路のいずれか一方向で前記第1ノズル列から前記第1液体を吐出させる制御を前記コンピュータに行わせる。
本発明のプログラムは、本発明の印刷装置を実行させるのに好適に用いることができる。
本発明の印刷装置に用いる液体としては、特に制限なく、例えば、インクを用いることができる。前記インクとしては、水、有機溶剤、色材、樹脂粒子およびシロキサン化合物を含有するインクを用いると、乾燥性を高めることができ、好適に画像形成の高速化を図ることができる。
即ち、双方向印刷において、カラーインクの乾燥性よりも白インクの乾燥性を高くすることにより、片方向印刷による光沢性の不一致を低減させることができる。
前記白後刷り印刷とは、カラーインクによる画像形成後、白色インクにより下地及び背景の少なくともいずれかを形成する印刷方法である。
前記三層印刷とは、カラーインクによる画像形成後、白色インクにより下地及び背景の少なくともいずれかを形成し、さらにカラーインクにより画像形成を行う印刷方法である。
前記シロキサン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン部を有する化合物(シリコーン系化合物)の側鎖及び末端の少なくともいずれかに、親水性の官能基又は親水性ポリマー鎖を有する化合物などが挙げられる。
これらの中でも、ポリシロキサン部を有する化合物が、親水性ポリマー鎖を有するものが好ましく、前記親水性ポリマー鎖としては、ポリエーテル結合を含有するものが好ましい。
HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)・・・数式1
前記樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂粒子;ポリウレタン樹脂粒子;エポキシ樹脂粒子;ポリアミド樹脂粒子;ポリエーテル樹脂粒子;アクリル樹脂粒子;アクリル-シリコーン樹脂粒子;フッ素系樹脂などの縮合系合成樹脂粒子;ポリオレフィン樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリビニルアルコール系樹脂粒子、ポリビニルエステル系樹脂粒子、ポリアクリル酸系樹脂粒子、不飽和カルボン酸系樹脂などの付加系合成樹脂粒子;セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどの天然高分子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
これらの中でも、インクの分散安定性及び高光沢性の点から、ポリウレタン樹脂粒子が好ましい。前記ポリウレタン樹脂粒子であると、シロキサン化合物の分散性がよく、インクの造膜性が向上することから、乾燥性に優れ、画像形成を高速化することができる。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、特に制限はなく、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂粒子などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。前記脂肪族又は脂環式ジイソシアネートであると、非常に高い長期耐候性を有する塗膜を形成することができ、ポスターや看板などの屋外向けの用途として使用することができる。
更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを使用することにより、画像を形成した場合に塗膜強度、及び耐擦過性を得ることができるので好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、通常用いられている製造方法により得ることができ、例えば、以下の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記体積平均粒径が10nm以上1,000nm以下の樹脂粒子を用いることで、インクを循環させる循環手段を有するインク吐出装置に用いた場合に、優れたインク供給性や吐出信頼性を得られると共に、印刷媒体など被印刷物上でインクが乾燥する過程で樹脂粒子が有機溶剤に溶解しやすく、樹脂の広がりの効果を得やすいことから高光沢の画像を形成することができる。
樹脂粒子の持っている各種の官能基の吸収波長を測定し、既知の樹脂粒子のIRスペクトルと比較することによる樹脂粒子の定性分析を行うことができる。また、各樹脂粒子の官能基の吸収の吸光度を比較することにより、数種類のモノマーや樹脂粒子の相対量の比較を行うことができる。
示差走査型熱量分析(DS/A)や示差熱分析(DTA)を用いて樹脂粒子の融点、ガラス転移点等を測定することによりポリマーを同定することができる。
熱分解生成物をガスクロマトグラフィにより分離し、組成分析や構造解析を行うことができる。
なお、PyGCに質量分析計を直結し、熱分解により生成した分解生成物を同定しておくとより正確な分析を行うことができる。
既知の樹脂粒子のスペクトルと比較して、樹脂粒子の同定、及び確認を行うことができる。未知樹脂粒子の場合は分子構造の推定を行うことができる。さらに共重合体や複数のポリマーのブレンド物の組成比やブレンド比の定量分析を行うことができる。
また、樹脂の粒子径の制御によっても変化するため、これらの制御因子により樹脂の最低造膜温度を目的の値とすることができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性有機溶剤、下記一般式(1)で表される化合物などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト;炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高光沢性、及び粒子の凝集の防止の点から、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。また、高い耐擦過性、耐溶剤性、及び樹脂の造膜を促進する点から、沸点が200℃未満である、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオールが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、インクの乾燥工程において、樹脂が造膜するのを促進するため乾燥性を高めることができる。
本発明の印刷装置には、水を含まない溶剤インクを用いることも可能であるが、環境に影響を与えない安全性の高いインクとして、水を含む水性インクを用いることも可能である。水性インクに用いる前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水;超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、例えば、色材、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、ヒンダードフェノール及びヒンダードフェノールアミンのようなゴム、並びにプラスチックス用無色老化防止剤などが挙げられる。
前記色材は、時に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色色材、画像形成用色材などが挙げられる。
前記白色色材の白色度の基準としては、ISO-2469(JIS-8148)に基づいて測定される白色度の値が70以上の場合、白色のインクの色材として好適に用いられる。
前記白色インクは、本発明の印刷装置における第2液体として好適に用いることができ、背景用及び下地用の少なくともいずれかに用いることができる。
前記画像形成用色材は、画像形成用インクの色材として好適に用いることができる。
前記画像形成用インクは、本発明の印刷装置における第1液体として好適に用いることができる。
なお、前記クリアインクとは、着色剤を含まず、主に樹脂粒子、有機溶剤及び水からなるインクを意味する。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、前記顔料を水中に分散可能なもの、すなわち、顔料粒子を含有させた樹脂微粒子であってもよい。
この場合、インクに含有される顔料としては、すべて樹脂微粒子に封入または吸着されている必要はなく、顔料がインク中に分散していてもよい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
前記防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
前記インクの製造方法としては、例えば、水、有機溶剤、一般式(1)で表される化合物、樹脂粒子、及び更に必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度が、印刷媒体に記録した場合の文字品位等の画像品質の点から、25℃で、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。 前記粘度が、2mPa・s以上であると、吐出安定性を向上できる。
前記インクを収容する容器としては、例えば、インクカートリッジなどが挙げられる。
前記インクカートリッジとしては、プロセスカラーインク、特色インク、白色インク(下地及びまたは背景用インク)を容器中に収容するインクカートリッジを含む。
前記インクカートリッジとしては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
記録物は、記録媒体上に、前記インクにより記録された画像を有する。
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性メディアを用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性メディアとは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性メディアとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
<ブラック顔料分散液の調製>
以下に記載の処方の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散液(顔料固形分濃度:20質量%)を得た。
カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)15質量部
アニオン性界面活性剤(パイオニンA-51-B、竹本油脂株式会社製)・・2質量部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83質量部
<シアン顔料分散液の調製>
カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG-7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、シアン顔料分散液(顔料固形分濃度:20質量%)を得た。
<マゼンタ顔料分散液の調製>
カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液(顔料固形分濃度:20質量%)を得た。
<イエロー顔料分散液の調製>
カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液(顔料固形分濃度:20質量%)を得た。
<ホワイト顔料分散液の調製>
酸化チタン(商品名:STR-100W、堺化学工業株式会社製)25質量部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5質量部、水70質量部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、直径:0.3mmのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、白色顔料分散液(顔料固形分濃度:25質量%)を得た。
<ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6-ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200)1,500g、2,2-ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」とも称することがある)220g、及びN-メチルピロリドン(以下、「NMP」とも称することがある)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4,340gを抜き出して、強撹拌下、水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンを用いて、造膜温度試験装置(装置名:1530、株式会社井元製作所製)で最低造膜温度を測定した。前記最低造膜温度は55℃であった。
<ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンの調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエーテルポリオール(商品名:PTMG1000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)100.2質量部、2,2-ジメチロールプロピオン酸15.7質量部、イソホロンジイソシアネート48.0質量部、有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1質量部を、触媒としてジブチルスズジレウレート(以下、「DMTDL」とも称することがある)0.06質量部を使用し反応させた。
前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7質量部を供給し、更に反応を継続した。
前記反応物の平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール1.4質量部を投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4質量部加えることで前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3質量部を加え十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分30質量%のポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
前記ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンの調製例1と同様にして、造膜温度試験装置で最低造膜温度を測定した。前記最低造膜温度は43℃であった。
<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンの調製>
ポリエーテルポリオール(商品名:PTMG1000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)を、ポリエステルポリオール(商品名:ポリライトOD-X-2251、DIC株式会社製、平均分子量:2,000)に変更した以外は、前記ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンの調製例2と同様にして、固形分30質量%のポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
前記ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンの調製と同様にして、造膜温度試験装置(装置名:1530、株式会社井元製作所製)で最低造膜温度を測定した。前記最低造膜温度は74℃であった。
<アクリル樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g、及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン615g、ブチルアクリレート30g、及びメタクリル酸350gを撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させ、水性エマルジョンを得た。
得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水及び水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度30質量%、pH8のアクリル樹脂エマルジョンを得た。
前記アクリル樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンの調製例1と同様にして、造膜温度試験装置(装置名:1530、株式会社井元製作所製)で最低造膜温度を測定した。前記最低造膜温度は53℃であった。
ブラック顔料分散液20質量%、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度30質量%)を樹脂固形分換算で10質量%、1,2-プロパンジオール12質量%、1,2-ブタンジオール5質量%、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドM-100、出光興産株式会社製)17質量%、シロキサン化合物(商品名:FZ2110、 東レ・ダウ株式会社製、HLB=1.0)1質量%、防腐剤(商品名:プロキセルLV、アビシア株式会社製)0.1質量%、及び高純水12質量%を混合撹拌し、0.2μmポリプロピレンフィルター(日本ポール株式会社製)にて濾過することによりインク1を調製した。
インク1において、表1に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、インク1と同様にして、インク2~6を調製した。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)
・ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG-7351、東洋インキ株式会社製)
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA-51-B、竹本油脂株式会社製)
・ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)
・ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)
・酸化チタン(商品名:STR-100W、堺化学工業株式会社製)
・顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)
・ポリエーテルポリオール(商品名:PTMG1000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)
・ポリエステルポリオール(商品名:ポリライトOD-X-2251、DIC株式会社製、平均分子量:2,000)
・3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドM-100、出光興産株式会社製)
・シロキサン化合物(商品名:FZ2110、東レ・ダウ株式会社製、HLB=1.0)
・防腐剤(商品名:プロキセルLV、アビシア株式会社製)
調製したインクを下記表2に記載の組み合わせで本発明の印刷装置に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(商品名:CPPVWP1300、桜井株式会社製)記録媒体に対して、インク6(白色インク)を用いて下地を形成した後に、インク1及び2により、図18及び19に示す斜線パターン画像及びベタ画像を記録する白先刷り印刷(第1実施形態)を実施した。
実施例1において、下記表2に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、実施例と同様にして、実施例2~9、及び12を実施した。実施例12で用いたインクとしては、市販のRICOH Proインク(商品名:RICOH Pro AR インク、株式会社リコー製)を用いた。
実施例1において、インク1及び3により、図18及び19に示す斜線パターン画像及びベタ画像を記録した後に、インク6により白色インク層を形成する白後刷り印刷(第5実施形態)を実施した以外は、実施例1と同様にして、実施例10を実施した。
実施例1において、インク1及び3により、図18及び19に示す斜線パターン画像及びベタ画像を記録した後に、インク6により白色インク層を形成し、その後さらにインク1及び3により、図18及び19に示す斜線パターン画像及びベタ画像を記録する三層印刷(第6実施形態)を実施した以外は、実施例1と同様にして、実施例11を実施した。
ポリ塩化ビニルフィルムに形成した斜線パターン画像及びベタ画像のマス境界におけるにじみの有無を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、「にじみ(ブリーディング)の有無」を評価した。なお、評価が「△」以上であれば、使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
◎:50m2/hの生産性において、全てのマス境界において、図18及び19に示すようなにじみの無い画像である
○:45m2/hの生産性において、全てのマス境界において、図18及び19に示すようなにじみの無い画像である
△:40m2/hの生産性において、全てのマス境界において、図18及び19に示すようなにじみの無い画像である
また、インクとして、水、有機溶剤、顔料、樹脂粒子およびシロキサン化合物を有するインクを用いることにより、乾燥性の高い白インクとすることができ、前記白インクを用いて背景を形成することにより、双方向印刷においてもカラーインクを形成するインク膜の平滑性が上昇し、光沢性を有する画像を得ることができた。すなわち、図18及び19に示すように、にじみを抑制し、高品質の画像を記録することが可能であることがわかった。特に、樹脂粒子として、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を用いると、にじみに対して効果的であることがわかった。
<1> 画像を形成する第1液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1液体とは異なる第2液体を吐出する第2ノズル列と、を含む液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を搭載して主走査方向に往復移動されるキャリッジと、
媒体に対し、前記第1液体を吐出する領域を含む領域に前記第2液体を吐出させる制御をする制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記キャリッジの往路及び復路の双方向で前記第2ノズル列から前記第2液体を吐出させ、
前記キャリッジの往路及び復路のいずれか一方向で前記第1ノズル列から前記第1液体を吐出させる制御をする手段を備えていることを特徴とする印刷装置である。
<2> 前記第2ノズル列の長さが、前記第1ノズル列の長さよりも短い前記<1>に記載の印刷装置である。
<3> 前記第2ノズル列の長さが、前記第1ノズル列の長さの1/2倍である前記<2>に記載の印刷装置である。
<4> 前記第2ノズル列と前記第1ノズル列とは、主走査方向と直交する副走査方向に離間している前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷装置である。
<5> 前記第2液体が背景を形成する背景用液体である前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷装置である。
<6> 前記第1液体及び第2液体が、水、有機溶剤、色材、樹脂粒子、及びシロキサン化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の印刷装置である。
<7> 前記樹脂粒子が、ウレタン樹脂である前記<6>に記載の印刷装置である。
<8> 前記ウレタン樹脂が、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、及びポリエステル系ウレタン樹脂から選択される少なくともいずれかである前記<7>に記載の印刷装置である。
<9> 前記有機溶剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含む前記<6>から<8>のいずれかに記載の印刷装置である。
<10> 前記有機溶剤が、下記一般式(1-1)で表される3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドを含む前記<6>から<9>のいずれかに記載の印刷装置である。
<13> 前記色材が、白色色材及び画像形成用色材から選択される少なくともいずれかである前記<6>から<12>のいずれかに記載の印刷装置である。
<14> 前記白色色材が、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、及びチタン酸鉄から選択される少なくとも1種である前記<13>に記載の印刷装置である。
<15> 前記画像形成用色材が、カラーインク、特色インク、黒色インク、灰色インク、クリアインク、メタリックインク、及び非白色インクから選択される少なくとも1種である前記<13>から<14>のいずれかに記載の印刷装置である。
<16> 前記画像形成用色材が、無機顔料及び有機顔料から選択される少なくともいずれかである前記<13>から<15>のいずれかに記載の印刷装置である。
<17> 前記無機顔料が、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、及びクロムイエローから選択される少なくとも1種である前記<16>に記載の印刷装置である。
<18> 前記液体吐出手段は、複数のノズル列を有する1又は複数の液体吐出ヘッドで構成されている前記<1>から<17>のいずれかに記載の印刷装置である。
<19> 画像を形成する第1液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1液体とは異なる第2液体を吐出する第2ノズル列と、を含む液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を搭載して主走査方向に往復移動されるキャリッジと、を備える画像形成装置において、媒体に対し、前記第1液体を吐出する領域を含む領域に前記第2液体を吐出させる制御をコンピュータに行わせるプログラムであって、
前記キャリッジの往路及び復路の双方向で前記第2ノズル列から前記第2液体を吐出させ、
前記キャリッジの往路及び復路のいずれか一方向で前記第1ノズル列から前記第1液体を吐出させる制御を前記コンピュータに行わせることを特徴とするプログラムである。
<20> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の印刷装置を用いて印刷する印刷方法において、
前記第1液体及び前記第2液体として、水、顔料、シロキサン化合物、下記一般式(1)の化合物、並びにポリカーボネート系ウレタン樹脂及びポリエステル系ウレタン樹脂の少なくともいずれかの樹脂を含有するインクを用いることを特徴とする印刷方法である。
2 印刷媒体
11 ヘッド
Na~Nf ノズル列
N1、N1A、N1B 第1ノズル列
N2 第2ノズル列
12 キャリッジ
21 搬送ローラ
25 プラテン部材
41 巻取りロール
101 印刷部
102 搬送部
103 ロール収納部
104 ロール巻取り部
500 制御部
Claims (11)
- 画像を形成するプロセスカラーの第1液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1液体とは異なる単色の背景色の第2液体を吐出する第2ノズル列と、を含む液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を搭載して主走査方向に往復移動されるキャリッジと、
媒体に対し、前記第1液体を吐出する領域を含む領域に前記第2液体を吐出させる制御をする制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記キャリッジの往路及び復路の双方向で前記第2ノズル列から前記第2液体を吐出させ、
前記キャリッジの往路及び復路のいずれか一方向で前記第1ノズル列から前記第1液体を吐出させる制御をする手段を備えていることを特徴とする印刷装置。 - 前記第2ノズル列の長さが、前記第1ノズル列の長さよりも短い請求項1に記載の印刷装置。
- 前記第2ノズル列の長さが、前記第1ノズル列の長さの1/2倍である請求項2に記載の印刷装置。
- 前記第2ノズル列と前記第1ノズル列とは、主走査方向と直交する副走査方向に離間している請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記第1液体及び前記第2液体が、水、有機溶剤、色材、樹脂粒子、及びシロキサン化合物を含有する請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記樹脂粒子が、ウレタン樹脂である請求項5に記載の印刷装置。
- 前記ウレタン樹脂が、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、及びポリエステル系ウレタン樹脂から選択される少なくともいずれかである請求項6に記載の印刷装置。
- 前記液体吐出手段が、複数のノズル列を有する1又は複数の液体吐出ヘッドで構成されている請求項1から8のいずれかに記載の印刷装置。
- 画像を形成するプロセスカラーの第1液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1液体とは異なる単色の背景色の第2液体を吐出する第2ノズル列と、を含む液体吐出手段と、
前記液体吐出手段を搭載して主走査方向に往復移動されるキャリッジと、を備える画像形成装置において、媒体に対し、前記第1液体を吐出する領域を含む領域に前記第2液体を吐出させる制御をコンピュータに行わせるプログラムであって、
前記キャリッジの往路及び復路の双方向で前記第2ノズル列から前記第2液体を吐出させ、
前記キャリッジの往路及び復路のいずれか一方向で前記第1ノズル列から前記第1液体を吐出させる制御を前記コンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。
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