JP7031417B2 - 記録装置、及び記録装置の記録方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のインクジェット記録装置(記録装置)は、媒体に対して反応液及びインクを記録するヘッドを備え、使用される媒体の種類を自動的に判別し、媒体の種類に応じて適切な反応液及びインクの記録を実現する記録制御が可能になっている。そして、予め媒体の表面に反応液を記録し、表面に反応液の液体分が残存している状態で、インクを着弾させる。すると、インクに含まれる色材同士の結合力が増した状態でインクが媒体に定着され、インクの滲みが抑制される。
図1は、実施形態1に係る記録装置の概要を示す概略図である。図2は、本実施形態に係る記録装置の電気的構成を示すブロック図である。図3は、ヘッドユニットが備えるノズルの配置状態を示す模式図である。
なお、図3では、媒体M側から見たヘッドユニット50の状態が図示されている。
最初に、図1~図3を参照し、本実施形態に係る記録装置10の概要を説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る記録装置10は、外部装置であるコンピューター(PC)110から出力される画像データに基づき、長尺の媒体Mに所定の画像を記録するラージフォーマットプリンター(LFP)である。
なお、記録装置10は、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)及びメモリーカードなどの記録媒体から画像データを直接取得し、当該画像データに基づき媒体Mに所定の画像を記録する構成であってもよい。
インクW,C,M,YE,Kは、溶媒(水)と、顔料(色材)と、樹脂エマルジョン(または、樹脂微粒子)とを含む水系顔料インクである。顔料には分散処理がなされ、顔料の表面に電荷が帯電し、顔料同士が静電気によって反発し、顔料が水の中に均一に分散するようになっている。
なお、ホワイトのインク(白インク)Wは、「第1液体」の一例であり、以降、第1インクFと称す場合がある。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクC,M,YE,Kは、「第2液体」及び「カラーインク」の一例であり、以降、第2インクSと称す。
第1インクFは、透明な媒体Mに白色の背景画像BGを形成する。第2インクSは、白色の背景画像BGの上にフルカラーの画像FCを形成する。
インクF,Sが媒体Mの表面を濡れ広がり、インクF,Sが媒体Mの目標位置に定着しやすくするために、反応液Opが使用されている。
インクF,Sは、界面活性剤によって媒体Mの表面を均一に濡れ広がりやすくなる。さらに、インクF,Sに含まれる顔料は、凝集剤によって凝集して媒体Mの表面に沈降し、媒体Mの目標位置に付着しやすくなる。
例えば、媒体Mに記録されるインクF,Sの液量に対して、媒体Mに記録される反応液Opの液量が少なすぎる場合、界面活性剤によるインクF,Sの濡れ広がりが悪くなり、凝集剤による顔料の凝集が不均一になるという不具合が生じる。例えば、媒体Mに記録されるインクF,Sの液量に対して、媒体Mに記録される反応液Opの液量が多すぎる場合、過剰の凝集剤によって媒体Mに対する顔料の密着性が悪くなるという不具合が生じる、さらに、反応液Opに含まれる水分が多くなり、媒体Mの乾燥が長くなるという不具合も生じる。さらに、インクF,Sは、過剰の凝集剤によって媒体Mに対する密着性が悪くなる。
以降の説明では、第1インクFに作用する反応液Opを第1反応液OFと称し、第2インクSに作用する反応液Opを第2反応液OSと称す。なお、第1反応液OF及び第2反応液OSは、共に同じ反応液Opであり、液量が異なる。すなわち、第1インクFの液量に対して適正な液量の反応液Opが第1反応液OFであり、第2インクSの液量に対して適正な液量の反応液Opが第2反応液OSである。
なお、第1インクFに作用する第1反応液OFの液量、及び第2インクSに作用する第2反応液OSの液量は、後述する色変換処理を実施する工程(ステップS2(図4参照))によって設定されている。
移動部20は、媒体Mに画像を記録するために、媒体M及びヘッドユニット50の移動を実行する。移動部20は、副走査部40と、走査部30とを有する。副走査部40は、媒体Mを図中に白抜きの矢印で示される搬送方向Yに搬送し、媒体Mをヘッドユニット50の近傍と加熱部8の近傍とを通過させる。
副走査部40は、繰出部41と、支持部42と、「搬送部」の一例である搬送ローラー43と、巻取部44とを有する。繰出部41は、ロール状に巻回された記録前の媒体Mを、駆動モーター(図示省略)により回転させて繰り出す。支持部42は、搬送方向Yに搬送される媒体Mを支持する。搬送ローラー43は、ヘッドユニット50に対して搬送方向Yの上流側、及びヘッドユニット50に対して搬送方向Yの下流側に配置されている。
搬送ローラー43は、駆動モーター(図示省略)により回転して、支持部42上の媒体Mを搬送方向Yに搬送する。すなわち、搬送ローラー43は、ヘッドユニット50に対して、媒体Mを相対的に搬送方向Yへ搬送する。巻取部44は、記録後の媒体Mを巻き取る。
キャリッジ32は、ヘッドユニット50を搭載し、キャリッジモーター(図示省略)によって駆動され、ガイド軸31に沿って走査方向Xに往復移動する。すなわち、キャリッジ32は、ヘッドユニット50を搭載し、ヘッドユニット50を媒体Mに対して、搬送方向Yと交差する走査方向Xへ相対移動する。
記録装置10は、ヘッドユニット50が、インクF,S及び反応液OF,OSの少なくとも一つを記録しながら、走査方向Xに移動する主走査と、媒体Mが搬送方向Yに移動する副走査とを交互に繰り返すことにより、媒体Mに白色の背景画像BGとフルカラーの画像FCとを順に記録する。また、1回の搬送動作(副走査)における媒体Mの移動量は、長さLである。
換言すれば、記録装置10は、ヘッドユニット50を媒体Mに対して相対的に走査する走査動作中に、ノズルNz(図3参照)からインクF,S及び反応液OF,OSの少なくとも一つを媒体Mに記録するパス動作と、ヘッドユニット50を媒体Mに対して相対移動する搬送動作とを繰り返す。
以降の説明では、1回の主走査を「パス動作」と称す場合がある。すなわち、本願におけるパス動作は、ヘッドユニット50が、インクF,S及び反応液OF,OSの少なくとも一つを記録しながら走査方向Xに移動することである。
加熱部8は、内部に発熱体(図示省略)を有し、加熱された空気を送風するとともに、赤外線を放射することにより媒体Mを加熱する。なお、加熱された空気の送風と赤外線の放射とのうちの一方を省略してもよく、他の任意の方式の加熱装置を加熱部8として用いてもよい。また、加熱部8の走査方向Xの長さは、媒体Mの走査方向Xの長さと一致していてもよく、媒体Mの走査方向Xの長さより長くてもよい。
I/F91は、PC110と記録装置10との間でデータの送受信を行う。PC110と記録装置10との間は、直接、ケーブル等で接続してもよいし、ネットワーク等を介して間接的に接続してもよい。また、無線通信を介して、PC110と記録装置10との間でデータを送受信してもよい。
CPU92は、記録装置10全体の制御を行うための演算処理装置である。
メモリー93は、CPU92が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EPROMなどの記憶素子によって構成される。
ノズルチップ51,52は、インクF,Sまたは反応液OF,OSを記録するための構造を有する部品である。例えば、ノズルチップ51,52は、ノズルNzやピエゾ素子(図示省略)やインク室(図示省略)が、半導体製造技術(いわゆるMEMS)により集積して製造された部品である。
ノズル群55は、ホワイトのインクWを記録するノズルNzが並んだノズル群55Wと、シアンのインクCを記録するノズルNzが並んだノズル群55Cと、マゼンタのインクMを記録するノズルNzが並んだノズル群55Mと、イエローのインクYEを記録するノズルNzが並んだノズル群55Yと、ブラックのインクKを記録するノズルNzが並んだノズル群55Kと、インクW,C,M,YE,Kに作用する反応液Opを記録するノズルNzが並んだノズル群55Opとを有する。
なお、ノズル群55Wは「第1ノズル群」の一例であり、ノズル群55C,55M,55Y,55Kは「第2ノズル群」の一例であり、ノズル群55Opは「第3ノズル群」の一例である。さらに、ノズルNzが一定の間隔(ノズルピッチdp)で配列される搬送方向Yは、「ノズルの並び方向」の一例である。
反応液OF,OSを記録するノズルNzが並んだノズル群55Opは、ノズルチップ51,52(ヘッドユニット50)の端部に配置されている。そして、ノズル群55Kと、ノズル群55Yと、ノズル群55Mと、ノズル群55Cと、ノズル群55Wと、ノズル群55Wと、ノズル群55Opと、ノズル群55Opとが、走査方向Xに沿って順に配置されている。
なお、本願における「ノズルの並び方向において重複する」とは、搬送方向Yの位置が同じであることに相当する。このため、ヘッドユニット50は、第1インクFを記録するノズルNzが並んだノズル群55Wと、第2インクSを記録するノズルNzが並んだノズル群55C,55M,55Y,55Kと、インクF,Sに作用する反応液OF,OSを記録するノズルNzが並んだノズル群55OpとがノズルNzの並び方向(搬送方向Y)において重複する構成を有する。
さらに、走査方向X側から見た場合、ノズル群55Wに配置されるノズルNzと、ノズル群55C,55M,55Y,55Kに配置されるノズルNzと、ノズル群55Opに配置されるノズルNzとは、平面視で重なる。
なお、走査方向X側から見た場合、第1ノズルチップ51の搬送方向Yの下流側端部に配置されるノズルNzと、第2ノズルチップ52の搬送方向Yの上流側端部に配置されるノズルNzとが、平面視で重なる構成であってもよい。
本実施形態では、第1ノズルチップ51における搬送方向Yの上流側端のノズルNzと、第2ノズルチップ52における搬送方向Yの下流側端のノズルNzとの距離は、1回の搬送動作における媒体Mの移動量(長さL)の4倍に設定されている。
なお、第1ノズルチップ51における搬送方向Yの上流側端のノズルNzと、第2ノズルチップ52における搬送方向Yの下流側端のノズルNzとの距離は、1回の搬送動作における媒体Mの移動量(長さL)の4倍より短くてもよく、1回の搬送動作における媒体Mの移動量(長さL)の4倍より長くてもよい。
図3において、破線で囲まれた領域ROF及び領域ROSは、実際に反応液Opを記録するノズルNzが配置される領域である。詳しくは、領域ROFのノズルNzから実際に第1反応液OFが記録され、領域ROSのノズルNzから実際に第2反応液OSが記録される。
図3において破線で囲まれた領域RF及び領域RSは、実際にインクF,S(インクW,C,YE,M,K)を記録するノズルNzが配置される領域である。詳しくは、領域RFのノズルNzから実際に第1インクF(インクW)が記録され、領域RSのノズルNzから実際に第2インクS(インクC,M,YE,K)が記録される。
仮に、ノズル群55Opから記録される反応液OF,OSがミストとなり、ノズル群55W,55C,55M,55Y,55Kに付着すると、ノズル群55W,55C,55M,55Y,55KのノズルNzの中に充填されているインクF,Sに含まれる顔料が凝集する凝集反応が生じ、凝集した顔料によってノズルNzの一部が閉塞され、ノズルNzから適正にインクF,Sが記録されなくなるおそれがある。
本実施形態では、反応液OF,OSが記録されるノズル群55Opの搬送方向Yの長さは、インクF,Sが記録されるノズル群55W,55C,55M,55Y,55Kの搬送方向Yの長さの半分と短いので、インクF,Sが記録されるノズル群55W,55C,55M,55Y,55Kの搬送方向Yの長さと同じである場合と比べて、ノズル群55Opから記録される反応液OF,OSのミストが、ノズル群55W,55C,55M,55Y,55Kに付着しにくくなり、ノズル群55Opから記録される反応液OF,OSのミストの悪影響(ノズルNzの閉塞)が生じにくくなる。
さらに、反応液OF,OSを記録するノズルNzが並んだノズル群55Opを、ノズルチップ51,52(ヘッドユニット50)の端部に配置すると、ノズルチップ51,52(ヘッドユニット50)の端部に配置しない場合と比べて、ノズル群55Opから記録される反応液OF,OSのミストの悪影響を小さくすることができる。
すなわち、領域RFに配置されるノズルNzが、実際に第1インクFを記録するノズルNFであり、領域RSに配置されるノズルNzが、実際に第2インクSを記録するノズルNSであり、領域ROFに配置されるノズルNzが、実際に第1反応液OFを記録するノズルNOFであり、領域ROSに配置されるノズルNzが、実際に第2反応液OSを記録するノズルNOSである。
図4は、記録データの生成方法を示すフロー図である。
次に、図4を参照し、制御ユニット90が実行する記録データの生成方法について説明する。
図4に示すように、制御ユニット90が記録データを生成する工程は、解像度変換処理を実施する工程(ステップS1)と、色変換処理を実施する工程(ステップS2)と、ハーフトーン処理を実施する工程(ステップS3)と、ラスタライズ処理を実施する工程(ステップS4)と、コマンド付加処理を実施する工程(ステップS5)とを含む。
例えば、記録解像度が720×720dpiに指定されている場合、PC110から受け取ったベクター形式の画像データを、720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。解像度変換処理後の画像データの各画素データは、マトリクス状に配置された画素から構成される。解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間の256階調の階調値を示すデータである。つまり、解像度変換後の画像データの各画素データは、対応する画素の階調値を示すものである。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色系空間のデータに変換する処理である。CMYK色とは、シアンとマゼンタとイエローとブラックとからなる色であり、CMYK色系空間の画像データは、記録装置10が有するインクC,M,YE,Kの色に対応したデータである。本実施形態では、記録装置10は5種類のインクを使用するので、制御ユニット90は、RGBデータに基づいて、CMYK色系の5次元空間の画像データを生成する。
さらに、色変換テーブルは、インクW,C,M,YE,Kの液量に対応する反応液Opの液量データも有しており、制御ユニット90は、色変換テーブルに基づき、記録領域Rの各画素に記録されるインクW,C,M,YE,Kの液量に対応する反応液Opの液量を算出する。
すなわち、ステップS2では、制御ユニット90は、媒体Mに記録される第1インクFの液量と、媒体Mに記録される第1インクFに作用する第1反応液OFの液量と、媒体Mに記録される第2インクSの液量と、媒体Mに記録される第1インクFに作用する第1反応液OFの液量と、媒体Mに記録される第2インクSに作用する第2反応液OSの液量とを算出する。
図5は、本実施形態に係る記録装置の記録方法を示す工程フローである。図6は、本実施形態に係る記録装置の記録方法の説明図である。図7は、図5に示す主要な工程を経た後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
図6に示すヘッドユニット50は、図3に示すヘッドユニット50を簡素化した模式図である。図6に示すヘッドユニット50では、実際に第1インクFを記録するノズルNFが白い丸で図示され、実際に第2インクSを記録するノズルNSが黒い丸で図示され、実際に第1反応液OFを記録するノズルNOFが白い三角で図示され、実際に第2反応液OSを記録するノズルNOSが黒い三角で図示されている。
図6に示すように、図3に示すヘッドユニット50は、走査方向Xの一方側においてノズルNF,NSが搬送方向Yに沿って等間隔で配列され、走査方向Xの他方側においてノズルNOF,NOSが搬送方向Yに沿って等間隔で配列され、ノズルNOFが複数配置されたノズル群と、ノズルNOSが複数配置されたノズル群とが離間する状態で図示することができる。
図6には、パス動作(主走査)における媒体Mに対するヘッドユニット50の相対的な位置関係が図示されている。
図6において、符号P1は1回目のパス動作におけるヘッドユニット50の位置を示し、符号P2は2回目のパス動作におけるヘッドユニット50の位置を示し、符号P3は3回目のパス動作におけるヘッドユニット50の位置を示し、符号P4は4回目のパス動作におけるヘッドユニット50の位置を示す。
なお、記録装置10では、複数のパス動作を繰り返して、媒体Mに画像を形成する。例えば、複数のパス動作における任意のパス動作をn回目のパス動作とした場合、n+1回目のパス動作が1回目のパス動作に相当し、n+2回目のパス動作が2回目のパス動作に相当し、n+3回目のパス動作が3回目のパス動作に相当し、n+4回目のパス動作が4回目のパス動作に相当する。
また、1回目のパス動作は「第1パス動作」の一例であり、2回目のパス動作は「第2パス動作」の一例であり、3回目のパス動作は「第3パス動作」の一例であり、4回目のパス動作は「第4パス動作」の一例である。
さらに、図6では、ヘッドユニット50のノズルNzから媒体Mに対してインクF,Sまたは反応液OF,OSが記録され、1回のパス動作によって媒体MにインクF,Sまたは反応液OF,OSが記録される領域、すなわち、1回のパス動作によって媒体Mに画像が形成される領域が、記録領域R(記録領域R1,R2,R3,R4)として二点鎖線で図示されている。また、図6における記録領域R(記録領域R1,R2,R3,R4)の搬送方向Yの長さは、1回の搬送動作における媒体Mの移動量(長さL)である。
さらに、記録領域Rは、1回のパス動作によって媒体Mに画像が形成される領域であるに加えて、1回のパス動作によって画像が形成される領域の媒体Mである。すなわち、記録領域Rは、画像が形成される領域の媒体Mを意味し、「本願の記録装置の記録方法における媒体」の一例である。
なお、以降の説明では、記録領域R1,R2,R3,R4をまとめて記録領域Rと称す場合や、記録領域R1を記録領域Rと称す場合がある。
さらに、図7において符号F5で示される図は、加熱部8による加熱処理を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
次に、図5~図7を参照し、本実施形態に係る記録装置10の記録方法の概要を説明する。
なお、ステップS11は、「第1パス動作で、第1液体と反応液とを記録して媒体上に第1層を形成する工程」の一例である。ステップS13は、「第2パス動作で、第1液体を記録して第1層上に第2層を形成する工程」の一例である。ステップS15は、「第3パス動作で、第2液体と反応液とを記録して第2層上に第3層を形成する工程」の一例である。ステップS17は、「第4パス動作で、第2液体を記録して第3層上に第4層を形成する工程」の一例である。
すなわち、ステップS11では、1回目のパス動作で、第1インクFと第1反応液OFとを記録して媒体M上に第1層1を形成する。
仮に、媒体Mに対して第1インクFだけが記録されると、第1インクFは、媒体Mによって弾かれ、媒体Mの外に排出されやすい。さらに、第1インクFに含まれる顔料は凝集しにくいので、媒体Mの目標位置に沈降(付着)しにくい。
このため、ステップS11では、第1インクF及び第1反応液OFの両方を媒体Mに記録する。第1反応液OFは、水と凝集剤と界面活性剤とを含み、第1反応液OFに含まれる界面活性剤は、第1インクFの媒体Mに対する濡れ性を改善する。このため、第1インクFは、媒体Mによって弾かれず、媒体Mの表面を均一に濡れ広がりやすくなる。第1反応液OFに含まれる凝集剤は、顔料表面の電荷を中和し、顔料を凝縮させる。すると、凝集剤によって凝集した顔料は、媒体Mの表面に沈降し、媒体Mの目標位置に付着しやすくなる。
なお、ステップS11では、ステップS11で記録される第1インクFの顔料だけでなく、以降の工程(ステップS13)で記録される第1インクFの顔料に対しても、適正に凝集反応が生じるように、第1反応液OFの液量が設定されている。
すなわち、ステップS13では、2回目のパス動作で、第1インクを記録して第1層1上に第2層2を形成する。
ステップS13では、第1インクFは、第1インクFを含む第1層1上を良好に濡れ広がる。第1反応液OFが事前に記録された記録領域R1に、第1インクFが記録されるので、第1インクFの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。さらに、ステップS13を設けることによって、白色の背景画像BGの濃度を高めることができる。
すなわち、ステップS15では、3回目のパス動作で、第2インクSと第2反応液OSとを記録して第2層2上に第3層3を形成する。
ステップS15では、第2インクSは、第1インクFを含む第2層2上を良好に濡れ広がる。さらに、同時に記録される第2反応液OSによって、第2インクSの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。
すなわち、ステップS17では、4回目のパス動作で、第2インクSを記録して第3層3上に第4層4を形成する。
ステップS17では、第2インクSは、第2インクSを含む第3層3上を良好に濡れ広がる。第2反応液OSが事前に記録された記録領域R1に、第2インクSが記録されるので、第2インクSの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。さらに、ステップS17を設けることによって、フルカラーの画像FCの濃度を高めることができる。
記録領域R1以外の他の記録領域R(記録領域R2,R3,R4など)に対しても、記録領域R1と同様に、4回の主走査によって、第1層1と第2層2と第3層3と第4層4とを順に形成する。
加熱部8による加熱処理を施すと、第1層1及び第2層2における第1インクFの樹脂成分が溶解し、第1インクFの顔料を含む樹脂層が形成され、第1インクFの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第1インクFの顔料を含む樹脂層によって、白色の背景画像BGが形成される。さらに、第3層3及び第4層4における第2インクSの樹脂成分が溶解し、第2インクSの顔料を含む樹脂層が形成され、第2インクSの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第2インクSの顔料を含む樹脂層によって、フルカラーの画像FCが形成される。
このように、加熱部8による加熱処理によって、透明な媒体Mの上に、白色の背景画像BGとフルカラーの画像FCとを順に形成する。
ステップS11,15において、インクF,Sと反応液OF,OSとを同時に記録するので、インクF,Sと反応液OF,OSとを別々に記録する場合と比べて、本実施形態に係る記録装置10の生産性を高めることができる。
図8は、図3に対応する図であり、実施形態2に係る記録装置が備えるヘッドユニットのノズルの配置状態を示す模式図である。図9は、本実施形態に係る記録装置が備えるヘッドユニットのノズルの配置状態を示す他の模式図である。図10は、本実施形態に係る記録装置の記録方法を示す工程フローである。図11は、図6に対応する図であり、本実施形態に係る記録装置の記録方法の説明図である。図12は、図7に対応する図であり、図10に示す主要な工程を経た後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
図12において符号F11で示される図は、1回目のパス動作(ステップS21(図10参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。図12において符号F12で示される図は、2回目のパス動作(ステップS23(図10参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。図12において符号F13で示される図は、3回目のパス動作(ステップS25(図10参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
さらに、図12において符号F14で示される図は、加熱部8による加熱処理を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
以下、図8~図12を参照し、本実施形態に係る記録装置の概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係るヘッドユニット60は、反応液Op(反応液OF,OS)及び各色(ホワイト、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクW,C,M,YE,K(インクF,S)を異なるノズルチップから記録する。一方、実施形態1に係るヘッドユニット50は、反応液Op(反応液OF,OS)及び各色(ホワイト、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクW,C,M,YE,K(インクF,S)を同じノズルチップから記録する。この点は、本実施形態と実施形態1との相違点である。
第2ノズルチップ62におけるノズル群55Opの搬送方向Yの位置と、第3ノズルチップ63におけるノズル群55W,55C,55M,55Y,55Kの搬送方向Yの位置とは同じであり、第2ノズルチップ62におけるノズル群55Opと、第3ノズルチップ63におけるノズル群55W,55C,55M,55Y,55Kとは、ノズルNzの並び方向において重複する。
さらに、走査方向X側から見た場合、第2ノズルチップ62における実際に第2反応液OSを記録するノズルNOSと、第3ノズルチップ63における実際に第1インクFを記録するノズルNFとは、平面視で重なる。
換言すれば、ヘッドユニット60は、第1インクを記録するノズルNFが並んだノズル群NFGと、第2インクSを記録するノズルNSが並んだノズル群NSGと、第1インクF及び第2インクSに作用する反応液OF,OSを記録するノズルNOF,NOSが並んだノズル群NOFG,NOSGと、を有する。
ノズル群NFG及びノズル群NSGは走査方向Xの一方側に配置され、ノズル群NOFG及びノズル群NOSGは走査方向Xの他方側に配置されている。ノズル群NFGは、ノズル群NSGに対して搬送方向Yの上流側に配置されている。ノズル群NOFGはノズル群NOSGに対して搬送方向Yの上流側に配置されている。
ヘッドユニット60は、ノズル群NFGとノズル群NOSGとがノズルNzの並び方向において重複する部位67と、部位67より搬送方向Yの上流側においてノズル群NOFG群が設けられた部位66と、部位67より搬送方向Yの下流側においてノズル群NSGが設けられた部位68と、を有する。
なお、部位67は「重複部」の一例であり、部位66は「上流側非重複部」の一例であり、部位68は「下流側非重複部」の一例である。
換言すれば、ヘッドユニット60は、ノズル群NFG及びノズル群NOSGがノズルNzの並び方向において重複する重複部(部位67)と、部位67より搬送方向Yの上流側においてノズル群NOFGが設けられた上流側非重複部(部位66)と、部位67より搬送方向Yの下流側においてノズル群NSGが設けられた下流側非重複部(部位68)と、を有する。
なお、ステップS21は、「第1パス動作で、上流側非重複部から反応液を記録して媒体上に第1層を形成する工程」の一例である。ステップS23は、「第2パス動作で、重複部から第1液体及び反応液を記録して第1層上に第2層を形成する工程」の一例である。ステップS25は、「第3パス動作で、下流側非重複部から第2液体を記録して第2層上に第3層を形成する工程」の一例である。
すなわち、ステップS21は、第1パス動作で部位66から第1反応液OFを記録して媒体M上に第1層1Aを形成する工程である。
ステップS21では、以降の工程(ステップS23)で記録される第1インクFの顔料において適正に凝集反応が生じるように、第1反応液OFの液量が設定されている。
すなわち、ステップS23は、第2パス動作で部位67から第1インクF及び第2反応液OSを記録して第1層1A上に第2層2Aを形成する工程である。
ステップS23では、第1反応液OFが事前に記録された記録領域R1(第1層1A)に、第1インクFが記録されるので、第1インクFは第1層1A上を良好に濡れ広がり、第1インクFの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。さらに、第1インクFと共に第2反応液OSが記録されるので、第2反応液OSが記録領域R1に記録される。
また、ステップS23では、以降の工程(ステップS25)で記録される第2インクSの顔料において適正に凝集反応が生じるように、第2反応液OSの液量が設定されている。
すなわち、ステップS25は、第3パス動作で、部位68から第2インクSを記録して記録領域R1における第2層2A上に第3層3Aを形成する工程である。
ステップS25では、第2インクSは、第1インクFを含む第2層2A上を良好に濡れ広がる。さらに、第2反応液OSが事前に記録された記録領域R1に、第2インクSが記録されるので、第2インクSの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。
記録領域R1以外の他の記録領域R(記録領域R2,R3,R4など)に対しても、記録領域R1と同様に、3回の主走査によって、第1層1Aと第2層2Aと第3層3Aとを順に形成する。
加熱部8による加熱処理を施すと、第2層2Aにおける第1インクFの樹脂成分が溶解し、第1インクFの顔料を含む樹脂層が形成され、第1インクFの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第1インクFの顔料を含む樹脂層によって、白色の背景画像BGが形成される。さらに、第3層3Aにおける第2インクSの樹脂成分が溶解し、第2インクSの顔料を含む樹脂層が形成され、第2インクSの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第2インクSの顔料を含む樹脂層によって、フルカラーの画像FCが形成される。
このように、加熱部8による加熱処理によって、透明な媒体Mの上に、白色の背景画像BGとフルカラーの画像FCとを順に形成する。
ステップS23において第1インクFと第2反応液OSとを同時に記録するので、第1インクFと第2反応液OSとを別々に記録する場合と比べて、本実施形態に係る記録装置の生産性を高めることができる。
図13は、図8に対応する図であり、実施形態3に係る記録装置が備えるヘッドユニットのノズルの配置状態を示す模式図である。図14は、図9に対応する図であり、本実施形態に係る記録装置が備えるヘッドユニットのノズルの配置状態を示す他の模式図である。図15は、本実施形態に係る記録装置の記録方法を示す工程フローである。図16は、図11に対応する図であり、本実施形態に係る記録装置の記録方法の説明図である。図17は、図12に対応する図であり、図15に示す主要な工程を経た後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
図17において符号F21で示される図は、1回目のパス動作(ステップS31(図15参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。図17において符号F22で示される図は、2回目のパス動作(ステップS33(図15参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。図17において符号F23で示される図は、3回目のパス動作(ステップS35(図15参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。図17において符号F24で示される図は、4回目のパス動作(ステップS37(図15参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。図17において符号F25で示される図は、5回目のパス動作(ステップS39(図15参照))を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
さらに、図17において符号F26で示される図は、加熱部8による加熱処理を実施した後の媒体Mの状態を示す概略断面図である。
以下、図13~図17を参照し、本実施形態に係る記録装置の概要を、実施形態1及び実施形態2との相違点を中心に説明する。また、実施形態1及び実施形態2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係る記録装置は、透明な媒体Mの上に、フルカラーの画像FCと、白色の背景画像BGと、フルカラーの画像FCとを順に記録する。その結果、透明な媒体Mの裏側、及び透明な媒体Mの表側の両方から、フルカラーの画像FCを視認することができる。
すなわち、本実施形態に係るヘッドユニット70は、実施形態2に係るヘッドユニット60と比べて、反応液Op(反応液OF,OS)を記録するノズルチップの数が一つ少ない。
第3ノズルチップ63と第4ノズルチップ64とは搬送方向Yに沿って順に配置され、第3ノズルチップ63は、第4ノズルチップ64に対して搬送方向Yの上流側に配置される。ノズルチップ63,64は、走査方向Xにおける一方側に配置されている。
第3ノズルチップ63と第4ノズルチップ64とは、実際に第1インクFを記録するノズルNFと、実際に第2インクSを記録するノズルNSと、インクF,Sを記録しないノズルNzとを有する。
換言すれば、ヘッドユニット70は、第1インクを記録するノズルNFが並んだノズル群NFGと、第2インクSを記録するノズルNSが並んだノズル群NSG1,NSG2と、第1インクF及び第2インクSに作用する反応液OF,OSを記録するノズルNOF,NOSが並んだノズル群NOFG,NOSGと、を有する。
ノズル群NFG,NSG1,NSG2は走査方向Xの一方側に配置され、ノズル群NOFG,NOSGは走査方向Xの他方側に配置されている。
ノズル群NSG1は、ノズル群NFGに対して搬送方向Yの上流側に配置されている。ノズル群NSG2は、ノズル群NFGに対して搬送方向Yの下流側に配置されている。ノズル群NFGは、ノズル群NSG1とノズル群NSG2との間に配置されている。
ノズル群NOFGは、ノズル群NOSGに対して搬送方向Yの下流側に配置されている。
なお、実際に第1インクFを記録する複数のノズルNFで構成されるノズル群NFGは、「第1ノズル群」の一例である。実際に第2インクSを記録する複数のノズルNSで構成される二つのノズル群NSG1,NSG2は、「第2ノズル群」の一例である。実際に第1反応液OFを記録する複数のノズルNOFで構成されるノズル群NOFG、及び、実際に第2反応液OSを記録する複数のノズルNOSで構成されるノズル群NOSGは、「第3ノズル群」の一例である。
ノズル群NOFGの搬送方向Yの位置は、ノズル群NFGの搬送方向Yの位置の一部と同じであり、ノズル群NOFG及びノズル群NFGはノズルNzの並び方向において重複する。ノズル群NOSGの搬送方向Yの位置は、ノズル群NSG1の搬送方向Yの位置の一部と同じであり、ノズル群NOSG及びノズル群NSG1はノズルNzの並び方向において重複する。
なお、部位75と部位77とは「重複部」の一例であり、部位76と部位78と部位79とは「非重複部」の一例であり、
換言すれば、ヘッドユニット70は、ノズル群NOFG,NOSGがノズル群NFGまたはノズル群NSGとノズルNzの並び方向において重複する重複部(部位75,77)と、重複部(部位75,77)より搬送方向Yの下流側においてノズル群NFGまたはノズル群NSGが設けられた非重複部(部位76,78,79)とを有する。
なお、ステップS31は、「第1パス動作で、重複部から第2液体及び反応液を記録して媒体上に第1層を形成する工程」の一例である。ステップS33は、「第2パス動作で、非重複部から第2液体を記録して第1層上に第2層を形成する工程」の一例である。ステップS35は、「第3パス動作で、重複部から第1液体及び反応液を記録して第2層上に第3層を形成する工程」の一例である。ステップS37は、「第4パス動作で、非重複部から第1液体を記録して第3層上に第4層を形成する工程」の一例である。ステップS39は、「第5パス動作で、非重複部から第2液体を記録して第4層上に第5層を形成する工程」の一例である。
すなわち、ステップS31は、第1パス動作で、部位75から第2インクS及び第2反応液OSを記録して媒体M上に第1層1Bを形成する工程である。
第2インクSは、第2反応液OSと一緒に記録されるので、媒体M上を濡れ広がり、第2インクSの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。さらに、ステップS31では、ステップS31で記録される第2インクSの顔料だけでなく、以降の工程(ステップS33)で記録される第2インクSの顔料に対しても、適正に凝集反応が生じるように、第2反応液OSの液量が設定されている。
すなわち、ステップS33は、第2パス動作で、部位76から第2インクSを記録して第1層1B上に第2層2Bを形成する工程である。
ステップS33では、第2インクSは、第2インクSを含む第1層1B上を良好に濡れ広がる。第2反応液OSが事前に記録された記録領域R1に、第2インクSが記録されるので、第2インクSの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。
すなわち、ステップS35は、第3パス動作で、部位77から第1インクF及び第1反応液OFを記録して第2層2B上に第3層3Bを形成する工程である。
ステップS35では、第1インクFは、第2インクSを含む第2層2B上を良好に濡れ広がる。第1反応液OFと一緒に、第1インクFが記録されるので、第1インクFの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。
また、ステップS35では、ステップS35で記録される第1インクFの顔料だけでなく、以降の工程(ステップS37)で記録される第1インクFの顔料、並びに、以降の工程(ステップS39)で記録される第2インクSの顔料に対して、適正に凝集反応が生じるように、第1反応液OF(反応液Op)の液量が設定されている。
すなわち、ステップS37は、第4パス動作で、部位78から第1インクFを記録して第3層3B上に第4層4Bを形成する工程である。
ステップS37では、第1インクFは、第1インクFを含む第3層3B上を良好に濡れ広がる。第1反応液OF(反応液Op)が事前に記録された記録領域R1上に、第1インクFが記録されるので、第1インクFの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。
すなわち、ステップS39は、第5パス動作で、部位79から第2インクSを記録して第4層4B上に第5層5Bを形成する工程である。
ステップS39では、第2インクSは、第1インクFを含む第4層4B上を良好に濡れ広がる。第1反応液OF(反応液Op)が事前に記録された記録領域R1上に、第2インクSが記録されるので、第2インクSの顔料は適正に凝集し、目標位置に付着する。
記録領域R1以外の他の記録領域R(記録領域R2,R3,R4など)に対しても、記録領域R1と同様に、5回の主走査によって、第1層1Bと第2層2Bと第3層3Bと第4層4Bと第5層5Bとを順に形成する。
加熱部8による加熱処理を施すと、第1層1B及び第2層2Bにおける第2インクSの樹脂成分が溶解し、第2インクSの顔料を含む樹脂層が形成され、第2インクSの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第2インクSの顔料を含む樹脂層によって、フルカラーの画像FCが形成される。
さらに、第3層3B及び第4層4Bにおける第1インクFの樹脂成分が溶解し、第1インクFの顔料を含む樹脂層が形成され、第1インクFの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第1インクFの顔料を含む樹脂層によって、背景画像BGが形成される。
さらに、第5層5Bにおける第2インクSの樹脂成分が溶解し、第2インクSの顔料を含む樹脂層が形成され、第2インクSの顔料が媒体Mに定着する。その結果、第2インクSの顔料を含む樹脂層によって、フルカラーの画像FCが形成される。
このように、加熱部8による加熱処理によって、透明な媒体Mの上に、フルカラーの画像FCと白色の背景画像BGとフルカラーの画像FCとを順に形成する。
ステップS31,S35において、インクF,Sと反応液OF,OSとを同時に記録するので、インクF,Sと反応液OF,OSとを別々に記録する場合と比べて、本実施形態に係る記録装置の生産性を高めることができる。
上述した実施形態は、ヘッドユニット50,60,70が走査方向X(媒体Mの幅方向)に移動しながらインクC,M,YE,Kを記録するシリアルヘッド方式の記録装置であったが、ヘッドユニット50,60,70が、走査方向X(媒体Mの幅方向)に延在して配置され、固定された状態でインクC,M,YE,Kを記録するラインヘッド方式の記録装置であってもよい。
上述した実施形態1は、ステップS11及びステップS13において、媒体Mに第1インク(ホワイトのインクW)を記録し、白色の背景画像BGを作成した。ステップS11だけで、要求される濃度が得られるのであれば、ステップS13を省略してもよい。
さらに、ステップS15及びステップS17において、媒体Mに第2インクS(インクC,M,YE,K)を記録し、フルカラーの画像FCを作成した。ステップS15だけで、要求される濃度が得られるのであれば、ステップS17を省略してもよい。
第1液体を白インクとし第2液体をカラーインクとし、第1パス動作で上流側非重複部から反応液を記録し、第2パス動作で重複部から第1液体及び反応液を記録し、第3パス動作で下流側非重複部から第2液体を記録する場合、媒体に対して、白色の画像と、フルカラーの画像とを順に形成することができる。
フルカラーの画像は、白色の画像の上に形成されるので、白色の画像の上に形成されない場合と比べて、フルカラーの画像の視認性を高めることができる。例えば、媒体が透明である場合であっても、ユーザーはフルカラーの画像を良好に視認することができる。
例えば、透明な媒体の表面に対して、フルカラーの画像と、白色の背景画像と、フルカラーの画像とが順に形成されると、ユーザーは、媒体の表面側に加えて、媒体の裏面側からもフルカラーの画像を良好に視認することができる。
Claims (7)
- 第1液体を記録するノズルが並んだ第1ノズル群と、第2液体を記録するノズルが並んだ第2ノズル群と、前記第1液体及び前記第2液体に作用する反応液を記録するノズルが並んだ第3ノズル群と、が前記ノズルの並び方向において重複する記録部と、
媒体を前記記録部に対して、相対的に搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記記録部を前記媒体に対して、前記搬送方向と交差する走査方向へ相対的に走査する走査部と、
前記記録部を前記媒体に対して相対的に走査する走査動作中に、前記ノズルから前記第1液体、前記第2液体、及び前記反応液の少なくとも一つを前記媒体に記録するパス動作と、前記記録部を前記媒体に対して相対移動する搬送動作とを繰り返すように、前記記録部、前記搬送部、及び前記走査部を制御する制御部と、
を備える記録装置であって、
前記制御部は、
第1パス動作で、前記第1液体と前記反応液とを記録して前記媒体上に第1層を形成し、
前記第1パス動作より後の第2パス動作で、前記第1液体を記録して前記第1層上に第2層を形成し、
前記第2パス動作より後の第3パス動作で、前記第2液体と前記反応液とを記録して前記第2層上に第3層を形成し、
前記第3パス動作より後の第4パス動作で、前記第2液体を記録して前記第3層上に第4層を形成することを特徴とする記録装置。 - 第1液体を記録するノズルが並んだ第1ノズル群と、第2液体を記録するノズルが並んだ第2ノズル群と、前記第1液体及び前記第2液体に作用する反応液を記録するノズルが並んだ第3ノズル群と、を有する記録部と、
媒体を前記記録部に対して、相対的に搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記記録部を前記媒体に対して、前記搬送方向と交差する走査方向へ相対的に走査する走査部と、
前記記録部を前記媒体に対して相対的に走査する走査動作中に、前記ノズルから前記第1液体、前記第2液体、及び前記反応液の少なくとも一つを前記媒体に記録するパス動作と、前記記録部を前記媒体に対して相対移動する搬送動作とを繰り返すように、前記記録部、前記搬送部、及び前記走査部を制御する制御部と、
を備える記録装置であって、
前記記録部は、
前記第1ノズル群及び前記第3ノズル群が前記ノズルの並び方向において重複する重複部と、
前記重複部より前記搬送方向の上流側において前記第3ノズル群が設けられた上流側非重複部と、
前記重複部より前記搬送方向の下流側において前記第2ノズル群が設けられた下流側非重複部と、
を有し、
前記制御部は、
第1パス動作で、前記上流側非重複部から前記反応液を記録して前記媒体上に第1層を形成し、
前記第1パス動作より後の第2パス動作で、前記重複部から前記第1液体及び前記反応液を記録して前記第1層上に第2層を形成し、
前記第2パス動作より後の第3パス動作で、前記下流側非重複部から前記第2液体を記録して前記第2層上に第3層を形成することを特徴とする記録装置。 - 第1液体を記録するノズルが並んだ第1ノズル群と、第2液体を記録するノズルが並んだ第2ノズル群と、前記第1液体及び前記第2液体に作用する反応液を記録するノズルが並んだ第3ノズル群と、を有する記録部と、
媒体を前記記録部に対して、相対的に搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記記録部を前記媒体に対して、前記搬送方向と交差する走査方向へ相対的に走査する走査部と、
前記記録部を前記媒体に対して相対的に走査する走査動作中に、前記ノズルから前記第1液体、前記第2液体、及び前記反応液の少なくとも一つを前記媒体に記録するパス動作と、前記記録部を前記媒体に対して相対移動する搬送動作とを繰り返すように、前記記録部、前記搬送部、及び前記走査部を制御する制御部と、
を備える記録装置であって、
前記記録部は、
前記第3ノズル群が前記第1ノズル群または前記第2ノズル群と前記ノズルの並び方向において重複する重複部と、
前記重複部より前記搬送方向の下流側において前記第1ノズル群または前記第2ノズル群が設けられた非重複部と、
を有し、
前記制御部は、
第1パス動作で、前記重複部から前記第2液体及び前記反応液を記録して前記媒体上に第1層を形成し、
前記第1パス動作より後の第2パス動作で、前記非重複部から前記第2液体を記録して前記第1層上に第2層を形成し、
前記第2パス動作より後の第3パス動作で、前記重複部から前記第1液体及び前記反応液を記録して前記第2層上に第3層を形成し、
前記第3パス動作より後の第4パス動作で、前記非重複部から前記第1液体を記録して前記第3層上に第4層を形成し、
前記第4パス動作より後の第5パス動作で、前記非重複部から前記第2液体を記録して前記第4層上に第5層を形成することを特徴とする記録装置。 - 前記第1液体は白インクであり、
前記第2液体はカラーインクであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の記録装置。 - 第1液体を記録するノズルが並んだ第1ノズル群と、第2液体を記録するノズルが並んだ第2ノズル群と、前記第1液体及び前記第2液体に作用する反応液を記録するノズルが並んだ第3ノズル群と、が前記ノズルの並び方向において重複する記録部と、
媒体を前記記録部に対して、相対的に搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記記録部を前記媒体に対して、前記搬送方向と交差する走査方向へ相対的に走査する走査部と、を備え、
前記記録部を前記媒体に対して相対的に走査する走査動作中に、前記ノズルから前記第1液体、前記第2液体、及び前記反応液の少なくとも一つを前記媒体に記録するパス動作と、前記記録部を前記媒体に対して相対移動する搬送動作とを繰り返すことで記録を行う記録装置の記録方法であって、
第1パス動作で、前記第1液体と前記反応液とを記録して前記媒体上に第1層を形成する工程と、
前記第1パス動作より後の第2パス動作で、前記第1液体を記録して前記第1層上に第2層を形成する工程と、
前記第2パス動作より後の第3パス動作で、前記第2液体と前記反応液とを記録して前記第2層上に第3層を形成する工程と、
前記第3パス動作より後の第4パス動作で、前記第2液体を記録して前記第3層上に第4層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする記録装置の記録方法。 - 第1液体を記録するノズルが並んだ第1ノズル群と、第2液体を記録するノズルが並んだ第2ノズル群と、前記第1液体及び前記第2液体に作用する反応液を記録するノズルが並んだ第3ノズル群と、を有する記録部と、
媒体を前記記録部に対して、相対的に搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記記録部を前記媒体に対して、前記搬送方向と交差する走査方向へ相対的に走査する走査部と、
を備え、
前記記録部は、
前記第1ノズル群及び前記第3ノズル群が前記ノズルの並び方向において重複する重複部と、
前記重複部より前記搬送方向の上流側において前記第3ノズル群が設けられた上流側非重複部と、
前記重複部より前記搬送方向の下流側において前記第2ノズル群が設けられた下流側非重複部と、
を有し、
前記記録部を前記媒体に対して相対的に走査する走査動作中に、前記ノズルから前記第1液体、前記第2液体、及び前記反応液の少なくとも一つを前記媒体に記録するパス動作と、前記記録部を前記媒体に対して相対移動する搬送動作とを繰り返すことで記録を行う記録装置の記録方法であって、
第1パス動作で、前記上流側非重複部から前記反応液を記録して前記媒体上に第1層を形成する工程と、
前記第1パス動作より後の第2パス動作で、前記重複部から前記第1液体及び前記反応液を記録して前記第1層上に第2層を形成する工程と、
前記第2パス動作より後の第3パス動作で、前記下流側非重複部から前記第2液体を記録して前記第2層上に第3層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする記録装置の記録方法。 - 第1液体を記録するノズルが並んだ第1ノズル群と、第2液体を記録するノズルが並んだ第2ノズル群と、前記第1液体及び前記第2液体に作用する反応液を記録するノズルが並んだ第3ノズル群と、を有する記録部と、
媒体を前記記録部に対して、相対的に搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記記録部を前記媒体に対して、前記搬送方向と交差する走査方向へ相対的に走査する走査部と、
を備え、
前記記録部は、
前記第3ノズル群が前記第1ノズル群または前記第2ノズル群と前記ノズルの並び方向において重複する重複部と、
前記重複部より前記搬送方向の下流側において前記第1ノズル群または前記第2ノズル群が設けられた非重複部と、
を有し、
前記記録部を前記媒体に対して相対的に走査する走査動作中に、前記ノズルから前記第1液体、前記第2液体、及び前記反応液の少なくとも一つを前記媒体に記録するパス動作と、前記記録部を前記媒体に対して相対移動する搬送動作とを繰り返すことで記録を行う記録装置の記録方法であって、
第1パス動作で、前記重複部から前記第2液体及び前記反応液を記録して前記媒体上に第1層を形成する工程と、
前記第1パス動作より後の第2パス動作で、前記非重複部から前記第2液体を記録して前記第1層上に第2層を形成する工程と、
前記第2パス動作より後の第3パス動作で、前記重複部から前記第1液体及び前記反応液を記録して前記第2層上に第3層を形成する工程と、
前記第3パス動作より後の第4パス動作で、前記非重複部から前記第1液体を記録して前記第3層上に第4層を形成する工程と、
前記第4パス動作より後の第5パス動作で、前記非重複部から前記第2液体を記録して前記第4層上に第5層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする記録装置の記録方法。
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