JP2011063631A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アート紙等の印刷本紙を用いた場合に、特に低解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像が実現できるインク組成物を提供する。
【解決手段】着色材と、水と、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、さらに、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールと、ジアルキレングリコールとを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物。
【選択図】なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、各種記録媒体、とりわけ合成紙や印刷本紙などの吸水性の低い記録媒体においても、高品質な記録物を得ることができるインクジェット記録用インク組成物に関する。
背景技術
インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によって実現されてきた高精細印刷の分野においてもインクジェット記録方法が用いられるようになっている。それに伴い、銀塩写真やオフセット印刷の分野で用いられてきた印画紙やアート紙等に匹敵する高光沢性の記録媒体、いわゆる専用紙をインクジェット記録に使用して、銀塩写真並の光沢感を有する画像を実現できるインクジェット記録用のインクが開発されている。また、普通紙を用いた場合であっても、銀塩写真並の画質を実現できるインクジェット記録用のインクが開発されている。
ところで、近年、デジタルデータからの画像形成技術が普及したことに伴い、特に印刷分野では、デスクトップパブリッシング(DTP)が普及しつつある。DTPにより印刷を行う場合であっても、実際の印刷物との光沢感や色感を確認するために、事前に色校正用プルーフを作製することが行われている。このプルーフの出力に、インクジェット記録方式を適用することが行われている。DTPにおいては印刷物の色再現、安定性再現が求められることから、記録媒体として、インクジェット記録用の専用紙が通常用いられる。
インクジェット記録用の専用紙は、印刷本紙に実際に印刷した出力物と光沢感や色感が同じになるように作製されている。このように、印刷本紙の種類に応じて専用紙の材質が適宜調整されているが、多種多様の印刷本紙に全て対応した専用紙を作製するのは製造コストの上昇を招く。そこで、色校正用途においては、専用紙よりも印刷本紙にインクジェット記録を行いたいとの要望がある。専用紙を用いずに、直接印刷本紙にインクジェット記録を行ったものを最終校正見本とできれば、校正にかかるコストを大幅に低減できると考えられる。また、印刷分野で広く使用されている、ポリエチレン樹脂やポリエステル樹脂に無機フィラー等を混合してフィルム化した合成紙は、リサイクル性に優れ、環境に優しい材料として近年注目されている。
印刷本紙は、その表面に油性インクを受容するための塗工層が設けられた塗工紙であるが、塗工層の水性インクに対するインク吸収能力が乏しいという特徴を有する。そのため、インクジェット記録に一般的に用いられている水性の顔料インクを使用すると、記録媒体(印刷本紙)へのインクの浸透性が低く、画像に滲みや凝集むらが生じる場合がある。
上記の問題に対し、例えば、特開2005−194500号公報(特許文献1)には、界面活性剤としてポリシロキサン化合物を用い、溶解助剤として1,2−ヘキサンジオール等のアルカンジオールを添加することにより、滲みが改善され、かつ専用紙に対する光沢性にも優れる顔料系インクが開示されている。また、特開2003−213179号公報(特許文献2)、特開2003−253167号公報(特許文献3)、特開2006−249429号公報(特許文献4)には、グリセリンや1,3−ブタンジオール等のジオールやペンタントリオール等のトリオールアルコール溶剤をインク中に添加することにより、インクの記録媒体への浸透性を制御し、高品質な画像が得られることが提案されている。
特開2005−194500号公報 特開2003−213179号公報 特開2003−253167号公報 特開2006−249429号公報
本発明者らは、今般、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールと、ジアルキレングリコールとを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物を用いることにより、印刷本紙のような水性インクに対する低吸液性の記録媒体に、特に低解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像を実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
したがって、本発明の目的は、印刷本紙のような水性インクに対する低吸液性の記録媒体に、特に低解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像を実現できるインク組成物を提供することにある。
そして、本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、着色材と、水と、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、
さらに、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールと、ジアルキレングリコールを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物とを少なくとも含んでなるものである。
本発明によれば、印刷本紙のような水性インクに対する低吸液性の記録媒体に、特に低解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像を実現できるインク組成物を提供することができる。
図1は、1,2−オクタンジオール水溶液に各アルコール溶剤を添加した場合の1,2−オクタンジオールの溶解性を示したグラフである。 図2は、インク重量ばらつきの評価において用いられる二つの印刷パターンを表した図である。
発明の具体的説明
<定義>
本明細書において、アルカンジオール、ジアルキレングリコール、アルカントリオール、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールの炭化水素基部分は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよい。
また、水溶性とは、20℃での、水への溶解度(水100gに対する溶質の量)が、10.0g以上であることを意味し、難水溶性とは、水への溶解度(水100gに対する溶質の量)が、1.0g未満であることを意味する。
本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、着色材と、水と、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、さらに、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールと、ジアルキレングリコールとを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物とを少なくとも含んでなるものである。
<インク組成物>
本発明によるインクジェット記録用インク組成物によれば、印刷本紙、とりわけインク吸収能力の比較的高い、アート紙、POD用途紙(例えば、リコー株式会社製のリコービジネスコートグロス100等)、レーザープリンター専用紙(例えば、セイコーエプソン株式会社製、LPCCTA4等)において、インクの凝集が抑制され、特に低解像度で印刷した場合でも、白筋やザラツキ感のない高品質な画像が実現でき、吐出安定性にも優れたインク組成物を実現できる。
なお、本明細書中、インクの凝集とは、単色で印刷した際(例えば6インチ四方に単色(結果として、印刷される色が単一であることを意味し、その色を実現するインク組成物数は複数であってよい)で印刷した際)に発生する、局所的な同系色の濃度斑のことを意味し、記録媒体表面がインクによって被覆されない部分が残存することを意味するものではない。また、白筋とは、単色で印刷した際(例えば6インチ四方に単色で印刷した際)に、局所的な同系色の色濃度斑がなく、記録ヘッドの駆動方向に、記録媒体の表面がインクで被覆されない部分が筋上に残る現象を意味する。また、ザラツキ感または埋まり不良とは、上記と同様に単色で印刷した際に、局所的な同系色の色濃度斑がなく、かつ記録媒体の表面がインクで被覆されない部分が残存し、記録媒体の表面がざらざらとした粒状感がある現象を意味する。
また、本発明においては、上記のような記録媒体において、米坪が73.3〜104.7g/mまたは104.7〜209.3g/mの薄い印刷本紙等を用いた場合、好ましくは米坪が73.3〜104.7g/mの薄い印刷本紙を用いた場合であっても、印字面が内側に反り返る、いわゆるカールの発生を抑制できる。
上記のように、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールとに加え、ジアルキレングリコールを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物とを必須成分として添加することにより、白筋やザラツキ感のない高品質な画像が実現できる理由は定かではないが、以下のように考えられる。
印刷本紙に記録する場合に発生するインクの凝集は、インク滴の表面張力が高く、印刷本紙表面に対するインク滴の接触角が高いために、印刷本紙がインクを弾いてしまうことが原因であると考えられる。特に低解像度で印刷した場合に白筋や埋まり不良が発生するような場合であっても、印刷本紙表面に付着するインクの表面張力を低減させると、インクの凝集は抑制される。
また、特に低解像度記録における白筋や埋まり不良は、印刷本紙表面に付着したインク滴が隣接するインク滴と接触して、互いに濡れ広がり、相互に未乾燥のインクが流動することが原因であると考えられる。この相互のインク流動は、隣接するインク滴同士の付着時間差や付着時の液滴の大きさなどによって、インク滴の乾燥時間が異なることによるものと考えられる。したがって、インクの凝集が抑制され、特に低解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像を実現するためには、表面張力が低く、かつ流動性の低いインクを、印刷本紙に付着させることが好ましいと考えられる。
本発明によるインク組成物にあっては、表面張力が低く、かつ流動性の低いインクが、他のインク組成物に求められる品質を損なうことなく実現することができるため、特に低解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像が実現できると考えられる。
本発明において用いられるジアルキレングリコール、水溶性のアルカントリオール、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールは、グリセリンのような粘調性を示す物質である。また、ジアルキレングリコール、水溶性のアルカントリオール、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールはグリセリンよりも低い表面張力を示す浸透性湿潤剤である。例えば、10%水溶液とした場合の前記水溶性のアルカントリオールの好ましい態様の一つである、3−メチル-1,3,5−ペンタントリオールの表面張力は47.5mN/mであり、また、10%水溶液とした場合の前記ジアルキレングリコールの好ましい態様の一つである、ジプロピレングリコールの表面張力は52.6mN/mである。前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールのより好ましい構造は、末端ヒドロキシアルコキシ−1,2−アルカンジオールである。この末端ヒドロキシアルコキシ−1,2−アルカンジオールの好ましい態様の一つである、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−プロパンジオール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−ブタンジオール、および5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−ペンタンジオールの表面張力は概50mN/mである。
このような性質を有するジアルキレングリコール並びに水溶性のアルカントリオールおよびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物を、難水溶性のアルカンジオールおよび水溶性の1,2−アルカンジオールと組み合わせて使用することにより、吐出安定性も改善される。吐出安定性は、ジアルキレングリコール、水溶性のアルカントリオール、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールのアルキル鎖長が短いほど、良好である。アルキル鎖長が短いとは、例えば、アルキル鎖長が7以下である。
また、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールとに加え、ジアルキレングリコールとを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物を必須成分として添加することにより、薄手の印刷本紙等に印刷した場合のカールの発生が抑制できる理由は、定かではないが以下のように考えられる。
水溶性の1,2−アルカンジオールは、極性溶媒であり、樹脂の成膜助剤として用いることができる。この効果を阻害することにより、樹脂の成膜収縮を防止できると考えられる。この効果を阻害するには、弱極性溶媒であることが好ましい。無極性溶媒では、樹脂との親和性が弱すぎて、阻害効果が得られないと考えられる。弱極性溶媒としては、同じ炭素に+I効果のアルキル基と−I効果の水酸基を同時に有することが好ましいと考えられる。ジアルキレングリコールが、水溶性の1,2−アルカンジオールの成膜収縮を阻害し、この条件において、水溶性のアルカントリオール、糖類、またはヒドロキシアルコキシアルカンジオールの乾燥遅延効果により、カールの発生が抑制されると考えられる。また、樹脂を含まないインク組成による記録媒体のカールの発生は、記録媒体がインク中の水分を吸収し、急激に乾燥する過程において、記録媒体中の水素結合等の結合の解離と再結束とにより、水素結合等の結合の位置がずれて、カールが発生すると考えられる。水溶性の1,2−アルカンジオールは、極性溶媒であり、記録媒体中の水素結合等の結合の解離を促進するため、記録媒体にカールが発生する場合がある。水溶性のアルカントリオール、糖類、またはヒドロキシアルコキシアルカンジオール中の水酸基は、記録媒体中の水素結合等の結合の再結束を妨害しつつ、乾燥を遅延させる効果があると考えられ、その結果、カールの発生が抑制されると考えられる。
本発明において、難水溶性のアルカンジオールとしては、炭素数7以上のアルカンジオールが好ましく、より好ましくは炭素数7〜10のアルカンジオールであり、例えば、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、5−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4,4−ジメチル−1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。これらの中でも、1,2−オクタンジオールがより好ましい。
また、本発明において、水溶性の1,2−アルカンジオールとしては、炭素数6以下のアルカンジオールが好ましく、例えば、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール等が挙げられる。これらの中でも、15%水溶液とした場合の表面張力が28mN/m以下の水溶性アルカンジオールがより好ましく、1,2−ヘキサンジオール(表面張力:26.7mN/m)、4−メチル1,2−ペンタンジオール(表面張力:25.4mN/m)、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール(表面張力:26.1mN/m)が特に好ましい。印刷中の臭気の観点からは、1,2−ヘキサンジオールが好ましい。
また、本発明において、ジアルキレングリコールとしては、炭素数2〜4のジアルキレングリコールが好ましく、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびジブタジエングリコール等が挙げられ、好ましくはジプロピレングリコールが挙げられる。
さらに、本発明において、水溶性のアルカントリオールとしては、例えば、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールが挙げられる。
また、本発明において、糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)、および多糖類またはこれらの誘導体が挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、フィラノース、およびラフィノース等が好ましい。その中でも、ラフィノースが特に好ましい。本発明のインク組成物にラフィノースを加えることにより、間欠印字特性が向上する。
なお、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質を含むものとする。また、これら糖類の誘導体としては、上記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH(CHOH)CHOH(式中、nは2〜5の整数を表す)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましく、具体的には、マルチトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。これらの糖類は市販のものを使用してもよく、例えばHS20、HS30、HS500(林原商事株式会社製)やオリゴGGF(旭化成株式会社製)を好適に使用できる。
さらに、本発明において、ヒドロキシアルコキシアルカンジオールは、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、好ましくは、末端ヒドロキシアルコキシ−1,2−アルカンジオールが挙げられ、さらに好ましくは、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−プロパンジオール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−ブタンジオール、および5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−ペンタンジオールが挙げられる。
また、ジアルキレングリコール、水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールは、難水溶性のアルカンジオールの溶解助剤としての機能も有していると考えられる。
本発明において、難水溶性のアルカンジオールの添加量は、インク組成物全体に対し、1〜3重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、印刷本紙のようなインク吸収性の低い記録媒体において、印刷斑の発生をより有効に防止することができる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、インク中の溶解性をより向上させることができる。
本発明において、水溶性の1,2−アルカンジオールの添加量は、インク組成物全体に対し、0.5〜6重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、難水溶性のアルカンジオールのインク中の溶解性をより有効に向上させることができる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、インクの初期粘度の低減をより実現できる。
本発明において、ジアルキレングリコールの添加量は、インク組成物全体に対し、2〜12重量%が好ましく、より好ましくは3〜6重量%である。
本発明において、水溶性のアルカントリオールの添加量は、インク組成物全体に対し、2〜12重量%が好ましく、より好ましくは3〜6重量%である。
本発明において、糖類の添加量は、インク組成物全体に対し、2〜12重量%が好ましく、より好ましくは3〜6重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、難水溶性のアルカンジオールのインク中の溶解性をより有効に向上させることができる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、インクの初期粘度の低減をより実現できる。
本発明において、ヒドロキシアルコキシアルカンジオールの添加量は、インク組成物全体に対し、2〜12重量%が好ましく、より好ましくは3〜6重量%である。
本発明において、前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の添加量は、インク組成物全体に対し、2〜12重量%が好ましく、より好ましくは3〜6重量%である。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記水溶性の1,2−アルカンジオールとの含有量比は、6:1〜1:3であることが好ましく、より好ましくは6:1〜1:1である。この範囲とすることにより、難水溶性のアルカンジオールをインク中に安定的に溶解させることができ、ひいては吐出安定性が向上する。すなわち、水溶性の1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度の低減と凝集斑低減の両立が可能となる。また、水溶性の1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、難水溶性のアルカンジオールをインク中に安定的に溶解させることがより可能となり、経過時の粘度変化を抑制し、保存安定性を維持することがより可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオールとの含有量比は、3:1〜1:3であることが好ましく、2:1〜1:2であることがより好ましい。この範囲とすることにより、よりカールの発生を抑制することができる。すなわち、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、初期粘度がより低くなり、インクの飛行速度が速められるため、着滴精度が向上する。また、難水溶性の1,2−アルカンジオールを安定溶解できる観点から、より好ましい。また、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、水溶性の1,2−アルカンジオールの成膜収縮を阻害する効果が維持されるため、カールの発生の抑制効果を得ることがより可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記糖類との含有量比は、3:1〜1:3であることが好ましく、2:1〜1:2であることがより好ましい。この範囲とすることにより、よりカールの発生を抑制することができる。すなわち、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、初期粘度がより低くなり、インクの飛行速度が速められるため、着滴精度が向上する。また、難水溶性の1,2−アルカンジオールを安定溶解できる観点から、より好ましい。また、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、水溶性の1,2−アルカンジオールの成膜収縮を阻害する効果が維持されるため、カールの発生の抑制効果を得ることがより可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールとの含有量比は、3:1〜1:3であることが好ましく、2:1〜1:2であることがより好ましい。この範囲とすることにより、よりカールの発生を抑制することができる。すなわち、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、初期粘度がより低くなり、インクの飛行速度が速められるため、着滴精度が向上する。また、難水溶性の1,2−アルカンジオールを安定溶解できる観点から、より好ましい。また、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、水溶性の1,2−アルカンジオールの成膜収縮を阻害する効果が維持されるため、カールの発生の抑制効果を得ることがより可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物との含有量比は、3:1〜1:3であることが好ましく、2:1〜1:2であることがより好ましい。この範囲とすることにより、よりカールの発生を抑制することができる。すなわち、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、初期粘度がより低くなり、インクの飛行速度が速められるため、着滴精度が向上する。また、難水溶性の1,2−アルカンジオールを安定溶解できる観点から、より好ましい。また、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、水溶性の1,2−アルカンジオールの成膜収縮を阻害する効果が維持されるため、カールの発生の抑制効果を得ることがより可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールとの含有量比は、1:1〜1:12であることが好ましく、1:1〜1:6であることがより好ましい。この範囲とすることにより、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感をより抑制することができる。すなわち、水溶性の1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保できるため、白筋の発生を有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールおよび前記水溶性のアルカントリオールの合計量との含有量比は、1:1〜1:18であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:6である。この範囲とすることにより、インクの初期粘度を低下させることができ、かつ良好な目詰まり回復性を実現できる。すなわち、ジアルキレングリコールおよび水溶性のアルカントリオールの合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールおよび水溶性のアルカントリオールの合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールおよび前記糖類の合計量との含有量比は、1:1〜1:18であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:6である。この範囲とすることにより、インクの初期粘度を低下させることができ、かつ良好な目詰まり回復性を実現できる。すなわち、ジアルキレングリコールおよび糖類の合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールおよび糖類の合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールおよび前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールの合計量との含有量比は、1:1〜1:18であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:6である。この範囲とすることにより、インクの初期粘度を低下させることができ、かつ良好な目詰まり回復性を実現できる。すなわち、ジアルキレングリコールおよびヒドロキシアルコキシアルカンジオールの合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールおよびヒドロキシアルコキシアルカンジオールの合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコール並びに前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の合計量との含有量比は、1:1〜1:18であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:6である。この範囲とすることにより、インクの初期粘度を低下させることができ、かつ良好な目詰まり回復性を実現できる。すなわち、ジアルキレングリコール並びに前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコール並びに前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールおよび前記水溶性のアルカントリオールの合計量との含有量比は、1:1〜1:36であることが好ましく、1:1〜1:18であることがより好ましい。この範囲とすることにより、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感をより抑制することができる。すなわち、水溶性の1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールおよび水溶性のアルカントリオールの合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールおよび糖類の合計量との含有量比は、1:1〜1:36であることが好ましく、1:1〜1:18であることがより好ましい。この範囲とすることにより、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感をより抑制することができる。すなわち、水溶性1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールおよび糖類の合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールおよび前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールの合計量との含有量比は、1:1〜1:36であることが好ましく、1:1〜1:18であることがより好ましい。この範囲とすることにより、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感をより抑制することができる。すなわち、水溶性1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコールおよび前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールの合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコール並びに前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の合計量との含有量比は、1:1〜1:36であることが好ましく、1:1〜1:18であることがより好ましい。この範囲とすることにより、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感をより抑制することができる。すなわち、水溶性1,2−アルカンジオールの割合が上記範囲にあることで、とりわけ上限を超えずにあることで、インク初期粘度が高くなり、乾燥性が低下することをより有効に防止できる。また、ジアルキレングリコール並びに前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の合計量の割合が上記範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、目詰まり回復性が維持され、乾燥性を高め、インクの濡れ広がる時間を確保することができるため、白筋の発生をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記水溶性の1,2−アルカンジオールとの含有量の和が、インク組成物に対し、6重量%以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、印刷本紙のようなインク吸収性の低い記録媒体において凝集班を生じることなく、また吐出安定性にも優れる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオールとの含有量の和は、インク組成物全体に対し、3〜18重量%含有されていることが好ましく、より好ましくは4〜8重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感の発生をより有効に防止できる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、印刷直後の印刷物の乾燥性の低下をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記糖類との含有量の和は、インク組成物全体に対し、3〜18重量%含有されていることが好ましく、より好ましくは4〜8重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感の発生をより有効に防止できる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、印刷直後の印刷物の乾燥性の低下をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールとの含有量の和は、インク組成物全体に対し、3〜18重量%含有されていることが好ましく、より好ましくは4〜8重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感の発生をより有効に防止できる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、印刷直後の印刷物の乾燥性の低下をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物との含有量の和は、インク組成物全体に対し、3〜18重量%含有されていることが好ましく、より好ましくは4〜8重量%である。この範囲にあることで、とりわけ下限を下回らずにあることで、特に低解像度で印刷本紙に印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感の発生をより有効に防止できる。また、この範囲にあることで、すなわち上限を超えずにあることで、印刷直後の印刷物の乾燥性の低下をより有効に防止できる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオールとの含有量の和が、インク組成物に対し、21重量%以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、印刷本紙のようなインク吸収性の低い記録媒体において凝集班を生じることなく、また吐出安定性やカール抑制が良好となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールと、前記糖類との含有量の和が、インク組成物に対し、21重量%以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、印刷本紙のようなインク吸収性の低い記録媒体において凝集班を生じることなく、また吐出安定性やカール抑制が良好となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールと、前記ヒドロキシアルコキシアルカンジオールとの含有量の和が、インク組成物に対し、21重量%以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、印刷本紙のようなインク吸収性の低い記録媒体において凝集班を生じることなく、また吐出安定性やカール抑制が良好となる。
本発明の好ましい態様によれば、前記難水溶性のアルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物との含有量の和が、インク組成物に対し、21重量%以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、印刷本紙のようなインク吸収性の低い記録媒体において凝集班を生じることなく、また吐出安定性やカール抑制が良好となる。
上記成分に加えて、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、多価アルコールのアルキルエーテルを更に含んでなることができる。多価アルコールのアルキルエーテルを加えることにより、インクジェットヘッドにキャップするためのインクキャップ内の目詰まり回復性を向上させることができる。ここで、インクキャップ内の目詰まりとは、キャップ内に滞留している廃液が乾燥固化し、これがインクキャップ内の不織布等のインク吸収剤の微細孔を目詰させることを意味する。インクキャップ内の目詰まり回復性を向上させることにより、クリーニング成功率の低下を防ぎ、ノズル目詰まり回復性を向上させることができる。
前記多価アルコールのアルキルエーテルは、アルキレングリコールのメチルエーテルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、およびトリエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。凝集性の観点では、アルキレングリコールのモノメチルエーテルがより好ましく、引火点の観点では、トリエチレングリコールのメチルエーテルが好ましい。環境毒性と生態毒性の観点では、トリエチレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
また、トリエチレングリコールモノメチルエーテルを含む場合、本発明の一つの態様によれば、これはインク組成物全体に対し、0.5〜 9.0重量%含有されていることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0重量%である。
さらに、トリエチレングリコールモノメチルエーテルを含む場合、本発明の一つの態様によれば、これと、難水溶性のアルカンジオールとの含有量比は、3:1〜1:6であることが好ましく、3:1〜1:1であることがより好ましい。この範囲とすることにより、インクジェットヘッドにキャップするためのインクキャップ内の目詰まり回復性を更に向上させることができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよび前記水溶性の1,2−アルカンジオールの合計量の和と、前記難水溶性のアルカンジオールとの含有量比は、3:1〜1:6であることが好ましく、3:1〜1:1であることがより好ましい。この範囲とすることにより、インクジェットヘッドにキャップするためのインクキャップ内の目詰まり回復性を更に向上させることができる。
さらに、本発明の好ましい態様によれば、トリエチレングリコールモノメチルエーテルと、水溶性の1,2−アルカンジオールとの含有量比は、5:1〜1:5であることが好ましく、5:1〜1:1であることがより好ましい。この範囲とすることにより、インクジェットヘッドにキャップするためのインクキャップ内の目詰まり回復性を更に向上させることができる。
また、本発明において、前記トリエチレングリコールモノメチルエーテルと前記水溶性の1,2−アルカンジオールとの含有量の和は、特に限定されないが、インク組成物に対し、9.0重量%以下であることが好ましく、3.0重量%以下であることがより好ましい。この範囲とすることにより、インクジェットヘッドにキャップするためのインクキャップ内の目詰まり回復性を更に向上させることができる。
<着色材>
本発明によるインク組成物に用いられる着色材としては、染料および顔料のいずれも使用することができるが、耐光性や耐水性の観点から顔料を好適に使用できる。
顔料としては、無機顔料および有機顔料を使用することができ、それぞれ単独または複数種を混合して用いることができる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタンおよび酸化鉄の他に、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックが使用できる。また、前記有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が使用できる。
顔料の具体例は、得ようとするインク組成物の種類(色)に応じて適宜挙げられる。例えば、イエローインク組成物用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185等が挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントイエロー74,110,128、および129からなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましい。また、マゼンタインク組成物用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントレッド122,202,209、およびC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることが好ましく、これらの固溶体であることが更に好ましい。また、シアンインク組成物用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4,60等が挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントブルー15:3および/または15:4を用いることが好ましく、とりわけ、C.I.ピグメントブルー15:3を用いることが好ましい。
また、ブラックインク組成物用の顔料としては、例えば、ランプブラック(C.I.ピグメントブラック6)、アセチレンブラック、ファーネスブラック(C.I.ピグメントブラック7)、チャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)等の炭素類、酸化鉄顔料等の無機顔料;アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられるが、本発明においては、カーボンブラックが好ましく用いられる。カーボンブラックとして、具体的には、#2650、#2600、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#966、#960、#950、#900、#850、MCF-88、#55、#52、#47、#45、#45L、#44、#33、#32、#30、(以上、三菱化学(株)製)、SpecialBlaek4A、550、Printex95、90、85、80、75、45、40(以上、デグッサ社製)、Regal660、RmogulL、monarch1400、1300、1100、800、900(以上、キャボット社製)、Raven7000、5750、5250、3500、3500、2500ULTRA、2000、1500、1255、1200、1190ULTRA、1170、1100ULTRA、Raven5000UIII(以上、コロンビアン社製)等が挙げられる。
顔料の濃度は、インク組成物を調製した際に適宜な顔料濃度(含有量)に調整すればよいため特に制限はないが、本発明においては、顔料の固形分濃度を6重量%以上とすることが好ましく、12重量%以上とすることがより好ましい。記録媒体上にインク液滴が付着すると、記録媒体の表面でインクが濡れ広がるが、顔料固形濃度を6重量%以上と高くすることにより、濡れ広がりが留まった後のインクの流動性が早期に失われるため、印刷本紙等の記録媒体に、特に低解像度で印刷した場合であっても、より滲みを抑制することができる。すなわち、上記した特定の成分を組み合わせて使用することにより、インク吸収性の低い記録媒体上でもインクが濡れ広がり、併せて、インクの固形分濃度を高くすることにより、記録媒体上でのインクの流動性を下げて、滲みを抑制することができると考えられる。特に、記録媒体中のインク付着量が少ない部分と多い部分との境界において、滲み抑制効果が顕著である。
前記顔料は、後記する分散剤との混練処理がされた顔料であることが画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点から好ましい。
<分散剤>
本発明によるインク組成物は、着色材を分散させるための分散剤として、スチレン−アクリル酸系共重合樹脂、ウレタン系樹脂、およびフルオレン系樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂を含んでなることが好ましい。これら共重合樹脂は、顔料に吸着して分散性を向上させる。
共重合体樹脂における疎水性モノマーの具体例としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルアクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、iso−オクチルアクリレート、iso−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フエニルメタクリレート、ノニルフェニルアクリレート、ノニルフェニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエンなどを挙げることができる。これらは、単独でまたは二種以上を混合して用いてもよい。
親水性モノマーの具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などを挙げることができる。
前記疎水性モノマーと親水性モノマーとの共重合樹脂は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、スチレン−メチルスチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、またはスチレン−マレイン酸共重合樹脂、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、またはスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。
前記共重合樹脂は、スチレンと、アクリル酸またはアクリル酸のエステルと、を反応して得られる重合体を含む樹脂(スチレン−アクリル酸樹脂)であってもよい。あるいは、前記共重合樹脂は、アクリル酸系水溶性樹脂であってもよい。またはこれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩であってもよい。
これら共重合樹脂の含有量は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、前記顔料100重量部に対して、好ましくは20〜50重量部であり、一層好ましくは20〜40重量部である。
また、本発明においては、顔料分散剤として、ウレタン樹脂を用いることにより、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる。ウレタン樹脂とは、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応して得られる重合体を含む樹脂であるが、本発明においては、ウレタン結合および/またはアミド結合と、酸性基とを有する樹脂であることが好ましい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらの変性物が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系、ポリエチレンアジベート、ポリブチレンアジベート等のポリエステル系、ポリカーボネート系が挙げられる。
前記ウレタン樹脂は、カルボキシル基を有することが好ましい。
また、本発明においては、顔料分散剤として、フルオレン系樹脂を使用することもできる。
前記共重合樹脂および前記ウレタン樹脂の重量比(前者/後者)は、1/2〜2/1が好ましいが、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、1/1.5〜1.5/1であることが一層好ましい。
前記顔料の固形分と、顔料以外の固形分との重量比(前者/後者)は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、100/20〜100/80であることが好ましい。
前記共重合樹脂の含有量は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、前記顔料100重量部に対して、好ましくは20〜50重量部であり、一層好ましくは20〜40重量部である。
前記ウレタン樹脂の含有量は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、前記顔料100重量部に対して、好ましくは10〜40重量部であり、一層好ましくは10〜35重量部である。
前記フルオレン系樹脂の含有量は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、前記顔料100重量部に対して、好ましくは20〜100重量部であり、一層好ましくは20〜80重量部である。
前記共重合樹脂および前記ウレタン樹脂の合計量は、前記顔料100重量部に対して、90重量部以下(さらに好ましくは70重量部以下)となるように用いられることが、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに光沢性に一層優れたカラー画像を形成できる点で好ましい。
前記共重合樹脂の酸価は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、好ましくは50〜320であり、一層好ましくは100〜250である。
前記ウレタン樹脂の酸価は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、好ましくは10〜300であり、一層好ましくは20〜100である。なお、酸価は、樹脂1gを中和させるのに必要なKOHのmg量である。
前記共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、好ましくは2,000〜3万であり、より好ましくは2,000〜2万である。
前記ウレタン樹脂の架橋前の重量平均分子量(Mw)は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、好ましくは100〜20万であり、より好ましくは1000〜5万である。Mwは、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定する。
前記共重合樹脂のガラス転移温度(Tg;JISK6900に従い測定)は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、好ましくは30℃以上であり、一層好ましくは50〜130℃である。
前記ウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg;JISK6900に従い測定)は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、好ましくは−50〜200℃であり、一層好ましくは−50〜100℃である。
前記共重合樹脂は、顔料分散液中において顔料に吸着している場合と、遊離している場合と、があり、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、前記共重合樹脂の最大粒径は0.3μm以下であることが好ましく、平均粒径は0.2μm以下(さらに好ましくは0.1μm以下)であることが一層好ましい。なお、平均粒径とは、顔料が実際に分散液中で形成している粒子としての分散径(累積50%径)の平均値であり、例えば、マイクロトラックUPA(MicrotracInc.社)を使用して測定することができる。
また、前記フルオレン樹脂は、フルオレン骨格を有する樹脂であれば何ら制限されるものではなく、例えば、下記のモノマー単位を共重合することにより得ることができる。
シクロヘキサン、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチル(CAS No.4098−71−9)
エタノール、2,2‘−[9H−フルオレン−9−イリデンビス(4,1−フェニレンオキシ)]ビス(CAS No.117344−32−8)
プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル(CAS No.4767−03−7)
エタンアミン、N,N−ジエチル−(CAS No.121−44−8)
また、分散剤として、界面活性剤を用いてもよい。このような界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン界面活性剤;脂肪酸アミン塩、第四アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウムなどの陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。上記界面活性剤はインク組成物に添加されることで、界面活性剤としての機能をも果たすことは言うまでもない。
<界面活性剤>
本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、必須成分として界面活性剤を含む。記録媒体として、その表面にインクを受容するための樹脂がコーティングされたものに対して、界面活性剤を用いることにより、光沢感がより重視される写真紙等の記録媒体においても、優れた光沢を有する画像を実現することができる。とりわけ、印刷本紙のように、表面の受容層に油性インクを受容するための塗布層が設けられているような記録媒体を用いた場合であっても、色間の滲み(ブリード)を防止できるとともに、インク付着量の増加に伴い発生する光の反射光による白化を防止することができる。
本発明において用いられる界面活性剤としては、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤を好適に使用でき、記録画像を形成する際に、記録媒体表面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。ポリオルガノシロキサン系界面活性剤を用いた場合、上記成分を含有するため、界面活性剤のインク中への溶解性が向上し、不溶物等の発生を抑制できるため、吐出安定性がより優れるインク組成物を実現できる。
上記のような界面活性剤は市販されているものを用いてもよく、例えば、オルフィンPD−501、オルフィンPD−502、オルフィンPD−570(いずれも、日信化学工業株式会社製)等を用いることができる。
また、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤として、下記式(I):
Figure 2011063631
(I)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、aは2〜11の整数を表し、mは2〜50の整数を表し、nは1〜5の整数を表す。)
で表される一種または二種以上の化合物を含んでなるか、または、上記式(I)の化合物において、Rが水素原子またはメチル基であり、aが2〜13の整数であり、mは2〜50の整数であり、nは1〜5の整数である一種または二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。また、上記式(I)の化合物において、Rが水素原子またはメチル基であり、aが2〜13の整数であり、mは2〜50の整数であり、nは1〜8の整数である一種または二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。あるいは、上記式(I)の化合物において、Rがメチル基であり、aが6〜18の整数、であり、mが0であり、nが1である一種または二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。このような特定のポリオルガノシロキサン系界面活性剤を使用することにより、記録媒体として印刷本紙に印刷した場合であっても、インクの凝集むらがより改善される。
上記式(I)の化合物においては、aが2〜5の整数であり、mが20〜40の整数であり、nが2〜4の整数である化合物、aが7〜11の整数であり、mが30〜50の整数であり、nが3〜5の整数である化合物、aが9〜13の整数であり、mが2〜4の整数であり、nが1〜2の整数である化合物、または、aが6〜10の整数であり、mが10〜20の整数であり、nが4〜8の整数である化合物を用いることがより好ましい。このような化合物を使用することによって、より一層インクの凝集むらが改善できる。
また、上記式(I)の化合物においては、Rが水素原子であり、aが2〜5の整数であり、mが20〜40の整数であり、nが2〜4の整数である化合物、または、aが7〜11の整数であり、mが30〜50の整数であり、nが3〜5の整数である化合物を用いることがさらに好ましい。このような化合物を使用することにより、さらにインクの凝集むらと滲みを改善することができる。
また、上記式(I)の化合物においては、Rがメチル基であり、aが9〜13の整数であり、mが2〜4の整数であり、nが1〜2の整数である化合物、または、aが6〜10の整数であり、mが10〜20の整数であり、nが4〜8の整数である化合物を用いることがさらに好ましい。このような化合物を使用することにより、さらにインクの凝集むらと滲みを改善することができる。
さらに、上記式(I)の化合物においては、Rがメチル基であり、aが6〜12の整数、であり、mが0であり、nが1である化合物を用いることがさらに好ましい。このような化合物を使用することにより、さらにインクの凝集むらと滲みを改善することができる。
また、上記式(I)の化合物においては、Rが水素原子であり、aが7〜11の整数であり、mが30〜50の整数であり、nが3〜5の整数である化合物と、Rがメチル基であり、aが9〜13の整数であり、mが2〜4の整数であり、nが1〜2の整数である化合物と、Rがメチル基であり、aが6〜10の整数であり、mが10〜20の整数であり、nが4〜8の整数である化合物とを混合したものを用いることが最も好ましい。このような化合物を使用することにより、より一層、インクの凝集むらと滲みを改善することができる。
上記界面活性剤は、本発明によるインク組成物中に、好ましくは0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.05〜0.50重量%含有される。また、Rがメチル基である上記界面活性剤と、Rが水素原子である上記界面活性剤を併用した方が、小さなフォント文字が潰れないので、より好ましい。特に、Rがメチル基である上記界面活性剤を使用する場合は、RがHである上記界面活性剤を用いた場合よりも、含有量を多くすることが、インクの凝集斑の観点から、好ましい。
さらに、Rがメチル基である上記界面活性剤に対して、RがHである上記界面活性剤の含有量を多くするほど、より好ましい。このようにすることで、キャストコート紙のような、インクを弾き易く、浸透速度が遅い、印刷本紙においても、インクの凝集斑と滲みを改善することができる。
また、本発明において用いられる界面活性剤としては、ジェミニ型界面活性剤を含んでもよい。上記成分と組み合わせてジェミニ型界面活性剤を用いることにより、難水溶性溶剤を均一に分散することができ、その結果、インクの初期粘度を低下させることができる。したがって、インク組成物中への色材の添加量や目詰まり防止剤等の添加量を高めることができ、ひいては、普通紙のみならず、表面にインクを受容するための樹脂や粒子がコーティングされた多孔質な表面を持つ記録媒体においても、優れた発色性を有する画像を実現することができる。とりわけ、印刷本紙のように、表面の受容層に油性インクを受容するための塗布層が設けられているような記録媒体を用いた場合であっても、色間の滲み(ブリード)を防止できるとともに、インク付着量の増加に伴い発生するドット間のインク流動による色濃度斑を防止することができる。この理由は定かではないが、ジェミニ型界面活性剤の優れた配向性によって、難水溶性溶剤と極めて安定なオイルゲルを形成する為に、着色材の流動性がなくなると考えられる。よって、ジェミニ型界面活性剤の添加による効果は、難水溶性溶剤が多いほど享受できる。なお、「ジェミニ型界面活性剤」とは、二つの界面活性剤分子がリンカーを介して互いに結合した構造を有する界面活性剤を意味する。
上記のジェミニ型界面活性剤は、一対の1鎖型界面活性剤の親水基部分を、親水性基を有するリンカーを介して互いに結合させた構造の、2鎖3親水基型界面活性剤であることが好ましい。また、上記の1鎖型界面活性剤の親水基部分が酸性アミノ酸残基であることが好ましく、上記リンカーは塩基性アミノ酸であることが好ましい。具体的には、親水基部分がグルタミン酸またはアスパラギン酸であるような一対の1鎖型界面活性剤を、アルギニン、リシン、またはヒスチジンのようなリンカーを介して結合させた構造の界面活性剤が挙げられる。上記のようなジェミニ型界面活性剤として、本発明においては、下記化学式(II):
Figure 2011063631
(II)
(式中、X、X、およびXは、それぞれ独立して水素原子またはアルカリ金属を表すが、X、X、およびXの何れもが同時に水素原子またはアルカリ金属となることはなく、LおよびMは、それぞれ独立して0または2を表すが、LおよびMが同時に0または2となることはなく、NおよびPは、それぞれ独立して0または2を表すが、NおよびPが同時に0または2となることはなく、QおよびRは、8〜18の整数を表す)で表される界面活性剤を用いることがこのましい。
上記式(II)において、アルカリ金属としてはNaが好ましく、また、QおよびRは10程度が好ましい。このような化合物として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩が挙げられる。上記式で表される化合物は、市販されているものを用いてもよく、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩を30%含有した水溶液である、ペリセアL−30(旭化成ケミカルズ株式会社製)等を好適に用いることができる。
本発明においては、上記ジェミニ型界面活性剤を使用することにより、記録画像を形成する際に、記録媒体表面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。その結果、記録媒体として印刷本紙に印刷した場合であっても、インクの凝集むらがより改善される。また、本発明によるインク組成物は上記成分を含有するため、上記界面活性剤のインク中への溶解性が向上し、不溶物等の発生を抑制できるため、吐出安定性がより優れるインク組成物を実現できる。
本発明によるインク組成物には、その他の界面活性剤、具体的には、アセチレングリコール系界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等をさらに添加しても良い。
これらのうち、アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、または3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(商品名、日信化学社製)、サーフィノール61、104,82,465,485あるいはTG(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
<水、その他の成分>
本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、上記した特定のアルコール溶剤、界面活性剤、および糖、その他の各種添加剤を含有するとともに、溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
また、本発明によるインク組成物は、上記成分に加えて、浸透剤を含んでなることが好ましい。
浸透剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類、グリコールエーテル類を好適に使用できる。グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノールなどが挙げられ、これらの一種または二種以上の混合物として用いることができる。 上記グリコールエーテル類のなかでも、多価アルコールのアルキルエーテルが好ましく、特にエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、またはトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが好ましい。
より好ましくは、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが挙げられる。なお、上記多価アルコールのアルキルエーテルの中にはインク組成物に添加されることにより、浸透剤としての機能をも果たすものもあることは言うまでもない。
また、前記浸透剤としてのグリコールエーテル類は、凝集性の観点、引火点の観点、および環境毒性と生態毒性との観点で用いる多価アルコールのアルキルエーテルと重複するものもあるが、グリコールエーテル類の中には両方の効果を奏するものもある。
上記浸透剤の添加量は適宜決定されてよいが、0.1〜30重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜20重量%程度である。
また、本発明によるインク組成物は、上記成分に加えて、記録媒体溶解剤を含んでなることが好ましい。
記録媒体溶解剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの、ピロリドン類を好適に使用できる。上記記録媒体溶解剤の添加量は適宜決定されてよいが、0.1〜30重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜20重量%程度である。
また、本発明によるインクジェット記録用インク組成物においては、グリセリン等の湿潤剤を実質的に含まないことが好ましい。グリセリン等の湿潤剤は、インクジェットノズル等において、インクが乾燥して固化するのを防ぐ機能を有するものであるため、インク吸収性能が特に低い合成紙にインクを滴下すると、インクが乾燥せず、高速印刷の際に問題となる場合がある。また、湿潤剤が含まれるインクを用いた場合、吸収されないインクが記録媒体表面に存在している状態で、次のインクが記録媒体上に付着するため、凝集斑が発生する場合がある。
そのため、本発明においては、このようなインク吸収性能が特に低い記録媒体を用いる場合に、湿潤剤を実質的に含まない方が好ましい。なお、インクジェットノズルにおいてインクが乾燥固化してしまった場合であっても、湿潤剤を含む溶液を適用することにより、固化したインクを再溶解させることができる。
特に、本発明においては、25℃における蒸気圧が2mPa以下であるグリセリン等の湿潤剤を、実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、これら湿潤剤の添加量が、インク組成物に対して1重量%未満であることを意味する。
25℃における蒸気圧が2mPa以下である湿潤剤の含有量が、インクに対して1重量%未満となることにより、印刷本紙等のインク吸収性の低い記録媒体だけでなく、インク吸収能のまったくない金属やプラスチックに対しても、インクジェット記録方式により印刷することが可能となる。なお、上記した浸透溶剤の一部は、湿潤剤としても作用することは、当業者にとって明らかであるが、本明細書においては、上記した浸透溶剤は、湿潤剤には含まれないものとする。また、本明細書においては、上記したアルコール溶剤(難水溶性のアルカンジオール、水溶性の1,2−アルカンジオール、ジアルキレングリコール、水溶性のアルカントリオール、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオール)は、湿潤剤に含まれないものとする。
本明細書において湿潤剤とは、通常のインクジェット記録用インク組成物に用いられている湿潤剤を意味し、具体的には、グリセリン、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール等の炭素数3〜5の水溶性アルカンジオール類である。記録媒体が、インク吸収性の低い印刷本紙等の場合には、適宜、これら湿潤剤を添加できる。
本発明によるインク組成物は、さらにノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添加することができる。
防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等を挙げることができる。
さらに、pH調整剤、他の溶解助剤、または酸化防止剤の例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることができる。
また、本発明によるインク組成物は、酸化防止剤および紫外線吸収剤を含んでいてもよく、その例としては、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のTinuvin 328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor 252 153、Irganox 1010、1076、1035、MD1024、ランタニドの酸化物等を挙げることができる。
本発明によるインク組成物は、上記の各成分を適当な方法で分散・混合することよって製造することができる。好ましくは、まず顔料と高分子分散剤と水とを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製し、次いで、別途調製した樹脂(樹脂エマルジョン)、水、水溶性有機溶媒、糖、pH調製剤、防腐剤、防かび剤等を加えて十分溶解させてインク溶液を調製する。十分に攪拌した後、目詰まりの原因となる粗大粒径および異物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を得ることができる。前記ろ過は、ろ材として、好ましくは、グラスファイバーフィルターを用いて行ってもよい。前記グラスファイバーは、樹脂含浸グラスファイバーであることが、静電吸着機能の観点から好ましい。また、孔径は、1〜40ミクロンが好ましく、さらに好ましくは1〜10ミクロンであることが、生産性と帯電遊離樹脂等の吸着除去の観点で好ましい。帯電遊離樹脂等の吸着除去が不十分な場合、吐出安定性を著しく劣化させる場合がある。上記のフィルターとして、日本ポール社製のウルチポアGFプラスを挙げることができる。
インクジェット記録方法
本発明によるインクジェット記録方法は、上記のインク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うものである。本発明による記録方法においては、記録媒体として合成紙や印刷本紙を用いることが好ましく、とりわけ、アート紙、POD(プリントオンデマンド)用途に用いられる高画質用紙およびレーザープリンター用の専用紙に、特に低下解像度で印刷した場合であっても、白筋やザラツキ感のない高品質な画像が実現できる。POD用途の高画質用紙としては、例えば、リコービジネスコートグロス100(リコー株式会社製)等が挙げられる。また、レーザープリンター用の専用紙としては、例えば、LPCCTA4(セイコーエプソン株式会社製)が挙げられる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
<インク組成物の調製>
下記表1〜6の組成に従い、各成分を混合し、10μmのメンブランフィルターでろ過することにより、各インクを調製した。なお、表中のスチレン−アクリル酸系樹脂は、分子量1600、酸価150の共重合体である。ウレタン系樹脂は、分子量6000、酸価50の共重合体である。また、フルオレン系樹脂は、CAS No.117344−32−8で示されるフルオレン骨格を有するモノマーをモノマー構成比率略50重量%含有する、分子量3300の樹脂である。さらに、用いた界面活性剤は、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤であり、上記の式(I)において、Rがメチル基であり、aが9〜13の整数であり、mが2〜4の整数であり、nが1〜2の整数である化合物と、Rが水素原子であり、aが7〜11の整数であり、mが30〜50の整数であり、nが3〜5の整数である化合物とを混合した界面活性剤である。
Figure 2011063631
Figure 2011063631
Figure 2011063631
Figure 2011063631
Figure 2011063631
Figure 2011063631
実施例21〜40および比較例5〜8
また、上記の実施例1〜20のインクセットおよび比較例1〜4のインクセットの界面活性剤を、下記の界面活性剤に代えた以外は同様にして、実施例のインクセット21〜40および比較例のインクセット5〜8を調製した。
実施例21〜40および比較例5〜8において用いた界面活性剤は、上記の式(I)において、Rがメチル基であり、aが6〜10の整数であり、mが10〜20の整数であり、nが4〜8の整数である化合物からなる界面活性剤である。
実施例41〜60および比較例9〜12
また、上記の実施例1〜20のインクセットおよび比較例1〜4のインクセットの界面活性剤を、下記の界面活性剤に代えた以外は同様にして、実施例のインクセット41〜60および比較例のインクセット9〜12を調製した。
実施例41〜60および比較例9〜12において用いた界面活性剤は、上記の式(I)において、Rが水素原子であり、aが7〜11の整数であり、mが30〜50の整数であり、nが3〜5の整数である化合物と、Rがメチル基であり、aが9〜13の整数であり、mが2〜4の整数であり、nが1〜2の整数である化合物と、Rがメチル基であり、aが6〜10の整数であり、mが10〜20の整数であり、nが4〜8の整数である化合物とを混合した界面活性剤である。
実施例61〜80および比較例13〜16
また、上記の実施例1〜20のインクセットおよび比較例1〜4のインクセットの界面活性剤を、下記の界面活性剤に代えた以外は同様にして、実施例のインクセット61〜80および比較例のインクセット13〜16を調製した。
実施例61〜80および比較例13〜16において用いた界面活性剤は、上記の式(I)において、Rがメチル基であり、aが6〜18の整数であり、mが0であり、nが1である化合物からなる界面活性剤である。
実施例81〜100および比較例17〜20
また、上記の実施例1〜20のインクセットおよび比較例1〜4の界面活性剤をジェミニ型界面活性剤であるペリセアL−30(旭化成ケミカルズ株式会社製)(固形分として30重量%)に変更した以外は同様にして、実施例のインクセット81〜100および比較例のインクセット17〜20を調製した。
<評価>
インクの初期粘度の評価
上記のようにして得られた各インクについて、インク粘度の評価を行った。振動型粘度計(MV100型番、ヤマイチエレクトロニクス社製)を用い、インク調製後1時間経過後のインクの粘度を測定し、以下の基準により評価を行った。なお、測定温度は20℃とした。
S S:粘度が3.4mPa・s以下である。
S:粘度が3.5を超え、4mPa・s以下である。
AA:粘度が4mPa・sを超え、5mPa・s以下である。
A:粘度が5mPa・sを超え、6mPa・s以下である。
B:粘度が6mPa・sを超え、7mPa・s以下である。
C:粘度が7mPa・sを超え、8mPa・s以下である。
D:粘度が8mPa・sを超える。
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
ポリシロキサン系界面活性剤よりも、ジェミニ型界面活性剤の方が、初期粘度が一段階向上した。他の評価結果は同じであった。
インクの経過粘度の評価
上記にようにして調製したインクを、70℃の環境下で3日間放置した後、上記と同様にしてインクの粘度を測定し、以下の基準により評価を行った。
A:初期粘度との差が0.5mPa・s以下である。
B:初期粘度との差が0.5mPa・sを超え、1.0mPa・s以下である。
C:初期粘度との差が1.0mPa・sを超え、2.0mPa・s以下である。
D:初期粘度との差が2.0mPa・sを超える。
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
インク凝集斑および埋まり性の評価
上記で得られたY、M、C、およびKの各インクをインクセットとして、インクジェットプリンター(PX−G920、セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに装着し、主走査(ヘッド駆動)方向に720dpiでかつ副走査(記録媒体搬送)方向に360dpiで記録できるようにした。次に、着弾時のドットサイズが概ね7ngになるようにプリンターの電圧を調整し、一駆動が720×360dpiで、約128g/平米のOKT+(王子製紙株式会社製)に、720×720dpiのベタ画像を記録した。記録は、常温、常湿度環境下において実施した。インク付着量は概ね3.6mg/inch平米であった。
得られた画像について、下記の基準により評価を行った。
A:凝集斑および埋まり不良による白筋がない。
B:凝集斑はないが、埋まり不良による白筋がある。
C:凝集斑および埋まり不良による白筋がある。
D:インクの流動が激しく、判定不能である。
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
カールの評価
記録媒体として、104.7g/平米のOKT+(王子製紙株式会社製)を用いた以外は上記と同様にして印刷を行った。得られた印刷物の印刷面を上にして、平らな机の上に、25℃で40%RHの環境下おいて24時間自然放置乾燥させた。その後、机と、反り上がった印刷物の四隅との距離を測定し、平均化した。
AA:高さが5mm未満
A :高さが5mm以上、10mm未満
B :高さが10mm以上、20mm未満
C :高さが20mm以上
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
初期定着性の評価
上記OKT+の印刷物を、3分後に指で擦った。
A :色材の剥れがない
B :色材の剥れがある
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
難水溶性のアルカンジオールの溶解性評価
難水溶性のアルカンジオールとして1,2−オクタンジオールを用い、1,2−オクタンジオールの含有量が10重量%の水溶液を作製した。この水溶液は、1,2−オクタンジオールが完全に溶解せず、白濁した状態であった。
調製した上記の水溶液の10gに、1,2−ヘキサンジオール(HED)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,2,6−ヘキサントリオール(HET)、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール(3MPET)、DPGとHETとの混合溶液(DPG:HET=3:1)(以下、溶液Aと記す)、DPGとHETとの混合溶液(DPG:HET=1:3)(以下、溶液Bと記す)の各アルコール溶剤を添加し、その水溶液が透明になるまで添加した。
また、上記の水溶液に代えて、難水溶性のアルカンジオールとして1,2−オクタンジオールを10重量%および水溶性の1,2−アルカンジオールとして1,2−ヘキサンジオール10重量%を含む水溶液を調製し、上記と同様にして、水溶液が透明になるまで、各上記アルコール溶剤を添加した。
水溶液が透明になる、すなわち、難水溶性のアルカンジオールが完全に溶解する各アルコール溶剤の添加量(g)は、図1に示される通りであった。
図1からも明らかなように、難水溶性のアルカンジオールである1,2−オクタンジオールの溶解性は、難水溶性アルカンジオールを除くアルコール溶剤を1成分系よりも2成分系、または3成分系とすることで高まることがわかる。1,2−ヘキサンジオール(HED)は少量で難水溶性アルカンジオールを溶解することができるが、HED量が増えるとカールが劣化する傾向にある。HEDと、1,2,6−ヘキサントリオール(HET)との2成分系において、HED量を抑えて充分な難水溶性アルカンジオールの溶解性を得るには、多くのHET量が必要となり、初期粘度が高くなる傾向にある。また、HED、ジプロピレングリコール(DPG)の2成分系では、低解像度と高解像度で印刷した際のインク重量のばらつきが大きくなる傾向があり、高解像度においては、インクのメニスカスが安定していないとインク重量がばらつく傾向にあることが影響していると思われる。すなわち、HED、HET、およびDPGの3成分系において、HETとDPGの含有量比を前記3:1〜1:3とすることで低解像度と高解像度で印刷した際のインク重量のばらつきが小さく、安定した印刷物を得ることができると推測される。
インク重量ばらつきの評価
インクジェットプリンター(PX−G920、セイコーエプソン社製)に純正インクカートリッジを装着し、主走査(ヘッド駆動)方向に720dpiでかつ副走査(記録媒体搬送)方向に360dpiで記録できる状態で、着弾時のインク重量が概ね7ngになるようにプリンターの電圧を調整した。次に上記、実施例及び、比較例で得られたY、M、C、およびKの各インクをインクセットとしてインクカートリッジに充填、インクジェットプリンターに装着した後、図2に示した二つの印刷パターンそれぞれについて、印字を行ない、印刷前後のインクカートリッジの重量差から、インク重量を測定した。
得られたインク重量について、二つの印刷パターンの違いによるインク重量の差をインク重量のばらつきとし、下記の基準により評価を行った。
A:パターンの違いによるインク重量のばらつきが±3%未満である。
B:パターンの違いによるインク重量のばらつきが±3%以上である。
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
目詰まり回復性の評価
上記のインクカートリッジおよびインクジェットプリンターを用い、インク交換ボタンを押してからコンセントを抜いた。このように、ヘッドキャップが外れた状態にしてから、プリンターを40℃15%RHの環境に1日間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価した。
A:クリーニング操作を3回繰り返して目詰まりが回復する。
B:クリーニング操作を6回繰り返して目詰まりが回復する。
C:クリーニング操作を12回繰り返して目詰まりが回復する。
D:クリーニング操作を12回繰り返しても目詰まりが回復しない。
評価結果は、下記の表7に示される通りであった。
Figure 2011063631
また、実施例21〜40および比較例5〜8についても上記と同様の評価を行ったところ、実施例1〜20および比較例1〜4と同一の評価結果であった。
さらに、実施例41〜60および比較例9〜12についても上記と同様の評価を行ったところ、実施例1〜20および比較例1〜4と同一の評価結果であった。
また、実施例61〜80および比較例13〜16についても上記と同様の評価を行ったところ、実施例1〜20および比較例1〜4と同一の評価結果であった。
さらに、実施例81〜100および比較例17〜20についても上記と同様の評価を行ったところ、実施例1〜20および比較例1〜4と、初期粘度の評価結果以外は同一の評価結果であった。初期粘度の評価は、一段階向上した。ジェミニ型界面活性剤であるペリセアL−30を含むインク組成物の方が、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤に比べ、初期粘度が向上することがわかる。
また、実施例1〜100および比較例1〜20において、1,2,6−ヘキサントリオールに代えて、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールにした以外は全く同じようにして実施例101〜200および比較例21〜40を調製した。上記と同様の評価を行ったところ、実施例1〜100および比較例1〜20と、カールの評価結果以外は同一の評価結果であった。カールの評価結果は、一段階向上した。3−メチル−1,3,5−ペンタントリオールの方が、カールの抑制効果が高いことがわかる。
大気開放キャップの目詰まり回復性
PX-G920で、温度40℃、湿度15%の環境において、キャップ内に260mg/平方inchのインクを吐出させ、インク交換ポジションにヘッドを移動させ、キャップを大気開放状態にし、2時間放置した。この操作を10回もしくは20回実施した。その後、プリンタードライバーでクリーニングを1回実施し、ノズルチェックパターンを1枚印刷する作業を3回実施し、3枚のノズルチェックパターン印刷物を観察した。
A:この操作を20回実施しても、キャップ内にインク堆積物がなく、ノズルチェックパターンが正常に印刷されている。
B:この操作を10回実施しても、キャップ内にインク堆積物がなく、ノズルチェックパターンが正常に印刷されている。しかし、この操作を20回実施した時点では、キャップ内にインク堆積物があり、ノズルチェックパターンが正常に印刷されていない。
C:この操作を10回実施した時点で、キャップ内にインク堆積物があり、ノズルチェックパターンが正常に印刷されていない。
評価結果は、下記の表8に示される通りであった。
Figure 2011063631

Claims (17)

  1. 着色材と、水と、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、
    さらに、難水溶性のアルカンジオールと、水溶性の1,2−アルカンジオールと、ジアルキレングリコールとを含み、かつ水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物とを少なくとも含んでなる、インクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記難水溶性のアルカンジオールが、炭素数7以上のアルカンジオールである、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記水溶性の1,2−アルカンジオールが、炭素数6以下のアルカンジオールである、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記難水溶性のアルカンジオールと、前記水溶性の1,2−アルカンジオールとの含有量比が、6:1〜1:3である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコール並びに前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物の合計量との含有量比が、1:1〜1:18である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記水溶性の1,2−アルカンジオールと、前記ジアルキレングリコールとの含有量比が、1:1〜1:12である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記ジアルキレングリコールと、前記水溶性のアルカントリオール、糖類、およびヒドロキシアルコキシアルカンジオールから選択される一種以上の化合物との含有量比が、3:1〜1:3である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 前記難水溶性のアルカンジオールと、前記水溶性の1,2−アルカンジオールとの含有量の和が、インク組成物に対し、6重量%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 前記難水溶性のアルカンジオールを、インク組成物に対し、1〜3重量%含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
  10. 前記水溶性の1,2−アルカンジオールを、インク組成物に対し、0.5〜3重量%含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. 前記難水溶性のアルカンジオールが1,2−オクタンジオールである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物。
  12. 前記水溶性の1,2−アルカンジオールが、1,2−ヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、および3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオールからなる群より選択される一種または二種以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインク組成物。
  13. 前記ジアルキレングリコールが、ジプロピレングリコールである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物。
  14. 前記界面活性剤を、インク組成物に対し、0.01〜1.0重量%含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物。
  15. 前記界面活性剤が、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤またはジェミニ型界面活性剤である、請求項14に記載のインク組成物。
  16. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
  17. 前記記録媒体が、合成樹脂を主原料とする合成紙または印刷本紙である、請求項16に記載の方法。
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