JP2013155328A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013155328A
JP2013155328A JP2012017844A JP2012017844A JP2013155328A JP 2013155328 A JP2013155328 A JP 2013155328A JP 2012017844 A JP2012017844 A JP 2012017844A JP 2012017844 A JP2012017844 A JP 2012017844A JP 2013155328 A JP2013155328 A JP 2013155328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink
recording medium
alkanediol
based ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012017844A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanao Sato
正尚 佐藤
Hironori Sato
広法 佐藤
Shuichi Koganehira
修一 小金平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012017844A priority Critical patent/JP2013155328A/ja
Publication of JP2013155328A publication Critical patent/JP2013155328A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】フィルムのような非吸収または低吸収記録媒体において優れた耐擦性を有する記録物を提供することを課題とする。
【解決手段】インクジェット法により、水系インクを非吸収または低吸収記録媒体に記録するインクジェット記録方法であって、前記記録媒体上に前記水系インクを付与し、着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層形成工程の後に、前記着色層を加熱する加熱工程と、を有し、前記水系インクは、着色材と、水と、炭素数7〜10のアルカンジオールと、糖類と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明はフィルムのような非吸収または低吸収記録媒体における定着性と、目詰まり回復性に優れるインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法とは、記録媒体にインク滴を吐出して記録を行う印刷方法である。近年、インクジェット記録技術の向上によって、これまで銀塩写真や色校正などの分野においてもインクジェット技術が用いられるようになってきている。それに伴い、銀塩写真や色校正などで使われている専用紙にて、銀塩写真並みの光沢感を実現するインクジェット記録用インクが開発されている。
また、近年、デジタルデータからの画像形成技術が普及したことに伴い、特に印刷分野では、デスクトップパブリッシング(DTP)が普及しつつある。DTPにより印刷を行う場合であっても、実際の印刷物との光沢感や色感を確認するために、事前に色校正用プルーフを作製することが行われている。このプルーフの出力に、インクジェット記録方式を適用することが行われており、DTPにおいては印刷物の色再現性の高さ、色の安定性の高さが求められることから、記録媒体として、通常、インクジェット記録用の専用紙が使用されている。
インクジェット記録用の専用紙の一つであるプルーフ用紙は、印刷本紙に実際に印刷した出力物と光沢感や色感が同じになるように作製されている。このように、印刷本紙の種類に応じて専用紙の材質が適宜調整されているが、多種多様の印刷本紙に全て対応した専用紙を作製するのは製造コストの上昇を招く。そこで、色校正用途においては、専用紙よりも印刷本紙にインクジェット記録を行いたいとの技術的観点における要望がある。また、専用紙を用いずに、直接印刷本紙にインクジェット記録を行ったものを最終校正見本とできれば、校正にかかるコストを大幅に低減できるとの経済的観点における要望がある。また、印刷分野で広く使用されている、ポリエチレン樹脂やポリエステル樹脂に無機フィラー等を混合してフィルム化した合成紙は、リサイクル性に優れ、環境に優しい材料として近年注目されている。このような合成紙に記録を行いたいとの環境的観点における要望がある。
印刷本紙やフィルムは、水性インクを受容するための塗工層が乏しい、または塗工層を有していないため、水性の水系インクを使用すると、記録媒体へのインクの浸透性の低さから、記録物における定着性が悪い。
上記の問題に対し、特開2009−209339号公報(特許文献1)には、インクジェット記録用水系インクに難水溶性のアルカンジオールと、トレハロースと、(ポリ)アルキレングリコールとを含むことにより、印刷本紙のような水性インクに対する低液性の記録媒体に着弾時間差が短い印刷をした場合でも、ブリーディングを低減した画像が実現できることが提案されている。
特開2009−209339号公報
先行特許に記載のインク組成は、滲みや凝集の発生を抑えるために、乾燥性の向上を図っており、それによって引き起こされる目詰まり回復性の低下を抑制するために、グリセリン、トリメチロールプロパン等の水溶性の保湿剤および、ポリオール等の難水溶性物質を含有している。しかし、これらの物質は保湿性が優れるため、フィルム上に定着しにくい。そこで本発明は、とりわけフィルムのような非吸収または低吸収記録媒体において優れた耐擦性を有する記録物を提供することを課題とする。
本発明者らは、今般、難水溶性のアルカンジオールと、トレハロースと、(ポリ)アルキレングリコールとを含むインクジェット記録用水系インクを用いて、吐出安定性に優れ、非吸収または低吸収記録媒体に印刷した後、加熱処理を施すことで、耐擦性が向上するという知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
本発明は、上記のとおりフィルムのような非吸収または低吸収記録媒体への定着性の問題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)
水系インクを非吸収または低吸収記録媒体に記録するインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体上に前記水系インクを付与し、着色層を形成する着色層形成工程と、
前記着色層形成工程の後に、前記着色層を加熱する加熱工程と、を有し、
前記水系インクは、着色材と、水と、炭素数7〜10のアルカンジオールと、糖類と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
(適用例2)
前記糖類が、単糖類、二糖類、三糖類及び四糖類以上の多糖類の少なくとも一種である、適用例1に記載のインクジェット記録方法。
(適用例3)
前記加熱工程における加熱温度は35℃以上60℃以下である、適用例1又は2に記載のインクジェット記録方法。
(適用例4)
前記炭素数7〜10のアルカンジオールが、1,2−アルカンジオールである、適用例1〜3のいずれか一例に記載のインクジェット記録方法。
(適用例5)
前記水系インクが、更に、炭素数1〜6のアルカンジオールを含んでなる、適用例1〜4のいずれか一例に記載のインクジェット記録方法。
本発明の実施形態に係る記録装置の構成を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の一実施形態を、記録装置としてインクジェット式プリンターを用いた例により、図面に基づいて説明する。
〈インクジェット記録装置〉
図1に示すように、記録装置としてインクジェット式プリンター1(以下、プリンター1という)は、フレーム2を有している。フレーム2には温度調節可能な印刷物乾燥用プラテン3が設けられ、プラテン3上には、記録媒体送りモーター4の駆動によって記録媒体が給送されるようになっている。また、フレーム2にはプラテン3の長手方向と平行に、棒状のガイド部材5が設けられている。
ガイド部材5には、キャリッジ6がガイド部材5の軸線方向に往復移動可能に指示されている。キャリッジ6はフレーム2内に設けられたタイミングベルト7を介して、キャリッジモーター8に連結されている。そして、キャリッジ6はキャリッジモーター8の駆動により、ガイド部材5に添って往復移動されるようになっている。
キャリッジ6にはヘッド9が設けられるとともに、ヘッド9に液体としてのインクを供給するためのインクカートリッジ10が着脱可能に配置されている。インクカートリッジ10内のインクはヘッド9に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカートリッジ10からヘッド9へと供給され、ヘッド9のノズル形成面に形成された複数のノズルから、プラテン3上に給送された記録媒体に対して吐出されるようになっている。これにより記録物を製造することが可能になる。
〈インクジェット記録方法〉
本開発によるインクジェット記録方法は、水系インクを非吸収または低吸収記録媒体に記録するインクジェット記録方法であって、前記記録媒体上に前記水系インクを付与し、着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層形成工程の後に、前記着色層を加熱する加熱工程とを有し、前記着色インクは、着色材と、水と、炭素数7〜10のアルカンジオールと、糖類とを含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。上記のインクジェット記録方法により、フィルムのような非吸収または低吸収記録媒体において良好な耐擦性を確保することができる。
着色層を形成する着色層形成工程は、水系インクをインクジェットすることにより行われる。また、着色層形成工程の温度は、特に限定されず、例えば、25℃程度の室温で行うことが可能だが、さらに高い温度での印刷が望ましい。たとえば、20℃〜150℃、好ましくは25℃~110℃、さらに好ましくは30~100℃、特に好ましくは35~60℃で行うことができる。このようにすれば、水系インクに溶剤が含有されるときの乾燥速度を高めることができる。
乾燥手段としてはプラテン3を加熱してヒーターとして機能させても良いし、ヒーター線等により放射熱で加熱させても良いし、装置内に温風を送る手段を設けそれによって乾燥させても良い。また、他の公知の乾燥手段を用いてもよい。
〈インクジェット用記録媒体〉
本実施形態では記録対象となる記録媒体は特に限定されないが、PPフィルムのようなインク非吸収性および低吸収性の記録媒体が望ましい。
インク非吸収性または低吸収性の記録媒体とは、インクの受容層を備えていない、またはインクの受容層が乏しい記録媒体をいう。より定量的には、インク非吸収性および低吸収性の記録媒体とは、記録面がブリストー法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体を示す。このブリストー法は短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。
インク非吸収性記録媒体としては、例えばインクジェット記録用に表面処理をしておらず、インク受容層を有していないプラスチックフィルムや、紙などの支持体にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(pp)、ポリ塩化ビニル(pvc)等が挙げられる。
インク低吸収性記録媒体としては、例えばシリカゲル等が支持体に塗工された塗工紙のことを指し、例えば、アート紙、コート紙、マット紙や、キャスト紙等の印刷本紙が挙げられる。塗工紙は、紙の支持体の上に、タルク、パイロフィライト、カオリン、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの顔料と、デンプン、ポリビニルアルコールなどの接着剤を混合して作る。
〈水系インク〉
本発明による水系インクは、水と、着色材と、炭素数7〜10のアルカンジオールと、糖類と、を少なくとも含んでなる。以下、水系インクに含まれる各成分について説明する。
<炭素数7〜10のアルカンジオール>
本発明の水系インクには、炭素数7〜10のアルカンジオールが含まれる。本発明の好ましい態様によれば、炭素数7〜10のアルカンジオールは、1,2−アルカンジオールである。炭素数7〜10の1,2−アルカンジオールとしては、例えば、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、5−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ヘキサンジオール、または4,4−ジメチル−1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。これらの中でも、1,2−オクタンジオールがより好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、炭素数7〜10のアルカンジオールの含有量は、適宜決定されてよいが、組成物全体に対し、1.0〜4.0質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜2.5質量%である。
<(ポリ)アルキレングリコール>
本発明による水系インクは、(ポリ)オキシアルキレングリコールを含んでいても良い。
本発明による水系インクに含まれる(ポリ)オキシアルキレングリコールは特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールからなる群から選択される一種または二種以上である。これら化合物は、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの付加重合によって得られるオリゴマーである。
本発明において(ポリ)アルキレングリコールは、インクのブリーディングを効率良く抑制出来る限りにおいて、適宜決定されてよいが、水系インク全体に対し、2.0〜10.0質量%含有させることができる。
〈糖類〉
本発明による水系インクに含まれる糖類は、特に限定されず、単糖類、二糖類、三糖類及び四糖類以上の多糖類の少なくとも一種である。単糖類としてはフルクトース等、二糖類としてはトレハロース、マルトース、スクロース等、三糖類としてはラフィノース等が挙げられる。トレハロースは、グルコースの1位同士がグルコシド結合をした非還元性の二糖類である。非還元糖であるため、メーラード反応による褐色変化が起きないことから、インクの保存安定性の観点から好ましい。また、結晶性が高いため、水溶性が低く、吸湿性が極めて低い特性を有する。さらに、三糖類としてラフィノース、四糖類以上は多糖類からなる。
また、多糖類を含む水系インクは、高温常湿密閉環境下での目詰まり回復性を向上できる。理由は定かではないが、吸湿性が極めて低いので、キャップ内に滞留している廃液インクが、ノズルのメニスカスのインクから水分を奪うことがないので、キャップ密閉されている状態での目詰まり回復性に優れると考えられる。
本発明の好ましい態様によれば、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類以上の多糖類のうち、少なくとも二種類以上を含む混合糖は、上記の効果を奏する限りにおいて、適宜決定されてよいが、水系インク全体に対し、2.0〜10.0質量%含有されていることが好ましく、より好ましくは3.0〜8.0質量%である。上記範囲とすることで、高温常湿密閉環境下での目詰まり回復性を向上させることから好ましい。
さらに、本発明の好ましい態様によれば、難水溶性のアルカンジオールと、トレハロースとの含有量比が、それぞれ1:1〜1:5であることが好ましく、より好ましくはそれぞれ1:2〜1:4である。
<炭素数1〜6のアルカンジオール>
本発明の水系インクは、炭素数1〜6のアルカンジオールを含んでいても良い。炭素数1〜6のアルカンジオールは、両末端または片末端アルカンジオールである。炭素数1〜6のアルカンジオールは、好ましくは、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の水溶性のヘキサンジオールが挙げられ、その中でも1,2−ヘキサンジオールが好ましい。また、高周波数での吐出安定性が優れる観点から、1,6−ヘキサンジオールであってもよい。
さらに、本発明の好ましい態様によれば、炭素数7〜10のアルカンジオールと、炭素数1〜6のアルカンジオールとの含有量質量比が、それぞれ1:1〜10:1であることが好ましく、より好ましくはそれぞれ2:1〜4:1である。
<その他の溶剤>
本発明にかかる水系インクは、上述した特定の溶剤以外の、その他の溶剤を含んでいてもよい。その他の溶剤としては、特に限定されないが、例えば、グルコールエーテル類が挙げられる。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノールなどが挙げられ、これらの一種または二種以上の混合物として用いることができる。
上記グリコールエーテル類のなかでも、多価アルコールのアルキルエーテルが好ましく、特にエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが好ましい。
より好ましくは、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルである。
上記グリコールエーテル類の添加量は適宜決定されてよいが、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。
<顔料>
顔料としては、無機顔料および有機顔料を使用することができ、それぞれ単独または複数種を混合して用いることができる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタンおよび酸化鉄の他に、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックが使用できる。また、前記有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が使用できる。
<分散剤>
本発明による水系インクは、顔料を分散させる目的で分散剤を含んでいても良い。分散剤としては、スチレン−アクリル酸系共重合樹脂、オキシエチルアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、およびフルオレン系樹脂からなる群から選択され、好ましくはスチレンアクリル酸樹脂を含んでなることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明によるインクジェット記録用水系インクは、界面活性剤を含んでもよい。
本発明において用いられる界面活性剤としては、特に限定されないが、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤を好適に使用できる。
ポリオルガノシロキサン系界面活性剤としては、例えば、界面活性剤は市販されているものを用いてもよく、例えば、オルフィンPD−501(日信化学工業株式会社製)、オルフィンPD−570(日信化学工業株式会社製)、BYK−347(ビックケミー株式会社製)、BYK−348(ビックケミー株式会社製)等を用いることができる。
また、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤として、下記式(I):
Figure 2013155328
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、aは7〜11の整数を表し、mは30〜50の整数を表し、nは3〜5の整数を表す。)で表される一種または二種以上の化合物を含んでなるか、または、上記式(I)の化合物において、式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、aは9〜13の整数を表し、mは2〜4の整数を表し、nは1〜2の整数である一種または二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。また、上記式(I)の化合物において、Rは水素原子またはメチル基を表し、aは6〜18の整数を表し、mは0の整数を表し、nは1の整数である一種または二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。さらに、上記式(I)の化合物において、Rは水素原子を表し、aは2〜5の整数を表し、mは20〜40の整数を表し、nは3〜5の整数である一種または二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。このような特定のポリオルガノシロキサン系界面活性剤を使用することにより、記録媒体として印刷本紙に印刷した場合であっても、インクのビーディングとブリーディングがより改善される。
上記式(I)の化合物においては、Rがメチル基である化合物を使用することによって、さらにインクのビーディングが改善できる。また、上記式(I)の化合物においては、Rが水素原子である化合物を併用することにより、さらにインクのブリーディングが改善できる。
上記式(I)の化合物においては、Rがメチル基の化合物とRが水素原子の化合物との配合割合を適宜、調整することにより、さらにブリーディングやビーディングのない高品質な画像が実現でき、また顔料種や樹脂量により流動性が異なる場合の調整剤として効果的である。
上記界面活性剤は、本発明によるインク組成物中に、好ましくは0.01〜1.0w%、より好ましくは0.05〜0.50w%含有される。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、または3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(商品名、日信化学社製)、サーフィノール61、104,82,465,485、あるいはTG(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
<水、その他の成分>
本発明による水系インクは、上記した成分に加えて、溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。また、その他の成分として防腐剤、防カビ剤等を含んでいても良い。
(実施例および比較例)
以下、本発明の実施例について表やグラフを参照して説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
<水系インクの調整>
下記表1の組成に従い各成分を混合し、8μmのメンブランフィルターでろ過することにより、各インクを調製した。下記表1中の数値はインク中の含有量(質量%)を表す。また、樹脂は固形分の含有量(質量%)を表す。
下記表1中の顔料分散液は、着色剤としてC.I.ピグメントブラック7を10質量%、分散剤としてスチレンアクリル酸(重量平均分子量16500、酸価240、Tg100℃)を3質量%、分散媒としてイオン交換水を87質量%混合・攪拌して作製した。
また、水系インクの調製に使用した糖類は、いずれも林原株式会社製の「HSシリーズ」であり、その詳細は表2示した通りである。
また、表1中のAQUACER515はビックケミージャパン株式会社製のものを使用した。
また、表1中におけるポリオルガノシロキサン系界面活性剤は、上記の式(I)において、Rがメチル基であり、aが6〜18の整数であり、mが0の整数であり、nが1の整数である化合物と、上記の式(I)において、Rが水素原子であり、aが7〜11の整数であり、mが30〜50の整数であり、nが3〜5の整数である化合物と、上記の式(I)において、Rがメチル基であり、aが9〜13の整数であり、mが2〜4の整数であり、nが1〜2の整数である化合物とからなる界面活性剤の混合物であり、その質量比は1:1:1である。
Figure 2013155328
Figure 2013155328
<目詰まり回復性の評価>
表1に記載の各ブラックインクを、インクジェットプリンター(PX−G930、セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに充填して装着した。その後、プリンタードライバーを用いて、プリンターのヘッドにインクを充填し、通常記録できることを確認した。さらに、インクカートリッジ交換位置にキャリッジを移動させてから、コンセントを抜き、インクカートリッジを外してから、ヘッドを外した。このように、インクカートリッジとヘッドキャップが外れた状態にしてから、ヘッドを温度40℃、湿度20%の環境に3日間放置した。
放置後、キャリッジに放置したヘッドを元通りに装着し、さらに、常温常湿環境に放置しておいたインクカートリッジを元通りに装着し、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、目詰まり回復性を評価した。なお、A、B及びCが実用上許容される。評価結果を表3に示す。
A:90%以上回復する。
B:70%以上90%未満回復する。
C:50%以上70%未満回復する。
D:30%以上50%未満回復する。
<記録物の耐擦性評価>
(1) 耐擦性試験
表3に記載の条件にて、インクジェットプリンター(PX−G930、セイコーエプソン社製)のインクカートリッジに充填して装着した。そして、プリンタードライバーを用いて、プリンターのヘッドにインクを充填した。また、該プリンターは記録位置において、記録媒体を加熱することができるように、温度調節可能なプラテンヒーターを取り付ける改造を行い、加熱工程を行うことができるようにした。非吸収性の記録媒体であるルミラーS10(プラスチックフィルム、東レ株式会社製)に、Duty100%のベタパターンを記録した。
実施例1〜4では、45℃に加熱したプラテンヒーターによって、印刷物の加熱工程を実施した。
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜6の記録物を3cm幅で裁断し、学振型摩耗堅牢度試験機,No.428 学振形染色摩擦堅ろう度試験機(商品名,安田精機製作所)にセットし、接触部にNpi上質紙を取り付けた摩擦子(荷重500g)にて、10回擦ることで耐擦性評価を実施した。
以下の判断基準に従い、目視によって定着性を評価した。
A:剥離しない箇所が90%以上。
B:剥離しない箇所が60%以上90%未満。
C:剥離しない箇所が30%以上60%未満。
Figure 2013155328
1 インクジェット式プリンター、2 フレーム、3 プラテン、4 記録媒体送りモーター、5 ガイド部材、6 キャリッジ、7 タイミングベルト、8 キャリッジモーター、9 ヘッド、10 インクカートリッジ、P 用紙。

Claims (5)

  1. インクジェット法により、水系インクを非吸収または低吸収記録媒体に記録するインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体上に前記水系インクを付与し、着色層を形成する着色層形成工程と、
    前記着色層形成工程の後に、前記着色層を加熱する加熱工程と、を有し、
    前記水系インクは、着色材と、水と、炭素数7〜10のアルカンジオールと、糖類と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記糖類が、単糖類、二糖類、三糖類及び四糖類以上の多糖類の少なくとも一種である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記加熱工程における加熱温度は35℃以上60℃以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記炭素数7〜10のアルカンジオールが、1,2−アルカンジオールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記水系インクが、更に、炭素数1〜6のアルカンジオールを含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
JP2012017844A 2012-01-31 2012-01-31 インクジェット記録方法 Withdrawn JP2013155328A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012017844A JP2013155328A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 インクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012017844A JP2013155328A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 インクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013155328A true JP2013155328A (ja) 2013-08-15

Family

ID=49050841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012017844A Withdrawn JP2013155328A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 インクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013155328A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019073893A1 (ja) * 2017-10-10 2019-04-18 Dic株式会社 インク、インクジェット記録用インク及び印刷物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008231212A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd インク組成物、インクメディアセット、インクジェット記録方法および記録物
JP2009066946A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Ricoh Co Ltd インク、インクメディアセット、インクジェット記録方法および記録物
JP2010221634A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Seiko Epson Corp インクジェット記録方式の印刷方法及び印刷装置
JP2010221670A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Seiko Epson Corp インクジェット記録方式の印刷方法及び印刷装置
JP2011063631A (ja) * 2008-09-30 2011-03-31 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
JP2011127088A (ja) * 2009-11-19 2011-06-30 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
JP2011178981A (ja) * 2010-02-05 2011-09-15 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008231212A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd インク組成物、インクメディアセット、インクジェット記録方法および記録物
JP2009066946A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Ricoh Co Ltd インク、インクメディアセット、インクジェット記録方法および記録物
JP2011063631A (ja) * 2008-09-30 2011-03-31 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
JP2010221634A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Seiko Epson Corp インクジェット記録方式の印刷方法及び印刷装置
JP2010221670A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Seiko Epson Corp インクジェット記録方式の印刷方法及び印刷装置
JP2011127088A (ja) * 2009-11-19 2011-06-30 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
JP2011178981A (ja) * 2010-02-05 2011-09-15 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019073893A1 (ja) * 2017-10-10 2019-04-18 Dic株式会社 インク、インクジェット記録用インク及び印刷物
JP6573053B1 (ja) * 2017-10-10 2019-09-11 Dic株式会社 インク、インクジェット記録用インク及び印刷物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6384658B2 (ja) 画像の記録方法
JP5861750B2 (ja) 印刷方法
JP6037111B2 (ja) インクジェット記録用のインク、インクジェット記録システム
JP5347625B2 (ja) インクジェット記録方式の印刷方法
JP6394854B2 (ja) 処理液、記録方法
US11427023B2 (en) Ink jet printing method
EP3617284A1 (en) Ink jet printing penetrant, ink jet printing ink set, and ink jet printing method
JP6645049B2 (ja) インクジェット記録方法
JP7310093B2 (ja) インクセット及び記録方法
JP6772439B2 (ja) 記録方法及びインクセット
JP5821515B2 (ja) インクジェット用インクおよびこれを用いたインクジェット記録方法
JP2012184376A (ja) インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP2018051955A (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置の制御方法
JP5347623B2 (ja) インクジェット記録方式の印刷方法
EP2998371A1 (en) Recording method
JP2023009389A (ja) インクセット及び記録方法
JP6714810B2 (ja) 記録方法及び記録装置
US10208221B2 (en) Ink composition and ink jet recording method
JP2018044074A (ja) インクジェットインク
JP7251175B2 (ja) インクジェット記録方法、記録ヘッドセット及びインクジェット記録装置
JP2017074729A (ja) インクジェット記録装置のメンテナンス方法、及びインクジェット記録装置
JP6872308B2 (ja) 記録方法及び記録装置
JP2021091822A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2013155328A (ja) インクジェット記録方法
JP2015074692A (ja) 反応液及び記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150105

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20160216