JP6714810B2 - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

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JP6714810B2 JP2015192903A JP2015192903A JP6714810B2 JP 6714810 B2 JP6714810 B2 JP 6714810B2 JP 2015192903 A JP2015192903 A JP 2015192903A JP 2015192903 A JP2015192903 A JP 2015192903A JP 6714810 B2 JP6714810 B2 JP 6714810B2
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Description

本発明は、記録方法及び該記録方法を実施するための記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置の記録ヘッドのノズルから微小なインク滴を吐出させて
、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録方法が知られている。インクジェット
記録用のインクとしては、染料や顔料等の着色剤を水や有機溶剤等を含む水性媒体中に溶
解又は分散させたものが一般的であり、着色剤として染料を配合した染料インクと顔料を
配合した顔料インクとに大別される。これまで、色再現性や吐出安定性等に優れる染料イ
ンクが汎用されてきたが、インクジェット記録技術のデジタル写真サービスや商業印刷等
への用途拡大により、記録画像の長期保存性が重要視されるようになってきており、染料
インクに比べて耐水性や耐光性等に優れる顔料インクが使用されるようになってきた。
ところが、インクジェット記録用インクとして顔料インクを使用して、普通紙、コート
紙、アート紙等の記録媒体に記録を行うと、顔料がこれらの内部に浸透してしまい、光学
濃度が不足しやすいという課題があった。
かかる課題を解決するために、例えば特許文献1には、自己分散型顔料を含むインクと
は別に、顔料凝集剤、水及び水溶性有機溶剤を含む反応液を用意して、前記インク液滴量
を35pL以下とし、前記インクによる記録部分に前記反応液をインクジェット方式によ
り重ね打ちする記録方法が開示されている。
また、特許文献2にも、顔料インク凝集能及び皮膜形成能を有する反応液を記録面に塗
布した後、顔料インクを吐出して画像を記録し、さらに加熱乾燥することで、記録面上に
皮膜を形成するインクジェット記録方法が開示されている。
特開2010−234582号公報 特開2003−326829号公報
インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体に反応液を付着させる場合、反応液
が記録媒体の内部に浸透し難いため、反応液を乾燥させるための乾燥工程が必須であった
。乾燥工程としては、記録媒体を加熱する方法、または、着色インク組成物を付着させる
までのウエイト時間を確保する方法などが考えられる。しかしながら、記録媒体を加熱し
て反応液の乾燥性を高める方法では、加熱が過度の場合、その輻射熱によりインクジェッ
トヘッドのノズルが乾燥し易くなるため、インクジェットヘッドの信頼性が低下してしま
う。一方、ウエイト時間を確保して反応液を乾燥させる方法では、印刷速度が低下するた
め、その結果記録生産性の低下に繋がってしまう。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで
、インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体への印字安定性及び記録生産性に優
れた記録を実現できると共に、画質や耐久性にも優れた画像を記録することができる記録
方法を提供するものである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態
様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る記録方法の一態様は、
インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体へ、着色インク組成物を凝集または
増粘させる反応剤を0.1〜0.9mol/kgの含有量で含む反応液を、当該反応液の
付着量を1.9mg/inch2以下としてインクジェット法により液滴として吐出して
付着させる反応液付着工程と、
前記反応液を付着させた記録媒体へ着色インク組成物を付着させる着色インク組成物付
着工程と、を備え、
前記反応液の付着の終了から前記着色インク組成物の付着の開始までの時間が30秒以
内であり、前記反応液付着工程から前記着色インク組成物付着工程までの記録媒体の表面
温度が38℃以下であることを特徴とする。
適用例1の記録方法によれば、反応液付着工程で用いる反応液中の反応剤の濃度及び反
応液の付着量を制御することで、反応液の過度の乾燥工程を経ることなく、インク非吸収
性あるいはインク低吸収性の記録媒体への印字安定性及び生産性に優れた記録を実現でき
、また画質や耐久性にも優れた画像を記録することもできる。
[適用例2]
適用例1の記録方法において、
前記反応液付着工程における前記反応液の液滴(1dot)当たりの質量が10ng/
dot以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の記録方法において、
前記反応液付着工程の前記反応液の最大付着量の領域における液滴の解像度が、200
×200dpi以上であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の記録方法において、
前記反応液付着工程の反応剤の付着量が1000nmol/inch2以下であること
ができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の記録方法において、
前記反応液付着工程から前記着色インク組成物付着工程まで、前記記録媒体の温度が3
2〜38℃であるとすることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の記録方法において、
前記着色インク組成物が樹脂を含み、前記樹脂が、1質量%樹脂含有水溶液(水分散液
)3mLを凝集させるために必要な0.085mol/kg酢酸カルシウム水溶液の体積
が0.1〜7mLである樹脂を含むことができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の記録方法において、
前記記録媒体の吸水率が、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30
msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例の記録方法において、
前記反応剤として、多価金属塩及び有機酸よりなる群から選択される少なくとも1種を
含むことができる。
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれか一例に記載の記録方法において、
前記着色インク組成物付着工程の着色インク組成物の付着量が5mg/inch2以上
の記録領域において、前記反応液の付着量を0.3〜1.9mg/inch2とする、と
することができる。
[適用例10]
本発明に係る記録装置の一態様は、
適用例1ないし適用例9のいずれか一例の記録方法を行うための記録装置であることを
特徴とする。
本実施形態に係る記録方法に用いる画像記録装置の一例を模式的に示す図。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明
の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではな
く、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.記録方法
本実施形態に係る記録方法は、インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体へ、
着色インク組成物を凝集または増粘させる反応剤を0.1〜0.9mol/kgの含有量
で含む反応液を、当該反応液の付着量を1.9mg/inch2以下でインクジェット法
により液滴として吐出して付着させる反応液付着工程と、前記反応液を付着させた記録媒
体へ着色インク組成物を付着させる着色インク組成物付着工程と、を備え、前記反応液の
付着の終了から前記着色インク組成物の付着の開始までの時間が30秒以内であり、前記
反応液付着工程から前記着色インク組成物付着工程までの記録媒体の表面温度が38℃以
下であることを特徴とする。
本発明における「画像」とは、ドット群から形成される記録パターンを示し、テキスト
印字、ベタ画像も含める。なお、「ベタ画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単
位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録し、通常、記録媒体の記録領域がイ
ンクで覆われ記録媒体の地が見えていないような画像であるべき画像パターンを意味する
以下、本実施形態に係る記録方法について、上記の工程ごとに詳細に説明する。
1.1.反応液付着工程
1.1.1.工程の説明
反応液付着工程は、インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体へ、後述する着
色インク組成物を凝集または増粘させる反応剤を0.1〜0.9mol/kgの含有量で
含む反応液を、インクジェット法により液滴として吐出して付着させる工程である。記録
媒体の記録領域に予め反応剤を付着させておき、当該反応剤と着色インク組成物とを接触
させると、着色インク組成物に含まれる成分(例えば着色剤や樹脂)と反応剤とが反応す
る。そうすると、着色インク組成物中の着色剤や樹脂の分散状態が破壊され、着色剤や樹
脂が凝集したり、着色インク組成物が増粘したりする。これにより、着色剤の記録媒体へ
の浸透を阻害できるため、記録画像の画質の向上の点で優れたものとなると考えられる。
反応液付着工程の反応液の付着量は1.9mg/inch2以下である。これにより、
記録物の画像をすぐれたものとすることができる。特に反応液の付着量が上記の範囲を超
えて多い場合、記録媒体に付着させた反応液に含む溶媒成分が多くなり、溶媒が多く存在
する反応液の層の中においてインク組成物が反応液と接触して反応することになり、記録
媒体に着弾したインク滴が、粒状の状態で凝集又は増粘してしまい、画像中にインク滴が
粒状に見える現象が見られた。反応液の付着量を上記の範囲以内にすることで、このよう
な現象が防止できる。
本発明における「インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体」とは、インク組
成物を全く吸収しない、またはほとんど吸収しない性質を有する記録媒体を指す。定量的
には、インク非吸収性またはインク低吸収性の記録媒体とは、「ブリストー(Brist
ow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下であ
る記録媒体」を指す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も
普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用さ
れている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」
の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている
。これに対して、インク吸収性の記録媒体とは、インク非吸収性あるいはインク低吸収性
の記録媒体に該当しない記録媒体のことを指す。
インク非吸収性の記録媒体としては、例えば、インク吸収層を有していないプラスチッ
クフィルム、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチック
フィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレ
タン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
インク低吸収性の記録媒体としては、表面にインクを受容するための塗工層が設けられ
た記録媒体が挙げられ、例えば、基材が紙であるものとしては、アート紙、コート紙、マ
ット紙等の印刷本紙が挙げられ、基材がプラスチックフィルムである場合には、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン
、ポリエチレン、ポリプロピレン等の表面に、親水性ポリマーが塗工されたもの、シリカ
、チタン等の粒子がバインダーとともに塗工されたものが挙げられる。
インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体に反応液を付着させる場合、反応液
が記録媒体の内部に浸透し難いため、記録媒体の記録領域に水が多く存在する反応液溜ま
りが生じる。水が多く存在する反応液溜まり中に着色インク組成物を打ち込むと、着色イ
ンク組成物に含まれる着色剤や樹脂が反応液溜まり中で粒状に凝集してしまい、却って画
質が低下してしまうことがあった。そのため、インク非吸収性あるいはインク低吸収性の
記録媒体に反応液を付着させる場合、反応液を乾燥させるための乾燥工程が必須となって
いた。
しかしながら、インクジェット法により反応液を液滴として吐出して記録媒体へ付着さ
せることで、該記録媒体上に反応液を薄く塗布する制御が可能となり、また薄く塗布して
最小限の塗布量で記録画像の画質を確保できることが判明した。そうしたところ、反応液
の塗布量が少ないため、記録媒体上に付着した水分量も少なく、反応液を乾燥させるため
の乾燥工程がなくても優れた画質を確保することができた。
また、反応液の乾燥工程としては、記録媒体を加熱して反応液の乾燥性を高める方法や
ウエイト時間を長く確保して反応液を乾燥させる方法などが考えられるが、これらの乾燥
工程を不要とすることにより印字安定性及び記録生産性が向上する。すなわち、記録媒体
を加熱して反応液の乾燥性を高める方法を行わない、または、必要最小限の加熱を行うこ
とで、その輻射熱によりインクジェットヘッドのノズルが乾燥し易くなることを防ぎ、イ
ンクジェットヘッドの印字安定性を確保することができる。一方、ウエイト時間を長く確
保して反応液を乾燥させる方法を行わないことで、印刷速度が速くなり、その結果記録生
産性の向上に繋がるのである。
インクジェット法を用いて反応液を記録媒体に付着させる際、ライン式インクジェット
ヘッドを用いて当該ヘッドと記録媒体の相対的な1回の走査で付着を行う形態、及びシリ
アル式インクジェットヘッドを用いて当該ヘッドと記録媒体のマルチパス方式により付着
を行う形態、のいずれの形態であってもよいが、印刷速度の速さという点では、前者の方
が好ましい。
インクジェット法を用いて反応液を記録媒体に付着させる際、反応液の付着量は1.9
mg/inch2以下の範囲内である。反応液の付着量の上限値は、好ましくは1.8m
g/inch2以下、より好ましくは1.5mg/inch2以下、さらに好ましくは1.
0mg/inch2以下である。当該領域の、反応液の付着量の下限値は、好ましくは0
.3mg/inch2以上、さらに好ましくは、0.4mg/inch2である。記録媒体
における反応液の付着量が前記範囲にあると、特に乾燥工程を行わずとも、または記録媒
体の表面温度を所定の範囲とする最小限の加熱工程を行うとした場合において、反応液の
乾燥が無いか又は少なく、反応液に含む溶媒成分が記録媒体に残っていた場合でも、記録
媒体に付着させた溶媒成分の付着量を比較的少ないものとできるため、記録物の画質を優
れたものとでき、かつ、記録媒体への印字安定性及び記録生産性に優れた記録を実現でき
る。特にインク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体へ記録する場合にこれらの効
果が有用である。また、記録媒体の記録領域に必要かつ十分量の反応剤が付着するため、
画質や耐久性にも優れた画像を記録することもできる。反応液の最大付着量が0.3mg
/inch2以上の場合、付着させた反応剤が足りず、または、反応液が記録媒体の内部
に浸透してしまって記録媒体の記録領域表面に反応剤がほとんど残らないことのため、着
色インク組成物を記録媒体の記録領域に付着させても反応が起こり難く、画質に優れた画
像が得られ難くなると、いうことが防止できる。一方、反応液の最大付着量が1.9mg
/inch2超の場合、記録媒体の記録領域に付着させた反応液の溶媒量が多く、反応液
溜まりが生じるため乾燥工程を行う必要が生じてしまう。そして、乾燥工程を行った場合
、上述のように印字安定性及び記録生産性に優れた記録を実現できない。
また、着色インク組成物付着工程の着色インク組成物の付着量が5mg/inch2
上、好ましくは5〜16mg/inch2の領域における、反応液付着工程の反応液の付
着量が0.3〜1.9mg/inch2とすることが、画質や、印字安定性及び記録生産
性が一層優れる点で好ましい。さらには、上記の場合において、着色インク組成物付着工
程の着色インク組成物の付着量は、5〜13mg/inch2の領域とすることが上記の
点でより好ましく、5〜10mg/inch2の領域とすることがさらに好ましい。この
場合において、着色インク組成物の付着量が5mg/inch2未満の領域においては、着
色インク組成物の付着量が少なくベタムラやブリードの発生がしない傾向があり、この領
域は、反応液の付着量は1.9mg/inch2以下とすること以外には限られるもので
はない。
ここで反応液付着工程の反応液の付着量は、記録方法において、記録を行う記録領域に
おいて反応液の付着量が異なる領域を有する場合は、付着量を同じくする一部の領域にお
ける反応液の付着量である。同様に、着色インク組成物付着工程の着色インク組成物の付
着量は、記録方法において、記録を行う記録領域において着色インク組成物の付着量が異
なる領域を有する場合は、付着量を同じくする一部の領域における着色インク組成物の付
着量である。
なお、記録媒体の記録領域における反応液中に含まれる反応剤の最大付着量は、100
0nmol/inch2以下とすることが好ましく、90〜1000nmol/inch2
とすることがより好ましい。反応剤の最大付着量の上限値は、より好ましくは700nm
ol/inch2以下、さらに好ましくは550nmol/inch2以下、さらに好まし
くは490nmol/inch2以下、一層好ましくは400nmol/inch2以下、
特に好ましくは300nmol/inch2以下である。一方、下限値は、好ましくは1
00nmol/inch2以上である。反応剤の最大付着量が前記範囲にあると、記録媒
体の記録領域に必要かつ十分量の反応剤が付着するため、画質や耐久性にも優れた画像を
記録することができる。さらに反応液の記録領域における最小付着量も上記の範囲内であ
る場合、上記の効果の点でより好ましい。反応剤の付着量の最大付着量及び最少付着量が
上記の範囲内の場合は、つまり、記録媒体の記録領域における反応液中に含まれる反応剤
の付着量が、上記の範囲であるということであり、記録媒体の記録領域における反応液中
に含まれる反応剤の付着量を上記の範囲とすることが好ましい。
インクジェット法を用いて反応液を記録媒体に付着させる際、反応液の最大付着量の領
域における液滴の解像度が200×200dpi以上であることが好ましい。解像度の下
限値は、より好ましくは300×300dpi以上、さらに好ましくは360×360d
pi以上、特に好ましくは600×600dpi以上である。解像度の上限値は、特に限
定されるものではないが、2000×2000dpi以下である。反応液の最大付着量の
領域における液滴の解像度が前記範囲にあることで、反応剤を記録媒体の記録領域に均一
に付着させることができ、また反応液の乾燥性を向上できる点でも好ましい。
インクジェット法を用いて反応液を記録媒体に付着させる際、反応液の液滴(1dot
)当たりの質量が20ng/dot以下であることが好ましい。反応液の液滴当たりの質
量の上限値は、より好ましくは10ng/dot以下、さらに好ましくは7ng/dot
以下、一層好ましくは5ng/dot以下、特に好ましくは3ng/dot以下である。
反応液の液滴当たりの質量の下限値は、より好ましくは0.5ng/dot以上、特に好
ましくは1ng/dot以上である。反応液の液滴当たりの質量が前記範囲にあることで
、反応剤を記録媒体の記録領域に均一に付着させることができ、また反応液の乾燥性を向
上できる点でも好ましい。
なお、反応液付着工程の前に、記録媒体の反応液に対する濡れ性を高めるために、記録
媒体の表面改質を行う表面改質工程を行ってもよい。例えば、インク低吸収性あるいはイ
ンク非吸収性の記録媒体表面のぬれ張力指数を40mN/m以上とするように表面改質を
行うことで、反応液の濡れ拡がり性を向上でき、反応液を記録媒体上で均一に付着させる
ことができる。ここで、「ぬれ張力指数」とは、「プラスチック−フィルム及びシート−
ぬれ張力試験方法(JIS K6768:1999)」に準じて測定されるぬれ張力のこ
とである。
このような表面改質工程としては、特に限定されるものではなく、例えばコロナ処理、
大気圧プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理、溶剤処理、樹脂液の付着処理(例
えば、プライマー処理)等が挙げられる。これらの処理方法は、公知の装置を用いて行う
ことができる。
1.1.2.反応液
次に、反応液付着工程で用いられる反応液について説明する。本実施形態で用いられる
反応液は、後述する着色インク組成物を凝集または増粘させるための反応剤、その他の成
分を含有している。以下、本実施形態で用いられる反応液に含まれる成分及び含まれ得る
成分ついて詳細に説明する。
<反応剤>
本実施形態で用いられる反応液は、着色インク組成物に含まれる成分(例えば、着色剤
や樹脂)に作用して、凝集または増粘を生じさせる反応剤を含有する。反応剤としては、
例えば多価金属塩、有機酸、カチオン性化合物(カチオン性樹脂、カチオン性界面活性剤
等)が挙げられる。これらの反応剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。これらの反応剤の中でも、着色インク組成物に含まれる成分との反応性に優れるとい
う観点から、多価金属塩及び有機酸よりなる群から選択される少なくとも1種の反応剤を
用いることが好ましい。
多価金属塩としては、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰
イオンとから構成され、水に可溶な化合物である。多価金属イオンの具体例としては、C
2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオン;Al3+、Fe3+
、Cr3+などの三価金属イオンが挙げられる。陰イオンとしては、Cl-、I-、Br-
SO4 2-、ClO3-、NO3-、及びHCOO-、CH3COO-などが挙げられる。これらの
多価金属塩の中でも、反応液の安定性や反応剤としての反応性の観点から、カルシウム塩
及びマグネシウム塩が好ましい。
多価金属塩の具体例としては、強酸とアルカリの塩、例えば硝酸塩(硝酸カルシウム、
硝酸マグネシウム等)、硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等)、塩酸塩などが
挙げられる。また、ギ酸塩、酢酸塩などの弱酸とアルカリの塩も使用可能である。
有機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコ
ール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フ
マル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、
ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマ
リン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこ
れらの塩等が好適に挙げられる。有機酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
カチオン性樹脂としては、例えば、カチオン性のウレタン樹脂、カチオン性のオレフィ
ン樹脂、カチオン性のアリルアミン樹脂等が挙げられる。
カチオン性のウレタン樹脂としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。
カチオン性のウレタン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、ハイドラン
CP−7010、CP−7020、CP−7030、CP−7040、CP−7050、
CP−7060、CP−7610(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、スーパ
ーフレックス 600、610、620、630、640、650(商品名、第一工業製
薬株式会社製)、ウレタンエマルジョン WBR−2120C、WBR−2122C(商
品名、大成ファインケミカル株式会社製)等を用いることができる。
カチオン性のオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン等のオレフィンを構造骨格に有
するものであり、公知のものを適宜選択して用いることができる。また、カチオン性のオ
レフィン樹脂は、水や有機溶媒等を含む溶媒に分散させたエマルジョン状態であってもよ
い。カチオン性のオレフィン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、アロー
ベースCB−1200、CD−1200(商品名、ユニチカ株式会社製)等が挙げられる
カチオン性のアリルアミン樹脂としては、公知のものを適宜選択して用いることができ
、例えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミンアミド硫酸塩、アリルアミン塩酸
塩・ジアリルアミン塩酸塩コポリマー、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩コポ
リマー、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩コポリマー、アリルアミン塩酸塩・
ジメチルアリルアミン塩酸塩コポリマー、アリルアミン・ジメチルアリルアミンコポリマ
ー、ポリジアリルアミン塩酸塩、ポリメチルジアリルアミン塩酸塩、ポリメチルジアリル
アミンアミド硫酸塩、ポリメチルジアリルアミン酢酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニ
ウムクロリド、ジアリルアミン酢酸塩・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルメチルエチルア
ンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄コポリマー、メチルジアリルアミン塩酸塩・
二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄コポリマー
、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミドコポリマー等を挙げることが
できる。このようなカチオン性のアリルアミン系樹脂としては、市販品を用いることがで
き、例えば、PAA−HCL−01、PAA−HCL−03、PAA−HCL−05、P
AA−HCL−3L、PAA−HCL−10L、PAA−H−HCL、PAA−SA、P
AA−01、PAA−03、PAA−05、PAA−08、PAA−15、PAA−15
C、PAA−25、PAA−H−10C、PAA−D11−HCL、PAA−D41−H
CL、PAA−D19−HCL、PAS−21CL、PAS−M−1L、PAS−M−1
、PAS−22SA、PAS−M−1A、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS
−H−10L、PAS−92、PAS−92A、PAS−J−81L、PAS−J−81
(商品名、ニットーボーメディカル会社製)、ハイモ Neo−600、ハイモロック
Q−101、Q−311、Q−501、ハイマックス SC−505、SC−505(商
品名、ハイモ株式会社製)等を用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、第1級、第2級及び第3級アミン塩型化合物
、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4
級アンモニウム塩、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、スルホニ
ウム塩、ホスホニウム塩、オニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。カチオン性
界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン、ヤシアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、
酢酸塩等、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジメ
チルエチルラウリルアンモニウムエチル硫酸塩、ジメチルエチルオクチルアンモニウムエ
チル硫酸塩、トリメチルラウリルアンモニウム塩酸塩、セチルピリジニウムクロライド、
セチルピリジニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミン、デシルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テ
トラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロラ
イド、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
反応液に含まれる反応剤の含有量は、反応液1kgに対して、0.1mol/kg以上
0.9mol/kg以下であることが好ましい。反応剤の含有量の下限値は、0.3mo
l/kg以上であることがより好ましい。一方、上限値は、0.7mol/kg以下であ
ることがより好ましい。反応剤の含有量が前記範囲にあると、インクジェット方式による
反応液の最大付着量が0.3〜1.9mg/inch2という少量であっても、記録媒体
の記録領域に必要かつ十分量の反応剤が付着し、着色インク組成物中の成分と十分に反応
して凝集または増粘が引き起こされるため、記録物の印刷品質(画質や画像耐久性)が良
好となる傾向がある。
<水>
本実施形態で用いられる反応液は、水を主溶媒とすることが好ましい。この水は、反応
液を記録媒体の記録領域に付着させた後、乾燥により蒸発飛散する成分である。水として
は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性
不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射または過酸化水素添
加等により滅菌した水を用いると、反応液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生
を防止できるので好適である。反応液に含まれる水の含有量は、反応液の全質量に対して
、例えば50質量%以上とすることができる。
<有機溶剤>
本実施形態で用いられる反応液には、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤を添加する
ことにより、記録媒体に対する反応液の濡れ性を向上させることができる。有機溶剤とし
ては、後述の着色インク組成物で例示する有機溶剤と同様のもの使用できる。有機溶剤の
含有量は、特に限定されるものではないが、反応液の全質量に対して、例えば1質量%以
上40質量%以下とすることができる。
<界面活性剤>
本実施形態で用いられる反応液には、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤を添加
することにより、反応液の表面張力を低下させ、記録媒体との濡れ性を向上させることが
できる。界面活性剤の中でも、例えばアセチレングリコール系界面活性剤、シリコン系界
面活性剤、フッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。これらの界面活性剤の具
体例については、後述の着色インク組成物で例示する界面活性剤と同様のものを使用でき
る。界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、反応液の全質量に対して、
0.1質量%以上1.5質量%以下とすることができる。
<その他の成分>
本実施形態で用いられる反応液には、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、
防錆剤、キレート化剤等を添加してもよい。
1.2.着色インク組成物付着工程
1.2.1.工程の説明
着色インク組成物付着工程は、上述した反応液付着工程の後に、反応液を付着させる記
録領域に対して、着色インク組成物を付着させる工程である。着色インク組成物付着工程
は、インクジェット記録用ヘッドのノズルから着色インク組成物の液滴を吐出させて、上
述した記録媒体の反応液を付着させる記録領域に付着させることにより、当該記録領域に
画像を記録するものである。これにより、記録媒体の記録領域に着色インク組成物からな
る画像が形成される。なお、着色インク組成物付着工程は、インクジェット記録用ヘッド
のノズルから着色インク組成物の液滴を吐出させて行うインクジェット法以外に、凸版印
刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷などの各種印刷方法により行っても良い。これらのう
ち、印刷コスト低減や、印刷速度向上や、記録装置が消費するエネルギーの低減の点で、
インクジェット法が好ましい。
着色インク組成物付着工程は、前記反応液付着工程の完了から30秒以内に行う。すな
わち、反応液の付着の終了から着色インク組成物の付着の開始までの時間が30秒以内で
ある。上限値は、好ましくは25秒以内、より好ましくは20秒以内、さらにより好まし
くは10秒以内である。下限値は、0秒以上、好ましくは0.05秒以上、より好ましく
は0.1秒以上、さらに好ましくは0.5秒以上、特に好ましくは1秒以上である。着色
インク組成物付着工程を反応液付着工程の完了から30秒以内に行うことにより、記録生
産性を優れたものにできる。インクジェット方式による反応液の付着量が1.9mg/i
nch2以下とすることで、反応液の付着の終了から着色インク組成物の付着の開始まで
の時間を上記の範囲とした場合でも、優れた画質とすることができる。また、記録媒体の
内部に反応液が完全に浸透する前に着色インク組成物の付着を開始することができる。そ
のため、記録媒体の記録領域において、反応剤と着色インク組成物に含まれる成分とを充
分に反応させることができるので、記録画像の画質や耐久性がより向上する。また、乾燥
工程が不要または少なくなることから、印字安定性や生産性が良好となる。
また、反応液付着工程から着色インク組成物付着工程までの記録媒体の表面温度は38
℃以下である。記録媒体の表面温度の上限値は、好ましくは35℃以下、より好ましくは
30℃以下、さらにより好ましくは25℃以下である。下限値は、特に限定されないが、
好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、さらにより好ましくは10℃以上、特に
好ましくは15℃以上である。記録媒体の表面温度が38℃以下であることは、記録媒体
を加熱する加熱工程を行わない、または、記録媒体の表面温度をこの範囲として必要最小
限の加熱を行う、と言い換えることもできる。加熱工程とは、記録媒体に熱を与えて表面
温度を上昇させる工程である。加熱工程を行わない、または必要最小限の加熱を行うこと
で、インクジェットヘッドのノズルでのインクの乾燥を抑制できるため、印字安定性が良
好となる。記録媒体を加熱する加熱工程を行わない場合、印字安定性が一層良好となる点
で好ましい。一方、記録媒体の表面温度を上記の範囲として加熱工程を行う場合、印字安
定性を維持しつつ画質を一層優れるものとすることができる点や、記録生産性を一層優れ
たものにするために有利である点で、好ましい。この点で、記録媒体の表面温度は、20
℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、32℃以上
が特に好ましい。反応液付着工程における反応液の付着量を1.9mg/inch2以下と
することで、記録媒体の表面温度を上記の範囲とした場合でも画質を優れたものとできる
着色インク組成物の記録領域への付着量は、好ましくは16mg/inch2以下、よ
り好ましくは13mg/inch2以下、さらに好ましくは10mg/inch2以下であ
る。また、より好ましくは、5mg/inch2以上10mg/inch2以下、さらによ
り好ましくは5mg/inch2以上8mg/inch2以下である。着色インク組成物の
記録領域への付着量が前記範囲にあると、記録領域における反応剤の付着量と着色インク
組成物に含まれる反応成分の付着量との相対的な割合が適量となり記録画像の画質や耐久
性がさらに良好となり、また印刷速度も速くできる点で好ましい。
また、着色インク組成物の記録領域への付着量が5mg/inch2以上、好ましくは
5mg/inch2以上、16mg/inch2以下である記録領域において、前述の反応
液付着工程の反応液の付着量を、0.3mg/inch2以上1.9mg/inch2とす
ることが、着色インク組成物の反応を十分なものにしつつ記録物の画質や耐久性を一層優
れたものにできる点で好ましい。この場合において、記録方法は、記録を行う記録領域に
おいて、着色インク組成物の記録領域への付着量が5mg/inch2未満である領域を
さらに備えてもよい。この領域は、色の薄い画像領域などであるが、着色インク組成物の
記録領域への付着量が少ない領域であり、ベタムラやブリードなどにより画質が低下する
問題が発生しにくい傾向があることから、この領域の反応液付着工程の反応液の付着量は
1.9mg/inch2以下であればよく、反応液の付着量の下限は限るものではなく、
反応液の付着を行わないとしてもよいし、0.3mg/inch2未満としてもよい。よ
り好ましくは、着色インク組成物の記録領域への付着量が3mg/inch2以上、16
mg/inch2以下である記録領域において、反応液付着工程の反応液の付着量を、0
.3mg/inch2以上、1.9mg/inch2とすることであり、さらに好ましくは
、着色インク組成物の記録領域への付着量が1mg/inch2以上、16mg/inc
2以下である記録領域において、反応液付着工程の反応液の付着量を、0.3mg/i
nch2以上、1.9mg/inch2以下とすることである。
なお、着色インク組成物付着工程の後、記録媒体の記録領域に付着させた着色インク組
成物を乾燥させる乾燥工程を備えていてもよい。この場合には、記録媒体の記録領域に付
着させた着色インク組成物に触れた際に、べたつきが感じられない程度まで乾燥を行うこ
とが好ましい。着色インク組成物の乾燥工程は、自然乾燥で行ってもよく、加熱を伴う乾
燥であってもよい。着色インク組成物の加熱方法は、特に限定されるものではないが、例
えばヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げ
られる。また、加熱の熱源としては、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。
1.2.2.着色インク組成物
次に、着色インク組成物付着工程で用いられる着色インク組成物に含まれる成分及び含
まれ得る成分ついて詳細に説明する。
<樹脂>
着色インク組成物に含まれる樹脂は、当該樹脂を1質量%含有する水溶液または水分散
液3mLを凝集させるために必要な0.085mol/kg酢酸カルシウム水溶液の体積
が0.1mL〜7mL以下(好ましくは5mL以下、より好ましくは3mL以下、さらに
好ましくは2mL以下、特に好ましくは1mL以下、下限値は入手容易さの観点から0.
5mL以上)の樹脂であることが好ましい。このような樹脂は、前述の反応剤との反応性
が高いため、記録媒体の記録領域において反応剤と速やかに反応する。これにより、着色
インク組成物中の樹脂の分散状態が破壊され、着色インク組成物が凝集又は増粘する。そ
して、この凝集物が、着色剤の記録媒体への浸透を阻害するため、その後に付着させる着
色インク組成物の着弾干渉、滲みを防止でき、ラインや微細像などを均質に描画できる。
そのため、記録画像の画質の向上の点で優れたものとなると考えられる。また、着色イン
ク組成物に含まれる樹脂と反応剤とが速やかに反応することで、臭気を低減することもで
きる。
このような反応性の高い樹脂とするためには、特に制限されるものではないが、(1)
アニオン性官能基を表面に導入したアニオン性樹脂としたり、(2)酸価5mgKOH/
g以上(好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは40mg/KOH以上)の
樹脂としたり、(3)乳化剤によらない自己分散型樹脂とすることが好ましい。ここで、
「アニオン性樹脂」とは、樹脂全体として、負電荷を有する樹脂をいう。また、「自己分
散型樹脂」とは、分散剤が不要で、それ自身で分散できる樹脂をいう。
樹脂の材質としては、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ
エステル樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。
樹脂の形態としては、樹脂粒子(樹脂エマルジョン)や水溶性樹脂を用いることができ
るが、前述の効果の点では樹脂粒子(樹脂エマルジョン)が好ましい。
これらの中でも、表面にアニオン性官能基を有するアニオン性樹脂エマルジョンは、反
応性をより高くする(反応に関する体積を小さくする)ことができ、静電相互作用により
反応剤と速やかに結合できる点で好ましい。アニオン性官能基としては、例えばカルボキ
シル基、スルホン酸基、リン酸基、またはこれらに由来する基等が挙げられる。
本明細書において「酸価」とは、樹脂固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数
を意味し、JIS K0070に記載の方法、例えば電差滴定法により測定することがで
きる。
樹脂の固形分含有量は、着色インク組成物の全質量に対して、下限値は反応剤と十分に
反応させる点で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、特に
好ましくは0.5質量%以上である。一方、上限値は、着色インク組成物の保存安定性や
吐出安定性の点で、好ましくは13質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに
好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
<着色剤>
本実施形態で用いられる着色インク組成物は、着色剤を含有する。着色剤としては、本
発明の効果が得られやすいという観点から、顔料又は酸性染料を好ましく用いることがで
きる。
顔料のうち、無機顔料としては、例えばカーボンブラック、酸化鉄、及び酸化チタンが
挙げられる。上記のカーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネ
スブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.
ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、例えば
、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No
.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名
、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、カラーブラックFW1、FW
2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス3
5、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名
、デグサ社(Degussa AG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、
5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボ
ン社(Columbian Carbon Japan Ltd)製)、コロンビアンケミカルズ(Columbian Chemic
als)製、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800
、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以
上全て商品名、キャボット社(Cabot Corporation)製)が挙げられる。
有機顔料としては、例えばキナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料
、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロー
ル系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ
系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及び
アゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15
、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22
、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21
、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48
(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、
146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、
178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、
254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38
、43、50が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、
4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37
、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、
99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、1
29、133、138、139、147、151、153、154、155、167、1
72、180、185、213が挙げられる。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料と
しては、従来公知のものが挙げられる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよく、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
酸性染料としては、アゾ系、アントラキノン系、ピラゾロン系、フタロシアニン系、キ
サンテン系、インジゴイド系、トリフェニルメタン系等の酸性染料が挙げられる。酸性染
料の具体例としては、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142
、C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289、C.I.アシッ
ドブルー9、45、249、C.I.アシッドブラック1、2、24、94等が挙げられ
る。これらの酸性染料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
<水>
本実施形態で用いられる着色インク組成物は、水を主溶媒とすることが好ましい。この
水は、着色インク組成物を記録媒体の記録領域に付着させた後、乾燥により蒸発飛散する
成分である。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超
純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照
射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、着色インク組成物を長期保存す
る場合にカビやバクテリアの発生を防止できるので好適である。着色インク組成物に含ま
れる水の含有量は、着色インク組成物の全質量に対して、例えば50質量%以上とするこ
とができる。
<有機溶剤>
本実施形態で用いられる着色インク組成物には、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤
を添加することにより、記録媒体に対する着色インク組成物の濡れ性を向上させたり、記
録媒体への記録画像の定着性を向上させたり、吐出ヘッドでの乾燥を防ぎ吐出安定性を高
めたりする機能をインクに付与することができる。
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば1,2−アルカンジオール類、多価ア
ルコール類(1,2−アルカンジオール類を除く。)、ピロリドン誘導体、グリコールエ
ーテル類等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オク
タンジオール等が挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対する着色イ
ンク組成物の濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れている。1,2−アルカンジオール
類を含有する場合には、その含有量が、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上2
0質量%以下とすることができる。
多価アルコール類(1,2−アルカンジオール類を除く。)としては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ト
リメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類を含有する場合に
は、着色インク組成物の全質量に対して、2質量%以上30質量%以下とすることができ
る。
ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−
ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリド
ン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。ピロリドン誘導体は、樹脂の良好な溶
解剤として作用する。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノイソブチルエーテル
、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエー
テル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコール
モノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテ
ル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
イソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチ
レングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−
エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エ
チレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチ
レングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メ
チルペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独か又は
2種以上を混合して使用することができる。グリコールエーテル類は、インク組成物の記
録媒体に対する濡れ性などを制御することできる。
有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、着色インク組成物の全質量に対
して、例えば1質量%以上40質量%以下とすることができる。
<界面活性剤>
本実施形態に係る着色インク組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、
インクの表面張力を低下させることで、記録媒体との濡れ性を向上させる機能を有する。
界面活性剤の中でも、例えばアセチレングリコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤
、フッ素系界面活性剤などを好ましく用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えばサーフィノ
ール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、
104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、50
4、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、
DF110D(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィン
B、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−00
2W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4
051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商
品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100
(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ま
しく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポ
リエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキ
サンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、B
YK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK
社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−35
5A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、K
F−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015
、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例と
しては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、着色インク組成物の全質量に対して、
0.1質量%以上1.5質量%以下とすることができる。
<その他の成分>
本実施形態で用いられるインク組成物は、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび
剤、防錆剤、キレート化剤等を含有してもよい。
1.3.各インク組成物の物性
本実施形態で用いられる反応液及び着色インク組成物(本明細書において「各インク組
成物」ともいう。)は、画像品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバ
ランスの観点から、20℃における表面張力が18mN/m以上35mN/mであること
が好ましく、20mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面
張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製
)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認す
ることにより測定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態で用いられる各インク組成物の20℃における粘度
は、2mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上8m
Pa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機M
CR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定す
ることができる。
2.記録装置
上述した本実施形態に係る記録方法を実施可能な画像記録装置の一例について、図面を
参照にしながら説明する。なお、本実施形態に係る記録方法に使用できる画像記録装置は
、以下の態様に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る記録方法を実施可能な画像記録装置を模式的に示す図である
。画像記録装置100は、記録媒体1を搬送する搬送手段10と、反応液を記録媒体の記
録領域に付着させる反応液付着手段20と、着色インク組成物を記録媒体の記録領域に付
着させる着色インク組成物付着手段30と、を備える。
2.1.搬送手段
搬送手段10は、例えばローラー11によって構成されることができる。搬送手段10
は、複数のローラー11を有してもよい。搬送手段10は、記録媒体1が搬送できる限り
、設けられる位置や個数は任意である。搬送手段10は、給紙ロール、給紙トレイ、排紙
ロール、排紙トレイ、及び各種のプラテンなどを備えてもよい。
なお、図1では、記録媒体1が連続体である場合を例示しているが、記録媒体1が単票
であっても、搬送手段10を適宜に構成することで、上記のような記録媒体の搬送を行う
ことができる。
2.2.反応液付着手段
反応液付着手段20は、記録媒体1の記録領域に反応液を付着させて、反応液に含まれ
る反応剤を記録領域に付与する手段である。反応液付着手段20は、反応液を吐出するノ
ズルを備えたインクジェット記録用ヘッド21を備える。反応液をインクジェット記録用
ヘッド21のノズルから吐出させる方式としては、例えば以下のものが挙げられる。具体
的には、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルから液滴
状の反応液を連続的に吐出させ、反応液の液滴が偏向電極間を飛翔する間に記録情報信号
に対応して吐出させる方式(静電吸引方式);小型ポンプで反応液に圧力を加え、ノズル
を水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的に反応液の液滴を吐出させる方
式;反応液に圧電素子で圧力と記録情報信号を同時に加え、反応液の液滴を吐出・記録さ
せる方式(ピエゾ方式);樹脂液を記録情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、
反応液の液滴を吐出・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。反応液
付着手段20は、本実施形態に係る記録方法における反応液付着工程に使用される。
2.3.着色インク組成物付着手段
着色インク組成物付着手段30は、反応液が付着した記録領域に着色インク組成物の液
滴を付着させて、記録画像を形成する手段である。着色インク組成物付着手段30は、着
色インク組成物を吐出するノズルを備えたインクジェット記録用ヘッド31を備える。着
色インク組成物をインクジェット記録用ヘッド31のノズルから吐出させる方式は、反応
液付着手段20で説明した方式と同様である。着色インク組成物付着手段30は、本実施
形態に係る記録方法における着色インク組成物付着工程に使用される。
2.4.インクジェット記録用ヘッド
上述の反応液付着手段20及び着色インク組成物付着手段30においては、シリアル型
の記録用ヘッドを備えたインクジェット記録装置、及びライン型の記録用ヘッドを備えた
インクジェット記録装置のいずれも用いることができる。
シリアル型の記録用ヘッドを備えたインクジェット記録装置とは、記録用ヘッドを記録
媒体に対して相対的に移動させつつ該インク組成物を吐出させる走査(パス)を、複数回
行うことによって記録を行うものである。シリアル型の記録ヘッドの具体例には、記録媒
体の幅方向(記録媒体の搬送方向に交差する方向)に移動するキャリッジに記録用ヘッド
が搭載されており、キャリッジの移動に伴って記録用ヘッドが移動することにより記録媒
体上に液滴を吐出するものが挙げられる。
一方、ライン型の記録用ヘッドを備えたインクジェット記録装置は、記録用ヘッドを記
録媒体に対して相対的に移動させつつ該インク組成物を吐出させる走査(パス)を1回行
うことにより記録を行うものである。ライン型の記録用ヘッドの具体例には、記録用ヘッ
ドが記録媒体の幅よりも広く形成され、記録用ヘッドが移動せずに記録媒体上に液滴を吐
出するものが挙げられる。
2.5.乾燥手段
画像記録装置100は、着色インク組成物付着手段30の後に、乾燥手段40を設けて
もよい。乾燥手段40を設けることにより、記録媒体に付着させた着色インク組成物から
液状媒体を速やかに蒸発飛散させて、記録画像を速やかに形成することができる。乾燥手
段40としては、着色インク組成物に含まれる液状媒体の蒸発飛散を促進させる構成を備
えていれば、特に制限されない。例えば、記録媒体に熱を加える手段、反応液に風を吹き
付ける手段、さらにそれらを組み合わせる手段等が挙げられる。具体的には、強制空気加
熱、輻射加熱、電導加熱、公衆波乾燥、マイクロ波乾燥等が好ましく用いられる。画像記
録装置100は、記録画像の乾燥を自然乾燥で行う場合には、乾燥手段40を設けなくて
もよい。
さらに、画像記録装置100は、反応液付着手段20の場所と着色インク組成物付着手
段30の場所とそれらの間の場所、の少なくともいずれかに、図示しない反応液を乾燥さ
せる手段を備えていても良い。この乾燥手段の具体的な構成は、上述の乾燥手段40と同
様なものとすればよい。この乾燥手段により、記録媒体に付着させた反応液を着色インク
組成物の付着の前に、乾燥を行う。ただし乾燥をおこなう際でも、記録媒体の温度や着色
インク組成物の付着の開始までの時間は前述のものとする。
3.実施例
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこ
れらの実施例のみに限定されるものではない。
3.1.各インク組成物の調製
<反応液の調製>
表1の配合割合になるように各成分を混合攪拌した後、10μmのメンブランフィルタ
ーでろ過することにより、各反応液(H1〜H4)を調製した。表1中の数値は、全て質
量%を示し、イオン交換水は反応液の全質量が100質量%となるように添加した。
<着色インク組成物の調製>
表1の配合割合になるように各成分を混合攪拌した後、10μmのメンブランフィルタ
ーでろ過することにより、着色インク組成物(C1〜C3)を調製した。表1中の数値は
、全て質量%を示し、イオン交換水は着色インク組成物の全質量が100質量%となるよ
うに添加した。
<樹脂の反応性試験>
表1に記載の樹脂を1質量%含む樹脂液3mLに、0.085mol/kg硝酸カルシ
ウム水溶液を滴下しながら混合攪拌し、混合液に沈殿物が発生したか否かを目視で確認し
た。これらの樹脂の凝集に必要な0.085mol/kg硝酸カルシウム水溶液の体積を
表1に併せて示す。
<各インク組成物の組成及び物性>
上記で得られた各インク組成物の組成及び物性を下表1に示す。
Figure 0006714810
なお、表1において化合物名以外で記載した成分は、以下の通りである。
<色材>
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
<界面活性剤>
・シリコン系界面活性剤(商品名「BYK−348」、ビックケミー・ジャパン株式会
社製)
<樹脂>
・ポリエチレン樹脂A(商品名「AQUASER507」、ビックケミー・ジャパン株
式会社製、平均粒子径:50nm、Tg:60℃)
・ポリエチレン樹脂B(商品名「AQUASER515」、ビックケミー・ジャパン株
式会社製、平均粒子径:50nm、Tg:60℃)
・ポリエステル樹脂(商品名「エリーテルKT−8701」、ユニチカ株式会社製、平
均粒子径:50nm、Tg:60℃)
3.2.記録方法
インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)を改造した
ものを用いた。インクジェットヘッドは、ノズル列のノズル密度が600dpiのものを
使用した。インターレース記録を行うことで記録解像度を増やすことが可能である。反応
液と着色インク組成物をそれぞれ1ノズル列ずつ充填した。プラテンにヒーターを取り付
けて、記録中の記録媒体の温度の調整が可能となるようにした。記録媒体の温度が30℃
を超える例は、このヒーターを使用して温度を調整した。記録媒体の温度が30℃以下の
例は、室温を調整して温度を調整した。反応液記録の完了後、プラテン上で所定の放置時
間を設けた後、記録媒体を逆送りして再び搬送しパターンに重ねて着色インク組成物の付
着をし、反応液付着完了から着色インク組成物付着開始までの時間(ウエイト時間)を調
整した。記録媒体へ15×15cmのテストパターンを記録領域として設定し、この記録
領域へ記録した。着色インク組成物の付着後、プリンターから排出した記録媒体を55℃
で15分間加熱した。記録中の記録媒体の温度は、インクジェットヘッドと対向する位置
の記録媒体の表面の温度である。
<反応液記録条件>
・反応液付着量が表2〜表3中の付着量となるように、また付着領域の平均の記録解像
度が表2〜表3中の値となるように制御した。
・ドットサイズ(吐出液滴当たりの液量):表2〜表3中に記載。
<着色インク組成物記録条件>
・記録解像度(吐出する液滴の密度):1200×1200dpi
・インク付着量:6.8mg/inch2
<記録媒体>
・記録媒体種1:吸水率1mL/m2以下の記録媒体:商品名「PET50A PLシ
ン」、リンテック株式会社製、非吸収性(極低吸収性)PETフィルム。
・記録媒体種2:吸水率8mL/m2の記録媒体:商品名「キャスト73」、大王製紙
株式会社製、低吸収性コート紙。
3.3.評価試験
<画質>
上記の記録方法により得られた記録物について、画質を目視で確認し、下記評価基準に
基づいて評価した。ベタムラやブリードなどの画質の劣化が見られるか否かや、インク滴
が粒状にみえる現象の有無について観察した。
(評価基準)
A:パターン内部のムラなし。パターン周囲のブリードなし。非常に良好。
B:パターン内部のムラなし。パターン周囲のブリードあり。良好。
C:パターン内部にかなりのムラがある。
D:パターン内部にインク滴が粒状に見え、画像が見苦しい。
<印字安定性>
上記のインクジェットプリンターPX−G930にて、A4サイズのベタ画像を10枚
印刷した際のノズルの状態を目視で確認し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:ドットの抜け、曲がりなし。非常に良好。
B:ドットの抜け、曲がり一部あり(4ノズル以内)。良好。
C:ドットの抜け、曲がりあり(5ノズル以上、8ノズル以内)。
D:ドットの抜け。曲りがある(9ノズル以上)。
<記録物耐久性>
上記の記録方法により得られた記録物について、学振型摩擦堅牢度試験機(装置名「A
B−301」、テスター産業株式会社製)を用いて耐久性の評価を行った。具体的には、
画像の記録された記録領域を、白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子
で、荷重500gをかけて50回擦った。
(評価基準)
A:白綿布に汚れは認められるが、画像の剥がれがない。非常に良好。
B:白綿布に汚れ及び、画像に一部剥がれが認められる(10%程度)。良好。
C:画像に剥がれが認められる。不良。
<記録物生産性>
上記の記録方法により、A4サイズの記録媒体へ100枚記録を行った。記録開始から
100枚目の排出までの時間を測定した。記録中、記録装置の性能維持のためのヘッドク
リーニングなどのメンテナンスも必要に応じて行った。
(評価基準)
A:1時間以内。
B:1時間超2時間以内。
C:2時間超。
3.4.評価結果
上記の記録方法及び評価試験に基づいて、実施例1〜13及び比較例1〜8を実施した
。各例の記録方法及び評価結果を下表2〜下表3に纏めた。
Figure 0006714810
Figure 0006714810
表2に示した実施例1〜13の記録方法によれば、反応液付着工程で用いた反応液中の
反応剤の濃度及び反応液の付着量を制御することで、反応液の乾燥工程を経ることなく、
インク非吸収性あるいはインク低吸収性の記録媒体への印字安定性及び生産性に優れた記
録を実現できることが判明した。また、かかる記録方法によれば、記録画像の画質や耐久
性に優れたカラー画像を記録できることも判明した。
実施例13では、反応液の付着量が0.2mg/inch2と少量であるため、記録媒
体の記録領域に付着した反応剤量が少なく、着色インク組成物に含まれる成分の凝集が不
足して、ベタ画像のパターン内部にかなりのムラが生じた。このことは、表中には記載し
なかったが、反応液付着工程を行わないこと以外は実施例1と同様にして評価を行ったと
ころ、画質評価結果が実施例13と似た結果となったことからも、着色インクの凝集が不
足したと推測される。ただし、パターン中にインク滴が粒状に見えるというものではなく
見苦しさは感じられなかった。
実施例12と実施例5の比較や、実施例11と実施例6と実施例1の比較から、記録媒
体を表面温度を38℃以下としつつ低度の加熱を行うことで、画質を一層優れたものにで
き印字安定性も優れたものにできることがわかった。
また、比較例7では、ウエイト時間を長くすることにより、記録生産性が大きく損なわ
れた。また、記録媒体に付着させた凝集剤の付着量が多く記録物耐久性が低下した。
比較例1では、反応液中の反応剤の濃度が高すぎるため、記録媒体の記録領域に付着し
た反応剤量が多すぎた。そうすると、反応剤層の上に着色インク組成物の層を載せている
状態となるため、記録物耐久性が低下したものと推測される。
比較例2では、反応液の付着量が多すぎるため、記録媒体の記録領域に反応液溜まりが
生じ、記録媒体に反応液の溶媒成分が多く付着している状態で、インク組成物を付着させ
た。そのため、反応液の液中に着弾したインク敵が瞬時に反応して粒状となり、ベタ画像
のパターンの内部にインク滴が粒状に見える現象が見られた。また反応剤が記録媒体に完
全に定着していないために記録物耐久性も低下したものと推測される。
比較例3では、加熱工程により記録媒体の温度を45℃に調整した状態で着色インク組
成物を付着させた。そうすると、その輻射熱によりインクジェットヘッドのノズルが乾燥
してしまい、印字安定性が大きく損なわれた。
比較例4では、反応液の付着の終了から着色インク組成物の付着の開始までのウエイト
時間を60秒としたため、記録生産性が大きく損なわれた。
比較例5では、比較例2と同様に、反応液付着量が多すぎるため、記録媒体の記録領域
に反応液溜まりが生じ、ベタ画像のパターンの内部にインク滴が粒状に見える現象が発生
したと推測される。ただし、記録媒体に付着させた凝集剤の付着量としては比較例2と比
べて少なく記録物耐久性は比較例2と比べて良好であった。
比較例6では、多すぎる反応液付着量を加熱工程(40℃)により乾燥させようとして
も、ノズルが乾燥して印字安定性が大きく損なわれ、また反応液の乾燥不十分により記録
物耐久性も低下した。
比較例7では、多すぎる反応液付着量をウエイト時間を長くすることにより乾燥させよ
うとしても、記録生産性が大きく損なわれ、また反応液の乾燥不十分により記録物耐久性
も低下した。
比較例8では、ウエイト時間が長く記録生産性が損なわれた。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例
えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及
び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実
施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実
施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することがで
きる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を
含む。
1…記録媒体、10…搬送手段、11…ローラー、20…反応液付着手段、30…着色
インク組成物付着手段、21・31…インクジェット記録用ヘッド、40…乾燥手段、1
00…画像記録装置。

Claims (13)

  1. インク非吸収性の記録媒体へ、着色インク組成物を凝集または増粘させる反応剤を0.1〜0.7mol/kgの含有量で含む反応液を、当該反応液の付着量を1.9mg/inch2以下としてインクジェット法により液滴として吐出して付着させる反応液付着工程と、
    前記反応液を付着させた記録媒体へ、着色インク組成物を付着させる着色インク組成物付着工程と、を備え、
    前記反応液の付着工程の終了から前記着色インク組成物の付着工程の開始までの時間が30秒以内であり、前記反応液の付着工程の開始から前記着色インク組成物の付着工程の終了までの記録媒体の表面温度が38℃以下であり、
    前記インク非吸収性の記録媒体が、プラスチックフィルム、又は基材にプラスチックフィルムが接着されているものである、記録方法。
  2. 前記反応液付着工程の反応液の液滴(1dot)当たりの質量が10ng/dot以下である、請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記反応液の付着工程の液滴の解像度が、200×200dpi以上である、請求項1または請求項2に記載の記録方法。
  4. 前記反応液付着工程の反応剤の付着量が1000nmol/inch2以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の記録方法。
  5. 前記反応液の付着工程の開始から前記着色インク組成物の付着工程の終了まで、前記記録媒体の温度が32〜38℃である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の記録方法。
  6. 前記着色インク組成物が樹脂を含み、
    前記反応液が前記着色インク組成物を凝集させる反応剤を含み、
    前記樹脂が、1質量%の前記樹脂を含み前記樹脂以外に酢酸カルシウムにより凝集する成分を含まない樹脂含有水溶液または水分散液3mLを、凝集を開始させるために必要な0.085mol/kg酢酸カルシウム水溶液の体積が0.1〜7mLである樹脂を含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の記録方法。
  7. 前記記録媒体の吸水率が、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録方法。
  8. 前記反応剤として、多価金属塩、有機酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 前記着色インク組成物付着工程の着色インク組成物の付着量が5mg/inch2以上の記録領域において、前記反応液の付着量を0.3〜1.9mg/inch2とする、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記インク非吸収性の記録媒体が、プラスチックフィルムである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録方法。
  11. 前記反応液付着工程の反応液の液滴(1dot)当たりの質量が7ng/dot以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録方法。
  12. 前記反応液が、反応剤を0.1〜0.3mol/kgの含有量で含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録方法。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の記録方法を行う記録装置。
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