JP5347623B2 - インクジェット記録方式の印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法およびその記録物に関する。さらに詳しくは、インク吸収性および吸水性の記録媒体にインクジェット記録方式で画像を形成する印刷方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔(吐出)させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行う記録方法であり、高速化、低騒音化、カラー化が容易であり、しかも被記録メディアに対して非接触印刷が可能であるという特徴もあり、記録方法として様々な用途に利用されている。特に産業分野での利用においては、多種少量部数を印刷する場合、製版方式により印刷を行うよりもコストが安くなることから、昨今その利用が拡大している。例えば、流通関係や配送過程での管理用途として、宛先や内容表示、バーコードや二次元シンボル等の可変情報印刷の記録方法として利用されつつある。
流通関係や配送過程での管理用途としてのバーコードや二次元シンボルを表示するラベルやシール、タグ等には、高い視認性(発色性)と耐久性が要求されており、しかも、それ自体(ラベルやタグ)のコストはできるだけ低くすることが求められている。そこで、コスト面から、製造加工費が比較的安価であり、使用後、廃棄しやすい等の理由からコート処理がされていない普通紙、上質紙、再生紙が記録媒体として広く使用されている。
しかしながら、これらの普通紙や上質紙、または再生紙は表面が樹脂等によるコート処理がされておらず、パルプが露出しているため、通常のインクジェット記録による印刷では、インクの拡散によるにじみの発生や、パルプ内部にインクが浸透することによる発色の低下等、視認性の高い画像を得られにくいという課題がある。
視認性を向上するためには、できるだけインクを記録紙に浸透させず、その表面に堆積するような印刷をすることが必要であるが、その場合、印刷画像が物理的接触により磨耗しやすく、耐久性が劣るという問題が発生する。
印刷画像に高い耐性を付与するためには、印刷後の画像表面にフィルム等によるラミネートを実施する工程を設けることが考えられるが、この場合、工程が煩雑となり、簡便でコストが安いというインクジェット記録の特徴を生かし難くなることからあまり好ましくない。
そこで画像をインクジェット記録により印刷後、さらに連続して、画像表面にインクジェット記録により保護層(オーバーコート層)を印刷することが従来から提案されており、たとえば、オーバーコート組成物として、特開2000−44858号公報(特許文献1)には、インク組成物から着色剤を除いたオーバーコート組成物で塗布する工程を備えた印刷方法が提案されている。また、特開2004−195451号公報(特許文献2)には、水性キャリアー、保湿剤、界面活性剤、酸価110を超えた付加ポリマーを含む組成物が提案されている。
しかし、一般用途の印刷物と異なり、ラベルやシール、タグ等の高い耐久性を求められる用途においては、これらの従来のオーバーコート組成物や、その塗布工程では、十分な耐久性を得られることができなかった。
特開2000−44858号公報 特開2004−195451号公報
従って、本発明は、普通紙や上質紙や再生紙等、表裏とも樹脂等によるコート処理がされておらず、表面にパルプが露出している記録媒体に対して、高い発色性と耐擦性を両立した印刷画像を得るものであり、しかも高速印刷と、インクジェットヘッドの目詰まりを生じにくい高信頼性のインクジェット記録方式の印刷方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するように、以下の適用例または形態として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例のインクジェット記録方式の印刷方法は、水性インクセットを用いたインクジェット記録方式により、普通紙またはブリストー法において接触開始から30msec1/2以内の水吸収量が10ml/m2以上30ml/m2以下である紙支持体の吸収層を有する記録媒体に画像を形成する印刷方法であって、(1)前記水性インクセットは、着色剤を含む色インクと、着色剤を含まない樹脂インクとを備え、(2)前記色インクは、水不溶性の前記着色剤と、樹脂成分と、水溶性溶剤と、界面活性剤とを含み、(3)前記樹脂インクは、水溶性樹脂溶剤と、樹脂成分として、水には不溶であるが前記水溶性樹脂溶剤には相溶する熱可塑性樹脂粒子と、ワックスとを含み、前記樹脂成分の含有率は前記樹脂インク中において5質量%以上15質量%以下であり、かつ、前記樹脂成分に対するワックスの割合が20質量%以上80質量%以下であり、(4)印刷工程は、前記色インクで記録する工程と、少なくとも前記色インクで記録する工程の後に、前記樹脂インクで記録する工程とを含み、(5)印刷中および/または印刷後に乾燥工程を含む、ことを特徴とする。
〔適用例2〕前記熱可塑性樹脂粒子のガラス転移温度が、40℃以上であることを特徴とする。
〔適用例3〕前記色インクが、着色剤として、顔料表面に分散性付与基を付与した表面処理顔料を含み、樹脂成分として、熱可塑性樹脂粒子とを含むことを特徴とする。
〔適用例4〕本適用例記載の印刷装置は、上記記載の印刷方法を備えたものである。
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づいて、さらに詳細に説明する。
本実施形態のインクジェット記録方法は、普通紙またはブリストー法において接触開始から30msec1/2以内の水吸収量が10ml/m2以上30ml/m2以下である紙支持体の吸収層を有する記録媒体に画像を形成する印刷方法であって、(1)前記水性インクセットは、着色剤を含む色インクと、着色剤を含まない樹脂インクとを備え、 (2)前記色インクは、水不溶性の前記着色剤と、樹脂成分と、水溶性溶剤と、界面活性剤とを含み、(3)前記樹脂インクは、水溶性樹脂溶剤と、樹脂成分として、水には不溶であるが前記水溶性樹脂溶剤には相溶する熱可塑性の樹脂粒子と、ワックスとを含み、前記樹脂成分の含有率は前記樹脂インク中において5質量%以上15質量%以下であり、かつ、前記樹脂成分に対するワックスの割合が20質量%以上80質量%以下であり、(4)印刷工程は、前記色インクで記録する工程と、少なくとも前記色インクで記録する工程の後に、前記樹脂インクで記録する工程とを含み、(5)印刷中および/または印刷後に乾燥工程を含む、ことを特徴とする。
(記録媒体)
本実施形態のインクジェット記録方法における、普通紙や上質紙、再生紙等は、表裏とも樹脂等によるコート処理がされておらず、表面にパルプが露出している記録媒体を指し。例えば、JIS P 0001 番号6139においては、パルプを主原料としてプリンター等の印刷に使用される紙として「普通紙」が定義されている。
これらの普通紙や上質紙、再生紙は表裏ともコートされておらず、表面はパルプが露出しているため、インクの拡散によるじみの発生や、パルプ内部にインクが浸透することによる発色の低下等、インクジェットプリンターで印刷し難い面がある。その一方、紙の製造費が比較的安価であり、使用後、廃棄しやすい等のメリットも多く、特に流通関係や配送過程での管理用途として、宛先や内容表示、バーコードや二次元シンボル等の可変情報印刷の記録媒体として幅広く利用されている。
これらの普通紙や上質紙、再生紙の具体例としては、例えば、Xerox 4200や、Xerox 4024(いずれもXerox社製)、GeoCycle(Gerogia-Pacific)、リサイクルカットR−100(王子製紙社製)、55PW(リンテック社製)等、種々のものを挙げることができる。
(水性インクセット)
本実施形態に係る印刷方法に用いる水性インクセットは、着色剤を含む色インクと、着色剤を含まない樹脂インクを備える。色インクとは、記録媒体にカラー及びモノクロの画像を形成するためのインクである。さらに、樹脂インクとは、前述の色インクの印刷前、印刷中の同時、あるいは印刷後に印刷して、主に印刷物に耐擦性を付与する目的に使われる。以下、各インクについて説明する。
(色インク)
上述したように、色インクは、少なくとも水不溶性の着色剤、水溶性および/または非水溶性の樹脂成分、水溶性溶剤、界面活性剤を含んでいる。次に、色インクを構成する各成分について説明する。
(着色剤)
水不溶性の着色剤は、水不溶性の染料または顔料が挙げられるが、顔料であることが好ましい。顔料を用いたインクで印刷した印刷物は、耐水性、耐ガス性、耐光性等の保存性に優れるからである。顔料として、公知の無機顔料、有機顔料およびカーボンブラックのいずれも用いることができる。これらの中でも、発色が良好であって、比重が小さいために分散時に沈降しにくい観点から、カーボンブラック、有機顔料が好ましい。
カーボンブラックの具体例としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、もしくはチャネルブラック等(C.I.ピグメントブラック7)、市販品として、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA77、MA100、No2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。なお、これらは本発明に好適なカーボンブラックの一例の記載であり、これらによって本発明が限定されるものでは無い。これらのカーボンブラックは単独あるいは二種類以上の混合物として用いてよい。
これらの顔料はブラックインク全量に対して、固形分量で0.5質量%〜12質量%、好ましくは2質量%〜8質量%の添加が好ましい。
有機顔料としては、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、16、22、60等;C.I.バットブルー4、60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、及び60からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、202、及び209、C.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、119、110、114、128、129、138、150、151、154、155、180、185、等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74、109、110、128、138、及び180からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。
色インクとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのプロセスカラーに加えて、さらにスペシャルカラーを含むことが好ましく、さらにスペシャルカラーがオレンジとグリーンからなることがより好ましい。インク非吸収性および低吸収性の記録媒体はインクの吸収層・発色層が無い、あるいは乏しいために、吸収性の高いインクジェット記録用媒体に印刷する場合に比べて発色性が低い。このため、プロセスカラーに加えてスペシャルカラーを追加することで、吸収性が低くても高い発色を得ることができる。スペシャルカラーとしては、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット等を上げられるが、特に好ましくはオレンジとグリーンである。
このようなオレンジインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36もしくは43またはこれらの混合物である。
グリーンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7もしくは36またはこれらの混合物である。
これらの顔料は、分散剤によって水性媒体中に分散させた顔料分散液として、または、顔料表面に分散性付与基(親水性官能基および/またはその塩)を直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させ、分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解する自己分散型顔料として加工され、水性媒体中に分散させた顔料分散液として、インク組成物に配合させることが好ましい。
また、これらの顔料は各色のインク全量に対して、固形分量で0.5質量%〜15質量%程度、好ましくは2質量%〜10質量%程度含有してなる。
(表面処理顔料)
表面処理顔料とは、顔料表面に多数の親水性官能基および/またはその塩を、直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させたもので、分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解が可能とされたものでいう。このことから、本発明による表面処理顔料は自己分散型顔料とも呼ばれることがある。本発明において、顔料が分散剤なしに水中に安定に存在している状態を「分散および/または溶解」と表現する。物質が溶解しているか、分散しているのかを明確に区別することが困難な場合も少なくない。本発明にあっては、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料である限り、その状態が分散か、溶解かを問わず、そのような顔料を利用可能である。よって、本明細書において、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料を水溶性顔料ということがあるが、顔料が分散状態にあるものまでも排除することを意味するものではない。
「親水性官能基および/またはその塩」の具体例としては、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基、ホスホノ基、または第四級アミン基の少なくとも一種の官能基またはその塩が挙げられる。このような親水性官能基等を顔料に施す方法の具体例としては、物理的処理または化学的処理が挙げられる。物理的処理の具体例としては、真空プラズマ処理等が挙げられ、化学的処理の具体例としては、水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、表面処理顔料は、顔料を次亜ハロゲン酸および/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、あるいはオゾンによる酸化処理したものにより得られるものが好ましい。特にこれらの処理により得られる表面処理顔料は高い発色性を有することから好ましい。
本例において用いられる表面処理顔料は、例えば特開平8−3498号公報記載の方法によって得ることができる。また、上記顔料として市販品を利用することも可能であり、好ましい例としてはオリエント化学工業株式会社製のマイクロジェットCW1が挙げられる。
本例による表面処理顔料の平均粒径は、インクの保存安定性やノズルの目詰まり防止等の観点から、50〜250nmの範囲であることが好ましい。本発明において、表面処理顔料の添加量は、インク組成物全量に対して、1重量%以上15重量%以下が好ましく、より好ましい上限値は10重量%であり、より好ましい下限値は2重量%である。
(樹脂成分)
樹脂成分として、水性媒体中に顔料を分散させるための分散剤を含む。また、好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。
(分散剤)
分散剤の好ましい例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体が挙げられ、好ましい分散剤としては、インク中に添加された溶剤等に容易に溶解し難いものが良く、例えば、親水基の末端がアクリル酸であるものより、エステル化された方が好ましい。
これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000程度であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000程度である。
分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、本発明による他の効果を失わない範囲で適宜添加されて良い。
さらに、樹脂成分として、水には不要であるが水溶性樹脂溶剤には相溶する熱可塑性樹脂粒子を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂粒子を含むことにより、乾燥後の色インクの耐擦性を向上させることができる。熱可塑性樹脂粒子は、ガラス転移温度が異なる二種類以上を混合して使用することができる。
熱可塑性樹脂粒子は、インク組成物のインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まりや吐出安定性等)、高OD値、定着性、光沢性等をより有効に得る観点から1〜10重量%の範囲でインク組成物中に含有されることが好ましい。
(水溶性溶剤)
水溶性溶剤は、後述する界面活性剤と相乗して、記録媒体に対する色インクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用を有する。そのため、色インクに水溶性溶剤を含有させることは、インクの印刷ムラや滲みを低減することができるため、好ましい。このような水溶性溶剤としては、1価アルコール、または多価アルコールおよびその誘導体が挙げられる。
1価アルコールとしては、特に炭素数1〜4の1価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、またはn−ブタノールなどを用いることができる。
多価アルコールおよびその誘導体としては、炭素数2〜6の2価〜5価アルコール、およびそれらと炭素数1〜4の低級アルコールとの完全または部分エーテルを用いることができる。ここで多価アルコール誘導体とは、少なくとも1個のヒドロキシル基がエーテル化されたアルコール誘導体であり、エーテル化されたヒドロキシル基を含まない多価アルコールそれ自体を意味するものではない。
これらの多価アルコールおよびそれらの低級アルキルエーテルの具体例としては、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール等のジオール類、モノ、ジ若しくはトリエチレングリコール−モノ若しくはジ−アルキルエーテル、モノ、ジ若しくはトリプロピレングリコール−モノ若しくはジ−アルキルエーテルが挙げられ、好ましくは1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、またはプロピレングリコールモノブチルエーテルなどを挙げることができる。
水溶性溶剤の含有量は、例えば、各色のインク全量に対して0.5質量%〜15.0質量%、好ましくは、1.0質量%〜8.0質量%である。
(界面活性剤)
界面活性剤は、上述した水溶性溶剤と相乗して、記録媒体に対する色インクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用を有する。界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤とアセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
シリコン系界面活性剤は、記録媒体上でインクの印刷ムラや滲みを生じないように均一に広げる作用を有する。
シリコン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられ、BYK−348が好ましい。
シリコン系界面活性剤の含有量は、各色のインク全量に対して、好ましくは0.1質量%〜1.5質量%である。シリコン系界面活性剤の含有量が0.1質量%未満であると、記録媒体上でインクが均一に濡れ広がりにくいため、インクの印刷ムラや滲みが発生しやすい。一方、シリコン系界面活性剤の含有量が1.5質量%を超えた場合、水性インク組成物の保存安定性・吐出安定性が確保できない場合がある。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有する色インクは、表面張力およびヘッドノズル面等のインクと接触するプリンター部材との界面張力を適正に保つことができるため、これをインクジェット記録方式に適用した場合、吐出安定性を高めることができる。また、アセチレングリコール系界面活性剤を含有する色インクは、記録媒体に対して良好な濡れ性・浸透性を示すため、インクの印刷ムラや滲みの少ない高精細な画像を得ることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、82、DF37、DF110D、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられ、サーフィノール104PG−50、DF110Dが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、各色のインク全量に対して、好ましくは0.05質量%〜1.0質量%である。アセチレングリコール系界面活性剤の含有量が0.05質量%未満であると、記録媒体上でインクが均一に濡れ広がりにくいため、インクの印刷ムラや滲みが発生しやすい。一方、アセチレングリコール系界面活性剤の含有量が1.0質量%を超えた場合、色インクの保存安定性・吐出安定性が確保できない場合がある。
特に好ましくは、シリコン系界面活性剤とHLB値が6以下のアセチレングリコール系界面活性剤とを同時に含む組み合わせである。
上述の水溶性溶剤と界面活性剤を組み合わせて、水性インクの表面張力を23.0mN/m〜40.0mN/mの範囲で用いることが好ましく、より好ましくは25.0mN/m〜35.0mN/mの範囲である。
(水)
水は、水性インクの主な媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いた水性インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
(色インクのその他の成分)
さらに必要に応じて添加するものとして、水溶性樹脂溶剤、保湿剤、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、金属トラップ剤などがあげられる。水溶性樹脂溶剤については、樹脂インクの項で説明する。
保湿剤としては、乾燥時に塗膜中に残留しないものが好ましく、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2,3−ブタンジオール等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などが挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モルホリン、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。
溶解助剤としては、尿素、チオ尿素、ジメチル尿素、テトラエチル尿素、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類などがあげられる。
金属トラップ剤としては、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウムなどがあげられる。
(樹脂インク)
樹脂インクは、水溶性樹脂溶剤と、樹脂成分として、水には不溶であるが前記水溶性樹脂溶剤には相溶する熱可塑性の樹脂粒子およびワックスを含んでいる。相溶とは、樹脂溶剤中に樹脂粒子を混ぜると溶解あるいは粒子が膨潤する組み合わせを指す。以下、各成分について説明する。
(水溶性樹脂溶剤)
水溶性樹脂溶剤は、樹脂インクに同時に添加している樹脂粒子と相溶する水溶性溶剤から選ばれる。用いる樹脂によって最適な組み合わせはあるが、例えば、水溶性の複素環式化合物、水溶性のアルキレングリコールアルキルエーテル等が好ましく、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類、ジメチルスルホキシド、ε−カプロラクタム、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等が好ましい。特に、樹脂インクの保存安定性、十分な乾燥速度、と樹脂粒子の皮膜化促進の点で、ピロリドン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類が特に好ましい。
水溶性樹脂溶剤は樹脂インクに添加するものであるが、色インクに添加しても問題なく、樹脂粒子により形成される皮膜をさらに強化するために有効である。
水溶性樹脂溶剤添加量は、樹脂インクの全量に対して、好ましくは1.0質量%〜20.0質量%、さらに好ましくは2.0質量%〜15.0質量%である。水溶性樹脂溶剤添加量が、1質量%未満である場合、樹脂インク中の樹脂粒子の皮膜形成に支障が生じ、結果的に樹脂インクの固化・定着が不充分となる場合がある。一方、水溶性樹脂溶剤添加量が20質量%を超えた場合、樹脂インクの保存安定性に劣化を生じる場合がある。
(熱可塑性樹脂粒子)
熱可塑性樹脂粒子は、水溶性樹脂溶剤と相溶することで、樹脂インクの乾燥後に強固な樹脂膜を形成することができ、かつ樹脂粒子の元々のガラス転移温度より低い温度で造膜することができる。水に不要な樹脂粒子を用いることで、樹脂インク中に十分な量の樹脂成分を添加しつつ、各インクの粘度を低く抑えることができ、高速印刷において吐出安定性を確保することができるため好ましい。
熱可塑性樹脂粒子は、通常の保存状態(室温)では、インク中で水溶性樹脂溶剤に溶解することなく、存在していると考えられる。すなわち、インク中の半分以上の主成分は水であり、水溶性樹脂溶剤の添加量は20質量%以下と薄い為、熱可塑性樹脂粒子と水溶性樹脂溶剤がインク中で共存しても、熱可塑性樹脂粒子が直ぐに溶解状態になることはない。しかしながら、インクが、記録媒体上にインクジェットヘッドから吐出され、乾燥されると、まずインク中の主成分である水が蒸発しはじめ、その結果インク中での水溶性樹脂溶剤が濃縮されることで、熱可塑性樹脂粒子が溶解状態となる。次に水が全て蒸発すると、次に蒸発しやすい、溶剤成分が蒸発し始め、溶解していた熱可塑性樹脂粒子(溶解しているため、粒子ではなくなっている)が、水溶性樹脂溶剤が蒸発とともに、今度は強固な皮膜を形成して固化する。最終的に記録媒体上に固形分である着色成分とそれを覆うように皮膜化した熱可塑性樹脂粒子等の固形分のみが存在することとなる。
このような水不溶性の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、およびポリウレタンから選ばれる少なくとも一種である。
熱可塑性樹脂粒子は、微粒子粉末として水性インク中の他の成分と混合されても良いが、樹脂エマルジョンの形態でインク中に含まれることが好ましい。その理由は、樹脂粒子のままインク中に添加しても該樹脂粒子の分散が不十分となる場合があるため、分散性の観点からはエマルジョンの形態が好ましいからである。また、エマルジョンとしては、樹脂インクの保存安定性の観点から、アクリルエマルジョンが好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体エマルジョンがさらに好ましい。
本願明細書において、「樹脂粒子」とは、水に不溶性の樹脂が主として水からなる分散媒中に粒子状に分散しているもの、あるいは水に不溶性の樹脂を主として水からなる分散媒中に粒子状に分散させたもの、更にはその乾燥物をも包含したものを意味する。また、「エマルジョン」というときは、ディスパージョン、ラテックス、サスペンジョンと呼ばれる固/液の分散体をも包含したものを意味するものとする。
樹脂をエマルジョンの状態で得る場合には、樹脂粒子を場合により界面活性剤と共に水に混合することによって調製することができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルの樹脂又はスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの樹脂と、場合により(メタ)アクリル酸樹脂と、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常50:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合には、エマルジョンが形成されにくく、また前記範囲を越える場合には、インクの耐水性が低下したり、密着性が悪化する傾向があるので好ましくない。
樹脂エマルジョンとして、市販の樹脂エマルジョンを利用することも可能であり、例えばマイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン;日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン;大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン;大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン;日本ゼオン株式会社製)、またはサイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン;サイデン化学株式会社製)などを挙げることができる。
熱可塑性樹脂粒子のガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましく、より好ましくは60℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。このような熱可塑性樹脂粒子であれば、乾燥後のインクは、通常の使用範囲では強固な被膜を維持することができ、インク膜の耐擦性を向上させることができる。一方、転移温度が室温以下の場合、乾燥後の印字画像の耐擦性が不十分なものとなり、しかもインクジェットヘッドのノズル詰まりが発生しやすくなる。特に本発明の印刷方法では、インク非吸収性の記録媒体に印刷するため、インクの速乾性が向上しており、ガラス転移温度が室温以下の樹脂の場合は実使用での目詰まり性が課題となる。
なお、本発明において、ガラス転移点(Tg)は、通常の方法、例えば、示差走査熱量計(DSC)等の熱分析装置を用いて測定できる。熱分析装置としては、例えば、セイコー電子社製SSC5000が挙げられる。また、ガラス転移点(Tg)は、樹脂が共重合体の場合、ガラス転移点計算値として評価することができる。共重合体のガラス転移点(Tg)及びその評価の方法論は以下の通りである。特定の単量体組成を有する共重合体のガラス転移点(Tg)は、フォックス(Fox)の式により計算より求めることができる。ここで、フォックスの式とは、共重合体を形成する個々の単量体について、その単量体の単独重合体のTgに基づいて、共重合体のTgを算出するためのものであり、その詳細は、ブルテン・オブ・ザ・アメリカン・フィジカル・ソサエティー、シリーズ2(Bulletin of the American Physical Society,Series 2)1巻・3号・123頁(1956年)に記載されている。本発明の明細書において用いる「ガラス転移点計算値」なる語の概念には、フォックス(Fox)の式により計算したガラス転移点をも包含する。フォックス(Fox)の式による共重合体のTgを計算するための基礎となる各種モノマーについての単独重合体のTgは、例えば、高分子データ・ハンドブック基礎編(高分子学会編)525〜546頁に記載されている数値又は通常の方法で測定した実測値を採用することができる。
(ワックス)
ワックスは、乾燥後のインク膜表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。このようなワックスを構成する成分としては、カルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム、モンタンワックス、オゾケライト、カーボンワックス、ヘキストワックス、ポリオレフィンワックス、およびステアリン酸アミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である。この中で好ましいワックスの種類としては、ポリオレフィンワックス、特にポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスであり、さらには、インク非吸収性又は低吸収性の記録媒体に対する耐擦性の観点から、ポリエチレンワックスがより好ましい。ワックスとしては市販品をそのまま利用することもでき、例えばノプコートPEM17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
上述の樹脂成分は、樹脂インク全量に対して、固形分換算で5質量%〜12質量%の範囲で含まれることが好ましく、6質量%〜10質量%の範囲で含まれることがより好ましく、さらに好ましくはくは、7質量%〜8質量%の範囲である。これら樹脂成分の含有量の好適範囲は、樹脂インクのインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まりや吐出安定性等)の観点から上限値を規定し、本発明の効果(耐擦性等)をより有効に得る観点から下限値を規定したものである。
上述の樹脂成分におけるワックスの割合は、固形分換算で好ましくは20質量%〜80質量%であり、より好ましくは30質量%〜60質量%である。これらワックスの含有量の好適範囲は、樹脂成分のインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まりや吐出安定性等)の観点からと、本発明の効果(耐擦性等)をより有効に得る観点から上下限値を規定したものである。
上述した熱可塑性樹脂粒子およびワックスを併用した場合に印刷物の耐擦性が良好となる理由はいまだ明らかではないが、下記のように推察される。熱可塑性樹脂粒子は、記録媒体上に色インクを強固に定着させるとともに、乾燥後の樹脂被膜を堅固にする特性を有する。一方、ワックスは、この樹脂皮膜表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。これにより、外部から擦れによって削れにくく、かつ記録媒体から剥がれにくい樹脂皮膜を形成することができるため、印刷物の耐擦性が向上するものと推察される。
(樹脂インクのその他の成分)
その他の成分として、樹脂インクは、必要に応じて、水溶性溶剤や、界面活性剤を含む。水溶性溶剤および界面活性剤の種類については、色インクで使用されるものと同様のものを用いることができる。ここで、樹脂インクについても、界面活性剤として、シリコン系界面活性剤と、HLB値が6以下のアセチレングリコール系界面活性剤とを含むことが好ましい。シリコン系界面活性剤とアセチレングリコール系界面活性剤を併用することで、非吸収性から低吸収性の幅広い記録媒体に対して同様にインクを濡らすことができ、印刷ムラ等の少ない印刷物を得ることができる。これらの各成分については、色インクで説明したものと同様の材料が採用される。これらの添加量は、記録媒体やインクの種類に応じて適宜調整できる。
また、樹脂インクは、色インクと同様に、主な媒体として水を含む。さらに必要に応じて添加するものとして、保湿剤、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、金属トラップ剤などがあげられる。これらの材料については、色インクで説明したものと同様の材料を適用できる。
(印刷方法)
本実施形態に係る印刷方法は、インクジェット記録方式を用いて、記録媒体に色インクと樹脂インクとを印字する工程を含んでなるものである。
印刷工程では、色インクを記録媒体上に印刷した後に、色インク上に樹脂インクが印刷される。色インクを印刷した後に、色インク上に樹脂インクを印刷することにより、印刷面の表面側に樹脂インクの成分が多く含まれることとなり、印刷面の耐擦性を上げることができる。
インクジェット記録方法を用いることにより、色インクを付着させる場所にのみ選択的に樹脂インクを付着させることができ、樹脂インクの消費量を必要最小限に抑えることができる。また、紙面全体に大量の樹脂インクを付着させてしまう場合に乾燥後に観察されるカールの発生を抑制できる。
また、記録媒体に色インクと樹脂インクを記録する方法は、マルチパスでも1パスでも良いが、高速印刷の観点から、1パス又は2パスで記録することが好ましい。ここで1パスとは、記録ヘッドの1回の走査で、その走査領域に形成すべきドット全てを記録する記録方法のことである。すなわち、色インクと樹脂インクが1パスで印字されるということは、記録ヘッド走査領域内に記録すべき色インクと樹脂インクのドットが、1回の記録ヘッドの走査で記録を完了するということである。2パスとは、記録ヘッド走査領域に記録するドットを、2回の記録ヘッド走査によって記録する方法である。さらに、1パス記録方法には、記録ヘッドを主走査方向に1回走査してドットを記録した後、副走査方向に記録媒体を記録領域分だけ移動させることを繰り返すことで、画像全体を形成する方法と、記録ヘッドは固定し、記録媒体を走査することで画像を形成する方法などがあるが、いずれも好適に用いることができる。1パスまたは2パスで記録することで高速な印刷が可能となり、記録物の生産性が高まる。
例えば、各色あたりの印刷解像度が360dpi(ドットパーインチ)以上で、印刷解像度に対するインクジェットノズルの解像度比が1倍から2倍の範囲であり、インク粘度が1.5mPa・s〜15mPa・s(20℃)である。高画質を得るためには360dpi以上の高い印刷解像度が望ましく、かつ印刷解像度に対するインクジェットノズルの解像度比が1倍から2倍の範囲であれば高速に印刷することができ、さらにインクタンクからヘッドに安定にインク供給するためにはインク粘度は1.5mPa・s〜15mPa・s(20℃)であることが好ましい。例えば、360dpiのノズル解像度の場合は、360dpi〜720dpiで印刷する場合は、上述の要件が好ましい。
上述したような高速印刷では、インク粘度は低いことが好ましい。本実施形態では、色インクと樹脂インクとを分けることにより、色インク中に十分な量の着色剤、樹脂インク中に十分な量の樹脂成分を添加しつつ、各インクの粘度を低く抑えることができ、高速印刷において吐出安定性を確保することができる。
例えば、樹脂インクおよびインク組成物の20℃における粘度は1.5mPa・s〜15mPa・sの範囲にあるのが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s〜10mPa・sの範囲である。また、好適には樹脂インクとインク組成物との粘度をほぼ等しいものとする。例えば一方の粘度が他方の粘度の50%〜200%となるようにする。これによって、樹脂インクおよびインク組成物を共にインクジェット記録ヘッドから吐出する場合、記録ヘッド、流路構造、および駆動回路を同一のものとすることができる点で有利である。
本実施形態に係る印刷方法は、印刷中および/または印刷後に乾燥工程を含むことが好ましい。乾燥工程を加えることで、色インク及び樹脂インク中の液媒体(具体的には、水、水溶性溶剤)の蒸発が促され、印刷ムラ・滲みが少ない高画質な画像や耐擦性を持つ記録物を短時間で得ることができ、また記録媒体のしわの発生を防ぎ、さらに記録媒体のカールの発生を有効に防止することもできる。
さらにまた、乾燥時の加熱により、色インクや樹脂インクに含まれる樹脂粒子の融着を促し、優れた皮膜を形成することが可能となって、記録物の耐擦性がより一層向上する。加熱温度は、色インク及び樹脂インク中に存在する液媒体が蒸発し、かつ樹脂剤の皮膜を形成することができれば特に制限はないが、40℃以上であればその効果が得られ、40℃〜150℃程度が好ましく、より好ましくは、40℃〜80℃程度である。温度が100℃を超えてくると、記録媒体が変形等を生じ搬送に不具合を生じたりする場合があり、また、インクジェットヘッドのノズル近傍のインクが熱の影響を受け、水が蒸発してインク中の水溶性樹脂溶剤が濃縮されると、ノズル近傍のインク中に存在する熱可塑性樹脂粒子が溶解、乾燥固化するため、ヘッドのノズル詰まり等の不具合が頻発するようになる。
なお、乾燥/加熱時間は、色インク及び樹脂インク中に存在する液媒体が蒸発し、かつ樹脂剤の皮膜を形成することができれば特に制限はなく、用いる液媒体種・樹脂種・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
乾燥方式としては、色インク及び樹脂インクに含まれる液媒体の揮発を促進させる方法であれば特に限定されない。印刷前後の記録媒体に熱を加える方法、印刷後の記録媒体に風を吹き付ける方法、さらにそれらを組み合わせる方法等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥、乾燥空気送風等が挙げられる。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
「樹脂分散顔料分散液B1の調製」
カーボンブラックとしてMA8(商品名:三菱化学社製)65gをアニオン性基としてカルボン酸基を有するスチレン−アクリル酸系分散樹脂としてジョンクリル611(ジョンソンポリマー(株)、平均分子量8100、酸価53KOHmg/g)35g、水酸化カリウム1.70g、イオン交換法と逆浸透法により精製した超純水250gを混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名:アドバンテック東洋社製)で濾過して粗大粒子を除き、これを濃度調整することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液B1を得た。
「表面処理顔料分散液B2の調製」
カーボンブラックとしてカラーブラックS170(商品名:デグサ・ヒュルス社製)100gを水1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 12%)1400gを滴下して、ボールミルで粉砕しながら5時間反応させ、さらに攪拌しながら4時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名:アドバンテック東洋社製)で濾過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩および精製し、さらに顔料濃度が20重量%になるまで濃縮して分散液B2を調製した。
「表面処理顔料分散液C1の調製」
フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)30gをキノリン900gと混合し、アイガーモーターミルM250型(アイガージャパン社製)でビーズ充填率70%及び回転数5000rpmの条件下で2時間整粒分散し、整粒分散した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱し、系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、160℃に温度制御した。次いで、スルホン化ピリジン錯体40gを加えて8時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄した後に水中に注ぎ、トリエタノールアミンで中和後、ガラス繊維ろ紙GA−100(商品名:アドバンテック東洋社製)で濾過して粗大粒子を除き、これを濃度調整することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液C1を得た。
「表面処理顔料分散液M1の調製」
フタロシアニン顔料を使用する代わりにキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)を使用する以外は、上記、「表面処理顔料分散液C1の調製」と同様の調整方法により調製することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液M1を得た。
「表面処理顔料分散液Y1の調製」
フタロシアニン顔料を使用する代わりにベンズイミダゾロンン顔料(C.I.ピグメントイエロー180)を使用する以外は、上記、「表面処理顔料分散液C1の調製」と同様の調整方法により調製することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液Y1を得た。
(色インク)
表1に記載した組み合わせで、顔料分散液と、水溶性有機溶剤と、樹脂成分と、界面活性剤と、水と、を含むインク組成物を調製した。インク組成物は、表1に示す配合割合で各成分を混合し、この混合液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレス製フィルターにて濾過することにより調製した。なお、表1中に示す数値は重量%として表している。に示す配合量(色インクの全質量に対する各成分の質量%)で各構成成分を配合して、色インクを得た。
Figure 0005347623
(樹脂インク)
また、表2に示す配合量(樹脂インクの全質量に対する各成分の質量%)で各構成成分を配合して、樹脂インクR1〜R16を得た。
Figure 0005347623
(インクセット)
そして、表1に示す色インクと、表2に示す樹脂インクR1〜R16のいずれかを備えるインクセットを用意し、普通紙および上質紙の記録媒体として、Xerox 4024(商品名:Xerox Co.(米国))、リサイクルカットR−100(商品名:王子製紙社製)、55PW(商品名:リンテック社製)の3種類を用意し、表3に示す条件(実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例9)でインクジェット法にて印刷した。本実施例では、紙案内部にヒーターを取り付けて40℃に調整したインクジェットプリンターPX−G930(商品名、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度180dpi)を用い、表3に記載のインクセットを用いて印刷解像度360dpiにてパッチや画像を印刷した。印刷はまず、色インクのみの印刷データをプリンターに送信し、記録媒体に対してパッチや画像を印刷し、その後、樹脂インクの印刷データをプリンターに送信することで、色インクの印刷領域に対して樹脂インクをベタ印刷した。
さらに、比較例10として、ヒーターの加熱効果を確認するため、実施例1と全くおなじ色インクセットと樹脂インクを使用し、紙案内部のヒーターの電源を切った状態で印刷を実施した。
Figure 0005347623
得られた記録物について、以下の評価を行った。表3に、評価の結果が示されている。
(発色性)
印刷後の記録物を一般環境で1時間放置した後、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてベタ部分のOD値を測定した。測定した結果を以下の基準に基づいて判定した。尚、判定は各種紙における評価の平均をとった。
A;全ての紙でOD値が1.1以上である場合。
B;OD値が1.0以上1.1未満である場合。
C;OD値が1.0未満である場合。
(にじみ)
試験1で印刷した文字の輪郭部分のにじみを以下の基準に基づいて判定した。
A;記録物を実体顕微鏡で5倍に拡大したとき、にじみがわからない。
B;記録物を目より30cm離して見たときに、にじみがわからない。
C;記録物を目より30cm離して見たときに、にじみが目立つ。
(耐摩耗性評価)
乾燥後の印刷メディアを学振型摩耗堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて50回擦ることで、耐摩耗性評価を実施した。以下の判断基準で評価した。
A:画像印刷メディアに摩擦による画像の乱れがなく、また白綿布にも記録画像から転写された汚れもない。
B:画像印刷メディアに摩擦による画像の乱れは確認できないが、白綿布には記録画像から転写した汚れが若干視認される。
C:画像印刷メディアの非印刷部分に若干の地汚れが視認され、白綿布にも記録画像から転写された汚れが視認できる。
D:画像印刷メディアの非印刷部分に明らかに地汚れ視認され、白綿布も記録画像との接触により汚れている。
※時汚れ:紙の非印刷部にインキがつくことで、耐摩擦性評価により、印刷部分がこすられてその表面が削られ、非印刷部分にこすりつけられることにより発生する。
(目詰まり性評価)
インクジェットプリンターPX−G930(商品名、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度180dpi)を用い、各インクを充填してすべてのノズルからインクが吐出可能であることを確認した。次に停電等の突発事故でプリンターが停止した状態を想定して、プリンターが動作している途中で電源コードを外し、インクジェットヘッドがヘッドキャップから外れた状態でプリンターを停止させ、40℃/20%Rhの環境で24時間放置した後、再度プリンターの電源を入れて、インクの吐出状況を確認評価した。評価基準は以下の通りである。
A:プリンターの電源を投入した初期動作後、問題なく全てのノズルからインクが吐出可能である。
B:プリンターの電源を投入した初期動作の直後は吐出しないノズルが存在する。数回のヘッドクリーニング動作により全てのノズルからインクが吐出可能となる。
C:プリンターの電源を投入した初期動作の直後は吐出しないノズルが存在する。数回から10回のクリーニング動作により全てのノズルからインクが吐出可能となる。
D:プリンターの電源を投入した初期動作の直後は吐出しないノズルが存在する。10回以上のクリーニング動作を実施しても全てのノズルからはインク吐出が不可。
E:プリンターの電源を投入した初期動作後、及び、10回以上のクリーニング動作を実施しても全くインクが吐出しない。
本発明は、普通紙や上質紙等の表面がコートされておらず、パルプが露出している記録紙に対して、高発色で耐久性の高い画像を形成する印刷方法であって、産業上の利用可能性を有する。

Claims (2)

  1. 水性インクセットを用いたインクジェット記録方式により、普通紙またはブリストー法において接触開始から30msec1/2以内の水吸収量が10ml/m以上30ml/m以下である紙支持体の吸収層を有する記録媒体に画像を形成する印刷方法であって、
    (1)前記水性インクセットは、着色剤を含む色インクと、着色剤を含まない樹脂インクとを備え、
    (2)前記色インクは、水不溶性の前記着色剤と、樹脂成分と、水と、水溶性溶剤と、界面活性剤とを含み、
    (3)前記樹脂インクは、水溶性樹脂溶剤と、樹脂成分として、水には不溶であるが前記水溶性樹脂溶剤には相溶するガラス転移温度が40℃以上である熱可塑性樹脂粒子と、ワックスとを含み、固形分換算した前記熱可塑性樹脂及び前記ワックスの含有率は前記樹脂インク中において5質量%以上12質量%以下であり、かつ、固形分換算した前記熱可塑性樹脂および前記ワックスの総含有量に対する固形分換算した前記ワックスの含有量の割合が20質量%以上80質量%以下であり、
    (4)印刷工程は、前記色インクで記録する工程と、少なくとも前記色インクで記録する工程の後に、前記樹脂インクで記録する工程とを含み、
    (5)印刷中および/または印刷後に乾燥工程を含み、
    前記熱可塑性樹脂粒子は、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、およびポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記ワックスは、カルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム、モンタンワックス、オゾケライト、カーボンワックス、ヘキストワックス、ポリオレフィンワックス、およびステアリン酸アミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記乾燥工程は、加熱乾燥工程および/または送風乾燥工程であることを特徴とするインクジェット記録方式の印刷方法。
  2. 前記色インクが、水不溶性の着色剤として、顔料表面に分散性付与基を有する表面処理顔料を含み、樹脂成分として、熱可塑性樹脂粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の印刷方法。
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