JP5908820B2 - インク組成物、画像形成方法及び印画物 - Google Patents
インク組成物、画像形成方法及び印画物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5908820B2 JP5908820B2 JP2012213151A JP2012213151A JP5908820B2 JP 5908820 B2 JP5908820 B2 JP 5908820B2 JP 2012213151 A JP2012213151 A JP 2012213151A JP 2012213151 A JP2012213151 A JP 2012213151A JP 5908820 B2 JP5908820 B2 JP 5908820B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- repeating unit
- mass
- general formula
- ink composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ必要とされる画像部のみにインクを吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安いという利点を有し、更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
近年、インク組成物により樹脂製の記録媒体上に形成されたインク画像が、大面積の広告や屋外広告などの用途に供されることが多くなってきた。特に屋外広告の場合には、高い耐水性を要求される。また、大面積の印画物や多数枚の印画物を連続して形成する場合、印刷装置の汚れを有機溶剤で除去する工程が必要となるが、清掃に使用する有機溶剤が飛散して形成されたインク画像に付着した場合、耐溶剤性が低い画像であると、溶剤が付着したところが溶解除去され、白ヌケなどの画像故障ができるため、耐水性、耐溶剤性を高いレベルで良質する画像を形成しうるインク組成物が求められている。
また、本発明は、耐溶剤性と記録媒体への密着性に優れる画像を形成可能な画像記録方法、及び、耐溶剤性と記録媒体への密着性に優れる画像が形成された印画物を提供することを課題とする。
<1> (a)下記一般式(1)で表される部分構造を有し、含有率が20質量%〜90質量%である繰り返し単位(a−1)と、ベタイン構造を有し、含有率が8質量%〜25質量%である繰り返し単位(a−2)と、炭素数4〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる単量体由来の繰り返し単位(a−3)とを含む第一の高分子化合物、
(b)水、及び
(c)水溶性有機溶剤、
を含有するインク組成物である。
前記インク残部に活性エネルギー線を照射して画像を形成することと、
を含む<6>に記載の画像形成方法である。
また、本発明は、耐溶剤性と記録媒体への密着性に優れる画像を形成可能な画像記録方法、及び、耐溶剤性と記録媒体への密着性に優れる画像が形成された印画物を提供することができる。
なお、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、本発明のインク組成物において固形分量とは、25℃においてインク組成物中に含まれる成分のうち、水及び溶剤を除く全ての不揮発性成分の総質量に意味する。本明細書における固形分には、溶剤以外の低分子量成分などの液状の成分も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」の少なくとも一方を意味するものである。
本発明のインク組成物は、(a)下記一般式(1)で表される部分構造を有し、含有率が20質量%〜90質量%である繰り返し単位(a−1)と、ベタイン構造を有し、含有率が8質量%〜25質量%である繰り返し単位(a−2)と、疎水性基を有する繰り返し単位(a−3)とを含む第一の高分子化合物、(b)水、及び(c)水溶性有機溶剤を含有する。
即ち、本発明に係る(a)特定共重合体は、特定量の前記一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位(a−1)と、特定量のベタイン構造を有する繰り返し単位(a−2)とに加えて、疎水性基を有する繰り返し単位を含むことを特徴とする。紫外線等の活性エネルギー線の照射によって重合しうる構造である一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位(a−1)と、ベタイン構造を有する繰り返し単位(a−2)とをそれぞれ特定の含有率で含むことで適度な極性を示すため、耐溶剤性と記録媒体への密着性に優れ、臭気の発生が抑制される画像を形成することができると考えられる。また、本発明のインク組成物は、特定共重合体を含有することで、画像形成直後(記録媒体への付与直後)においてインク組成物の粘度上昇が生じるため、低分子量の重合性成分を含有する従来のインク組成物に比して、画像を形成する際におけるにじみの発生抑制に優れると推定される。
また特定共重合体がベタイン構造を有する繰り返し単位を特定の含有率で含むことで、特定共重合体が適度な界面活性作用を発現し、記録媒体に対するぬれ性が向上して、記録媒体への密着性に優れる画像を形成可能と考えられる。更にインク組成物が着色剤を含む場合には、着色剤及び記録媒体に対するぬれ性が向上することで形成される画像における色ムラの発生が効果的に抑制されるものと推定される。
本発明のインク組成物に含まれる、(a)特定共重合体に含まれる各繰り返し単位及び(a)特定共重合体の物性について詳細に説明する。
(a)特定共重合体は、下記一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位(a−1)を、特定共重合体の全質量を基準として、20質量%〜90質量%の含有率で含む。
一般式(2)において、Zは、単結合、−COO−**、又は−CONRd−**を表し、Rdは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、**はXとの結合位置を表す。Zは−COO−**であることが好ましい。
上記含有率は多すぎても、小さすぎても、形成される画像の強度が低下する傾向にある。なお柔軟性に優れた画像を形成する場合には、上記の範囲において含有率が少ない方が好ましい。
(a)特定共重合体は、一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位(a−1)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、一般式(1)で表される部分構造は、高分子反応を用いた方法により導入することもできる。そのような方法としては、例えば、1級アミノ基を有するプレポリマーに、対応する無水物を反応させて得る方法や、プレポリマー中の官能基と反応して結合を形成し得る官能基と一般式(1)で表される部分構造とを有する化合物を、プレポリマーと反応させる方法などが挙げられる。
(a)特定共重合体は、ベタイン構造を有する繰り返し単位(a−2)を、(a)特定共重合体の全質量を基準として、8質量%〜25質量%の含有率で含む。
ベタイン構造を有する繰り返し単位とは、1つの繰り返し単位中に陽イオン性基と陰イオン性基との両方を有し、当該繰り返し単位全体としては電荷を示さない繰り返し単位を意味する。ベタイン構造を有する繰り返し単位は、ベタイン基を有する繰り返し単位であることが好ましい。ここで「ベタイン基」とは、基内に陽イオンとして第4級アンモニウム基と、陰イオンとしてアニオン性基とを含む分子内塩に対する一般名である。ベタイン基に含まれるアニオン性基としては、特に−CO2 −、−SO3 −、−O−、−PO3 2−、−OSO3 −、−PO2 −、−OPO3 −−等を好ましく挙げることができる。
上記含有率が8質量%未満では、吐出性が低下する傾向がある。また上記含有率が25質量%を超えると保存安定性が低下する傾向がある。
(a)特定共重合体には、ベタイン構造を有する繰り返し単位(a−2)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、ベタイン構造は、高分子反応を用いた方法により導入することもできる。そのような方法としては、例えば、3級アミノ基とアニオン性基を有するプレポリマーの、3級アミノ基を4級化させて得る方法や、プレポリマー中の官能基と反応して結合を形成し得る官能基とベタイン構造とを有する化合物を、プレポリマーと反応させる方法などが挙げられる。
(a)特定共重合体は、疎水性基を有する繰り返し単位(a−3)の少なくとも1種を含む。疎水性の官能基を有する繰り返し単位を含むことで、(a)特定共重合体の極性が適切に維持され、インク組成物により形成されたインク画像は、耐水性に優れるとともに、非吸収性の記録媒体への密着性に優れるものとなる。
疎水性基を有する繰り返し単位(a−3)としては、繰り返し単位(a−3)のみで構成される重量平均分子量が10,000以上のホモポリマーの、25℃の水への溶解度が1.0質量%未満である、ビニル単量体由来の繰り返し単位であれば制限無く使用でき、なかでも(メタ)アクリル酸のアルキルエステル及び(メタ)アクリル酸のアラルキルエステルから選ばれる単量体由来の繰り返し単位が好適に使用される。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖を有するものであっても、環状であってもよい。
更に疎水性基を有する繰り返し単位(a−3)を構成する単量体がベンジル基やフェネチル基等のなどのアラルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであっても、フェノキシエチル基等を有する(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。
なかでも、炭素数が3〜18のアルキル基等を有する(メタ)アクリル酸エステル類である、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが好ましく、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどがより好ましく、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
疎水性基を有する繰り返し単位(a−3)の含有率は、共重合体の極性を適度に低下させる観点から、(a)特定共重合体の総質量中に、5質量%〜72質量%の範囲が好ましく、20質量%〜65質量%の範囲がより好ましく、25質量%〜60質量%の範囲が最も好ましい。
本発明における(a)特定共重合体は、ベタイン以外の親水性基を有する繰り返し単位(a−4)の少なくとも1種を含んでいてもよい。
前記親水性基としては、(a)特定共重合体の親水性を高める機能を有する基であれば特に限定されず、ノニオン性親水性基であってもよいし、イオン性親水性基(例えば、アニオン性親水性基又はカチオン性親水性基)であってもよい。
Ryが、アルキレン基、アリーレン基、及びアラルキレン基からなる群から選ばれる基である場合、これらの基は、置換基を有していても、置換基を有していなくてもよい。また、Ryで表されるアルキレン基、アリーレン基、及びアラルキレン基は、その構造中に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はウレタン結合が存在していてもよい。
一般式(3)において、Ryは単結合であることが好ましい。
一般式(6)における親水性基Aがイオン性親水性基である場合、一般式(6)で表される繰り返し単位の含有率は、(a)特定共重合体の総質量中、10質量%以下であることが好ましく、1質量%〜8質量%がより好ましく、1質量%〜5質量%が更に好ましい。
一般式(6)における親水性基Aがノニオン性親水性基である場合、一般式(6)で表される繰り返し単位の含有率は、(a)特定共重合体の総質量中、30質量%以下であることが好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
親水性基を有する繰り返し単位(a−4)の含有量が上記範囲であることで、本発明に係る(a)特定共重合体の極性が適切に維持され、好適な耐水性が得られる。
(a)特定共重合体には、親水性基を有する繰り返し単位(a−4)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(a)特定共重合体が一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位(a−1)とベタイン構造を含む繰り返し単位とを有しない非架橋性の重合体を用いた場合は、極性の調整による耐水性と耐溶剤性の両立は困難である。しかし、本発明のインク組成物は、(a)特定共重合体中に、一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位(a−1)とベタイン構造を有する繰り返し単位とを含むため、架橋効果と極性による不溶化効果を共に奏し得る。そのため、耐水性と耐溶剤性との双方の効果を両立することができる。
なお、前記重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、カラムオーブンの設定温度を40℃として測定した。分子量の算出には標準ポリスチレンを用いた。
インク組成物は、下記一般式(1a)で表される部分構造を有し、含有率が20質量%〜90質量%である繰り返し単位(d−1)と、アニオン性親水性基を有し、含有率が8質量%〜20質量%である繰り返し単位(d−2)とを含む第二の高分子化合物の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。以下、(d)第二の高分子化合物を「(d)アニオン性共重合体」ともいう。インク組成物がアニオン性共重合体を含むことで、吐出安定性をより高める効果が得られる。
(d)アニオン性共重合体は、下記一般式(1a)で表される部分構造を有する繰り返し単位(d−1)を、アニオン性共重合体の全質量を基準として、20質量%〜90質量%の含有率で含む。
一般式(1a)における、Ra及びRbは、それぞれ一般式(1)におけるRa及びRbと同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記含有率は多すぎても、小さすぎても、形成される画像の強度が低下する傾向にある。なお柔軟性に優れた画像を形成する場合には、上記の範囲において含有率が少ない方が好ましい。
(d)アニオン性共重合体は、一般式(1a)で表される部分構造を有する繰り返し単位(d−1)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(d)アニオン性共重合体は、アニオン性親水性基を有する繰り返し単位(d−2)を(d)アニオン性共重合体の全質量を基準として、8質量%〜20質量%の含有率で含む。
アニオン性親水性基を有する繰り返し単位(d−2)の含有量が上記範囲であることで、本発明に係る(d)アニオン性共重合体の極性が適切に維持され、好適な耐水性が得られる。
(d)アニオン性共重合体は、アニオン性親水性基を有する繰り返し単位(d−2)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
これら中和剤は、アニオン性親水性基100モル%に対して、30モル%〜100モル%使用することが好ましく、40モル%〜95モル%であることがより好ましい。
(d)アニオン性共重合体は、疎水性基を有する繰り返し単位(d−3)の少なくとも1種を含んでいてもよい。疎水性基を有する繰り返し単位(d−3)の詳細は、(a)特定共重合体が含む疎水性基を有する繰り返し単位(a−3)と同義であり、好ましい態様も同様である。
疎水性親水性基を有する繰り返し単位(d−3)の含有量が上記範囲であることで、耐溶剤性や保存安定性が高まる効果が得られる。
(d)アニオン性共重合体は、疎水性親水性基を有する繰り返し単位(d−3)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
(2’−4)、(2’−5):下記構造式で表される化合物
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)
MAA−Na:メタクリル酸ナトリウム塩(メタクリル酸を共重合したポリマーを中和することで生成する。)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
HEAA:2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成工業株式会社製)
BMA:n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
iBMA:イソブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
tBMA:tert−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
IBOMA:イソボルニルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
C18MA:オクタデシルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
CyHMA:シクロヘキシルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
PEMA:フェノキシエチルメタクリレート(NKエステルPHE−1G、新中村化学株式会社製)
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
BnMA:ベンジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
本発明のインク組成物は水を含有する。
(b)水としては、不純物を含まないイオン交換水、蒸留水などを用いることが好ましい。
本発明のインク組成物における水の含有量は、10質量%〜97質量%であることが好ましく、30質量%〜95質量%であることが好ましく、50質量%〜85質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物は、主たる溶媒として水を含有するが、更に水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含有する。
ここで水溶性有機溶剤とは、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上である有機溶剤をいう。
・アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、
・多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、
・多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、
・アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メトキシプロピオンアミド、N−メチルメトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチルメトキシプロピオンアミド、n−ブトキシプロピオンアミド、N−メチルn−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチルn−ブトキシプロピオンアミド等)、・複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレンウレア等)、
・スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、
・スルホン類(例えば、スルホラン等)、
・その他(尿素、アセトニトリル、アセトン等)
多価アルコールエーテル類では、いわゆるグリコールエーテル類が好ましく、具体的には、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルがより好ましく、2−ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが更に好ましい。
複素環類としては、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンウレア等が好ましく、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。
特に沸点の高い溶剤は好ましく用いることができ、常圧での沸点が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物には、必須成分である前記(a)第一の高分子化合物、(b)水及び(c)水溶性有機溶剤に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、公知の添加剤を併用することができる。以下、インク組成物に使用しうる添加剤について説明する。
本発明のインク組成物は、着色剤を含有してもよく、着色剤を含有することにより着色インク組成物となる。
着色剤としては、染料及び顔料が挙げられ、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐久性の観点からは、顔料であることが好ましい。
着色剤として用いられる顔料としては、一般に用いられる有機顔料、無機顔料、更には、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。通常、市販されている顔料はいずれも使用でき、更に、市販の顔料分散物や表面処理剤などで予め処理された顔料、例えば、顔料を水不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ2、C.I.ピグメントオレンジ3、C.I.ピグメントオレンジ5の如きΒ−ナフトール顔料、C.I.ピグメントオレンジ4、C.I.ピグメントオレンジ22、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ74等の如きナフトールAS顔料、C.I.ピグメントオレンジ61等の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントオレンジ15、C.I.ピグメントオレンジ16等の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントオレンジ48、C.I.ピグメントオレンジ49等の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ60、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ72等の如きアセトロン顔料、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34等の如きピラゾロン顔料、が挙げられる。
茶色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン32等のナフトロン顔料などが挙げられる。
白色顔料としては、例えば、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能であり、これらのなかでも、酸化チタンが好ましい。白色顔料に使用される無機粒子は単体でも良いし、例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であっても良い。
また、顔料の最大粒径は、3μm以下、好ましくは1μm以下がより好ましい。顔料の粒径は、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件の設定などにより調整することができる。また、本発明のインク組成物を、白色のインク組成物として調製する場合であれば、顔料分散物に含有される顔料の平均粒径は、充分な隠蔽性を与える観点から、0.05μm〜1.0μm程度であることが好ましく、更に好ましくは0.1μm〜0.4μm程度である。白色の顔料分散物とする場合についても、顔料の最大粒径は、3μm以下、好ましくは1μm以下であることが好ましい。
着色剤として顔料を用いる場合には、顔料分散物を調製する際に、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸及びフマル酸誘導体からなる群より選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
本発明のインク組成物は、界面活性剤を含むことができる。
好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、非イオン性フッ素系界面活性剤(例えば、DuPont社製、商品名:ZONYL FSN)等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明にはポリアルキルシロキサンを有するシリコーン系界面活性剤や、フッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いることができる。
本発明のインク組成物は、ベタイン構造を有する繰り返し単位を含む特定共重合体を含むことから、界面活性剤の含有量を減らすことが可能となる。これにより形成される画像のべたつきがより効果的に抑制され、また耐溶剤性より向上する。このような観点から界面活性剤の含有量は、インク組成物の総質量中に固形分量として、0.6質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以下であることがより好ましい。
インク組成物は、公知の増感色素を更に含有することができ、増感色素を含有することが好ましい。増感色素は水溶性を有するものが好ましい。増感色素の溶解性としては蒸留水に対して室温において、0.5質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましく。3質量%以上溶解するものが特に好ましい。また、増感色素としては、非水溶性の増感色素の分散物も用いることができる。
インク組成物の調製方法としては、特に制限はなく、各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミル、ディスパーなどの簡単な分散機により撹拌、混合し、分散させることにより調製することができる。各成分の添加順序については任意である。好ましくは、顔料、高分子分散剤及び有機溶剤をプレミックスした後に分散処理し、得られた分散物を、特定共重合体及び有機溶剤とともに混合する。この場合、添加時や添加後に、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザーなどの簡単な撹拌機にて均一に混合することが好ましい。またラインミキサーなどの混合機を用いて混合してもよい。また、分散粒子をより微細化するために、ビーズミルや高圧噴射ミルなどの分散機を用いて混合してもよい。また、顔料や高分子分散剤の種類によっては、顔料分散前のプレミックス時に特定共重合体を添加するようにしてもよい。
本発明の画像形成方法は、前記インク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、前記付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程とを含む。これらの工程を行うことで、記録媒体上に定着したインク組成物による画像が形成される。
以下、画像形成方法におけるインク付与工程について説明する。
インク付与工程は、前記インク組成物を記録媒体上に付与する工程であれば限定されない。
インク供給系としては、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルタ、ピエゾ型のインクジェットヘッド等が挙げられる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1pl〜100pl、より好ましくは8pl〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320dpi〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400dpi〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
中でも、本発明のインク組成物は密着性に優れるため、記録媒体として非吸収性記録媒体に対して好適に使用することができ、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等のプラスチック基材が好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂基材がより好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂シート又はフィルムが更に好ましい。
以下、画像形成方法における照射工程について説明する。
照射工程は、前記記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程であれば限定されない。
照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されているに開示されている照射条件及び照射方法を本発明においても同様に適用することができる。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査する方式や、駆動を伴わない別光源によって行われる方式が好ましい。活性エネルギー線の照射は、インク着弾、加熱乾燥後、一定時間(例えば、0.01秒間〜120秒間、好ましくは、0.01秒間〜60秒間)をおいて行われることになる。
画像形成方法は、インク付与工程後であって照射工程前に、更にインク乾燥工程(「加熱乾燥工程」とも称する。)を有することが好ましい。すなわち、前記照射工程は、前記記録媒体上に付与されたインク組成物に含まれる(b)水及び(c)水溶性有機溶剤の少なくとも一部を除去してインク残部を形成すること(インク乾燥工程)と、前記インク残部に活性エネルギー線を照射することと、を含むことが好ましい。
記録媒体上に付与されたインク組成物は、加熱乾燥工程において、加熱手段により、(b)水及び(c)水溶性有機溶剤の少なくとも一部が除去されることにより定着されることが好ましい。
加熱手段としては、(b)水及び(c)水溶性有機溶剤の少なくとも一部を除去して乾燥させることができればよく、限定されない。加熱手段としては、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブン、ヒート版加熱などを使用することができる。
加熱温度は、40℃以上が好ましく、40℃〜150℃程度がより好ましく、40℃〜80℃程度が更に好ましい。なお、乾燥/加熱時間は、用いるインク組成物の組成・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
本発明の印画物は、記録媒体と、本発明のインク組成物により形成された画像、又は前記記録媒体上に本発明の画像形成方法によって形成された画像を有することを特徴とする。本発明の印画物は、記録された画像の耐水性及び耐溶剤性の双方に優れ、且つ記録媒体との密着性に優れた印画物となる。
〔インク組成物の調製〕
(a)特定共重合体又は比較高分子化合物、(b)水、(c)水溶性有機溶剤、(d)アニオン性共重合体、(e)顔料(着色剤)の分散物及び界面活性剤を、下記表2に示す組成になるように、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて、250回転/分にて混合撹拌し、粗インク組成物をそれぞれ調製した。
得られた各粗インク組成物は、プラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の孔径5μmフィルタ(ミリポア社製のMillex−SV、直径25mm)にて濾過して完成品である実施例1〜実施例12及び比較例1〜比較例3のインク組成物(1〜12、C1〜C3)を得た。
なお、本発明に係る(a)特定共重合体(既述の化合物A−1〜A−2)、比較高分子化合物である化合物C−1、及び(d)アニオン性共重合体(既述の化合物D−1)は、特開昭52−988号公報に記載の事項に準拠して合成を行った。
合成した各高分子化合物は、大量のヘキサン中に再沈殿後、炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液で溶解して用いた。
本実施例及び比較例にかかるインク組成物1〜12、C1〜C3の組成を表2に示す。なお、表中の「−」は含有されないこと又は未評価であることを表す。
(c)水溶性有機溶剤
・2−ピロリドン(和光純薬工業株式会社製)
・2−メチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製)
(界面活性剤)
・ZONYL FSN(フッ素系界面活性剤 DuPont社製)
(e)顔料分散物
・Projet Cyan APD 1000(C分散物:固形分濃度14%のシアン顔料の水分散物、富士フイルムイメージングカラーラント株式会社製)
・Projet Magenta APD 1000(M分散物:固形分濃度14%のゼンタ顔料の水分散物 富士フイルムイメージングカラーラント株式会社製)
・Projet Yellow APD 1000(Y分散物:固形分濃度14%のイエロー顔料の水分散物、富士フイルムイメージングカラーラント株式会社製)
・Projet Black APD 1000(K分散物:固形分濃度14%のブラック顔料の水分散物、富士フイルムイメージングカラーラント株式会社製)
また、作製したインク組成物の粘度は室温で4mPa・s〜10mPa・sの範囲であった。
<色ムラ>
得られた実施例及び比較例の各インク組成物を、RK PRINT COAT INSTRUMENTS社製 KハンドコーターのNo.2バーを用いて、8cm四方の塩化ビニルシート(エイブリィ・デニソン社製、AVERY 400 GLOSS WHITE PERMANENT)に12μmの厚みで塗布した。更に、70℃で3分間水分を乾燥した後、低圧水銀灯で1000mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、塩化ビニルシート上に硬化膜(ベタ画像)を有する印画物を得た。得られた画像のムラを、以下の評価基準に従って目視で評価した。評価結果を表2に示す。なお、A及びBが実用上問題の無いレベルである。
−評価基準−
A:ムラがなく、基材の白地がみえていないもの。
B:ムラがわずかにあり、基材の白地がわずかに見えているもの。
C:ムラが著しく、基材の白地が見えているもの。
前項で得られた印画物における硬化膜を有する側の表面を、イソプロピルアルコールを含浸した綿棒にてこすり、以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表2に示す。なお、A及びBが実用上問題の無いレベルである。
−評価基準−
A:50回以上こすっても、画像に変化が認められなかった。
B:20〜49回のこすりで、画像の濃度が低下した。
C:10〜19回のこすりで、画像の濃度が低下した。
D:1〜9回のこすりで、画像の濃度が著しく低下した。
前項で得られた印画物のインクと塩化ビニルシートとの密着性評価としてクロスハッチテスト(JIS K5600−5−6、2004年)を行った。なお、評価は、JIS K5600−5−6(2004年)に従い、0〜5の6段階に評価分類した。ここで、評価分類0がカットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがないことを意味する。得られた評価分類について以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表2に示す。
なお、格子に切り込みを入れる際インク−基材間評価の時は基材に達する深さまで切り込みをいれ評価を行った。下記評価A、Bであれば実用上問題がない。
−評価基準−
A:JIS K5600−5−6 分類 0又は1
B:JIS K5600−5−6 分類 2又は3
C:JIS K5600−5−6 分類 4又は5
インクジェット記録装置として、市販のインクジェットプリンタ(富士フイルムダイマティックス社製、製品名:DMP−2831)を用い、前記塩化ビニルシート上に、20cm×20cmのベタ画像を印画した。形成した画像を下記の評価基準に従って目視により評価した。評価結果を表2に示す。
−評価基準−
A:吐出不良によるドット欠けの発生が認められず、良好な画像が得られた。
B:吐出不良によるドット欠けの発生がわずかに認められたが、実用上支障をきたさない程度であった。
C:吐出不良によるドット欠けの発生があり、実用に耐えない画像であった。
Claims (7)
- (a)下記一般式(1)で表される部分構造を有し、含有率が20質量%〜90質量%である繰り返し単位(a−1)と、ベタイン構造を有し、含有率が8質量%〜25質量%である繰り返し単位(a−2)と、炭素数4〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる単量体由来の繰り返し単位(a−3)とを含む第一の高分子化合物、
(b)水、及び
(c)水溶性有機溶剤、
を含有するインク組成物。
(一般式(1)中、Ra及びRbはそれぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Ra及びRbの少なくとも一方は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Ra及びRbは、互いに結合して4〜6員の脂環構造を形成してもよい。*は、第一の高分子化合物における主鎖又は側鎖との結合部位を示す。) - 前記繰り返し単位(a−1)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位である請求項1に記載のインク組成物。
(一般式(2)中、Ra及びRbは、一般式(1)におけるRa及びRbとそれぞれ同義である。Rcは、水素原子又はメチル基を表す。Zは、単結合、「−COO−**」又は「−CONRd−**」を表し、Rdは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、**はXとの結合位置を表す。Xは2価の有機基を表す。) - 前記繰り返し単位(a−2)が、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
(式中、R1及びR5は、それぞれ独立に、単結合又はアルキレン基を表し、R2、R3、R6及びR7は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜20のアルキル基を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。R4及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。L1及びL2は、それぞれ独立に、直鎖又は分岐状のアルキレン基を表す。Z2及びZ3は、それぞれ独立に、単結合、「−COO−**」又は「−CONR9−**」を表し、**はR1又はR5との結合位置を表し、R9は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
- インクジェット画像形成用である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 更に、(d)下記一般式(1a)で表される部分構造を有し、含有率が20質量%〜90質量%である繰り返し単位(d−1)及びアニオン性親水性基を有し、含有率が8質量%〜20質量%である繰り返し単位(d−2)を含む第二の高分子化合物を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
(一般式(1a)中、Ra及びRbはそれぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Ra及びRbの少なくとも一方は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Ra及びRbは、互いに結合して4〜6員の脂環構造を形成してもよい。*は、第二の高分子化合物における主鎖又は側鎖との結合部位を示す。) - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、
前記記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を含む画像形成方法。 - 前記照射工程は、前記記録媒体上に付与されたインク組成物に含まれる(b)水及び(c)水溶性有機溶剤の少なくとも一部を除去してインク残部を形成することと、
前記インク残部に活性エネルギー線を照射することと、
を含む請求項6に記載の画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012213151A JP5908820B2 (ja) | 2012-09-26 | 2012-09-26 | インク組成物、画像形成方法及び印画物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012213151A JP5908820B2 (ja) | 2012-09-26 | 2012-09-26 | インク組成物、画像形成方法及び印画物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014065840A JP2014065840A (ja) | 2014-04-17 |
JP5908820B2 true JP5908820B2 (ja) | 2016-04-26 |
Family
ID=50742544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012213151A Expired - Fee Related JP5908820B2 (ja) | 2012-09-26 | 2012-09-26 | インク組成物、画像形成方法及び印画物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5908820B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7135806B2 (ja) * | 2018-12-06 | 2022-09-13 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | インクジェット用インク、印刷物 |
CN113490601B (zh) | 2019-03-05 | 2022-09-20 | 富士胶片株式会社 | 油墨组合物、油墨组及图像形成方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6011564A (ja) * | 1983-06-30 | 1985-01-21 | Pentel Kk | 水性インキ |
JPS6096673A (ja) * | 1983-10-31 | 1985-05-30 | Pentel Kk | 水性インキ |
JP3329771B2 (ja) * | 1998-09-22 | 2002-09-30 | 日本ポリウレタン工業株式会社 | 水系印刷インキ |
JP2012092234A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型平版印刷インキおよびその印刷物 |
JP2012144644A (ja) * | 2011-01-12 | 2012-08-02 | Fujifilm Corp | インク組成物及び画像形成方法 |
JP5398760B2 (ja) * | 2011-02-23 | 2014-01-29 | 富士フイルム株式会社 | インク組成物、画像形成方法及び印画物 |
-
2012
- 2012-09-26 JP JP2012213151A patent/JP5908820B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014065840A (ja) | 2014-04-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5680353B2 (ja) | 水性インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット印画物 | |
EP2644404B1 (en) | Ink composition, image forming method, and printed article | |
JP5295284B2 (ja) | インク組成物及び画像形成方法。 | |
JP5808684B2 (ja) | 水性インク組成物及び画像形成方法 | |
JP2014185235A (ja) | 白色インク組成物、複層形成用インクセット、画像形成方法及び印画物 | |
JP2011063771A (ja) | インク組成物、インクセットおよび画像形成方法 | |
JP5762172B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5883144B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法、印画物、およびグラフト共重合体 | |
JP5579887B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP2014025008A (ja) | 白色インク組成物、複層形成用インクセット、画像形成方法及び印画物 | |
EP2626392A1 (en) | Ink composition, image forming method, and printed article using the same | |
JP5908820B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP6021707B2 (ja) | インクジェット記録方法及び印刷物 | |
JP5844238B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5579769B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5579768B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP2012144644A (ja) | インク組成物及び画像形成方法 | |
JP5714473B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5587231B2 (ja) | インク組成物及び画像形成方法。 | |
JP2014058608A (ja) | インク組成物、画像形成方法及び印画物 | |
JP5749119B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 | |
JP2014198747A (ja) | インク組成物、画像記録方法及び印画物 | |
JP5591770B2 (ja) | インク組成物、画像形成方法、及び印画物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150608 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150721 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160223 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160324 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5908820 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |