JP5482437B2 - 水性インクジェット記録インク - Google Patents

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本発明は、水性インクジェット記録インクに関するものである。
産業用途のインクジェット記録インクとして、塩化ビニルシートなどの非吸収性記録媒体上に直接印字できるインクジェット記録インクが、近年開発されている。これらのインクジェット記録インクとしては、有機溶剤をベヒクルとした溶剤インクジェット記録インクや、重合性モノマーを主成分とする活性光線硬化型インクジェット記録インクが挙げられる。溶剤インクジェット記録インクは、その溶剤を乾燥させて大気中に蒸発させるため、近年社会的に問題となっているVOC(揮発性有機化合物)が多いという課題がある、また、作業者に対しても、臭気や安全上の影響が懸念され、十分な換気等の設備対応が必要となる。活性光線硬化型インクジェット記録インクは、印字後直ちに硬化させるのでVOCはゼロに近いが、使用するモノマーによっては、皮膚感作性を有するものが多く課題を抱えており、また、高価な活性光線の照射光源をプリンタに組み込むという制約があり、印刷分野で実用化するという観点では課題を残しているのが現状である。加えて、光沢を有するシート等に印字した場合、著しく光沢感が損なわれてしまう。
このような背景の中で、環境負荷が少なく、従来からホーム用途で広く使用されている水を主成分とする水性インクジェットインクで、直接、非吸水性記録媒体に印字できるインクジェット記録インクの開発が盛んに行われている。
水性インクジェット記録インクで直接、非吸水性記録媒体に印字するインクの場合、画像耐久性向上のため、定着樹脂を添加することが一般的である。定着樹脂として水分散型の定着樹脂をインクに添加する技術が知られている(特許文献1参照)。水分散型樹脂は、記録媒体上で成膜することで高い画像耐久性を得ることができる。しかしながら、多くの場合、十分に成膜するには高温の加熱をする必要があり、装置コストが大きくなったり、加熱のエネルギー消費量が多いなど問題がある。さらに、インクミスト付着などでノズル近傍でひとたび定着樹脂が、成膜してしまうと疎水性の高い樹脂ゆえに溶解しにくくメンテナンス負荷が大きい。
一方で、定着樹脂として水溶性もしくはインク溶解性の樹脂をインクジェット記録インクに添加する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。このタイプの樹脂は、先の水分散型樹脂に比べ、再溶解性が高いのでメンテナンスがしやすい。また、インクが乾燥すればほぼ同時に成膜するので特別高温の成膜装置が必要でないなど利点が多い。反面、水溶性樹脂の場合は分散型樹脂に比べて分子量が小さく、かつ親水性が高いので十分な画像耐久性が得られるような材料選択が重要である。さらに、本発明者らはこのタイプの樹脂を添加したインクを詳細に検討したところ、以下の2つの課題を新たに見出した。一つは、樹脂の添加がインク保存性に影響することである。特に定着性向上のため添加量を増やしていくと大きく悪化する。もう一つは、連続プリント性が劣化してしまうことである。
特許文献3には顔料分散樹脂としてアクリル酸シクロヘキシル50%以上からなるモノマーを共重合した樹脂を含有することを開示しており、普通紙やインクジェット専用紙でのにじみ抑制、光沢向上、光学濃度向上に効果があるとしている。しかしながら、アクリル酸シクロヘキシル50%以上からなるモノマーを共重合した樹脂は、安定に射出することが出来ず、さらに、ひとたびインクによりヘッドが汚れた場合洗浄、除去が困難である。
特許文献4にはインクジェット用ポリマーとして、構成成分としてアクリル酸シクロヘキシルを含有するポリマーを開示している。この技術は顔料分散剤を目的とした組成であり、水溶性定着樹脂を目的としたものでない。また、開示された樹脂を用いたインクでは、射出安定性、画像耐久性が十分ではなく、ひとたびインクによりヘッドが汚れた場合の洗浄、除去性を両立するものでない。
従って非吸水性記録媒体に印字する場合でも高い画像耐久性がえられ、かつメンテナンス適性に優れ、また長期にわたって保存しても安定に良好な特性を維持でき、さらに連続プリント性の良好なインクジェット記録インクが要望されていた。
特開2004−114692号公報 特開2008−208153号公報 特開2006−117817号公報 特開2005−171223号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、非吸水性記録媒体に印字する場合でも十分に高い画像耐久性をえることができ、かつ、インクを長期にわたって保存しても安定に良好な特性を維持でき、かつ、安定に射出でき、特に長期間にわたり安定に射出でき、かつ、ミストなどの汚れがヘッドに付着しても簡易な方法で除去できるメンテナンス適性を備えたインクを提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも顔料、定着樹脂、および定着成膜助剤を含有する水性インクジェット記録インクにおいて、前記定着樹脂が、環状アルキル(メタ)アクリレートが8質量%以上30質量%未満と、メチルメタクリレートが30質量%以上80質量%未満と、酸モノマーが7質量%以上18質量%未満とが重合した、ガラス転移温度が30℃以上100℃未満であるアニオン性樹脂を、部分もしくは完全中和し、水溶性とした水溶性樹脂を含むことを特徴とする水性インクジェット記録インク。
本発明により、非吸水性記録媒体に印字する場合でも十分に高い画像耐久性をえることができ、かつ、インクを長期にわたって保存しても安定に良好な特性を維持でき、かつ、安定に射出でき、特に長期間にわたり安定に射出でき、かつ、ミストなどの汚れがヘッドに付着しても簡易な方法で除去できるメンテナンス適性を備えたインクジェット記録インクを提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも顔料、定着樹脂、および定着成膜助剤を含有する水性インクジェット記録インクにおいて、前記定着樹脂が、環状アルキル(メタ)アクリレートが8質量%以上30質量%未満と、メチルメタクリレートが30質量%以上80質量%未満と、酸モノマーが7質量%以上18質量%未満とが重合した、ガラス転移温度が30℃以上100℃未満であるアニオン性樹脂を、部分もしくは完全中和し、水溶性とした水溶性樹脂を含むことを特徴とする水性インクジェット記録インクで実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
《定着樹脂》
〔本発明に係る定着樹脂〕
本発明は、上記特定の水溶性樹脂を定着樹脂として添加した水性インクジェット記録インクに関するものである。
以下特定の水溶性樹脂に関する説明をする。特定の水溶性樹脂は、下記3種のモノマーの共重合体からなるアニオン性樹脂を部分もしくは完全中和し水溶性とした水溶性樹脂である。
特定の水溶性樹脂は、環状アルキル(メタ)アクリレートが全モノマー中、8%以上30%未満用いて共重合している。環状アルキル(メタ)アクリレートを共重合すると、同量の直鎖アルキル(メタ)アクリレートや芳香族モノマーを用いた場合に比べて高い画像耐久性が得られる。高い画像耐久性を得るには、環状アルキル(メタ)アクリレートが全モノマー中、8%以上共重合する必要がある。30%以上用いた場合、インク保存性を損ない、安定に良好な特性を維持しにくくなる。また、射出性については、特に長期間にわたり安定に射出することが難しくなる。さらに、ミストなどの汚れがヘッドに付着した場合、簡易な方法で除去できるメンテナンス適性が得られにくい。
環状アルキル(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートを好ましく用いることができる。特に、シクロヘキシルアクリレートを好ましく用いることができる。
特定の水溶性樹脂は、酸モノマーが7%以上18%未満用いて共重合している。酸モノマーが7%未満では、射出安定性、メンテナンス適性が低下してしまう。18%以上用いて共重合すると、画像耐久性が大きく劣化してしまう。また、インク保存性も大幅に劣化する。
酸モノマーとしては、メタクリル酸、アクリル酸を好ましく用いることができる。
特定の水溶性樹脂は、ガラス転移温度が30℃以上100℃未満である。30℃未満では、十分な画像耐久性を示すことが難しい。とりわけ、ブロッキング特性が大きく劣化してしまう。100℃以上でも十分な画像耐久性を示すことができない。100℃以上の場合、画像の折割れが発生してしまう。ガラス転移温度としては、60℃以上90℃未満の範囲がさらに好ましい。
特定の水溶性樹脂は、メチルメタクリレートが30%以上80%未満用いて共重合している。メチルメタクリレートはスチレンなどの芳香族モノマーを用いた場合に比べて画像耐久性が非常に高くなる。また、酸価を低めにしても水に安定に溶解することができる。樹脂は前記のごとく、酸モノマーが7%以上18%未満用いて共重合するものであり、この範囲の酸モノマー量で、樹脂を安定に溶解するにはメチルメタクリレートを用いることが必要である。
特定の水溶性樹脂は、酸モノマーが7%以上18%未満を含むモノマーを重合したアニオン性樹脂を部分もしくは完全中和し水溶性とした水溶性樹脂である。中和率は80%以上150%未満が好ましい。特に好ましくは90%以上120%未満である。中和は、アルカリ金属含有塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等や、アミン類(例えば、アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン等)を用いることができる。特に、沸点が200℃未満のアミン類で中和することは、画像耐久性を向上することができる観点から好ましい。特に、アンモニアで中和した酸モノマーは、印字した後の乾燥性が速く、プリント後、直ちに印字物を重ねることができ、加えてインク混じりを防止できる観点からも好ましい。また、対塩としてN,N−ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N−メチルアミノエタノールを用いることは、射出安定性上好ましい。
特定の水溶性樹脂において、水溶性とは25℃で10質量%以上の濃度で水に溶解できることをいう。
また、特定の水溶性樹脂は、本発明の効果を損なわない程度に他のモノマーを併用することができる。併用する場合は、アクリル酸エステルが好ましい。
特定の水溶性樹脂の使用量は、使用する顔料添加量にもよるが、インク中に固形分換算で2質量%以上15質量%未満の量を用いることができる。
また、顔料添加量の1倍以上20倍未満の量で使用することができる。
定着樹脂は、インク調液過程で添加することが好ましい。顔料分散工程に添加し顔料分散剤と一緒に顔料分散をすることを否定するものではないが、顔料分散工程と別の調液プロセスで本発明の定着樹脂を添加することが好ましい。
定着樹脂は、インク塗膜で均一な塗膜を形成できるよう、インク中に溶解していることが好ましい。上記のように、顔料分散工程と別の調液プロセスで本発明の定着樹脂を添加しても、顔料分散体との作用により、本発明の定着樹脂の一部が顔料分散体に吸着することは本発明の範囲内である。
本発明のインクを遠心分離装置を利用し、固形分と液体成分に分離し、固形分、溶液部分双方への定着樹脂を定量分析することで、定着樹脂がどの割合でインク溶液中に溶解しているかの溶解比率が判定できる。
本発明の定着樹脂はインク溶液中に定着樹脂の50質量%以上が溶解した状態で存在することが好ましい。
《定着成膜助剤》
本発明のインクは定着成膜助剤を含有する。本発明の定着樹脂は、基材上に顔料含む塗膜を形成するためのバインダーであり、塗膜の主成分である。そのため、主成分を連続的な膜にするための成膜助剤を添加することで十分な画像耐久性を得ることができる。
定着成膜助剤は、特定の有機溶剤であり、本発明の定着樹脂を溶解、あるいは軟化することができるものである。具体的評価法としては、定着樹脂成分の10倍量を加え、50℃の温度で溶解するか、あるいは、固形分が分離することなく流動性をもった状態で混合できる溶剤である。
このような化合物としては、水に溶解もしくは混和可能な、窒素、もしくはイオウ原子を含む環状溶剤、環状エステル溶剤、及びジメチルスルフォキシド、グリコールエーテル、エステル類、アミド類を用いることができる。
定着成膜助剤としての例として、例えば以下のものをあげることができる。
窒素原子を含有する環状化合物としては、環状アミド化合物、特には5〜7員環が好ましく、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン、ε−カプロラクタム、メチルカプロラクタム、2−アザシクロオクタノン等が挙げられる。環状アミド以外の窒素原子を含有する環状化合物としてはホルミルモルホリン、イオウ原子を含有する環状化合物としては、環状アミド化合物が好ましく、5−7員環が好ましく、例えば、スルホラン等が挙げられる。環状エステル化合物としてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンが挙げられ、乳酸エステルとしては、乳酸ブチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルキレングリコールジエーテルとしては、ジエチレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。アルキレングリコールモノエーテルモノエステルとしては、ジエチレングリコールモノエチルモノアセテートなどが好ましい例としてあげられる。
定着成膜助剤は、単独もしくは複数種を併用して用いてもよく、総量として、定着樹脂の1倍以上10倍未満の量を用いることができる。
定着成膜助剤と共に併用できる有機溶剤について説明する。
本発明のインクには低表面張力溶剤を添加することが好ましい。低表面張力溶剤を添加することで、塩化ビニルシートをはじめ種々の樹脂基材や、印刷本紙などのインク吸収速度が遅い紙支持体に対しても、インク混じりを一層抑えることができ、高画質な印字画像を得られる。低表面張力溶剤は、塩化ビニルなどに対してインクの濡れ性を改善する作用がある。
本発明においては、低表面張力溶剤として、グリコールエーテル類もしくはアルカンジオール類を添加することは好ましい。
下記に本発明のインクに好適な低表面張力溶剤の一例を示す。なお、括弧内の数値は、溶剤の表面張力(mN/m)を表す。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(28.2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(27.4)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(31.8)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(33.6)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(32.1)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(25.9)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(28.8)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(30.0)等が挙げられる。
また、アルカンジオール類としては、1,2−アルカンジオールあるいは1,3−アルカンジオールが好ましい。例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール(28.1)、1,2−ヘプタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
本発明においては、インクジェットヘッドからのインク射出安定性、メンテナンス性及び形成した画像の光沢の観点から、溶剤の1つとして、水溶性アルカノールアミン類を、インク全質量の0.30質量%以上、2.0質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは、0.3質量以上、1.8質量%以下含有することである。本発明に好ましく適用することのできる水溶性アルカノールアミン類としては、N,N−ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N−メチルアミノエタノールを挙げることができる。
その他には、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、等が挙げられる。
本発明においては、定着製膜助剤、有機溶剤、低表面張力溶剤の総使用量はインク全質量の10質量%以上、50質量%以下で好ましく使用できる。
《顔料》
本発明のインクにおいては、色材として顔料を用いる。
本発明に用いる顔料は水系で安定に分散できるものであればよく、高分子樹脂により分散した顔料分散体、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料、顔料表面を修飾し分散樹脂を用いなくても分散可能な自己分散顔料等から選択することができる。インクの保存性を特に重視する場合は、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料を選択することが好ましい。
高分子樹脂により分散した顔料分散体を用いる場合、高分子樹脂としては水溶性のものを用いることができる、水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂を挙げることができる。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散手段を用いることができる。
本発明において、顔料分散体の粗粒子分を除去する目的で、遠心分離装置あるいはフィルタを使用することも好ましい。
また、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料を用いることができる。水不溶性樹脂とは、弱酸性ないし弱塩基性の範囲の水に対して不溶な樹脂であり、好ましくは、pH4ないし10の水溶液に対する溶解度が2%未満の樹脂である。
このような水不溶性樹脂としては、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコーン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各樹脂を挙げることができる。また、水不溶樹脂として、疎水性モノマーと親水性モノマーを含有する樹脂を用いることができる。疎水性モノマーとしては、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジルなど)、スチレンなどをあげることができる。また、親水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドなどが挙げられ、アクリル酸のような酸性基を有するものは、重合後に塩基で中和したものを好ましく用いることができる。
水不溶性樹脂の分子量としては、重量平均分子量として3000から500000のものを用いることができる。好ましくは、7000から200000のものを用いることができる。
水不溶性樹脂のTgは、−30℃から100℃程度のものを用いることができる。好ましくは、−10℃から80℃程度のものを用いることができる。
重合方法としては、溶液重合、乳化重合を用いることができる。重合はあらかじめ顔料と別途合成しても良いし、顔料を分散した系内にモノマーを供給して、重合してもよい。
顔料を水不溶性樹脂で被覆する方法としては、公知の各種方法を用いることができるが、好ましくは、転相乳化法や酸析法の他に、顔料を、重合性界面活性剤を用いて分散し、そこへモノマーを供給し、重合しながら被覆する方法等を選択することがよい。
より好ましい方法としては、水不溶性樹脂をメチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解し、さらに塩基にて樹脂中の酸性基を部分的もしくは完全に中和した後、顔料およびイオン交換水を添加して分散したのち、有機溶剤を除去し、必要に応じて加水して調製する製造方法を挙げることができる。
顔料と水不溶性樹脂の質量比率としては、顔料/水不溶性樹脂比で100/40〜100/150の範囲で選択することができる。特に、画像耐久性と射出安定性やインク保存性が良好なのは100/60から100/110の範囲である。水不溶性樹脂で被覆された顔料粒子の平均粒子径は、80〜150nm程度がインク保存安定性、発色性の観点から好ましい。
また、自己分散顔料としては、表面処理済みの市販品を用いることもでき、例えば、CABO−JET200、CABO−JET300(以上、キャボット社製)、ボンジェットCW1(オリエント化学工業(株)社製)等を挙げることができる。
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
《界面活性剤》
本発明のインクの界面活性剤として、シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤を添加することが好ましい。
シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤の添加することにより、塩化ビニルシートをはじめ種々の樹脂基材や、印刷本紙などのインク吸収速度が遅い紙支持体に対しても、インク混じりを一層抑えることができ、高品位な印字画像が得られる。また、低表面張力溶剤と併用することが、特に好ましい。
シリコーン系の界面活性剤としては、好ましくはポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK345、BYK347、BYK348などが挙げられる。
フッ素系の界面活性剤としては、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素の代わりに、その一部または全部をフッ素で置換したものを意味する。この中でも、分子内にパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
フッ素系の界面活性剤のうち、ある種のものはDIC(株)からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、旭硝子社からサーフロン(Surflon)なる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、またファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
また、非イオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、DIC(株)社製のメガファックス144D、旭硝子社製のサーフロンS−141、同145等を挙げることができ、また、両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンS−131、同132等を挙げることができる。
シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤と共に、下記に示す界面活性剤を併用することも可能である。
例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《定着樹脂の合成》
〔定着樹脂1の合成〕
500ml四つ口フラスコに、メカニカルスターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、イソプロピルアルコール185gをフラスコに加え、窒素ガスをバブリングしながら加熱還流した。滴下ロートに、メタクリル酸メチル67g、アクリル酸エチル9g、アクリル酸2−エチルヘキシル7g、アクリル酸シクロヘキシル8g、メタクリル酸9g及び開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.42gを混合溶解したものを入れ、約2時間かけ加熱還流させた状態で、滴下した。滴下後、さらに6時間加熱還流し、更に、AIBN0.08gのメチルエチルケトン溶液を、15分かけ滴下した。この後さらに5時間加熱還流した。
生成したアニオン性樹脂1を含む反応液を放冷後、溶媒のイソプロピルアルコールを減圧にて留去した。この残渣に、アルカリ中和塩基として28%アンモニア水を6.7g、イオン交換水を553g添加し、加熱撹拌して溶解した、本発明に係る特定の水溶性樹脂である定着樹脂1の溶液を得た。このアンモニア塩溶液中の樹脂固形分濃度は、約15質量%である。
〔定着樹脂2〜11の合成〕
定着樹脂1の合成において、モノマーを表1に記載のモノマーに代えて、定着樹脂1の合成と同様にしてアニオン性樹脂を生成したのちに定着樹脂1と同様に中和処理を施し、本発明に係る特定の水溶性樹脂である定着樹脂2〜11、及び他の定着樹脂12〜17を合成した。なお、分子量は添加するAIBNの量、および温度を調節して変化させた。
表1に定着樹脂を構成する各モノマーと、中和する前のアニオン性樹脂の酸価とTg、及び得られた定着樹脂の重量平均分子量(Mw)を特性値の一覧表として示した。なお、本発明に係る特定の水溶性樹脂である中和後の定着樹脂1〜11は10質量%以上が水に溶解した。
なお表1で用いた略号は以下のとおりである。
c−hexA:アクリル酸シクロヘキシル
c−hexMA:メタクリル酸シクロヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
n−BA:アクリル酸n−ブチル
EA:アクリル酸エチル
EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
〈ガラス転移温度(Tg)の測定〉
ガラス点温度(Tg)、重量平均分子量(Mw)は下記のようにして各々測定した。
DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー社製)を用いて中和する前のアニオン性樹脂のTgを測定した。
測定手順として、アニオン性樹脂の10.00mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。なお、リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
測定条件としては、測定温度0〜130℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2回目のHeatにおけるデータをもとに解析を行った。なお、測定は窒素気流条件下で行った。
ガラス転移温度(Tg)は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(Tg)とした。
上記方法により測定したアニオン性樹脂1のガラス転移温度(Tg)は、72℃であった。
〈重量平均分子量(Mw)の測定〉
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒 : テトラヒドロフラン
カラム : 東ソー製TSKgel G4000+2500+2000HXL
カラム温度: 40℃
注入量 : 100μl
検出器 : RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ : L6000(日立製作所(株)製)
流量 : 1.0ml/min
校正曲線 : 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13のサンプルによる校正曲線を使用した。13のサンプルは、ほぼ等間隔に用いた
Figure 0005482437
《顔料分散体調整》
〔顔料分散体:マゼンタ顔料分散体M1の調製〕
マゼンタ顔料(CM1) 10.0部
顔料分散剤(BYK190) 3.0部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0部
イオン交換水 82.0部
上記各添加剤を混合、撹拌した後、平均粒径が1.5mmのジルコニアビーズをペイント缶の50体積%となるように添加し、ペイントコンディショナーにて6時間振蓋した後、ビーズを除き、マゼンタ顔料分散体M1を調製した。
〔顔料分散体:顔料分散体C1、Y1、Bk1の調製〕
マゼンタ顔料分散体M1の調整において、顔料種と、顔料分散剤のみを、表2に記載のように代えて、おのおのシアン、イエロー、黒の顔料分散体をマゼンタ顔料分散体M1と同様に調製した。なお顔料分散体の調整において、顔料、及び顔料分散剤は以下のものを用いた。
CM1:Hostaperm Pink E Transp. 01 CRALIANT
PC1:FASTOGEN Blue 5485 DIC株式会社
PY1:Novoperm Yellow 4G01 CRALIANT
CB1:Mitsubishi CB #950 三菱化学
BYK190:ビックケミージャパン社
BYK2010:ビックケミージャパン社
BYK2015:ビックケミージャパン社
Figure 0005482437
《インクの調製》
〔インク1の調製〕
顔料分散体:マゼンタ顔料分散体M1 顔料固形分として3.0部
定着樹脂1 固形分換算4.0部
有機溶剤1:1、2−ヘキサンジオール(表3、表4には、1,2HDと略記)
5.0部
有機溶剤2:2−メチル−1,3−プロパンジオール(表2には、MPDと略記)
6.0部
定着成膜助剤: 2−ピロリドン(表2には、2−PDと略記) 10.0部
界面活性剤:BYK−348(シリコーン系界面活性剤、ビッグケミー製 表3、表4では、F1と略記) 0.5部
イオン交換水で、100部となる様に仕上げた。
上記各添加剤を添加、攪拌、混合した後、孔径が5μmのフィルタを用いてろ過を行って、インク1を調製した。
〔その他のインクの調製〕
インク1の調整において、顔料分散体種と量(質量部)および定着樹脂種と量(質量部)を、表3、表4に記載のように代えて、インク1と同様にインク2〜27を調製した。
〔インク中の溶解樹脂分析〕
インクを遠心式限外濾過ユニットマイクロセップ(10K)(日本ジェネティクス(株)社製、分画分子量10K)を用いて、固形分と液成分を分離した。遠心式フィルターユニットとして、マイクロコン(NWCO 10k)を用いた。インク、500μlをフィルタに注入し、遠心力5000×gにて30分かけ固形分と液成分を分離した。液成分中の環状アルキル(メタ)アクリレート由来成分量を分析した(C1)。また、インク中の環状アルキル(メタ)アクリレート由来成分量を分析した(C2)。インクをpH2にしてから、MEK抽出して樹脂成分を抽出して定量した。
定着樹脂の溶解成分を以下のように求めた。
定着樹脂のインク中の溶解比率=C1/C2(mol%)。この値を表3、表4で、溶解比率として略記して示す。
《インクの評価》
上記調製した各インクを用いて、下記の方法に従って画像形成し、各評価を行った。
〔画像形成〕
ピエゾ型のインクジェットヘッド(インク液滴量20pl)4基を並列に配置した4色のプリントが可能なインクジェットプリント装置を用いて評価を行った。解像度は720dpi×720dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)に設定した。インクジェットプリント装置には、記録媒体を下方より接触式ヒーターにて任意に加温できる加熱機能を備え、インクジェットヘッドの格納ポジションには、インクの空打ちポジションとブレードワイプ式のメンテナンスユニットを備え、任意の頻度でヘッドクリーニングができる機構を備えている。
上記インクジェットプリント装置のKインク用インクジェットヘッドに、上記調製した各インク(ブラックインク)をそれぞれ導入し、溶剤インクジェット記録インクプリンタ用の軟質塩化ビニルシートに、インクを10%Dutyから100%Dutyまでの条件で、10%Duty刻みで10cm×50cmの長方形ベタ画像を各々プリントした。プリント時には、記録媒体の下方より、接触式ヒーターにて、軟質塩化ビニルシートの表面温度が55℃となる条件で加熱しながら記録した。記録後、更に後乾燥工程として60℃で3分間の加熱処理を施した。
〔各評価条件〕
次いで、下記に示す各評価を行った。
(射出安定性の評価)
上記プリント条件により、20℃、相対湿度40%の環境下で連続10回プリントした。その後、10回目の100%Duty画像について目視観察し、下記の基準に従って射出安定性を評価した。
5:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はまったく認められない
4:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はほぼ認められない
3:作成画像の書き出し部(数mm)において、極僅かなかすれの発生が認められるが、実用上は許容される品質である
2:作成画像の書き出し部(数mm)において、明らかなかすれの発生が認められ、実用上問題となる品質である
1:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する明らかな画像欠陥が多数発生している。
(連続プリント評価)。
前記射出安定性の評価と同じ条件で連続プリント回数を90回にしてプリントした。30回プリントごとに、ブレードワイプ式のメンテナンスを実施した。90回目のプリントについて、100%Duty画像について目視観察し、下記の基準に従って射出安定性を評価した。
5:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はまったく認められない
4:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はほぼ認められない
3:作成画像の書き出し部(数mm)において、極僅かなかすれの発生が認められるが、実用上は許容される品質である
2:作成画像の書き出し部(数mm)において、明らかなかすれの発生が認められ、実用上問題となる品質である
1:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する明らかな画像欠陥が多数発生している。
(メンテナンス性の評価)。
上記プリント条件により、20℃、相対湿度30%の環境下で連続5回プリントしたのち、キャップをせずに1時間放置した。次いで、ブレードワイプ式のメンテナンスユニットでメンテナンスを行った直後に、同じく、20℃、相対湿度30%の環境下で上記と同様にしてベタ画像を1回プリントし、得られた画像を目視観察し、下記の基準に従って、メンテナンス適性を評価した。なお、メンテナンスユニットには、下記組成の洗浄液を充填し、ワイプブレードを洗浄液にて洗浄しながらワイピングを行った。
〈洗浄液の組成〉。
2−ジメチルアミノエタノールを2.0%、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルを5.0%含有し、残部をイオン交換水で100部に仕上げた。
5:作成画像において、メンテナンス不良に起因する画像欠陥の発生は全く認められない
4:作成画像において、メンテナンス不良に起因する画像欠陥の発生はほぼ認められない
3:作成画像において、メンテナンス不良に起因する極弱い画像欠陥の発生は全く認められるが、実用上は許容される品質である
2:作成画像において、メンテナンス不良に起因する画像欠陥の発生が認められ、実用上問題となる品質である
1:作成画像において、メンテナンス不良に起因する画像欠陥が多数発生している。
(インク保存性の評価)
調液したインクを保存瓶に密栓し、60℃環境に3週間保存後、常温に戻した。保存前後のインクの平均粒子径の測定を行った((保存後粒径)−(保存前粒径))/(保存前粒径)(%)。この値が小さいほど保存性が良い。
5:保存前後の平均粒子径の差が、10%以内
4:保存前後の平均粒子径の差が、10%以上20%未満
3:保存前後の平均粒子径の差が、20%以上30%未満
2:保存前後の平均粒子径の差が、30%以上100%未満
1:保存前後の平均粒子径の差が、100%以上。
(耐擦性の評価)
上記方法で作成した画像表面を、綿布(カナキン3号)を用い12Nの荷重をかけて擦り、画像表面の傷発生、画像膜剥がれの発生状態を目視観察し、下記の基準に従って耐擦性を評価した。
5:40往復擦っても、傷や画像膜剥がれの発生は全く認められない
4:15往復では傷や画像膜剥がれの発生は認められないが、30往復では表面に僅かに傷の発生が認められる
3:15往復では表面に傷の発生が認められ、30往復では画像膜剥がれが発生する
2:15往復で、画像膜剥がれが生じる
1:10往復で、画像膜剥がれの発生が認められる。
Figure 0005482437
Figure 0005482437
表3、表4より本発明資料はインク保存性、射出安定性、連続プリント性、メンテナンス性、耐擦性がすぐれていることがわかる。

Claims (1)

  1. 少なくとも顔料、定着樹脂、および定着成膜助剤を含有する水性インクジェット記録インクにおいて、前記定着樹脂が、環状アルキル(メタ)アクリレートが8質量%以上30質量%未満と、メチルメタクリレートが30質量%以上80質量%未満と、酸モノマーが7質量%以上18質量%未満とが重合した、ガラス転移温度が30℃以上100℃未満であるアニオン性樹脂を、部分もしくは完全中和し、水溶性とした水溶性樹脂を含むことを特徴とする水性インクジェット記録インク。
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