JP4152820B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用水系インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、広く用いられている。インクジェットプリンタに使用されるインクには、耐水性や耐光性を向上させるため、近年、水系顔料インクが使用されている。
【0003】
顔料系インクに用いられる顔料は、発色性の観点から有機顔料が用いられることが多いが、多くはその表面が疎水的であるため、水系媒体に安定的に分散させることが難しい。そこで、インク中で顔料を安定的に分散させるため、通常、顔料を高分子分散剤等とともに混合する方法、顔料に官能基を導入する方法、顔料微粒子をカプセル化する方法等が知られている。
【0004】
インクジェット記録用マゼンタ色水系インクに従来から使用されているマゼンタ顔料は、ジメチルキナクリドン(P.Red 122)及びジメチルキナクリドンと無置換キナクリドン(P.Violet 19)の混合物又はこれらの固溶体顔料がほとんどであり、染料のマゼンタに比べてかなり青味に位置している。
【0005】
そのため、レッド領域の演色性、すなわち色再現性範囲が狭くなり、記録画像の色相面から高い透明度、高精細度や優れた演色性等が要望され、固溶体顔料とすることで色相の鮮明性、冴え、透明性を向上させる検討がされている。また、吐出を安定化し、最適な印字品質を得るためにインク組成物の粘度、表面張力を調整する必要があり、インク中に浸透剤、界面活性剤等が添加される。
【0006】
顔料の中でもキナクリドン系顔料自体、疎水性であり水系媒体への分散が困難であること、顔料の結晶性が高いので媒体中に分散させた後にも結晶成長を起こし、顔料分散組成物の保存安定性を損ねてしまうという問題がある。このため、その固溶体顔料は、色再現性が広がるが、実使用上、耐候性、耐溶剤性、耐薬品性等の諸堅牢性を必ずしも満足できない。特に長期に亘る各種添加剤(潤滑剤、界面活性剤等)存在下での保存信頼性を充分に満足した固溶体マゼンタ顔料は見出されていないため、顔料の製造法以外に高分子分散剤等の検討が多くなされている。
【0007】
顔料の分散安定性を向上させることを目的として、(イ)側鎖に脂肪族縮合環構造を有する自己分散性アクリル系共重合体を用いた水性顔料組成物(特許文献1)、(ロ)末端分岐疎水性セグメントを有する親水性、又は両親媒性ポリマー鎖を含む分散剤(特許文献2)、(ハ)マクロマーを共重合した水不溶性ビニルポリマーを用いた水系インク(特許文献3)等が提案されている。
【0008】
しかしながら、前記(イ)の側鎖に脂肪族縮合環構造を有する自己分散性アクリル系共重合体を用いた場合、1分子中に脂肪族縮合環構造を有する単量体と、酸性基を有する単量体と、1種以上の単量体からなる自己水分散性アクリル系樹脂では、固溶体でない顔料の分散安定性は向上し、安定的に分散状態を保たれるが、固溶体顔料では、充分に長期分散安定性が保たれない。
【0009】
また、前記(ロ)の末端分岐疎水性セグメントを有する親水性、又は両親媒性ポリマー鎖を含む分散剤を用いた場合も固溶体顔料での各種添加剤(潤滑剤、界面活性剤等)存在下での長期安定性は期待できない。
【0010】
更に、前記(ハ)のマクロマーを共重合したポリマーを用いた水系インクでは、印字性能(印字濃度、耐擦過性等)の向上に効果が期待されるものであり、固溶体顔料での各種添加剤(潤滑剤、界面活性剤等)存在下での長期安定性は期待できない。すなわち、従来技術の範疇では固溶体マゼンタ顔料での各種添加剤(潤滑剤、界面活性剤等)存在下での長期保存信頼性を確保できる水性インクは得られていない。
【0011】
【特許文献1】
特開2003-155436号公報
【特許文献2】
特表2002-532242公報
【特許文献3】
国際公開第00/39226号公報,2000年
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固溶体マゼンタ顔料でのインク保存における長期保存信頼性に優れたインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題の解決手段として、 固溶体マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクであって、水不溶性ビニルポリマーが、少なくとも脂環式(メタ)アクリレート(A)及び塩生成基含有モノマー(B)を共重合した水不溶性ビニルポリマーであるインクジェット記録用水系インクを提供する。
【0014】
本発明のインクジェット記録用水系インクにおいて「水系」とは、インクに含有された溶媒中、水が最大割合を占めていることを意味するものであり、水100%でも良いし、前記要件を満たすものであれば、水と1種又は2種以上の有機溶媒との混合物も含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録用水系インクは、固溶体マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するものである。
【0016】
固溶体マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子は、少なくとも固溶体マゼンタ顔料と水不溶性ビニルポリマーにより粒子が形成されているものであれば粒子形態は特に制限されるものではなく、例えば、水不溶性ビニルポリマーに固溶体マゼンタ顔料が内包された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーに固溶体マゼンタ顔料が均一に分散された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーに固溶体マゼンタ顔料が内包されているが、粒子表面に一部の固溶体マゼンタ顔料が露出された粒子形態等が含まれる。
【0017】
<固溶体マゼンタ顔料>
固溶体マゼンタ顔料としては、無置換キナクリドンと公知のジメチル置換キナクリドン、無置換キナクリドンと公知のジクロル置換キナクリドン等の組合せが挙げられる。具体的には、無置換キナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン、2,9−ジクロルキナクリドン及び3,10−ジクロルキナクリドンから選ばれた2種以上のキナクリドン系化合物を含む顔料固溶体等が挙げられる。
【0018】
無置換キナクリドンとしては、α型,β型,γ型のいずれでも差し支えないが、保存信頼性の観点から、β型もしくはγ型無置換キナクリドンが好ましい。例えば、特開平10-219166公報に開示されている固溶体マゼンタ顔料を用いることもでき、更にはこれらの組み合わせの中では、無置換キナクリドン(P.Violet 19)と2,9−ジメチルキナクリドン(P.Red 122)の組み合わせが色相の観点から好ましい。より好ましくは無置換キナクリドン/2,9−ジメチルキナクリドン(重量比)の10/90〜90/10の組み合わせ、更に好ましくは15/85〜85/15の組み合わせである。
【0019】
<水不溶性ビニルポリマー>
水不溶性ビニルポリマーは、少なくとも脂環式(メタ)アクリレート(A)及び塩生成基含有モノマー(B)を共重合して得られる。なお、本発明の課題を解決できる範囲で他のモノマーを使用することができる。
【0020】
脂環式(メタ)アクリレート(A)としては、単環式(メタ)アクリレート、二環式(メタ)アクリレート、三環式以上の多環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらの環構造は置換基を有していても良い。なお、本発明において(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートの両方を意味する。
【0021】
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0022】
二環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
三環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
脂環式(メタ)アクリレートの中では、吐出信頼性及び再分散性の観点から、単環式(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート及びアダマンチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた1種以上が好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はアダマンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0025】
また、本発明においては、上記した脂環式(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリル酸及びその誘導体に脂環式化合物が結合したモノマーを使用することができる。
【0026】
脂環式化合物としては、ジヒドロ-α-テルピネオール、1-メチル-4-イソプロピル-3-シクロヘキサノール、1-メチル-4-イソプロピル-1,8-シクロヘキサンジオール、1-メチル-4-イソプロピル-1,4-シクロヘキサンジオール、サンテノール、ツイルアルコール、ピノカンフェオール、フェンチルアルコール、イソフェンチルアルコール等のモノテルペノイド系化合物が挙げられる。
【0027】
塩生成基含有モノマー(B)としては、カチオン性モノマー及びアニオン性モノマーが挙げられる。
【0028】
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。
【0029】
不飽和3級アミン含有モノマーとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアリールアミン、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0030】
不飽和アンモニウム塩含有モノマーとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0031】
カチオン性モノマーの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
【0032】
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
【0033】
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸、それらの無水物及び塩等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル及びそれらの塩、その他2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びそれらの塩が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0035】
不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタアクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0036】
アニオン性モノマーの中では、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
【0037】
また、脂環式(メタ)アクリレート(A)、塩生成基含有モノマー(B)と、マクロマー(C)を共重合しても良い。
【0038】
マクロマー(C)としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500 〜500,000、より好ましくは1,000〜10,000 であるマクロマーが挙げられる。
【0039】
マクロマー(C)としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するメチルメタクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するブチルアクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するイソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中では、吐出信頼性の観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
【0040】
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体及び片末端に重合性官能基を有するスチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0041】
片末端に重合性官能基を有するスチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。また、そのスチレンの含有量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
【0042】
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
【0043】
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS-6、AS-6S,AN-6、AN-6S, HS-6、HS-6S等が挙げられる。
【0044】
なお、マクロマー(C)の数平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
【0045】
更に、共重合可能なモノマー(D)として、(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマー、水酸基含有モノマー、ノニオン性の親水性モノマー等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
共重合可能なモノマー(D)には、耐水性、耐擦過性の観点から、アルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマーから選ばれた少なくとも1種が含有されていることが好ましい。
【0047】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜22のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0048】
芳香環含有モノマーとしては、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中ではスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた少なくとも1種が、耐水性及び耐擦過性の観点からより好ましい。
【0049】
水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0050】
ノニオン性の親水性モノマーとしては下記一般式で示されるものが好ましく、オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位を構成単位として有するモノマーが好ましく、pは、好ましくは2〜25である。
【0051】
CH2=CR1COO(AO)pR2
〔式中、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位(但し、p個のオキシアルキレン単位は、同一でも異なっていてもよい。)オキシアルキレン単位が異なる場合は、ブロック付加、ランダム付加、及び交互付加のいずれでもよい。R1は水素原子又はメチル基、pは1〜50の数、R2は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。〕
ノニオン性の親水性モノマーとしては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0052】
商業的に入手しうるノニオン性の親水性モノマーの具体例としては、新中村化学(株)製のNKエステル M-20G, 40G, 90G, 230G, 日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ、 PME-100, 200, 400, 1000,PP-1000, PP-500, PP-800, AP-150, AP-400, AP-550, AP-800, 50PEP-300, 70PEP-350B, AEP シリーズ,30PPT-800, 50PPT-800, 70PPT-800, APTシリーズ,10PPB-500B, 10APB-500B, 50POEP-800B, 50AOEP-800B, ASEPシリーズ,PNEPシリーズ, PNPEシリーズ, 43ANEP-500, 70ANEP-550等が挙げられる。
【0053】
水不溶性ビニルポリマーは、少なくとも脂環式(メタ)アクリレート(A)及び塩生成基含有モノマー(B)、必要に応じて、マクロマー(C)及び共重合可能なモノマー(D)をラジカル重合開始剤の存在下で共重合させて得られる。
【0054】
水不溶性ビニルポリマーにおける脂環式(メタ)アクリレート(A)の含有量(原料基準)は、吐出信頼性、保存安定性、耐水性の観点から、好ましくは25〜75重量%、より好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは30〜65重量%である。
【0055】
水不溶性ビニルポリマーにおける塩生成基含有モノマー(B)の含有量(原料基準)は、保存安定性、耐水性、再分散性の観点から、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは7〜23重量%である。
【0056】
水不溶性ビニルポリマーにおけるマクロマー(C)の含有量(原料基準)は、長期保存信頼性、吐出信頼性、再分散性の観点から、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。
【0057】
水不溶性ビニルポリマーにおける共重合可能なモノマー(D)の含有量(原料基準)は、吐出信頼性、再分散性、長期保存信頼性の観点から、好ましくは5 〜70重量%、より好ましくは10〜65重量%、更に好ましくは15〜60重量%である。
【0058】
モノマーの重合法としては、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶媒としては極性有機溶媒が好ましく、水混和性有機溶媒を水と混合して用いることもできる。
【0059】
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はこれらと水との混合物が好ましい。
【0060】
ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
【0061】
重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001 〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
【0062】
重合の際には、重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤は特に限定されない。その具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオ乳酸、4,4'−ジチオブチリック酸、3,3'−ジチオプロピオン酸、ジチオグリコールメルカプタン等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラブチルチラウムジスルフィド等のチラウムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;2個以上の水酸基を有するグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3プロパンジオール、2-メチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3プロパンジオール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D-,L-及びDL-トレイトール、アドニトール、D-及びL-アラビトール、キシリトール、ズルシトール、L-イジトール、D-マンニトール及びD-ソルビトール等のモノメルカプト化物が挙げられる。
【0063】
これらの中でもメルカプタン類が好ましく、これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができ、重合に供される全モノマー100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0064】
モノマーの重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なる。通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、好ましくは1〜20時間である。重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
【0065】
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した水不溶性ビニルポリマーを単離することができる。得られた水不溶性ビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
【0066】
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、印字濃度、吐出信頼性及び長期保存信頼性の観点から、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。重量平均分子量は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。
【0067】
<顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体>
顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を得る方法としては、水不溶性ビニルポリマーを有機溶媒に溶解させ、顔料、水、中和剤及び必要に応じて界面活性剤を加えて混練した後、必要に応じて水で希釈し、有機溶媒を留去して水系にする方法が好ましい。
【0068】
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく、それらの中では、親水性有機溶媒がより好ましい。
【0069】
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0070】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましい。
【0071】
また、必要により、前記有機溶媒と高沸点親水性有機溶媒とを併用してもよい。高沸点親水性有機溶媒としては、フェノキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
【0072】
中和剤として、塩生成基の種類に応じて酸又は塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0073】
中和度には特に限定がない。通常、得られる水分散体の液性は、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。
【0074】
顔料の量は、印字濃度及び水不溶性ビニルポリマー粒子中への含有させやすさの観点から、水不溶性ビニルポリマー100 重量部に対して、好ましくは20〜1200重量部、より好ましくは50〜900 重量部である。
【0075】
塩生成基を中和させた後の水不溶性ビニルポリマーの25℃での水に対する溶解度は、水系インクの低粘度化の観点から10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下であることが更に好ましい。
【0076】
顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の平均粒径は、ノズルの目詰まり防止及び保存安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.50μm、より好ましくは0.02〜0.30μm、更に好ましくは0.04〜0.20μmである。平均粒径は実施例に示す「保存前の平均粒径」に相当し、実施例に示す方法で測定される。
【0077】
<インクジェット記録用水系インク>
インクジェット記録用水系インクにおける水不溶性ビニルポリマー粒子の量(固形分)は、通常、印字濃度及び吐出安定性の観点から、好ましくは0.5 〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは2〜15重量%となるように調整することが望ましい。
【0078】
インクジェット記録用水系インクにおける水の量は、好ましくは40〜90重量%である。
【0079】
本発明のインクジェット記録用水系インクには、必要に応じて、湿潤剤、浸透剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を含有させることできる。
【0080】
湿潤剤としては、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶剤であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤との混合溶剤であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止(湿潤)効果を有するものである。
【0081】
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールメチル(又はエチル又はn−プロピル又はイソプロピル又はn−ブチル又はイソブチル)エーテル、プロピレングリコールメチル(又はエチル又はn−プロピル又はイソプロピル又はn−ブチル又はイソブチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル又はn−プロピル又はイソプロピル又はn−ブチル又はイソブチル)エーテル、ジプロピレングリコールメチル(又はエチル又はn−プロピル又はイソプロピル又はn−ブチル又はイソブチル)エーテル、トリエチレングリコールメチル(又はエチル又はn−プロピル又はイソプロピル又はn−ブチル又はイソブチル)エーテル、トリプロピレングリコールメチル(又はエチル又はn−プロピル又はイソプロピル又はn−ブチル又はイソブチル)エーテル、等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素化合物等が挙げられる。
【0082】
インクジェット記録用水系インク中における湿潤剤の量は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。
【0083】
分散剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性系の分散剤を用いることができる。
【0084】
【実施例】
製造例1〜4、比較製造例1〜2
反応容器に滴下ロート及びジムロート冷却管を装着し、窒素ガス置換を十分に行った後、反応容器内に、メチルエチルケトンを40重量部、連鎖移動剤0.3重量部及び表1に示す「初期仕込みモノマー」の欄に示すビニルモノマーを仕込んだ。
【0085】
その後、同じく表1に示す「滴下モノマー」の欄に示すビニルモノマー及び重合連鎖移動剤、メチルエチルケトン40重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2重量部を滴下ロート等により、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら70℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて滴下した。
【0086】
その後、70℃で4時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3 重量部をメチルエチルケトン6重量部に溶解した溶液を加え、更に70℃で2時間熟成し、更に70℃で2時間熟成させてポリマー溶液を得た。
【0087】
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって粗ポリマー乾燥物を得た。該乾燥物を標準物質としてポリスチレン、溶媒としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0088】
得られたポリマー溶液の濃度をメチルエチルケトンで50重量%の濃度に調製した。この50%ポリマー溶液30重量部に中和剤(20%水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を中和し、無置換キナクリドンが20重量%で、2,9-ジメチルキナクリドンが80重量%の固溶体マゼンタ顔料を45重量部加え、3本ロールミルで混錬した。混錬物をイオン交換水100重量部に分散した。
【0089】
得られた分散物から減圧下、60℃で有機溶媒を完全に除去し、更に水を除去することにより濃縮し、固形分濃度が20重量%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
【0090】
【表1】
【0091】
実施例1〜4及び比較例1〜2
製造例1〜4及び比較製造例1〜2で得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体、グリセリン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又はアセチレングリコール・ポリエチレンオキサイド付加物(川研ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールEH)及びイオン交換水を、表2に示す配合組成で調製した。なお、スチレンマクロマーは、東亜合成(株)製の製品名AS-6S(スチレン単独重合マクロマー、数平均分子量6,000、重合性官能基はメタクリロイルオキシ基である)を用いた。
【0092】
得られた混合液を0.2μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mlの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、水系インクを得た。
【0093】
<評価方法>
(長期保存信頼性)
レーザー粒子解析システム(大塚電子株式会社製、ELS−8000)(キュムラント法)を用い、水系インクに含まれている顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の平均粒径(以下、保存前の平均粒径という)を測定した。
【0094】
水系インクを密閉して、60℃の恒温槽に1ヶ月保存後、同様の方法にて平均粒径(以下、保存後の平均粒径という)を測定した。長期保存信頼性の指標として、分散安定度を次式:
分散安定度(%)=〔保存後の平均粒径〕/〔保存前の平均粒径〕×100
に従って求め、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、表2に示すとおり、各例ごとに2種の組成のインクについて評価を行った。
【0095】
(評価基準)
◎:分散安定度が95%以上105%未満
○:分散安定度が90%以上95%未満、又は105%以上110%未満
△:分散安定度が70%以上90%未満、又は110%以上130%未満
×:分散安定度が70%未満、又は130%以上
【0096】
【表2】
【0097】
表2に示された結果から、実施例で得られたインクジェット記録用水系インクは、長期保存信頼性に優れたものであることが分かる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水系インクは固溶体マゼンタ顔料を含んでいるものであるが、各種添加剤(潤滑剤、界面活性剤等)存在下において、長期保存信頼性に優れるものであり、インクジェット記録用水系インクとして好適に使用することができる。
Claims (5)
- 固溶体マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクであって、水不溶性ビニルポリマーが、少なくとも脂環式(メタ)アクリレート(A)、塩生成基含有モノマー(B)及びマクロマー(C)を共重合した水不溶性ビニルポリマーであるインクジェット記録用水系インク。
- 脂環式(メタ)アクリレート(A)が、単環式(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート及びアダマンチル(メタ)アクリレートから選ばれた1種以上である請求項1記載のインクジェット記録用水系インク。
- マクロマー(C)が片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーである請求項1又は2記載のインクジェット記録用水系インク。
- 水不溶性ビニルモノマーが、モノマー全量中、少なくとも脂環式(メタ)アクリレート(A)を25〜75重量%、及びスチレン系マクロマーを3〜30重量%含むモノマーにより共重合されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系インク。
- 固溶体マゼンタ顔料が、無置換キナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン、2,9−ジクロルキナクリドン及び3,10−ジクロルキナクリドンから選ばれた2種以上のキナクリドン系化合物を含む顔料固溶体である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水系インク。
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