JP3813952B2 - 水系インク - Google Patents

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Description

本発明は、水系インクに関する。更に詳しくは、インクジェット記録用水系インク等として好適に使用しうる水系インク及びそれに用いられる水分散体に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、近年広く用いられている。インクジェットプリンタに使用されるインクには、耐水性や耐光性を向上させるため、近年、顔料系インクが使用されている。
黒インクに用いられるカーボンブラックは、粒子表面の極性が高いことから、スルホン酸基をカーボンブラックの表面に直接導入することによって分散安定性を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、かかる方法には、隠蔽性が高く、定着性のよい画像を得ることができないという課題がある。
一方、イエロー、マゼンタ及びシアンからなるカラーインクに用いられる有機顔料は、一般に粒子表面の極性が低いため、分散剤の強い吸着が得られにくい。そこで、あらかじめ分散剤と親和性のある部分や極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、かかる方法によれば、分散安定性を高めることができるが、隠蔽性が低く、印字濃度の高い画像を得ることが困難である。
特開平10−110112号公報 特開平11−49974号公報
本発明は、分散安定性に優れ、印刷物に対する隠蔽性が高く、普通紙に高い印字濃度を付与しうる水系インク及びそれに用いられる水分散体を提供することを課題とする。
本発明は、
(1)キナクリドン系顔料、及び有機顔料に酸基を導入してなる顔料誘導体(以下、単に「顔料誘導体」という)を含む水不溶性ビニルポリマー粒子を含有する水系インク用水分散体であって、水不溶性ビニルポリマーがマクロモノマー由来の構成単位を含有する、水系インク用水分散体、並びに
(2)前記水系インク用水分散体を含有してなる水系インク
に関する。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」又は「メタクリ」を意味する。
本発明の水系インクは、水分散体を含有するものであり、分散安定性、隠蔽性及び普通紙の印字濃度に優れたものである。したがって、本発明の水系インクは、インクジェット記録用水系インクとして好適に使用しうるものである。
(キナクリドン系顔料)
キナクリドン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(顔料誘導体)
顔料誘導体は、有機顔料に酸基が導入された化合物である。顔料誘導体は、水分散体及びそれが用いられた水系インクの分散安定性、印字濃度及び隠蔽性を高めるために、キナクリドン系顔料ととも用いられる。酸基としては、例えば、−COOM(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を示す。以下同じ)、−SO3 M、−SO2 M、−RSO2 M(式中、Rは、炭素1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を示す。以下同じ)、−PO3 HM、−PO3 M等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料誘導体に用いられる有機顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、又はイソインドリノン系顔料等が挙げられる。また、有機顔料の色相にも限定がなく、マゼンタ顔料、イエロー顔料及びシアン顔料のいずれであってもよい。
マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料であるC.I.ピグメントレッド122、同202、同209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同17、同22、同23、同30、同31、同38、同88、同112、同114、同123、同146、同149、同166、同168、同170、同172、同177、同178、同179、同185、同190、同193、同219等が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、同2、同3、同5、同6、同10、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同24、同55、同74、同81、同83(ジスアゾイエローHR)、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同117、同120、同138、同153;イソインドリノン系顔料であるC.I.ピグメントイエロー109、同110等が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料であるC.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルーR)、同15:1、同15:2、同15:3(フタロシアニンブルーG)、同15:4、同15:6(フタロシアニンブルーE)、同16;C.I.ピグメントブルー56、同60;C.I.ピグメントオレンジ5、同13、同16、同36、同43:同51;C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36等が挙げられる。これらの中では、キナクリドン系顔料であるC.I.ピグメントレッド122、同202、同209及びC.I.ピグメントバイオレット19が好ましい。
顔料誘導体の中では、隠蔽性及び印字濃度に優れていることから、キナクリドン系顔料と近似する骨格を有するキナクリドンスルホン酸系化合物及び銅フタロシアニンスルホン酸系化合物が好ましい。
キナクリドンスルホン酸系化合物としては、例えば、キナクリドンスルホン酸類及びそのナトリウム、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、そのアンモニウム、オクタデシルアンモニウム、ジドデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、キナクリドンスルホン酸のアルミニウム塩やカルシウム塩等の金属塩が好ましく、アルミニウム塩がより好ましい。キナクリドンスルホン酸系化合物は、公知の方法でキナクリドンを発煙硫酸で処理し、スルホン化させることによって得ることができる。
キナクリドン系顔料100重量部に対する顔料誘導体の量は、分散安定性を高める観点から、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜8重量部、更に好ましくは3〜6重量部である。
本発明においては、キナクリドン系顔料と、顔料誘導体との混合物(以下、単に「混合物」という)が好ましい。混合物は、顔料誘導体を溶媒の存在下又は不存在下で、キナクリドン系顔料と接触させて混合することにより調製してもよく、特開平11−49974号公報の段落〔0021〕に記載の方法で処理することによって調製してもよい。混合物は、両者が混合されていればよく、不均一に混合されていてもよい。
前記混合物の導電率は、分散安定性の観点から、好ましくは50〜200μs/ cm、より好ましくは60〜180μs/ cm、更に好ましくは70〜150μs/ cmである。
前記導電率は、前記混合物1gをエタノール4gで湿潤させた後、イオン交換水300g中で煮沸し、濾過により得られた25℃の濾液を導電率計〔(株)堀場製作所製、品番:D-24 〕で測定したときの値である。
前記混合物の親水性度は、分散安定性の観点から、好ましくは17〜800、より好ましくは20〜500、更に好ましくは25〜400である。
前記親水性度は、文献(小林 敏勝、寺田 剛、池田 承治著「色材」62〔8〕、524−528、1989)に記載の方法を参考にして、前記混合物1gをイオン交換水800gに浮かべて攪拌しながらトリエチレングリコールモノブチルエーテルを水中に沈めたビューレットより滴下し、顔料が水中に沈降するまでに要するトリエチレングリコールモノブチルエーテルの重量(g)を尺度とし、式(1):
〔親水性度〕
=〔イオン交換水の重量(800g)〕
÷〔トリエチレングリコールモノブチルエーテルの重量(g)〕 (1)
に基づいて測定したときの値である。
混合物の量は、印字濃度及びポリマー粒子中に含有させやすさの観点から、水不溶性ビニルポリマーの樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは20〜1200重量部、より好ましくは50〜900重量部である。水分散体中の混合物の含有量は、1〜25重量%であることが好ましい。また、水系インク中の混合物の含有量は、0.5〜18重量%であることが好ましく、1〜14重量%であることがより好ましい。
(水不溶性ビニルポリマー)
本発明の水不溶性ビニルポリマーは、ビニル基を有するモノマーを含有するモノマー混合物を重合させることによって調製することができる。
水不溶性ビニルポリマーとしては、塩生成基含有モノマー(A)、マクロモノマー(B)、必要により、疎水性モノマー(C)及び/又はノニオン性の親水性モノマー(D)〔以下、親水性モノマー(D)という〕を含有するモノマー混合物を重合させることによって得られたものが好ましい。なお、本発明の課題を解決しうる範囲内で、他のモノマーを併用することができる。
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、分散安定性及び印字濃度の観点から、好ましくは10000〜200000、より好ましくは20000〜150000である。ビニルポリマーの重量平均分子量が前記範囲内であれば、分散安定性がよく、高い印字濃度が得られるので好ましい。重量平均分子量は、標準物質としてポリスチレン、溶媒として50mmol/Lの臭化リチウムを含有するジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定したときの値である。
水不溶性ビニルポリマーは、隠蔽性及び印字濃度の観点から、顔料誘導体と同一の極性基を有するビニルポリマーであることが好ましい。また、キナクリドン系顔料に対して構造が近似する顔料誘導体及び水不溶性ビニルポリマーと同一の極性基で用いることにより、隠蔽性を強化することができる。
塩生成基含有モノマー(A)としては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられる。
アニオン性モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸が好ましい。α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸〔(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意味する〕、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸系モノマー〔無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、又はそれらのうち2種類以上の混合物〕、フマル酸、シトラコン酸、スチレンカルボン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中では、分散安定性及び印字濃度性の観点から、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等が挙げられる。これらの中では、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、中でもアクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸の中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基が挙げられる。中和剤の添加量は、分散安定性の観点から、pHが好ましくは7.5〜10.0、より好ましくは8.0〜9.5となるように調整することが好ましい。
水不溶性ビニルモノマーの酸基に基づく酸価は、優れた分散安定性と高い印字濃度を達成する観点から、30〜150mgKOH/g、より好ましくは40〜140mgKOH/gである。なお、前記酸価は、ポリマー固形分1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg量である。
カチオン性モノマーとしては、例えば、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。
塩生成基を中和させた後の水不溶性ビニルポリマーの25℃での水に対する溶解度は、水系インクの低粘度化の観点から、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
マクロモノマー(B)としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜50000、より好ましくは1000〜10000であるマクロモノマーが挙げられる。
マクロモノマー(B)の具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するメチルメタクリレート系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するブチルアクリレート系マクロモノマー、片末端に重合性官能基を有するイソブチルメタクリレート系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中では、スチレン系マクロモノマーは、分散安定性及び印字濃度により優れた水系インクを得ることができるので好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。また、片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、そのスチレンの割合は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロモノマーが好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロモノマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS-6, AN-6, AN-6S, HS-6S, HS-6等が挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーの中では、式(I):
X(Y)q Si(R3 3-r (Z)r (I)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R3 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基、Zは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、qは0又は1、rは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーン系マクロモノマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
式(I)で表されるシリコーン系マクロモノマーにおいて、Xは重合可能な不飽和基である。重合可能な不飽和基の代表例としては、 CH2=CH- 基、 CH2=C(CH3)- 基等の炭素数2〜6の1価の不飽和炭化水素基が挙げられる。
Yは、2価の結合基である。2価の結合基の代表例としては、-COO- 基、-COOCaa H2a - 基(aは1〜5の整数を示す)、フェニレン基等の2価の結合基が挙げられる。これらの中では-COOC3H6- が好ましい。R3 は、それぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基である。R3 の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基;フェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、メトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が好ましい。
Zは、好ましくは500以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基である。Zは、好ましくは数平均分子量500〜5000のジメチルシロキサンポリマーの1価の残基である。
qは、0又は1である。qは、好ましくは1である。rは、1〜3の整数である。rは、好ましくは1である。
好適なシリコーン系マクロモノマーの例としては、例えば、式(II):
CH2=CR1-COOC3H6-[Si(R4)2-O]b -Si(R4)3 (II)
(式中、R1 は前記と同じ。R4 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、bは5〜60の数を示す)
で表されるシリコーンマクロモノマー、式(III):
CH2=CR1-COO-[Si(R4)2-O] b -Si(R4) 3 (III)
(式中、R1 、R4 及びbは前記と同じ)
で表されるシリコーンマクロモノマー、式(IV):
CH2=CR1-Ph-[Si(R4)2-O]b -Si(R4)3 (IV)
(式中、Phはフェニレン基、R1 、R4 及びbは前記と同じ)
で表されるシリコーンマクロモノマー、式(V):
CH2=CR1-COOC3H6-Si(OE)3 (V)
〔式中、R1 は前記と同じ。Eは式:-[Si(R1)20] c -Si(R1)3基(R1 は前記と同じ。cは5〜65の数を示す)を示す〕
で表されるシリコーンマクロモノマー等が挙げられる。
これらのシリコーンマクロモノマーの中では、式(II)で表されるシリコーンマクロモノマーがより好ましく、式(VI):
CH2=C(CH3)-COOC3H6-[Si(CH3)2-O] d -Si(CH3)3 (VI)
(式中、dは8〜40の数を示す)
で表されるシリコーンマクロモノマーが特に好ましい。その商業的に入手しうるシリコーンマクロモノマーの例として、FM-0711 〔チッソ(株)製、商品名〕等が挙げられる。
なお、マクロモノマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
カチオン性モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
疎水性モノマー(C)としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマー等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜18のアルキル基である(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記(イソ又はターシャリー)及び(イソ)は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
芳香環含有モノマーは、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上が、耐水性及び耐擦過性の観点からより好ましい。
親水性モノマー(D)としては、下記一般式で示されるものが好ましく、オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位を構成単位として含有するモノマーが好ましく、pは、好ましくは2〜25である。
CH2 =CR1 COO(AO)p 2
〔式中、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位、(但し、p個のオキシアルキレン単位は、同一でも異なっていてもよい。)オキシアルキレン単位が異なる場合は、ブロック付加、ランダム付加、及び交互付加のいずれでもよい。R1 は水素原子又はメチル基、pは1〜50の数、R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。〕
モノマー(D)としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
商業的に入手しうるモノマー(D)の具体例としては、新中村化学(株)製のNKエステルM−20G、40G、90G、230G、日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ、PME−100、200、400、1000、PP−1000、PP−500、PP−800、AP−150、AP−400、AP−550、AP−800、50PEP−300、70PEP−350B、AEPシリーズ、30PPT−800、50PPT−800、70PPT−800、APTシリーズ、10PPB−500B、10APB−500B、50POEP−800B、50AOEP−800B、ASEPシリーズ、PNEPシリーズ、PNPEシリーズ、43ANEP−500、70ANEP−550等が挙げられる。
モノマー混合物における塩生成基含有モノマー(A)の含量(原料基準)は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは5〜45重量%、更に好ましくは10〜45重量%である。
モノマー混合物におけるマクロモノマー(B)の含量は、顔料ヘの吸着性の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜45重量%である。
モノマー混合物における疎水性モノマー(C)の含量(原料基準)は、印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは5〜93重量%、より好ましくは10〜87重量%、更に好ましくは25〜75重量%である。
モノマー混合物における親水性モノマー(D)の含量(原料基準)は、吐出安定性及び印字濃度の観点から、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10〜45重量%である。
水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー組成物を重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法に用いられる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2, 2' −アゾビスイソブチロニトリル、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2, 2' −アゾビスブチレート、2, 2' −アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1, 1' −アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001 〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
なお、重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジテルペン、α−メチルスチレンダイマー、9, 10−ジヒドロアントラセン、1, 4−ジヒドロナフタレン、インデン、1, 4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2, 5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられる。これらの重合連鎖移動剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマーの重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100 ℃、より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、好ましくは1〜20時間である。重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
水不溶性ビニルポリマーは、重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したビニルポリマーを単離することができる。
得られた水不溶性ビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
(キナクリドン系顔料及び顔料誘導体を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体の調製)
キナクリドン系顔料及び顔料誘導体を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体は、公知の分散法によって製造することができる。より具体的には、水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体は、水不溶性ビニルポリマー、キナクリドン系顔料及び顔料誘導体を有機溶媒に添加し、必要に応じて中和剤及び、界面活性剤を加えて水不溶性ポリマーの塩生成基をイオン化させ、これに水を添加した後、分散機を用いて分散を行い、その有機溶媒を留去して水系に転相することによって得ることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく、それらの中では、親水性有機溶媒がより好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましい。
また、必要により、前記有機溶媒と、高沸点親水性有機溶媒とを併用してもよい。高沸点親水性有機溶媒としては、例えば、フェノキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子の平均粒径は、ノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.50μm、より好ましくは0.02〜0.30μm、更に好ましくは0.05〜0.20μmである。
界面活性剤として、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤を用いることができる。
かくして、本発明の水分散体を得ることができる。本発明の水分散体における水の含有量は、40〜90重量%が好ましく、50〜80重量%であることが更に好ましい。
(水系インク)
本発明の水系インクは、本発明の水分散体を含有するものであるが、必要に応じて、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を含有させることできる。
湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリセリンモノn−ブチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の含窒素化合物等が挙げられる。水系インク中における湿潤剤の量は、好ましくは0.1 〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%である。分散剤としては、例えば、アニオン系、ノニオン系、両性系の分散剤が挙げられる。
本発明の水系インクにおけるキナクリドン系顔料及び顔料誘導体を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体(水分散体の固形分換算量)の含有量は、通常、印字濃度の観点から、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%である。また、水系インク中の水の含量は、好ましくは40〜90重量%である。
製造例1〜2
窒素ガス置換を十分に行った反応容器内で、表1に示す組成のモノマーを75℃攪拌下で重合させ、モノマー混合物100重量部に対して、メチルエチルケトン(40重量部)に溶解した2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)(0.9重量部)で未反応モノマーを追い切り、その後80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液A及びBを得た。
ポリマーの重量平均分子量は、標準物質としてポリスチレン、溶媒として50mmol/Lの臭素化リチウムを含有するジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:ポリプロピレンオキシドの付加モル数=平均9モル、末端水酸基
・MEK:メチルエチルケトン
・スチレンマクロモノマー:東亜合成(株)製、商品名: AS−6 S、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
・V-65:重合開始剤、 2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)
Figure 0003813952
実施例1
5〜10℃の低温条件下において、発煙硫酸中に2,9−ジクロロキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・レッド202:チバガイギー社製)を添加し、反応を行った後、氷水中に注入した。得られた懸濁液を濾過し、更に洗浄を行い、2,9−ジクロロキナクリドンスルホン酸の懸濁液を得た。
2,9−ジメチルキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122:大日本インキ化学工業(株)製〕100重量部に対して、2,9−ジクロロキナクリドンスルホン酸に中和当量の水酸化アルミニウムを加えたもの3重量部を混合して水洗、乾燥させ、2,9−ジクロロキナクリドンスルホン酸アルミニウム塩を混合した2,9−ジメチルキナクリドン顔料を得た。
一方、ポリマー溶液Aから減圧乾燥させて得られた各ポリマー4重量部を、メチルエチルケトン13.3重量部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えてメタクリル酸を中和した。
次に、前記で得られた2,9-ジクロロキナクリドンスルホン酸アルミニウム塩を混合した2,9-ジメチルキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122 、導電率=72μs/ cm、親水性度=20〕16重量部を加え、水を加えながら混練機で平均粒径160nmまで分散した。
得られた混練物に、イオン交換水100重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去したのち、5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、平均粒径150nmの水分散体を得た(固形分として25重量%)。
実施例2
5〜10℃の低温条件下において、発煙硫酸中に2,9−ジクロロキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・レッド202:チバガイギー社製)を添加し、反応を行った後、氷水中に注入した。得られた懸濁液を濾過し、更に洗浄を行い、2,9−ジクロロキナクリドンスルホン酸の懸濁液を得た。
2,9−ジメチルキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122:大日本インキ化学工業(株)製〕100重量部に対して、2,9−ジクロロキナクリドンスルホン酸に中和当量の水酸化アルミニウムを加えたもの6重量部を混合して水洗、乾燥させ、2,9−ジクロロキナクリドンスルホン酸アルミニウム塩を混合した2,9−ジメチルキナクリドン顔料を得た。
一方、ポリマー溶液Aから減圧乾燥させて得られた各ポリマー4重量部を、メチルエチルケトン13.3重量部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えてメタクリル酸を中和した。
次に、前記で得られた2,9-ジクロロキナクリドンスルホン酸アルミニウム塩を混合した2,9-ジメチルキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122 、導電率=158μs/ cm、親水性度=70〕16重量部を加え、水を加えながら混練機で平均粒径160nmまで分散した。
以降の操作は、実施例1と同様にして行い、平均粒径150nmの水分散体を得た。
比較例1
ポリマー溶液Bから減圧乾燥させて得られた各ポリマー4重量部をメチルエチルケトン13.3重量部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)の所定量を加えてメタクリル酸を中和した。
更に、2,9-ジメチルキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122 、大日本インキ化学工業(株)製、導電率=25μs/ cm、親水性度=15〕16重量部を加え、水を加えながら混練機で平均粒径180nmまで分散した。
以降の操作は、実施例1と同様に行い、平均粒径172nmの水分散体を得た。
次に、実施例1〜2及び比較例1で得られた水分散体を用いて、特開平11−349876号公報に記載の実施例1を参考にして水系インクを調製した。水系インクの組成を表2に示す。
なお、表2に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
・サーフィノール465:ノニオン活性剤、エアプロダクツ社製
・Ploxel XL2(S):抗菌剤、アビシア(株)製
Figure 0003813952
次に、得られた水系インクの物性を下記方法に基づいて評価した。その結果を表3に示す。
(1) 分散安定性
レーザー粒子解析システム〔大塚電子(株)製、ELS−8000〕を用い、インクに含まれている着色剤を含有するポリマー粒子の平均粒径(以下、保存前の平均粒径という)を測定した。
40℃に調整した減圧乾燥機〔ヤマト科学(株)製、DP33〕で12時間乾燥した後、同様の方法にて平均粒径(以下、保存後の平均粒径という)を測定した。
分散安定性の指標として、分散安定度を式:
〔分散安定度〕=(〔保存後の平均粒径〕/〔保存前の平均粒径〕)×100
に従って求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:分散安定度が200%未満
○:分散安定度が200%以上300%未満
△:分散安定度が300%以上400%未満
×:分散安定度が400%以上
(2) 隠蔽性
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンター(型番:EM−930C)を用い、OHPシート〔セイコーエプソン社製、MJOHPS1N〕にベタ印字し、分光式色差計〔日本電色工業(株)製、SE−2000〕で白標準板(ビジュアル濃度=0.05)及び黒標準板(ビジュアル濃度=1.86)を背景に色差ΔEを測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:色差ΔEが49%未満
△:色差ΔEが49%以上53%未満
×:色差ΔEが53%以上
(3) 印字濃度
前記プリンターを用い、普通紙〔ゼロックス社製、コピー用紙4024〕にベタ印字し、25℃で1日放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:印字濃度が1.2以上
○:印字濃度が1.1以上1.2未満
△:印字濃度が1.0以上1.1未満
×:印字濃度が1.0未満
Figure 0003813952
表3に示された結果から、比較例1と対比して、実施例1〜2で得られた水系インクは、いずれも、分散安定性に優れ、印刷物に対する隠蔽性が良好であり、普通紙に高印字濃度の印刷物が得られることがわかる。
本発明の水系インクは、本発明の水分散体を含有するものであり、例えば、インクジェット記録用水系インク等として好適に使用しうるものである。

Claims (8)

  1. キナクリドン系顔料、及び有機顔料に酸基を導入してなる顔料誘導体を含む水不溶性ビニルポリマー粒子を含有する水系インク用水分散体であって、水不溶性ビニルポリマーがマクロモノマー由来の構成単位を含有する、水系インク用水分散体
  2. キナクリドン系顔料、及び有機顔料に酸基を導入してなる顔料誘導体が混合物で存在する請求項1記載の水分散体。
  3. キナクリドン系顔料が、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド209及びC.I.ピグメント・バイオレット19からなる群より選ばれた1種以上である請求項1又は2記載の水分散体。
  4. 有機顔料に酸基を導入してなる顔料誘導体が、キナクリドンスルホン酸系化合物である請求項1〜3いずれか記載の水分散体。
  5. 前記混合物が、50〜200μs/cmの導電率を有する請求項2〜4いずれか記載の水分散体。
  6. 前記混合物が、17〜800の親水性度を有する請求項2〜5いずれか記載の水分散体。
  7. 水不溶性ビニルポリマーが、塩生成基含有モノマー及びマクロモノマーを重合させてなる請求項1〜6いずれか記載の水分散体。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の水系インク用水分散体を含有してなる水系インク。
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