JP5568863B2 - β−アルコキシプロピオンアミド類を使用した水性インキ組成物 - Google Patents
β−アルコキシプロピオンアミド類を使用した水性インキ組成物 Download PDFInfo
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しかしながら、開発された水性インクジェットインキは紙などの吸収性基材への直接印刷はできるものの、非吸収性基材表面には直接印刷ができず、印刷物耐性も悪いため、屋外広告用途では使用されていないのが現状である(特許文献2)。
少なくとも顔料、水、水以上の沸点を有する有機溶剤およびバインダー樹脂を用い、使用する水以上の沸点を持つ水溶性有機溶剤としては、β−アルコキシプロピオンアミド類の溶剤であることを特徴とする水性インキ組成物。
更に、インクジェットインキである水性インキ組成物に関する。
更に、非吸収性基材印刷用のインクジェットインキである水性インキ組成物に関する。
(水性分散体1の製造)
粗製銅フタロシアニン(東洋インキ製造社製銅フタロシアニン):250部、塩化ナトリウム:2500部、およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をスチレン製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、4時間混練した。次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80度に過熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(処理顔料分散体)を得た。
上記水性顔料分散体(処理顔料分散体,固形分50%品):30.0部、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製『ジョンクリル62』固形分34.6%):3.0部、分散剤(花王社製『エマルゲン420』:2.0部、精製水:50.0部、グリセリン6.0部をサンドミルに入れ4時間分散し、その後1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して水性顔料分散体1を得た。
(水性分散体2の製造)
製造例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、黄色顔料(ヘキスト社製『ポスターパームイエローH3G』):260部を用い、製造例1と同様の手順にて水性顔料分散体2を作成した。
(水性分散体3の製造)
赤顔料(ヘキスト社製『ポスターパームピンクE』):250部、塩化ナトリウム:2500部、およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をスチレン製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80度に過熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(処理顔料分散体)を得た。
上記水性顔料分散体(処理顔料分散体,固形分50%品):30.0部、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製『ジョンクリル62』固形分34.6%):3.0部、分散剤(花王社製『エマルゲン420』:2.0部、精製水:50.0部、グリセリン6.0部をペイントシェーカーに入れ4時間分散し、その後1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して水性顔料分散体3を得た。
(β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤1の製造)
攪拌装置、熱電対および窒素ガス導入管を備えた300mLセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド19.828g、1−ヘキサノール20.434gを入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌した。次に、ナトリウム−t−ブトキシド0.338gを加え、35℃で4時間反応を行った。加熱終了後、リン酸150mgを加え、溶液を均一にした後、3時間放置した。溶液を濾過して、析出物を除去し、エバポレーターで未反応物を除き、β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤1を得た。
(β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤2の製造)
攪拌装置、熱電対および窒素ガス導入管を備えた300mLセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド19.828g、1−ブタノール14.824gを入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌した。次に、ナトリウム−t−ブトキシド0.338gを加え、35℃で4時間反応を行った。加熱終了後、リン酸150mgを加え、溶液を均一にした後、3時間放置した。溶液を濾過して、析出物を除去し、エバポレーターで未反応物を除き、β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤2を得た。
(β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤3の製造)
攪拌装置、熱電対および窒素ガス導入管を備えた300mLセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド19.828g、2−エチルヘキサノール26.046gを入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌した。次に、ナトリウム−t−ブトキシド0.338gを加え、35℃で4時間反応を行った。加熱終了後、リン酸150mgを加え、溶液を均一にした後、3時間放置した。溶液を濾過して、析出物を除去し、エバポレーターで未反応物を除き、β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤3を得た。
(β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤4の製造)
攪拌装置、熱電対および窒素ガス導入管を備えた300mLセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド19.828g、n−オクタノール26.046gを入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌した。次に、ナトリウム−t−ブトキシド0.338gを加え、35℃で4時間反応を行った。加熱終了後、リン酸150mgを加え、溶液を均一にした後、3時間放置した。溶液を濾過して、析出物を除去し、エバポレーターで未反応物を除き、β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤4を得た。
(水性インクジェットインキ1の製造)
水性分散体1:32.3部、日信化学社製ビニブラン603(固形分50%):20.0部、β−アルコキシプロピオンアミド類溶剤1:25.0部、ニューコール291GL(日本乳化剤社製界面活性剤):2.0部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):0.2部、イオン交換水:20.5部をハイスピードミキサーにて攪拌混合し、その後、1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、水性インクジェットインキ1を得た。
表1にて記載した原料を成分とし、実施例1と同様の手順にて水性インクジェットインキを作成した。
評価方法について下記に示す。
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたインキ組成物について、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印字率50〜100%にて10%毎にベタ印刷を行い、基材上ではじくことなく、全ての印字率にてムラの無い印刷物が得られるかを確認した。
<耐アルコール性>
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたインキ組成物について、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印字率100%のベタ印刷を行い、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐アルコール性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)にてエタノール/水=70/30で希釈した液を1滴たらし加重200g、50往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを5、試験用布片に着色が見られたが、印刷面には目立った変化の見られないものを4、試験片が着色、印刷面にも若干の色落ちが見られるものを3、剥ぎ取られたが基材が見えたものを2、インキが剥ぎ取られ、基材が半分以上見えるものを1と評価した。
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたインキ組成物について、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印字率100%のベタ印刷を行い、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐水性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)にて水を1滴たらし加重200g、10往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを5、試験用布片に着色が見られたが、印刷面には目立った変化の見られないものを4、試験片が着色、印刷面にも若干の色落ちが見られるものを3、剥ぎ取られたが基材が見えたものを2、インキが剥ぎ取られ、基材が半分以上見えるものを1と評価した。
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたインキ組成物について、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印字率100%のベタ印刷を行い、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐擦性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)、加重1000g、50往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを5、試験用布片に着色が見られたが、印刷面には目立った変化の見られないものを4、試験片が着色、印刷面にも若干の色落ちが見られるものを3、剥ぎ取られたが基材が見えたものを2、インキが剥ぎ取られ、基材が半分以上見えるものを1と評価した。
<光沢>
実施例1〜5、比較例1〜3で得られたインキ組成物について、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印字率100%のベタ印刷を行い、60°光沢計にて光沢度を測定した。
Claims (4)
- 少なくとも顔料、水、水以上の沸点を有する有機溶剤、およびバインダー樹脂からなり、水以上の沸点を持つ水溶性有機溶剤が、一般式(1)で表されるβ−アルコキシプロピオンアミド類の溶剤であることを特徴とする水性インキ組成物。
一般式(1)
(式中R1は炭素数3〜10のアルキル基、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のエーテル結合を有しても良い炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても良く、更に互いに結合して環構造を形成しても良い。) - 更に、バインダー樹脂として、水性樹脂エマルションまたは水溶性高分子化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の水性インキ組成物。
- インクジェット印刷用途に用いられることを特徴とする、請求項1または2記載の水性インキ組成物。
- 非吸収性基材への印刷用途に用いられることを特徴とする、請求項1ないし3いずれか記載の水性インキ組成物。
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