JP4885843B2 - 油性顔料インク組成物 - Google Patents

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Description

本特許出願は、日本国特許出願第2005−068484号について優先権を主張するものであり、ここに参照することによって、それらの全体が本明細書中へ組み込まれるものとする。
本発明は、顔料、高分子化合物および有機溶媒を少なくとも含む油性顔料インク組成物に関し、特にインクジェット記録方式用の油性顔料インク組成物に関する。
インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界等を駆動源として、液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させ、印刷するものである。このような記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能であり、また水性や油性等の各種のインクを印字できることから、近年、市場を拡大している。
このような状況下、水性顔料インクを用いたA−Oサイズに対応できる大型のインクジェットプリンターが開発され、屋内用のポスター、CADの図面の出力、印刷の色あわせのためのプルーフィング用の出力に用いられてきている。また、ラミネートをすることにより、屋外用途にも用いられている。
さらに、屋外用途の需要が高まり、ラミネートせずに使用可能であり、ポリ塩化ビニル(以下、単に塩ビという)等のフィルムに直接印字できると共に、耐水性や耐候性に優れた油性顔料インクの開発が行われている。
油性顔料インクは、水性顔料インクに比べて、溶媒に有機溶媒を使用しているため、紙がコックリングすることなく、受容層を用いたフィルムに対してラミネート処理することも不要であり、低コストで印刷可能である。
例えば、沸点が150℃以上のグリコール系溶媒と特定のポリエステル樹脂を使用した油性顔料インク(特許文献1参照)、沸点が200℃以上の溶媒と特定の樹脂を使用した油性顔料インク(特許文献2参照)が提案されている。しかし、沸点が150℃以上のグリコール系溶媒のみ、または200℃以上の溶媒を使用したインクでは、乾燥性が悪く、塩ビ等のフィルムに印刷した場合、印字物がにじむという問題がある。
また、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートを主溶媒に用いた油性顔料インクが提案されている(特許文献3,4参照)。しかし、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートを主溶媒に用いると、インクの粘度が高くなり、ノズル内径の小さいヘッドを用いたプリンターで印字する際、吐出不良を起こしやすい。
特開平7−109430号公報(第3〜5頁) 特開2002−302629号公報(第4〜6頁) 特開2004−231870号公報(第2〜3頁) 特開2004−262985号公報(第2〜3頁)
本発明は、上記従来の事情に照らし、低粘度でかつ高い表面張力を有するインク組成を実現し、インクジェットプリンターで印字する際の吐出性に優れ、かつ受容層のない塩ビ等の低コストフィルムの印字媒体に印字した際の乾燥性、定着性に優れ、屋外使用の環境に堪えられる油性顔料インク組成物を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記の課題を達成するため、鋭意検討した結果、有機溶媒として、メトキシブチルアセテートを使用することにより、インクジェットプリンターで印字する際の吐出性にすぐれ、塩ビフィルム等の印字媒体に対して乾燥性、定着性良く印字可能である油性顔料インク組成物、特にインクジェット記録方式用に適した上記油性顔料インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、顔料、高分子化合物および有機溶媒を少なくとも含む油性顔料インク組成物であって、有機溶媒として、メトキシブチルアセテートを全インク組成物中に20〜90重量%含有する油性顔料インク組成物に関する。
特に、本発明は、有機溶媒として、さらに複素環化合物を全インク組成物中1〜50重量%含有する上記構成の油性顔料インク組成物;上記の複素環化合物が、含窒素および/または含酸素複素環化合物である上記構成の油性顔料インク組成物;有機溶媒として、さらに(ポリ)アルキレングリコール誘導体を全インク組成物中1〜50重量%含有する上記構成の油性顔料インク組成物;上記の(ポリ)アルキレングリコール誘導体が、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物、ジアルキルエーテル化合物およびジアルキルエステル化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種である上記構成の油性顔料インク組成物を提供できるものである。
また、本発明は、引火点が61℃以上であり、25℃における粘度が2.0〜6.5cp(より好適には3.0〜6.0cp、特に好適には3.5〜5.5cp)であり、および25℃における表面張力が20〜40mN/mである上記各構成の油性顔料インク組成物を提供できるものである。
このように、本発明は、顔料、高分子化合物および有機溶媒を少なくとも含む油性顔料インク組成物において、有機溶媒としてメトキシブチルアセテートを用いることにより、従来の油性顔料インク組成物で問題とされていたインクジェットプリンターで印字する際の吐出性を改善でき、またインク受容層を持たない塩ビ等のフィルムに対しても定着性、乾燥性良く印字可能な油性顔料インク組成物、特にインクジェット記録方式用として適した油性顔料インク組成物を提供できる。また、このインク組成物の引火点を61℃以上にしたことにより、運搬、取り扱い等に対する危険性を低減できる。
本発明の油性顔料インク組成物は、有機溶媒として、メトキシブチルアセテートを使用することを特徴としている。
メトキシブチルアセテートには、1−メトキシブチルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテートが含まれるが、一般的には、下記の式(1)で表わされる3−メトキシブチルアセテートが安価であり、よく用いられる。しかし、1−メトキシブチルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテートも、インク溶剤として用いることにより、3−メトキシブチルアセテートと同等の効果が発揮される。
Figure 0004885843
このメトキシブチルアセテートは、粘度が低くかつ揮発性に優れた溶剤であり、これをインク組成物の主溶媒として用いることにより、低粘度で表面張力が高くインクジェットプリンターで印字する際に液滴の吐出安定性に優れたインク組成物の調製が可能となる。また、この溶剤は低粘度であるため、インクを製造する際の副溶媒として選択する他の溶剤の範囲が広く、プリンターや印字する基材により適宜溶媒組成の調整がしやすくなる。さらに、インクを低粘度にすることでインク組成物中の樹脂量を増加させることができ、印字物の耐水性、耐候性、耐摩耗性等を向上させることも可能となる。
このようなメトキシブチルアセテートは、全インク組成物中、20〜90重量%の割合で使用するのが好ましく、特に好ましくは30〜80重量%の割合で使用するのがよい。上記の割合が20重量%に満たないと前記効果が得られにくく、また90重量%を超えると顔料や高分子化合物の相対量が減少し、インクとしての印刷性、顔料分散性、印字物の耐久性(定着性)等のインク特性に好結果が得られにくい。
なお、有機溶媒としては、後述のように、このメトキシブチルアセテートと共に、他の有機溶媒を併用するのが望ましいが、この場合、メトキシブチルアセテートの使用量は、前記効果を奏するため、有機溶媒全体の30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上となるようにするのがよい。
本発明においては、上記のメトキシブチルアセテートと共に、塩ビ等の樹脂を溶解し顔料を定着させる溶媒を用いて、定着性をより向上させるのが望ましい。
塩ビ等の樹脂を溶解し得る溶媒には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の含酸素複素環化合物、N−アルキル−2−ピロリドン等の含窒素複素環化合物等が含まれる。
このうち、ケトン系化合物やテトラヒドロフラン等は塩ビの溶解力にすぐれているが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノルマルブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等は、臭気がきついだけでなく、労働安全基準法の有機溶剤に指定され、これらの化合物を5重量%以上含有するものは特定の資格を有するものしか取り扱えない、健康診断を受ける義務がある等の制約があり、取り扱い上難点がある。
また、上記以外のケトン系化合物やテトラヒドロフラン誘導体等に関しても、分子量の低いものは塩ビの溶解性に優れるものもあるが、引火点が低いものが多く、インク組成物としたときに引火点が61℃未満になるおそれが高く、輸送または貯蔵の際、制約を受ける場合がある。また、これらの化合物は臭気がきつく、少量添加しただけでも臭気を発するおそれがある。分子量の高いものは引火点が高く、臭気も少ないものが多いが、塩ビの溶解力に欠け、十分に基材に定着できないおそれがある。
これに対し、含窒素複素環化合物は、窒素原子を構成元素のひとつとした複素環化合物であって、労働安全衛生法の有規則に該当しない安全性の高いものや、臭気の少ないものが多く、インクに使用した場合、特に好ましい。
すなわち、含窒素複素環化合物は、上記のようなケトン系化合物に比べて、インクの有機溶媒として非常に適した性能を備えている。含窒素複素環化合物の中でも、特に2−ピロリドンや、N−アルキル−2−ピロリドンのようなラクタム構造を有する複素環化合物は、高引火点、低臭でかつ塩ビ溶解性にすぐれているので、好ましい。
N−アルキル−2−ピロリドンとしては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ドデシル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
とりわけ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンは、低粘度、低臭で、塩ビ溶解性に優れており、かつ生分解性が良好で、急性毒性が低い等の安全性の面からも、特に好ましい。
また、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランに代表される含酸素複素環化合物は、塩ビの溶解性にはすぐれるが、臭気のあるものが多く、インク溶媒として用いる場合は、引火点、沸点、臭気等に十分注意し、インクの特徴を損なわないようにする必要がある。テトラヒドロフラン誘導体、テトラヒドロピラン誘導体は、その置換基を代えることで、沸点、引火点を高くし、インク溶媒として使用できるものもある。
含酸素複素環化合物の中でも、2−アセチルブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−ラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン構造を有する化合物は、臭気が少ないものが多く、安全性の面からもインク溶媒として、特に好ましい。
このように、本発明においては、含酸素および/または含窒素複素環からなる複素環化合物の中から、低粘度、低臭でかつ塩ビ溶解性等に優れる特性を持つ化合物を使用することにより、定着性をより高めることができる。
すなわち、本発明の油性顔料インク組成物におけるインク溶媒として、上記特定の複素環化合物を前記したメトキシブチルアセテートと併用することにより、印字物の定着性、具体的には耐水性、耐擦過性等を向上させることができる。
このような複素環化合物は、全インク組成物中1〜50重量%、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜25重量%の割合とするのがよい。1重量%未満では十分な塩ビ溶解力が得られない場合があり、50重量%を超えると塩ビ溶解力の効果が飽和すると共に、インクの揮発性が不十分になり、印字した際にたれ、にじみ等を生じやすい。
なお、本発明の油性顔料インク組成物中から複素環化合物の定性、定量を行うには、ガスクロマトグラフィー等が有効である。
また、本発明においては、上記のメトキシブチルアセテートと複素環化合物のほかに、(ポリ)アルキレングリコール誘導体を併用することにより、インクの粘度、表面張力、引火点を調整でき、プリンターで印字する際の吐出安定性、基材に対する印字適応性、インクの安全性等を容易にコントロールすることが可能となる。
本発明において、(ポリ)アルキレングリコール誘導体とは、アルキレングリコール誘導体および/またはポリアルキレングリコール誘導体をいう。
(ポリ)アルキレングリコール誘導体は、分子内に極性基(エステル基、エーテル基)と疎水基(アルキレン基)を併せ持つものであり、メトキシブチルアセテートおよび複素環化合物と併用すると、塩ビのみならず、普通紙、マット紙、光沢紙等のあらゆる印字媒体に対して、優れた定着性を発揮できる。また、臭気や引火点等は、エステル基、エーテル基数およびアルキレン基の炭素数で、容易に調整することができる。
このような(ポリ)アルキレングリコール誘導体は、インク組成物の安全性や臭気の点から、引火点が50〜120℃の範囲、特に60〜100℃の範囲にあり、沸点が150〜250℃の範囲にあることが望ましい。
このような(ポリ)アルキレングリコール誘導体を併用することにより、インク組成物全体の引火点を61℃以上に設定することが容易となり、輸送時の引火等の安全性等において非常に優れたインク組成物を得ることができる。
(ポリ)アルキレングリコール誘導体には、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル化合物またはモノアルキルエステル化合物等の遊離の水酸基をひとつ有する化合物と、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物、ジアルキルエーテル化合物またはジアルキルエステル化合物等の遊離の水酸基を持たない化合物等が含まれる。
これらの中でも、インクの粘度を低くし、また印字物の乾燥性を向上させる上で、水酸基を持たないモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物、ジアルキルエーテル化合物またはジアルキルエステル化合物が好ましい。また、アルキルエステル化合物では、エステル基がメチルエステル基であるものが特に好ましい。
(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物には、エチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル等が含まれる。
これらの中でも、モノまたはジアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステルは、トリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステルに比べて、分子量が小さく、低粘度のものが多いので、好ましい。
特に、エチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステルから選ばれる1種または2種以上の混合物を使用するのが好ましい。
これらの化合物は、分子量が小さくも大きくもないため、安全性とヘッドでのインクの乾燥性による目づまり防止の両立がしやすい。また、これら化合物は、不快な臭気も少なく、インク組成物に使用したときに不快な臭気を低減しやすい。
このような化合物としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル等が挙げられる。
これらの化合物は、特に低粘度であり、好ましく用いられる。とりわけ、エチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステルは、高引火点でかつ低臭であるため、インク溶媒として用いるのに特に適している。
また、(ポリ)アルキレングリコールのジアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、トリプロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。これらの中から、その1種を単独でまたは2種以上を混合して、使用するのが好ましい。
このような化合物としては、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が含まれる。これらの化合物は、特に低臭であり、好ましく用いられる。
とりわけ、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等は、比較的低臭であり、かつ低粘度であり、インクの溶媒として用いるのに特に適したものである。
さらに、(ポリ)アルキレングリコールのジアルキルエステル化合物には、例えば、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステル等が挙げられる。これらの化合物の中から、その1種を単独でまたは2種以上を混合して、使用するのが好ましい。
このような化合物としては、エチレングリコールジメチルエステル、ジエチレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジメチルエステル、ジプロピレングリコールジメチルエステル等が低臭であり、好ましく用いられる。
とりわけ、プロピレングリコールジメチルエステルは、比較的低臭であり、かつ低粘度であり、インクの溶媒として用いるのに特に適している。
本発明において、このような(ポリ)アルキレングリコール誘導体は、1種であっても2種以上であってもよく、その合計量が、インク組成物中、1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%となる割合で用いられる。
なお、本発明の油性顔料インク組成物中から(ポリ)アルキレングリコール誘導体の定性、定量を行うには、ガスクロマトグラフィー等が有効である。
本発明では、引火点が60℃未満の(ポリ)アルキレングリコール誘導体を使用することもできるが、その使用量は、他の(ポリ)アルキレングリコール誘導体との組み合わせにより、インク組成物全体の引火点が61℃以上となる割合とする。
例えば、引火点が50〜60℃の(ポリ)アルキレングリコール誘導体を用いる場合、その使用量としては、全インク組成物中、35重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲となるようにすることが好ましい。
本発明においては、有機溶媒として、前記のメトキシブチルアセテートと共に、複素環化合物および上記の(ポリ)アルキレングリコール誘導体を併用するほか、必要に応じて、アルコール系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、アミン系化合物、グリコール系化合物、グリコールエーテル系化合物、芳香族系化合物等の一般的な有機溶剤を併用することもできる。ただし、これらの有機溶剤は、本発明の特徴を損なうことのない、種類および量を選択すべきである。
特に、ケトン系化合物、エステル系化合物、芳香族化合物等を添加する場合、その沸点が150℃以上の溶剤を用いるのが好ましい。引火点が150℃未満の有機溶剤は、特に安全性、臭い等の原因となるため、その使用量は全インク組成物中、5重量%未満、好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.5重量%未満とするのがよい。
本発明の油性顔料インク組成物において、色材には、耐光性の点より、顔料が用いられるが、これには無機顔料や有機顔料等が含まれる。
これらの無機顔料や有機顔料は、その種類やインク組成物の用途目的に応じて、適宜の割合で用いられる。一般には、インク組成物中、0.1〜10重量%、特に好ましくは0.3〜6重量%の割合で使用するのがよい。
また、顔料の分散性を向上させるため、適宜の顔料誘導体を併用してもよい。例えば、ジアルキルアミノメチル基を有する顔料誘導体、ジアルキルアミノエチルスルホン酸アミド基を有する顔料誘導体等が、好ましく用いられる。
市販の顔料誘導体としては、エフカアディティブズ社製の「EFKA6745」、「EFKA6750」、ルーブリゾール社製の「SOLSPERSE5000」「SOLSPERSE22000」等が好ましく用いられる。
本発明に用い得る無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。
本発明に用い得る有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系の顔料等が挙げられる。
また、本発明に用いられる有機顔料としては、酸性、中性または塩基性カーボンからなるカーボンブラックも使用できる。さらに、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等も、有機顔料として使用することができる。
シアンインク組成物における顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等が挙げられる。特に、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。
マゼンタインク組成物における顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。特に、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントレッド122、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。
イエローインク組成物における顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、139、147、150、151、154、155、180、185、213、214等が挙げられる。特に耐候性等の点から、C.I.ピグメントイエロー74、83、97、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、213、214から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。
ブラックインク組成物における顔料としては、例えば、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社製のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェン等が挙げられる。
特に、三菱化学社製のHCF#2650、#2600、#2350、#2300、MCF#1000、#980、#970、#960、MCF88、LFFMA7、MA8、MA11、MA77、MA100、デグサ・ヒュルス社製のプリンテックス95、85、75、55、45等から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。
本発明の油性顔料インク組成物において、高分子化合物は、顔料分散剤および/または定着性樹脂として用いられる。顔料分散剤は、顔料との親和性に優れ、分散安定化させる働きを持つものである。定着性樹脂は、基材に対する密着性に優れ、印字物の耐久性を付与させる働きを持つものである。
顔料、有機溶媒、印字媒体等の種類に応じて、顔料分散剤や定着性樹脂を適宜選択することにより、インクとしての効果が発揮される。高分子化合物の種類により、1種類で上記両方の働きを持つものもある。
このような高分子化合物は、水およびエタノールに対する溶解度が3重量%未満、とくに1重量%未満であることが好ましい。
顔料分散剤および定着性樹脂は、インクジェット記録方式による印字後、基材の表面や表層部に残り、乾燥して定着する。このため、樹脂成分が水に易溶であると、印字物の耐水性に欠け、屋外で使用する際に雨等で印字物が流れるおそれがある。また、印字物をポスター等として使用する際、表面にコート剤等を吹き付けて使用する場合があり、このコート剤はアルコール成分を主溶媒とするものが多いため、高分子化合物がアルコール溶剤に易溶であると、印字物がコート剤により垂れ落ちるおそれがある。
これに対し、水およびエタノールに対する溶解度が前記範囲内にある高分子化合物は、上記のような問題を生じるおそれがない。
顔料分散剤には、イオン性または非イオン性の界面活性剤や、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の高分子化合物が用いられ得る。分散安定性、耐水性、耐擦過性等、印字物の強度の面で、高分子化合物が好ましく、特にカチオン性基またはアニオン性基を含む高分子化合物が好ましい。顔料の再凝集を防ぎ保存安定性を向上させる効果が得られやすいカチオン性基を有する高分子化合物が最も好ましい。
顔料分散剤は、有機溶媒中で顔料と分散剤との酸塩基相互作用にて分散安定化しているため、顔料吸着サイトであるカチオン性基かアニオン性基の少なくとも一方を含むことが望ましい。顔料の種類等により分散剤中のカチオン性基やアニオン性基の種類と量をコントロールすることが重要である。
高分子化合物である顔料分散剤としては、ゼネカ社製のSOLSPERSE、ビックケミー社製のDISPER BYK、エフカアディティブズ社製のEFKA、味の素ファインテック社製のアジスパー等が好ましい。その中でも、DISPERBYK161、162、163、167、168、EFKA4047、4050、4055、4060、SOLSPERSE20000、32000、32500、32550、35100、31845、34750、38500がより好ましい。これらを顔料、溶媒の種類にあわせて用いることにより、インク組成物として効果が発揮される場合が多い。
なお、これらの顔料分散剤は、樹脂溶液として市販されていることが多い。溶媒には、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等の低沸点のものが用いられている場合がある。これらをそのまま使用したときは、これらの溶媒に由来する臭気が残るおそれがある。
このため、これらの顔料分散剤では、その溶媒等を考慮して、必要に応じて、臭気、安全性等に影響を及ぼすおそれのある低沸点溶媒をあらかじめ取り除くのが好ましい。低沸点溶媒を取り除く方法には、減圧蒸留法、再沈法等が用いられる。
これらの方法を用いて、分散剤溶液中の低沸点成分、具体的には沸点が170℃未満の成分を5重量%未満、好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.5重量%未満にすることにより、インク組成物にした際の臭いを制御できる。
定着性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂は、塩ビ等の基材に対する定着性に優れるものが多く、樹脂中の官能基、構造等を変えることにより、耐水性、分散安定性、印字性等をコントロールすることができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ユニチカ社製のエリーテル、東洋紡社製のバイロン(登録商標)等が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、東洋紡社製のバイロン(登録商標)UR、大日精化社製のNT−ハイラミック、大日本インキ化学工業社製のクリスボン(登録商標)、日本ポリウレタン社製のニッポラン等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、日信化学工業社製のSOLBIN、積水化学社製のエスレック、ダウ・ケミカル社製のUCARシリーズ等が挙げられる。
このような定着性樹脂は、重量平均分子量が2,000〜100,000の範囲であることが好ましく、5,000〜80,000の範囲であることがより好ましく、10,000〜50,000の範囲であることが最も好ましい。
重量平均分子量が2,000未満では、保存性を向上させる効果が少なく、また媒体と顔料粒子との定着性を高める効果が得られにくく、塗膜強度が十分に得られないおそれがある。また、100,000を超えると、効果が飽和すると共に、インクの粘度が高くなり、流動性が十分に発揮されないおそれがある。
本明細書において、高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算分子量として求められる値を意味する。
本発明において、高分子化合物からなる顔料分散剤を使用する場合、この顔料分散剤の使用量としては、その種類や顔料または溶媒の種類等により異なるが、通常は、顔料に対して、10〜150重量%となるようにするのが好ましい。
また、高分子化合物からなる定着性樹脂を使用する場合、この定着性樹脂の使用量としては、その種類や分子量、顔料や溶媒の種類等により異なるが、通常は、顔料に対して、5〜200重量%となるようにするのが好ましい。
本発明の油性顔料インク組成物は、その調製方法に関して、特に限定はない。通常は、顔料、高分子化合物(顔料分散剤)および有機溶媒の一部としてメトキシブチルアセテートをプレミックス後分散し、得られた分散体に、さらに高分子化合物(定着性樹脂)と、メトキシブチルアセテート、複素環化合物、(ポリ)アルキレングリコール誘導体を添加して、混合分散することにより、調製することができる。
上記分散体を得る際には、上記の各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミル、サンドミル等の高速回転ミル、攪拌槽型ミル等の媒体攪拌ミル、ディスパー等の簡単な分散機により、よく撹拌混合し、分散させればよい。
また、この分散体に上記の各成分を添加したのち、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザー等の簡単な攪拌機を用い、均一に混合する。ラインミキサー等の混合機を用いて、混合してもよい。さらに、析出粒子をより微細化する目的で、ビーズミルや高圧噴射ミル等の分散機を用いて、混合してもよい。
本発明においては、このような油性顔料インク組成物の調製にあたり、顔料、高分子化合物および有機溶媒のほかに、必要に応じて、任意成分として、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、紫外線吸収剤、香料、顔料誘導体等、公知の一般的な添加剤を、配合するようにしてもよい。
このように調製される本発明の油性顔料インク組成物、特にインクジェット記録方式用の油性顔料インク組成物は、25℃における表面張力が20〜40mN/mであることが好ましく、25〜35mN/mであることがより好ましい。
表面張力が20mN/m未満の場合、ヘッドに対するインクの濡れ性が高くなりすぎるため、飛行曲がりやドット抜けが生じやすくなるおそれがあり、また基材に対する濡れ性も高くなりすぎるため、印字した際に滲みやすくなるおそれがある。表面張力が40mN/mを超えると、基材に対する濡れ性が悪くなり、印字した際にドットが締まりすぎ、画像に粒状感が出やすくなるおそれがある。
また、本発明の油性顔料インク組成物は、25℃における粘度が2.0〜6.5cpであることが好ましく、3.0〜6.0cpであることがより好ましく、さらに3.5〜5.5cpであることが最も好ましい。
粘度が2.0cp未満では、インクの吐出が不安定になり、しぶき等による画像の乱れを生じやすくなるおそれがある。また、6.5cpを超えると、ノズル内径の小さいプリンタヘッドを使用する際にインク滴を形成できず、吐出不良を招くおそれがある。
さらに、本発明の油性顔料インク組成物は、顔料粒子の分散平均粒子径が20〜250nmであることが好ましく、50〜160nmであることがより好ましい。分散平均粒子径が20nm未満では、粒子が細かいため、印字物の耐光性に欠けるおそれがあり、250nmを超えると、印字物の精細さに欠ける場合がある。
本発明の好適な油性顔料インク組成物は、前記の有機溶媒の使用により、インク組成物全体の引火点が61℃以上となるようにしたことを特徴としている。引火点が61℃未満では、国際的輸送関係法規における船舶輸送の場合の危険物において高引火点引火性液体に分類され、輸送、運搬等に際しての制約上、取り扱いにくくなるだけでなく、漏洩等のトラブルの際、引火等の危険性を伴いやすい。油性顔料インク組成物の引火点が61℃以上となるようにすると、このような問題をすべて回避することができる。
本発明の油性顔料インク組成物において、上記した25℃における表面張力と粘度、顔料粒子の分散平均粒子径と最大分散粒子径および引火点の各設定は、有機溶媒としてメトキシブチルアセテートを使用したことにより、他の構成成分の種類や使用量を適宜調整することにより、容易に行うことができる。
このような油性顔料インク組成物は、受容層のない塩ビ等の低コストフィルム等の印字媒体に対して印字可能で、屋外での使用環境にも十分に堪えることができ、特にインクジェット記録方式用として有利に使用できる。その際、例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを少なくとも含む4色以上の油性顔料インク組成物を同時に用いて、画像形成する等の使用形態を任意にとることもできる。
以下、本発明の主たる態様および好ましい態様を列記する。
〔1〕顔料、高分子化合物および有機溶媒を少なくとも含む油性顔料インク組成物であって、有機溶媒として、メトキシブチルアセテートを全インク組成物中に20〜90重量%含有する油性顔料インク組成物。
〔2〕有機溶媒として、さらに複素環化合物を全インク組成物中に1〜50重量%含有する上記〔1〕に記載の油性顔料インク組成物。
〔3〕複素環化合物は、含窒素および/または含酸素複素環化合物である上記〔2〕に記載の油性顔料インク組成物。
〔4〕有機溶媒として、さらに(ポリ)アルキレングリコール誘導体を全インク組成物中に1〜50重量%含有する上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の油性顔料インク組成物。
〔5〕(ポリ)アルキレングリコール誘導体は、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物、ジアルキルエーテル化合物およびジアルキルエステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記〔4〕に記載の油性顔料インク組成物。
〔6〕引火点が61℃以上であり、25℃における粘度が2.0〜6.5cpであり、および25℃における表面張力が20〜40mN/mである上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の油性顔料インク組成物。
〔7〕25℃における粘度が3.0〜6.0cpである上記〔6〕に記載の油性顔料インク組成物。
〔8〕25℃における粘度が3.5〜5.5cpである上記〔6〕に記載の油性顔料インク組成物。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。前記において開示した本発明は、本発明の精神を逸脱せず、本発明の技術的範囲内に入る限り、以下の実施例に限定されるものではない。当業者ならば、以下の記載に基づき、容易に、既知の変法および条件を採用することができる。
以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。また、以下に記載のメトキシブチルアセテートは、ダイセル化学工業社製(引火点62.5℃、沸点171℃)を使用した。
なお、以下に記載される顔料分散剤「BYK161」、「SOLSPERSE32550」、「EFKA4060」、定着性樹脂「バイロン(登録商標)UR−8300」は、いずれも、減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去し、分散で用いる有機溶媒で固形分濃度が20重量%となるように希釈して使用したものである。
以下に記載される顔料分散剤「BYK161」、「SOLSPERSE13940」、「SOLSPERSE32550」、「EFKA4060」、定着性樹脂「バイロン(登録商標)UR−8300」の各使用量は、有機溶媒で希釈後の重量換算で記載したものである。
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「FASTOGEN BLUE 5430SD」(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料)4部、顔料分散剤としてルーブリゾール社のアミン系高分子分散剤である「SOLSPERSE32550」10部、メトキシブチルアセテート6部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、1時間分散した。
このようにして得た分散体7.5部に、日信化学社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂「ソルバインC5」(重量平均分子量26,000)1.2部、N−メチル−2−ピロリドン10部、メトキシブチルアセテート21.3部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(ダウ・ケミカル社製、引火点60℃、沸点175℃)10部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製、GFP)を用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Aを調製した。
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「クロモファインレッド6107」(大日精化工業社製のキナクリドン顔料)4.5部、顔料分散剤として「SOLSPERSE32550」18部、メトキシブチルアセテート7.5部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーにより、3時間分散した。
このようにして得た分散体10部に、日信化学社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂「ソルバインCL」(重量平均分子量25,000)1部、N−メチル−2−ピロリドン7.5部、メトキシブチルアセテート19部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル12.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Bを調製した。
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「YELLOW PIGMENT E4GN−GT」(バイエル社製のニッケル錯体顔料)4部、顔料分散剤として「SOLSPERSE32550」12部、メトキシブチルアセテート4部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーにより、2時間分散した。
このようにして得た分散体7.5部に、ダウ・ケミカル社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂「VROH」(重量平均分子量15,000)1.2部、N−メチル−2−ピロリドン10部、メトキシブチルアセテート19.3部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル12部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Cを調製した。
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「MA8」(三菱化学社製の酸性カーボンブラック顔料)4部、顔料分散剤としてビックケミー社のアミン系高分子分散剤である「BYK168」7部、メトキシブチルアセテート9部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーにより、2時間分散した。
このようにして得た分散体8.5部に、ダウ・ケミカル社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂「VYHD」(重量平均分子量22,000)1部、N−メチル−2−ピロリドン10部、メトキシブチルアセテート18.5部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル12部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Dを調製した。
実施例1で得た分散体7.5部に、東洋紡社製のポリウレタン樹脂「バイロン(登録商標) UR8300」(平均分子量30,000)3.8部、N−エチル−2−ピロリドン(ISP社製、引火点93℃、沸点204℃)7.5部、メトキシブチルアセテート6.2部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル(ダウ・ケミカル社製、引火点96℃、沸点209℃)15部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル10部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Eを調製した。
実施例1で得た分散体7.5部に、ユニチカ社製のポリエステル樹脂「エリーテル UE−9800」(平均分子量13,000)3部、γ−ブチロラクトン(ISP社製、引火点93℃、沸点204℃)10部、メトキシブチルアセテート14.5部、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(協和発酵社製、引火点87.5℃、沸点192℃)15部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Fを調製した。
実施例1で得た分散体7.5部に、「ソルバインCL」(実施例2で使用したもの)1部、γ−ブチロラクトン12.5部、メトキシブチルアセテート29部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Gを調製した。
〔実施例8(比較実施例)〕
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「CINQUASIA MAGENTA RT355−D」(チバ・スペシャリティケミカルズ社製のキナクリドン顔料)4.5部、顔料分散剤としてエフカ・アディティブズ社製の高分子分散剤「EFKA 4060」18部、メトキシブチルアセテート7.5部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーにより、2時間分散した。
このようにして得た分散体10部に、「ソルバインCL」(実施例2で使用したもの)1.2部、メトキシブチルアセテート26.3部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル12.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Hを調製した。
〔実施例9(比較実施例)〕
実施例3で得た分散体7.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)3部、メトキシブチルアセテート37.4部、シクロヘキサノン(引火点44℃、沸点156℃)2.1部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Iを調製した。
実施例10
実施例4で得た分散体8.5部に、「ソルバインCL」(実施例2で使用したもの)1部、γ−ブチロラクトン15部、メトキシブチルアセテート15.5部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル10部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Jを調製した。
実施例4で得た分散体8.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)3.8部、N−エチル−2−ピロリドン7.5部、メトキシブチルアセテート15.2部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル15部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Kを調製した。
実施例4で得た分散体8.5部に、東洋紡社製のポリエステル樹脂「バイロン(登録商標)296」(重量平均分子量14,000)1.2部、N−メチル−2−ピロリドン5部、メトキシブチルアセテート26.1部、プロピレングリコールジメチルエステル(ダウ・ケミカルズ社製、引火点93℃、沸点190℃)10部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Lを調製した。
比較例1
<主溶媒として3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートを使用した油性顔料インク組成物1>
有機溶媒として、メトキシブチルアセテート6部に代えて、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(クラレ社製、引火点75.5℃、沸点188℃)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散して、分散体を得た。
このようにして得た分散体7.5部に、「ソルバインC5」(実施例1で使用したもの)1.2部、N−メチル−2−ピロリドン10部、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート21.3部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル10部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Mを調製した。
比較例2
<主溶媒として3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートを使用した油性顔料インク組成物2>
比較例1で得た分散体6.25部に、ダウ・ケミカル社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂「VAGH」(重量平均分子量27,000)0.5部、電気化学工業社製のポリビニルブチラール樹脂「デンカブチラール2000L」1.25部、綜研化学社製のウレタン変性アクリル樹脂「サーモラックT−361」0.9部、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート7部、乳酸ブチル(武蔵野化学研究所社製、引火点75.5℃、沸点186℃)13.1部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダウ・ケミカルズ社製、引火点46.5℃、沸点146℃)7部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(ダウ・ケミカルズ社製、引火点34.0℃、沸点120℃)7部、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(クラレ社製、引火点68℃、沸点174℃)7部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Nを調製した。
比較例3
<主溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステルを使用した油性顔料インク組成物1>
有機溶媒として、メトキシブチルアセテート6部に代えて、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステルを同量使用した以外は、実施例1と同様に分散して、分散体を得た。
このようにして得た分散体7.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)3部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル39.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Oを調製した。
比較例4
<主溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステルを使用した油性顔料インク組成物2>
比較例3で得た分散体7.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)1部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル41.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Pを調製した。
比較例5
<主溶媒としてジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステルを使用した油性顔料インク組成物>
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「MA100」(三菱化学社製の酸性カーボンブラック)4部、顔料分散剤として花王社製の陰イオン性界面活性剤である「ホモゲノールL−95」2.0部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル(協和発酵社製、引火点124℃、沸点247℃)14部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーにより、2時間分散した。
このようにして得た分散体16部に、旭化成社製のニトロセルロース「SL−1」8部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル26部を加え、マグネチックスターラーにより、30分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Qを調製した。
比較例6
<主溶媒としてプロピレンカーボネートを使用した油性顔料インク組成物>
有機溶媒として、メトキシブチルアセテート6部に代えて、プロピレンカーボネート(引火点132℃、沸点242℃)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散して、分散体を得た。
このようにして得た分散体7.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)1部、プロピレンカーボネート41.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Rを調製した。
比較例7
<主溶媒としてシクロヘキサノンを使用した油性顔料インク組成物>
有機溶媒として、メトキシブチルアセテート6部に代えて、シクロヘキサノンを同量使用した以外は、実施例1と同様に分散して、分散体を得た。
このようにして得た分散体7.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)3部、シクロヘキサノン39.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Sを調製した。
比較例8
<主溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを使用した油性顔料インク組成物>
有機溶媒として、メトキシブチルアセテート6部に代えて、N−メチル−2−ピロリドンを同量使用した以外は、実施例1と同様に分散して、分散体を得た。
このようにして得た分散体7.5部に、「バイロン(登録商標) UR8300」(実施例5で使用したもの)2部、N−メチル−2−ピロリドン40.5部を加え、マグネチックスターラーにより、60分攪拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、油性顔料インク組成物Tを調製した。
上記の実施例1〜12の油性顔料インク組成物A〜L、比較例1〜8の油性顔料インク組成物M〜Tについて、下記の方法により、粘度、表面張力、分散平均粒子径および引火点を測定した。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
なお、表1中、各インク組成物の種類に関して、油性顔料の表記を省き、ただ単に「インク組成物A」のように記載した。
<粘度>
R100型粘度計(東機産業社製)により、25℃、コーンの回転数20rpmの条件により、粘度を測定した。
<表面張力>
全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)により、インクの温度を25℃にして、表面張力を測定した。
<分散平均粒子径>
粒度分布測定装置N4−PLUS(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計)により、顔料粒子の分散平均粒子径を測定した。なお、測定の際の希釈溶剤は顔料分散時に使用した溶剤を用いた。
<引火点>
セタ密閉式引火点測定器により、引火点を測定した。
Figure 0004885843
つぎに、上記の実施例1〜12の油性顔料インク組成物A〜L、比較例1〜8の油性顔料インク組成物M〜Tについて、下記の方法により、乾燥性、定着性、耐アルコール性および吐出安定性を評価した。これらの結果は、表2に示されるとおりであった。
なお、表2中、各インク組成物の種類に関して、油性顔料の表記を省き、ただ単に「インク組成物A」のように記載した。
<乾燥性>
インク組成物を、25℃、湿度30%の恒温室で、No.6ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて光沢塩ビ(3M社製、Controltac 180−10)に塗布し、指で触れたときに付かなくなった時間が2分以内のものを◎、5分以内のものを〇、10分以内のものを△、10分以上経っても指に付くものを×、と評価した。
<定着性>
インク組成物を、25℃、湿度30%の恒温室で、No.6ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて光沢塩ビ(3M社製、Controltac 180−10)に塗布し、3時間後、指によるスクラブ試験を30秒間行った。試験後、スクラブ痕がなかったものを○、スクラブ痕が若干発生したものを△、スクラブ痕が発生し、基材が見えるものを×、と評価した。
<耐アルコール性>
インク組成物を、25℃、湿度30%の恒温室で、No.6ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて光沢塩ビ(3M社製、Controltac 180−10)に塗布し、3時間後、水/エタノール混合溶液(重量比1/1)を染み込ませた布(旭化成社製、ベンコットン)で塗布面を拭き取った。
これにより、50往復擦過しても塗布面が全く拭き取られなかったものを◎、30往復以上擦過したときに布に若干インクが付着したものを〇、30往復未満で布にインクが付着したものを△、すぐに拭き取られ基材が見えたものを×、と評価した。
<吐出安定性>
インク組成物を、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンター「MC−2000」に充填し、MCマット紙にMCマット紙モードで横20cm×縦30cmのベタ印字を行った。
これにより、ベタ印字後にドット抜けがなかったものを◎、ベタ印字後にドット抜けが3本以内発生したものを〇、ベタ印字後にドット抜けが5本以上発生したものを△、ベタ印字中にインクが吐出しなくなったもの、もしくは始めからインクが吐出できなかったものを×、と評価した。
Figure 0004885843
上記の表1の結果から、実施例1〜12の油性顔料インク組成物A〜Lは、すべて、適正な粘度、表面張力および分散平均粒子径を有しており、しかも引火点が61℃以上で、比較的安全に取り扱いできることがわかる。
これに対して、比較例2,7の油性顔料インク組成物N,Sは、インク組成物の引火点が61℃未満となっており、取り扱いの際に非常に注意を要し、また貯蔵、運搬等に関しても制約がかかるものであった。
また、上記の表2の結果から、実施例1〜12の油性顔料インク組成物A〜Lは、すぐれた乾燥性、定着性および耐アルコール性を示し、プリンタにて印字した際の吐出安定性に関しても問題なく、すべての評価項目において、優れていた。
特に、実施例1〜7、10〜12の油性顔料インク組成物A〜G、J〜Lは、インク中に塩ビ溶解性の複素環化合物を含有しているため塩ビシートへの定着が早く、より高い乾燥性を示した。また、実施例1〜5、11、12の油性顔料インク組成物A〜E、K、Lは、インク中に高い塩ビ溶解性をもつ含窒素複素環化合物を含有しており、特に優れた耐アルコール性を示した。さらに、インク組成物中に複素環化合物および(ポリ)アルキレングリコール誘導体を共に含む実施例1〜6、10〜12の油性顔料インク組成物A〜F、J〜Lは吐出安定性に特に優れていた。
これに対して、比較例1〜8の油性顔料インク組成物M〜Tは、比較例4の油性顔料インク組成物Pを除き、いずれも粘度が高く、プリンタにて印字する際吐出不良を生じた。また、上記の比較例4の油性顔料インク組成物Pは、低粘度にするために樹脂の添加量を少なく調整したため、定着性、耐アルコール性に劣っていた。
さらに、比較例3〜6の油性顔料インク組成物O〜Rおよび比較例8の油性顔料インク組成物Tは、主溶媒に比較的高沸点の溶剤を使用しているため、非吸収性の塩ビシートに印字した際に、乾燥性が悪い結果となっていた。

Claims (6)

  1. 顔料、高分子化合物および有機溶媒を少なくとも含む油性顔料インク組成物であって、ここで、該高分子化合物はポリエステル系樹脂および塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の定着性樹脂であり、有機溶媒として、メトキシブチルアセテートを全インク組成物中に20〜90重量%、およびラクタム構造を有する含窒素および/またはラクトン構造を有する含酸素複素環化合物を全インク組成物中に1〜50重量%含有するインクジェット記録方式用の油性顔料インク組成物。
  2. 有機溶媒として、さらに(ポリ)アルキレングリコール誘導体を全インク組成物中に1〜50重量%含有する請求項1に記載の油性顔料インク組成物。
  3. (ポリ)アルキレングリコール誘導体は、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物、ジアルキルエーテル化合物およびジアルキルエステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の油性顔料インク組成物。
  4. 引火点が61℃以上であり、25℃における粘度が2.0〜6.5cpであり、および25℃における表面張力が20〜40mN/mである請求項1〜3のいずれかに記載の油性顔料インク組成物。
  5. 25℃における粘度が3.0〜6.0cpである請求項4に記載の油性顔料インク組成物。
  6. 25℃における粘度が3.5〜5.5cpである請求項4に記載の油性顔料インク組成物。
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