JP6206553B1 - 非水系印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】レベリング性及び印刷適性に優れた非水系印刷インキ組成物を提供する。【解決手段】塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有するバインダー樹脂を含有し、前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)100質量%中、塩化ビニル由来構造の含有率が75〜95質量%である、非水系印刷インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系印刷インキ組成物に関し、さらには、その印刷物及び積層体に関する。
OPPフィルム、PETフィルム、NYフィルムなどのフィルム基材やコートボール紙などの紙基材、アルミ基材などを包装材料に使用する場合、通常基材の装飾または表面保護のために印刷インキを用いた印刷が施される。印刷を施した基材は、その後スリット工程を経て、場合によりラミネートなどの後加工工程に送られ、最終的には食品包装用、化粧品包装、その他あらゆる用途に向けたパッケージとなる。
印刷用インキは、一般に、水性インキと非水系インキに大別することができる。非水系インキは、水性インキに比べて、皮膜(被膜)物性、ラミネート物性等の観点で優れており、上記の包装材料の印刷用のインキとしても好適である。しかし、非水系インキは、印刷における乾燥過程で溶剤の揮発が早いため、インキ被膜のレベリング性(平滑性)の向上が課題となる。
また、印刷用インキにおいては、色、文字、模様等の色調再現性、大量生産性等の観点から、印刷適性の更なる向上が望まれている。非水系インキの印刷適性の指標の一つとして、グラビア印刷における印刷適性が挙げられる。例えば、前記フィルム基材、紙基材に印刷される多くの場合、グラビア印刷方式が採用されている。グラビア印刷方式に用いられる版は文字や模様などの部分が凹版であり、このセルにインキが入る程度に版にインキを浸し、版を回転させながら、表面をドクターブレードにより余分なインキを掻き落とし、グラビアインキを前記基材へ転移、着肉させる。この印刷方式は微細な濃淡が表現できるので、写真などの豊かな階調の再現には最適であり、なおかつ高速印刷が可能であるため大量生産に向いている。
このグラビア印刷方式が抱える印刷適性の問題として(I)版かぶり性、および(II)版つまり性、がある。(I)版かぶり性とは前述のドクターブレードによりインキを掻き取りきれなくてインキが抜けてしまう現象であり、結果として基材の無地部分が着色(地汚れ)される、あるいはスジのような柄が意図なく現れてしまう。(II)版つまり性とは、インキの転移不良のことであり、印刷面にはカスレのような形で現れる。版つまり現象は特に版深の浅い、すなわちセルの深さの浅い部分(ハイライト部)において発生しやすい。こういった印刷不良は印刷コンバーターでは不良ロットとして扱われ、生産ロスを引き起こす。
グラビア印刷方式に限らず、フレキソ印刷方式等の他の印刷方式においても同様に印刷適性の課題がある。例えば、フレキソ印刷版は凸版形状であるが、グラビア印刷における印刷適性で上記課題が改善されれば、フレキソ印刷においても、ベタ部分と網点部分(ハイライト部分)の転移性のバランスを欠く様な印刷不良や、版の網点部分(ハイライト部分)の隙間にインキが埋まり、網点が潰れる(版がらみ性)といった印刷不良が改善されると考えられる。
印刷適性の課題を解決するには印刷条件とインキの両面からの改善が必要である。例えば版かぶり性についてはグラビア印刷機の装置の工夫により改善が試みられている(特許文献1)。また、版つまり性については、大気汚染防止法にてトルエン等の芳香族有機溶剤を使用しないことが世間的に推奨されている中、エステル/アルコール系溶剤等での検討がなされている(特許文献2)。
また、印刷基材の種類は、用途別にラミネート(裏刷り)用、表刷り用、紙用、アルミまたはアルミ蒸着基材用などに区別される。しかし、それぞれの用途で必要な被膜物性は共通するものが有り、基材に対する密着性、印刷巻き取り時の耐ブロッキング性、皮膜の強度、耐水性、耐熱性等が挙げられる。これらの課題解決にポリウレタン系樹脂をバインダー樹脂として使用、あるいはポリウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用するなどの工夫がなされている(特許文献3、特許文献4)。
上述の特許文献に記載されるように、印刷用インキについては様々な工夫がなされているが、非水系印刷インキにおいて、印刷適性とレベリング性を同時に満足するものは今までに無い。
特開平10−305555号公報 特開2015−038177号公報 特開2013−194081号公報 特開2005−298618号公報
本発明は、印刷適性とレベリング性に優れた非水系印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、以下の非水系印刷インキ組成物を用いることで解決することを見出し、本発明に至った。
〔1〕本発明の一態様は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有するバインダー樹脂を含有し、
前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)100質量%中の塩化ビニル由来構造の含有率が75〜95質量%である、非水系印刷インキ組成物に関する。
〔2〕本発明のさらなる一態様は、前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との固形分質量比率が、(A):(B)=5:95〜60:40の範囲である、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔3〕本発明のさらなる一態様は、前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との固形分質量比率が、(A):(B)=5:95〜50:50の範囲である、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔4〕本発明のさらなる一態様は、前記ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエーテルポリオール由来の構造単位を含み、
前記ポリエーテルポリオール由来の構造単位の比率が、前記ポリウレタン樹脂(B)100質量%中、5〜80質量%の範囲である、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔5〕本発明のさらなる一態様は、前記ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエステルポリオール由来の構造単位を含み、
前記ポリエステルポリオール由来の構造単位の比率が、前記ポリウレタン樹脂(B)100質量%中、5〜80質量%の範囲である、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔6〕本発明のさらなる一態様は、前記ポリエステルポリオール由来の構造単位は、分岐構造を有するジオールと二塩基酸とを反応させてなるポリエステルポリオール由来の構造単位を含む、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔7〕本発明のさらなる一態様は、前記ポリウレタン樹脂(B)の水酸基価が1〜20mg/KOHgである、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔8〕本発明のさらなる一態様は、前記バインダー樹脂が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(b1)及びセルロース系樹脂(b2)からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含有する、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔9〕本発明のさらなる一態様は、さらに着色剤(C)を含有し、
前記着色剤(C)が白色無機顔料を含有する、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔10〕本発明のさらなる一態様は、アミノ系シランカップリング剤(D)をさらに含有する、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔11〕本発明のさらなる一態様は、前記アミノ系シランカップリング剤(D)が、第1級アミノ基を有するか、第2級アミノ基と4つ以上のアルコキシ基とを有する、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔12〕本発明のさらなる一態様は、前記アミノ系シランカップリング剤(D)が、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有する、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔13〕本発明のさらなる一態様は、グラビア印刷用インキ組成物である、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔14〕本発明のさらなる一態様は、ラミネート用印刷インキ組成物である、上記非水系印刷インキ組成物に関する。
〔15〕本発明の別の一態様は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有するバインダー樹脂、
着色剤(C)、及び
アミノ系シランカップリング剤(D)
を含有し、
前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)100質量%中の塩化ビニル由来構造の含有率が75〜95質量%であり、
前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との固形分質量比率が、(A):(B)=5:95〜50:50の範囲であり、
前記着色剤(C)が白色無機顔料を含有する、ラミネート用非水系グラビアインキ組成物に関する。
〔16〕本発明の別の一態様は、印刷基材上に、上記非水系印刷インキ組成物、又は、上記ラミネート用非水系グラビアインキ組成物を用いてなるインキ層を有する、印刷物に関する。
〔17〕本発明のさらなる一態様は、前記印刷基材がフィルムである、上記印刷物に関する。
〔18〕本発明の別の一態様は、上記印刷物の印刷面に、接着剤層と基材がこの順で積層された積層体に関する。
本発明によれば、印刷適性とレベリング性に優れた非水系印刷インキ組成物を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本実施形態は、バインダー樹脂として、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)を必須成分として含有し、前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)100質量%中、塩化ビニル由来構造の含有率が75〜95質量%である、非水系印刷インキ組成物に関する。以下、本実施形態の非水系印刷インキ組成物を単に「インキ組成物」と記載することもある。
<塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)>
塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)は塩化ビニルモノマーとアクリルモノマーの共重合体を主成分とするものである。共重合体の形態は特に限定されず、例えば、アクリルモノマーはポリ塩化ビニルの主鎖にブロックないしランダムに組み込まれていても良いし、ポリ塩化ビニルの側鎖にグラフト共重合されていても良い。
本実施形態において、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)固形分100質量%中、塩化ビニルモノマー由来の構造の比率が75〜95質量%である。この場合、有機溶剤への溶解性が向上し、印刷転移性や版かぶり性等の印刷適性やレベリング性の向上効果を得ることができる。更に基材への密着性、皮膜(被膜)物性、ラミネート強度等が良好となり易い。塩化ビニルモノマー由来の構造の比率は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)固形分100質量%中、80質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、共重合体中の各モノマー由来の構造の比率(質量%)は、共重合体の製造時の各モノマーの仕込み量の比率(質量%)から算出することができる。
塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)は有機溶剤への溶解性向上および基材への密着性の観点から、水酸基を含むものが好ましく、水酸基価として、10〜120mgKOH/gであることが好ましく、20〜110mgKOH/gであることがより好ましく、30〜100mgKOH/gであることがさらに好ましい。
また塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)のガラス転移温度としては55℃〜85℃であるものが好ましい。なおここで、ガラス転移温度が高いほど、樹脂として硬いという事であるため、ガラス転移温度が上記範囲内であると、比較して柔らかいポリウレタン樹脂(B)と併用することでバインダー樹脂としての硬さ/柔らかさを調整することができる。塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)のガラス転移温度は、65℃〜80℃がより好ましい。
塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)に関するガラス転移温度(以下「Tg」と記載することがある)は、下記FOXの式より計算して得た値を示す。
FOXの式は下記により表される。
<FOX式>1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wi/Tgi+…+Wn/Tgn
〔上記FOX式は、n種の単量体からなる重合体を構成する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度をTgi(K)とし、各モノマーの質量分率を、Wiとしており、(W1+W2+…+Wi+…Wn=1)である。〕
また、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)は、重量平均分子量が10,000から100,000の範囲であることが好ましい。10,000以上であると、印刷物における耐ブロッキング性と耐溶剤性の確保の観点から好ましく、100,000以下であると、溶剤への溶解性を維持し易く、印刷適性の観点から好ましい。重量平均分子量として、より好ましくは30,000から70,000であり、更に好ましくは40,000から60,000である。
本実施形態の塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)に用いることのできるアクリルモノマーの例を以下に説明するが、アクリルモノマーはこれらに限定されるものではない。
以下の説明において、(メタ)アクリルないし(メタ)アクリレートはそれぞれメタクリルおよびアクリル、メタクリレートおよびアクリレートを意味する。
アクリルモノマーとして、(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、アルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。更にアルキル基は更にベンゼン環構造を有しても良い。ベンゼン環構造としては、炭素数6〜18、好ましくは6〜12の単環又は縮合環が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸ブチルが、良好な密着性を得やすいという点から好ましい。これらは単独または2種以上を併用できる。
またアクリルモノマーとして、水酸基を有するアクリルモノマーを用いることができる。例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
中でもアクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、ヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが溶剤に対する溶解性を向上させ、基材への密着性を高めるため、より好ましい。これらは単独または2種以上を併用できる。
また、アクリルモノマーとして、水酸基以外の官能基を有するアクリルモノマーを用いることもできる。水酸基以外の官能基の例としてはカルボキシル基、アミド結合基、アミノ基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。
カルボキシル基含有アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸の他、カルボキシル基含有アクリル酸エステル、例えば、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、p−カルボキシベンジル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(付加モル数:2〜18)フタル酸(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸β−カルボキシエチル、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸などが挙げられる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとマレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸等のジカルボン酸とのエステル化物などが挙げられる。
アミド結合を含有するアクリルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、などの(メタ)アクリルアミド系の化合物などが挙げられる。
アミノ基含有アクリルモノマーとしては、アミノ基を含有するアクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステルなどが挙げられる。
またアクリルモノマーはアルキレンオキサイド単位を有しても良い。アルキレンオキサイド単位としては、特に限定されないが、エチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位等が例示される。アルキレンオキサイド単位の繰り返し数は特に限定されないが、例えば1〜50であり、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。アルキレンオキサイド単位を有するアクリルモノマーの例としては、アルキレンオキサイド単位を有するアクリル酸エステル、例えば、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アクリルモノマーとしては、基材に対する接着性と有機溶剤に対する溶解性が向上するため、アクリル酸アルキルエステル及び水酸基を有するアクリルモノマーが好ましく、アクリル酸アルキルエステル及び水酸基を有するアクリル酸エステルがより好ましい。これらのモノマーの1種または2種以上を、アクリルモノマー中、50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。
また、一実施形態では、水酸基を含有するアクリル酸エステルの含有量が、アクリルモノマー中5質量%以上であることが好ましい。上記範囲内であると、ノントルエン系溶剤のみでインキを作製する場合の印刷適性の向上の観点でも好ましい。
アクリルモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また本実施形態の塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)は更にアクリルモノマー以外の二重結合性モノマーと共重合されていても良い。アクリルモノマー以外の二重結合性モノマーとしては、例えば、ビニルアルコール、スチレン、無水マレイン酸等が挙げられる。溶剤に対する溶解性あるいは樹脂同士の相溶性を高める目的であればビニルアルコールが好適である。これらのアクリルモノマー以外の二重結合性モノマーに由来する構造単位の比率は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)中、5質量%以下であることが好ましい。
本実施形態における塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)は、例えば、モノマー混合物をラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合することで得ることができる。ラジカル重合は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合など公知の重合方法が可能であるが、本実施形態では懸濁重合が好ましい。具体的な方法としてはまずあらかじめ水と懸濁剤を入れた反応器内に圧力を掛けて液化させた原料の塩化ビニルモノマーおよびアクリルモノマーを入れ、高速で攪拌することでモノマーを極めて微小な粒子にする。次いで重合反応の開始剤を重合器に入れ数気圧、40℃〜80℃の条件下で反応させることで重合反応が開始する。懸濁重合法で得られた塩化ビニル−アクリル共重合樹脂は通常直径80〜200μmの粒子として水中に懸濁した状態(スラリー状態)となっているため、反応槽より抜き出した後に脱水、乾燥を行い、白色粉末状となる。なお、重合反応時に未反応であった塩化ビニルモノマー等の未反応モノマーはストリッピング工程などを経て全量回収され、精製後に再度原料として使用することができる。懸濁重合の他には乳化重合や塊状重合という製造方法も好適に使用される。
前記ラジカル重合開始剤は、重合温度でラジカルを発生できる化合物であれば特に制限はなく、過酸化物およびアゾ化合物等の公知の化合物を使用できる。前記過酸化物は、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類;シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、などのパーオキシケタール類;クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルシクロヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類などの有機過酸化物、又はこれらの混合物があげられる。
前記アゾ化合物は、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(略称:AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などの2,2’−アゾビスブチロニトリル類;2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などの2,2’−アゾビスバレロニトリル類;2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’−アゾビスプロピオニトリル類;1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などの1,1’−アゾビス−1−アルカンニトリル類などが使用できる。ラジカル重合開始剤は、単独または2種以上を併用できる。
またペルオキソ二硫酸カリウムが開始剤として好適に使用される。ペルオキソ二硫酸カリウムは、化学式Kで表されるカリウムの過硫酸塩である。 硫酸カリウムもしくは硫酸水素カリウムの水溶液を陽極酸化して得られ、酸化剤、重合促進剤として用いられる。
ラジカル重合開始剤は、前記塩化ビニルモノマーとアクリルモノマーの混合物100質量部に対し、0.01〜10質量部を使用することが好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。
本実施形態の塩化ビニル−アクリル共重合樹脂を後述するポリウレタン樹脂と併用することにより、粘度を上げることなく顔料分散性を向上させることができる。その結果、レベリング性向上や印刷適性向上の効果を奏するものと推定される。また、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂は、印刷層を形成した際に基材への高い密着性と強い被膜を形成するため耐摩擦性、耐油性、耐熱性の向上の効果が得られ易い。また、更にラミネート積層体とした場合、接着剤成分のインキ層への浸透を抑え、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性の向上の効果が得られ易いという利点も有している。また、アクリル酸エステル部位等のアクリルモノマーに由来する構造を有するため、インキ組成物中の各成分との相溶性が高いため、均一なインキ層を形成してより外観良好な積層体を得られ易い点でも有利である。なお、上記のメカニズムは推論であってなんら本発明を限定するものではない。
<ポリウレタン樹脂(B)>
ポリウレタン樹脂(B)は、非水系印刷インキ組成物に用いることのできるものであれば特に限定されないが、重量平均分子量としては、10,000〜100,000のものが好ましく、得られるインキ組成物の耐ブロッキング性の点から15,000以上、顔料を適度に分散することができ、なおかつ得られるインキ組成物の高粘度化の抑制という観点から70,000以下であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、20,000〜60,000であることがさらに好ましい。
また、ガラス転移温度が−60℃〜40℃であることが好ましく、更には動的粘弾性測定において40℃における貯蔵弾性率が1〜100MPaであるものが好ましい。なお、ポリウレタン樹脂(B)においてガラス転移温度はJIS K 7121に準拠して示差走査熱量計(DSC)により測定し、ガラス転移が起こる温度範囲の中点を表す。
また、ポリウレタン樹脂(B)は、基材に対する密着性と有機溶剤への溶解性が向上するためアミン価や水酸基価を有するものが好ましい。アミン価は1.0〜20.0mgKOH/gであることが好ましく、2〜15mgKOH/gであることがより好ましい。また水酸基価は1.0〜20.0mgKOH/gであることが好ましく、1〜15mgKOH/gであることがより好ましく、1〜10mgKOH/gであることがさらに好ましい。水酸基は、ポリウレタン樹脂(B)の側鎖及び/又は末端に存在していてよい。
特に、後述するラミネート印刷用途に用いる場合は、水酸基価が1〜15mgKOH/gであることが好ましく、1〜10mgKOH/gであることがさらに好ましい。水酸基価が1mgKOH/g以上であることによって有機溶剤への溶解性がより向上し、水酸基価が15mgKOH/g以下であることによって、ポリウレタン樹脂(B)の凝集力が高くなり基材密着性と塗膜強度がより向上する。そのため接着剤組成物中の成分がインキ層へ浸透し難くなるので、積層体外観および物性がより向上する。更には後述するアミノ系シランカップリング剤(D)を使用すると、樹脂の有する水酸基等と架橋して更に強靭なインキ層が得られ易い。強靭なインキ層には後述する接着剤組成物中の成分が更に浸透し難くなるので、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性がより向上する。
ポリウレタン樹脂(B)の側鎖に水酸基を付加する方法は、後述する鎖延長剤として水酸基を有するアミン類を使用することなどが挙げられる。また、ポリウレタン樹脂(B)の末端に水酸基を付加する方法は、後述する末端封鎖剤として水酸基を有するモノアミン類を使用することなどが挙げられる。本実施形態のポリウレタン樹脂(B)では、任意の方法でポリウレタン樹脂(B)に水酸基を付加することができるが、側鎖と末端の両方に水酸基が付加されていることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)は特に制限はなく、公知の方法により適宜製造することができる。例えばポリオールとポリイソシアネートからなる末端イソシアネートのウレタンプレポリマーとアミン系鎖延長剤を反応させることにより得られるポリウレタン樹脂(ポリウレタンウレア樹脂)(B)などが好ましい。
ポリオールとしては、特に限定されず、グラビアインキ、フレキソインキ用等の印刷用インキに用いられるポリオールを使用することができ、重合反応や、縮合反応や、天然物などで入手できる。例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。一般的には、数平均分子量400〜10,000のものが好ましい。ポリオールは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
前記ポリウレタン樹脂(B)はポリエーテルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、その含有量はポリウレタン樹脂(B)固形分100質量%中、5〜80質量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜50質量%である。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。中でも、ポリテトラメチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましく、基材への密着性の点で適度な柔軟性を有する酸化プロピレンの重合体が好ましい。数平均分子量は500〜10,000であることが好ましく、1,000〜5,000であることがより好ましい。数平均分子量は、末端を水酸基として水酸基価から計算するものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1×水酸基の価数/水酸基価
前記ポリウレタン樹脂(B)はポリエステルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、その含有量はポリウレタン樹脂(B)固形分100質量%中、5〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、更に好ましくは20〜75質量%であり、特に好ましくは30〜70質量%である。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸もしくはこれらの無水物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等のジオール類、又は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子多価アルコール類とのエステル化反応により得られる縮合物等;ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類等の環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類;等が挙げられる。なかでもアジピン酸またはセバシン酸などの二塩基酸と、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の分岐構造を有するジオールとから得られるポリエステルポリオールが、顔料の分散安定性、インキの溶解性、耐ブロッキング性を向上させるため特に好ましい。なお、分岐構造を有するジオールとは、ジオールに含まれるアルキレン基の水素原子の少なくとも1つがアルキル基によって置換された構造の、アルキル側鎖を有するジオールを意味する。これらのポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。さらにヒドロキシル基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜10,000であることが好ましい。より好ましくは1,000〜5,000である。数平均分子量は、前記(式1)により求められる。本実施形態に用いるポリエステルポリオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以下であることがより好ましい。
ポリオールの中でも、インキ層の印刷基材への密着性、インキ組成物の溶剤に対する溶解性の点から、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類が好ましく、分岐構造を有するポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールを併用することがより好ましい。
上述のポリオール以外のポリオールとしては、前記低分子多価アルコール類などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類;ポリブタジエングリコール類;ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類;1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオールなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらは3量体となってイソシアヌレート環構造となっていても良い。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
前記ポリイソシアネート化合物の中でも、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、溶解性の観点からイソホロンジイソシアネートがさらに好ましい。
アミン系鎖延長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、さらに、ポリウレタンウレア樹脂の側鎖に水酸基を付加することができる鎖延長剤として、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖延長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また必要に応じて多官能のアミン系鎖延長剤も使用出来、具体的には、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン:(IBPA、3,3’−ジアミノジプロピルアミン)、N−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン:(スペルミジン)、6,6−イミノジヘキシルアミン、3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンが挙げられる。中でも好ましくはイソホロンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミンである。
また、過剰反応停止を目的とした重合停止剤(末端停止剤又は末端封鎖剤ともいう。)として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、モノアミン化合物であり、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や2−エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルコール類等があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸等のアミノ酸を重合停止剤として用いることができる。また、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を用いることもできる。重合停止剤を用いるときには、末端停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)の合成法は、ポリオールをポリイソシアネートと反応させたのちアミン系鎖延長剤および必要に応じて重合停止剤と反応させてポリウレタン樹脂にすることが好ましい。例えば、ポリオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒等の触媒を用いて10℃〜150℃、例えば50℃〜100℃の温度で反応させ(ウレタン化反応)、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーにアミン系鎖延長剤を、例えば10〜80℃で反応させてポリウレタン樹脂を得るプレポリマー法が挙げられる。ウレタンプレポリマーとアミン系鎖延長剤との鎖延長反応の方法は、ウレタンプレポリマー溶液にアミン系鎖延長剤の溶液を徐々に滴下して行う方法や、アミン系鎖延長剤の溶液にウレタンプレポリマー溶液を滴下して行う方法などがあるが、本実施形態においては任意の方法で反応させることができる。あるいは、高分子ポリオールとポリイソシアネートとアミン系鎖延長剤および(および重合停止剤)を一段で反応させてポリウレタン樹脂(B)を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。また、アミン系鎖延長剤は、高分子ポリオールとともにポリイソシアネートとウレタン化反応で使用することもできる。
前記プレポリマーを製造するに当たり、ポリオールとポリイソシアネートとの量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数と高分子ポリオールの合計の水酸基のモル数の比であるNCO/OH比=1.1〜3.0の範囲となるようにすることが好ましい。更に好ましくはNCO/OH比=1.3〜2.5である。
また、前記プレポリマーの合成には有機溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる有機溶剤としてはイソシアネート基と反応不活性な有機溶剤が好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶媒として用いることもできる。
さらに、このプレポリマーの合成反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオール化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーとアミン系鎖延長剤であるジアミン、トリアミンなどとを10〜60℃で反応させ、末端に活性水素基を含有する高分子量のポリウレタン樹脂(B)が得られる。
また、プレポリマー中のイソシアネート基のモル数に対するアミン系鎖延長剤のアミノ基の合計モル数の比は1.01〜2.00、好ましくは1.03〜1.06の範囲となるようにして反応させることが好ましい。
本実施形態の非水系印刷インキ組成物における塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の固形分質量比率は、例えば、3/97〜70/30であり、5/95〜60/40が好ましい。この範囲であれば、レベリング性、印刷適性、基材密着性、塗膜物性およびラミネート強度が良好となりやすい。塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の固形分質量比率は、5/95〜50/50がより好ましく、10/90〜40/60がさらに好ましく、10/90〜30/70の範囲であることが特に好ましい。
なお、本明細書において、固形分質量は、組成物を、常圧条件下、120℃で30分加熱して揮発成分を除去した残留成分の質量を意味する。
本実施形態の非水系印刷インキ組成物100質量部における塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の含有量の和は3.0〜25.0質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
一実施形態では、非水系印刷インキ組成物はバインダー樹脂として更に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(b1)と、セルロース系樹脂(b2)とからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
<塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(b1)>
前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(b1)としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであり、分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,000のものが好ましく、10,000〜70,000が更に好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(b1)の固形分100質量%中の塩化ビニルの比率は70%〜95%が好ましく、酢酸ビニルは有機溶剤への溶解性が向上するため、一部がケン化反応によりビニルアルコールとしたものが更に好ましく、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
<セルロース系樹脂(b2)>
セルロース系樹脂(b2)としては、例えばニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、前記アルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースが好ましい。分子量としては重量平均分子量で5,000〜1,000,000のものが好ましく、10,000〜200,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃〜180℃であるものが好ましい。
<その他併用樹脂>
本実施形態における非水系印刷インキ組成物は他の高分子材料を含有しても良く、例えば、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、非水系印刷インキ組成物の固形分100質量%中、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
<着色剤(C)>
本実施形態における着色剤としては顔料を使用することが好ましく、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料を単独で使用、または併用することができる。有機系顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC.I.Pigment No Yellow83を用いることが好ましい。また、以下の例には限定されないが、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、カーボンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられる。なお、有機顔料としてはカラーインデックス (Colour Index International, 略称 C.I. )に記載の着色剤のうち、有機化合物または有機金属錯体であるC.I.ピグメントブラック、C.I.ピグメントブルー、C.I.ピグメントグリーン、C.I.ピグメントレッド、C.I.ピグメントバイオレット、C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントオレンジ、C.I.ピグメントブラウンが好ましい。
具体的には、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメント レッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント レッド166、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
前記顔料で白色無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどが挙げられる。白インキの顔料には酸化チタンを用いることが着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粉、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、水酸化アルミニウム、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
前記顔料は非水系印刷インキ組成物の濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総質量に対して1〜50質量%の割合で含まれることが好ましく、2〜40質量%がより好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
本実施形態の非水系印刷インキ組成物における色相は、必要に応じて他の色相のインキ組成物(プロセス基本色として白の他に、黄、紅、藍、墨の合計5色、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色、更に透明黄、牡丹、朱、茶、パール)と混合して使用しても良い。
(ラミネート用印刷インキ組成物)
本実施形態の非水系印刷インキ組成物は、ラミネート(裏刷り)用、表刷り用、紙用等、様々な用途に用いることができるものであるが、ラミネート加工後のラミネート強度に優れるため、ラミネート用印刷インキ組成物として好適に用いることができる。ラミネート用印刷、及びラミネート用印刷に好適な実施形態について、以下に説明する。
プラスチック基材を包装材料に使用するにあたっては、通常、プラスチック基材の装飾または表面保護のために印刷インキを用いた印刷が施される。この中で、ラミネート(裏刷り)印刷とは、透明な印刷基材の一方の面(以下、裏面、裏側ともいう)に印刷インキ層、接着剤層、基材(シーラントを含む)とを順に有する積層体を形成する印刷方式である。なお、シーラントとは熱で融着可能な熱可塑性のプラスチック基材のことであり、未延伸のポリオレフィン基材が主に使用される。この印刷方式では印刷層の絵柄は、前記透明基材の非印刷面(以下、表面、表側ともいう)から見られることとなる。印刷インキ層は、全面を覆うように設けられている場合もあるし、部分的に設けられている場合もある。印刷インキ層は単層の場合もあるし複数の層が重ねられている場合もある。印刷インキ層が設けられている部分はインキ部とも呼ばれ、印刷インキ層の設けられてない部分は無地部とも呼ばれる。
近年、食品、医療品、化粧品の包装材料の分野においては、内容物保護の観点から、酸素ガスバリア性・水蒸気バリア性を付与した複合フィルムが用いられる場合がある。複合フィルムとしては、例えば、金属をプラスチックフィルムに蒸着した金属蒸着フィルムや、無機酸化物をプラスチック基材に蒸着した透明蒸着フィルムなどが挙げられる。ラミネート工程を経て積層体とする場合、印刷基材として透明蒸着フィルムを用いて他の基材と貼り合わせて積層体とする、またはプラスチックフィルムを印刷基材として用いて、金属箔または金属蒸着フィルムと貼り合せて、積層体に高いガスバリア性・水蒸気バリア性を付与する、等の方法がある。
ラミネート用の用途では基材にインキが印刷された後その上に更に接着剤で基材と貼り合わせられる。その方法としては大きく分けてエクストルジョンラミネート方式、ドライラミネート方式、ノンソルベントラミネート方式の3種類に大別される。基材の種類やラミネート構成を問わずラミネート強度を強くするために様々な工夫がなされているが(特開2013−213109等)、このような技術を適用した場合でも、ラミネート強度と、印刷適性やレベリング性、被膜物性とを両立させることは困難であった。
また、ドライラミネート方式や無溶剤型ラミネート方式は、ウレタン系接着剤を介して積層体を作製する方法であるが、包装材料の生産コスト削減のためには、接着剤の塗布量を削減してラミネート加工を行っても品質の高い積層体が得られることが求められる。しかし、接着剤を低塗布量化すると、積層体のインキ部上で、ゆず肌状の外観不良を生じやすいという課題がある。特に透明蒸着フィルム、金属箔あるいは金属蒸着フィルムなどを用いることで積層体全体に高いガスバリア性を付与するほど、インキ部における外観不良は促進され、特に、印刷物と金属箔または金属蒸着フィルムを貼り合わせた積層体でより外観不良を生じやすいという傾向がある。また、接着剤塗布量を削減することで、特にインキ部上で十分な厚みの接着剤層が確保されないため、積層体インキ部におけるラミネート強度やレトルト適性が低下することも課題となる。
上記のような課題に対し、例えばポリウレタン樹脂をメインバインダーとしたインキ組成物では、シリカ蒸着フィルムに対する密着性を向上させる目的で、イソシアネート基に加えてアルコキシシリル基を有する硬化剤を使用する技術(特開2002−030239等)、あるいはアミノ基とアルコキシシリル基とを有するシランカップリング剤と、イソシアネート基を有する硬化剤とをインキに添加する技術(特開2001−00297等)が知られているが、このような技術を採用した場合でも、ラミネート強度やレトルト適性と積層体インキ部における外観不良とを両立させるのは困難であった。
しかしながら、本実施形態のラミネート用印刷インキ組成物によれば、プラスチック基材の種類や金属蒸着フィルム(基材)など、印刷する基材の種類を問わず印刷適性及びレベリング性が良好であり、かつ、ラミネート工程後のラミネート強度に優れた印刷物を得ることができる。
さらに、一実施形態では、ラミネート印刷における、外観不良、ラミネート強度、レトルト適性等に優れた印刷物を得ることができる。
さらに、一実施形態では、接着剤を後述するように低塗布量化した場合、であっても、良好な積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性を達成することができる。
本実施形態のラミネート用印刷インキ組成物では、上述の塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の固形分質量比率((A)/(B))は、5/95〜40/60が好ましく、5/95〜50/50の範囲であることがさらに好ましい。塩化ビニル−アクリル共重合樹脂の質量比率((A)/(B))が5/95以上であると接着剤がインキ層への浸透を抑制しやすく、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性の観点で好ましい。塩化ビニル−アクリル共重合樹脂の質量比率((A)/(B))が50/50以下だと、インキ組成物と印刷基材との密着性を維持し易く、特にラミネート強度およびレトルト適性の観点から好ましい。またインキ組成物のレベリング性を維持し易いためより均一なインキ層が得られ易く、良好なラミネート外観が得られ易い。
また、本実施形態のラミネート用印刷インキ組成物においては、着色剤は特に限定されないが、特に、白色無機顔料を含む場合に印刷物の性能向上という点で優れた効果を奏することができる。ラミネート印刷において、インキ層は一般に、多色インキ層、次いで積層される白色インキ層から成るが、接着剤層と直接接触する白色インキにおいて、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性を向上させることは、得られる包装材料全体における性能向上に対して最も効果が大きい。そのため、顔料が白色無機顔料であり、特に、白色無機顔料が酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンは耐薬品性に優れているため白色インキ層への接着剤の浸透を抑えることができ、着色力、隠蔽力の点からも外観の良好な積層体を得るのに適している。また、酸化チタンは、分散安定性や印刷適性の観点から、無機酸化物で表面処理を施されていることが好ましく、シリカ処理、アルミナ処理、シリカ/アルミナ併用処理されている酸化チタンが好ましい。
また、本実施形態のラミネート用印刷インキ組成物においては、顔料として白色無機顔料と、アミノ系シランカップリング剤(D)とを併用することが好ましい。以下、本実施形態におけるアミノ系シランカップリング剤(D)について説明する。
本実施形態におけるアミノ系シランカップリング剤(D)は、1分子内に1〜3級のいずれかのアミノ基と、アルコキシシリル基とを有する化合物のことを示す。アルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。アミノ系シランカップリング剤分子中のアルコキシシリル基が、インキ組成物中の白色無機顔料表面や、塩化ビニル−アクリル共重合体樹脂(A)またはポリウレタン樹脂(B)中にも存在しうる水酸基と架橋を形成することにより、積層される接着剤の浸透を抑制することのできる強靭なインキ層が形成され、接着剤のレベリング性が良好となるため積層体外観が良好となる。また、接着剤中の、特にポリイソシアネート成分がインキ層へ浸透しにくくなるため、接着剤層の硬化を阻害することがなく、良好な積層体物性を実現することができる。また、アミノ系シランカップリング剤(D)のアルコキシシリル基は、コロナ処理された印刷基材表面の水酸基とも架橋を形成することができるため、インキ層と印刷基材の密着性を向上させる観点からも、良好なラミネート強度を得ることができる。
本実施形態のインキ組成物は、前記アミノ系シランカップリング剤(D)を、インキ組成物の固形分100質量%中に0.15〜7質量%含有することが好ましい。アミノ系シランカップリング剤(D)含有量が0.15質量%以上であることによって、インキ層を十分架橋でき、積層体外観およびラミネート強度をより向上できる。また、アミノ系シランカップリング剤(D)含有量が7質量%以下であると、積層体外観、ラミネート強度、およびレトルト適性の向上の観点でより好ましい。この理由は以下のように考察される。インキ層中に過剰量のアミノ系シランカップリング剤(D)が含まれると、アミノ系シランカップリング剤(D)の一部は接着剤層中に移行する。アミノ系シランカップリング剤(D)のアミノ基は、接着剤中のポリイソシアネート成分とも反応しうる。また、接着剤の硬化反応時の塩基性触媒としても作用しうる。水酸基に比してアミノ基の方が、イソシアネート基との反応性に優れるので、インキ層中の過剰なアミノ系シランカップリング剤(D)が接着剤層中に移行すると、接着剤のポリイソシアネート成分が接着剤のポリオール成分よりもアミノ系シランカップリング剤(D)のアミノ基と優先的に反応してしまう。インキ層と接着剤層の層界面近傍のみならず、接着剤層内部においても接着剤成分の硬化が阻害されることによって、積層体の物性、特にレトルト適性が劣る傾向がある。一方、インキ層中の過剰なアミノ系シランカップリング剤が、接着剤硬化反応の塩基性触媒として作用した場合、硬化途中の接着剤層の粘度が大きくなる。その結果、硬化途中の接着剤層がインキ層に対して均一に濡れ広がることができず、積層体外観が劣る傾向がある。アミノ系シランカップリング剤(D)の含有量が上記範囲内であるとレトルト適性や外観性の点でより好ましい。アミノ系シランカップリング剤(D)の含有量は、0.3〜5質量%がより好ましい。
本実施形態におけるアミノ系シランカップリング剤(D)は、1級のアミノ基を有することがより好ましい。1級のアミノ基を有することで同一分子内のアルコキシシリル基の架橋反応性が優位となり、インキ組成物中で効率的に架橋構造を形成するため、インキ層に対する接着剤組成物の浸透を抑えることができ、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性がより良好となる。1級のアミノ基としては、アミノ基の他、炭素数1〜8、好ましくは2〜6のアミノアルキル基が挙げられる。かかる化合物としては例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
1級のアミノ基を有する前記アミノ系シランカップリング剤は、2級のアミノ基も有することがさらに好ましい。1級および2級のアミノ基を有することで、同一分子内のアルコキシシリル基の架橋反応性が特に優れ、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性が特に良好となる。かかる化合物としては例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
また、本実施形態におけるアミノ系シランカップリング剤は、2級のアミノ基と4つ以上のアルコキシ基とを有することが好ましい。2級のアミノ基は1級のアミノ基と比較してアルコキシシリル基の架橋反応性は劣る傾向にあるが、アルコキシ基が4つ以上存在することにより架橋密度が増加するため、1級のアミノ基を有するアミノ系シランカップリング剤と同等に積層体外観が良好となる。アルコキシ基数の上限は特に限定されないが、例えば9以下、好ましくは6以下である。アルコキシ基の炭素数は1〜5であることが好ましい。かかる化合物としては例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)アミン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどが挙げられる。
以上、ラミネート用印刷インキ組成物として好ましい実施形態について説明したが、上記の実施形態は、ラミネート用途以外においても、基材とインキ層の密着性の向上、インキ層の強度向上、耐摩擦性、耐熱性等の効果を奏することができる。従って、上述の実施形態は、当然のことながら、ラミネート用途以外の用途にも好適に用いることができる。
<有機溶剤>
本実施形態の非水系印刷インキ組成物に使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのアルコール系有機溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用しても良い。中でも、作業環境の観点からは、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更に好ましくはメチルエチルケトン(以下「MEK」と表記する)などのケトン系有機溶剤を含まない有機溶剤が更に好ましい。
なお、本実施形態の非水系印刷インキ組成物が水を含有する場合、水の含有量は、非水系印刷インキ組成物の全質量中、10.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以下であることがより好ましく、非水系印刷インキ組成物の各成分に必然的に含まれる水分含量を除き、水を全く含有しないことが特に好ましい場合もある。
<添加剤>
本実施形態の非水系印刷インキ組成物は添加剤として公知のものを適宜含むことができ、インキ組成物の製造においては必要に応じて公知の添加剤、例えば顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、シリカ粒子、可塑剤、イソシアネート系硬化剤、上述のアミノ系シランカップリング剤(D)以外のシランカップリング剤、キレート剤などを使用することができる。
前記顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)のみでも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため前記分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤を用いる場合、インキの保存安定性の観点からインキの総質量100質量%に対して0.01質量%以上であることが好ましく、0.1〜10.0質量%でインキ中に含まれることがより好ましい。さらに、0.1〜5.0質量%の範囲で含まれることがより好ましい。前述のラミネート用途においては、インキの総質量に対して0.01質量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から5質量%以下でインキ組成物中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜3質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
<インキ組成物の製造>
本実施形態の非水系印刷インキ組成物は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(B)、顔料等の着色剤を有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をポリウレタン樹脂(B)、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)、および必要に応じて前記分散剤を混合し、有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、更にポリウレタン樹脂(B)及び/又は塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)、あるいは必要に応じて他の樹脂や添加剤などを配合することにより非水系印刷インキ組成物を製造することができる。また、顔料分散体の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。顔料分散体を得る工程を練肉工程、得られた顔料分散体にポリウレタン樹脂、およびその他の樹脂、有機溶剤、必要に応じて他の化合物などを配合する工程をシンニング工程とも言う。
なお、ポリウレタン樹脂(B)及び/又は塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)は、上述のように練肉工程とシンニング工程の両方で添加することが好ましいが、練肉工程及びシンニング工程のいずれか一方で添加してもよい。
また、前述のアミノ系シランカップリング剤(D)を含有する場合、アミノ系シランカップリング剤(D)をインキ組成物中に含有させる方法としては、添加剤をインキ組成物に含有させる一般的な方法でよく、特に限定されるものではない。例えば、(1)練肉工程でアミノ系シランカップリング剤を一括に添加する、(2)練肉後、シンニング工程でアミノ系シランカップリング剤を添加する、(3)印刷直前にインキに添加する等の方法がある。特に、アミノ系シランカップリング剤(D)を練肉工程で添加した場合、インキ組成物の分散安定性が向上する傾向がある。また、積層体外観、ラミネート強度、レトルト適性を向上させる観点では、印刷直前にインキ組成物に添加する方法が好ましい。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造された非水系印刷インキ組成物の粘度は、グラビア印刷、フレキソ印刷等での高速印刷(50〜300m/分)に対応させるため、B型粘度計での25℃における粘度が40〜500mPa・sの粘度範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜400mPa・sである。この粘度範囲は、ザーンカップ#4での粘度が9秒〜40秒程度に相当する。なお、グラビアインキ組成物の粘度は、使用される原材料の種類や量、また、インキ中の有機顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
なお、非水系印刷インキ組成物の粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばバインダー樹脂、着色剤、有機溶剤などの量を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
<印刷物>
本実施形態のインキ組成物を、フィルム基材等の基材上に印刷し、乾燥ないし硬化することで、印刷基材上にインキ層が形成された印刷物を製造することができる。
<基材>
本実施形態の印刷物に使用できる基材はプラスチック基材、紙基材、アルミニウム基材等が挙げられる。
プラスチック基材は例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状またはシート状の基材、またシリカあるいはアルミナあるいはアルミニウムなどの無機化合物をポリエチレンテレフタレート、ナイロンフィルムに蒸着した蒸着基材などが挙げられる。また蒸着基材は、シリカやアルミナなどの金属酸化物などを表面に蒸着処理された上に更にポリビニルアルコールなどのプライマーでコート処理を施されていても良く、そのような基材としては、例えば、凸版印刷株式会社製GL−AEや、大日本印刷株式会社製IB−PET−PXB等が挙げられる。基材はさらに、必要に応じて帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤などの添加剤を処理したものや、低温プラズマ処理やコロナ処理などの表面処理が施されたものを用いても良い。蒸着層を有さないプラスチック基材としては上記基材のうち印刷面がコロナ処理されているものが好ましい。
紙基材は、通常の紙や段ボールなどであり膜厚としては特に指定は無いが、例えば、0.2mm〜1.0mm、20〜150g/mのものが使用でき、印刷表面がコロナ処理されていても良い。また紙基材は意匠性を付与させる目的で表面がアルミなどの金属で蒸着処理されていても良く、更にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂やその他の樹脂などで表面コート処理を施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。例えばコートボール紙やマリーコート紙などが挙げられる。
<印刷>
印刷基材への印刷は、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で行うことができるが、特にグラビア印刷方式で印刷することが好ましい。グラビア印刷に用いられるシリンダーは、彫刻タイプ、腐食タイプ等公知のものが用いられる。グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈されたインキ組成物が、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給され、印刷後、オーブンを通過させ、乾燥ないしは硬化され、インキ層が形成される。オーブンの温度は通常30℃以上、例えば40〜80℃、印刷速度は通常50〜300m/分である。インキ組成物がアミノ系シランカップリング剤(D)を含有する場合、特に印刷環境が低温となる冬場などは、アミノ系シランカップリング剤による架橋反応を確実に進行させインキ組成物を硬化させるため、印刷から12時間以上経過後にラミネート加工を行うことが好ましい。
<積層体>
本実施形態のインキ組成物を印刷してなる印刷物は、さらに、ラミネート加工を施すことで接着剤層を介してフィルムを貼り合わせ、積層体とすることができる。積層体は、当該印刷物に少なくとも一層のラミネート加工を施すことで得られる。
本実施形態の積層体は前記印刷物の印刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を塗布後、溶融ポリエチレン樹脂を介してプラスチック基材を積層する通常のエクストルージョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、その上にプラスチック基材を積層するドライラミネート法やノンソルベントラミネート法、また印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により得ることができる。
より詳細には、ドライラミネート方式とは、接着剤を有機溶剤で適当な粘度に希釈して、得られた印刷物の印刷面に塗布し、乾燥後シーラントと圧着して積層する方法である。シーラントの接着に用いる接着剤としてはポリオール成分/ポリイソシアネート成分の2液型が主流である。ドライラミネート用接着剤は、前記ポリオール成分がポリエステルポリオール系樹脂であるポリエステル系接着剤と、前記ポリオール成分がポリエーテルポリオール系樹脂であるポリエーテル系接着剤とに大別される。前記ポリエステル系接着剤として具体的には東洋モートン株式会社製・TM−250HV/CAT−RT86L−60、TM−550/CAT−RT37等が挙げられる。また、前記ポリエーテル系接着剤としては、TM−314/CAT−14B等が挙げられる。ドライラミネート方式における接着剤の固形分塗布量は、前記ポリエステル系接着剤では一般に1.5〜4g/mであり、2.5〜3.5g/mが好ましく、1.5〜2.5g/mが低塗布量領域とされる。一方、前記ポリエーテル系接着剤では一般に1〜3g/mの範囲であり、1.5〜2.5g/mが好ましく、1.0〜2.5g/mが低塗布量領域とされる。本実施形態の非水系印刷インキ組成物によれば、低塗布量領域でも外観性向上の効果が得られやすい。低塗布量領域における塗布量としては、生産コストと外観性の両立の観点から、1.4〜2.4g/mの範囲が好ましく、1.8〜2.2g/mの範囲がより好ましい。
また、無溶剤型ラミネート方式とは、固形分100%の接着剤を印刷物の印刷面に塗布し、シーラントと圧着して積層する方法である。接着剤としては、ドライラミネート用接着剤と同様にポリオール成分/ポリイソシアネート成分の2液型が主流であり、具体的には東洋モートン株式会社製・EA−N373A/B等が挙げられる。無溶剤型ラミネート方式における一般的な接着剤の固形分塗布量は、用途に応じて1〜5g/mが好ましく、一般的には1.5〜3.5g/mの範囲である。また、本実施形態の非水系印刷インキ組成物によれば、低塗布量領域でも外観性向上の効果が得られやすい。低塗布量領域における塗布量としては、生産コストと外観性の両立の観点から、1.4〜2.4g/mの範囲が好ましく、1.8〜2.2g/mの範囲がより好ましい。
ラミネート加工により印刷物と貼り合わせるフィルムとしては、印刷基材フィルムで用いた前記各種フィルム、セロハンなどの透明基材が挙げられる。具体的には、具体的には、三井化学東セロ株式会社製TUX-FCD(LLDPE)、東レ株式会社製ZK93KM(CPP)等がある。また、包装材料として積層体のガスバリア性、水蒸気バリア性等を向上させる目的で、金属箔あるいは金属蒸着フィルム等を用いることもり、金属箔としてはアルミニウム箔が好ましい。金属蒸着フィルムとしてはアルミニウム蒸着フィルムが好ましく、例えば、麗光株式会社製ダイアラスター(アルミニウム蒸着PET)、東レ株式会社製2203(アルミニウム蒸着CPP)等がある。なお、PETはポリエチレンテレフタレートフィルムを表し、LLDPEは直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、CPPは未延伸のポリプロピレンフィルムを表す。
上記の方法により、印刷された基材上に接着剤層と、基材とを順に有する積層体が得られる。積層体は更にラミネートされて多層構成となる場合、最後に貼り合わされる基材がシーラント層となる。そしてシーラント面同士をヒートシール(熱融着)し、製袋することで包装袋となる。そのため、包装袋での最も内側に当たるシーラントには、ヒートシール性を付与するためのフィルムが使用される。例えば、無延伸のポリエチレン基材もしくはポリプロピレン基材等のポリオレフィン基材等が挙げられる。包装袋は、内容物を充填し、食品、医療品、化粧品の包装材料として使用される。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、質量部および質量%を表わす。
(水酸基価)
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JISK0070に従って行った値である。本実施例では以下の方法により算出した。
・水酸基価の測定方法
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。水酸基価は次の(式2)により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
(式1)水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
(アミン価)
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。酸価は、樹脂1g中に含有する酸基は中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJISK0070(1996年)に準じて行われる。アミン価の測定方法については、以下の方法により行った。
・アミン価の測定方法
試料を0.5〜2g精秤する(試料量:Sg)。精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式2)によりアミン価を求めた。
(式2)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
(重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定方法)
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定は、昭和電工社製GPC( ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
[実施態様I]
(合成例I−1)[ポリウレタン樹脂PU1]
数平均分子量2000のアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られるポリエステルジオール(以下「PMPA」)150部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール(以下「PPG」)を20部、数平均分子量1000のPPGを30部、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)58.8部、および酢酸エチル64.7部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液324部を得た。次いでイソホロンジアミン(以下「IPDA」)26.3部、イミノビスプロピルアミン(以下「IBPA」)2.0部、2−エタノールアミン(以下「2EtAm」)1.0部、酢酸エチル/イソプロパノール(以下「IPA」)=50/50の混合溶剤607.4部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマー溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価11.1mgKOH/g、水酸基価3.2mgKOH/g、重量平均分子量35000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。
(合成例I−2〜I−6)[ポリウレタン樹脂PU2〜PU6]
表1に示す原料を用い、合成例1と同様の方法により、ポリウレタン樹脂溶液PU2〜PU6を得た。なお、表1中において、PPA、PEG、TDIはそれぞれ、
PPA:アジピン酸と1,2―プロパンジオールの縮合物であるポリエステルポリオール
PEG:ポリエチレングリコール
TDI:トリレンジイソシアネート(メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート)
を表わす。
Figure 0006206553
(合成例I−7)[塩化ビニル−アクリル共重合樹脂A1]
1.0Lオートクレーブにて、ペルオキソ二硫酸カリウム(K)1.0gをイオン交換水500gに溶解させ、脱気した。60℃に昇温後、塩化ビニルが357g、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが63g、ジ−2−エチルヘキシルスルホこはく酸ナトリウム(エーロゾルOT)が5.0gからなる混合物425gをオートクレーブに内に60℃、6.5気圧で添加、反応させた。重合反応はオートクレーブが2.5気圧になるまで行った。できたエマルジョンを塩化ナトリウムで析出させ、ろ過後、洗浄、乾燥を行い、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A1)を得た。更に塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A1)を酢酸エチルに溶解させ、固形分30%のワニス(AA1)を得た。なお、A1におけるアクリル酸2−ヒドロキシプロピルの含有率は15.0%、重量平均分子量50000、ガラス転移温度69℃であった。
(合成例I−8〜I−13)[塩化ビニル−アクリル共重合樹脂A2〜A7]
塩化ビニルモノマーとアクリルモノマーの比率を表2に示す比率に変更し、合成例7と同様の方法により、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂A2〜A7およびそのワニス(AA2〜AA7)を得た。なお、A4、A5の合成にはペルオキソ二硫酸カリウム(K)1.0gの代わりにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1.5g用いた。
Figure 0006206553
(合成例I−14)[アクリル樹脂AP1の合成]
反応容器にメチルメタクリレート(以下「MMA」)85部、n−ブチルアクリレート(以下「BA」)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下「2HEA」)5部、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=1:1の混合溶剤を233部、及び1.2部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて混合し、窒素ガス雰囲気下、70℃で8時間重合し、水酸基を有するアクリル樹脂AP1を得た。得られた樹脂溶液の固形分は40質量%、重量平均分子量は25,000、ガラス転移温度は89.4℃、水酸基価は24.2mgKOH/gであった。
(実施例I−1)[非水系グラビアインキS1の作製]
ポリウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)を42部、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂溶液A1(固形分30%)を8部、藍顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3を11部、酢酸エチル/IPA=50/50の溶液39部を混合し、アイガーミルで15分間練肉し、非水系グラビアインキS1を得た。
(実施例I−2〜I−20)[非水系グラビアインキS2〜S20の作製]
表3−1に示す顔料、表1のポリウレタン樹脂(PU1〜PU6)、表2の塩化ビニル−アクリル共重合樹脂のワニス(AA1〜AA6)および表3−1に記載する樹脂および添加剤を用い、実施例I−1と同様の方法により混合し、非水系グラビアインキS2〜S20を得た。なお、表3−1中の略称は以下を表す。
ソルバインTAO:日信化学工業社製 水酸基含有塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール=91:2:7(固形分30%酢酸エチル溶液)
CAB38120BP:イーストマンケミカル社製 セルロースアセテートブチレート(固形分30%IPA溶液)
デュラネートP−301−75E:旭化成ケミカルズ社製 ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体(3官能イソシアネート)
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン:シラン化合物
なお、デュラネートP−301−75E、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランに関しては印刷直前に添加し、良く混合して印刷を行った(表中に示す添加量は、インキ組成物100質量部に対する質量部である)。
(比較例I−1〜I−18)[非水系グラビアインキT1〜T18の作製]
表3−2に示す原料を使用する以外は上記実施例I−1〜I−20と同様の方法にて非水系グラビアインキT1〜T18を得た。なお、表3−2中の略称は以下を表す。
S−180:高松油脂株式会社製 ポリエステル樹脂 ガラス転移温度60℃ 重量平均分子量20000(固形分30%トルエン/メチルエチルケトン溶液)
Figure 0006206553
Figure 0006206553
(実施例I−21)
<非水系グラビアインキの印刷>(ラミネート用評価)
上記で得られた、非水系グラビアインキS1(藍)を、混合溶剤(メチルエチルケトン「MEK」:Nプロピルアセテート「NPAC」:イソプロパノール「IPA」=40:40:20)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、ヘリオ175線グラデーション版(版式エロンゲート、100%〜10%までは10%で階調、10%〜5%以下は5%で階調、5%以下は1%で階調)により、厚さ20μmのコロナ放電処理した2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学社製 FOR)および厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエステル(PET)フィルム(東洋紡社製 E−5100)のコロナ放電処理面に印刷速度50m/分で印刷し、印刷物G1(OPP)、H1(PET)を得た。なお印刷条件は、印刷距離4000m、温度28℃、湿度65%の高温高湿度下で印刷して、グラデーション3%部分で基材転移性を、印刷終了後60分間空転して版かぶり性を確認した。
得られた印刷物G1およびH1について、さらにポリエチレンイミン系アンカーコート剤(東洋モートン社製EL420)を固形分1質量%メタノール溶液で塗工し、低密度ポリエチレン(ノバテックLC600、日本ポリケム株式会社製)を315℃にて溶融して押し出し、未延伸ポリプロピレン(FCMN、膜厚40μm、東セロ社製)と貼り合わせてエクストルジョンラミネート加工を行った。
(実施例I−22〜I−40)
表4−1に示すインキを用いる以外、実施例I−21と同様の方法にて、印刷物G2〜G20(OPP)およびH2〜H20(PET)を得た。更にそれぞれの印刷物について、上記と同様の方法にてエクストルジョンラミネートを行った。
(比較例I−19〜I−36)
表5−1に示すインキを用いる以外、実施例I−21と同様の方法にて、印刷物K1〜K18(OPP)およびL1〜L18(PET)を得た。更にそれぞれの印刷物について、上記と同様の方法にてエクストルジョンラミネートを行った。
<基材転移性>
得られた印刷物H1〜H20(PET、実施例)およびL1〜L18(PET、比較例)の印刷物において階調3%部分の転移面積%で基材転移性評価を行った。
○・・・・インキ転移が100%である。
○△・・・インキ転移が80%〜100%である。
△・・・・インキ転移が60〜79%である。
△×・・・インキ転移が30〜59%である。
×・・・・インキ転移が30%未満である。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<版かぶり性>
非水系グラビアインキS1〜S20(実施例)、T1〜T18(比較例)について版かぶり性評価を行った。なお、空転60分後の版上の着色面積で評価を行った。
○・・・・版かぶり面積が0〜5%である。
○△・・・版かぶり面積が6〜10%である。
△・・・・版かぶり面積が11〜30%である。
△×・・・版かぶり面積が31〜50%である。
×・・・・版かぶり面積が50%以上である。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<レベリング性>
得られた印刷物H1〜H20(PET、実施例)およびL1〜L18(PET、比較例)の印刷物において100%ベタ部分の印刷状態を目視で評価を行った。
○・・・・印刷部にムラが無い。
○△・・・印刷部の端部分で僅かにムラがある。
△・・・・印刷部の中央部に渡り僅かにムラがある。
△×・・・印刷部の全体に渡り大きなムラがある。
×・・・・印刷部の全体で大きなムラがあり、縞模様がはっきり見える。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<ラミネート強度>
前記エクストルジョンラミネート積層体のインキ部を巾15mmで裁断し、インキ面と基材面で剥離させた後、剥離強度(ラミネート強度)をインテスコ製201万能引張り試験機にて測定した。なお、実用レベルは0.6N/15mm以上である。
以上の結果を表4−1、表5−1に示す。
(実施例I−41)
<非水系グラビアインキの色/白印刷>(ラミネート用評価)
上記で得られた、非水系グラビアインキS1(藍)およびS19(白)を、混合溶剤(メチルエチルケトン「MEK」:Nプロピルアセテート「NPAC」:イソプロパノール「IPA」=40:40:20)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、ヘリオ175線ベタ版およびヘリオ175線100%の半ベタ版(版式コンプレスト)を備えたグラビア印刷機により、厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエステル(PET)フィルム(東洋紡社製 E−5100)のコロナ放電処理面に印刷速度50m/分で、フィルム基材/藍(ベタ柄)/白(半ベタ柄)の順で印刷して、印刷物J1を得た。
得られた印刷物J1について、さらにポリエーテルウレタン系ラミネート接着剤(東洋モートン社製 TM320/CAT13B)を固形分25質量%の酢酸エチル溶液として1.5g/mとなるように塗工・乾燥し、未延伸ポリプロピレン(FCMN、膜厚40μm、東セロ社製)と貼り合わせてドライラミネート加工を行った。
(実施例I−42〜I−56)
表4−2に記載のインキを用いる以外、実施例I−41と同様の方法にて印刷物J2〜J16を得た。更にそれぞれの印刷物についてドライラミネート加工を行った。
(比較例I−37〜I−48)
表5−2に記載のインキを用いる以外、実施例I−41と同様の方法にて印刷物N1〜N12を得た。更にそれぞれの印刷物についてドライラミネート加工を行った。なお評価はラミネート物を50℃、48時間保持後に行った。
<色/白トラッピング性>
得られた印刷物J1〜J16(実施例)およびN1〜N12(比較例)について印刷面より観察し、基材/色インキ層/白インキ層のトラッピング性を確認評価した。
○・・・・印刷部にムラが無い。
○△・・・印刷部の1〜10%にムラがある。
△・・・・印刷部の11〜30%にムラがある。
△×・・・印刷部の31〜60%にムラがある。
×・・・・印刷部の全体で大きなムラがある。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<ラミネート強度>
前記ドライラミネート積層体のインキ部を巾15mmで裁断し、インキ面と基材面で剥離させた後、剥離強度(ラミネート強度)をインテスコ製201万能引張り試験機にて測定した。なお、実用レベルは0.7N/15mm以上である。
<外観評価>
得られた印刷物J1〜J16(実施例)およびN1〜N12(比較例)のドライラミネート物についてフィルム面より観察し、外観を確認評価した。
○・・・・ラミネート物の印刷部にデラミネーションおよびムラが無い。
○△・・・ラミネート物の印刷部に1〜3%の面積でデラミネーションおよびムラが僅かにある。
△・・・・ラミネート物の印刷部に4〜20%の面積でデラミネーションおよびムラがある。
△×・・・ラミネート物の印刷部に21〜50%の面積でデラミネーションおよびムラがある。
×・・・・ラミネート物の印刷部にデラミネーションおよびムラが全体にみられる
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
以上の結果を表4−2及び表5−2に示す。
(実施例I−57)
<非水系グラビアインキの色/白印刷>(表刷り・紙刷りグラビアインキ用評価)
上記で得られた、非水系グラビアインキS19(白)およびS1(藍)それぞれ100部に対して、脂肪酸アミド5部(製品名:脂肪酸アマイドS 花王(株)製)と混合溶剤(メチルエチルケトン「MEK」:Nプロピルアセテート「NPAC」:イソプロパノール「IPA」=40:40:20)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、ヘリオ175線ベタ版およびヘリオ175線100%の半ベタ版(版式コンプレスト)を備えたグラビア印刷機により25μmのコロナ放電処理された2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学社製 FOR)に印刷速度50m/分で、フィルム基材/白(ベタ柄)/藍(半ベタ柄)の順で印刷して、印刷物O1を得た。
(実施例I−58〜I−77)
表6−1に記載のインキあるいは紙基材(大王製紙社製 製品名 リュウオウコート紙 65g/m)を用いた以外実施例I−57と同様の方法により印刷物O2〜O21を得た。
(比較例I−51〜I−70)
表6−2に記載のインキあるいは基材を用いて、実施例I−57と同様の方法により印刷物Q1〜Q20を得た。
<耐摩擦性>
印刷物O1〜O21(実施例)およびQ1〜Q20(比較例)について皮膜強度をテスター産業(株)製学振型摩擦堅牢度試験器を用いて測定し、以下の評価基準で評価を行い、その結果を表6−1および表6−2に示す。尚、測定条件は、試験片20mm幅、荷重0.2gf、20回往復、対カナキン3号とした。
○・・・・・インキ皮膜の取られなし。
○△・・・・インキ皮膜の取られる面積が10%未満
△・・・・・インキ皮膜の取られる面積が10%以上30%未満
△×・・・・インキ皮膜の取られる面積が30%以上50%未満
×・・・・・全面とられ
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<耐ブロッキング性>
印刷物O1〜O21(実施例)およびQ1〜Q20(比較例)について4cm×4cmの大きさに切り、同じ大きさに切った軟質塩ビシート、あるいは耐上質紙で印刷面と重ねあわせる。軟質塩ビシートとの耐ブロッキング性評価は0.5kg/cmの荷重を掛け、50℃−80%RHの雰囲気で15時間放置後、印刷面と塩ビシートを引きはがし、印刷皮膜の取られ具合を目視で判定した。
また、耐上質紙と耐ブロッキング性評価は5.0kg/cmの荷重を掛け、50℃−80%RHの雰囲気で15時間放置後、印刷面と上質紙を引きはがし、印刷皮膜の取られ具合を目視で判定した。
なお、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・・・インキ皮膜の取られるもの
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<接着性>
印刷物O1〜O21(実施例)およびQ1〜Q20(比較例)について25℃で1日放置後、印刷面に幅15mmの粘着テープ(ニチバン社製 セロハンテープ)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を目視判定した。尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・・・インキ皮膜の取られるもの
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<耐熱性>
印刷物O1〜O21(実施例)およびQ1〜Q20(比較例)を2cm×10cmの大きさに切り、同じ大きさに切ったアルミ箔と印刷面とを重ねあわせた。センチネル社製ヒートシーラーを用いて、2×9.8N/cmの圧力で、120℃1秒間アルミ箔を押圧し、印刷皮膜の取られ具合を目視で判定した。尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・インキ皮膜の取られるもの
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
<耐油性>
印刷物O1〜O21(実施例)およびQ1〜Q20(比較例)を2cm×20cmの大きさに切り、印刷面に溶融した市販のマーガリン(商品名:ネオソフト雪印乳業(株)製)を全面に塗布し、25℃環境下で6時間静置した後、テスター産業(株)製学振型摩擦堅牢度試験器で10回擦り、インキの剥離度合いを目視で判定した。尚、判定基準はつぎの通りとした。
○・・・印刷面のインキが全く剥離せず、非常に優秀であるもの
○△・・微かにインキ皮膜が剥離するが、問題ないもの
△・・・インキ皮膜が若干剥離するが、実用上問題ないもの
△×・・インキ皮膜の取られる面積が50%以上であり、実用上支障があるもの
×・・・インキ皮膜の取られるもの
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
Figure 0006206553
Figure 0006206553
Figure 0006206553
評価結果から、バインダー樹脂として、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)を必須成分として含有する非水系グラビアインキは、レベリング性、基材への転移性、及び版かぶり性等の印刷適性が良好であることがわかった。さらに高いラミネート強度をもつ積層体を得ることができた。また、アミノ基含有シラン化合物を含むラミネート用グラビアインキは、レベリング性、基材への転移性および版かぶり性等のグラビア、印刷適性が良好であり、更にインキ被膜の物性が良好であり、またラミネート加工後のラミネート強度および外観に優れた性質を示すグラビアインキであることが分かった。
[実施態様II]
(ポリウレタンウレア樹脂の合成)
[合成例II−1]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、PMPA2000(クラレポリオールP−2010、3−メチル−1,5ペンタンジオールとアジピン酸の共重合体、数平均分子量2000、クラレ社製)11.49部、PPG2000(EXCENOL2020、酸化プロピレンの重合体、数平均分子量2000、旭硝子製)11.49部、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIとも略す)5.11部、酢酸エチル11.86部、2−エチルヘキサン酸スズ0.003部 を仕込み、窒素気流下に90℃で5時間反応させ、酢酸エチル7.5部を加え冷却し、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(以下IPDAとも略す)1.66部、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン0.18部、モノエタノールアミン0.07部、酢酸エチル30.147部およびイソプロピルアルコール(以下IPAとも略す)28部を混合したものへ、得られたウレタンプレポリマーの溶液を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、重量平均分子量50000、水酸基価5.4mgKOH/gのポリウレタンウレア樹脂溶液<B1>を得た。
[合成例II−2〜II−5]
表7の仕込み比にて、合成例1と同様の方法で、ポリウレタンウレア樹脂溶液<B2〜B5>を得た。
Figure 0006206553
[合成例II−6]
35L耐圧容器内をN置換後、十分に脱気した後、片末端アクリロイル基ポリアクリル酸ブチル(数平均分子量12000)(2.0kg)、塩化ビニルモノマー(8.0kg)を入れ60min間予備攪拌した。その後、α,α’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(12.0g)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート(2.1g)を添加した。ステアリルアルコール(31.7g)、セチルアルコール(43.0g)、ラウリル硫酸ナトリウム(66.4g)を予め溶解した乳化剤水溶液(20.0kg)を該容器内へ添加し、30min間ホモジナイズして、モノマー分散液を得た。容器内を50℃に保温して重合を開始し、8時間後に容器内の圧力が低下し始めたことから、重合機内の未反応の塩化ビニルモノマーを回収し、容器内を冷却した後、ラテックスを払い出した。(塩化ビニルモノマーの転化率は約90%であった)。二流体ノズル式スプレー式乾燥機(入口110℃/出口50℃)でラテックスを乾燥し、パウダー状の塩化ビニル/ポリアクリル酸ブチルグラフト共重合樹脂を得た。これを固形分30%に酢酸エチルで希釈し、ブチルアクリレートグラフト塩化ビニル共重合体A2溶液を得た。
(インキ組成物の調製)
[実施例II−1]
ポリウレタンウレア樹脂溶液<B1>5部、顔料<C2>(Lionol Blue FG−7400G、C.I.Pigment Blue15、トーヨーカラー株式会社製)10部、塩化ビニルーアクリル酸エステル系共重合体溶液<A1>(VINNOL E15/40A、水酸基含有塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ワッカー社製、固形分30質量%酢酸エチル溶液、塩化ビニルモノマー由来の構造の比率:84質量%)を5部、酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比75/25)20部を攪拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタンウレア樹脂溶液<B1>32.5部、塩化ビニルーアクリル酸エステル系共重合体溶液<A1>を7.5部、酢酸エチル/IPA混合溶液(質量比75/25)20部、を攪拌混合した後、メチルエチルケトン、ノルマルプロピルアセテート、IPAの混合溶剤(質量比40:40:20)で希釈し、ザーンカップ#3(離合社製)で15秒に調整し、インキ組成物<i−1>を得た。インキ組成物中の、ポリウレタンウレア樹脂(B)と塩化ビニル−アクリル酸エステル系共重合体(A)の固形分質量比率は(B)/(A)=75/25である。
[実施例II−2〜II−19、参考例II−1〜II−2、比較例II−1〜II−6]
表8、9の仕込み比にて、実施例II−1と同様の方法で、インキ組成物<i−2〜i−27>を得た。
尚、顔料(C)として、<C2>以外に、以下のものを使用した。
<C1>:酸化チタン、TITONE R45M、堺化学製
また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体溶液として、<A1>以外に、以下のものを使用した。
<A2>:ブチルアクリレートグラフト塩化ビニル共重合体、固形分30質量%酢酸エチル溶液、塩化ビニルモノマー由来の構造の比率:80質量%
また、ポリウレタンウレア樹脂、塩化ビニル−アクリル酸エステル系共重合体以外の樹脂として、以下の樹脂を、いずれも固形分30質量%まで酢酸エチルで希釈した樹脂溶液として使用した。
ニトロセルロース樹脂: DLX5−8、Nobel Enterprises社製
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:ソルバインTA5R、日信化学工業株式会社製
さらに添加剤として以下のものを使用した。
Si−1:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
Si−2:3−アミノプロピルトリメトキシシラン
Si−3:ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン
Si−4:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
イソシア系硬化剤:SP硬化剤、東洋インキ株式会社製
Figure 0006206553
Figure 0006206553
[積層体外観の評価]
得られたインキ組成物を版深30〜3μmのグラデーション柄のグラビア版を備えたグラビア印刷機により、印刷速度150m/分、乾燥温度60℃にて、厚さ12μmのコロナ放電処理PETフィルム(E5100、東洋紡社製)のコロナ放電処理面に印刷し、印刷物を得た。この印刷物のインキ層上に、ドライラミネート用接着剤(東洋モートン株式会社製TM−250HV/CAT−RT86L−60)を固形分塗布量2.2g/m、2.0g/m、1.8g/mになるよう塗工し、ライン速度150m/分でドライラミネート機を用いて、アルミニウム箔(一般アルミニウム箔AIN30H−0、昭和アルミニウム社製)と貼り合わせてPETフィルム/インキ層/接着剤層/アルミニウム箔をこの順で有する積層体前駆体を得、さらに、前記と同様の方法で、前記積層体前駆体のアルミニウム箔面に接着剤を塗工し、CPPフィルム(ZK93KM、東レ株式会社製)と貼り合わせることで、PETフィルム/インキ層/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/CPPフィルムをこの順で有する積層体を得た。積層体は40℃3日間エージングを行った。
それぞれの接着剤固形分塗布量で貼り合わせた積層体について、印刷基材フィルムの表側からインキ部を目視観察し、以下の基準にて評価した。なお評価は版深30μm部分で評価した。
5:ゆず肌状の模様や小さな斑点状の模様は観察されない。
4:小さな斑点状の模様は観測されないが、ゆず肌状の模様が多少観察される。使用上問題ないレベル。
3:小さな斑点状の模様は観測されないが、ゆず肌状の模様が多数観察される。使用上問題ないレベル。
2:ゆず肌状の模様だけでなく小さな斑点状の模様が多少観察される。
1:ゆず肌状の模様だけでなく小さな斑点状の模様が多数観察される。
[ラミネート強度]
前記積層体を長さ300mm、幅15mmに切り取り、テストピースとした。インストロン型引張試験機を使用し、25℃の環境下にて、剥離速度300mm/分の剥離速度で引張り、15mm幅でPETフィルム/アルミニウム箔間のT型剥離強度(N)を測定した。この試験を5回行い、その平均値を求め以下の基準にて評価した。なお評価は版深30μm部分で評価した。
5:接着力 1.8N以上
4:接着力 1.2N以上、1.8N未満
3:接着力 0.8N以上、1.2N未満
2:接着力 0.4N以上、0.8N未満
1:接着力 0.4N未満
*実用上は接着力0.8N以上が好ましい。
[レトルト適性]
前記積層体を、CPP面を内側としてヒートシール(温度:190℃、圧:2kgf、時間:1秒)して袋体を作り、1:1:1スープ(ケチャップ:酢:水=質量比で1:1:1)を充填し、120℃30分のレトルト処理を行った。レトルト処理後の積層体外観を目視観察し、以下の基準で評価を行った。なお評価は版深30μm部分で評価した。
○:外観に変化は見られなかった。
△:外観に僅かにラミネート浮きが見られた。
×:外観にブリスター痕またはラミネート浮きが見られた。
なお、実用上は、○又は△の範囲であることが好ましい。
[印刷転移性]
上記印刷物において版深3μm部分の転移面積%でインキ組成物の基材転移性評価を行った。
○・・・・インキ転移が100%である。
○△・・・インキ転移が80%〜100%である。
△・・・・インキ転移が60〜79%である。
△×・・・インキ転移が30〜59%である。
×・・・・インキ転移が30%未満である。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
[版かぶり性]
上記インキ組成物について版かぶり性評価を行った。なお、空転60分後の版上の着色面積で評価を行った。
○・・・・版かぶり面積が0〜5%である。
○△・・・版かぶり面積が6〜10%である。
△・・・・版かぶり面積が11〜30%である。
△×・・・版かぶり面積が31〜50%である。
×・・・・版かぶり面積が50%以上である。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
[レベリング性]
上記印刷物において100%ベタ部分の印刷状態を目視で評価を行った。
○・・・・印刷部にムラが無い。
○△・・・印刷部の端部分で僅かにムラがある。
△・・・・印刷部の中央部に渡り僅かにムラがある。
△×・・・印刷部の全体に渡り大きなムラがある。
×・・・・印刷部の全体で大きなムラがあり、縞模様がはっきり見える。
なお、○、△は実用上問題がない範囲である。
表8、9に結果を示す。本実施形態の塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と、ポリウレタン樹脂(B)とを含有するインキ組成物では、レベリング性及び印刷適性が良好であった。中でも、塩化ビニルーアクリル共重合樹脂を、ポリウレタンウレア樹脂(B)と塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂(A)との固形分質量比率で95/5〜50/50の範囲で含有するインキ組成物では、レベリング性及び印刷適性が良好であることに加えて、積層体外観、ラミネート強度およびレトルト適性が向上した。顔料として酸化チタンを含有し、さらにアミノ系シランカップリング剤をインキ組成物の固形分100質量%中0.15〜7質量%の範囲で含有するインキ組成物では、積層体外観が特に良好となった。また、アミノ系シランカップリング剤を含有する白色インキ組成物においては、ポリウレタンウレア樹脂の水酸基価が1〜15mgKOH/gの範囲にあることで、積層体外観、ラミネート強度が特に良好となった。さらに、用いるアミノ系シランカップリング剤が、1級のアミノ基、または2級のアミノ基と4つ以上のアルコキシ基を有することによって、さらなる積層体外観の向上が確認された。前記アミノ系シランカップリング剤が、1級のアミノ基と2級のアミノ基とを有することで、積層体外観が最も良好となった。

Claims (18)

  1. 塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有するバインダー樹脂を含有し、
    前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)100質量%中の塩化ビニル由来構造の含有率が75〜95質量%である、非水系印刷インキ組成物。
  2. 前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との固形分質量比率が、(A):(B)=5:95〜60:40の範囲である、請求項1に記載の非水系印刷インキ組成物。
  3. 前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との固形分質量比率が、(A):(B)=5:95〜50:50の範囲である、請求項2に記載の非水系印刷インキ組成物。
  4. 前記ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエーテルポリオール由来の構造単位を含み、
    前記ポリエーテルポリオール由来の構造単位の比率が、前記ポリウレタン樹脂(B)100質量%中、5〜80質量%の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  5. 前記ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエステルポリオール由来の構造単位を含み、
    前記ポリエステルポリオール由来の構造単位の比率が、前記ポリウレタン樹脂(B)100質量%中、5〜80質量%の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  6. 前記ポリエステルポリオール由来の構造単位は、分岐構造を有するジオールと二塩基酸とを反応させてなるポリエステルポリオール由来の構造単位を含む、請求項5に記載の非水系印刷インキ組成物。
  7. 前記ポリウレタン樹脂(B)の水酸基価が1〜20mg/KOHgである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  8. 前記バインダー樹脂が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(b1)及びセルロース系樹脂(b2)からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  9. さらに着色剤(C)を含有し、
    前記着色剤(C)が白色無機顔料を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  10. アミノ系シランカップリング剤(D)をさらに含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  11. 前記アミノ系シランカップリング剤(D)が、第1級アミノ基を有するか、第2級アミノ基と4つ以上のアルコキシ基とを有する、請求項10に記載の非水系印刷インキ組成物。
  12. 前記アミノ系シランカップリング剤(D)が、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有する、請求項10に記載の非水系印刷インキ組成物。
  13. グラビア印刷用インキ組成物である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  14. ラミネート用印刷インキ組成物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物。
  15. 塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含有するバインダー樹脂、
    着色剤(C)、及び
    アミノ系シランカップリング剤(D)
    を含有し、
    前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)100質量%中の塩化ビニル由来構造の含有率が75〜95質量%であり、
    前記塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との固形分質量比率が、(A):(B)=5:95〜50:50の範囲であり、
    前記着色剤(C)が白色無機顔料を含有する、ラミネート用非水系グラビアインキ組成物。
  16. 印刷基材上に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の非水系印刷インキ組成物、又は、請求項15に記載のラミネート用非水系グラビアインキ組成物を用いてなるインキ層を有する、印刷物。
  17. 前記印刷基材がフィルムである、請求項16に記載の印刷物。
  18. 請求項16または17に記載の印刷物の印刷面に、接着剤層と基材がこの順で積層された積層体。
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