JP6668881B2 - 印刷物および積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、耐光性、耐候性およびラミネート強度に優れる軟包装用の印刷物および積層体に関する。
軟包装用印刷インキを使用した印刷物・ラミネート物は、フィルム内面に印刷層を有しており、接着剤を介してシーラントと呼ばれる基材と張り合わされている。このとき太陽光や照明光はフィルムを通して印刷インキ層に照射される。太陽光や照明には紫外線が含まれており、顔料の種類によっては退色などの劣化を引き起こす。一般的には印刷インキに使用される顔料は機能化されてきており、耐熱性や耐候性に優れた顔料が多く開発されている(特許文献1)。しかしながら、耐性の高い顔料は高価であり、使用する用途により顔料種類の異なるインキで使い分けているのが現状である。
現在では、紫外線カット材が練り込まれた基材も開発されているが、多くの場合高価であることや、高温多湿条件で析出等の不具合があり、効率的な方法が望まれている。例えば、印刷工程においてあらかじめ透明な紫外線カット層を印刷し、その後印刷インキを印刷すれば紫外線がカットされ、退色などを回避できる。紫外線カット材料としてはベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の有機系紫外線吸収剤が有名であり、透明ではあるが有機物であるため吸収剤自体が劣化するという問題があり、また使用量が少ないと紫外線遮断効果が不十分であり、多い場合は内容物への紫外線吸収剤の移行という安全衛生上の問題も避けて通ることができなかった。一方印刷インキそのものに前記有機系紫外線吸収剤を含有させた例もある(特許文献2)しかし前記同様紫外線吸収剤自体の劣化が見られる。そのため、無機系紫外線吸収剤である二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物を液状媒体中に分散して紫外線遮断コーティングを調製し、プラスチックフィルムに塗布する試みがなされている(特許文献3)。
しかし、通常の方法によって得られる金属酸化物粒子の分散体は安定性が低く、分散体の粘度上昇、ゲル化を招きやすい。一方、安定性を重視し、金属酸化物粒子の分散体をゾル−ゲル法等により得てプラスチックフィルムに塗布すると、濡れ性の悪さから印刷不良を生じやすいうえに造膜性が低く、またヒートシール性の樹脂を積層後に積層体の強度不足を招くといった問題があった。
特開2012−136582号公報 特開2006−070190号公報 特開2000−006305号公報
本発明は、紫外線による印刷インキ層の退色および劣化を防止でき、かつラミネート強度等に優れる軟包装用の印刷物および積層体を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、以下に記載の印刷物あるいは積層体を用いることで解決することを見出し、本発明に至った。
本発明は、透明基材上に、紫外線遮断コート剤(A)から形成される紫外線遮断層、印刷インキ組成物(B)から形成される印刷インキ層、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、および、チタン系から選ばれるアンカーコート剤から形成される層、溶融ポリエチレン樹脂から形成される層、並びに、シーラント層を順に有するラミネート積層体であって、下記(1)および(2)であることを特徴とするラミネート積層体に関する。
(1)紫外線遮断コート剤(A)が、金属酸化物粒子(a1)、および、バインダー樹脂(a2)を含む。
(2)印刷インキ組成物(B)が、有機顔料(b1−1)、およびバインダー樹脂(b2)を含み、バインダー樹脂(b2)は、ポリウレタン樹脂(b2−1)と、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)またはセルロース系樹脂(b2−3)とを含む。
また、本発明は、バインダー樹脂(b2)が、ポリウレタン樹脂(b2−1)と、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)とを含み、
ポリウレタン樹脂(b2−1)と、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)および/またはセルロース系樹脂(b2−3)とを重量比95/5〜40/60で含むことを特徴とする上記ラミネート積層体に関する。
また、本発明は、前記金属酸化物粒子(a1)が、前記コート剤(A)の固形分100重量%中、40〜70重量%含まれており、平均粒子径が0.2μm以下であることを特徴とする前記印刷物に関する。
また、本発明は、前記金属酸化物粒子(a1)が、酸化亜鉛であることを特徴とする前記印刷物に関する。
また、本発明は、前記バインダー樹脂(a2)が、ポリウレタン樹脂(a2−1)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)、およびセルロース系樹脂(a2−3)からなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、前記印刷物に関する。
本発明の印刷物および積層体を用いることで、紫外線による印刷インキ層の退色および劣化を防止でき、かつラミネート強度等に優れる軟包装用の印刷物および積層体を提供することができた。
本発明は、透明基材上に、紫外線遮断コート剤(A)から形成される紫外線遮断層、印刷インキ組成物(B)から形成される印刷インキ層を順に有する印刷物であって、下記(1)および(2)であることを特徴とする印刷物に関する。
(1)紫外線遮断コート剤(A)が、金属酸化物粒子(a1)、およびバインダー樹脂(a2)を含む。
(2)印刷インキ組成物(B)が、顔料(b1)、およびバインダー樹脂(b2)を含む。
前記紫外線遮断層は、フィルム面からの紫外線をカットするため前記印刷インキ層における顔料(b1)光劣化を抑制する。また、紫外線遮断層は金属酸化物粒子(a1)を有しているため、重ねて印刷される印刷インキ組成物は均一に濡れ広がり、印刷ムラが無く外観が良好となる。更に接着剤を介して積層体とした場合、紫外線遮断層はプライマーとしての効果も有し、該遮断層が無い場合と比べてラミネート強度が顕著に向上する。前記紫外線遮断層が無い場合、印刷インキ層は紫外線に曝され、耐光性の低い顔料では顕著な退色が見られる。
<紫外線遮断コート剤(A)>
本発明の印刷物を作成するために使用する紫外線遮断コート剤(A)は、金属酸化物粒子(a1)、バインダー樹脂(a2)および有機溶剤(a3)を含む。
前記金属酸化物粒子(a1)は金属酸化物であり、紫外線遮断機能を有するものであれば特に問題は無いが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム等を用いることができる。なかでも酸化亜鉛が無色、透明性の点から好ましい。また、コート剤(A)の安定性および印刷・塗工適性が良好となるため、コート剤(A)中の金属酸化物粒子の含有量は、コート剤(A)の総固形分100重量%中、40〜70重量%であることが好ましく、45〜65重量%であることがより好ましい。なお、紫外線遮断機能を有する有機化合物は金属酸化物に比べて劣化が早く、また経時でのコート面の着色が発生するため好ましくない。
金属酸化物粒子(a1)は、紫外線遮断層の透明性を確保するために、平均粒子径が0.2μm以下であることが好ましい。更には0.1μm以下であることが好ましい。なお、本発明における平均粒子径とは、BET法によるガス吸着量から算出される平均粒子径をいう。金属酸化物粒子(a1)の平均粒子径が0.2μm以下であると、可視光線の散乱を起こさず、可視領域における紫外線遮断コート剤(A)の透明性が良好である。また、金属酸化物粒子(a1)は、平均粒子径が0.01μm以上の場合には金属酸化物粒子(a1)が2次凝集を起ことなく、紫外線遮断コート剤(A)の粘度上昇を防ぐ。紫外線遮断コート剤(A)の安定性および作業性の観点から、平均粒子径は0.01μm以上であることが好ましい。
前記バインダー樹脂(a2)は、紫外線遮断コート剤(A)が印刷後に固体塗膜として紫外線遮断層を形成可能するため必須である。バインダー樹脂(a2)は熱可塑性樹脂が好ましく、熱可塑性でないものは印刷後の巻き取りで顕著なブロッキングを引き起こすため好ましくない。熱可塑性とは、加熱することで軟化して成形できるようになり冷却すると固化する特性を持ち、通常、常温常圧(25℃、1atm)において固体である。またバインダー樹脂(a2)がゴム弾性を有する場合、ガラス転移温度が−50℃〜40℃であることが好ましく、更には動的粘弾性測定において40℃における貯蔵弾性率が1〜100MPaであるものが好ましい。一方、バインダー樹脂(a2)がゴム弾性を有さない場合は、ガラス転移温度が40℃〜200℃であるものが好ましい。また、いずれの場合でも後述する有機溶剤(a3)に溶解可能なものが好ましい。
本明細書においてゴム弾性とは、高分子鎖が部分的に結合あるいは凝集して3次元のネットワーク構造を形成した構造であり、全体が連結しているので固体のようにふるまうが,部分鎖のブラウン運動は停止しておらず、部分鎖がいろいろなコンフォメーションをとれることから,弾性が顕著にあらわれる性質のことを示す。
バインダー樹脂(a2)は、金属酸化物粒子(a1)100重量部に対して、3〜150重量部の割合で含まれることが好ましく、5〜100重量部の割合で含まれることがより好ましい。特に、紫外線遮断コート剤(A)製造時の金属酸化物粒子(a1)分散工程においては、金属酸化物粒子100重量部に対して、バインダー樹脂(a2)を5〜50重量部の割合で使用することが好ましく、その後必要分のバインダー樹脂(a2)を更に5〜50重量部加えても良い。上記範囲でバインダー樹脂(a2)を金属酸化物粒子(a1)の分散に用いると、金属酸化物粒子(a1)を効果的に微分散できるばかりでなく、分散後の金属酸化物粒子の凝集もなく安定した紫外線遮断コート剤(A)が得られるためである。
バインダー樹脂(a2)の例としては、ポリウレタン樹脂(a2−1)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)、セルロース系樹脂(a2−3)、塩化ビニル−アクリル系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも好ましくはポリウレタン樹脂(a2−1)、セルロース系樹脂(a2−3)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)である。
また、バインダー樹脂(a2)は直鎖構造でも良いし、分岐構造、架橋構造、グラフト構造となっていても良い。分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,0000のものが好ましい。さらに好ましくは10,000〜100,000である。
(ポリウレタン樹脂(a2−1))
本発明に用いるポリウレタン樹脂(a2−1)は特に制限はなく、例えば、ポリオール(I)由来の構造単位とポリイソシアネート(II)構造単位からなる化合物がポリアミン化合物(III)由来の構造単位で結合されているものが好ましい。
前記ポリオール(I)としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられるが、なかでもポリエステルポリオールあるいはポリエーテルポリオールを含むものが好ましく、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを含むものが好ましい。
ポリオール(I)100重量%中のポリエステルポリオールは40重量%以上、90重量%以下であることが望ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等のジオールとのエステル化反応により得られる縮合物等が挙げられ、なかでも熱可塑性バインダー樹脂として使用する場合は、アジピン酸と分岐構造を有するジオール(ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等)からなるポリエステルポリオールが特に好ましい。これらのポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。さらにヒドロキシル基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
本発明で使用するポリエステルポリオール数平均分子量は、得られるポリウレタンの溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定され、通常は500〜10,000、好ましくは1000〜5,000の範囲内とするのがよい。該数平均分子量が500以上であればハードセグメントの量が過剰とならないため、溶解性が向上して印刷適性が向上する。また10,000以下であればハードセグメントの量が少なくなり過ぎることはなく、乾燥性及び耐ブロッキング性が良好である。なお、本発明に使用するポリオールの数平均分子量は、末端を水酸基として水酸基価から計算するものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1×水酸基の価数/水酸基価
本発明に用いるポリエステルポリオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が1.0mgKOH/gより大きいと、ポリウレタン樹脂(a2−1)のワニスの経時増粘の傾向が大きくなるためである。
ポリエーテルポリオールの例としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。特にポリテトラメチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールは、芳香族系有機溶剤を使用しない場合の有機溶剤(a3)(以下ノントルエン系有機溶剤と記載することがある)への溶解性が優れるため、印刷適性を向上させる点で好ましく、特に好ましいのはポリプロピレングリコールである。
一方、耐水性を低下させないためにポリエーテルポリオールの数平均分子量は700〜3000が好ましい。また、ポリウレタン樹脂(a2−1)の有機溶剤(a3)に対する溶解性が良化するため、ポリオール(I)100重量%中のポリエーテルポリオールは10重量%以上、60重量%以下であることが望ましい。
前記ポリイソシアネート(II)としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートである。
前記ポリアミン化合物(III)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また必要に応じて多官能のアミン系鎖延長剤も使用出来、具体的には、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン:(IBPA、3,3’−ジアミノジプロピルアミン)、N−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン:(スペルミジン)、6,6−イミノジヘキシルアミン、3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンが挙げられる。好ましくはイソホロンジアミンである。
また、過剰反応停止を目的とした重合停止剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、1級、2級のアミノ基を有する化合物、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や2-エタノールアミンなどのアミノアルコール類等があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。この中で、1級、2級のアミノ基を有するアミノアルコール類は、末端停止剤として用いる場合、高温での反応を避けて、アミノ基のみ反応するよう制御する必要がある。これらの重合停止剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ポリウレタン樹脂(a2−1)の合成法は、ポリオール(I)をポリイソシアネート(II)と反応させたのち、ポリアミン化合物(III)および必要に応じて重合停止剤と反応させてポリウレタン樹脂にすることが好ましい。前記ポリウレタン樹脂(a2−1)は、ポリオール(I)とポリイソシアネート(II)を必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて40〜150℃の温度で反応させ(ウレタン化反応)、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーにポリアミン化合物(III)を反応させて(鎖延長反応)ポリウレタン樹脂(a2−1)を得るプレポリマー法、あるいは、ポリオール(I)とポリイソシアネート(II)とポリアミン化合物(III)(および重合停止剤)を一段で反応させてポリウレタン樹脂(a2−1)を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。また、ポリアミン化合物(III)は、ポリオール(I)とともにポリイソシアネート(II)とウレタン化反応で使用することもできる。
前記ウレタンプレポリマーを製造するに当たり、ポリオール(I)由来のOH基のモル量とポリイソシアネート(II)由来のNCO基とのモル量の比率(NCO/OH)で、製造するポリウレタン樹脂(a2−1)の硬さ(弾性率)を調節できる。得られるポリウレタン樹脂(a2−1)は、NCO/OHが高ければ硬くなり、低ければ柔らかくなる。そのため、NCO/OHは1.1〜3.0の範囲となるようにすることが好ましい。更に好ましくはNCO/OHが1.5〜2.5の範囲である。
また、前記ウレタンプレポリマーの製造には有機溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる有機溶剤としては、イソシアネート基と反応不活性の有機溶剤であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶媒として用いることもできる。
さらに、このウレタンプレポリマーの製造には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオール化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとポリアミン化合物(III)であるジアミン、トリアミンなどとを10〜80℃で反応させて、ポリウレタン樹脂(a2−1)が得られ、末端にアミノ基を含有することができる。
鎖延長反応時、過剰に反応してゲル化や高粘度化を防ぐ目的で重合停止剤を使用しても良い。使用法としては、重合停止剤とポリアミン化合物(III)とを一緒に使用して鎖延長反応を行う、などの方法が挙げられ、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
また、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の当量に対するポリアミン化合物(III)のアミノ基の合計モル数の比(NH/残NCO)は1.01〜2.00、好ましくは1.03〜1.06の範囲となるようにして反応させる。この比が大きく、ポリアミン化合物(III)の使用量が多い場合にはこれらが未反応のまま残存し、臭気が残りやすくなる傾向があり、この比が小さい場合には分子量が伸び過ぎてゲル化してしまう。
ポリウレタン樹脂(a2−1)は、後述する有機溶剤(a3)への溶解性が向上するため、重量平均分子量が10,000から100,000であることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂(a2−1)は、基材あるいは下地インキとの密着性を向上させるためアミノ基を有することが好ましく、該アミノ基に由来するアミン価としては1.0〜20.0mgKOH/gであることが好ましい。
(セルロース系樹脂(a2−3))
前記セルロース系樹脂(a2−3)としては、例えばニトロセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、前記アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、ニトロセルロースが好ましい。分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,0000のものが好ましく、10,000〜100,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃〜180℃であるものが好ましい。
(塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2))
前記塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)は塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであり、分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,0000のものが好ましく、10,000〜100,000が更に好ましい。塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)100重量%中の酢酸ビニルの比率は1.0%〜30%が好ましく、後述する有機溶剤(a3)で特にノントルエン系有機溶剤への溶解性を向上させるために、更にケン化反応あるいは共重合でビニルアルコール由来の水酸基を含むものが更に好ましい。該ビニルアルコールの比率は塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)100重量%中、1.0%〜20%が好ましい。また、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)はガラス転移温度が60℃〜90℃であることが好ましい。
また、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)は更に他のモノマーと共重合されていても良く、共重合可能なモノマーとしてはアクリルモノマーが挙げられる。前記アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。更にアルキル基は更にベンゼン環構造を有しても良い。これらは単独または2種以上を併用できる。
また、アクリルモノマーは水酸基を有して良く、例としては(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用できる。
また、アクリルモノマーは水酸基以外の官能基を有しても良く、官能基の例としてはカルボキシル基、アミド結合基、アミノ基、アルキレンオキシ基等が挙げられる。
カルボキシル基含有アクリルモノマーとしては(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリル酸エステル、p−カルボキシベンジルアクリル酸エステル、エチレンオキサイド変性(付加モル数:2〜18)フタル酸アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピルアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸β−カルボキシエチル、アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、マレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸などが挙げられる。
また、アクリルモノマーでアミド結合を含有するものは、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、などの(メタ)アクリルアミド系の化合物などが挙げられる。
また、アクリルモノマーでアミノ基を含有するものは、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステルなどが挙げられる。
また、アクリルモノマーはアルキレンオキシ基を有しても良い、例えば、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明において使用するバインダー樹脂(a2)は、ポリウレタン樹脂(a2−1)と塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)を併用したものが好ましく、適宜配合比率を変更することで、バインダー樹脂(a2)の弾性率を調節することができる。ポリウレタン樹脂(a2−1)と塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)の重量比率は、それらの合計を100%として(a2−1)/(a2−2)=95/5〜40/60が好ましい。
<有機溶剤(a3)>
本発明の印刷用コート剤組成物は、有機溶剤を使用することができる。有機溶剤(a3)としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系有機溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用しても良い。中でも、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更にはメチルエチルケトン(以下「MEK」)などのケトン系有機溶剤を含まない有機溶剤が更に好ましい。
<印刷インキ組成物(B)>
前記印刷インキ組成物(B)の含有する着色剤は顔料(b1)であり、染料は耐熱性および耐光性が充分でないため好ましくない。顔料(b1)としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料併用することができる。有機系顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。また、以下の例には限定されないが、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
本発明において印刷インキ組成物(B)に使用する顔料(b1)は、有機顔料(b1−1)が好ましく、紫外線遮断層により紫外線がカットされるため光劣化が抑制される。有機顔料(b1−1)の中でも、耐光性の良好な顔料としてC.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメント レッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント レッド166、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、 カーボンブラック等が挙げられる。このような顔料を含む印刷インキ組成物(B)からなる印刷インキ層は耐熱性および耐光性が良好であるが、前記紫外線遮断コート剤(A)からなる紫外線遮断層で退色などの劣化が更に抑制される。
一方、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13などは耐熱性および耐光性が上記顔料に対して劣るため、このような有機顔料(b1−1)を含む印刷インキ組成物(B)からなる印刷インキ層は、前記紫外線遮断コート剤(A)からなる紫外線遮断層を使用しない場合紫外線による退色が顕著であるが、前記紫外線遮断層を使用することで退色劣化が大幅に抑制される。
なお前記無機顔料としては、白色系無機顔料と白色系以外の無機顔料が挙げられ、前記白色系無機顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどが挙げられる。白インキの顔料には酸化チタンを用いることが着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましいく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理および/またはポリオール処理を施されているものが好ましい。
前記白色系以外の無機顔料としては、以下の例には限定されないが、例えば、カーボンブラック、アルミニウム粉、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
前記顔料(b1)は、印刷インキ組成物(B)の濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキ組成物(B)の固形分重量100%中に1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料(b1)は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
前記印刷インキ組成物(B)は、バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂(b2−1)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)、セルロース系樹脂(b2−3)からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。これらのバインダー樹脂は、前記ポリウレタン樹脂(a2−1)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)、セルロース系樹脂(a2−3)と同様のものが好ましい。特に好ましくはポリウレタン樹脂(b2−1)と塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)を併用した印刷インキ組成物(B)であり、ポリウレタン樹脂(b2−1)と塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)の重量比率は、それらの合計を100%として(b2−1)/(b2−2)=95/5〜40/60が好ましい。また、印刷インキ組成物(B)は有機溶剤を含むことが好ましく、前記有機溶剤(a3)と同様のものを使用できる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記バインダー樹脂単独でも分散可能であるが、さらに分散剤を併用することもできる。前記分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。前記分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から10重量%以下でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜3重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
本発明で用いられる印刷インキ組成物(B)は、前記樹脂に加えて用途や基材に応じて、様々な樹脂を併用することができる。用いられる樹脂の例としては、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、印刷インキ組成物(B)の総重量100重量%中に1〜10重量%含むことが好ましい。
本発明で使用される紫外線遮断コート剤(A)あるいは印刷インキ組成物(B)は、添加剤として公知のものを適宜含むことができ、例えば、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤、可塑剤、湿潤剤、接着補助剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、シリカ粒子、樹脂粒子、防腐剤などを使用することができる。また更に、油、充填剤、補強剤、艶消し剤、研削剤、無機微粒子等を配合することも可能である。
前記硬化剤としては例えばイソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤等が挙げられる。基材および紫外線遮断層と印刷インキ層の密着性とラミネート強度を更に高める効果があるため、紫外線遮断コート剤(A)および/または印刷インキ組成物(B)にはイソシアネート系硬化剤を用いることが好ましい。添加量としては紫外線遮断コート剤(A)および/または印刷インキ組成物(B)のインキ組成物の総量100重量%中に1〜5%の割合で使用することが好ましい。
前記イソシアネート系硬化剤としては、前記ポリイソシアネート(II)、およびそれらのトリメチロールプロパンアダクト体、三量体化してイソシアヌレート構造を持つものなどが挙げられる。
前記ワックス成分としては、固体または液状のポリオレフィンワックス、脂肪酸アマイドワックス等が挙げられる。
(紫外線遮断コート剤(A)の製造方法)
紫外線遮断コート剤(A)は、前記バインダー樹脂(a2)の存在下、平均粒子径が0.2μm以下の金属酸化物粒子を有機溶剤(a3)に分散することにより製造することができる。具体的には、金属酸化物粒子(a1)とバインダー樹脂(a2)と有機溶剤(a3)とを混合し、さらに必要に応じて分散剤、消泡剤、滑剤等を混合して従来公知の方法で、例えばボールミル、アトライター、サンドミル、ジェットミル、3本ロールミル、ペイントシェーカー等を用いて分散する。
(印刷インキ組成物(B)の製造方法)
本発明の印刷インキ組成物(B)は、ポリウレタン樹脂(b2−1)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)、セルロース系樹脂(b2−3)からなる群より選ばれる少なくとも一つのバインダー樹脂と、顔料(b1)などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。顔料(b1)の分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
紫外線遮断コート剤(A)や印刷インキ組成物(B)製造時に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造された紫外線遮断コート剤(A)や印刷インキ組成物(B)の粘度は、金属酸化物粒子(a1)あるいは顔料(b1)の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点からザーンカップ#4での粘度が10秒〜30秒程度、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から12秒〜22秒の範囲であることが好ましい。
紫外線遮断コート剤(A)や印刷インキ組成物(B)の粘度は、有機溶剤量などを適宜選択することにより調整することができる。また、金属酸化物粒子(a1)あるいは顔料(b1)の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、本発明の紫外線遮断コート剤(A)、印刷インキ組成物(B)の順で透明基材に印刷される。印刷方法は、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で用いることができる。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
前記透明基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂(アクリルニトリルスチレンコポリマー)、ABS樹脂(アクリルニトリルブチレンスチレンコポリマー)などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状もしくはシート状の基材が挙げられ、上記の印刷方式を用いて塗布し、オーブンによる乾燥によって皮膜を定着することで、得ることができる。基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどがコート処理を施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
本発明の印刷物作成における紫外線遮断コート剤(A)や印刷インキ組成物(B)は、前記印刷方法により積層され、コート剤(A)層とインキ組成物(B)層のそれぞれの膜厚としては好ましくは0.6〜15μm、より好ましくは1〜10μmの範囲である。コート剤(A)層が15μm以下だと包装材の透明性が良好であり、0.6μm以上で紫外線遮断効果が充分保つことができる。
(積層体)
本発明の印刷物を用いて、印刷物の印刷インキ層側に、接着剤層と、基材とを順に有するラミネート積層体を得ることができる。このラミネート積層体は、包装用途に好適に使用できる。
作製方法としては、前記印刷物の印刷インキ層側にポリエチレンイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤(以下「AC剤」)を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層し、さらに基材を積層するエクストルジョンラミネート(押し出しラミネート)法、前記印刷物の印刷インキ層側にウレタン系等の接着剤を塗工し、基材を積層するドライラミネート法、前記印刷物の印刷インキ層側に、基材として溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により、本発明の積層体が得られる。
接着剤層を形成する接着剤としては、ポリエチレンイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系のAC剤、溶融ポリエチレン、ポリエステル系ラミネート接着剤、ポリエーテル系ラミネート接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤等が挙げられる。
基材(シーラント)としては、PE(ポリエチレン)、CPP(無軸延伸ポリプロピレン)などのフィルムや、金属蒸着フィルム(VMCPP、VMPET等)、アルミなどの金属箔などを用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表わす。実施例1〜5、13、14は、参考実施例である。
(水酸基価)
樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JISK0070に従って行った値である。
(酸価)
樹脂1g中に含有する酸基は中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJISK0070(1996年)に準じて行われる。
(ポリウレタン樹脂の重量平均分子量)
昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「Shodex GPCSystem−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、重量平均分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
(アミン価)
樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数であるり、下記の方法により測定した。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料にトルエン:イソプロパノール=1:1混合溶液30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行ない、滴定量(AmL)を用いて次の(式2)によりアミン価を求めた。
(式2)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
(ポリオールの数平均分子量)
水酸基価からポリマーが全てジオール分子であると仮定し、前述の(式1)により求めた。
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに酢酸エチル60.4部と、数平均分子量2000のポリ(1,2−プロピレンアジペート)ジオール(以下「PPA」)100部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール(以下「PPG」)100部を加え、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)23.3部とトルエンジイソシアネート(以下「TDI」)18.3部を仕込み、窒素気流下、90℃で5時間反応させ、ウレタンプレポリマーの均一溶液を得た。続いてイソホロンジアミン(以下「IPDA」)19部、2−エタノールアミン(以下「2EtAm」)1.2部と、酢酸エチル:イソプロパノール(以下「IPA」)=50:50の混合溶液550.4部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を1時間かけて40℃で滴下し、その後80℃で1時間保持してポリウレタン樹脂PU1を得た。得られたポリウレタン樹脂は、樹脂固形分30.0重量%、樹脂固形分のアミン価は6.5mgKOH/g、水酸基価4.2mgKOH/g、重量平均分子量32000であった。
[合成例2〜5]
表1に記載の原料を、記載の仕込み比にて、合成例1と同様の操作でポリウレタン樹脂(PU2〜PU5)を得た。なお、表1に記載の略称は以下を表す。
PMPA:ポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール
PCL:εカプロラクトンが開環重合されたポリカプロラクトンジオール
PC:ポリカーボネートジオール
IBPA:イミノビスプロピルアミン(3,3’−ジアミノジプロピルアミン)
MEK:メチルエチルケトン
Figure 0006668881

(製造例1:紫外線遮断コート剤)
平均粒子径0.2μmの酸化亜鉛粒子を20部、ポリウレタン樹脂PU2を35部、ソルバインTA5R(日信化学社製 水酸基含有塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(固形分30%酢酸エチル溶液))を10部、酢酸エチル:IPA=50:50の混合溶液35部を30分間撹拌混合したのち、サンドミルで練肉して紫外線遮断コート剤S1を得た。
(製造例2〜5:紫外線遮断コート剤)
表2に記載の原料を、記載の仕込み比にて、製造例1と同様の操作で紫外線遮断コート剤(S2〜S5)を得た。なお、表2に記載の略称は以下を表す。
・「DHX8−13」:稲畑産業社製 ニトロセルロース (固形分30%IPA溶液)
・「デュラネートP−301−75E」:旭化成製 ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(固形分75%酢酸エチル溶液)
(製造例6:印刷インキ組成物)
C.I.ピグメントレッド57:1を10部、合成例1で作製したポリウレタン樹脂PU1を40部、酢酸エチル:IPA=50:50の混合溶液50部を30分間撹拌混合したのち、サンドミルで練肉して印刷インキ組成物T1を得た。
(製造例7〜23:印刷インキ組成物)
表2に記載の原料を、記載の仕込み比にて、製造例6と同様の操作で印刷インキ組成物(T2〜T18)を得た。なお、表2に記載の略称は以下を表す。
・「ソルバインTAO」:日信化学社製、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(固形分30%酢酸エチル溶液)
また、耐光性の低い顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、耐光性の高い顔料としてC.I.ピグメントレッド185を使用した。
Figure 0006668881
(実施例1:印刷物)
上記紫外線遮断コート剤S1を混合溶剤(トルエン:MEK=6:4) により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、印刷インキ組成物T1を混合溶剤(トルエン:MEK=6:4)により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈した。それぞれをレーザー版深30μmのベタ版を備えたグラビア2色印刷機により、厚さ20μmのコロナ放電処理ポリプロピレンフィルム「製品名:FOR」(フタムラ化学社製)のコロナ放電処理面に印刷速度50m/分で、紫外線遮断コート剤S1、印刷インキ組成物T1の順で重ね印刷し、紫外線カット性印刷物G1を得た。
(実施例2〜22:印刷物)
表3に記載の印刷構成にて、実施例1と同様の操作で紫外線カット性印刷物(G2〜T22)を得た。
(比較例1:印刷物)
印刷インキ組成物T1を混合溶剤(トルエン:MEK=6:4)により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、レーザー版深30μmのベタ版を備えたグラビア1色印刷機により、厚さ20μmのコロナ放電処理ポリプロピレンフィルム「製品名:FOR」(フタムラ化学社製)のコロナ放電処理面に印刷速度50m/分で印刷インキ組成物T1を印刷し、印刷物H1を得た。
(比較例2〜18:印刷物)
表3に記載の印刷構成にて、比較例1と同様の操作で印刷物(H2〜H18)を得た。
(比較例19:印刷物)
印刷インキ組成物T1と紫外線遮断コート剤S1と1:1で混合し、混合溶剤(トルエン:MEK=6:4)により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、レーザー版深30μmのベタ版を備えたグラビア1色印刷機により、厚さ20μmのコロナ放電処理ポリプロピレンフィルム「製品名:FOR」(フタムラ化学社製)のコロナ放電処理面に印刷速度50m/分で印刷インキ組成物T1を印刷し、印刷物 H19を得た。
(ラミネート積層体)
得られた紫外線カット性印刷物(G1〜T22)および、印刷物(H1〜H19)のについて、印刷面にさらにポリエチレンイミン系AC剤(東洋モートン社製EL420)を固形分1重量%メタノール溶液で塗工し、低密度ポリエチレン(ノバテックLC600、日本ポリケム株式会社製)を315℃にて溶融して押し出し、未延伸ポリプロピレン(FCMN、膜厚40μm、東セロ社製)と貼り合わせてエクストルジョンラミネート加工を行った。
得られたラミネート積層体について、ラミネート強度、耐光性試験、外観評価の試験を行った。結果を表3に示した。
<ラミネート強度>
前記ラミネート積層体のインキ部を巾15mmで裁断し、インキ面と基材面で剥離させた後、剥離強度(ラミネート強度)をインテスコ製201万能引張り試験機にて測定した。なお、実用レベルは0.5N/15mm以上である。
<耐光性試験>
前記ラミネート積層体について印刷された基材側に対して紫外線オートフェドメーター(スガ試験機株式会社製 型式:UA48AUHB)にて80時間、および120時間紫外線を照射し、印刷インキ層の色味の低下度合を評価した。なお、色味の低下度合は試験前の濃度をX−Rite(測定モード:ステータスE)で測定し、試験後の濃度を同様に測定して、濃度低下の度合をパーセンテージで表した。
○ :紫外線照射後で濃度低下が3%未満。
○△:紫外線照射後で濃度低下が3%以上5%未満。
△ :紫外線照射後で濃度低下が5%以上20%未満。
△×:紫外線照射後で濃度低下が20%以上50%未満。
× :紫外線照射後で濃度低下が50%以上80%未満。
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
<外観評価>
前記ラミネート積層体について、印刷された基材側から外観の評価を行った。
○ :印刷部にムラが無い。
○△:印刷部の端部分で僅かにムラがある。
△ :印刷部の全体に渡り僅かにムラがある。
△×:印刷部の全体に渡り大きなムラがある。
× :印刷部全面で大きなムラがあり、かつラミ浮きが見られる。
なお、○、○△は実用上問題がない範囲である。
Figure 0006668881

評価結果から、透明基材に、紫外線遮断コート剤(A)から形成される紫外線遮断層、印刷インキ組成物(B)から形成される印刷インキ層を順に有する複合層を有する紫外線カット性印刷物を使用すると、外観の良好が良好であり、かつラミネート積層体とした後のラミネート強度に優れ、紫外線による顔料の退色の少ないということが分かった。

Claims (5)

  1. 透明基材上に、紫外線遮断コート剤(A)から形成される紫外線遮断層、印刷インキ組成物(B)から形成される印刷インキ層、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、および、チタン系から選ばれるアンカーコート剤から形成される層、溶融ポリエチレン樹脂から形成される層、並びに、シーラント層を順に有するラミネート積層体であって、下記(1)および(2)であることを特徴とするラミネート積層体
    (1)紫外線遮断コート剤(A)が、金属酸化物粒子(a1)、および、バインダー樹脂(a2)を含む。
    (2)印刷インキ組成物(B)が、有機顔料(b1−1)、およびバインダー樹脂(b2)を含み、バインダー樹脂(b2)は、ポリウレタン樹脂(b2−1)と、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)またはセルロース系樹脂(b2−3)とを含む。
  2. バインダー樹脂(b2)が、ポリウレタン樹脂(b2−1)と、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)とを含み、
    ポリウレタン樹脂(b2−1)と、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(b2−2)および/またはセルロース系樹脂(b2−3)とを重量比95/5〜40/60で含むことを特徴とする請求項1記載のラミネート積層体。
  3. 前記金属酸化物粒子(a1)が、前記コート剤(A)の固形分100重量%中、40〜70重量%含まれており、平均粒子径が0.2μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のラミネート積層体
  4. 前記金属酸化物粒子(a1)が、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のラミネート積層体
  5. 前記バインダー樹脂(a2)が、ポリウレタン樹脂(a2−1)、塩化ビニル‐酢酸ビニル系共重合体(a2−2)、およびセルロース系樹脂(a2−3)からなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のラミネート積層体
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