JP2021014590A - グラビアインキおよびその印刷物と積層体 - Google Patents

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治憲 成廣
良太 大島
Ryota Oshima
良太 大島
裕文 松本
Hirofumi Matsumoto
裕文 松本
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Abstract

【課題】グラビア印刷時の印刷適性が良好であり、幅広い濡れ指数の基材に対して密着性と耐ブロッキング性、ラミネート強度の良好であるグラビアインキを提供すること。【解決手段】印刷層と接する面の濡れ指数が30〜60dyne/cmである基材1と、基材2との間に印刷層を有するラミネート積層体の印刷層を形成するためのグラビアインキであって、酸化チタン顔料、ポリウレタン樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂を含み、下記(1)および(2)を満たすグラビアインキ。(1)酸化チタン顔料は、少なくともシリカおよび/またはアルミナからなる処理層を有するルチル型酸化チタンである。(2)塩素化ポリオレフィン樹脂は、塩素含有率が25〜45質量%であり、かつインキ100質量%中に0.1〜2質量%の範囲で含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、グラビアインキおよびその印刷物と積層体に関する。
OPPフィルム、PETフィルム、NYフィルム、金属蒸着フィルムなどのフィルム基材を包装材料に使用する場合、通常は、基材の装飾または表面保護のために印刷インキを用いた印刷が施される。印刷を施した基材は、その後スリット工程を経て、ラミネート工程に送られ、最終的には食品包装用、化粧品包装、その他あらゆる用途に向けたパッケージとなる。
上記フィルム基材、紙基材に印刷される多くの場合、グラビア印刷方式が採用されている。グラビア印刷方式に用いられる版は文字や模様などの部分が凹版であり、このセルにインキが入る程度に版にインキを浸し、版を回転させながら、表面をドクターブレードにより余分なインキを掻き落とし、グラビアインキを前記基材へ転移、着肉させる。この印刷方式は微細な濃淡が表現できるので、写真などの豊かな階調の再現には最適であり、なおかつ高速印刷が可能であるため大量生産に向いている。
グラビア印刷では、印刷されるフィルム基材は多種多様なものがあり、印刷される面の多くは易接着処理等が施されている。しかしながらインキの種類によっては、易接着処理が施されているにも関わらず基材に密着しないインキもあれば、過剰に密着し、印刷巻き取り時にブロッキングを起こしてしまうものがある。こういった密着性不良品やブロッキング品は、印刷コンバーターでは不良ロットとして扱われ、生産ロスとなる。
上記易接着処理は、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、蒸着処理、アンカーコート処理、その他様々である。これらの処理により、印刷される面の濡れ指数は向上し、インキの接着性が向上する。しかしながら、基材の種類、濡れ指数は様々であり、例えば同じポリプロピレンフィルムでもメーカーの違いや、高温高湿度での経時劣化により印刷表面の濡れ指数が異なるため、これらのフィルムに同じインキを印刷したとしても接着性や耐ブロッキング性、更にラミネート強度が同様に得られない場合が多くある。したがって、様々な濡れ指数の基材に対する密着性、耐ブロッキング性等の物性確保は長年の課題であった。
上記ラミネート用グラビアインキでは、基材にインキが印刷された後、印刷層上に更に接着剤で基材が貼り合わせられる。その方法としては大きく分けてエクストルジョンラミネート方式、ドライラミネート方式、ノンソルベントラミネート方式の3種類に大別される。上記の課題のほか、ラミネート工程で懸念されるのは外観不良、ラミネート強度不足、耐ボイル・レトルト性等であり、これらを向上させるために様々な工夫がなされており(特許文献1、特許文献2、特許文献3)、例えば、アクリル変性ポリオレフィン樹脂を含有する印刷インキ等が提案されている(特許文献4)。しかしながら、上記課題は依然解決されないままである。
更には、グラビア白インキでは主に酸化チタンが顔料として使用されており、無機顔料である上にインキ中の含有量が多く、基材密着性等の性能確保に関しては有機顔料を用いる場合と比較して、より困難である。
特開2010−270216号公報 特開2005−298618号公報 特開2013−213109号公報 特開2016−132755号公報
本発明は、グラビア印刷時の印刷適性が良好であり、幅広い濡れ指数の基材に対して密着性と耐ブロッキング性、ラミネート強度の良好であるグラビアインキを提供することを目的とする。
本発明者は前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、以下に記載のグラビアインキを用いることで解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、印刷層と接する面の濡れ指数が30〜60dyne/cmである基材1と、基材2との間に印刷層を有するラミネート積層体の印刷層を形成するためのグラビアインキであって、酸化チタン顔料、ポリウレタン樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂を含み、下記(1)および(2)を満たすグラビアインキに関する。
(1)酸化チタン顔料は、少なくともシリカおよび/またはアルミナからなる処理層を有するルチル型酸化チタンである。
(2)塩素化ポリオレフィン樹脂は、塩素含有率が25〜45質量%であり、かつインキ100質量%中に0.1〜2質量%の範囲で含有する。
また、本発明は、更に塩化ビニル共重合樹脂および/またはセルロース系樹脂を含み、ポリウレタン樹脂と、塩化ビニル共重合樹脂およびセルロース系樹脂と、を95/5〜40/60の質量比で含有する前記グラビアインキに関する。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂は、少なくともポリエステルポリオール由来の構造単位を有するポリウレタン樹脂である前記グラビアインキに関する。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール由来の構造単位と、ポリエーテルポリオール由来の構造単位とを、55/45〜99/1の質量比で含有することを特徴とする、前記グラビアインキに関する。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、前記グラビアインキに関する。
一般式(1)
−COO−CHCRCH−OCO−
(式中、Rはアルキル基、Rは水素原子またはアルキル基を表す。)
また、発明は、塩素化ポリオレフィン樹脂が、塩素化ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする、前記グラビアインキに関する。
また、本発明は、基材1上に、前記グラビアインキからなる印刷層を有する印刷物に関する。
また、本発明は、少なくとも、基材1と基材2の間に前記グラビアインキからなる印刷層を有するラミネート積層体に関する。
本発明により、グラビア印刷時の印刷適性が良好であり、幅広い濡れ指数の基材に対して密着性と耐ブロッキング性、ラミネート強度の良好であるグラビアインキを提供することができた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明は、印刷層と接する面の濡れ指数が30〜60dyne/cmである基材1と、基材2との間に印刷層を有するラミネート積層体の印刷層を形成するためのグラビアインキであって、酸化チタン顔料、ポリウレタン樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂を含み、下記(1)および(2)を満たすグラビアインキである。
(1)酸化チタン顔料は、少なくともシリカおよび/またはアルミナからなる処理層を有するルチル型酸化チタンである。
(2)塩素化ポリオレフィン樹脂は、塩素含有率が25〜45質量%であり、かつインキ100質量%中に0.1〜2質量%の範囲で含有する。
本発明のグラビアインキは顔料として上記酸化チタンを含むグラビアインキである。バインダー樹脂としてポリウレタン樹脂を含有し、接着助剤として塩素化ポリオレフィン樹脂を上記範囲で含み、印刷する基材として30〜60dyne/cmである基材において密着性、耐ブロッキンング性およびラミネート強度で良好な性能が得られる。なおこの効果はポリウレタン樹脂のもつバインダー性能および顔料分散性ならびに塩素化ポリオレフィン樹脂のもつ基材密着性がなす相乗効果であると考えられる。
また本発明のグラビアインキはポリウレタン樹脂に加えて、塩化ビニル共重合樹脂およびセルロース樹脂の合計量を質量比で95/5〜40/60で含有することが好ましい。更に好ましくは90/10〜50/50である。これは塩化ビニル共重合樹脂とセルロース樹脂はガラス転移温度(以下Tgと記載する場合がある)が高いため、印刷層の被膜が丈夫になり、耐ブロッキンング性が向上するためである。
上記バインダー樹脂とは、酸化チタン顔料を含む顔料を結着させるための樹脂成分をいう。バインダー樹脂はグラビアインキ中の合計質量%として、3〜40%で含有することが好ましく、5〜25%で含有することがより好ましい。バインダー樹脂中に、上記ポリウレタン樹脂と、塩化ビニル共重合樹脂および/またはセルロース系樹脂と、をバインダー樹脂100質量%中に合計で70〜100質量%含むことが好ましい。更に好ましくは85〜100質量%である。
また、上記バインダー樹脂100質量%中、上記ポリウレタン樹脂および塩化ビニル共重合樹脂を合計で70〜100質量%含み、その固形分質量比/が95/5〜40/60であることが好ましく、90/5〜50/50であることがより好ましい。この範囲で印刷適性、基材密着性、塗膜物性およびラミネート強度が良好となる。
<ポリウレタン樹脂>
ポリウレタン樹脂は、重量平均分子量として10,000〜100,000のものが好ましく、ガラス転移温度が−60℃〜0℃であることが好ましく、更には動的粘弾性測定において40℃における貯蔵弾性率が1〜100MPaであるものが好ましい。なお、本発明においてガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)により測定し、ガラス転移が起こる温度範囲の中点を表す。
また、ポリウレタン樹脂は、アミン価や水酸基価を有するものが好ましく、アミン価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。また水酸基価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。
なお、ポリウレタン樹脂はウレア結合を有していても良いし、ウレア結合を有していなくても良く、更に2種類以上を併用しても良い。
上記ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、その含有量はポリウレタン樹脂固形分100質量%中、30〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜75質量%であり、更に好ましくは45〜70質量%である。
本明細書において、ポリエステルポリオール由来の構造単位とは、ポリウレタン樹脂の原料であるポリエステルポリオールの、一つの末端の水酸基の酸素原子から、他の末端の水酸基の酸素原子までの構造を示し、ポリエステルポリオールの配合量より算出した値である。
上記ポリウレタン樹脂は、ポリエーテルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、その含有量はポリウレタン樹脂固形分100質量%中、0.5〜30質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜25質量%である。
本明細書において、ポリエーテルポリオール由来の構造単位とは、ポリウレタン樹脂の原料であるポリエーテルポリオールの、一つの末端の水酸基の酸素原子から、他の末端の水酸基の酸素原子までの構造を示し、ポリエーテルポリオールの配合量より算出した値である。
上記ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール由来の構造単位とポリエーテルポリオール由来の構造単位の両方を含有することが好ましく、ポリエステルポリオール由来の構造単位とポリエーテルポリオール由来の構造単位(ポリエステル/ポリエーテル)を質量比で55/45〜99/1の割合で含有することが好ましく、60/40〜90/10の質量比で含有することがより好ましく、70/30〜85/15の質量比で含有することが更に好ましい。ポリエステルポリオール由来の構造単位の量が増えると、後述する塩素化ポリオレフィン樹脂と併用による相乗効果で基材への密着性が向上する。なお、ポリエステルポリオール由来の構造単位とポリエーテルポリオール由来の構造単位は合計で、ポリウレタン樹脂100質量%中、30〜75質量%含有することが好ましく、45〜75質量%含有することがより好ましい。
ポリウレタン樹脂は特に制限はなく、公知の方法により適宜製造される。例えばポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂や、ポリオールとポリイソシアネートからなる末端イソシアネートのウレタンプレポリマーと、更にアミン系鎖延長剤を含むアミン化合物を反応させることにより得られる。したがって、ポリオール由来のポリオール構造単位を含有するポリウレタン樹脂が好ましい。
上記ポリオールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。中でも、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの併用が好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの単独重合体や、2種以上の組み合わせからなる共重合体のポリエーテルポリオー
ル類が挙げられる。中でもポリテトラメチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましく、数平均分子量は500〜10,000であることが好ましい。なお、本明細書に記載したポリオールの数平均分子量は、ポリオール一分子鎖の有する水酸基の価数と、ポリオール固形分1g中水酸基価(水酸基モル数の水酸化カリウム量換算値)から計算されるものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1× 水酸基の価数/水酸基価
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とジオールとのエステル化反応により得られる縮合物等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールを構成する上記ジオールとしては、アルキル基を有するジオールが好ましい。アルキル基を有するジオールとは、ジオールに含まれるアルキレン基の水素原子の少なくとも1つがアルキル基によって置換された構造を有するジオールを意味し、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、および2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらは、後述する様々な濡れ指数の基材に対して強い接着性を発現するため、特に好ましい。
これらのポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、上記二塩基酸としてはセバシン酸、アジピン酸が特に好ましい。また、ヒドロキシル基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
ポリウレタン樹脂は、上記ポリエステルポリオールを構成するジオール由来の構造として、下記一般式(1)で表される構造を含むことが好ましい。
一般式(1)
−COO−CHCRCH−OCO−
(式中、Rはアルキル基、Rは水素原子またはアルキル基を表す。)
上記構造を構成するジオールとしては、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる
上記構造を含有するポリウレタン樹脂を用いた場合、後述する塩素化ポリオレフィン樹脂との併用でラミネート強度が大幅に向上する。一般式(1)の構造は、ポリウレタン樹脂100質量%中に25〜80質量%含むことが好ましく、35〜75質量%含むことがよ
り好ましい。
上記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜10,000である。数平均分子量は、上記(式1)により求められる。本発明に用いるポリエステルポリオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以下であることがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。なおこれらは3量体となってイソシアヌレート環構造となっていても良い。芳香族ジイソシアネートとしては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加された4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。
中でも好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体から選ばれる少なくとも一種である。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記アミン化合物は、少なくとも鎖延長剤となるポリアミン化合物を含む。一実施形態において、上記アミン化合物は、ポリアミン化合物に加えて、必要に応じて、重合停止剤となるアミン化合物を含んでもよい。
鎖延長剤となるポリアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、分子量500以下が好ましく、ジアミン系、多官能アミン系等のものが挙げられ、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、p−フェニレンジアミンなどのジアミン系鎖延長剤の他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど水酸基を有するジアミン系鎖延長剤も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また必要に応じて3官能以上の多官能のアミン系鎖延長剤も使用出来る。具体的には、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン:(IBPA、3,3’−ジアミノジプロピルアミン)、トリエチレンテトラミン、N−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン:(スペルミジン)、6,6−
イミノジヘキシルアミン、3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ビス(3‐アミノプロピル)エチレンジアミンが挙げられる。中でも好ましくはイソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミンである。
上記アミン化合物は、1級、2級の1価のアミノ基を有する化合物を含んでもよい。これらの化合物は、過剰な反応を停止することを目的とした重合停止剤として機能する。かかる化合物としては例えば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や2−エタノールアミンなどのアミノアルコール類等があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を重合停止剤として用いることができる。重合停止剤を用いるときには、重合停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に重合停止剤を単独に添加して重合停止反応を行ってもよい。一方、重合停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
ポリウレタン樹脂の合成法は、ポリオールをポリイソシアネートと反応させてポリウレタン樹脂とする合成方法またはポリオールをポリイソシアネートと反応させたのちアミン系鎖延長剤と反応させてポリウレタン樹脂にする方法が好ましい。
例えばポリオールをポリイソシアネートと反応させたのちアミン系鎖延長剤と反応させてポリウレタン樹脂にする方法では、ポリオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて50℃〜150℃の温度で反応させ(ウレタン化反応)、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーにアミン系鎖延長剤と反応(鎖延長反応)させてポリウレタン樹脂を得るプレポリマー法などが挙げられる。ただしポリウレタン樹脂の製造方法はこれらに限定されない。
上記プレポリマーを製造するに当たり、ポリオールとポリイソシアネートとの量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数と高分子ポリオールの合計の水酸基のモル数の比であるNCO/OHの値は1.1〜3.0の範囲となるようにすることが好ましい。更に好ましくはNCO/OH=1.3〜2.5である。
また、上記プレポリマーの合成には有機溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる有機溶剤としてはイソシアネート基と反応不活性な有機溶剤が好ましく、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤や酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピルなどのエステル系有機溶剤等が挙げられる
さらに、このプレポリマーの合成反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオール化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーとアミン系鎖延長剤であるジアミン、トリアミンなどとを10〜60℃で反応させ、末端に活性水素基を含有する高分子量のポリウレタン樹脂が得られる。
また、プレポリマー中のイソシアネート基のモル数に対するアミン化合物のアミノ基の合計モル数の比(NH/残NCO)は1.01〜2.00、好ましくは1.03〜1.06の範囲となるようにして反応させることが好ましい。
<塩化ビニル共重合樹脂>
塩化ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニル由来の構造単位とその他モノマー由来の構造単位を含有するものであれば特に限定されない。中でも塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂および塩化ビニル‐アクリル共重合樹脂が好ましい。
<塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂>
塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであり、分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜70,000が更に好ましい。塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中の酢酸ビニルモノマー由来の構造は、1〜30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は、70〜95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上し、更に基材への密着性、被膜物性、ラミネート強度等が良好となる。
また、有機溶剤への溶解性が向上するため、ケン化反応あるいは共重合でビニルアルコール由来の水酸基を含むものが更に好ましく、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
<塩化ビニル−アクリル共重合樹脂>
塩化ビニル−アクリル共重合樹脂は、塩化ビニルモノマーとアクリルモノマーの共重合樹脂を主成分とするものであり、アクリルモノマーとしては、基材に対する接着性と有機溶剤に対する溶解性が向上するため(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを含むことが好ましい。アクリルモノマーは、ポリ塩化ビニルの主鎖にブロックないしランダムに組み込まれていても良いし、ポリ塩化ビニルの側鎖にグラフト重合されていても良い。塩化ビニル−アクリル共重合樹脂は、重量平均分子量が10,000から100,000であることが好ましく、30,000から70,000であることが更に好ましい。また、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましく、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
また、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂中の塩化ビニルモノマー由来の構造は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂固形分100質量%中、70〜95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上し、更に基材への密着性、被膜物性、ラミネート強度等が良好となる。
以下の説明において、(メタ)アクリルないし(メタ)アクリレートはそれぞれメタクリルおよびアクリル、メタクリレートおよびアクリレートを意味する。
上記アクリルモノマーは水酸基を有するものが好ましく、例としては(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが溶剤に対する溶解性を向上させるため、より好ましい。これらは単独または2種以上を併用できる。なお上記以外のアクリルモノマーを随時含有しても良い。
<セルロース系樹脂>
セルロース系樹脂としては、例えばニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、上記アルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースが好ましい。分子量としては重量平均分子量で5,000〜1,000,000のものが好ましく、10,000〜200,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が100℃〜160℃であるものが好ましい。
<他のバインダー樹脂>
バインダー樹脂は、バインダー性能を有するものであれば、上記ウレタン樹脂、塩化ビニル共重合樹脂、およびセルロース系樹脂以外の樹脂を併用しても良く、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、無水マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、酢酸ビニル樹脂、ロジン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、シクロオレフィン樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、バインダー樹脂の固形分100質量%に対して、0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましい。なお、バインダー樹脂は、塩素化ポリオレフィン樹脂を含まない。
<塩素化ポリオレフィン樹脂>
本発明における塩素化オレフィン樹脂は、易接着処理基材への接着性やラミネート強度が向上するため、塩素含有率が25〜45質量%であることが好ましく、26〜40質量%であることがより好ましい。ここで、本発明における塩素含有率とは、塩素化オレフィン樹脂100質量%中の塩素原子の含有質量%をいう。また、エステル系溶剤/アルコール系溶剤などの混合溶剤への溶解性の観点から、本発明における塩素化ポリオレフィンの重量平均分子量は、5000〜30000であることが好ましい。また、耐ブロッキング性とのバランスの観点から、塩素化オレフィン樹脂はインキ100質量%中に0.1〜2質量%含有することが好ましい。より好ましくは0.2〜1.0質量%である。
本発明において、塩素化ポリオレフィン樹脂とは、下記一般式(2)で示されるα−オレフィンの重合体の水素を塩素置換した構造を有するものである。
一般式(2)

CH=CH−R

(式中、Rは炭素数1以上のアルキル基である。)
塩素化ポリオレフィン樹脂は、柔軟性を持つアルキル基を分枝構造として有するため、低温下でも粘稠(ねんちょう)な液体であり、上記使用量にて基材接着性を向上させる。塩素化ポリオレフィン樹脂におけるポリオレフィン構造は、特に制限はない。例えば、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系不飽和炭化水素の単独重合体又は共重合体を含有する樹脂が好ましい。中でもポリプロピレン構造(すなわち塩素化ポリプロピレン構造)を含むものが特に好ましい。この場合、前述のアルキル置換基を有するジオールと二塩基酸からなるポリエステル構造単位を有するポリウレタン樹脂と併用した場合に優れた基材密着性が得られる。
また、上記塩素化ポリオレフィン樹脂は、他のモノマーとの共重合樹脂であっても良く、
上記塩素含有率であれば、特段限定は無い。共重合可能なモノマーとしてはアクリルモノマー、酸性モノマー、酢酸ビニルモノマー、スチレンモノマーなどが好ましい。なお、アクリルモノマーとしては前述のアクリルモノマー等が挙げられ、酸性モノマーは、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
<酸化チタン顔料>
本発明において使用できる酸化チタン顔料は、少なくともシリカあるいはアルミナで表面処理された、結晶構造がルチル型のものである。この処理層を有することでグラビアインキの印刷適性が向上する。またその他の金属により処理されていても良く、例えばSi、Al、ZnおよびZrの元素からなる金属単体、Al、Znの酸化物などが挙げられる。上記酸化チタンの「処理された」とは酸化チタン粒子の表面を被覆されている状態をいう。
また上記酸化チタンは、JIS K5101に規定されている測定法による吸油量が14
〜35ml/100gであることが好ましく、17〜32ml/100gであることがより好ましい。また、透過型電子顕微鏡により測定した平均粒子径(メディアン粒子径)が0.15〜0.35μmが好ましく、0.2〜0.3μmであることがより好ましい。また、酸化チタン顔料の合計含有量は、インキ100重量%中、10〜60重量%であることが好ましく、10〜45重量%であることがより好ましい。また複数種の酸化チタン顔料を併用しても良い。なお、本発明のグラビアインキにおいて、酸化チタン顔料の他に、その他の無機顔料、有機顔料も更に併用することができる。
また、酸化チタンとバインダー樹脂の固形分重量比率は、15:10〜50:10であることが好ましく、20:10〜45:10であることがより好ましい。
上記有機顔料としては、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニ系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられ、カラーインデックス記載のものを随時併用可能である。
また、上記無機顔料としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒等が挙げられ、アルミニウムはリーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプいずれでも良い。
無機顔料の中で、体質顔料としては、以下に限定されないが、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカなどが好ましい。
酸化チタン顔料は、グラビアインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちグラビアインキの総質量100質量%中、1〜45質量%で含有することが好ましく、2〜35質量%で含有することがより好ましい。
<有機溶剤>
本発明のグラビアインキは、液状媒体として有機溶剤を含むことが好ましい。使用される有機溶剤としては、混合溶剤としての使用が好ましく、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、などのアルコール系有機溶剤など公知の有機溶剤を使用できる。中でも、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更に好ましくは芳香族系有機溶剤および/またはメチルエチルケトン(以下「MEK」と表記する)などのケトン系有機溶剤を含まない有機溶剤であり、有機溶剤中にエステル系有機溶剤を主成分(50%以上)として含有することが好ましい。特にエステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤を含むものが好ましい。
更に、本発明のグラビアインキは、液状媒体として水を含むことが好ましい。その含有量は液状媒体100質量%中0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8質量%であることがより好ましい。この含有量により、版つまり性や版かぶり性などの印刷適性が良化する。
<添加剤>
本発明のグラビアインキ組成物は、添加剤として公知のものを適宜含むことができ、インキ組成物の製造においては必要に応じて公知の添加剤、例えば顔料誘導体、顔料分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤などを使用することができる。なお、耐ブロッキング性が向上するためワックス成分として脂肪酸アミド、炭化水素系ワックスを0.01〜2質量%含有することが好ましい。
上記脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が好ましい。また、上記炭化水素系ワックスとしては、軟化点が85〜120℃の、ポリエチレンワックスやフィッシャートロプシュワックスが好ましい。
<グラビアインキの製造>
本発明のグラビアインキは、酸化チタン顔料、バインダー樹脂、塩素化ポリオレフィン、を有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、例えば酸化チタン顔料、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル共重合樹脂、および必要に応じて上記顔料分散剤を混合し、有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、更にポリウレタン樹脂、水、あるいは必要に応じて他の樹脂や添加剤などを配合することによりグラビアインキを製造することができる。また、顔料分散体の粒度分布は、分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミル、ガンマミルなどを用いることができる。中でもサンドミル等のビーズミル分散機による製造が好ましい。ビーズミル分散機のビーズの種類およびサイズ、ビーズの充填率、分散処理時間、粘度などを適宜調節することにより、製造することができる。
上記方法で製造されたラミネート用グラビアインキの粘度は、グラビア印刷法での高速印刷(50〜300m/分)に対応させるため、B型粘度計での25℃における粘度が40〜500cpsの粘度範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜400cpsで
ある。この粘度範囲は、ザーンカップ#4での粘度が9秒〜40秒程度に相当する。なお、グラビアインキ組成物の粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば有機顔料、バインダー樹脂、有機溶剤などの量を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の有機顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
<印刷物>
本発明のグラビアインキは、グラビア印刷方式で印刷が可能である。例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。基材上に、本発明のグラビアインキ組成物を用いて印刷した後、揮発成分を除去することによって印刷層を形成し、印刷物を得ることができる。
<基材1>
基材1は、印刷される面(印刷層と接する面)の濡れ指数が30〜60dyne/cmである。35〜55dyne/cmであることが更に好ましい。なお、濡れ指数は、濡れ指数標準液を用いてJIS K 6768に記載の方法で測定した値である。
本発明の印刷物に使用できる基材1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状の基材が挙げられる。また、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの無機化合物をポリエチレンテレフタレート、ナイロンフィルムに蒸着した蒸着基材も用いることができ、更に蒸着処理面がポリビニルアルコールなどによるコート処理を施されていても良い。
基材1は、印刷層と接する面の濡れ指数が上記範囲となるように易接着処理されていることが好ましい。易接着処理とは、例えば、コロナ放電処理、紫外線/オゾン処理、プラズマ処理、酸素プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。例えばコロナ放電処理では基材上に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等が発現する。水素結合を利用できるためインキ中には水酸基やアミノ基といった官能基を有する化合物を含むことが好ましい。
<基材2>
基材2としては基材1と同様のものが挙げられ、同一でも異なっていても良い。中でも未延伸ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン、ナイロン基材、アルミニウム箔基材、アルミニウム蒸着基材などが好ましい。
<積層体>
本発明の積層体は、上記印刷物の印刷層に、更にフィルム層が順に貼り合わされたものである。なお、積層体は接着剤層を含む積層体が好ましく、基材1、印刷層、接着剤層、基材2を順に有する積層体が好ましい。接着剤層は、アンカーコート剤、ウレタン系ラミネート接着剤、溶融樹脂等からなる層が挙げられる。アンカーコート剤(AC剤)としてはイミン系AC剤、イソシアネート系AC剤、ポリブタジエン系AC剤、チタン系AC剤が挙げられ、ウレタン系ラミネート接着剤としてはポリエーテルウレタン系ラミネート接着剤、ポリエステル系ラミネート接着剤などが挙げられ、有機溶剤を含むものと、無溶剤のものとがある。また、溶融樹脂としては、溶融ポリエチレン等が挙げられる。
積層体の製造方法としては、例えば、印刷層上に、イミン系、イソシアネート系、ポリ
ブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルジョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、その上にプラスチックフィルムを積層するドライラミネート法やノンソルベントラミネート法、また印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層する
ダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により得られる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表わす。
(水酸基価)
JIS K0070に従って求めた。
(酸価)
JIS K0070に従って求めた。
(アミン価)
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数でJISK0070に準じて以下の方法に従って求めた。
試料を0.5〜2g精秤した(試料固形分:Sg)。精秤した試料にメタノール/メチルエチルケトン=60/40(質量比)の混合溶液50mLを加え溶解させた。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なった。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い、下記(式2)によりアミン価を求めた。
(式2)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW2500
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW3000
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW4000
東ソー株式会社製 TSKgel guardcolumn SuperAWH
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(基材の濡れ指数)
濡れ指数標準液を用いてJIS K 6768に記載の方法に従って求めた。
(合成例1)[ポリウレタン樹脂PU1]
数平均分子量2000のメチルペンタンジオールとアジピン酸の縮合物であるポリエステルポリオール(以下「MPD/AA」)40部、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール(以下「PPG」)60部、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)37.3部、および酢酸エチル34.3部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの溶剤溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(以下「IPDA」)15.1部、イミノビスプロピルアミン(以下「IBPA」)2.0部、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール(以下「2AEA」)1.0部、酢酸エチル/イソプロパノール(以下「IPA」)=50/50の混合溶剤328.4部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマー溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価4.0mgKOH/g、水酸基価3.5mgKOH/g、重量平均分子量38000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。
(合成例2〜4)[ポリウレタン樹脂PU2〜PU4]
表1に示す原料を用い、合成例1と同様の方法により、ポリウレタン樹脂溶液PU2〜PU4を得た。なお、表1中の略称は下記の通りである。
・NPG/AA:ネオペンチルグリコールとアジピン酸の縮合物であるポリエステルポリオール
・MPO/AA:2‐メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸の縮合物であるポリエステルポリオール
・PEG:ポリエチレングリコール
・TDI:トリレンジイソシアネート(メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート)
(合成例5)[塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(PVAc1)]
1.0Lオートクレーブにて、ペルオキソ二硫酸カリウム(K)1.0gをイオン交換水500gに溶解させ、脱気した。60℃に昇温後、塩化ビニルが357g、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが63g、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(製品名:エーロゾルOT)が5.0gからなる混合物425gをオートクレーブに内に60℃、6.5気圧で添加、反応させた。重合反応はオートクレーブが2.5気圧になるまで行った。できたエマルジョンを塩化ナトリウムで析出させ、ろ過後、洗浄、乾燥を行い、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂を得た。更に塩化ビニル−アクリル共重合樹脂を酢酸エチルに溶解させ、固形分30%のワニス(PVAc1)を得た。なお、得られた樹脂中のアクリル酸2−ヒドロキシプロピルの含有率は14.0%、重量平均分子量50000、ガラス転移温度70℃であった。
(実施例1)[グラビアインキS1の作成]
ポリウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)を30部、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂(ソルバインTA5R:日信化学工業社製 塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール=88:1:11(固形分30%酢酸エチル溶液))5部、JR−806(テイカ社製 酸化チタン ルチル型結晶構造 シリカおよびアルミナによる表面処理、平均粒子径0.27μm、吸油量21(ml/100g))
を30部、酢酸プロピル/IPA=70/30の溶液34部を混合し、アイガーミルで20分間分散したのち、該分散体に対してオレイン酸アミド0.5部および塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製 製品名:370M 塩素含有率30% 固形分50%)0.5部を添加後、10分撹拌混合して、グラビアインキS1を得た。
(実施例2〜19)[グラビアインキS2〜S19の作成]
表2に示す原料を用いた以外は実施例1と同様の方法により、グラビアインキS2〜S19を得た。なお、表2中の略称は以下を表す。
・CR−57:石原産業社製 酸化チタン ルチル型結晶構造 アルミナ、ジルコニアおよび有機物による表面処理 平均粒子径0.24μm 吸油量17(ml/100g)
・CR−85:石原産業社製 酸化チタン ルチル型結晶構造 シリカおよびアルミナ表面処理 平均粒子径0.25μm 吸油量30(ml/100g)
・DLX5−8:ICI Novel enterprises社製 ニトロセルロース
窒素分12.0%(固形分30%イソプロパノール溶液)
・814B:日本製紙社製 塩素化ポリプロピレン樹脂 塩素含有率41%
・2027MB:日本製紙社製 塩素化ポリプロピレン樹脂 塩素含有率27%
・803LT:日本製紙社製 塩素化ポリオレフィン樹脂 塩素含有率26.5%
・3228S:日本製紙社製 酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂 塩素含有率28%
表2において、バインダー樹脂は溶剤溶液の重量を、塩素化ポリオレフィンについては樹脂固形分の重量を記載した。
(比較例1〜5)[グラビアインキSS1〜SS5の作成]
表3に示す原料を使用する以外は、上記実施例1〜19に記載の方法と同様の方法にてグラビアインキSS1〜SS5を得た。なお、表3中の略称は以下を示す。
・JA−3:テイカ社製 酸化チタン アナターゼ型結晶構造 表面処理無し 平均粒子径0.18μm 吸油量23(ml/100g)
・A−124GP:高松油脂社製 ポリエステル樹脂 固形分25%溶液
・851L:日本製紙社製 酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂 塩素含有率19%
(実施例20)
<グラビアインキの印刷>
上記で得られた、グラビアインキS1を、混合溶剤(メチルエチルケトン「MEK」:Nプロピルアセテート「NPAC」:イソプロパノール「IPA」=30:40:30)により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、ヘリオ175線ベタ版(版式コンプレスト、100%ベタ柄)により、以下に示すプラスチック基材のコロナ放電処理面またはアルミナ蒸着面に印刷速度100m/分で印刷し、下記の基材(1)〜基材(4)を用いて印刷物J1、K1、L1、M1をそれぞれ得た。なお印刷条件は、温度25℃、湿度60%にて行った。
・J1の印刷に用いた基材(1):東洋紡社製 二軸延伸ポリプロピレン(OPP)基材
P2261 膜厚20μm コロナ放電処理面の濡れ指数34dyne/cm
・K1の印刷に用いた基材(2):東洋紡社製 二軸延伸ポリプロピレン(OPP)基材
P2261 膜厚20μm コロナ放電処理面の濡れ指数40dyne/cm
・L1の印刷に用いた基材(3):ユニチカ社製 二軸延伸ポリエステル(PET)基材
PTM 膜厚12μm コロナ放電処理面の濡れ指数45dyne/cm
・M1の印刷に用いた基材(4):三井化学東セロ社製 アルミナ蒸着二軸延伸ポリエステル(アルミナ蒸着PET)基材 TL−PETHS 蒸着面の濡れ指数55dyne/cm
なお、上記J1の印刷に用いた基材(1)は、K1の印刷に用いた基材(2)を40℃−80%RHにて6日間静置して、意図的にコロナ放電処理面の濡れ指数を低下させたものである。
<エクストルジョンラミネート加工>
印刷物J1の印刷面に、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤(東洋モートン社製EL420)をメタノール:水=70:30(質量比)からなる溶剤で希釈した固形分1%(重量比、メタノール/水=70/30)の溶液を塗工し、塗工面に315℃にて溶融した低密度ポリエチレン(ノバテックLC600、日本ポリケム社製)重ねると同時に、更に上記低密度ポリエチレン上に未延伸ポリプロピレン(FCMN、膜厚40μm、東セロ社製)を貼り合わせることで、エクストルジョンラミネート加工を行って積層体を得た。
<ドライラミネート加工>
印刷物L1の印刷面に、ポリエステルウレタン系ラミネート接着剤(東洋モートン社製 TM250HV/CAT−RT86L−60)を固形分20%の酢酸エチル溶液を、乾燥後の接着剤層が2.0g/mとなるように塗工・乾燥した後、接着剤層に厚さ80μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)を貼り合わせてドライラミネート加工を行って積層体を得た。
(実施例21〜38)
表2に記載のインキを表4に記載の組み合わせで用いた以外、実施例20と同様の方法にて印刷物J2〜J19、K2〜K19、L2〜L19およびM2〜M19をそれぞれ得た。更に印刷物J2〜J19の印刷物の印刷面へ上記と同様の方法でエクストルジョンラミネート加工を行い、積層体を得た。また、印刷物L2〜L19の印刷物の印刷面へ上記と
同様の方法でドライラミネート加工を行い、積層体を得た。なお評価は積層体を40℃、48時間保持後に行った。
(比較例6〜10)
表3に記載のインキを表5に記載の組み合わせで用いた以外、実施例20と同様の方法にて印刷物JJ1〜JJ5、KK1〜KK5、LL1〜LL5およびMM1〜MM5をそれぞれ得た。更に印刷物JJ1〜JJ5の印刷物の印刷面へ上記と同様の方法でエクストルジョンラミネート加工を行い、積層体を得た。また、印刷物LL1〜LL5の印刷物の印刷面へ上記と同様の方法でドライラミネート加工を行い、積層体を得た。なお評価は積層体を40℃、48時間保持後に行った。
<評価>
実施例および比較例のグラビアインキ、印刷物、積層体にて、以下の評価を行った。表4および表5に結果を示した。
<密着性>
印刷物J1〜J19、K1〜K19、L1〜L19およびM1〜M19およびJJ1〜JJ5、KK1〜KK5、LL1〜LL5およびMM1〜MM5について、それぞれ25℃で1日間放置後、印刷面に幅12mmの粘着テープ(ニチバン社製 セロハンテープ)を貼り付け、これを基材面に対して90°方向に急速に剥がしたときの印刷面の外観の状態を目視判定した。尚、判定基準は以下の通りとした。
5.印刷面のインキ被膜が全く剥離しないもの(良好)
4.インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であるもの(実用可)
3.インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
2.インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
1.インキ被膜が50%以上剥がれるもの(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<耐ブロッキング性>
印刷物J1〜J19、K1〜K19およびJJ1〜JJ5、KK1〜KK5について、以下の条件にて耐ブロッキング性の評価を行った。
(試料および圧力)
OPP印刷物の印刷面/OPP基材非コロナ処理面 10kg/cm
(静置条件)40℃−80%RH 48時間
(評価方法)印刷面と基材とを引き剥がし、印刷面からのインキ被膜の剥離具合を目視で判定。
判定基準
5.印刷面のインキ被膜が全く剥離せず、剥離抵抗の小さいもの(良好)
4.インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であり、剥離抵抗の小さいもの(実用可)3.インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
2.インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
1.インキ被膜が50%以上剥離するもの(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<ラミネート強度>
印刷物J1〜J19およびL1〜L19を用いた積層体、JJ1〜JJ5およびLL1〜LL5を用いた積層体について、印刷部分を巾15mmで裁断し、インキ面と基材面で剥離させた後、剥離強度(ラミネート強度)をインテスコ社製201万能引張り試験機にて測定した。
判定基準
5.引張強度が1.0N/15mm以上である(良好)
4.引張強度が0.6N/15mm以上、1.0N/15mm未満である(実用可)
3.引張強度が0.4N/15mm以上、0.6N/15mm未満である(やや不良)
2.引張強度が0.2N/15mm以上、0.4N/15mm未満である(不良)
1.引張強度が0.2N/15mm未満である(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<印刷適性(版かぶり性)>
グラビアインキS1〜S18、SS1〜SS5について版かぶり性評価を行った。なお、希釈溶剤はMEK:NPAC:IPA=30:40:30とし、粘度をザーンカップ#3で16秒(25℃)とし、印刷機における版の空転90分後の、版かぶり部分の面積を目視判定し、評価を行った。
判定基準
5.版かぶり面積が0%以上5%未満である(良好)
4.版かぶり面積が5%以上10%未満である(実用可)
3.版かぶり面積が10%以上15%未満である(やや不良)
2.版かぶり面積が15%以上30%未満である(不良)
1.版かぶり面積が30%以上である(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
Figure 2021014590
Figure 2021014590
Figure 2021014590
Figure 2021014590
Figure 2021014590
(比較例11)
実施例1において作成したグラビアインキS1を実施例20と同様の方法にてポリプロピレン基材(東レ社製 製品名 N10 濡れ指数28dyne/cm)に印刷し、エクストルジョンラミネート加工を行い、積層体を得た。得られた印刷物および積層体について密着性およびラミネート強度を評価したところ、密着性評価ではインキ被膜が全て剥離し、ラミネート強度は0.1N/15mmであった。
(比較例12)
実施例1において作成したグラビアインキS1を実施例20と同様の方法にてアルミニウム蒸着ポリエステル基材(麗光社製 製品名 H−27 濡れ指数63dyne/cm)に印刷し、エクストルジョンラミネート加工を行い、積層体を得た。得られた印刷物および積層体について密着性およびラミネート強度を評価したところ、密着性評価ではインキ被膜が全て剥離し、ラミネート強度は0.1N/15mmであった。
評価結果から、本発明のグラビアインキはグラビア印刷時の印刷適性が良好であり、幅広い濡れ指数の基材に対して密着性と耐ブロッキング性、ラミネート強度の良好であるグラビアインキであることが分かった。

Claims (8)

  1. 印刷層と接する面の濡れ指数が30〜60dyne/cmである基材1と、基材2との間に印刷層を有するラミネート積層体の印刷層を形成するためのグラビアインキであって、酸化チタン顔料、ポリウレタン樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂を含み、下記(1)および(2)を満たすグラビアインキ。
    (1)酸化チタン顔料は、少なくともシリカおよび/またはアルミナからなる処理層を有するルチル型酸化チタンである。
    (2)塩素化ポリオレフィン樹脂は、塩素含有率が25〜45質量%であり、かつインキ100質量%中に0.1〜2質量%の範囲で含有する。
  2. 更に塩化ビニル共重合樹脂および/またはセルロース系樹脂を含み、ポリウレタン樹脂と、塩化ビニル共重合樹脂およびセルロース系樹脂と、を95/5〜40/60の質量比で含有する請求項1に記載のグラビアインキ。
  3. ポリウレタン樹脂は、少なくともポリエステルポリオール由来の構造単位を有するポリウレタン樹脂である請求項1または2に記載のグラビアインキ。
  4. ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール由来の構造単位と、ポリエーテルポリオール由来の構造単位とを、55/45〜99/1の質量比で含有することを特徴とする、請求項1から3いずれかに記載のグラビアインキ。
  5. ポリウレタン樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、請求項1から4いずれかに記載のグラビアインキ。
    一般式(1)
    −COO−CHCRCH−OCO−
    (式中、Rはアルキル基、Rは水素原子またはアルキル基を表す。)
  6. 塩素化ポリオレフィン樹脂が、塩素化ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする、請求項1から5いずれかに記載のグラビアインキ。
  7. 基材1上に、請求項1から6いずれかに記載のグラビアインキからなる印刷層を有する印刷物。
  8. 少なくとも、基材1と基材2の間に請求項1から6いずれかに記載のグラビアインキからなる印刷層を有するラミネート積層体。




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