JP6962836B2 - 裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物、印刷層、および積層体 - Google Patents
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Description
特に、耐ボイル性や耐ブロッキング性などの皮膜物性を向上させるために、ポリマージオールとして特定のグリコール成分を使用するものが提案されている。
しかし、バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂ではなく、また該樹脂のアミン価および重量平均分子量について記載も示唆もない。さらに印刷塗膜としたときに、該印刷塗膜中のバイオマス度について記載も示唆もない。
しかし、バイオマス由来のポリウレタン樹脂の重量平均分子量について記載も示唆もない。実施例には、得られたポリウレタン樹脂のアミン価の測定値は記載されているものの、バイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂のアミン価ではなく、アミン価についての詳細な記載がなく、特別な意義を有する記載も示唆もない。さらに印刷塗膜としたときに、該印刷塗膜中のバイオマス度について記載も示唆もない。
一方で、有機溶剤による大気汚染等の環境問題、作業環境の安全衛生問題、防災といった観点から、印刷インキや塗料の分野では、エステル系溶剤を使用せず、アルコール系溶剤を選択したり、水性インキを利用することが多くなってきている。
しかし、該バイオポリウレタン樹脂のアミン価については、記載も示唆もない。また、重量平均分子量については、明細書中に、「2,000〜500,000の範囲のものが好ましい」と記載があるが、用途によって適する重量平均分子量の範囲が異なることが明らかであることに加えて、実施例中にも重量平均分子量の開示はなく、まして印刷インキ用途についての好ましい範囲については、記載も示唆もまったくなく、不明である。また、明細書には「従来の石油原料由来のポリウレタン樹脂と比べて、各種の用途に十分に使用可能であった。」と記載があるのみで、実際に印刷インキを作製した例がなく、不明である。さらに、バイオポリウレタン樹脂の合成に使用できる有機溶剤が例示されているが、実施例に記載されている溶剤は、DMF(ジメチルホルムアミド)しかなく、該DMFは、印刷インキ工業連合会で規定されている「印刷インキに関する自主規制(NL規制)」に該当する溶剤であるので、当業者においては、絶対に使用しない溶剤であることが常識となっている。したがって、当該バイオポリウレタン樹脂を使用した印刷インキを想定しているとは到底考えられず、フィルム基材へグラビア印刷し、溶剤を蒸発させ、フィルム基材上に印刷塗膜としたときに、該印刷塗膜中のバイオマス度について、記載も示唆もない。
したがって、食料品として廃棄されるものをいかに利用し、環境負荷を増加させずに「環境にやさしい」パッケージとしてアピールでき、フィルム用の包装材に使用できる溶剤型グラビア印刷インキ組成物をグラビア印刷法によりフィルム基材層上に印刷塗膜としたときに、該印刷塗膜中のバイオマス度が高くなる印刷塗膜が望まれていた。
(1) 炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタンウレア樹脂を含む裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物であって、
前記ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記ポリウレタンウレア樹脂がバイオマス由来成分を用いて合成されたものである裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物、
(2) 前記バイオマス由来成分が、バイオマス由来ポリオールおよび/またはバイオマス由来ポリカルボン酸である、(1)に記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物、
(3) 前記バイオマス由来ポリオールが、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、およびダイマージオールの中から選ばれる1種または2種以上であり、
前記バイオマス由来ポリカルボン酸が、グルタル酸、コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スベリン酸、およびフランジカルボン酸の中から選ばれる1種または2種以上である、(2)に記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物、
(4) 前記ポリウレタンウレア樹脂が、石油由来ジオールおよび/または石油由来カルボン酸を含む、(1)乃至(3)いずれか一つに記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物、
(5) (1)乃至(4)いずれか一つに記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物を用いて、グラビア印刷法により塗工されて形成された印刷層、
(6) 前記印刷層のバイオマス度(顔料を含まない)が3〜40質量%である、(5)に記載の印刷層、
(7) (4)または(5)に記載の印刷層と、
前記印刷層上に形成されたラミネート層と、を備える積層体、
(8) 包装用途に供される、(7)に記載の積層体、
に関するものである。
前記ポリオール(I)は、末端に水酸基を有するポリオールであり、(A)ポリエステルポリオール、(B)ポリエーテルポリオール、(C)(A)、(B)以外のその他の高分子量ポリオール(ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール、アクリルポリオールなど)、(D)低分子量ポリオール、から選ばれる単独またはこれらの混合物である。
前記(A)ポリエステルポリオールは、末端に水酸基を有するポリエステルポリオールであることが好ましく、ポリオール(i)と、ポリカルボン酸(ii)あるいはこれの無水物とを脱水縮合させることにより得られ、ポリオール(i)としてはグリコールやジオールが好ましく、ポリカルボン酸(ii)としてはジカルボン酸が好ましく、さらに3個以上の水酸基を有するトリオールやポリオール、3個以上のカルボキシル基を有するトリカルボン酸や多価カルボン酸を併用してもよい。
3個以上の水酸基を有するポリオールや3個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸を使用する場合は、それぞれジオール、ジカルボン酸に対して、5モル%以下であることが好ましい。これより多いと、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂を合成する際、ゲル化するおそれがある。
また、ポリオール(i)とポリカルボン酸(ii)は、どちらも1種類でなくてもよく、どちらかもしくはそれぞれ2種以上使用してもよく、これらを使用する場合、あらかじめこれらを全量仕込む方法でもよいし、特定のポリオール(i)とポリカルボン酸(ii)を使用して、別々の(A)ポリエステルポリオールを合成してから、当該別々の(A)ポリエステルポリオール同士をブレンドして使用してもよい。
酸価は、1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/gより大きいと、得られるバイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂のワニスやインキ化した際の経時粘度が増加し、インキの安定性が劣る。酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070による測定値である。
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070による測定値である。
前記(A)ポリエステルポリオールのポリオール(i)として、具体的には、ジオール(a)として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物、ブチルエチルプロパンジオールなどを使用できる。多官能ポリオール(b)として、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。アミノ基を有するジオール(c)として、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、フェニルジイソプロパノールアミン、4−メチルフェニルジイソプロパノールアミン、4−メチルフェニルジエタノールアミンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは併用して使用することができる。
なかでもバイオマス由来としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ダイマージオールなどが挙げられる。
前記(A)ポリエステルポリオールのポリカルボン酸(ii)として、具体的には、ジカルボン酸(d)として、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スベリン酸、フランジカルボン酸および前記ジカルボン酸の無水物および炭素数1〜5の低級アルコールのエステル化合物などが挙げられる。また、多価カルボン酸(e)として、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。これらは、単独もしくは併用して使用することができる。
なかでもバイオマス由来としては、グルタル酸、コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スベリン酸、フランジカルボン酸などが挙げられる。
前記(B)ポリエーテルポリオールとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオールなどが挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。これらは、単独もしくは併用して使用することができる。特に、ポリプロピレングリコールは低温安定性が良好である。
なかでもバイオマス由来としては、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記(C)その他の高分子量ポリオールとしては、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)などのラクトン類を開環重合して得られるポリカプロラクトンジオール、低分子ポリオールとジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートなどとの反応によって得られるポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。
ポリオール(I)として、(D)低分子量ポリオールも使用することができる。これにより、ウレタン結合量やウレア結合量を調整することができる。ポリオール(I)中に10質量%以下であることが好ましい。10質量%を超えるとハードセグメントが多くなり、溶解性に劣る。
低分子量ポリオールとしては、前記ポリオール(i)に挙げた成分を使用することができる。
2段階法の場合、鎖伸長反応は、溶剤(V)、鎖伸長剤(III)および/または反応停止剤(IV)をあらかじめ仕込んでから、プレポリマーを添加する方法でもよいし、プレポリマー溶液中に鎖伸長剤(III)および/または反応停止剤(IV)を仕込む方法でもよい。
バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、1〜13mgKOH/gであることが好ましい。1より小さいとフィルムへの密着性が劣り、13を超えるとイソシアネート系硬化剤を添加した際に増粘するおそれがあり、版詰まりのおそれもある。
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要な塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定は、樹脂溶液サンプルを10gまたは20gを三角フラスコに精秤し、メスシリンダーで溶剤(メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1重量比)50ml加えて、溶解する。0.4%ブロムクレゾールグリーンを1ml加えてから、1/10N塩酸水溶液で滴定する。溶液の色が青または青緑から黄緑になり、最後の一滴で黄色になった時点を終点とし、次式により、樹脂溶液アミン価を算出する。
アミン価=A×f×5.611/S
ただし、A=1/10N塩酸水溶液消費量(ml)、
f=1/10N塩酸水溶液力価、
S=試料採取量(g)
バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、次式により、算出できる。
樹脂アミン価=樹脂溶液アミン価×100/樹脂固形分
前記ジイソシアネート化合物(II)としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサエチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの脂肪族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4、4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4'−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートおよびこれらの変性体などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
なかでもバイオマス由来としては、ダイマージイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記鎖伸長剤(III)は、ポリウレタン樹脂にウレア結合を導入することができる。プレポリマーのイソシアネート基に対して、反応性を有する活性水素原子を分子中に2個以上有する化合物が好ましい。このような鎖伸長剤(III)としては、例えば、1分子中に2個以上の1級または2級アミノ基を含有するポリアミン化合物、ヒドラジド化合物、あるいは分子量600未満の低分子量ポリオールなどが挙げられる。
なかでもバイオマス由来としては、ダイマージアミン、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドや前記ポリオール(i)のバイオマス由来成分などが挙げられる。
バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂溶液を合成する際に、反応を止めるため、一価の活性水素を有する化合物を反応停止剤(IV)として使用することが好ましい。反応停止剤(IV)は、鎖伸長剤(III)と同時であっても、ある程度鎖伸長剤で、鎖伸長反応を進めてから、添加してもよい。このような反応停止剤(IV)としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのモノアルコール、エチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、グリシン、アラニンなどのカルボキシル基含有アミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの水酸基含有アミンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
ウレタン化反応において、触媒を使用することができる。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリンなどのアミン系触媒、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫アセテートなどの錫系触媒、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタン系触媒やジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
添加量は、通常ポリオール(I)に対して、0.001〜1モル%の範囲内であることが好ましい。
ウレタン化反応において、反応制御のため、溶剤(V)を使用することが好ましく、イソシアネート基に対して不活性のものであるか、低活性のものであることがより好ましい。使用できる溶剤(V)としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
なかでも印刷作業環境を考慮すると、芳香族炭化水素系溶剤を含まないことが好ましい。
なかでもバイオマス由来の樹脂として、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン系樹脂、ポリ乳酸樹脂などが挙げられる。
また、セルロースアセテートプロピオネート樹脂およびセルロースアセテートブチレート樹脂は、セルロースと適当な有機酸および/または酸無水物との反応により得られる。前記セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、セルロースを酢酸およびプロピオン酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は0.6〜2.5質量%、プロピオニル化は42.5〜46質量%、水酸基は1.8〜5質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。前記セルロースアセテートブチレート樹脂は、セルロースを酢酸及び酪酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は2〜29.5質量%、ブチリル化は17〜53質量%、水酸基は0.8〜4.8質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。
インキ組成物中に溶剤は30〜95質量%の範囲内であることが好ましい。30質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性がなくなる。95質量%より多いと粘度が低くなり、顔料が沈降しやすくなる。また、バイオマス由来の溶剤としてエタノールなども使用できる。
なかでも印刷作業環境を考慮して、芳香族炭化水素系溶剤を含まないことが好ましい。
印刷塗膜は、前記インキ組成物を後記する印刷法などによってフィルム基材層上に作成されるが、インキ組成物中に含まれる溶剤は、印刷時の乾燥工程で揮発する。結果として、フィルム基材層上には、樹脂成分や顔料成分などが固形分として残り、これを本明細書中では印刷塗膜という。
ここで、バイオマス度(顔料を含まない)とは、フィルム基材層上に作成した印刷塗膜について、印刷塗膜中の顔料成分の固形分を除いた樹脂固形成分に含まれるバイオマス由来固形分の割合をいい、次の式(1)で表される。
バイオマス度(%)=(バイオマス由来樹脂固形分/樹脂固形分)×100 (1)
通常のグラビア印刷で使用される印刷版を使用して作成された印刷塗膜は、前記インキ組成物のバイオマス度(顔料を含まない)が3%以上であれば、印刷塗膜のバイオマス度も3%以上になるとみなす。また、重ね刷りの場合、バイオマス度が3%以上の印刷塗膜が少なくとも1層以上あればよい。
ここで、フードマイレージとは、生産地と消費地との間の距離が長くなるほど、食料品の輸送時に必要なエネルギ−消費が高くなり、二酸化炭素の排出量も多くなることから、環境への負荷を示す指標として提唱されている概念である。フードマイレージは、商品を産地から販売地まで輸送する際の輸送距離をL、商品の重量をWとした場合、L×Wにより計算される数値により表すことができる。商品の生産地と販売地が近ければフードマイレージは小さくなり、同一の商品であってもより遠くの生産地から商品を輸送すればフードマイレージは大きくなることから、地産池消の取組みにもつながってくる。
また、印刷面として紙を用いた樹脂コートフィルムや紙と上記プラスチックフィルムとの積層体をフィルム基材層として用いてもよい。
なかでもバイオマス由来の印刷基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、紙、ポリ乳酸、セロハンなどが市販されている。
前記印刷層は、レーザー版と呼ばれる腐食版またはダイヤモンドの針によって掘られる彫刻版を使用して、グラビア印刷機によって、印刷される。印刷速度は通常30〜350m/分の範囲内である。
前記印刷層は、多色印刷できる印刷ユニット中、全印刷ユニットにバイオマス由来のインキ組成物を使用し、塗工されて形成されることが好ましいが、用途、物性、デザイン、コスト、作業性、機能などを考慮すると、全印刷ユニットに本発明のバイオマス由来インキ組成物を使用する必要はなく、他の汎用グラビアインキ組成物および/または各種機能性インキ組成物、意匠性インキ組成物などバイオマス由来ではないインキ組成物を使用してもよく、これらを重ね刷りもしくは反転印刷にて、塗工されて形成された印刷層であってもよい。
シール層の厚さは、特に制限はないが、0.2〜300μmが好ましく、0.5〜300μmがより好ましい。
特に、ポリエチレン系フィルムにおいて、バイオマス由来のフィルムが市販されている。
中間層としては、プラスチックフィルム、シート、紙、アルミ箔ならびにこれらの積層体などが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテートなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルアルコールなどのアルコール系フィルム、ポリアミドフィルムまたはバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、PETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミニウムの蒸着層を設けたアルミ蒸着ポリエステルフィルムまたはアルミ蒸着ポリアミドフィルムあるいはPETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミナやシリカなどの蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂などをコートした各種コーティングフィルム、HDPEやPPなどの一軸延伸フィルム、ポリ乳酸フィルムなどが挙げられる。これらは延伸、未延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものが選択できる。貼り合わせ面にはアンカーコート層やラミネート層の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。処理は両面処理が好ましい。なかでもバイオマス由来の中間層としては、ポリエチレンテレフタレート、アルミ蒸着PET、ポリエチレン、紙、ポリ乳酸、セロハンなどが挙げられ、市販されている。
また、本発明の積層体では必ずしもフィルム基材層に印刷層を施す必要はなく、中間層に印刷層を設けることもできる。
中間層としては、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であればよく、5〜300μmの厚みが好ましく、6〜250μmの厚みがより好ましい。
分散体における色材の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
インキ組成物中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
インキ組成物中の固形分としては、2〜80質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
ヒートシールの際、シールバーに当たる用途には、耐チント変色性など、ボイル・レトルト用途には、耐マイグレーション性、耐熱性など、屋外用途には、耐光性などを考慮して適宜色材を選択することが好ましい。前記各種インキ組成物は、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
なかでも、印刷作業環境を考慮すると、ノントルエン系もしくはノンケトン系の希釈溶剤が好ましい。また、バイオマス由来の有機溶剤などを使用することが好ましい。
なかでもバイオマス由来としては、ペンタン−1,5−ジイソシアネートおよびこれらの変性体が好ましい。
PES1
撹拌機、温度計、分水器、窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、石油由来の3−メチル−1,5−ペンタンジオール20.69部、石油由来のネオペンチルグルコール18.24部、バイオマス由来のエチレングリコール5.44部、石油由来のアジピン酸55.63部、テトラブチルチタネート0.0003部を仕込み、窒素気流下、230℃で縮合によって生じる水を除去しながら、エステル化を8時間行って、ポリエステルジオールの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を終了した。これにより水酸基価56.1mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/g、数平均分子量2,000、バイオマス度5.4%のバイオマス由来ポリエステルジオールPES1を得た。
同様に、表1〜表4の配合に従い、バイオマス由来ポリエステルジオールPES2〜23および石油由来ポリエステルジオール(バイオマス度0%)PES24〜31を得た。また、特許文献3のポリエステルポリオールに類似のポリエステルジオールPES32(バイオマス度100%)を得た。
バイオマス度は、次の式(2)により計算した。
バイオマス度(%)=(バイオマス由来樹脂固形分/樹脂固形分)×100 (2)
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070に従った。
酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070に従って測定した。
数平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定をした。
PUU1
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、合成した数平均分子量2,000のバイオマス由来ポリエスエテルジオールPES1を21.76部、数平均分子量2,000の石油由来のポリプロピレングリコール1.15部、石油由来イソホロンジイソシアネート5.09部を仕込み、窒素気流下、105℃で6時間反応させ、バイオマス由来ウレタンプレポリマーを製造した後、酢酸エチルを18.67部加えて46.67部のバイオマス由来ウレタンプレポリマー均一溶液を得た。続いて、石油由来イソホロンジアミン1.97部、n−ジブチルアミン0.03部、酢酸n−プロピル30.33部、イソプロピルアルコール21.00部からなる混合物に、前記バイオマス由来ウレタンプレポリマー溶液46.67部を加えて、60℃で3時間反応させた。これにより、樹脂固形分30.0%、粘度990mPa・s/25℃、重量平均分子量32,200、樹脂溶液アミン価1.07、バイオマス度3.9%のバイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1を得た。
同様に、表5〜表8の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU2〜24および石油由来ポリウレタンウレア樹脂溶液(バイオマス度0%)PUU25〜32を得た。また、同様に、表9の配合に従い、重量平均分子量またはアミン価が異なるバイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU33および34、特許文献3に類似のポリウレタンウレア樹脂溶液PUU35(バイオマス度100%PES32使用)、特許文献1に類似のポリウレタンウレア樹脂溶液PUU36(バイオマス度0%)、特許文献2に類似のポリウレタンウレア樹脂溶液PUU37(バイオマス度0%)を得た。
バイオマス度は、次の式(3)により計算した。
バイオマス度(%)=(バイオマス由来樹脂固形分/樹脂固形分)×100 (3)
重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定した。カラムはGelpack GL−A160、GL−A150、GL−A130(日立化成(株)製)を使用した。測定サンプルは試料を精秤(固形分換算で0.04g)し、テトラヒドロフランを5ml加え溶解して作成した。
樹脂溶液アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要な塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定は樹脂溶液サンプルを10gまたは20gを三角フラスコに精秤し、メスシリンダーで溶剤(メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1重量比)50ml加えて、溶解する。0.4%ブロムクレゾールグリーンを1ml加えてから、1/10N塩酸水溶液で滴定する。溶液の色が青または青緑から黄緑になり最後の一滴で黄色になった時点を終点とし、次式により、樹脂溶液アミン価を算出した。
アミン価=A×f×5.611/S
ただし、A=1/10N塩酸水溶液消費量(ml)、
f=1/10N塩酸水溶液力価、
S=試料採取量(g)
バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、次式により、算出できる。
樹脂アミン価=樹脂溶液アミン価×100/樹脂固形分
CAPニス
撹拌機のついた丸底フラスコに、酢酸エチル90部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−482−20(イーストマンケミカル社製)を10部添加して、CAPニスを作成した。CAPニスの樹脂固形分は10%、バイオマス度は49.7%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、酢酸エチル90部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−381−20(イーストマンケミカル社製)を10部添加して、CABニスを作成した。CABニスの樹脂固形分は10%、バイオマス度は47.7%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、酢酸エチル85.7部を仕込み、撹拌しながら硝化綿RS1/16(IPA30%湿綿)(TNC社製)14.3部添加して、NCニスを作成した。NCニスの樹脂固形分は10%、バイオマス度は49.1%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、酢酸エチル90部を仕込み、撹拌しながらソルバインAL(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、日信化学工業(株)製)を10部添加して、CLニスを作成した。CLニスの樹脂固形分は10%、バイオマス度は0%であった。
酸化チタン(C.I.Pigment W−7)35部、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU1 32部、CAPニス 5部、酢酸n−プロピル 20部、イソプロピルアルコール 8部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、白インキW1を100部得た。このW1のバイオマス度(顔料を含まない)は6.2%であった。
同様に、表10の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU1をPUU7、PUU13、PUU19、PUU25、PUU26、PUU33、PUU34、PUU35、PUU36、PUU37に代えて、白インキW2、W3、W4、W5、W6、W7、W8、W9、W10、W11を得た。
ジスアゾエロー(C.I.Pigment Y−14)10部、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU2 35部、CABニス 5部、メチルエチルケトン 20部、酢酸n−プロピル 20部、イソプロピルアルコール 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、黄インキY1を100部得た。このY1のバイオマス度(顔料を含まない)は10.4%であった。
同様に、表11の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU2をPUU8、PUU14、PUU27に代えて、黄インキY2、Y3、Y5を得た。
さらに、表11の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU20をPUU28に代えて、黄インキY6を100部得た。
ウォッチングレッド(C.I.Pigment R−48:3)10部、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU3 35部、NCニス 5部、酢酸n−プロピル 20部、メチルエチルケトン 20部、バイオマス由来エタノール 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、紅インキR1を100部得た。このR1のバイオマス度(顔料を含まない)は11.0%であった。
同様に、表12の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU3をPUU9、PUU15、PUU21、PUU29に代えて、紅インキR2、R3、R4、R9を得た。
さらに、表12の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU6をPUU12、PUU18およびPUU25、PUU24、PUU30に代えて、紅インキR6、R7、R8、R10を得た。
銅フタロシアニンブルー(C.I.Pigment B−15:3)12部、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU4 30部、CLニス 10部、酢酸n−プロピル 18部、メチルエチルケトン 20部、イソプロピルアルコール 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、藍インキC1を100部得た。このC1のバイオマス度(顔料を含まない)は17.5%であった。
同様に、表13の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU4をPUU10、PUU16、PUU22、PUU31に代えて、藍インキC2、C3、C4、C5を得た。
カーボンブラック(C.I.Pigment BL−7)12部、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU5 35部、CLニス 10部、酢酸エチル 17部、酢酸n−プロピル 17部、イソプロピルアルコール 9部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、墨インキB1を100部得た。このB1のバイオマス度(顔料を含まない)は11.9%であった。
同様に、表14の配合に従い、バイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂PUU5をPUU11、PUU17、PUU23、PUU32に代えて、墨インキB2、B3、B4、B5を得た。
インキ製造1週間後のインキの状態を目視にて観察し、評価した。インキ中の色材成分の沈降がないものが、インキ安定性が良好と判断した。色材成分の沈降について、○:製造直後と変化がない、△:わずかに色材成分の沈降がみられる(実用上問題ない)、×:色材成分がすべて沈降する、××:インキ化できない、の4段階で評価した。
8色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の1〜5色印刷各ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度の彫刻ヘリオ版((株)東和プロセス製)、ファニッシャーロールを取り付け、B1インキ、C1インキ、R1インキ、Y1インキ、W1インキをそれぞれ希釈溶剤PU515(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにB1インキ、第2ユニットのインキパンにC1インキ、第3ユニットのインキパンにR1インキ、第4ユニットのインキパンにY1インキ、第5ユニットのインキパンにW1インキをそれぞれ投入した。全てのユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm2、乾燥温度60℃、印圧2kg/cm2、印刷速度200m/分にて、厚み12μmのバイオマス由来PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(略称:バイオPET、東洋紡(株)製)に印刷して、バイオマス由来PETフィルム/バイオマス由来インキの印刷物PR1を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。
同様に、B1、C1、R1、Y1、W1インキを第1ユニットから第5ユニットまでそれぞれ表15の通り、B2、C2、R2、Y2、W2インキに代えて、印刷物PR2を得た。また、同様に、表15の通り、B5、C5、R9、Y5、W7インキに代えて、印刷物PR21を得た。
同様に、表15の通り、W5インキをW6インキに代えて、印刷物PR12を得た。また、第1ユニットから第5ユニットまでそれぞれ表15の通り、各インキを使用して、印刷物PR22、PR23、PR24を得た。
同様に、表15の通り、各インキを使用し、その際これらの各インキに、インキ100部に対し、石油由来イソシアネート硬化剤のLG硬化剤C(東京インキ(株)製)を3部添加して、印刷物PR18を得た。
同様に、表15の通り、各インキを使用し、その際これらの各インキに、インキ100部に対し、石油由来イソシアネート硬化剤のLG硬化剤C(東京インキ(株)製)を3部添加して、印刷物PR19を得た。
バイオマス度(%)=(バイオマス由来樹脂固形分/樹脂固形分)×100 (4)
印刷物を黒色または白色の紙の上に貼って、非画線部分に付着したインキの程度を目視にて観察し、評価した。非画線部分にインキの付着がないものが、耐版カブリ性が良好と判断した。非画線部分のインキの付着について、○:付着がまったくない、△:付着がわずかにみられる(実用上問題ない)、×:付着が全面にある、の3段階で評価した。
印刷物を3cm×3cmの大きさに切り、印刷面と非印刷面とを重ね合わせて、50℃で24時間、500g/cm2の荷重を掛けた後、印刷面と非印刷面の重ね合わせ部を剥離した時のインキ剥離状態を観察し、その際の剥離抵抗を評価した。インキ剥離がなく、剥離抵抗がないものが、耐ブロッキング性が良好と判断した。インキ剥離と剥離抵抗について、○:インキ剥離がなく、剥離抵抗もない、△:わずかにインキ剥離が認められ、剥離抵抗がある、×:全体にわたってインキ剥離が認められ、剥離抵抗がかなりある、の3段階で評価した。
印刷物の印刷面に粘着テープ(セロハンテープ、28mm、ニチバン(株)製)を貼り付けて、親指で5回強く擦った後、粘着テープをゆっくり引き剥がして、途中から急速に引き剥がしたときの、印刷面の粘着テープへの取られ具合を目視にて観察し、評価した。粘着テープへの取られ具合の少ないものが、フィルム密着性が良好と判断した。粘着テープへの取られ具合が、◎:まったくない、○:わずかに取られる(剥離面積として面積あたり0以上10%未満)、△:少し取られる(剥離面積として面積あたり10%以上20%未満、実用上問題ない)、×:ほとんどが取られる(剥離面積として面積あたり20%以上)、の4段階で評価した。
印刷物の印刷面に、酢酸エチルをスポイトで1滴垂らし、10秒後に酢酸エチルを柔らかい布で拭き取り、印刷面の状態を観察し、評価した。印刷面が溶解していないものが、耐溶剤性が良好と判断した。○:印刷面の溶解がほとんどない、×:印刷面の溶解が認められる、の2段階で評価した。
W1インキ100部に対して、イソシアネート系硬化剤(LG硬化剤C、東京インキ(株)製)5部と、PU515(ノントルエン系溶剤、東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した印刷インキを作製した。8色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の印刷ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度の彫刻ヘリオ版((株)東和プロセス製)を取り付け、第1ユニットのインキパンに硬化剤を混合したW1インキを投入した。ユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm2、乾燥温度60℃、印圧2kg/cm2、印刷速度200m/分にて、厚み12μmのバイオマス由来PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(略称:バイオPET、東洋紡(株)製)に印刷して、バイオマス由来PETフィルム/バイオマス由来インキの印刷物PR1を印刷した。
印刷開始から5分後、印刷機を停止し、そのまま5分間放置したのち、再度印刷を再開した。印刷再開後の印刷可否について確認し、評価した。印刷再開後、印刷ができるものが、耐版詰まり性が良好と判断した。同様に、W2インキ〜W11インキ(W8インキは除く)について、耐版詰まり性について評価した。○:印刷できるもの、×:印刷できないもの、の2段階で評価した。
印刷物PR1の印刷層上に、固形分1重量%としたポリエチレンイミン系のアンカーコート剤チタボンドT−100(日本曹達(株)製)を塗工して、押出ラミネート機で、ライン速度100m/分にて、溶融ポリエチレンLC600A(略称:LD、日本ポリエチレン(株)製)を315℃で溶融して15μmで積層して、12μmのアルミ蒸着PETフィルムであるVM−PET MWR2(略称:VM−PET、サイチ工業(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、溶融ポリエチレンを15μm積層して、50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであるLIX−NP L4102(略称:LLDPE、東洋紡(株)製)を貼り合わせて、PR1/LD/VM−PET/LD/LLDPEの積層体LAM1を得た。
同様に、印刷物PR1をPR11に代えて、PR11/LD/VM−PET/LD/LLDPEの積層体LAM11を得た。また、PR21〜PR24に代えて、積層体LAM21〜LAM24を得た。
同様に、印刷物PR2をPR12に、溶融ポリエチレンSBC818をLC600Aに代えて、PR12/LD/LLDPEの積層体LAM12を得た。
同様に、印刷物PR3をPR13に代えて、PR13/LD/LLDPEの積層体LAM13を得た。
同様に、印刷物PR4をPR14に代えて、PR14/DL/CPPの積層体LAM14を得た。
同様に、印刷物PR5をPR15に代えて、PR15/DL/LLDPEの積層体LAM15を得た。また、PR25に代えて、積層体LAM25を得た。
同様に、印刷物PR6をPR16に代えて、PR16/DL/EPフィルムの蓋材用積層体LAM16を得た。
同様に、印刷物PR7をPR17に代えて、PR17/DL/VM−PET/DL/OPPのインモールドラベル用積層体LAM17を得た。
同様に、印刷物PR8をPR18に代えて、PR18/DL/AL/DL/ナイロン/DL/CPPの積層体LAM18を得た。
同様に、印刷物PR9をPR19に代えて、PR19/DL/ナイロン/DL/CPPの積層体LAM19を得た。
同様に、印刷物PR10をPR20に代えて、PR20/NS/VM−CPPの積層体LAM20を得た。
積層体を15mm巾の短冊状にして、試験片とし、この試験片を万能型引張試験機(RTE−1210、(株)オリエンテック製)にて、T型剥離、引張速度300mm/分にて、引っ張り、剥離時の最大荷重をラミネート強度として測定した。ラミネート強度が大きいほど、ラミネート性が良好と判断した。ラミネート強度が、○:80g以上、△:50g以上、80g未満、×:50g未満、の3段階で評価した。
積層体LAM3、LAM5、LAM13、LAM15、LAM25を、180℃、1秒の条件にて、ヒートシールにより接着し、開口部を有する10×10cmの包装袋を得た。この包装袋に、内容物として、ケチャップ/食酢/サラダ油=1/1/1の混合物を充填後、前記開口部を前記条件と同様にしてヒートシールにより密封し、パウチ状の包装袋を作製した。この包装袋を98℃で30分間ボイル処理して、パウチ外観を目視により観察し、評価した。パウチ外観に浮きがないものが、耐ボイル性が良好と判断した。パウチ外観が、○:まったく変化ない、△:わずかに浮きが認められる、×:全面にわたって、浮きが認められる、の3段階で評価した。
積層体LAM8、LAM9、LAM18、LAM19を、220℃、1秒の条件にて、ヒートシールにより接着し、開口部を有する10×20cmの包装袋を得た。この包装袋に、内容物として、ケチャップ/食酢/サラダ油=1/1/1の混合物を充填後、前記開口部を前記条件と同様にしてヒートシールにより密封し、パウチ状の包装袋を作製した。この包装袋を121℃で30分間、レトルト処理して、パウチ外観を目視により観察し、評価した。パウチ外観に浮きがないものが、耐レトルト性が良好と判断した。パウチ外観が、○:まったく変化ない、△:わずかに浮きが認められる、×:全面にわたって、浮きが認められる、の3段階で評価した。
Claims (7)
- 炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタンウレア樹脂を含む裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物であって、
前記ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記ポリウレタンウレア樹脂がバイオマス由来成分を用いて合成されたものであり、
前記バイオマス由来成分が、バイオマス由来ポリカルボン酸としてダイマー酸を含み、
前記裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物を用いて、グラビア印刷法により印刷層を形成したときに当該印刷層のバイオマス度(顔料を含まない)が3〜40質量%となるように構成された、裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物。 - 前記バイオマス由来成分が、バイオマス由来ポリオールを含み、
当該バイオマス由来ポリオールが、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、およびダイマージオールの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物。 - 前記バイオマス由来ポリカルボン酸が、グルタル酸、コハク酸、セバシン酸、ドデカン二酸、スベリン酸、およびフランジカルボン酸の中から選ばれる1種または2種以上をさらに含む、請求項1または2に記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物。
- 前記ポリウレタンウレア樹脂が、石油由来ジオールおよび/または石油由来カルボン酸を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物。
- 請求項1乃至4いずれか一項に記載の裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物を用いて、グラビア印刷法により塗工されて形成された印刷層。
- 請求項5に記載の印刷層と、
前記印刷層上に形成されたラミネート層と、を備える積層体。 - 包装用途に供される、請求項6に記載の積層体。
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