JP5157594B2 - ポリウレタンウレア樹脂の製造方法及びそれを用いた印刷インキ組成物 - Google Patents
ポリウレタンウレア樹脂の製造方法及びそれを用いた印刷インキ組成物 Download PDFInfo
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Description
(1)ヒドロキシルジアルキルアミン化合物が、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジプロピルアミノエタノール、ジブチルアミノブタノールから選ばれる1種以上の化合物である。
(2)ポリウレタンウレア樹脂組成物が、
ジイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール化合物単独またはポリエーテルジオール化合物とポリエステルジオール化合物との混合物とを反応させ、
次いでヒドロキシルジアルキルアミン化合物を反応させ、
さらに鎖延長剤を反応させてなるポリウレタン樹脂組成物である。
1)アルコール系溶剤に対して良好な溶解性を持ち、優れたフレキソ印刷適性を有する。
2)各種フィルムに対して優れた接着性と耐ブロッキング性を示す。
3)ボイル加工やレトルト加工が可能である。
4)2液化剤として、印刷インキにイソシアネート系硬化剤を配合後も、インキ粘度上昇が少なく、貯蔵粘度が安定している。
(ポリエーテルジオール化合物)
本発明の印刷インキ用アルコール可溶性ポリウレタンウレア樹脂に使用する高分子ポリオールは、分子量1000〜5000のポリエーテルジオール化合物単独、あるいは分子量が1000〜5000のポリエーテルジオール化合物と分子量が1000〜5000のポリエステルジオール化合物の混合物である。ポリエーテルジオール化合物としては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールであり、これらの共重合ポリエーテルジオールが挙げられ、好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコールである。
(ポリエステルジオール化合物)
本発明で使用するポリエステルジオール化合物は、分子量1000〜5000が良く、ジカルボン酸とジオールの縮合反応により得られるポリエステルジオールが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、こはく酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸の如き脂肪族系ジカルボン酸、またはその無水物または、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族系カルボン酸、またはその無水物等が挙げられる。また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2‐ブチレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3‐ブチレングリコール、イソブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2‐メチル‐2‐プロピル‐1,3‐プロパンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、2‐メチル‐2,4‐ペンタンジオール、3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオール、2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオール、2‐エチル‐1,3‐ヘキサンジオール、2,5‐メチル‐2,5‐ヘキサンジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、1,4‐ブチンジオール、1,4‐ブテンジオール、2,5‐ジメチル‐3‐ヘキシン‐2,5‐ジオール;ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を有するジオール等が挙げられる。また、数平均分子量500以上のポリエステルジオールは、ε‐カプロラクトン、β‐メチル‐δ‐バレロラクトン等のラクトン化合物と、ジオールモノマー、ポリエステルポリオール、ポリエーテル等のジオール化合物とを150〜250℃で反応して得ることもできる。
(ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの混合)
ポリエーテルジオールとポリエステルジオールは混合して使用することが出来、混合比率(重量)は100/0〜20/80である。より好ましくは100/0〜50/50である。前記ポリエステルジオールの比率が80を超えると得られるウレタン樹脂のアルコールへの溶解性が低下し、印刷インキの流動性や光沢が低下する。
(ジイソシアネート化合物)
本発明で使用するジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5‐ナフチレンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´‐ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3‐フェニレンジイソシアネート、1,4‐フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン ‐1,4‐ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4‐トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4‐トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン‐1,4‐ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン‐4,4´‐ジイソシアネート、1,3‐ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例としてあげられる。特に、溶解性や柔軟性から、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
本発明で使用する、分子量が50〜300で水酸基を1個有するヒドロキシルジアルキルアミン化合物としては、ジメチルアミノメタノール、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール、ジメチルアミノブタノール、ジエチルアミノメタノール、ジエチルアミノエタノール、ジエチルアミノプロパノール、ジエチルアミノブタノール、ジプロピルアミノメタノール、ジプロピルアミノエタノール、ジプロピルアミノプロパノール、ジプロピルアミノブタノール、ジブチルアミノエタノール、ジブチルアミノプロパノール、ジブチルアミノブタノール、1−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−メチルー2‐ピペリジンメタノール、2−ヒドロキシエチルモルホリンが挙げられる。分子量が50〜300で水酸基を1個有するヒドロキシルジアルキルアミン化合物は、単独もしくは2種以上の混合物を使用することが出来る。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5‐ナフチレンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´‐ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3‐フェニレンジイソシアネート、1,4‐フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン ‐1,4‐ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4‐トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4‐トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン‐1,4‐ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン‐4,4´‐ジイソシアネート、1,3‐ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその例として挙げられる。
(ウレタン化触媒)
尚、ポリウレタンウレア樹脂のウレタン化反応で使用できる触媒としては、公知公用のものが使用出来、オクチル酸第一錫、ジブチル錫アセテート、テトラブトキシチタネートなどの触媒が例示できる。
(反応時の溶剤)
また、これらポリウレタンウレア樹脂の製造の際に使用出来る溶剤としては、通常印刷インキの溶剤として知られているトルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール誘導体やエーテル系溶剤等が使用できる。
鎖伸長剤としては、各種公知のアミン類を使用することができる。たとえばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン‐4,4´‐ジアミンなどがあげられる。また、アミノエチルエタノールアミンなどの水酸基を有するジアミン化合物があげられる。その他、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等もその代表例としてあげられる。
(ポリウレタンウレア樹脂のアミン価)
本発明のポリウレタンウレア樹脂のアミン価は0.5〜10、より好ましくは3〜8である。0.5を下回るとコロナ処理OPPフィルムヘの接着性が低下し、10を上回ると耐レトルト性が低下する。本発明のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、30000〜80000である。
(ポリウレタンプレポリマーの製造)
ポリウレタンプレポリマー成分の合成では、フラスコ中で必要に応じて有機溶媒及び反応触媒の存在下で、有機ジイソシアネート化合物とポリオール化合物を60〜120℃の温度範囲で所定のイソシアネート価が得られるまで反応させ、次に分子量50〜300以下で水酸基を1ケ有するヒドロキシルジアルキルアミン化合物を加えて、所定のイソシアネート価が得られるまで反応させる。
(ポリウレタンウレア樹脂の製造方法)
本発明の分子量50〜300で水酸基を単位分子あたり1個有するヒドロキシルジアルキルアミン化合物は、分子量が1000〜5000のポリエーテルジオール化合物単独、もしくはポリエーテルジオール化合物とポリエステルジオール化合物との混合物と併用して、ジイソシアネート化合物と反応を行える。より好ましくは、分子量が2000〜5000のポリエーテルジオール化合物単独、もしくはポリエーテルジオール化合物とポリエステルジオール化合物との混合物と、ジイソシアネート化合物との反応後、本発明の分子量50〜300で水酸基を1ケ有するヒドロキシルジアルキルアミン化合物とイソシアネート基とを反応させることが、得られる印刷インキの耐ブロッキング性、相溶性、接着性から好ましい。
(印刷インキ組成物)
次に、本発明のポリウレタンウレア樹脂をバインダーとするラミネート用印刷インキ組成物について説明する。
(セルロース・アセテート・アルキレート)
セルロース・アセテート・アルキレートとしては、セルロース・アセテート・ブチレートとセルロース・アセテート・プロピオネートが使用できる。特に好ましくはセルロース・アセテート・プロピオネートである。
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロート、窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコに、分子量2000のポリテトラメチレングリコール218.9部、イソホロンジイソシアネート57.4部を仕込み、窒素ガスを導入しながら徐々に90℃に昇温しNCO%が4.5%になるまで反応を行った。次にジエチルアミノエタノール12.2部を加え更に90℃で3時間の反応を行った。酢酸エチル115部を使用して、滴下槽に移しプレポリマーを得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロート、窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコに、アジピン酸と3‐メチル‐1,5‐ペタンタンジオールからなる分子量5000のポリエステルジオール263.6部、分子量1000のポリテトラメチレングリコール13.3部、イソホロンジイソシアネート19.3部を仕込み、窒素ガスを導入しながら徐々に90℃に昇温しNCO%が0.6%になるまで反応を行った。次にジエチルアミノエタノール0.25部を加え更に90℃で3時間の反応を行った。酢酸エチル115.0部を使用して、滴下槽に移しプレポリマーを得た。
製造例1で得られたポリウレタンウレア樹脂(a)を用いて、または製造例2で得られたポリウレタンウレア樹脂(b)を以下の処方で、印刷インキを作成した。CAPワニスは、アセチル基含有量2.5重量%、プロピオニル基含有率45重量%、水酸基含有率2.6重量%、ガラス転移点142℃の樹脂を溶解して使用した。
CAP樹脂(イーストマンケミカル社CAP−504−0.2) 20%
酢酸n―プロピル 80%
印刷インキは予め、表1のインキ処方に基づき配合し、高速ミキサーにより均一な状態が得られるまで攪拌・混合した。次に、2mm径のガラスビーズを充填した卓上サンドミルを用いて分散した。
結果を、表1に示す。
耐ボイル適性;PET、Ny印刷物に、イソシアネート系のアンカーコート剤を塗布後、押出ラミネート機により溶融ポリエチレンを厚さ30ミクロンで積層し、ラミネート加工物を得た。ラミネート加工物を製袋し、内部に水/油/酢=1/1/1の混合物を入れて密封後、90℃/30分間、熱水中で加熱し、外観のラミ浮きの有無から耐ボイル適性を判断した。
○:全くラミ浮きのないもの。
×:一部もしくは全面にデラミネーションが生じたもの。
○:全くラミ浮きのないもの。
×:一部もしくは全面にデラミネーションが生じたもの
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロート、窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコに、アジピン酸と3‐メチル‐1,5‐ペタンタンジオールからなる分子量2000のポリエステルジオール210.7部、イソホロンジアミン61.8部を仕込み、窒素ガスを封入しながら徐々に90℃に昇温しNCO%5.3%になるまで反応を行った。次にジエチルアミノエタノール16.0部を加え更に90℃で3時間の反応を行った。酢酸エチル115.0部を使用して。滴下槽に移しプレポリマーを得た。
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロート、窒素ガス導入管を付した四つ口フラスコに、分子量2000のポリテトラメチレングリコール236.3部、イソホロンジアミン47.3部を仕込み、窒素ガスを封入しながら徐々に90℃に昇温し、NCO%2.8%になるまで反応を行った。酢酸エチル115.0部を使用して、滴下槽に移しプレポリマーを得た。
Claims (10)
- ポリエーテルジオール化合物単独
または
ポリエーテルジオール化合物とポリエステルジオール化合物との混合物と、
分子量が50〜300であり、水酸基を単位分子あたり1個有するヒドロキシルジアルキルアミン化合物、ジイソシアネート化合物および鎖延長剤とを反応させてなるポリウレタンウレア樹脂組成物であって、下記の(1)、(2)を特徴とするポリウレタンウレア樹脂組成物。
(1)ヒドロキシルジアルキルアミン化合物が、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジプロピルアミノエタノール、ジブチルアミノブタノールから選ばれる1種以上の化合物である。
(2)ポリウレタンウレア樹脂組成物が、
ジイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール化合物単独またはポリエーテルジオール化合物とポリエステルジオール化合物との混合物とを反応させ、
次いでヒドロキシルジアルキルアミン化合物を反応させ、
さらに鎖延長剤を反応させてなるポリウレタン樹脂組成物である。 - 反応停止剤として、ジアルキルモノアミンを反応させてなることを特徴とする請求項1記載のポリウレタンウレア樹脂組成物。
- ポリエーテルジオール化合物の分子量が1000〜5000であることを特徴とする請求項1または2記載のポリウレタンウレア樹脂組成物。
- ポリエーテルジオール化合物が、ポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリウレタンウレア樹脂組成物。
- ヒドロキシルジアルキルアミン化合物の水酸基とイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比率が、0.05から0.35の範囲であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリウレタンウレア樹脂組成物。
- ポリエーテルジオール化合物とポリエステルジオール化合物との重量比率が、100/0から20/80の範囲であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリウレタンウレア樹脂組成物。
- アミン価が0.5から10の範囲であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のポリウレタンウレア樹脂組成物。
- 請求項1〜7いずれか記載のポリウレタンウレア樹脂にセルロース・アセテート・アルキネート樹脂、着色剤および有機溶剤を含有することを特徴とするフィルムラミネート用印刷インキ組成物。
- ポリウレタンウレア樹脂とセルロース・アセテート・アルキネート樹脂との固形分重量比率が、99/1〜70/30の範囲であることを特徴とする請求項8記載のフィルムラミネート用印刷インキ組成物。
- セルロース・アセテート・アルキネート樹脂が、
セルロース・アセテート・プロピオネート樹脂
または
セルロース・アセテート・プロピオネート樹脂と
セルロース・アセテート・ブチレート樹脂との混合物であることを特徴とする請求項8または9記載のフィルムラミネート用印刷インキ組成物。
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